(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記押さえ部材を挟んで、前記第1羽根側とは反対側に、前記光通過開口を通過する光の光量を調節する光量調節ユニットを更に有し、当該押さえ部材は、前記第1羽根及び第
2羽根と、前記光量調節ユニットとの仕切り板を構成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の光制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
本発明による光制御装置の実施例について、
図1から
図6を参照しながら詳細に説明する。本実施例は、光制御装置の一例としてシャッタ装置を示す。なお、
図6は
図5で示すシャッタ装置200の線分B―Bにおける断面図である。
【0013】
以下、本実施例におけるシャッタ装置200の構成を説明する。
【0014】
地板(ベース部材)101は、撮影光を通過させる光通過開口101a、駆動レバー回転軸101b、羽根回転軸孔101c,101d(第1の係合孔、第2の係合孔)、及び貫通穴101eを有している。
【0015】
ロータマグネット102は外周面がN極とS極に着磁され、駆動レバー103(駆動伝達部)と一体に構成されている。一体に構成する方法は、接着剤によって接着してもよく、インサート射出成形などによって樹脂で構成してもよい。一体となって構成されたロータマグネット102と駆動レバー103は、地板101に設けられている駆動レバー回転軸101bで回動可能に支持されている。
【0016】
駆動レバー103には、後述するレバー回転軸孔103a及び駆動伝達軸孔103bが設けられている。レバー回転軸孔103aは地板101の駆動レバー回転軸101bと嵌合しており、駆動レバー103はレバー回転軸孔103aを中心に回転運動が可能となっている。
【0017】
電磁コイルユニット105は、導線からなるコイルがボビンに巻きつけられて構成され、地板101に取り付けられる。ステータヨーク104は軟磁性体からなり、電磁コイルユニット105に挿入されてロータマグネット102の外周曲面に配置されている。
【0018】
アクチュエータカバー106は地板101に取り付けられ、ステータヨーク104及び駆動レバー103を保持している。
【0019】
本実施例では、ロータマグネット102、駆動レバー103、ステータヨーク104、電磁コイルユニット105及びアクチュエータカバー106を
図1,2及び6に示すように組むことでシャッタ装置の駆動源となる電磁アクチュエータ120(駆動機構)を構成する。本実施例では、上述したように構成した電磁アクチュエータを使用するが、本実施例の方式以外の方式で駆動する電磁アクチュエータを使用してもよい。
【0020】
従動シャッタ羽根108(第2の遮光羽根)は、シャッタ羽根回転軸108a(第3の突起部)と長孔形状を有するシャッタ羽根駆動軸孔108bを有している。シャッタ羽根回転軸108aは、同一の樹脂によって従動シャッタ羽根108と一体に成形され、
図6に示すように地板101の羽根回転軸孔101dに挿入されることによって地板101に連結している。
【0021】
軸付シャッタ羽根107(第1の遮光羽根)は、同一の樹脂によって一体に成形されたシャッタ羽根回転軸107a(第2の突起部)とシャッタ羽根駆動軸107b(第1の突起部)を有している。シャッタ羽根回転軸107aは、
図6に示されるように地板101の羽根回転軸孔101cに挿入されることによって地板101に連結している。シャッタ羽根駆動軸107bは、
図3及び
図6に示されるように従動シャッタ羽根108のシャッタ羽根駆動軸孔108bと地板101の貫通穴101eと駆動レバー103の駆動伝達軸孔103bに挿入されることによって駆動レバー103に連結している。従動シャッタ羽根108及び軸付シャッタ羽根107を成形する樹脂は薄肉成形が可能で、成形後の表面は摺動性に優れているものが好ましい。
【0022】
羽根押さえ板(押さえ部材)109は、軸付きシャッタ羽根107側とは反対側の地板101の面に対向配置される。これによって、軸付シャッタ羽根107と従動シャッタ羽根108の走行スペースが確保されるとともに、軸付シャッタ羽根107と従動シャッタ羽根108の光軸方向の移動が制限される。
【0023】
このように、本実施例では光軸方向に電磁アクチュエータ120、地板101、従動シャッタ羽根108、軸付シャッタ羽根107、羽根押さえ板109の順に配置することでシャッタ装置200を構成している。
【0024】
上記のようなシャッタ装置200では、電磁コイルユニット105に通電するとステータヨーク104が励磁され、ロータマグネット102に力が働く。これにより、ロータマグネット102は一体に成形された駆動レバー103と共に回転運動をする。
【0025】
駆動レバー103の回転運動に連動して、軸付シャッタ羽根107はシャッタ羽根回転軸107aを中心にして回転運動する。従動シャッタ羽根108は、長孔形状のシャッタ羽根駆動軸孔108bに挿入されたシャッタ羽根駆動軸107bを介して軸付シャッタ羽根107の回転運動に連動して、シャッタ羽根回転軸108aを中心にして回転運動する。このような機構によって、軸付シャッタ羽根107及び従動シャッタ羽根108は、地板101の光通過開口101aによって形成されたシャッタ装置200の開口に対して開閉駆動する。これによって、シャッタ装置200の開口を通過する光を遮断することができる。
【0026】
ここで、シャッタ羽根107,108と一体に成形されたシャッタ羽根回転軸107a,108a及びシャッタ羽根駆動軸107bは、シャッタ羽根107,108の地板101側の面から電磁アクチュエータ120の方向に突出している。そのため、本実施例のシャッタ装置200は、シャッタ羽根107,108の羽根押さえ板109側の面からシャッタ羽根回転軸107a,108a及び駆動軸107bを突出させる必要がなく、シャッタ羽根107,108の羽根押させ板109側の面を平坦にすることが可能となる。その結果、本実施例のシャッタ装置では薄型化が可能となる。
【0027】
なお、シャッタ羽根107,108は、本実施例のように同一の樹脂を使用してシャッタ羽根回転軸107a,108a、及びシャッタ羽根駆動軸107bを一体に成形することに限らない。シャッタ羽根107,108は、例えば、30〜100μm程度のPET樹脂板材にカーボン系の滑り性塗料を表面に塗布したものを遮光部として用いてもよい。そして、シャッタ羽根回転軸107a,108a、及びシャッタ羽根駆動軸107bを別体として成形し、この遮光部としてのプラスチック板材にそれらをかしめることによって一体成形してもよい。遮光部にカーボン系の塗料を塗布する方法は、従来の方式のシャッタ装置のシャッタ羽根においても使用されており、これにより優れた遮光性を有する。
【0028】
また、シャッタ羽根107,108は、上記ように成形された遮光部としてのプラスチックの板材に、摺動性に優れる樹脂によって成形された軸部品をインサート成形や圧入によって固定して一体化されてもよい。
【0029】
また、シャッタ羽根回転軸107a,108aやシャッタ羽根駆動軸107bは、必ずしもシャッタ羽根107,108に固定的に設けられていなくともよく、軸が羽根に対して多少遊びを持ち、軸方向に回転するように構成してもよい。
【0030】
本実施例では、シャッタ羽根を2枚で構成しているが、シャッタ羽根の枚数はこれに限定されない。シャッタ羽根の枚数を3枚以上とする場合は、羽根押さえ板109の最も近くに配置されるシャッタ羽根にシャッタ羽根駆動軸107bを構成し、それ以外のシャッタ羽根にシャッタ羽根駆動軸孔108bを形成する。そして、シャッタ羽根駆動軸107bをこれらのシャッタ羽根駆動軸孔108bと駆動レバー103の駆動伝達軸孔103bに連通させる。
【0031】
また、本実施例において駆動伝達軸孔103bは、円形に成形されているが、駆動レバー103の回転中心と軸付シャッタ羽根107の回転中心が同心上にない場合は、駆動伝達軸孔103bを長穴にする。さらに、駆動伝達軸孔103bをカム溝形状に成形し、シャッタ羽根107,108の回転の角加速度を羽根の回転位置によって変えてもよい。カム溝形状とすることで、シャッタの回転スピードを任意に設定でき、シャッタの閉じ時間を短縮化することが可能となる。
【実施例2】
【0032】
以下、本発明の実施例2を
図7及び
図8を参照しながら詳細に説明する。実施例1と同様の構成を持つものは、同一の番号を付与し説明を省略する。
【0033】
本実施例における光制御装置は、装置を通過する光の量を変化させる絞り装置201であり、光量を調節する小絞り羽根110に小絞り羽根回転軸110aと小絞り羽根駆動軸110bを一体として構成いる。駆動部には、実施例1で説明した駆動機構が使用される。
【0034】
小絞り羽根110は、地板101の光通過開口101aよりも小径の小絞り口径110cを備え、光通過開口101aを通過する光を調節する。本実施例では、小絞り羽根110を使用するが、光量を調節する部材として、半透明の基材を用いて作製されたフィルター羽根又は小絞り羽根にフィルターを取り付けた羽根材などを使用してもよい。
【0035】
図8に示されるように、小絞り羽根回転軸110a及び小絞り羽根駆動軸110bは、それぞれ地板101の羽根回転軸孔101cと駆動レバー103の駆動伝達軸孔103bに挿入されることによって連結している。
【0036】
これによって、本実施例の絞り装置201は、小絞り羽根110の羽根押さえ板109側の面から回転軸107a,108aを突出させずに構成することができ、その結果、光制御装置の薄型化を可能にする。
【0037】
また、実施例1のシャッタ装置200の構成と実施例2の絞り装置201の構成を組み合わせてもよい。この場合、光制御装置は、シャッタ羽根107,108や小絞り羽根110やフィルター羽根などの光量調節羽根をいずれか2種類以上有し、電磁アクチュエータ120も同じく2つ以上有する。このとき、光制御装置が有する2つ以上の電磁アクチュエータは地板101に配置され、光軸方向にずらした位置に光量調節羽根がそれぞれ配置される。また、2つの地板にそれぞれアクチュエータと光量調節羽根を配置し、カバー板109の代わりにこれら2つの地板を対面させることによって光制御装置を構成してもよい。
【実施例3】
【0038】
以下、本発明の実施例3について、
図9を参照しながら詳細に説明する。実施例1と同じ構成を持つものは、同一の番号を付与し説明を省略する。
【0039】
本実施例における光制御装置は、実施例1と同様の構成を有するシャッタ装置300を有し、さらに光制御装置の絞り口径を多段で変更可能な絞り装置400(光量調節ユニット)が取り付けられている。この絞り装置400は、
図9に示すように絞りの駆動源にステッピングモータ111を用いて、複数の絞り羽根114を回転させる。
【0040】
以下、絞り装置400の構成について説明する。
【0041】
絞り羽根114は、遮光性を有した開口量を規制する薄板形状の羽根であり、絞り開口114aを形成するためのカム溝部114b、及び軸孔114cを有している。そして、複数の絞り羽根114が光軸を中心に円周方向に均等配置されている。
【0042】
回転部材113は、中心に開口部113aを形成したリング形状をしており、複数の絞り羽根114のカム溝部114bとそれぞれ嵌合する絞り駆動ピン113b、軸保持溝部113c、及びギア部113dを有している。
【0043】
絞り地板120は、開口部120aと、モータ取り付け部120bと、回転部材113及び絞り羽根114を保持する軸部材120cとを有している。
【0044】
ステッピングモータ111は絞り装置400の駆動源であり、ステッピングモータ111の軸先端にはピニオンギア112が固定されている。ステッピングモータ111は、絞り地板120のモータ取り付け部120bに取り付けられ、ピニオンギア112は回転部材113のギア部113dと噛み合う。
【0045】
仕切り板115は、中心開口部115a、ピン保持部115b、及びピン保持孔115cを有し、シャッタ装置300の軸付きシャッタ羽根107と絞り羽根114との間に配置されている。仕切り板115は、複数の絞り羽根114の光軸方向の移動を制限し、さらに実施例1の羽根押さえ板109の代わりに軸付シャッタ羽根107と従動シャッタ羽根108の光軸方向の移動も制限する。
【0046】
絞り装置400では、絞り地板120の軸部材120cが、回転部材113の軸保持溝部113cと、絞り羽根114の軸孔114cと、仕切り板115の軸保持孔115cとに挿入されることで、回転部材113と絞り羽根114が駆動可能に構成されている。
【0047】
次に、絞り装置400の動作について説明する。
【0048】
ステッピングモータ111が駆動するとピニオンギア112が回転する。このピニオンギア112と回転部材113のギア部113dが噛み合うことで、ピニオンギア112の回転に応じて回転部材113が回転する。回転部材113の回転と共に絞り駆動ピン113bが駆動され、カム溝部114bを介して、絞り羽根114が駆動される。同様の構成を有する複数の絞り羽根114が同時に駆動されることにより、複数の絞り羽根114は光通過口から退避している開放状態から絞り込み状態まで連続的に変化する。すなわち、ステッピングモータ111を制御することで、絞り開口の径が変化し、絞り装置400を通過する光量を調節することができる。換言すれば、複数の絞り羽根114が重ね合わされることにより絞り開口量を制御し、重ね合わせが大きいほど絞り開口量は小さくなる。
【0049】
このような絞り装置400を備えた光制御装置において、従来技術のようにシャッタ羽根の回転軸及び駆動軸を地板や駆動レバーに設けた場合、仕切り板115でこれらの軸が保持される。このとき、軸が仕切り板115を貫通して絞り羽根114と干渉することを防ぐために、仕切り板115を十分厚くしたり絞り羽根114を小さくしたり切り欠いたりして、これらの軸から絞り羽根114を退避させる必要があった。
【0050】
仕切り板115を厚くして光軸方向に絞り羽根114を退避させた場合は、光制御装置全体の厚さも厚くなってしまう。絞り羽根114を小さくしたり切り欠いたりした場合は、光通過開口を覆う絞り羽根114の面積が小さくなり、大きな光通過口を設けることができなくなる。または、シャッタ羽根の軸を光制御装置の外周に配置して絞り羽根114大きくすることが必要となり、その結果、光制御装置の小型化が困難となる。
【0051】
一方、本実施例の光制御装置では、シャッタ羽根107,108の回転軸107a,108aや駆動軸107bが、絞り羽根114の走行スペースに突出することがないため、仕切り板115を薄型化できる。さらに、シャッタ羽根107,108の回転軸107a,108aや駆動軸107bが仕切り板115を貫通して絞り羽根114と干渉することがないため、絞り羽根114を配置するスペースが広くなる。その結果、大きな光通過開口101aを形成したり、光制御装置の外形を小さくしたりすることが可能となる。
【0052】
また、シャッタ装置300のように絞り羽根114を駆動する回転軸120cや絞り駆動ピン113bを絞り羽根114と一体に構成し、絞り地板120に回転軸120cの嵌合孔を形成し、回転部材113にカム溝を形成してもよい。これによって、ステッピングモータ111側に軸を凸とすることができ、シャッタ装置300と絞り装置400とは互いに反対向きに軸を突出させるため、仕切り板117をさらに薄くすることが可能となる。この場合、仕切り板117には薄い金属板や、PET樹脂に遮光性のある塗料を塗布したシート材などが使用可能である。
【0053】
なお、本実施例の説明では、実施例1のシャッタ装置300と絞り装置400を組み合わせた例を示したが、実施例2に示した構成でシャッタ羽根、小絞り羽根、及びフィルター羽根の少なくとも1つを含む光制御装置と絞り装置400を組み合わせてもよい。
【実施例4】
【0054】
以下、本発明の実施例4について、
図10を参照しながら詳細に説明する。
【0055】
図10は、実施例1から3の光制御装置のいずれかを搭載したスチルカメラやビデオカメラなどの光学機器500を示している。前群レンズ501を透過した光が光制御装置502によって制御される。そして、光制御装置502を通過した光は後群レンズ503によって撮像素子504に結像する。
【0056】
このように光制御装置502をスチルカメラやビデオカメラ等に用いることによって、薄型で光量調節精度の良い撮影が可能となる。もちろん、光制御装置502の位置は本実施例に限定されない。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。