特許第5764485号(P5764485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764485
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】受信装置および受信システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/236 20110101AFI20150730BHJP
   H04N 21/432 20110101ALI20150730BHJP
【FI】
   H04N21/236
   H04N21/432
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-286083(P2011-286083)
(22)【出願日】2011年12月27日
(65)【公開番号】特開2013-135412(P2013-135412A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2014年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109668
【氏名又は名称】DXアンテナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関 和彦
(72)【発明者】
【氏名】合田 佳宏
(72)【発明者】
【氏名】末光 正明
【審査官】 矢野 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−079753(JP,A)
【文献】 特開2011−223516(JP,A)
【文献】 特開2011−139333(JP,A)
【文献】 特開2009−151460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャネルの信号を受信し、1つのチャネルを選局して出力する選局部と、
前記複数のチャネルは、放送局からの信号が伝送される放送局用のチャネルと、自主放送用のチャネルとを含み、
前記選局部で選局されたチャネルの信号を復調するOFDM復調部と、
前記復調された信号に緊急情報が含まれているか否かを判別する判別部と、
前記復調された信号からトランスポートストリームパケットを抽出する抽出部と、
緊急通知用の画像データおよび/または音声データをペイロード部に含む緊急通知用トランスポートストリームパケットを記憶する記憶部と、
前記選局部で前記自主放送用のチャネルが選択され、かつ前記緊急情報が含まれている場合には、前記記憶部に記憶された緊急通知用トランスポートストリームパケットを出力し、前記選局部で前記放送局用のチャネルが選択された場合、または前記緊急情報が含まれていない場合には、前記抽出したトランスポートストリームパケットを出力する選択部と、
前記選択部から出力されたトランスポートストリームパケットをインターネットプロトコル方式の信号であるIP信号に変換するTS/IP変換部とを備えた、受信装置。
【請求項2】
前記TS/IP変換部は、前記トランスポートストリームパケットをUDP(User Datagram Protocol)パケットに変換する、請求項に記載の受信装置。
【請求項3】
前記TS/IP変換部は、前記トランスポートストリームパケットをRTP(Real-time Transport Protocol)パケットに変換する、請求項に記載の受信装置。
【請求項4】
前記複数のチャネルの信号は、ISDB−T方式の信号である、請求項に記載の受信装置。
【請求項5】
前記緊急情報は、ISDB−Tで規定される緊急放送起動フラグである、請求項記載の受信装置。
【請求項6】
受信装置と、受信装置で受信した信号の表示を制御する表示制御装置とからなる受信システムであって、
前記受信装置は、
複数のチャネルの信号を受信し、1つのチャネルを選局して出力する選局部と、
前記複数のチャネルは、放送局からの信号が伝送される放送局用のチャネルと、自主放送用のチャネルとを含み、
前記選局部で選局されたチャネルの信号を復調するOFDM復調部と、
前記復調された信号に緊急情報が含まれているか否かを判別する判別部と、
前記復調された信号からトランスポートストリームパケットを抽出する抽出部と、
緊急通知用の画像データおよび/または音声データをペイロード部に含む緊急通知用トランスポートストリームパケットを記憶する記憶部と、
前記選局部で前記自主放送用のチャネルが選択され、かつ前記緊急情報が含まれている場合には、前記記憶部に記憶された緊急通知用トランスポートストリームパケットを出力し、前記選局部で前記放送局用のチャネルが選択された場合、または前記緊急情報が含まれていない場合には、前記抽出したトランスポートストリームパケットを出力する選択部と、
前記選択部から出力されたトランスポートストリームパケットをインターネットプロトコル方式の信号であるIP信号に変換するTS/IP変換部とを備え、
前記表示制御装置は、
前記IP信号に含まれる画像データおよび/または音声データを蓄積し、前記蓄積した画像データおよび/または音声データを読み出して表示モニタに出力する、受信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置および受信システムに関し、特にISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)方式で送信される信号を受信する受信装置および受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、地震などに備えるため、テレビを通じて緊急警報を通報するシステムが知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2011−61409号公報)には、緊急防災情報通知機能を備えたテレビが開示されている。この装置では、デジタル放送チューナーが、被圧縮の画像データを受信した際、あるいは、電子番組表データに緊急災害情報が重畳された受信データを受信した際、緊急情報識別信号を出力する緊急情報識別信号出力手段を備え、この緊急情報識別信号に基づいて、表示処理部のOSD処理部を直接制御し、テレビのデコーダ、映像処理部、表示処理部で処理することなく、緊急災害情報を瞬時に表示できるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−61409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の装置では、非圧縮の緊急通知用の画像を送信側の放送局から受信側の装置へ伝送しなければならない。そのため、伝送遅延が発生する。また、自主放送用のチャネルで、緊急を通知することができない。
【0006】
それゆえに、本発明の目的は、緊急警報を遅延することなく受信することができる受信装置および受信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の受信装置は、複数のチャネルの信号を受信し、1つのチャネルを選局して出力する選局部と、選局部で選局されたチャネルの信号を復調するOFDM復調部と、復調された信号に緊急情報が含まれているか否かを判別する判別部と、復調された信号からトランスポートストリームパケットを抽出する抽出部と、緊急通知用の画像データおよび/または音声データをペイロード部に含む緊急通知用トランスポートストリームパケットを記憶する記憶部と、選局部で特定のチャネルが選択され、かつ緊急情報が含まれている場合には、記憶部に記憶された緊急通知用トランスポートストリームパケットを出力し、選局部で特定のチャネル以外のチャネルが選択された場合、または緊急情報が含まれていない場合には、抽出したトランスポートストリームパケットを出力する選択部と、選択部から出力されたトランスポートストリームパケットをインターネットプロトコル方式の信号であるIP信号に変換するTS/IP変換部とを備える。
【0008】
好ましくは、特定のチャネルは、自主放送用のチャネルである。
本発明の受信装置は、複数のチャネルの信号を受信し、1つのチャネルを選局して出力する選局部と、選局部で選局されたチャネルの信号を復調するOFDM復調部と、復調された信号に緊急情報が含まれているか否かを判別する判別部と、復調された信号からトランスポートストリームパケットを抽出する抽出部と、緊急通知用の画像データおよび/または音声データをペイロード部に含む緊急通知用トランスポートストリームパケットを記憶する記憶部と、緊急情報が含まれている場合には、記憶部に記憶された緊急通知用トランスポートストリームパケットを出力し、緊急情報が含まれていない場合には、抽出したトランスポートストリームパケットを出力する選択部と、選択部から出力されたトランスポートストリームパケットをインターネットプロトコル方式の信号であるIP信号に変換するTS/IP変換部とを備える。
【0009】
好ましくは、TS/IP変換部は、トランスポートストリームパケットをUDP(User Datagram Protocol)パケットに変換する。
【0010】
好ましくは、TS/IP変換部は、トランスポートストリームパケットをRTP(Real-time Transport Protocol)パケットに変換する。
【0011】
好ましくは、複数のチャネルの信号は、ISDB−T方式の信号である。
好ましくは、緊急情報は、ISDB−Tで規定される緊急放送起動フラグである。
【0012】
本発明は、受信装置と、受信装置で受信した信号の表示を制御する表示制御装置とからなる受信システムである。受信装置は、複数のチャネルの信号を受信し、1つのチャネルを選局して出力する選局部と、選局部で選局されたチャネルの信号を復調するOFDM復調部と、復調された信号に緊急情報が含まれているか否かを判別する判別部と、復調された信号からトランスポートストリームパケットを抽出する抽出部と、緊急通知用の画像データおよび/または音声データをペイロード部に含む緊急通知用トランスポートストリームパケットを記憶する記憶部と、選局部で特定のチャネルが選択され、かつ緊急情報が含まれている場合には、記憶部に記憶された緊急通知用トランスポートストリームパケットを出力し、選局部で特定のチャネル以外のチャネルが選択された場合、または緊急情報が含まれていない場合には、抽出したトランスポートストリームパケットを出力する選択部と、選択部から出力されたトランスポートストリームパケットをインターネットプロトコル方式の信号であるIP信号に変換するTS/IP変換部とを備える。表示制御装置は、IP信号に含まれる画像データおよび/または音声データを蓄積し、蓄積した画像データおよび/または音声データを読み出して表示モニタに出力する。
【0013】
本発明は、受信装置と、受信装置で受信した信号の表示を制御する表示制御装置とからなる受信システムである。受信装置は、複数のチャネルの信号を受信し、1つのチャネルを選局して出力する選局部と、選局部で選局されたチャネルの信号を復調するOFDM復調部と、復調された信号に緊急情報が含まれているか否かを判別する判別部と、復調された信号からトランスポートストリームパケットを抽出する抽出部と、緊急通知用の画像データおよび/または音声データをペイロード部に含む緊急通知用トランスポートストリームパケットを記憶する記憶部と、緊急情報が含まれている場合には、記憶部に記憶された緊急通知用トランスポートストリームパケットを出力し、緊急情報が含まれていない場合には、抽出したトランスポートストリームパケットを出力する選択部と、選択部から出力されたトランスポートストリームパケットをインターネットプロトコル方式の信号であるIP信号に変換するTS/IP変換部とを備える。表示制御装置は、IP信号に含まれる画像データおよび/または音声データを蓄積し、蓄積した画像データおよび/または音声データを読み出して表示モニタに出力する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の受信装置および受信システムによれば、緊急警報を遅延することなく受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態のデジタル伝送システムの構成を表わす図である。
図2図1に含まれるコンテンツ作成送信装置の構成を表わす図である。
図3図1に含まれる受信システム5_1の構成を表わす図である。
図4】本発明の実施形態の受信装置の動作手順を表わすフローチャートである。
図5】(a)および(b)は、表示モニタに表示される画面の例を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態のデジタル伝送システムの構成を表わす図である。
【0017】
このデジタル伝送システムは、コンテンツ作成送信装置2と、混合器3と、分配器4と、複数の受信システム5_1〜5_4と、複数の表示モニタ6_1〜6_4とを備える。
【0018】
コンテンツ作成送信装置2および混合器3は、たとえば、ビルの管理センタやマンションの管理センタなどに設置され、受信システム5_1〜5_4の各々は、テナントや家庭に設けられる。
【0019】
コンテンツ作成送信装置2と混合器3との間、混合器3と受信システム5_1〜5_4との間は、たとえば同軸ケーブルで接続される。
【0020】
コンテンツ作成送信装置2は、自主放送用のコンテンツとしてサイネージ画像を含む画像ファイルを作成して、放送局1から送信されるISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)方式の信号と同じ形式の信号に変換して出力する。具体的には、コンテンツ作成送信装置2は、画像ファイルの信号を放送局から送信される複数チャネルとは別の空きチャネル(チャネルAとする)の周波数の信号に変換する。
【0021】
混合器3は、コンテンツ作成送信装置2から出力される1つのチャネルの信号と放送局から送信された複数チャネルの信号とを混合して、出力する。
【0022】
分配器4は、混合器3から出力される信号を分配して、受信システム5_1〜5_4へ供給する。
【0023】
受信システム5_1〜5_4は、受信装置7_1〜7_4と、表示制御装置8_1〜8_4を含む。
【0024】
受信装置7_1〜7_4は、受信したOFDM変調された信号を復調することによって得られたTSパケットをIP信号に変換して、表示制御装置8_1〜8_4へ出力する。
【0025】
表示制御装置8_1〜8_4は、受信装置7_1〜7_4から送られたIP信号に含まれる画像ファイルおよび/または音声ファイルを蓄積し、IP信号に含まれる制御信号に基づいて蓄積したファイルを表示モニタ6_1〜6_4へ、たとえばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルまたは同軸ケーブルを介して出力する。
【0026】
表示モニタ6_1〜6_4は、表示制御装置8_1〜8_4から出力される画像を表示し、音声をスピーカ出力する。
【0027】
受信システム5_1〜5_4は、たとえばパソコンで構成されており、受信装置7_1〜7_4は、パソコンに接続するボードで実現され、表示制御装置8_1〜8_4は、パソコン本体のCPU、メモリなどで実現され、表示モニタ6_1〜6_4がパソコンのディスプレイで実現されているものとする。表示モニタ6_1〜6_4は、パソコンのディスプレイの代りに、TV受信機であってもよい。
【0028】
図2は、図1に含まれるコンテンツ作成送信装置の構成を表わす図である。
図2に示すように、コンテンツ作成送信装置2は、サイネージ画像作成部11と、サイネージ画像記憶部12と、TS変換部13と、緊急通知部15と、OFDM(Orthogonal
Frequency Division Multiplexing)変調部14とを備える。
【0029】
サイネージ画像作成部11は、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のサイネージ画像を含む画像ファイルを作成する。
【0030】
サイネージ画像記憶部12は、作成された画像ファイルを記憶する。
TS変換部13は、画像ファイルをTS(Transport Stream)パケットに変換する。
【0031】
緊急通知部15は、緊急時において、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration and Control)信号における緊急警報情報が放送中であるか否かを示す緊急警報起動フラグに「1」を設定し、通常時において、緊急警報起動フラグに「0」を設定する。ここで、緊急時とは、受信装置7_1〜7_4が設置されている場所に特有の緊急時をいう。たとえば、受信装置7_1〜7_4が1つのビルに設置されているときには、そのビルの火災時などである。
【0032】
OFDM変調部14は、TSパケット、および緊急警報起動フラグを含むTMCC信号をOFDM変調する。
【0033】
図3は、図1に含まれる受信システム5_1の構成を表わす図である。他の受信システム5_2〜5_4も、これと同様である。
【0034】
図3を参照して、この受信システム5_1は、受信装置7_1と、表示制御装置8_1とを備える。
【0035】
受信装置7_1は、選局部21と、OFDM復調部22と、緊急情報判別部23と、TS抽出部24と、緊急通知用TSパケット記憶部25と、選択部26と、TS/IP変換部27とを備える。
【0036】
選局部21は、分配器4から出力される複数のチャネルの信号を受信し、ユーザなどによって選択された1つのチャネルを選局して出力する。
【0037】
OFDM復調部22は、選局部21から出力される選局されたチャネルの信号をOFDM復調する。
【0038】
緊急情報判別部23は、OFDM復調された信号に緊急情報が含まれているか否かを判別する。たとえば、緊急情報判別部23は、OFDM復調された信号に緊急警報起動フラグが含まれ、緊急警報起動フラグが緊急を示す値(すなわち「1」)に設定されているときには、緊急情報が含まれていると判別する。緊急情報判別部23は、OFDM復調された信号に緊急警報起動フラグが含まれていないか、または含まれていても、その緊急警報起動フラグが緊急を示す値(すなわち「1」)に設定されていないときには、緊急情報が含まれていないと判別する。
【0039】
TS抽出部24は、OFDM復調された信号からTSパケットを抽出する。
緊急通知用TSパケット記憶部25は、緊急通知用TSパケットを記憶する。緊急通知用TSパケットは、緊急通知用画像ファイルおよび/または緊急通知用音声ファイルを構成するTSパケットである。
【0040】
選択部26は、選局部21で特定のチャネルである自主放送用のチャネル(チャネルA)が選択されたときに、緊急情報が含まれていると判別された場合には、緊急通知用TSパケットを選択して出力する。選択部26は、選局部21で自主放送用のチャネル以外のチャネルが選択された場合、または緊急情報が含まれていないと判別された場合には、TS抽出部24から出力されたTSパケットを選択して出力する。
【0041】
TS/IP変換部27は、選択部26から出力されたTSパケットをインターネットプロトコル方式の信号であるIP信号に変換して出力する。具体的には、TS/IP変換部27は、TSパケットをUDP(User Datagram Protocol)パケットに変換して出力する。UDPパケットに変換するのは、UDPでは、TCPと異なり、再送制御が行なわれないため、伝送遅延が生じないからである。UDPパケットの宛先として、受信装置が1つの表示制御装置と接続されているときには、その接続先の表示制御装置のアドレスが指定されるが、受信装置が複数の表示制御装置と接続されているときには、複数の接続先の表示制御装置を指定するブロードキャストアドレスまたはマルチキャストアドレスが指定されることとしてもよい。
【0042】
表示制御装置8_1は、IP受信部29と、ファイル抽出部28と、蓄積部31と、蓄積検出部30と、表示出力部32とを備える。
【0043】
IP受信部29は、受信装置7_1から出力されるUDPパケットを受信する。
ファイル抽出部28は、抽出されたUDPパケットのペイロード部分から画像ファイルおよび/または音声ファイルを構成するデータを抽出して蓄積部31に蓄積する。
【0044】
蓄積部31は、抽出された画像ファイルまたは音声ファイルを構成するデータを蓄積する。
【0045】
蓄積検出部30は、蓄積部31において、1つの画像ファイルまたは音声ファイルを構成する全データが蓄積したか、すなわち1つの画像ファイルまたは音声ファイルが完成したか否かを検出する。
【0046】
表示出力部32は、蓄積検出部30で1つの画像ファイルまたは音声ファイルが完成したことが検出されたときに、その画像ファイルまたは音声ファイルを再生して、表示モニタ6_1へ出力する。
【0047】
(動作)
図4は、本発明の実施形態の受信装置の動作手順を表わすフローチャートである。
【0048】
図4を参照して、まず、選局部21は、分配器4から出力される複数のチャネルの信号を受信し、ユーザなどによって選択された1つのチャネルを選局して出力する(ステップS100)。
【0049】
次に、OFDM復調部22は、選局部21から出力される選局されたチャネルの信号をOFDM復調する(ステップS101)。
【0050】
次に、緊急情報判別部23は、OFDM復調された信号に緊急情報が含まれているか否かを判別する(ステップS102)。
【0051】
TS抽出部24は、OFDM復調された信号からTSパケットを抽出する(ステップS103)。
【0052】
選択部26は、選局部21で自主放送用のチャネルが選択され、かつ緊急情報が含まれていると判別された場合には(ステップS104でYES)、緊急通知用TSパケットを選択して出力する(ステップS105)。
【0053】
一方、選択部26は、選局部21で自主放送用のチャネル以外のチャネルが選択されたとき、または緊急情報が含まれていないと判別された場合には(ステップS104でNO)、TS抽出部24から出力されたTSパケットを選択して出力する(ステップS106)。
【0054】
TS/IP変換部27は、選択部26から出力されたTSパケットをUDPパケットに変換して出力する(ステップS107)。
【0055】
図5(a)は、通常時に表示モニタ6_1に表示される画面例を表わす図である。
自主放送のチャネルが選択され、かつ通常時(すなわち緊急警報起動フラグが「0」に設定されているとき)には、コンテンツ作成送信装置2で作成されたサイネージ画像が表示モニタ6_1に表示される。
【0056】
図5(b)は、緊急時に表示モニタ6_1に表示される別の画面例を表わす図である。
自主放送のチャネルが選択され、かつ緊急時(すなわち緊急警報起動フラグが「1」に設定されているとき)には、受信装置7_1で保持する緊急通知用TSパケットに含まれる緊急通知画像が表示モニタ6_1に表示される。
【0057】
以上のように、本発明の実施形態によれば、自主放送用のチャネルで緊急警報を遅延することなく受信することができる。
【0058】
なお、本発明の実施形態では、コンテンツ作成送信装置が、サイネージ画像を含む画像ファイルを作成して送信することとしたが、これに限定するものではない。たとえば音声ファイルを作成して送信することとしてもよい。
【0059】
また、TS/IP変換部では、TSパケットをUDPパケットに変換することとしたが、これに限定するものではない。リアルタイムでの再生が望まれるときには、TS/IP変換部は、たとえばTSパケットをRTP(Real-time Transport Protocol)パケットに変換することとしてもよい。
【0060】
(変形例)
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような変形例も含む。
【0061】
(1) 自主放送
本発明の実施形態では、特定のチャネルが自主放送用のチャネルであるとして説明したが、これに限定するものではない。特定のチャネルとして自主放送用のチャネル以外の一般のチャネル、たとえば予め定められたチャネルであってもよい。この場合、放送局から送信される特定のチャネルの信号は、自主放送のチャネルの信号と同様に、緊急情報として緊急フラグを含む。
【0062】
(2) 選択部
本発明の実施形態では、選択部26は、選局部21で自主放送用のチャネルが選択され、かつ緊急情報が含まれていると判別された場合には、緊急通知用TSパケットを選択して出力し、選局部21で自主放送用のチャネル以外のチャネルが選択されたとき、または緊急情報が含まれていないと判別された場合には、TS抽出部24から出力されたTSパケットを選択して出力するとしたが、これに限定するものではない。
【0063】
たとえば、選択部26は、選局部21での選択したチャネルに係らず、緊急情報が含まれていると判別された場合には、緊急通知用TSパケットを選択して出力し、緊急情報が含まれていないと判別された場合には、TS抽出部24から出力されたTSパケットを選択して出力するものとしてもよい。
【0064】
(3) 分配器
本実施の形態では、分配器4は、混合器3から出力される信号を4分配して、4個の受信システム5_1〜5_4へ供給したが、これに限定するものではなく、4以外の数で分配することとしてもよい。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0066】
1 放送局、2 コンテンツ作成送信装置、3 混合器、4 分配器、5,5_1〜5_4 受信システム、6_1〜6_4 表示モニタ、7_1〜7_4 受信装置、8_1〜8_4 表示制御装置、11 サイネージ画像作成部、12 サイネージ画像記憶部、13 TS変換部、14 OFDM変調部、15 緊急通知部、21 選局部、22 OFDM復調部、23 緊急情報判別部、24 TS抽出部、25 緊急通知用TSパケット記憶部、26 選択部、27 TS/IP変換部、28 ファイル抽出部、29 IP受信部、30 蓄積検出部、31 蓄積部、32 表示出力部。
図1
図2
図3
図4
図5