【文献】
市原 清志,サンプリングの実際−検体の採取と前処理−,メディカル・テクノロジー ,医歯薬出版株式会社 ,1994年 3月15日,Vol.22,No.3,p.234〜242
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記指数算出部の出力に基づき、前記検体の検査項目別の基準範囲に対する検査値の偏位および個体内変動率に対する検査値の偏位を可視的に表示する出力部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の臨床検査装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記いずれの方法もミス検出の正確度が低いため、無駄な再検査が多数おこなわれているのが現状で、そのコスト負担が大きな問題となっている。前回検査値との比較によるデルタチェック法では、主に単項目、または数項目の検査結果の組み合わせで判断されている。
【0008】
このデルタチェック法では、検査項目ごとに判定の基準が変わるため、適確な判定は困難であり、見逃しを恐れて少しでも疑いがあれば再検査するようになっており、結果的に無駄な再検査が極めて多くおこなわれているのが現状である。
【0009】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、高い正確度で検体取り違いミスを検出できる臨床検査装置、臨床検査方法および臨床検査プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる臨床検査装置は、臨床検査において検体の複数の検査項目の検査値に対する取り違いの有無を判定する臨床検査装置において、入力された検査値の分布の歪み(非対称度)を
検査値のべき乗変換により補正する分布歪み補正部と、
前記分布歪み補正部によるべき乗変換後の検査値について、健常者の所定範囲である基準範囲の上限値と下限値のべき乗変換後の値を用いて、健常者のべき乗変換後の平均値と標準偏差を求め、前記検査値に対する標準化をおこなう標準化部と、前記標準化部で標準化された前記検査値を、同一患者の前回の検査値と比較し、検査項目別の変動率
と、分布の中央部を求める個体内変動率算出部と、前記個体内変動率算出部により算出された検査項目別の個体内変動率と、前回の検査値と、今回の検査値とに基づき、検査項目別の加重デルタ値を累和して検体取り違いの判定の指標を出力する指数算出部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
この請求項1の発明によれば、検体の検査値に対して、分布の歪みを補正し、標準化し、個体内変動率を求め、加重デルタ値を累和する処理をおこなうことにより、検体の取り違えを高い正確度で検出できるようになる。
【0014】
また、
請求項2の発明にかかる臨床検査装置は、
請求項1に記載の発明において、前記指数算出部の出力に基づき、前記検体の検査項目別の基準範囲に対する検査値の偏位および個体内変動
率に対する検査値の偏位を可視的に表示する出力部を備えたことを特徴とする。
【0015】
この
請求項2の発明によれば、表示画像に基づき、複数検査の前回成績との変動パターンを提示し、それが通常の病態によるものか、検体の取り違いによるものであるかを、本発明による指標と照合できるようにすることで、本装置の利用者が容易に判断することができるようになる。
【0016】
また、
請求項3の発明にかかる臨床検査方法は、臨床検査において検体の複数の検査項目の検査値に対する取り違いの有無を判定する臨床検査装置の臨床検査方法において、入力された検査値の分布の歪みを
検査値のべき乗変換により補正する補正工程と、
前記補正工程によるべき乗変換後の検査値について、健常者の所定範囲である基準範囲の上限値と下限値のべき乗変換後の値を用いて、健常者のべき乗変換後の平均値と標準偏差を求め、前記検査値に対する標準化をおこなう標準化工程と、前記標準化工程により標準化された前記検査値を、同一患者の前回の検査値と比較し、検査項目別の変動率
と、分布の中央部を求める個体内変動率算出工程と、前記
個体内変動率算出工程により算出された検査項目別の個体内変動率と、前回の検査値と、今回の検査値とに基づき、検査項目別の加重デルタ値を累和して検体取り違いの判定の指標を出力する指数算出工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
この
請求項3の発明によれば、検体の検査値に対して、分布の歪みを補正し、標準化し、個体内変動率を求め、加重デルタ値を累和する処理をおこなうことにより、検体の取り違えを高い正確度で検出できるようになる。
【0018】
また、
請求項4の発明にかかる臨床検査プログラムによれば、上記の臨床検査方法をコンピュータに実行させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる臨床検査装置、臨床検査方法および臨床検査プログラムによれば、極めて高い正確度で検体取り違いミスを検出できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる臨床検査装置、臨床検査方法および臨床検査プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
本発明の臨床検査装置では、多項目を組み合わせたデルタチェック法を用いる。そして、本発明の多項目を組み合わせたデルタチェック法では、検査項目ごとに、
1.分布型が異なるため前回値との差分の解釈が異なる
2.単位が異なる
3.検査値の個体内変動率(変化のしやすさ)が異なる
という問題を解消する手法を提供する。特に、3.については、変動の少ない安定な項目と変動の大きな不安定な項目があり、デルタチェックを適確におこなうためには、その検査の個体内安定性の情報を考慮している。そして、上記1.〜3.について適した処理をおこなうことにより、多項目を組み合わせたデルタチェック法の取り違いの正確度を大幅に向上させるようにした。
【0023】
(臨床検査装置の構成)
図1は、本発明の臨床検査装置の機能を示すブロック図である。臨床検査装置100は、入力部101と、処理部102と、格納部103と、出力部104とを備えている。入力部101には、患者の検体の各検査値が入力され、この検査値は、患者の識別情報と対応づけて格納部103に格納される。処理部102は、患者単位で多項目を組み合わせたデルタチェック法による処理をおこなう。この処理は、入力部101から入力される検査値および格納部103に格納された検査値を用いる。出力部104には、デルタチェックの結果を所定の表示形式の表示データにして表示装置等に出力する。
【0024】
処理部102は、多項目を組み合わせたデルタチェック法(加重累和デルタチェック法)に基づく処理を実行するための分布歪み補正部111と、標準化部112と、個体内変動率算出部113と、指数算出部114とを備えている。以下、各部の詳細について説明する。
【0025】
分布歪み補正部111は、検査値のべき乗変換により分布の歪みを補正する。一般に、臨床検査の検査値は、左右対称の正規分布型から、低値側に尾を引く2乗正規分布型、高値側に大きく尾を引く対数正規型など、実に様々な分布型が存在する。このため、前回値との偏差(デルタ)を調べただけでは、単純に累和した形の判定はできない。分布歪み補正部111では、検査値に対するべき乗変換をおこなうことにより、どのような検査値に対しても、たとえ多くの異常値を含む場合であっても、その分布中央の大部分を占める健常者の測定値域が正規分布に近似するように変換する。これにより、分布型に依存した検査値の変動率の違いを明瞭に減少させている。
【0026】
下記式(1)は、べき乗演算を示す数式である。
【0028】
x:検査値、a:変換原点、p:べき乗値、X:変換後の検査値
【0029】
標準化部112は、べき乗変換後の検査値の標準化をおこなう。分布歪み補正部111によりべき乗変換し、検査値の分布を正規化しても、項目ごとに測定単位が全く異なる点に対応するために、標準化部112は、分布の標準化をおこなう。標準化には、分布の平均値Mと標準偏差SDが必要であるが、患者の検査値には多くの異常値を含むため、適切な平均値と標準偏差を求めることはできない。そのため、一般的な所定範囲である、健常者から得られた基準範囲の上限値と、下限値のべき乗変換後の値を用いて、健常者のべき乗変換後の平均値と標準偏差を計算し、それを標準化に利用する。
【0030】
下記式(2)は、標準化の算出式である。
【0031】
平均値M=(UL
T+LL
T)/2
標準偏差SD=(UL
T−LL
T)/4
標準化値Z=(X−M)/SD …(2)
UL
T: べき乗変換後の基準範囲の上限、LL
T:べき乗変換後の基準範囲の下限
【0032】
個体内変動率算出部113は、標準化部112により標準化後の検査項目別の個体内変動率を算出する。この個体内変動率算出部113は、格納部103に格納されている同一患者の検査値の過去のデータから、検査値の前回値のあるものを取り出し、前回値と今回の検査値との偏差(デルタ)を求め、分布から個体内変動率を算出する。これにより、変動率の高い検査と、低い検査を区別し、加重した形で累和デルタ値を算出できるようにする。
【0034】
ただし、現実のデータでは極端な動きをするものがあるため、偏差の分布の両裾には極端な異常値が多く含まれ、分布の中央部の適正な個体内変動率を算出することは困難となる。これに対処するため、分布の両裾の異常値の存在の影響を受けない、反復切断補正法を用いて、上記Dの分布の中央部分の広がりを適確に反映する標準偏差SDi(調整SD)を取り出す方式を採用する(上記非特許文献1)。これにより、極端値の影響を受けない検査項目固有の個体内変動率を算出でき、この調整SDの2乗の逆数をウエイトとする形で累和デルタ値の算出を可能にする。
【0035】
指数算出部114は、加重累和デルタ指数を算出する。個体内変動率算出部113により算出された検査項目ごとの加重デルタ値を累和して、多項目による総合的な取り違い度を、加重累和デルタ指数(wCDI:Weighted Cumulative Delta Index:)として算出し、検体取り違いの判定指標とする。
【0036】
加重累和デルタ指数wCDIは、下記式(3)により算出される。
【0038】
Di:各検査値の標準化済みの前回値との差
k :反復数(前回値と今回値との比較可能な項目数を表す)
Wi:臨床検査データベースから導出した各検査項目の個体内安定度(個体内変動率)
【0039】
上記Wi=1/SDi
2
SDiは、健常者における個体内変動の大きさを表したものであり、標準化を行っているため、単位の違いはなく、項目間でそのまま比較することができる。
【0040】
図2は、処理課程における検査値の例を示す図である。図上部には、検査値としての実データの例を示した。図の中央部は、分布歪み補正部111によるべき乗演算後の検査値である。図示のように、べき乗演算により、正規分布に近い形に変換できる。図の下部は、標準化部112による標準化後の検査値である。図示のように、べき乗変換後の基準範囲の上限値UL
Tおよび下限値LL
Tを用いて、べき乗変換後の平均値Mと、標準偏差SDを算出できる。
【0041】
(処理部の処理内容)
つぎに、処理部102による検査値の処理内容について説明する。
図3−1および
図3−2は、実施の形態の加重累和デルタチェックによるデータ処理の流れを示すフローチャートである。
図3−1は、データ処理のための事前準備であり、日常判定の基準となる加重累和デルタチェック指標を計算し、カットオフを設定する。
図3−2は、実際の判定処理であり、今回の検査値と前回検査値を使い、今回の加重累和デルタチェック指標を計算し、カットオフ値と比較し、検体取り違いの有無を判定する。
【0042】
図3−1に示す事前処理について説明する。はじめに、処理部102は、同一患者の過去の検査値を格納部103から読み出す(ステップS301)。つぎに、分布歪み補正部111により、過去の検査値から項目の分布を解析し、正規分布に変換するためのべき乗値pと、変換原点aを求める(ステップS302)。つぎに、標準化部112により、べき乗変換後の基準範囲の上限値と下限値を使い検査値の標準化をおこなう(ステップS303)。
【0043】
そして、個体内変動率算出部113により、標準化された検査値を使い、前回検査値との差Dの分布を解析し、反復切断補正法(たとえば、上記非特許文献1参照)によりその調整SDを求める(ステップS304)。この後、指数算出部114により、上記式(3)を用いてwCDIを計算する(ステップS305)。ここで、検体取り違いの判定に用いるwCDIカットオフ値は、別途シミュレーションにより、データベース上でランダムに取り違いを起こしたときのwCDI値と、取り違いがなかったと仮定される通常の検体におけるwCDI値と比較することで、ROC分析により設定する(ステップS306)。wCDIカットオフは、格納部103に格納しておく。
【0044】
つぎに、
図3−2に示す実際の判定処理について説明する。はじめに、判定する今回検査値と前回検査値を用意する(ステップS311)。今回検査値は、入力部101から入力され、前回検査値は、格納部103から読み出す。つぎに、上記のステップS302で求めたべき乗値pと、変換原点aを使い検査値をべき乗変換し、標準化する(ステップS312)。この後、上記のステップS304で求めた個体内変動率を表す調整SD(個体内SD)を使いwCDIを計算する(ステップS313)。最後に、上記ステップS306で設定したカットオフ値と今回値を比較し、検体取り違いの有無を判定する(ステップS314)。
【0045】
(臨床検査装置のハードウェア構成)
図4は、本実施の形態にかかる臨床検査装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4において、臨床検査装置100は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、HDD(ハードディスクドライブ)404と、HD(ハードディスク)405と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)406と、FD(フレキシブルディスク)407と、ディスプレイ408と、I/F(インタフェース)409と、キーボード410と、マウス411とを備えている。また、各構成部は、バス412によってそれぞれ接続されている。
【0046】
CPU401は、臨床検査装置100の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。HDD404は、CPU401の制御にしたがって、HD405に対するデータのリード/ライトを制御する。HD405は、HDD404の制御によって書き込まれたデータを記憶する。
【0047】
FDD406は、CPU401の制御にしたがって、FD407に対するデータのリード/ライトを制御する。FD407は、FDD406の制御によって書き込まれたデータを記憶したり、FD407に記憶されたデータを読み取ったりする。また、着脱可能な記録媒体としては、FD407のほか、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカードなどであってもよい。
【0048】
ディスプレイ408は、カーソル、アイコン、またはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ408は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0049】
I/F409を介して、検体の検査値が入力され、処理後の判定値および表示出力を出力する。キーボード410は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス411は、カーソルの移動や範囲選択、またはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。
【0050】
図1に示した入力部101,および出力部104は、I/F409によって構成され、
図1に示した処理部102は、CPU401によって構成される。また、
図1に示した格納部103は、HD405や、FD407、その他CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカードによって構成される。
【0051】
(出力表示例)
つぎに、処理部102による処理後において出力部104から出力される出力表示の例を説明する。
図5−1は、表示出力の一例を示す図である。表示画像501は、上下に複数の検査値の項目が表示され、項目ごとに、カットオフ値が設定された基準範囲502a,502bを±2としたときの相対的な位置を示している。そして、前回の検査値がそれぞれ(●)印で表示され、今回の検査値がそれぞれ丸(○)印で表示される。これにより、今回の検査値が基準範囲内にあるか否かを画面上で判定できるようになっている。
【0052】
図示の例では、項目ALPの今回の検査値だけが上限以上の値であることが示され、基準範囲に対する偏位量も示されている。このように、基準範囲を示すことにより、今回の検査値の偏位を直感的に直ぐに通知できるようになる。なお、表示される項目は、上下のスクロール等によって他の項目も同様に表示できるようになっている。
【0053】
図5−2は、表示出力の他の例を示す図である。表示画像511は、上下に複数の検査値の項目が表示され、各項目ごとに、中心を0とし前回値をこの中心値として、±の偏位量を示している。また、各項目ごとの範囲枠512(512a〜512f)は、各項目ごとの±2SDの範囲であり、中心0からの幅が項目ごとに異なって表示される。このように、各項目ごとに異なるカットオフ値に対応した範囲を表示しており、図示の例では、下方の項目ほど範囲が広い形となっている。この範囲枠512は、表示する項目の個体内変動幅が異なれば範囲枠512についても対応して異なる幅で表示される。
【0054】
そして、範囲枠512上で0が前回値であり、今回の検査値がそれぞれ丸(○)印で表示される。これにより、今回の検査値が記載した範囲内にあるか否かを画面上で判定できるようになっている。
【0055】
図示の例では、ALTの項目だけが範囲枠512(512d)を超えているため、異なる丸(●)印で示され、範囲に対する偏位量も示されている。このように、範囲を示すことにより、今回の検査値の個体内SDに対比させた偏位の程度を、直感的に直ぐに通知できるようになる。
【0056】
(実施例)
つぎに、上記構成による検査値の判定例について説明する。臨床検査装置100により、病院の実際の検査値が格納された臨床検査データベースをスキャンして、各患者ごとに前回値の有無を調べ、存在すればwCDIを求める。一方、データベース上でランダムにデータを組み替えることにより、人工的に検体取り違いを発生させ、その場合のwCDIを算出する。これら2つの条件で求めたwCDIを比較することにより、両者を最もうまく判別できるカットオフ値を設定し、取り違い検出の感度・特異度、正確度を求める。
【0057】
ただし、その前回値とのデルタを算出できる検査項目数によって判定が異なるため、その項目数ごとに判定基準を変える方式を採用した。
図6−1は、項目数別の正確度を示す図表である。組み合わせ検査項目数が5,8,10,12の場合について取り違い判定の正確度を示している。これから、ほぼ十分な判別がおこなえることが分かる。また、
図6−2、および
図6−3は、組み合わせ検査項目数別の検査結果の対比図を示す図である。組み合わせ検査項目数が5項目以上と12項目以上の場合に対して、実在データから得られたwCDI値と、人工的に作成したwCDI値の比較を、散布図形式、ROC曲線形式、感度特異度曲線形式で示した。上段は前回値とのwCDI、下段は取り違いのwCDIであり、これら2群に対するROC曲線と、感度、特異度曲線を示した。
【0058】
上記の構成によれば、検査値のデータベースを、データマイニング技術を活用してスキャンすることで、検査項目別の個体内変動率を動的に学習し、かつ、べき乗変換・標準化・異常値除去の処理を組み合わせることで、検体取り違いミスの適確な検出が可能となった。この方法により、検体取り違いミスを高い正確度をもって検出できるようになる。これにより、病院における再検査率の大幅な減少を期待でき、病院経費の削減を達成できる。
【0059】
以上説明したように、臨床検査装置、臨床検査方法、および臨床検査プログラムによれば、下記の効果を奏する。
1)高い正確度で検体取り違いミスを検出できるため、医療事故の防止につながる。
2)従来法と比べ再検査率が大幅に減少し、病院のコスト削減につながる。
3)処理アルゴリズムは汎用的なものであり、病院の患者特性に依存せず適用できる。
4)判別のための基本情報となる検査の個体内変動率を動的に学習して利用するため、検査値の時代的変遷の影響を受けずに適用できる。
【0060】
なお、本実施の形態で説明した臨床検査方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。