特許第5764280号(P5764280)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764280
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】ピロー包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20150730BHJP
   B65D 75/60 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   B65D33/00 C
   B65D75/60
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2008-198360(P2008-198360)
(22)【出願日】2008年7月31日
(65)【公開番号】特開2010-36907(P2010-36907A)
(43)【公開日】2010年2月18日
【審査請求日】2011年6月3日
【審判番号】不服2014-14112(P2014-14112/J1)
【審判請求日】2014年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】595124284
【氏名又は名称】株式会社大阪包装社
(74)【代理人】
【識別番号】100103975
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】橋本 昌和
【合議体】
【審判長】 栗林 敏彦
【審判官】 千葉 成就
【審判官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭64−53075(JP,U)
【文献】 特開平10−250764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシール性合成樹脂フィルムを内層とし、この内層よりも高融点の基材フィルムを外層としてこれらの内外層を一体に積層してなる長尺帯状フィルムを2枚、対向する側部を重ね合わせて、一方の長尺帯状フィルムの側端面から小間隔を存した側部における内層の一定幅部分に他方の長尺帯状フィルムの側端部における外層を全長に亘って熱融着することにより細幅シール部を形成していると共に、この細幅シール部から他方の長尺帯状フィルムの他側部に重なっている上記一方の長尺帯状フィルムの側端部を他方の長尺帯状フィルムの他側部の外層にその内層を熱融着させることなく全長に亘って遊離させた一定幅を有する遊離片に形成してなる物品包装用フィルムからなり、この物品包装用フィルムの両側端部を合掌状に重ね合わせて内層同士を融着することにより背シール部が形成され、且つ、包装される物品を挟んで互いに重なる合っている上記物品包装用フィルム部分の内層同士を全幅に亘って融着することにより上部シール部と底部シール部とが形成されてあり、さらに、上記背シール部を設けている面と反対側の面に全長に亘ってフィルム面から遊離させている上記遊離片が設けられてなることを特徴とするピロー包装袋。
【請求項2】
ヒートシール性合成樹脂フィルムを内層とし、この内層よりも高融点の基材フィルムを外層としてこれらの内外層を一体に積層してなる長尺帯状フィルムを2枚、一定間隔を存して並設していると共に、これらの長尺帯状フィルムを両側長尺帯状フィルムとして上記間隔部上に、同じくヒートシール性合成樹脂フィルムを内層とし、この内層に該内層よりも高融点の基材フィルムを外層としてこれらの内外層を一体に積層してなる中央長尺帯状フィルムを配設して、上記両側長尺帯状フィルムの対向側端部における外層に中央長尺帯状フィルムの両側端面から小間隔を存した両側部における内層の一定幅部分を全長に亘って熱融着して細幅シール部を形成していると共に、これらの両側細幅シール部から両側端面間における中央長尺帯状フィルムの両側端部を上記両側長尺帯状フィルムの側端部の外層にその内層を熱融着させることなく全長に亘って遊離させた一定幅を有する遊離片に形成してなる物品包装用フィルムからなり、この物品包装用フィルムの両側端部を合掌状に重ね合わせて内層同士を融着することにより背シール部が形成され、且つ、包装される物品を挟んで互いに重なる合っている上記物品包装用フィルム部分の内層同士を全幅に亘って融着することにより上部シール部と底部シール部とが形成されてあり、さらに、上記背シール部を設けている面と反対側の面の両側部に全長に亘ってフィルム面から遊離させている上記遊離片が設けられてなることを特徴とするピロー包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等の物品包装用フイルム、特に、ロール状に巻装して繰り出しながら一定長さ毎に物品を包装する物品包装用フィルムから作製されるピロー包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ピロー包装袋の製袋用フィルムとしては、例えば、特許文献1に記載されているように、ポリエチレンやポリプロピレン等からなる熱によって相互に融着し得るヒートシール性フィルムを内層とし、ポリアミドフィルムやポリ塩化ビニルフィルムを外層してこれらの内外層を適宜な中間フィルムを介して積層一体化してなる一定幅を有する長尺帯状フィルムが知られており、この長尺帯状フィルムをロール状に巻装して一定長さ毎に繰り出しながらその両側端部を内層同士が互いに接合するように合掌状に重ね合わせて熱融着することにより背シール部を形成する共に、この背シール部に直交する上下端部の互いに接合する内層同士を熱融着することによって上部シール部と底部シール部とを形成し、物品を内包したピロー包装袋を作製している。
【0003】
しかしながら、こうして製造されたピロー包装袋は、上記全てのシール部が強固に密着しているために開封が困難であり、そのため、背シール部の近傍位置に相当する箇所に、該背シール部に沿って細幅のカットテープを併設すると共にこのカットテープの一端両側部に引き裂く時の開封起点としての開封用ノッチを刻設してなる開封手段や、背シール部の近傍位置に相当する箇所に、該背シール部に沿ってミシン状の切り込み線からなる開封手段を設けた構造としている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−250764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、細幅カットテープと該カットテープの開封始端に設けた開封用ノッチとからなる開封手段によれば、カットテープの幅でもって袋の片面を上側シール部から長さ方向に開封するものであるから、該開封始端側の袋の開口幅を拡げることができず、そのため、例えば、ロールパンを包装している場合には、ロールパンの一部を開封端から露出させた状態にし、その他の部分を包装しているピロー包装袋を把持しながらロールパンを食するようにすることは困難であり、また、ピロー包装袋の上端部を両側から拡幅する方向に引っ張って上記開口幅を無理に拡げようとすると、内容物であるロールパンが圧潰する虞れが生じると共に、ピロー包装袋が大きく引き裂かれてロールパンが脱落してしまうといった問題点がある。
【0006】
さらに、上記カットテープによる開封手段では、開封した際にはカットテープがピロー包装袋から外部に突出した状態となって、内容物の取り出し時等において邪魔になる虞れが生じる。一方、このカットテーブに代えて上記のようにピロー包装袋の片面にミシン状の切り込み線からなる開封手段を設けた構造によれば、ピロー包装袋の片面を中央部から大きく開封することができるが、開封するには、両手の指先で上記切り込み線の両側部分を押さえながら拡幅方向に引っ張ることによって行うものであるから、内容物が圧潰変形する虞れがあると共に、内容物をその中央部から外部に露出させることができても、端部からの露出が困難であるため、内容物が例えばロールパンである場合には上述したような食し方ができなくなるといった問題点がある。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは端部から所望の開口幅でもって所望の長さ部分にまで簡単且つ正確に開封することができる開封手段を備えたピロー包装袋を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明のピロー包装袋は、請求項1に記載したように、ヒートシール性合成樹脂フィルムを内層とし、この内層よりも高融点の基材フィルムを外層としてこれらの内外層を一体に積層してなる長尺帯状フィルムを2枚、対向する側部を重ね合わせて、一方の長尺帯状フィルムの側端面から小間隔を存した側部における内層の一定幅部分に他方の長尺帯状フィルムの側端部における外層を全長に亘って熱融着することにより細幅シール部を形成していると共に、この細幅シール部から他方の長尺帯状フィルムの他側部に重なっている上記一方の長尺帯状フィルムの側端部を他方の長尺帯状フィルムの他側部の外層にその内層を熱融着させることなく全長に亘って遊離させた一定幅を有する遊離片に形成してなる物品包装用フィルムからなり、この物品包装用フィルムの両側端部を合掌状に重ね合わせて内層同士を融着することにより背シール部が形成され、且つ、包装される物品を挟んで互いに重なる合っている上記物品包装用フィルム部分の内層同士を全幅に亘って融着することにより上部シール部と底部シール部とが形成されてあり、さらに、上記背シール部を設けている面と反対側の面に全長に亘ってフィルム面から遊離させている上記遊離片が設けられてなる構造としている。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、ヒートシール性合成樹脂フィルムを内層とし、この内層よりも高融点の基材フィルムを外層としてこれらの内外層を一体に積層してなる長尺帯状フィルムを2枚、一定間隔を存して並設していると共に、これらの長尺帯状フィルムを両側長尺帯状フィルムとして上記間隔部上に、同じくヒートシール性合成樹脂フィルムを内層とし、この内層に該内層よりも高融点の基材フィルムを外層としてこれらの内外層を一体に積層してなる中央長尺帯状フィルムを配設して、上記両側長尺帯状フィルムの対向側端部における外層に中央長尺帯状フィルムの両側端面から小間隔を存した両側部における内層の一定幅部分を全長に亘って熱融着して細幅シール部を形成していると共に、これらの両側細幅シール部から両側端面間における中央長尺帯状フィルムの両側端部を上記両側長尺帯状フィルムの側端部の外層にその内層を熱融着させることなく全長に亘って遊離させた一定幅を有する遊離片に形成してなる物品包装用フィルムからなり、この物品包装用フィルムの両側端部を合掌状に重ね合わせて内層同士を融着することにより背シール部が形成され、且つ、包装される物品を挟んで互いに重なる合っている上記物品包装用フィルム部分の内層同士を全幅に亘って融着することにより上部シール部と底部シール部とが形成されてあり、さらに、上記背シール部を設けている面と反対側の面の両側部に全長に亘ってフィルム面から遊離させている上記遊離片が設けられてなるピロー包装袋の構造としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、物品包装用フィルムは、ヒートシール性合成樹脂フィルムを内層とし、この内層よりも高融点の基材フィルムを外層としてこれらの内外層を一体に積層してなる長尺帯状フィルムを2枚、対向する側部を重ね合わせて、一方の長尺帯状フィルムの側端面から小間隔を存した側部における内層の一定幅部分に他方の長尺帯状フィルムの側端部における外層を全長に亘って熱融着することにより細幅シール部を形成し、且つ、この細幅シール部から上記側端面間における一方の長尺帯状フィルムの側端部を他方の長尺帯状フィルムの対向する側端部から遊離した遊離片に形成しているので、この長尺の包装用フィルムをロール巻きした状態から繰り出しながらその両側端部を合掌状に重ね合わせて融着することにより背シール部を形成すると共に、物品を挟んで互いに重なり合っている長尺帯状フィルム部分を全幅に亘って上記基材フィルムからなる外層よりも低い温度でもって融着して上部シール部と底部シール部を形成することによってピロー包装袋を作製した際に、このピロー包装袋における上記背シール部と反対側の面の中央部に全長に亘って開封手段である上記遊離片を有する細幅シール部を設けることができる。
【0011】
この開封手段である遊離片を有する細幅シール部は、一方の長尺帯状フィルムの側端面から小間隔を存した側部におけるヒートシール性合成樹脂フィルムからなる内層の一定幅部分に他方の長尺帯状フィルムの側端部における上記内層よりも高融点の基材フィルムからなる外層を全長に亘って熱融着することにより形成されているので、細幅シール部の剥離抵抗が大きくて不測に開封するのを確実に防止することができると共に、遊離片の長さ方向の中央部を摘んで細幅シール部側に引き寄せることにより細幅シール部を剥離しようとしても、その剥離力が細幅シール部の長さ方向に分散されて細幅シール部の剥離がし難くなるが、ピロー包装袋の上部シール部又は底部シール部側において、遊離片の端部を摘んで斜め方向に引っ張ると、その引張力が細幅シール部の端部の隅角部に集中的に作用して該細幅シール部をその端部から簡単且つ確実に開封することができる。
【0012】
この際、遊離片をピロー包装袋の上端から斜め下方に引っ張ることによって、細幅シール部をピロー包装袋の長さ方向に剥離させながら遊離片を設けている長尺帯状フィルム部分をピロー包装袋の幅方向に剥離させてピロー包装袋を所望の開口幅でもって所望の長さ部分にまで簡単且つ正確に開封させることができ、従って、内容物を脱落させることなくピロー包装袋内からの取り出しが容易に且つ確実に行えるものであり、また、例えば、ロールパンを包装している場合には、ロールパンを圧潰させることなくそのロールパンの端部を開封端から露出させた状態にしてピロー包装袋を把持しながら該ロールパンを食することができるものである。
【0013】
また、請求項2に係る発明によれば、物品包装用フィルムは、上記長尺帯状フィルムを2枚、一定間隔を存して並設すると共に、これらの両側長尺帯状フィルムの上記間隔部上に中央長尺帯状フィルムを架設状態に配設して、上記両側長尺帯状フィルムの対向側端部における外層にこの中央長尺帯状フィルムの両側端面から小間隔を存した両側部における内層の一定幅部分を全長に亘って熱融着して細幅シール部を形成していると共に、これらの両側細幅シール部から両側端面間における中央長尺帯状フィルムの両側端部の内層を上記両側長尺帯状フィルムの側端部の外層に熱融着させることなく全長に亘って遊離させた一定幅を有する遊離片に形成してなるものであるから、この長尺の包装用フィルムをロール巻きした状態から繰り出しながらその両側端部を合掌状に重ね合わせて融着することにより背シール部を形成すると共に、物品を挟んで互いに重なり合っている長尺帯状フィルム部分を全幅に亘って上記基材フィルムからなる外層よりも低い温度でもって融着して上部シール部と底部シール部を形成することによってピロー包装袋を作製した際に、このピロー包装袋における上記背シール部と反対側の面の両側部に全長に亘って開封手段である上記遊離片を有する細幅シール部を設けることができる。
【0014】
この開封手段である遊離片を有する細幅シール部は、上記請求項1に記載した細幅シール部と同様に、細幅シール部の剥離抵抗が大きくて不測に開封するのを確実に防止することができる一方、ピロー包装袋の上部シール部又は底部シール部側において、遊離片の端部を摘んで斜め方向に引っ張ると、その引張力が細幅シール部の端部の隅角部に集中的に作用して該細幅シール部をその端部から簡単且つ確実に開封することができるものであり、また、上記請求項1に記載の包装用フィルムによって製袋されたピロー包装袋においては、上記開封手段である遊離片を有する細幅シール部は1条のみであるが、この請求項2に記載の包装用フィルムによれば、ピロー包装袋の片面の両側部に遊離片を有する細幅シール部を設けることができ、開封始端が上下に2箇所ずつ、形成されてこれらの開封始端から円滑且つ確実に開封することができる。
【0015】
従って、ピロー包装袋内からの内容物の取り出しがより簡単に行えるのは勿論、上述したようにロールパンを包装している場合には、ロールパンを圧潰させることなくそのロールパンの端部を開封端から大きく露出させた状態にすることができ、ピロー包装袋を把持しながら該ロールパンを容易に食することができるものであり、その他の物品においてもその物品の取り出し等に応じた開口度となるように遊離片を剥離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1は一部を繰り出しているロール巻きした長尺帯状の包装用フィルムAの簡略斜視図、図2は横断面図であって、この包装用フィルムAは、一定幅を有する2枚の長尺帯状フィルム1、2を並設して対向する側部を重ね合わせ、その重ね合わせた一部を一定幅、全長に亘って熱融着することにより一枚物の帯状フィルムに形成してなるもので、この帯状フィルムの幅方向の中央部に、上記2枚の長尺帯状フィルム1、2の側部同士が熱融着してなる細幅シール部3と、この細幅シール部3から一側方に向かって突出している一定幅を有する遊離片4とからなる開封手段を全長に亘って形成していると共に、帯状フィルムの両側端部に上記遊離片4と略同じ厚みを有し且つ該遊離片4よりも幅狭い細幅帯状フィルム5、5を全長に亘って層着してなる構造を有する。
【0017】
この包装用フィルムAの構造をさらに詳しく説明すると、上記2枚の長尺帯状フィルム1、2は、ヒートシール性合成樹脂フィルムをそれぞれの内層1a、2aとし、この内層1a、2aよりも高融点の基材フィルムを外層1b、2bとして、これらの内外層1a(1b)、2a(2b)を一体にラミネートしてなる積層フィルムであって、内層1a、2aを形成するヒートシール性合成樹脂フィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等からなるイージーヒートシール性フィルムを使用し、外層1b、2bを形成する基材フィルムとしては、上記内層1aを形成しているフィルムよりも高融点を有するポリアミドフィルムやポリ塩化ビニルフィルムを使用している。なお、これらの長尺帯状フィルム1、2は、上記内外2層からなる積層フィルムに限らず、例えば、内外層間に中間層としてポリエチレン等からなる接着層などを介在させてなる3層構造の積層フィルムであってもよい。
【0018】
上記2枚の長尺帯状フィルム1、2を、その内外層のいずれかを上向き、又は下向きに、例えば、一方の長尺帯状フィルム1の外層1bを上向きにし、他方の長尺帯状フィルム2の内層2aを下向きにした状態で、一方の長尺帯状フィルム1の一側部における内層1aに他方の長尺帯状フィルム2の対向する他側部における外層2bを一定幅、重ね合わせ、一方の長尺帯状フィルム1の一側端面から小間隔を存した側部における内層1aの一定幅部分に他方の長尺帯状フィルム2の他側端面から一定幅部分の端縁部の外層2bを全長に亘って熱融着させることにより上記細幅シール部3を形成していると共に、この細幅シール部3から他方の長尺帯状フィルム2の他側部に重なり合っている一方の長尺帯状フィルム1の一側端部を他方の長尺帯状フィルム2の外層2bに熱融着することなく遊離させた一定幅を有する遊離片4に形成している。
【0019】
また、このように構成した包装用フィルムAの両側端部に層着している上記細幅帯状フィルム5、5は、上記長尺帯状フィルム1、2と同一構造を有する積層フィルムからなり、包装用フィルムAの両側端部に熱融着しているが、その熱融着箇所は包装用フィルムAの表側であっても裏側であってもよい。
【0020】
このように構成した長尺帯状の物品包装用フィルムAは、図1に示すようにロール状に巻装される。この際、物品包装用フィルムAは、その幅方向の中央部に上記細幅シール部3とこの細幅シール部3から一側方に向かって突出している遊離片4とからなる一定厚みを有する開封手段を全長に亘って形成していると共に、両側端部にこの開封手段と略同じ厚みを有する細幅帯状フィルム5、5を層着しているので、中央部と両端部との巻径とが略同径の整った巻きロールを構成することができる。
【0021】
次に、ピロー包装機(図示せず)によって、上記ロール状に巻装している長尺帯状の物品包装用フィルムAから図3図4に示すような物品を封入したピロー包装袋Bを作製するには、公知のように、物品包装用フィルムAを繰り出しながら、該物品包装用フィルムAの両側部を中央部上に折り重ねるようにして対向する両側端部、即ち、一方の長尺帯状フィルム1の外側端部における内層1aと他方の長尺帯状フィルム2の外側端部における内層2aとを一定幅、合掌状に重ね合わせて融着することにより背シール部6を形成すると共に、中央部上に折り重ねた両側部の所定部分の内層1a、2a同士を全幅に亘って融着することにより横シール部を形成する。
【0022】
そして、この横シール部を底部として該底部から上記背シール部6により筒状体に形成されている該筒状体内に物品を充填したのち、この物品の上端部側の折り重ねたフィルム部分を上記同様に融着して横シール部を形成し、横シール部の中央部を横方向に切断することにより、包装した袋体の上下端部に上部シール部7と底部シール部8とを形成するものである。これらの横シール部を設ける際に、背シール部6を設けている面と反対側の面に設けられている遊離片4は、この遊離片4に重なり合う長尺帯状フィルム2の面がヒートシール性合成樹脂フィルムからなる内層よりも高融点の外層2bであり、この外層2bの融点よりも低い温度でヒートシールされるので、長尺帯状フィルム2に融着されることなく遊離した状態を維持する。
【0023】
こうして、製袋されたピロー包装袋Bは、背シール部6と上部シール部7と底部シール部8とによって内容物(物品C)を封入してあり、背シール部6を設けている面と反対側の面に上部シール部7の上端から底部シール部8の下端間に亘って、互いに重なり合った内外フィルム1、2の側端部同士の融着によって形成されている上記一定幅を有する細幅シール部3が設けられ、且つ、この細幅シール部3の外側のフィルム1が融着することなく細幅シール部3から外側に向かって突出した上記一定幅の遊離片4を設けた構造を有している。
【0024】
このように構成したピロー包装袋Bを開封するには、遊離片4の一端部を摘んで引き起しながら細幅シール部3に向かって斜めに引っ張ると、細幅シール部3の上端角部に引張力が集中して図5に示すように、遊離片4と一体の上側フィルム部1'が下側フィルム部2'から剥離しながら下方及び横幅方向に捲られてピロー包装袋Bが横方向及び下方に向かって徐々に開口し、ピロー包装袋Bの上端部を所望の開口幅でもって所望部位まで開封することができる。
【0025】
従って、例えば、このピロー包装袋B内にロールパンを収容している場合には、上記のように細幅シール部3の上端からの下方及び横幅方向への開封によってロールパンの上端部が外部に露出する所望大きさの開口部を設け、ロールパンをその上端部から食するに従って細幅シール部3からの剥離を、該ピロー包装袋Bを把持した下端部に向かって行うことにより衛生的に且つ容易に食することができる。また、その他の内容物でも、その種類に応じてピロー包装袋Bの上端開口度を所望の大きさに設定することができる。
【0026】
図6は本発明の別な実施例を示す簡略斜視図、図7はその横断面図であって、この包装用フィルムA'は、上記実施例における長尺帯状フィルム1、2と同一構造、即ち、ヒートシール性合成樹脂フィルムと基材フィルムとの積層フィルムよりなる2枚の長尺帯状フィルム1、2を一定間隔を存して並設していると共にこの間隔部上に、これらの長尺帯状フィルム1、2の対向する内側部間に架設するようにして同じくこれらの長尺帯状フィルム1、2と同一構造を有する中央長尺帯状フィルム9を配設して、この中央長尺帯状フィルム9における両側端面から内側に所定間隔を存した一定幅部分の内層9a、9aを、これらの内層9a、9aがそれぞれ重なっている両側長尺帯状フィルム1、2の内側端面から一定幅部分の外層1b、2bに熱融着することにより、両側長尺帯状フィルム1、2と中央長尺帯状フィルム9とを一体に接続させた細幅シール部3、3を形成していると共に、これらの細幅シール部3、3から互いに相反する外側方に向かっている中央長尺帯状フィルム9の両側端部を、両側長尺帯状フィルム1、2の内側端部上に融着することなく遊離した一定幅遊離片4、4に形成している。
【0027】
なお、上記両側長尺帯状フィルム1、2と中央長尺帯状フィルム9とは、その内層1a、2a、9aを形成しているヒートシール性合成樹脂フィルムを同じ方向(図においては下方)に向けた状態で並設してあり、従って、この内層1a、2a、9aよりも高融点の基材フィルムからなる外層1b、2b、9bを反対側(図においては上方)に向けている。また、このように構成した包装用フィルムA'の両側端部には、上記実施例と同様に長尺帯状フィルムと同一構造であって遊離片4と略同一厚みを有する細幅帯状フィルム5、5を融着等によって層着している。
【0028】
このように構成した長尺帯状の物品包装用フィルムAは、上記実施例と同様に、ロール状に巻装した状態にしてピロー包装機(図示せず)によって図8図9に示すように、物品を封入したピロー包装袋B'を作製する。その作製方法は上記実施例と同様であるので、詳細な説明を省略する。このピロー包装機によって製袋されたピロー包装袋B'は、背シール部6と上部シール部7と底部シール部8とによって内容物(物品C)を封入してあり、背シール部6を設けている面と反対側の面の両側部に上部シール部7の上端から底部シール部8の下端間に亘って、互いに重なり合った内外フィルム1、2の側端部同士の融着によって形成されている上記一定幅を有する細幅シール部3、3が設けられ、且つ、この細幅シール部3、3の外側のフィルム1が融着することなく細幅シール部3、3からそれぞれ外側方に向かって突出した上記一定幅の遊離片4、4を設けた構造を有している。
【0029】
このピロー包装袋B'を開封するには、いずれか一方の遊離片4の上端角部を摘んで該遊離片4を引き起しながら細幅シール部3に向かって斜めに引っ張ると、細幅シール部3の上端角部に引張力が集中して、遊離片4と一体の上側フィルム部(中央長尺帯状フィルム9)が下側フィルム部(両側長尺帯状フィルム1、2のいずれか)から下方及び横幅方向に剥離しながら捲られ、又、他方の遊離片4も上記同様にして引き剥がすと、上側フィルム部(中央長尺帯状フィルム9)が全体的に下側フィルム部である両側長尺帯状フィルム1、2から剥離しながら捲られて、図10に示すように、ピロー包装袋B'をその端部から所定の大きな開口幅でもって所望部位まで開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】ロール巻きした物品包装用フィルムの一部切欠き斜視図。
図2】この物品包装用フィルムの拡大横断面図。
図3】ピロー包装袋の斜視図。
図4】その一部を断面した正面図。
図5】開封している状態の斜視図。
図6】本発明の別な実施例を示す簡略斜視図。
図7】その拡大横断面図。
図8】ピロー包装袋の斜視図。
図9】その一部を断面した正面図。
図10】開封している状態の斜視図。
【符号の説明】
【0031】
A 物品包装用フィルム
B ピロー包装袋
1、2 長尺帯状フィルム
1a、2a ヒートシール性合成樹脂フィルムからなる内層
1b、2b 基材フィルムからなる外層
3 細幅シール部
4 遊離片
5 細幅帯状フィルム
6 背シール部
7 上部シール部
8 底部シール部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10