特許第5764273号(P5764273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764273
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】減圧吸収パネルを有する容器基部
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
   B65D1/02
【請求項の数】15
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2011-502106(P2011-502106)
(86)(22)【出願日】2009年3月27日
(65)【公表番号】特表2011-515295(P2011-515295A)
(43)【公表日】2011年5月19日
(86)【国際出願番号】US2009038607
(87)【国際公開番号】WO2009120988
(87)【国際公開日】20091001
【審査請求日】2012年3月21日
(31)【優先権主張番号】61/040,067
(32)【優先日】2008年3月27日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514288680
【氏名又は名称】プラスチパック パッケージング、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】カミネニ、サティア
(72)【発明者】
【氏名】ムーニー、マイケル、アール.
(72)【発明者】
【氏名】バンギ、モニス
【審査官】 村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−501109(JP,A)
【文献】 特開平10−181734(JP,A)
【文献】 特開平08−104313(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/062829(WO,A2)
【文献】 国際公開第2006/118584(WO,A1)
【文献】 特開昭62−146137(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/050346(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負の内圧を吸収するように構成されたプラスチック容器であって、
口部に向かって上方へ延長する上部と、当該上部に対して反対方向に延長する下部とを形成する容器胴部と、
前記容器胴部の前記下部に連結され、且つ閉鎖された基部であって、
支持面上に静置されるように構成された立設部材と、
前記立設部材より半径方向内側の中央部に設けられたハブ部であって、当該ハブ部は前記基部が配置される前記支持面に向かって凸状に形成された外壁を有し、当該凸状の外壁は内側凹部を区画するものである、前記ハブ部と

前記立設部材と前記ハブ部との間に伸びる壁を含む基部本体であって、当該壁は前記立設部材と前記ハブ部との間に凸状のリング連動部を含むものである、前記基部本体と、
前記基部本体の壁に設けられ、前記凸状のリング連動部を横切って伸びる少なくとも1つのたわみリブであって、負の内圧の閾値レベルに応じて座屈するように構成されているものである、前記少なくとも1つのたわみリブと
を有する前記基部と
を有し、
前記基部本体は、負の内圧の増加に応じて成形時の状態から変形状態へと変形し、さらに増加した負の内圧に応じて前記基部本体がさらに変形をすることにより、前記リブは座屈を生じ、当該リブの座屈後、前記基部本体は、前記変形状態からたわんだ状態にさらに変形するものである
プラスチック容器。
【請求項2】
請求項1記載のプラスチック容器において、前記基部本体は、さらに、
前記立設部材より半径方向内側に設けられた一段高いリング部よりさらに半径方向内側に位置する第1の傾斜面と、当該第1の傾斜面に隣接して設けられた第2の傾斜面とを有し、
前記第1および第2の傾斜面は凸状のリング連動部を形成するものであり、前記少なくとも1つのたわみリブは、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面との間で連結されるものであるプラスチック容器。
【請求項3】
請求項2記載のプラスチック容器において、前記少なくとも1つのたわみリブは、閉じた外周を画成するものであるプラスチック容器。
【請求項4】
請求項2記載のプラスチック容器において、前記第1の傾斜面は、前記立設部材から前記ハブ部へ向かって半径方向内側の方向に沿って下方へ傾斜し、前記第2の傾斜面は、前記半径方向内側の方向に沿って上方へ傾斜するものであるプラスチック容器。
【請求項5】
請求項4記載のプラスチック容器において、前記第2の傾斜面は、平坦な中間パネル部を画成するものであるプラスチック容器。
【請求項6】
請求項1記載のプラスチック容器において、前記基部本体は、さらに、
前記立設部材と前記ハブ部との間に設けられた環状の中間部材を有し、この環状の中間部材は、複数の平坦なパネル部を画成し、このパネル部は互いの交点において隣接し合い、前記少なくとも1つのたわみリブは、前記複数の平坦なパネル部のうち隣接し合う一対の交点の1つに設けられるものであるプラスチック容器。
【請求項7】
請求項6記載のプラスチック容器において、当該プラスチック容器は、さらに、複数のたわみリブを有するものであり、当該複数のたわみリブのうちの1つは、前記交点の1つに設けられるものであるプラスチック容器。
【請求項8】
請求項1記載のプラスチック容器において、前記少なくとも1つのたわみリブは、実質的に三角形の断面を画成するものであるプラスチック容器。
【請求項9】
請求項8記載のプラスチック容器において、前記少なくとも1つのたわみリブは、上面から見た場合実質的にダイヤモンド形状であるプラスチック容器。
【請求項10】
請求項1記載のプラスチック容器において、当該容器は、高温充填用プラスチック容器であるプラスチック容器。
【請求項11】
未変形状態からたわんだ状態へと変形するように構成されたプラスチック容器であって

容器胴部と、
前記容器胴部に連結された基部であって、
前記基部の外周に設けられた立設部材と、
前記基部の中央部に設けられたハブ部であって、前記プラスチック容器が配置される前記支持面に向かって延長する凸状を有し且つ放射形状に形成されるものである、前記ハブ部と、
前記立設部材から前記ハブ部まで伸びる壁を含む基部本体であって、
前記壁は前記立設部材と前記ハブ部との間に凸状のリング連動部を含み、
前記基部本体は、前記壁に設けられ、前記凸状のリング連動部を横切って伸びる少なくとも1つのたわみリブを含むものであり、
前記少なくとも1つのたわみリブは、閉じた外周を画成し、前記基部の変形に応じて前記未変形状態から前記たわんだ状態へと座屈してたわみ位置を生じさせるように構成されているものであり、これにより、前記基部における前記少なくとも1つのたわみリブ以外の部分に初期段階においてたわみに対する抵抗が生じるものである、
前記基部本体と
を有するものである、前記基部と
を有するプラスチック容器。
【請求項12】
請求項11記載のプラスチック容器において、前記基部は、さらに、
複数の実質的に平坦な中間パネル部を有し、隣接し合う前記平坦な中間パネル部は各々の連動部で連結され、前記少なくとも1のたわみリブは前記連動部の1つに設けられるものであるプラスチック容器。
【請求項13】
請求項11記載のプラスチック容器において、さらに、
前記少なくとも1つのたわみリブより半径方向内側に設けられた強化リブを有し、この強化リブは、前記容器内の負の内圧により前記基部にかかった力を、半径方向外側へ前記たわみリブに向かって伝達するように構成されているものであるプラスチック容器。
【請求項14】
請求項1記載のプラスチック容器において、前記基部は8つの中間パネル部と、8つのたわみリブとを含み、当該中間パネル部およびたわみリブの各々は前記基部の周方向に離間して設けられているものであるプラスチック容器。
【請求項15】
請求項11記載のプラスチック容器において、前記基部は8つの中間パネル部と、8つのたわみリブとを含み、当該中間パネル部およびたわみリブの各々は前記基部の周方向に離間して設けられているものであるプラスチック容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2008年3月27日付け出願済み米国特許出願第61/040,067号(参照によりその開示内容全体が本明細書に記載されているものとして、本明細書に組み込むものとする)に基づく利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、容器に関し、より具体的には、充填され、密閉され、およびキャップが装着された後に負の内圧を受ける容器に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の容器設計の目標は、充填後、販売場所で予測可能な望ましい形状を有する容器胴部を形成することであった。例えば、多くの場合、ほぼ円柱形の胴部または円形の横断面を保つ容器を製造することが望ましい。ただし場合により、容器は、(周囲からの圧力に対する)負の内圧に影響を受けやすく、これが原因で当該容器が変形して剛性および安定性を失い、全体的な美観が損なわれる場合がある。容器内における負圧の増加には、いくつかの要因が寄与する。
【0004】
例えば、従来の高温充填工程では、液状または流動性の製品が、例えば華氏180〜190度に加熱され、ほぼ大気圧下で容器内に充填される。前記製品が高温充填の温度である間に、キャップが前記容器内に当該製品を密閉するため、高温充填プラスチック容器には、冷却時、負の内圧がかかり、前記製品が収縮し、当該容器の上部(ヘッド)空間に閉じ込められた空気があればそれも収縮する。上記の説明で使用されている用語「高温充填」は、加熱した製品を容器に充填し、当該容器にキャップを装着し若しくは当該容器を密閉して、その容器包装(パッケージ)を冷却する工程を包含する。
【0005】
また別の例として、プラスチック容器は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)などの材料で作製されることが多いが、PET容器は、時とともに水分が透過して逃げやすい。また、ポリヒドロキシアルカノエート(polyhydroxyalkanoate:PHA)などのバイオポリマー(生体高分子)または生物分解性ポリマーでは、この水分透過問題は悪化する。これにより、水分は、容器の有効期間にわたり当該容器の壁を通じて透過し、当該容器内部で負圧が蓄積する。このように、高温充填した容器も冷却充填した容器も負圧が蓄積しやすく、これにより従来の円柱形の容器胴部は変形してしまう。
【0006】
従来の容器には、屈曲するようにした部分すなわち減圧吸収パネルが含まれ、高温充填工程で典型的に生じる負の内圧がかかると変形する。この減圧吸収パネルの内側へのたわみにより、容器内外の圧力差が均一化されて、円柱形部分が魅力的な形状を保つ能力が高まり、ラベル貼付が容易になり、または同様な利点がもたらされる。
【0007】
一部の容器設計は、縦方向の中心線について対称で、補強材を備えた設計になっており、前記減圧吸収パネルがたわんで意図された円柱形の形状を保つ。例えば、米国特許第5,178,289号、第5,092,475号、および第5,054,632号では、一体的な減圧吸収パネルが内側へ縮小した状態でもフープの剛性を高めて隆起部をなくす補強部分すなわちリブについて開示している。米国特許第4,863,046号は、高温充填への適用時、容積の縮小率が1パーセント未満になるよう設計されている。
他の容器には、一対の減圧吸収パネルが含まれ、その各々が、利用者の拇指(親指)と他の指との間で容器を把持できるようにする凹部すなわち把持部分を有する。例えば、米国特許第5,141,120号では、連続的に減圧吸収パネルを取り囲むヒンジを有したボトル(瓶)について開示しており、前記減圧吸収パネルには、把持用の凹部が含まれる。前記ヒンジにより、減圧吸収パネル全体は、負の内圧に対応して内側へ陥凹することができる。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】 特表平10−181734号公報
【特許文献2】 米国特許出願公開第2004/0232103号明細書
【特許文献3】 欧州特許出願公開第0879765号明細書
【特許文献4】 米国特許第4318882号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記を鑑み、負の内圧の蓄積に対応して目立たない位置でたわむことのできる容器が望まれる。
【0010】
一実施形態によれば、プラスチック容器は、負の内圧を吸収するように構成される。前記プラスチック容器には、口部へと上方へ延長する上部と、その反対側の下部とを画成する実質的に円柱形の容器胴部とが含まれる。前記プラスチック容器には、さらに、前記実質的に円柱形の容器胴部の前記下部に連結されている閉鎖された基部が含まれる。前記基部には、支持面上に静置されるように構成された立設部材と、前記立設部材より半径方向内側に配置されている実質的に中央に設けられたハブ部と、前記立設部材と前記中央のハブ部との間に延在する基部本体とが含まれる。前記基部本体には、負の内圧の閾値レベルに応じて座屈するように構成された少なくとも1つのたわみリブが含まれる。この基部本体は、負の内圧の増加に応じて成形時の状態から変形状態へと変形できる。さらに増加した負の内圧に応じた当該基部本体のさらなる変形は、前記リブの座屈を生じ、これにより当該基部本体は、前記変形状態からたわんだ状態さらに変形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に従って構成された容器の側面図である。
図2図2は、図1に例示したタイプの容器の底面図で、複数の円周方向に離間されたたわみリブを示したものである。
図3図3は、図2に例示した基部の斜視図で、基部の成形時の状態または未変形状態を示したものである。
図4図4は、図2に例示した基部を、前記たわみリブを通過する線4−4に沿って見た部分断面図で、容器の成形時の状態または未変形状態を示したものである。
図5図5は、図2に例示した基部を、前記たわみリブを通過しない線5−5に沿って見た部分断面図で、容器の成形時の状態または未変形状態を示したものである。
図6図6は、図2に例示した基部の一部の斜視破断図で、基部が変形しているが、まだたわみのない状態を示したものである。
図7図7は、図6に例示した基部の斜視破断図で、基部のたわんだ状態を示したものである。
図8図8は、図2〜7に例示した基部を有する容器について、負の内圧増加の関数として容積の減少をプロットしたグラフである。
図9図9は、図1に例示したタイプの容器の底面図であり、代替実施形態に基づいて基部が構成され、円周方向に離間された複数のたわみリブを含んでいる。
図10図10は、図9に例示した基部の斜視図で、基部の成形時の状態または未変形状態を示したものである。
図11図11は、図9に例示した基部を、前記たわみリブを通過する線11−11に沿って見た部分断面図で、容器の成形時の状態または未変形状態を示したものである。
図12図12は、図9に例示した基部を、たわみリブを通過しない線12−12に沿って見た部分断面図で、容器の成形時の状態または未変形状態を示したものである。
図13図13は、図9に例示した基部の斜視破断図で、基部が変形しているが、まだたわみのない状態を示したものである。
図14図14は、図9に例示した基部の斜視破断図で、基部のたわんだ状態を示したものである。
図15図15は、図9〜14に例示した基部を有する容器について、負の内圧増加の関数として容積の減少をプロットしたグラフである。
図16図16は、図1に例示したタイプの容器の底面図であり、別の代替実施形態に基づいて基部が構成され、円周方向に離間された複数のたわみリブを含んでいる。
図17図17は、図16に例示した基部の斜視図で、基部の成形時の状態または未変形状態を示したものである。
図18図18は、図16に例示した基部を、前記たわみリブを通過する線18−18に沿って見た部分断面図で、容器の成形時の状態または未変形状態を示したものである。
図19図19は、図16に例示した基部を、たわみリブを通過しない線19−19に沿って見た部分断面図で、前記容器の成形時の状態または未変形状態を示したものである。
図20図20は、図16に例示した基部の一部の斜視破断図で、基部が変形しているが、まだたわみのない状態を示したものである。
図21図21は、図16に例示した基部の斜視破断図で、基部のたわんだ状態を示したものである。
図22図22は、図16〜21に例示した基部を有する容器について、負の内圧増加の関数として容積の減少をプロットしたグラフである。
図23図23は、図1に例示したタイプの容器の概略底面図で、さらに別の代替実施形態に基づいて構成された基部を示したもので、円周方向に離間された複数のたわみリブと、隣接し合うたわみリブ間の間隙にリブを有している。
図24図24は、図23に例示した基部を、図23に対して180°回転させた線24−24に沿って見た部分断面図で、基部の成形時の状態または未変形状態を示したものである。
図25図25は、図23に例示した基部を線25−25に沿って見た部分断面図で、基部の成形時の状態または未変形状態と、たわんだ状態との双方を示したものである。
図26図26は、図23に例示した基部を線26−26に沿って見た部分断面図で、基部の成形時の状態または未変形状態と、たわんだ状態とを示したものである。
図27図27は、図23に例示した基部の一部の斜視破断図で、基部の成形時の状態または未変形状態を示したものである。
図28図28は、図27に例示したものと類似した基部の一部の斜視破断図で、基部が変形しているが、まだたわみのない状態を示したものである。
図29図29は、図28に例示したものと類似した基部の斜視破断図で、基部のたわんだ状態を示したものである。
図30図30は、図23〜28に例示した基部を有する容器について、負の内圧増加の関数として容積の減少をプロットしたグラフである。
図31A-E】図31A〜Eは、図23に例示した基部の概略底面図で、種々の代替実施形態に基づいて構成された中間パネル部を有するものを示している。
図32A-F】図32A〜Fは、図23に例示した基部の概略断面図で、種々の代替実施形態に基づいて構成されている立設部材または縁部を有するものを示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、一実施形態に基づいて構成された容器30は、円柱形で、軸A−Aに沿って軸方向に延長するものであってよい。この容器30には、実質的に円柱形の胴部34を含めることができ、この胴部34には、例えば利用者の拇指と他の指との間に係合するように構成された把持面を提供する溝38が含まれる。前記胴部34は、ドーム36などの上部を有し、この上部は、首部(ネック)39に沿って口部40へと狭まりながら上方へ延長する。前記口部40は、ネジ山42を有してよく、当該ネジ山42は、これに嵌合して注ぎ口部を覆う従来のキャップなどの密閉部材のネジ山に係合するように構成されている。前記実質的に円柱形の胴部34には、基部32により閉じる下端を画成することができる。当該容器30は、高温充填圧力応答容器であっても、冷却充填圧力応答容器であってもよく、液体製品(図示せず)を保持するように構成された容積を画成する内部空間33を画成することができる。
【0013】
図の容器30は例として示したもので、いかなる容器構造も考えられることを理解すべきである。この容器30は、当業者により理解される任意の方法および材料を使って製作可能である。一実施形態において、当該容器30は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate:PEN)、これら2つの組み合わせ、または任意の適切な代替材料または追加材料などからなるブロー成形(中空成形)されたプラスチックで形成できる。
【0014】
前記基部32には、前記胴部34の下端に連結された環状の踵部(ヒール)44と、当該踵部44から下方へ延出した環状の縁部または立設リング部46(任意の幾何学的形状の立設部材であってよく、必ずしもリング形状に限定されないが、例示目的でリング部と呼ぶ)と、実質的に前記基部32の中央で高い位置に設けられた略凹状の部分またはハブ部48とを含めることができる。前記立設リング部46は、支持面51上に静置されるように構成されている。本明細書で放射状の延出方向について使用する用語「凹状(concave)」および「凸状(convex)」は、別段の断りがない限り、当該容器30の外部(例えば前記支持面51)から見た底面図などの前記基部32の図に関することを理解すべきである。
当該容器30は、図1において、垂直方向に若しくは軸A−Aに沿って軸方向に延在し、また前記垂直方向に対して垂直な水平方向に放射状に延在する向きで配置されているが、当該容器30の実際の配向(向き)は使用中に変化してよいものと理解される。そのため、方向に関する用語「垂直(な)(vertical)」および「水平(な)(horizontal)」は、単に明瞭性および例示の便宜上、当該容器30とその構成要素を、図1に例示した配向(向き)に対して記述するため使用される。このように、方向に関する用語「垂直(な)」とその派生語は軸A−Aに沿った方向に対して使用され、上向きの方向とは前記基部32から前記注ぎ口部43へ向かう方向をいい、下向きの方向とは前記注ぎ口部43から前記基部32へ向かう方向をいう。
【0015】
したがって、凹状面(凹面)については、半径方向外側の縁部(端部)と、半径方向内側の縁部(端部)と、これら半径方向縁部間に設けられた中間部であって当該半径方向縁部の少なくとも一方または双方より垂直方向上側に離間された位置に設けられた中間部とを含むものとして説明している。凸状面(凸面)の場合、半径方向外側の縁部と、半径方向内側の縁部とを含み、これら半径方向縁部間に設けられた中間部は、当該半径方向縁部の少なくとも一方または双方より下に設けられている。
【0016】
方向に関する用語「内側(の)(inboardおよびinner)」と、「外側(の)(outboardおよびouter)」と、これらの派生語とは、本明細書において、所与の装置に関し、当該装置の幾何学的中心に向かう若しくはそれから遠ざかる方向成分に沿った方向を指して使われる。前記基部の種々の構成要素は、別段の断りがない限り環状のものとして説明するが、容器の幾何学的形状が異なると、当該容器の基部の幾何学的形状も異なる可能性がありため、その基部構造は、本明細書で説明するように環状または円周状である必要はなく、不連続であっても追加構造で中断されてもよいことを理解すべきである。さらに、前記基部32の構造は、本明細書において半径方向(放射方向)および軸方向に沿った構造として例示しているが、容器基部でデカルト座標の方向(縦横方向など)に沿って延長させることもできる。
【0017】
前記基部32には、さらに、図1に概略的に例示したように1若しくはそれ以上のたわみリブ50を含めており、これらを前記立設リング部と前記ハブ部48との間に半径方向に延在させることができる。このたわみリブ50は、内圧たわみゾーンとなり、これが座屈して前記基部がたわんだ状態になり当該容器30の容積を減少させて、上述の高温充填工程および/または経時的な水分透過散逸に起因する当該容器の負の内圧の蓄積に対応できるように構成されていることを理解すべきである。以下、前記基部32の実施形態例をいくつか説明するが、言うまでもなく、これらの実施形態は例として示したもので、本発明の範囲を限定するよう意図したものではない。
【0018】
ここで図2〜5を参照すると、前記基部32の全体的な構造には、前記立設リング部46と、その半径方向内側に設けられた一段高い(隆起した)環状リング部52と、さらにその半径方向内側に設けられた環状の中間リング部54と、この中間リング部54を前記ハブ部48に結合する環状で傾斜したハブ連動壁56とを含めることができる。前記中間リング部54の半径方向外側の縁部は、前記立設リング部46より大きな半径を画成し、この立設リング部46の半径は、前記一段高いリング部52の半径より大きい。
【0019】
前記立設リング部46には、湾曲した凸状の底壁58を含めることができ、この底壁58の半径方向外側の縁部は前記踵部44に連結され、また半径方向内側の縁部は直立壁60に連結され、この直立壁60は、前記凸状の底壁58より実質的に垂直方向上側に延在可能(で、当該凸状の底壁58からやや半径方向内側へも延在可能)である。このように、前記直立壁60は、前記立設リング部46の半径方向内側の縁部を画成する。また、この直立壁60は、前記立設リング部46より半径方向内側に設けられた前記一段高いリング部52の半径方向外側の縁部も画成する。前記一段高いリング部52には、湾曲した凹状の上壁62と、その半径方向内側の縁部に連結された傾斜した放射状の壁64とを含めることができる。前記放射状の壁64は、前記上壁62から垂直方向に下方へ、かつ半径方向に内側へ延長させることができる。
【0020】
本明細書における用語「傾斜した(sloped)」および「湾曲した(curved)」は、一定の角度に沿って延長する面または壁を記述しており、前記基部の中心を通過する垂直方向の断面で見た場合、それぞれ曲率を含むことを理解すべきである。ただし、「傾斜し」、「湾曲した」壁または面は、純粋に傾斜し若しくは純粋に湾曲している必要はなく、本明細書で説明する面または壁の幾何学的構造には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更(修正)形態が可能なことも理解すべきである。
【0021】
前記傾斜した放射状の壁64は、湾曲した凸状の外側中間壁66へと下方へ延長させることができ、この外側中間壁66は、前記立設リング部46の前記底壁58の最低点から(その上側へ)垂直方向にオフセットされた最低点を画成する。この外側中間壁66は、その半径方向内側の縁部で、凹状で半径方向に長い前記中間リング部54に結合する。前記中間リング部54の半径方向内側の縁部は、湾曲した凸状の内側中間壁68に連結されている。この内側中間壁68は、前記外側中間壁66の最低点から(その上側へ)垂直方向にオフセットされた最低点を画成することができる。
【0022】
前記内側中間壁68の半径方向内側の縁部は、この内側中間壁68より垂直方向上側かつ半径方向内側に延在する前記傾斜したハブ連動壁56に連結されている。前記ハブ連動壁56は、実質的に直線状に延長させてよく、またはやや凹状または凸状の曲率を画成することができる。このハブ連動壁56の上方かつ半径方向内側の縁部は、前記一段高いリング部52より垂直方向上側にある位置で終端してよく、一段高い凹状のハブ基部70に連結することができる。
【0023】
前記凹状のハブ基部70は、その半径方向内側の縁部で凸状のハブ外周72に連結し、このハブ外周72の半径方向内側の縁部は、前記ハブ基部70の半径方向内側の縁部より垂直方向上側かつ半径方向内側に配置される。前記ハブ外周72の半径方向内側の縁部は、ハブ内周74の半径方向外側の縁部に連結される。前記ハブ内周74は凹状で、前記ハブ外周72の半径方向内側の縁部より垂直方向上側に離間された位置に上部75を画成する。前記ハブ内周76の半径方向内側の縁部は、前記ハブ内周76下まで延在する凸状の凹部76に連結されている。
【0024】
ここで図5〜6も参照すると、前記基部32には、さらに、1若しくはそれ以上のたわみリブ80が含まれ、これらのたわみリブ80は当該基部の円周方向に離間可能である。各リブ80は、当該基部の円周方向に連続したものではないため、円周方向に互いに対向し合う境界を有する閉じた外周83を画成する(図3)。これらのリブ80は、前記基部32の円周方向に等間隔で離間することができる。例示した実施形態では、円周方向に互いに約90°離間された4つのリブ80を示しているが、代替実施形態には、前記基部上で等距離だけ離間され、または異なる空間間隔だけ離間された望ましい任意数のリブを含めてよい。
【0025】
各リブ80は、半径方向に細長くでき、前記立設リング部46と前記ハブ部48との間に延在させることができる。広義にいうと、各リブ80は、2若しくはそれ以上の(例えば、少なくとも一対の)異なる傾斜をつけた基部面間で連結させることができる。例えば、各リブは、前記一段高いリング部52と前記ハブ連動壁56との間に延在させることができる。より具体的にいうと、各リブ80の終端は、前記一段高いリング部52に連結された半径方向外側の縁部82と、さらに前記中間リング部54に連結された半径方向内側の縁部84とすることができる。このように、各リブは、前記一段高いリング部52と前記中間リング部54との間に延在し、これらの間で連結されると言える。具体的にいうと、各リブ80の前記半径方向外側の縁部82は、前記一段高いリング部52の前記傾斜した放射状の壁64に連結でき、各リブ80の前記半径方向内側の縁部84は、前記内側中間壁68に近接した位置で前記中間リング部54の前記半径方向外側の縁部に連結できる。
【0026】
ここで図6も参照すると、各リブ80は周囲の基部構造の垂直方向上側まで延長でき、また円周方向に凸状であってよく、円周方向の一対の縁部88(周囲の基部32に連結されている)の上側に離間された円周方向の中間部86を画成することができる前記中間部86および前記縁部88は、実質的に三角形の断面(当該基部により画成される半径方向の線を横切る断面)を画成することができる。さらに、前記半径方向外側の縁部82は、前記半径方向内側の縁部84の円周方向の厚みより大きい円周方向の厚みを画成することができる。あるいは、前記半径方向外側の縁部82の円周方向の厚みは、実質的に前記半径方向内側の縁部84の円周方向の厚み以下でもよい。
【0027】
前記基部32には、さらに、前記たわみリブ80と半径方向に位置合わせされた1若しくはそれ以上の強化リブ100が含まれる。各強化リブ100は、前記ハブ48と、当該強化リブ100に位置合わせされた前記たわみリブ80との間に延在させることができる。特に、各強化リブ100は、前記ハブ外周72に連結された半径方向内側の縁部102と、前記ハブ連動壁56に連結された半径方向外側の縁部104とを画成することができる。これらの強化リブ100は、さらに円周方向外側の境界を画成して、閉じた外周を画成することができる。当該強化リブ100は、負の内圧により前記基部にかかった力を、前記たわみリブ80へ向かって半径方向に外側へ伝達することができる。
【0028】
上記を受け、ここで図6〜7を参照すると、各リブ80は、前記基部32上に(好ましくは当該リブ80自体の構造内に)たわみ位置90を生成でき、このたわみ位置90は、負の内圧の蓄積に応じて当該基部に所定量の変位が生じた時点で、座屈するように構成される。
【0029】
図示したように、各たわみ位置90は、それに対応するリブ80の前記半径方向外側の縁部82と、前記傾斜した放射状の壁64との間の連動部に設けることができる。各リブ80は、前記たわみ位置90が当該リブ80の前記半径方向外側の縁部82および前記一段高いリング部52を部分的に含むよう、またはその代替態様として、たわみ位置90が前記一段高いリング部52を部分的に含み前記半径方向外側の縁部82は含まないよう、または別の代替態様として、たわみ位置90が前記半径方向外側の縁部82を部分的に含み前記一段高いリング部52は含まないよう、力を伝達することができる。前記一段高いリング部52の座屈可能な部分としては、前記直立壁60と、前記湾曲した上壁62と、前記傾斜した放射状の壁64とが含まれる。前記たわみ位置90は、その追加態様または代替態様として、前記リブ80の任意部分または全部を含むことができる。
【0030】
図6では、成形時の状態または未変形状態の前記基部32の外形106を破線で例示している。図6では、負の内圧に応じて変形状態になった当該基部32の外形108をさらに例示しており、これにより前記リブ80に曲がりが生じる。負の内圧の蓄積により前記基部32の変形が進むに伴い、前記たわみ位置90に誘導される応力集中は高まる。
【0031】
図7に示すように、負の内圧が一定の閾値レベルまで高まると、前記基部本体の変形により応力集中が一定レベルまで高まり、理論に制限されるわけではないが、これが基部材料(PETなど)の降伏点と考えられ、これにより前記たわみ位置90がたわみ若しくは座屈して、前記基部32が付加的な負の内圧に応じてさらに変形し、たわんだ状態109になることができる。
【0032】
また図8を参照すると、容器の容積(cc単位)の減少(X軸)が、負の内圧の増加(Y軸)の関数としてプロットされている。X軸上の各目盛りは2.5ccに対応しており、容器の容積は、X軸上で原点から正の方向へ向かうと減少する。Y軸上の各目盛りは0.25psiに対応しており、負の内圧の大きさは、Y軸上で原点から正の方向へ向かうと減少する。
【0033】
前記たわみ位置90が座屈するに伴い、前記基部32は、負の内圧の増加に応じてさらに変形するが、その変形率は、座屈前の負の内圧に対する当該基部の変形率より大きい。このように、当該容器内で負圧が蓄積し始めるに伴い、前記基部32は第1の変形段階95で変形し始め、この段階では、前記容器の容積が負圧増加に対して実質的に線形的に減少する。負圧が増加し続けるに伴い、前記たわみ位置90のうち1若しくはそれ以上が第2の変形段階またはたわみ段階97で座屈し、これにより前記容器の容積は、増加する負の内圧の関数として、座屈前における負の内圧の関数としての容積減少率より大きい率で減少する。その結果、負圧は座屈に即応して散逸する。座屈後も負圧の増加が続いた場合、前記基部32は第3の変形段階99で変形可能であり、この段階では、前記基部32がたわんだ状態に達するまで、当該容器の容積は負圧増加に対して実質的に線形的に減少する。
【0034】
前記第1の変形段階95および第3の変形段階99では、徐々に基部が変形することを理解すべきである。前記第2の変形段階、またはたわみ段階97には、圧力−容積曲線の傾きに急激な変化が見られ、曲線にほぼ不連続性が見られる箇所もある。
【0035】
前記第1、第2、および第3の変形段階に伴う実際の負の内圧および容器の容積減少は、種々の要因、例えば材料の厚さ、基部のサイズとその構成要素、基部の種々の構成要素の配置を含む基部の幾何学的構造に応じて異なる可能性があることを理解すべきである。例示した実施形態において、前記リブ80は、前記容器30の前記円柱形の胴部34がたわみ若しくは実質的に変形する前に座屈するように構成されている。
【0036】
負の内圧の大きさと、前記基部32の前記幾何学的構造の半径方向に関する対称性とに応じ、特定の負の内圧がかかった状況において、前記たわみ位置90のうち1若しくはそれ以上は他より先に座屈する可能性があり、当該たわみ位置90のうち1若しくはそれ以上はまったく座屈しない可能性がある。
【0037】
前記たわみ位置90は、座屈前の第1の剛性と、この第1の剛性より小さい座屈後の第2の剛性とを有する可能性があることを理解すべきである。一実施形態によれば、例えばキャップその他の密閉部材を取り外した時のように負の内圧が散逸すると、前記基部32は、実質的にその成形時の状態または未変形状態に戻ることができる。
【0038】
さらに、前記基部32は一実施形態に基づき例示したものであることと、本発明は、図2〜8を参照して説明した特定の幾何学的構造にも、本明細書で説明する代替実施形態にも限定されるものではないこととを理解すべきである。以下では、そのような前記基部32の代替実施形態について、図9〜15を参照して説明する。
【0039】
特に図9〜11を参照すると、代替実施形態に基づいて構成された基部132が例示されており、明瞭性および例示の便宜上、この基部132の各要素の参照番号のうち、前記基部32に対応する類似要素には、前記基部32に関する図での参照番号に100が加算されて示されている。100が加算された参照番号を有する要素については、それに対応した前記基部32の構造と同一である構造を詳述する必要はないことを理解すべきである。
【0040】
前記132には、環状の踵部(ヒール)144と、この踵部144から下方へ延出する立設リング部146と、実質的に当該基部132の中央で高い位置に設けられた略凹状の部分またはハブ部148とを含めることができる。当該基部の前記立設リング部146は、支持面151上に静置されるように構成されている。
【0041】
前記基部132の全体的な構造には、前記立設リング部146と、その半径方向内側に設けられた一段高い(隆起した)環状リング部152と、さらにその半径方向内側に設けられた環状の中間リング部154と、この中間リング部154を前記ハブ部148に結合するハブ連動壁156とを含めることができる。
【0042】
具体的にいうと、前記立設リング部146には、湾曲した凸状の底壁158が含まれ、この底壁158の半径方向外側の縁部は前記踵部144に連結され、また半径方向内側の縁部は直立壁160に連結され、この直立壁160は、前記凸状の底壁158より実質的に垂直方向上側に延在可能(で、当該凸状の底壁158からやや半径方向内側へも延在可能)である。前記直立壁160は、前記立設リング部146の半径方向内側の縁部を画成することができる。また、この直立壁160は、前記立設リング部146より半径方向内側に設けられた前記一段高いリング部152の半径方向外側の縁部も画成する。前記一段高いリング部152には、湾曲した凹状の上壁162と、その半径方向内側の縁部に連結された傾斜した放射状の壁164とを含めることができる。前記放射状の壁164は、前記湾曲した上壁162から垂直方向に下方へ、かつ半径方向に内側へ延長させることができる。
【0043】
前記傾斜した放射状の壁164は、湾曲した凸状のリング連動部165へと下方へ延長させることができ、このリング連動部165は、前記立設リング部146の前記底壁158の最低点から(その上側へ)垂直方向にオフセットされた最低点を画成する。前記リング連動部165は、凸状の外側中間壁166まで半径方向に内側へ延長し、この外側中間壁166は、前記リング連動部165の最低点より垂直方向上側に離間された最低点を画成する。この外側中間壁166は、その半径方向内側の縁部で、凹状で半径方向に長い前記中間リング部154に結合する。この中間リング部154は、前記一段高いリング部152の最高点より垂直方向上側に配置された最上点を画成する。
【0044】
前記中間リング部154の半径方向内側の縁部は、湾曲した凸状の内側中間壁168に連結されている。この内側中間壁168は、前記外側中間壁166の最低点から(その上側へ)垂直方向にオフセットされた最低点を画成することができる。
【0045】
前記内側中間壁168の半径方向内側の縁部は、この内側中間壁168より上側かつ半径方向内側に延在する凹状の前記ハブ連動壁156に連結されている。前記ハブ連動壁156は、さらに凹状の曲率を画成することができる。このハブ連動壁156の上方かつ半径方向内側の縁部は、前記中間リング部154より垂直方向上側にある位置で終端してよく、凸状のハブ外周172に連結することができる。前記ハブ外周172の半径方向内側の縁部は、ハブ内周174の半径方向内側の縁部に連結される。前記ハブ内周174は凹状で、前記ハブ外周172の半径方向内側の縁部より垂直方向上側に離間された位置に上部175を画成する。前記ハブ内周174の半径方向内側の縁部は、前記ハブ内周174下まで延在する凸状の凹部176に連結されている。
【0046】
ここで図12も参照すると、前記基部132には、さらにたわみリブ180が含まれ、これらのたわみリブ180は当該基部の円周方向に離間可能である。各リブ180は、円周方向に連続したものではないため、円周方向に互いに対向し合う境界を有する閉じた外周183を画成する(図9)。これらのリブ180は、前記基部132の円周方向に等間隔で離間することができる。例示した実施形態では、円周方向に互いに約45°離間された8つのリブ180を示している。
【0047】
また図13を参照すると、各リブ180は、半径方向に細長くでき、前記立設リング部146と前記ハブ部148との間に延在させることができる。広義にいうと、各リブ180は、2若しくはそれ以上の(例えば、少なくとも一対の)異なる傾斜をつけた基部面間で連結させることができる。より具体的にいうと、各リブは、前記一段高いリング部152と前記ハブ連動壁156との間に延在させることができる。さらに具体的にいうと、各リブ180は、前記一段高いリング部152と前記中間リング部154との間に延在させることができる。例示した実施形態において、各リブ180の終端は、前記一段高いリング部152に連結された半径方向外側の縁部182と、さらに前記中間リング部154に連結された半径方向内側の縁部184とすることができる。前記リブ180の前記半径方向外側の縁部182は、当該リブ180の半径方向内側の縁部184より低い高さに設けることができる(図12を参照)。
【0048】
このように、各リブ180は、前記一段高いリング部152と前記中間リング部154との間に延在し、これらの間で連結されると言える。具体的にいうと、各リブ180の前記半径方向外側の縁部182は、前記傾斜した放射状の壁164に連結でき、各リブ180の前記半径方向内側の縁部184は、前記外側中間壁166に近接した位置で前記中間リング部154の前記半径方向内側の縁部に連結できる。
【0049】
ここで図13も参照すると、各リブ180は周囲の基部構造より上方へ延長でき、また円周方向の一対の縁部188(周囲の基部132に連結されている)の上側に離間された円周方向の中間部186を画成することができる。前記中間部186および前記縁部188は、実質的に三角形の断面(当該基部により画成される半径方向の線を横切る断面)を画成することができる。さらに、前記半径方向外側の縁部182は、前記半径方向内側の縁部184の円周方向の厚みより狭い円周方向の幅を画成することができる。あるいは、前記半径方向外側の縁部182の円周方向の厚みは、実質的に前記半径方向内側の縁部184の円周方向の厚み以上でもよい。
【0050】
前記基部132には、さらに、前記たわみリブ180と半径方向に位置合わせされた1若しくはそれ以上の強化リブ200が含まれる。図示したように、4つの強化リブ200は円周方向に互いに約90°離間されており、したがって前記たわみリブ180と1つおきに位置合わせされている。各強化リブ200は、前記ハブ148と、当該強化リブ200に位置合わせされた前記たわみリブ180との間に延在させることができる。特に、各強化リブ200は、前記ハブ外周172に連結された半径方向内側の縁部202と、前記ハブ連動壁156に連結された半径方向外側の縁部204とを画成することができる。これらの強化リブ200は、さらに円周方向外側の境界を画成して、閉じた外周を画成することができる。当該強化リブ200は、負の内圧により前記基部にかかった力を、前記たわみリブ180へ向かって半径方向に外側へ伝達することができる。
【0051】
上記を受け、ここで図13〜14を参照すると、各リブ180は、前記基部132上に(好ましくは当該リブ180自体の構造内に)たわみ位置190を生成でき、このたわみ位置190は、負の内圧の蓄積に応じて当該基部に所定量の変位が生じた時点で、座屈するように構成される。
【0052】
図示したように、各たわみ位置190は、それに対応するリブ180の前記半径方向外側の縁部182と、前記傾斜した放射状の壁164との間の連動部に設けることができる。前記たわみ位置190は、当該リブ180の前記半径方向外側の縁部182および前記一段高いリング部152を部分的に含み、またはその代替態様では、前記一段高いリング部152を部分的に含み前記半径方向外側の縁部182は含まず、または別の代替態様では、前記半径方向外側の縁部182を部分的に含み前記一段高いリング部152は含まない。前記一段高いリング部152の座屈可能な部分としては、前記直立壁160と、前記湾曲した上壁162と、前記傾斜した放射状の壁164とが含まれる。前記たわみ位置190は、その追加態様または代替態様において、前記リブ180の任意部分または全部を含むことができる。
【0053】
図13では、成形時の状態または未変形状態の前記基部132の外形206を破線で例示している。図13では、負の内圧に応じて変形状態になった当該基部132の外形208をさらに例示しており、これにより前記リブ180に曲がりが生じる。負の内圧が増加して前記基部132の変形が進むに伴い、前記たわみ位置190に誘導される応力集中は高まる。
【0054】
図14に示すように、負の内圧が一定の閾値レベルまで高まると、前記基部本体の変形により応力集中が一定レベルまで高まり、理論に制限されるわけではないが、これが基部材料(PETなど)の降伏点と考えられ、これにより前記たわみ位置190がたわみ若しくは座屈して、前記基部132がさらに変形し、たわんだ状態209になることができる。
【0055】
また図15を参照すると、容器の容積(cc単位)の減少(X軸)が、負の内圧の増加(Y軸)の関数としてプロットされている。X軸上の各目盛りは2.5ccに対応しており、容器の容積は、X軸上で原点から正の方向へ向かうと減少する。Y軸上の各目盛りは0.25psiに対応しており、負の内圧の大きさは、Y軸上で原点から正の方向へ向かうと減少する。
【0056】
前記たわみ位置190が座屈するに伴い、前記基部132は、負の内圧の増加に応じて変形するが、その変形率は、座屈前の負の内圧に応じた当該基部の変形率より大きい。このように、当該容器内で負圧が蓄積し始めるに伴い、前記基部132は第1の変形段階195で変形し始め、この段階では、前記容器の容積が負圧増加に対して実質的に線形的に減少する。負圧が増加し続けるに伴い、前記たわみ位置190のうち1若しくはそれ以上が第2の変形段階またはたわみ段階197で座屈し、これにより前記容器の容積は、増加する負の内圧の関数として、座屈前における負の内圧の関数としての容積減少率より大きい率で減少する。その結果、負圧は座屈に即応して散逸する。座屈後も負圧の増加が続いた場合、前記基部132は第3の変形段階199で変形可能であり、この段階では、前記基部132がたわんだ状態に達するまで、当該容器の容積は負圧増加に対して実質的に線形的に減少する。
【0057】
前記第1の変形段階95および第3の変形段階199では、徐々に基部が変形することを理解すべきである。前記第2の変形段階、またはたわみ段階197には、圧力−容積曲線の傾きに急激な変化が見られ、曲線にほぼ不連続性が見られる箇所もある。
【0058】
前記第1、第2、および第3の変形段階に伴う実際の負の内圧および容器の容積減少は、種々の要因、例えば材料の厚さ、基部のサイズとその構成要素、基部の種々の構成要素の配置を含む基部の幾何学的構造に応じて異なる可能性があることを理解すべきである。例示した実施形態において、前記リブ180は、前記容器130の円柱形の胴部134がたわみ若しくは実質的に変形する前に座屈するように構成されている。
【0059】
さらに、前記基部132は基部32の代替実施形態として例示したものであることと、本発明は、前記基部132を参照して説明した特定の幾何学的構造にも、本明細書で説明する他の実施形態にも限定されるものではないこととを理解すべきである。以下では、そのような前記基部32の別の代替実施形態について、図16〜15を参照して説明する。
【0060】
特に図16〜18を参照すると、代替実施形態に基づいて構成された基部232が例示されており、明瞭性および例示の便宜上、この基部232の各要素の参照番号のうち、前記基部132に対応する類似要素には、前記基部132に関する図での参照番号に100が加算されて示されている。100が加算された参照番号を有する要素については、それに対応した前記基部132の構造と同一である構造を詳述する必要はないことを理解すべきである。
【0061】
前記232には、環状の踵部(ヒール)244と、この踵部244から下方へ延出する立設リング部246と、実質的に当該基部232の中央で高い位置に設けられた略凹状の部分またはハブ部248とを含めることができる。前記立設リング部246は、支持面251上に静置されるように構成されている。
【0062】
前記基部232の全体的な構造には、前記立設リング部246と、その半径方向内側に設けられた一段高い(隆起した)環状リング部252と、さらにその半径方向内側に設けられた環状の中間リング部254とを含めることができる。
【0063】
具体的にいうと、前記立設リング部246には、湾曲した凸状の底壁258が含まれ、この底壁258の半径方向外側の縁部は前記踵部244に連結され、また半径方向内側の縁部は直立壁260に連結され、この直立壁260は、前記凸状の底壁258より実質的に垂直方向上側に延在可能(で、当該凸状の底壁258からやや半径方向内側へも延在可能)である。前記直立壁260は、前記立設リング部246の半径方向内側の縁部を画成することができる。また、この直立壁260は、前記立設リング部246より半径方向内側に設けられた前記一段高いリング部252の半径方向外側の縁部も画成する。前記一段高いリング部252には、湾曲した凹状の上壁262と、その半径方向内側の縁部に連結された傾斜した放射状の壁264とを含めることができる。前記放射状の壁264は、前記湾曲した上壁262から垂直方向に下方へ、かつ半径方向に内側へ延長させることができる。
【0064】
前記傾斜した放射状の壁264は、湾曲した凸状のリング連動部265へと下方へ延長させることができ、このリング連動部265は、前記立設リング部246の前記底壁258の最低点から(その上側へ)垂直方向にオフセットされた最低点を画成する。前記リング連動部265は、実質的に水平な外側中間壁266まで半径方向に内側へ延長する。前記外側中間壁266は、代替態様として、前記支持面251に対して凸状または凹状の形状であってもよいことを理解すべきである。この外側中間壁266は、その半径方向内側の縁部で前記中間リング部254に結合し、当該中間リング部254は、凹状で前記一段高いリング部252の最高点より垂直方向に低く設けられた最上点を画成する。
【0065】
前記中間リング部254の半径方向内側の縁部は、凸状のハブ外周壁272に連結されている。前記ハブ外周壁272の半径方向内側の縁部は、ハブ内周274の半径方向外側の縁部に連結される。前記ハブ内周274は凹状で、前記ハブ外周272の半径方向内側の縁部より垂直方向上側に離間された位置に上部275を画成する。前記ハブ内周274の半径方向内側の縁部は、前記ハブ内周274下まで延在する凸状の凹部276に連結されている。
【0066】
ここで図19も参照すると、前記基部232には、さらにたわみリブ280が含まれ、これらのたわみリブ280は当該基部の円周方向に離間可能である。各リブ280は、当該基部の円周方向に連続したものではないため、円周方向に互いに対向し合う境界を有する閉じた外周283を画成する(図9)。これらのリブ280は、前記基部232の円周方向に等間隔で離間することができる。例示した実施形態では、円周方向に互いに約90°離間された4つのリブ280を示している。
【0067】
また図20を参照すると、各リブ280は、半径方向に細長くでき、前記立設リング部246と前記ハブ部248との間に延在させることができる。より具体的にいうと、各リブは、前記一段高いリング部252と前記中間リング部254との間に延在させることができる。広義にいうと、各リブ280は、2若しくはそれ以上の(例えば、少なくとも一対の)異なる傾斜をつけた基部面間で連結させることができる。例示した実施形態において、各リブ280の終端は、前記一段高いリング部252に連結された半径方向外側の縁部282と、さらに前記中間リング部254に連結された半径方向内側の縁部284とすることができる。このように、各リブ280は、前記一段高いリング部252と前記中間リング部254との間に延在し、これらの間で連結されると言える。具体的にいうと、各リブ280の前記半径方向外側の縁部282は、前記傾斜した放射状の壁264に連結でき、各リブ280の前記半径方向内側の縁部284は、前記外側中間壁266に近接した位置で前記中間リング部254の前記半径方向内側の縁部に連結できる。
【0068】
各リブ280は周囲の基部構造の垂直方向上側まで延長でき、また円周方向に凸状であってよく、円周方向の一対の縁部288(周囲の基部232に連結されている)の上側に離間された円周方向の中間部286を画成することができる。前記中間部286および縁部288を通る断面は、丸みを帯びた形状にできる。さらに、前記半径方向外側の縁部282は、前記リブ280が涙滴形を画成するよう、前記半径方向内側の縁部284の円周方向の厚みより狭い円周方向の幅を画成することができる。
【0069】
前記基部232には、さらに、前記たわみリブ280に対して円周方向にオフセットされた1若しくはそれ以上の凸状の強化リブ300が含まれる。各強化リブ300は、前記ハブ248と、前記たわみリブ280より内側の位置との間に延在させることができる。特に、各強化リブ300は、前記ハブ内周274に連結された半径方向内側の縁部302と、前記ハブ外周272に連結された半径方向外側の縁部304とを画成することができる。これらの強化リブ300は、さらに円周方向外側の境界を画成して、閉じた外周を画成することができる。当該強化リブ300は、負の内圧により前記基部にかかった力を、前記たわみリブ280へ向かって半径方向に外側へ伝達することができる。
【0070】
上記を受け、ここで図20〜21を参照すると、各リブ280は、前記基部232上に(好ましくは当該リブ280自体の構造内に)たわみ位置290を生成でき、このたわみ位置190は、負の内圧の蓄積に応じて当該基部に所定量の変位が生じた時点で、座屈するように構成される。
【0071】
図示したように、各たわみ位置290は、それに対応するリブ280の前記半径方向外側の縁部282と、前記傾斜した放射状の壁264との間の連動部に設けることができる。当該リブ280は、前記たわみ位置290が当該リブ280の前記半径方向外側の縁部282および前記一段高いリング部252を部分的に含むよう、またはその代替態様として、たわみ位置290が前記一段高いリング部252を部分的に含み前記半径方向外側の縁部282は含まないよう、または別の代替態様として、たわみ位置290が前記半径方向外側の縁部282を部分的に含み前記一段高いリング部252は含まないよう、力を伝達することができる。前記一段高いリング部252の座屈可能な部分としては、前記直立壁260と、前記湾曲した上壁262と、前記傾斜した放射状の壁264とが含まれる。前記たわみ位置290は、その追加態様または代替態様において、前記リブ280の任意部分または全部を含むことができる。
【0072】
図20では、成形時の状態または未変形状態の前記基部232の外形306を破線で例示している。図20では、負の内圧の増加に応じて変形状態になった当該基部232の外形308をさらに例示しており、これにより前記リブ280に曲がりが生じる。負の内圧が増加して前記基部232の変形が進むに伴い、前記たわみ位置290に誘導される応力集中は高まる。
【0073】
図21に示すように、負の内圧が一定の閾値レベルまで高まると、前記基部本体の変形により応力集中が一定レベルまで高まり、理論に制限されるわけではないが、これが基部材料(PETなど)の降伏点と考えられ、これにより前記たわみ位置290がたわみ若しくは座屈して、前記基部232がさらに変形し、たわんだ状態309になることができる。
【0074】
また図22を参照すると、容器の容積(cc単位)の減少(X軸)が、負の内圧の増加(Y軸)の関数としてプロットされている。X軸上の各目盛りは2.5ccに対応しており、容器の容積は、X軸上で原点から正の方向へ向かうと減少する。Y軸上の各目盛りは0.25psiに対応しており、負の内圧の大きさは、Y軸上で原点から正の方向へ向かうと減少する。
【0075】
前記たわみ位置290が座屈するに伴い、前記基部232は、負の内圧の増加に応じて変形するが、その変形率は、座屈前の負の内圧に応じた当該基部の変形率より大きい。このように、当該容器内で負圧が蓄積し始めるに伴い、前記基部232は第1の変形段階295で変形し始め、この段階では、前記容器の容積が負圧増加に対して実質的に線形的に減少する。負圧が増加し続けるに伴い、前記たわみ位置290のうち1若しくはそれ以上が第2の変形段階またはたわみ段階297で座屈し、これにより前記容器の容積は、増加する負の内圧の関数として、座屈前における負の内圧の関数としての容積減少率より大きい率で減少する。その結果、負圧は座屈に即応して散逸する。座屈後も負圧の増加が続いた場合、前記基部232は第3の変形段階299で変形可能であり、この段階では、前記基部232がたわんだ状態に達するまで、当該容器の容積は負圧増加に対して実質的に線形的に減少する。
【0076】
前記第1の変形段階295および第3の変形段階299では、徐々に基部が変形することを理解すべきである。前記第2の変形段階、またはたわみ段階297には、圧力−容積曲線の傾きに急激な変化が見られ、曲線にほぼ不連続性が見られる箇所もある。
【0077】
前記第1、第2、および第3の変形段階に伴う実際の負の内圧および容器の容積減少は、種々の要因、例えば材料の厚さ、基部のサイズとその構成要素、基部の種々の構成要素の配置を含む基部の幾何学的構造に応じて異なる可能性があることを理解すべきである。例示した実施形態において、前記リブ280は、前記容器230の円柱形の胴部234がたわみ若しくは実質的に変形する前に座屈するように構成されている。
【0078】
以上、いくつかの基部を例として図示し説明したが、以下では、図23〜30を参照して別の代替実施形態を説明する。
【0079】
特に図23〜27を参照すると、本発明の代替実施形態に基づいて構成された基部332が例示されており、明瞭性および例示の便宜上、この基部332の各要素の参照番号のうち、前記基部232に対応する類似要素には、前記基部232に関する図での参照番号に100が加算されて示されている。100が加算された参照番号を有する要素については、それに対応した前記基部232の構造と同一である構造を詳述する必要はないことを理解すべきである。
【0080】
この基部332には、環状の踵部(ヒール)344と、縁部または立設リング部346とを含めることができ、当該リング部346は、支持面351上に静置されるように構成された前記踵部344から下方へ延出する。図32A〜Eに示すように、前記縁部または立設リング部346は、リング形以外の幾何学的構造として例示した多数の代替実施形態の1つに基づいて構成できる。図32では、代替実施形態をいくつか例示しているが、立設リング部の代替態様のうち、支持面上で容器を支持する目的に適したいかなる適切な代替態様も提供可能であることを理解すべきである。前記支持面351が水平方向に延在する場合、当該ボトル(瓶)は、実質的に垂直方向に延長する。前記基部332は、さらに、陥凹した(または押し下げられた)凹部またはハブ部348を含み、このハブ部348は当該基部332上で実質的に中央に設けられ、当該基部の支持面351に対して凸状である。基部本体347は、前記立設リング部346を前記ハブ部348に連結する。前記ハブ348が陥凹しているため、前記基部332は、基部の予備成形品の幾何学的構造に、より類似し、そのため例えば高温充填工程中に当該容器の温度がガラス転移温度に近づいても自らの形状を維持する傾向がより高まる。
【0081】
前記基部本体347には、前記立設リング部346に対して半径方向内側に設けられた一段高い環状のリング部352と、環状の中間部材354とを含めることができ、前記中間部材354は、前記一段高いリング部に対して半径方向内側に設けられた隣接し合う複数の中間パネル部355として構成できる。ハブ連動壁356は、前記中間部材354を前記ハブ部348に結合する。前記中間パネル部355により、基部本体347にパネルが設けられると言うことができる。
【0082】
前記立設リング部346には、湾曲した凸状の底壁358が含まれ、この底壁358の半径方向外側の縁部は前記踵部344に連結され、また半径方向内側の縁部は直立壁360に連結され、この直立壁360は、前記凸状の底壁358より実質的に垂直方向上側に延在可能(で、当該凸状の底壁358からやや半径方向内側へも延在可能)である。前記直立壁360は、前記立設リング部346の半径方向内側の縁部を画成することができる。また、この直立壁360は、前記立設リング部346より半径方向内側に設けられた前記一段高いリング部352の半径方向外側の縁部も画成する。前記一段高いリング部352には、湾曲した凹状の上壁362と、その半径方向内側の縁部に連結された傾斜した放射状の壁364とを含めることができる。前記放射状の壁364は、前記湾曲した上壁362から垂直方向に下方へ、かつ半径方向に内側へ延長させることができる。
【0083】
前記傾斜した放射状の壁364は、湾曲した凸状のリング連動部365へと下方へ延長させることができ、このリング連動部265は、前記立設リング部346の前記底壁358の最低点から(その上側へ)垂直方向にオフセットされた最低点を画成する。前記リング連動部365は、凹状で半径方向に長い前記中間部材354まで半径方向内側へ延長する。
【0084】
各中間パネル部355は、実質的に直線状で前記ハブ部348の接線方向に延長する半径方向内側の縁部359を画成する。各中間パネル部355は、さらに、前記半径方向内側の縁部359と平行に延長する半径方向外側の縁部361を画成する。この半径方向外側の縁部361の長さは、前記半径方向内側の縁部359の長さを超える。前記半径方向内側の縁部は、前記半径方向外側の縁部361より垂直方向上側に離間された位置に設けられるため、当該容器がその成形時の状態にある場合、各中間パネル部355は、前記立設リング部346から見て半径方向内側かつ上方へ前記ハブ部348へ向かって傾いていると言える。各中間パネル部355は、さらに、実質的に直線状で対向し合う円周方向外側の縁部363を画成し、これら外側の縁部363は、前記半径方向内側の縁部359と前記半径方向外側の縁部361との間でそれぞれ連結される。前記外側の縁部363は、前記中間部材354の隣接し合う中間パネル部355間に間隙(または連動部)を画成する。その間隙363は、前記中間パネル部355の半径方向外側の縁部から前記ハブ連動壁356まで若しくは当該ハブ連動壁356から半径方向外側に設けられた位置までの間に延在する。さらに別の代替態様として、前記間隙363は、前記ハブ連動壁356内へと延在することができる。前記間隙363は、前記ハブ部348の中央から延長する半径方向の軸に対して共線的に配置可能である。この間隙363は、隣接し合う中間パネル部355間の頂点を画成することができる。
【0085】
このように、各中間パネル部355は、縁部359、361、および363により画成され、円周方向および半径方向について実質的に平坦なものであってよいが、円周方向および半径方向の一方または双方で、湾曲した凹状であっても、湾曲した凸状であっても、または凹状および凸状の部分を含むものであってもよいことを理解すべきである。例示した実施形態において、前記複数の中間パネル部は、前記基部の円周方向について軸方向に互いに同一平面上にない面を画成することができる。
【0086】
前記基部332は、実質的に同一に構成されて当該基部332の円周方向に等間隔で離間されたそのような中間パネル部355を8つ含むものとして図示されている。このように、前記中間部材354は、スティールパンドラム(スティールドラムの形状に類似していると言える。ただし、前記基部332には、そのようなパネル部355を必要に応じて任意数含めることができ、それらを当該基部332の円周方向に均一または不均一に離間できることを理解すべきである。さらに図31に示すように、中間パネル部355は、355A〜Cで例示したように種々の形状にすることができる。中間パネル部によっては、半径方向内側の縁部が湾曲した面を画成するものもあり、半径方向内側の縁部が実質的に平坦な面を画成するものもあり、また容器基部によっては、平坦な面および湾曲した面の双方を半径方向内側の縁部として有する中間パネル部の組み合わせを含めることもできる。前記中間パネル部355A〜Cは、前記ハブ部348と前記立設リング部346との間に延在させ、または上記のようにパネル部355に対して延在させることができる。さらに、前記パネル部355A〜Cは、直立したハブ部348A〜Cを有する基部上に配置されたものとして例示しているが、前記ハブ部348は上述の態様で陥凹させてもよいことを理解すべきである。
【0087】
前記環状の中間部材354は、この中間部材354より上側かつ半径方向内側に延在する凹状の前記ハブ連動壁356に連結された最上点を画成する。前記ハブ連動壁356は、さらに凹状の曲率を画成することができる。このハブ連動壁356の上方かつ半径方向内側の縁部は、前記ハブ部348のハブ外周372に連結でき、当該ハブ部348は前記外周372から下方へ延在する。前記ハブ部348は、図示したように連続的に湾曲した凹状であるが、任意の代替幾何学的構造を画成できることを理解すべきである。このハブ部は陥凹しているため、当該容器の予備成形品の形状に、より類似し、そのため例えば当該容器が転移温度を超えて加熱された際、付加的な支持構造がない場合、前記ハブ連動壁358に対して押し上げられたハブ部348が変形する可能性が高い。
【0088】
引き続き図23〜27を参照すると、前記基部332には、さらに、複数のたわみリブが当該基部の円周方向に離間できるよう、1若しくはそれ以上のたわみリブ380が含まれる。各リブ380は、当該基部の円周方向に連続したものではないため、円周方向に互いに対向し合う境界を有する閉じた外周383を画成する。前記リブ380は、当該基部332の円周方向に等間隔で離間でき、さらに半径方向にも互いに位置合わせできる。例示した実施形態では、円周方向に互いに約45°離間された8つのリブ380を示している。
【0089】
各リブ380は半径方向に細長くでき、前記一段高いリング部352と前記環状の中間部材354との間に延在させ、これらの間で連結できる。広義にいうと、各リブ380は、2若しくはそれ以上の(例えば、少なくとも一対の)異なる傾斜をつけた基部面間で連結させることができる。一実施形態において、各リブ380の半径方向内側の縁部384は、前記環状の中間部材354に連結され、さらに各リブ380の半径方向外側の縁部382は、前記一段高いリング部352の前記傾斜した放射状の壁364に連結される。各リブ380は、前記環状の中間部材354の長手方向に沿ってどこでも連結でき、さらに前記傾斜した放射状の壁364の長手方向に沿ってどこでも連結できる。
【0090】
図27に最も良く示されているように、各リブ380は周囲の基部構造より上方へ延長でき、また円周方向の一対の縁部388(周囲の基部332に連結されている)の上側に離間された円周方向の中間部386を画成することができる。このように、各リブ380は、前記一段高いリング部352の各部分と、円周方向に離間され当該リブと半径方向に位置合わせされた前記環状の中間部材354とに対して面外の位置まで上方へ突出させることができる。前記中間部386および前記縁部388は、実質的に三角形の断面(当該基部により画成される半径方向の線を横切る断面)を画成することができる。前記中間部386は、前記半径方向内側の縁部384が前記半径方向外側の縁部382より垂直方向上側に離間された位置に設けられるよう傾斜可能で実質的に平坦な上面387を画成する。前記上面387は、隣接し合うパネル部355間の前記間隙(または連動部)363と半径方向に位置合わせされる。さらに、前記半径方向外側の縁部382は、前記半径方向内側の縁部384の円周方向の幅と実質的に等しい円周方向の厚みを画成することができる。この場合、各リブ380は、その半径方向の中点に関し半径方向に対称であってよく、さらに半径方向の中点に関しても円周方向に対称であってよい。
【0091】
前記基部332には任意数のリブ380を含めることができ、それらを当該基部の円周方向に均一または不均一に任意の位置で離間できることを理解すべきである。例えば、前記リブ380は、隣接し合う間隙363間の円周方向に中間的な位置など、間隙363間に配置できる。あるいは、特定のリブ380を前記間隙363に位置合わせする一方、他のリブ380は、隣接し合う間隙363間に配置することもできる。さらに、各間隙363は、半径方向に位置合わせされたリブ380に関連付けられるが、各間隙に1つずつリブを提供する必要はなく、代替態様として、間隙1つおきにリブを1つ設けても、他の任意の望ましいパターンでリブを設けてもよいことを理解すべきである。一実施形態によれば、前記リブは、前記基部332について円周方向に対称的に配置される。
【0092】
各リブ380は、前記基部332上に(好ましくは当該リブ380自体の構造内に)たわみ位置390を生成でき、このたわみ位置390は、負の内圧の蓄積に応じて当該基部に所定量の変位が生じた時点で、座屈するように構成される。そのため、前記リブ380が提供する幾何学的構造により、当該基部332の一部は、まず座屈前またはたわみ前に負の内圧の増加によるたわみに抗し、これにより増加する負の内圧への抵抗が低減する。前記リブ380の幾何学的構造は、上面図に例示したように一段高いダイヤモンド形であるが、その代替態様として、陥凹した構造であっても、任意の望ましい形状を画成してもよいことを理解すべきである。さらに、負の内圧は液体の冷却により増加するが、一部の状況では容器の壁の材料に応じ、時とともに当該容器の壁を通じて水分が容器外へ透過散逸して、負の内圧が付加的に蓄積することも理解される。前記基部332は、この付加的な負の内圧に応じてたわむことにより、当該容器の側壁の完全性を保つように構成されている。
【0093】
各たわみ位置390は、それに伴うリブ380を部分的に若しくはすべて含んでよく、その追加態様または代替態様として、前記リブ380、前記間隙363、および/または前記リブ380に隣接する傾斜した放射状の壁364の部分に隣接した中間パネル部355を部分的に含んでもよい。
【0094】
図27では、成形時の状態または未変形状態の前記基部332の外形306を破線で例示している。図28では、未変形の外形306に対して、負の内圧の第1のレベルに応じて変形状態になった当該基部332の外形308を例示しており、これにより前記リブ380に曲がりが生じる。負の内圧が増加して前記基部332の変形が進むに伴い、前記たわみ位置390に誘導される応力集中は高まる。
【0095】
図25図26、および図29に示すように、負の内圧の大きさが負の内圧の第2の閾値レベルまで高まると、前記たわみ位置390のうち1若しくはそれ以上にかかる応力集中は一定レベルまで高まり、理論に制限されるわけではないが、これが基部材料(PETなど)の降伏点と考えられ、これにより前記たわみ位置390がたわみ若しくは座屈して、前記基部332がさらに変形し、前記変形状態よりたわんだ状態309になる。
【0096】
図25は、対向し合うリブ380の円周方向の中点を通過する前記基部332の断面を例示したもので、当該基部の未変形状態306および完全にたわんだ状態309の双方を示している。図26に示すように、前記基部本体347は、前記一段高いリング部352または前記傾斜した放射状の壁364を中心として、前記完全にたわんだ状態へ向かって枢動し、またはヒンジ式に動く。図26は、隣接し合うリブ380間の円周方向に中間の位置における前記基部332の断面を例示したもので、当該基部の未変形状態306および完全にたわんだ状態309の双方を示している。
【0097】
また図30を参照すると、容器の容積(cc単位)の変化(X軸)が、負の内圧の増加(Y軸)の関数としてプロットされている。X軸上の各目盛りは2.5ccに対応しており、容器の容積は、X軸上で原点から正の方向へ向かうよう変化する。Y軸上の各目盛りは0.25psiに対応しており、負の内圧の大きさは、Y軸上で原点から正の方向へ向かうと減少する。
【0098】
前記たわみ位置390が座屈するに伴い、前記基部332は、負の内圧の増加の関数として変形するが、その変形率は、座屈前における負の内圧の関数としての当該基部の変形率より大きい。このように、当該容器内で負圧が蓄積し始めるに伴い、前記基部332は第1の変形段階395で変形し始め、この段階では、前記容器の容積が負圧増加に対して実質的に線形的に減少する。負圧が増加し続けるに伴い、前記たわみ位置390のうち1若しくはそれ以上が第2の変形段階またはたわみ段階397で座屈し、これにより前記容器の容積は、増加する負の内圧の関数として、座屈前における負の内圧の関数としての容積減少率より大きい率で減少する。段階397の間は、各たわみ位置390が座屈して、負圧の散逸を反映した瞬間的なスパイクが生じ、その直後、座屈に即応した下降が見られる。当該容器の使用中は、製造公差、材料特性のわずかな変動、当該ボトル(容器)の配向(向き)、当該液体の冷却の不均一性などの要因により、たわみ位置390の1つ、いくつか、または全部が座屈する可能性があり、他のたわみ位置はたわまない可能性があることを理解すべきである。座屈後も負圧の増加が続いた場合、前記基部332は第3の変形段階399で変形可能であり、この段階では、前記基部332がたわんだ状態に達するまで、当該容器の容積は負圧増加に対して実質的に線形的に減少する。
【0099】
前記第1の変形段階395および第3の変形段階399では、徐々に基部が変形することを理解すべきである。前記第2の変形段階、またはたわみ段階397には、圧力−容積曲線の傾きに急激な変化が見られ、曲線にほぼ不連続性が見られる箇所もある。
【0100】
前記第1、第2、および第3の変形段階に伴う実際の負の内圧および容器の容積減少は、種々の要因、例えば材料の厚さ、基部のサイズとその構成要素、基部の種々の構成要素の配置を含む基部の幾何学的構造に応じて異なる可能性があることを理解すべきである。例示した実施形態において、前記リブ380は、前記容器330の円柱形の胴部334がたわみ若しくは実質的に変形する前に座屈するように構成されている。
【0101】
以上、容器基部のいくつかの実施形態例について説明したが、上記の例は説明を目的として提供したものであって、本発明を限定するものと解釈すべきではないことをさらに理解すべきである。例えば、上記の実施形態については、4つのたわみパネル部または8つのたわみパネル部を含むものとして示したが、これら実施形態のいずれも1〜10の範囲の任意数を含む(これに限定されるものではないが)望ましい任意数のたわみパネル部を有してよいことを理解すべきである。さらに、1若しくはそれ以上の実施形態を参照して上述した特徴および構造は、他の実施形態にも適用可能である。
【0102】
以上、好適な実施形態または好適な方法を参照して本発明を説明してきたが、本明細書で使用している表現は、説明および例示のための表現であって、限定のための表現ではないことは言うまでもない。さらに、本明細書では特定の構造、方法、および実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、本明細書に開示した特定の事柄に限定されるものではなく、本発明の範囲内のすべての構造、方法、および使用に拡大解釈される。関連分野の当業者であれば、本明細書の説明を活用することにより本明細書で説明した本発明に多数の修正(変更)を加えることができ、また本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更形態を実施することができるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31A-E】
図32A-F】