(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記書込部は、前記判定部により前記セキュリティ情報の正当性が判定された無線タグについて前記識別情報を書き込むことを特徴とする請求項1記載のラベル発行装置。
前記書込部は、前記判定部により前記セキュリティ情報の正当性が判定された無線タグ、および当該無線タグに続いて順次発行される所定数の無線タグについてそれぞれ前記識別情報を書き込むことを特徴とする請求項1記載のラベル発行装置。
前記書込部は、前記セキュリティ情報の記憶領域と、前記識別情報の記憶領域とが、少なくとも一部において重複することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のラベル発行装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本技術の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態のラベル発行装置について、
図1を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態のラベル発行装置の構成を示す図である。
【0016】
ラベル発行装置1は、複数のラベル5を長手方向に整列した台紙4を搬送し、台紙4からからラベル5を順次発行する装置である。ラベル5は、表面を印刷面とし、裏面を台紙4との接着面とするシート状であり、中間層にRFIDタグ(無線タグ)6を備える。RFIDタグ6は、フィルム状の基材にICチップとアンテナを内蔵する。ICチップは、無線通信により読み書き可能な記憶領域を備える。記憶領域には、あらかじめセキュリティ情報(たとえば、パスワード)2が記憶されている。ラベル5の印刷面は、光学的に読み取り可能な情報(たとえば、バーコードや、文字、記号、図形など)8が印刷できるようになっている。
【0017】
ラベル発行装置1は、読取部1aと、判定部1bと、書込部1cを備える。読取部1aは、無線通信可能な領域7にあるRFIDタグ6が記憶するセキュリティ情報2を、無線通信を介して読み取る。判定部1bは、セキュリティ情報2の正当性を判定する。たとえば、判定部1bは、あらかじめ判定用情報(たとえば、パスワード)を保持し、読取部1aが読み取ったセキュリティ情報2と照合することで、セキュリティ情報2の正当性の判定をおこなう。書込部1cは、セキュリティ情報2の正当性が判定された場合に、RFIDタグ6が記憶するセキュリティ情報2を消去する。また、書込部1cは、セキュリティ情報2の正当性が判定された場合に、RFIDタグ6を識別可能にする識別情報3をRFIDタグ6に書き込む。
【0018】
これにより、ラベル発行装置1は、ラベル5の正当性(たとえば、正規の流通ルートで供給されていること)を確認することができる。そして、ラベル発行装置1は、正当性を確認したラベル5について、RFIDタグ6に識別情報3を記憶させて発行することができる。このようにして発行されたラベル5aは、RFIDタグ6aの記憶領域に識別情報3を記憶して、無線通信におけるラベル5aの識別性を有する。また、ラベル5aは、RFIDタグ6aの記憶領域からのセキュリティ情報2の消去により、RFIDタグ6aの使用可能な記憶領域についての制約を低減しているとともに、第3者によるセキュリティ情報2の収集を困難としている。
【0019】
このようなラベル発行装置1は、不正なRFIDラベルの使用を制限しながら、ユーザの利便性向上を図ることができる。
なお、ラベル発行装置1は、ラベル発行時に台紙4からラベル5を剥離して発行するようにしてもよい。
【0020】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態のラベル発行装置とラベルロール製造装置について、
図2から
図10を用いて説明する。まず、ラベル発行装置とラベルロール製造装置について
図2を用いて説明する。
図2は、第2の実施形態のラベルロール製造装置とラベル発行装置を示す図である。
【0021】
ラベルロール製造装置10は、複数のラベル15を長手方向に整列した長尺の台紙を、ロール状に巻き取ってラベルロール14を製造する。ラベルロール製造装置10は、セキュリティ情報11とラベルロール情報18を保持する。ラベルロール製造装置10は、長尺の台紙を、ロール状に巻き取る際に、セキュリティ情報11とラベルロール情報18を各ラベル15のRFIDタグ17に書き込む。なお、ラベルロール製造装置10は、ラベルロール情報18をあらかじめ保持せず、ラベルロール14の製造工程において生成するようにしてもよい。
【0022】
ラベル発行装置12は、ラベルロール14を装填して、ラベル15を順次に発行する。ラベル発行装置12は、セキュリティ情報13を保持する。ラベル発行装置12は、ラベル15を発行する際に、RFIDタグ17からセキュリティ情報11とラベルロール情報18を読み出す。ラベル発行装置12は、セキュリティ情報11とセキュリティ情報13とからRFIDタグ17の正当性、すなわち、RFIDタグ17を備えるラベル15の正当性を判定する。また、ラベル発行装置12は、ラベルロール情報18にもとづいてラベルロール14の搬送制御や印刷制御をおこなうことができる。
【0023】
セキュリティ情報11は、RFIDタグ17の正当性の判定に用いる情報である。セキュリティ情報11は、たとえば、ラベルロール製造装置10とラベル発行装置12とで共通のパスワードとすることができる。この場合、セキュリティ情報11とセキュリティ情報13は、同一の情報となる。また、たとえば、セキュリティ情報11は、ラベルロール製造装置10が暗号化した暗号文とすることができ、セキュリティ情報13は、ラベルロール製造装置10が暗号化した暗号文を復号化するための鍵、復号文の照合に用いる情報とすることができる。この場合、セキュリティ情報11とセキュリティ情報13は、異なる情報となる。
【0024】
ラベルロール情報18は、ラベルロール14の搬送制御、およびラベルロール14に貼付されているラベル15の印刷制御などに用いる情報である。たとえば、ラベルロール情報18は、ラベルロール14の幅、長さ、重さ、台紙の厚さ、台紙の材質、台紙の搬送ピッチ、台紙の搬送トルク、製品コード、製造番号、ラベルの材質、形状、厚さ、ラベル数などがある。また、ラベルロール情報18は、各ラベル15で共通の情報でなくてもよく、ラベル15ごとに異なる情報であってもよい。たとえば、ラベルロール情報18は、ラベルロール中の位置として、先頭からの位置、終端からの位置などを含む。
【0025】
これにより、ラベル発行装置12は、搬送モータのトルク制御や、ラベルロール14のニアエンドやエンド検知をおこなうことができる。また、ラベル発行装置12は、ラベル15にバーコード(光学的に読み取り可能な情報)16を印刷する際に、熱転写用プリンタヘッドを用いるのか、インクジェット用プリンタヘッドを用いるのか、を選択可能になる。また、ラベル発行装置12は、インクジェット用プリンタヘッドを用いる場合に、どのインク(たとえば、黒色インク、白色インク、蛍光インクなど)を用いるのか、を選択可能になる。
【0026】
次に、第2の実施形態のラベル発行装置の、より具体的な構成について
図3を用いて説明する。
図3は、第2の実施形態のラベル発行装置の構成を示す図である。
ラベル発行装置12は、制御部20と、表示ユニット21と、操作ユニット22と、ラベル搬送路23と、RFIDリーダライタユニット24と、プリンタユニット27とを備える。制御部20は、ラベル発行装置12を統括的に制御する。表示ユニット21は、セキュリティ情報13の表示、ラベル発行装置12の状態、設定、履歴などを表示するとともに、異常発生時に異常発生および異常内容を表示により報知する。操作ユニット22は、セキュリティ情報13の入力、ラベルロールの装填操作、ラベル発行操作、設定操作、状態や履歴、異常内容の確認操作などを受け付ける。たとえば、表示ユニット21の表示部と操作ユニット22の操作部は、ラベル発行装置12の操作面に臨むタッチパネルで構成することができる。
【0027】
ラベル搬送路23は、ラベルロール14を装填する装填機構、ラベルロール14から引き出された台紙30を搬送する搬送機構、ラベル15を剥離する剥離機構、ラベル15を剥離した台紙30を巻き取る巻き取り機構、台紙30を所定間隔ごとに切断する切断機構などからなる。ラベル搬送路23は、装填機構、搬送機構、剥離機構、巻き取り機構、切断機構ごとに独立のあるいは共用の駆動部(たとえば、モータ)を備える。
【0028】
RFIDリーダライタユニット24は、RFIDリーダライタ25とアンテナ26を備える。アンテナ26は、ラベル搬送路23の近傍に設けられ、特定のラベル15が備えるRFIDタグ17と通信可能な位置に設けられる。RFIDリーダライタ25は、アンテナ26が送受信する電波を介してRFIDタグ17から所要の情報の読み出しと書込みをおこなう。
【0029】
プリンタユニット27は、ラベル印刷部28とプリンタヘッド29を備える。ラベル印刷部28は、印刷内容にしたがいプリンタヘッド29を制御する。たとえば、プリンタヘッド29は、ラベル15の印刷面に感熱紙が用いられている場合、熱転写用プリンタヘッドが用いられ、ラベル15の印刷面に通常用紙が用いられている場合、インクジェット用プリンタヘッドが用いられる。プリンタユニット27は、プリンタヘッド29を1つだけ備えるものであってもよいし、プリンタヘッド29を複数備えて選択的に用いるものであってもよい。
【0030】
セキュリティ情報13は、制御部20によってアクセス可能であればよく、図示しない記憶部(内蔵メモリ、あるいは外部メモリ)に記憶されるものであってもよいし、外部装置から取得するものであってもよい。
【0031】
このような構成により、ラベル発行装置12は、ラベルロール14から順次ラベル15を発行することができる。なお、ラベルロール製造装置10は、ラベル搬送路23により台紙をロール状に巻き取る台紙巻き取り機構を備えることで、ラベル発行装置1と同様の構成とすることができる。ラベルロール製造装置10は、プリンタユニット27を必ずしも必要としないが、プリンタユニット27を備えることで、ラベル発行装置12によるラベル15の発行前に、あらかじめ所要の情報を印刷することができる。
【0032】
次に、第2の実施形態のラベル発行装置のハードウェア構成について
図4を用いて説明する。
図4は、第2の実施形態のラベル発行装置のハードウェア構成例を示す図である。
ラベル発行装置12は、制御部20に各種入出力装置を接続する。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)20aによって制御されている。CPU20aには、バス20gを介してRAM(Random Access Memory)20b、フラッシュROM(Read Only Memory)20c、グラフィック処理装置20d、通信インタフェース20e、および入出力インタフェース20fが接続されている。
【0033】
RAM20bには、CPU20aに実行させるOS(Operating System)のプログラムやサーバを実行するためのアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM20bには、CPU20aによる処理に必要な各種データが格納される。フラッシュROM20cには、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
【0034】
グラフィック処理装置20dには、表示ユニット21が接続されている。グラフィック処理装置20dは、CPU20aからの命令に従って、画像を表示ユニット21に表示させる。
【0035】
入出力インタフェース20fには、操作ユニット22、ラベル搬送路23、RFIDリーダライタユニット24、プリンタユニット27および図示しないスピーカ等が接続されている。また、入出力インタフェース20fは、可搬型記録媒体35への情報の書込み、および可搬型記録媒体35からの情報の読出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース20fは、操作ユニット22、ラベル搬送路23、RFIDリーダライタユニット24、およびプリンタユニット27から送られてくる信号を、バス20gを介してCPU20aに送信する。
【0036】
通信インタフェース20eは、たとえば、無線通信、またはRS−232C(Recommended Standard 232 version C)やUSB(Universal Serial Bus)接続の接続形式で、ラベル発行装置12を外部装置に通信可能に接続する。通信インタフェース20eは、外部装置との間でデータの送受信をおこなう。
【0037】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。また、ラベルロール製造装置10も同様のハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
【0038】
なお、ラベル発行装置12は、それぞれFPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processer)などからなるモジュールを含んで構成することもでき、CPU20aを有しない構成とすることもできる。その場合、ラベル発行装置12は、それぞれ不揮発性メモリ(たとえば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカードなど)を備え、モジュールのファームウェアを記憶する。不揮発性メモリは、可搬型記録媒体35、あるいは通信インタフェース20eを介してファームウェアを書き込むことができる。このようにラベル発行装置12は、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアの更新をおこなうこともできる。
【0039】
次に、ラベルロール製造装置10がラベルロール14の製造時に実行するラベルロール記録処理について
図5を用いて説明する。
図5は、第2の実施形態のラベルロール記録処理のフローチャートである。
【0040】
ラベル発行装置12に装填されるラベルロール14が備えるラベル15のRFIDタグ17が記憶するセキュリティデータは、ラベルロール記録処理によって書き込みがおこなわれる。ラベルロール製造装置10は、複数のラベル15を長手方向に整列した長尺の台紙を、ロール状に巻き取る際に、ラベルロール記録処理を実行する。
【0041】
[ステップS11]ラベルロール製造装置10は、RFIDタグ17と通信可能な位置まで台紙30を搬送する。ラベルロール製造装置10は、台紙30の搬送とともに、台紙30をロール状に巻き取る。
【0042】
[ステップS12]ラベルロール製造装置10は、ラベルロール情報18からラベルロール14に対応するラベルロールデータを取得する。ラベルロールデータは、ラベルロール14に関する情報と、通信可能な位置にあるラベル15に関する情報を含む。
【0043】
たとえば、ラベルロール14に関する情報は、ラベルロールのロール長である。ロール長は、台紙30を搬送する際の搬送モータのトルクを決定するための情報として機能する。また、通信可能な位置にあるラベル15に関する情報は、複数のラベル15の順序情報である。具体的には、ラベルロール14のエンド位置に相当する(最も内側にある)ラベル15の順序情報は、「0」であり、隣のラベル15の順序情報は、「1」であり、以降、「2」、「3」、…と続く。そして、1000枚のラベル15がある場合、ラベルロール14の先頭位置に相当する(最も外側にある)ラベル15の順序情報は、「999」となる。順序情報は、ラベルロール14におけるラベル15の残数情報として機能する。
【0044】
[ステップS13]ラベルロール製造装置10は、セキュリティ情報11からラベルロール14に対応するセキュリティデータを取得する。
[ステップS14]ラベルロール製造装置10は、通信可能な位置にあるラベル15のRFIDタグ17に、ラベルロールデータとセキュリティデータを書き込む。
【0045】
[ステップS15]ラベルロール製造装置10は、ラベルロール14のすべてのラベル15のRFIDタグ17に、ラベルロールデータとセキュリティデータを書き込んだか否かを判定する。ラベルロール製造装置10は、全部の書き込みが終了していない場合にステップS11にすすみ、全部の書き込みが終了している場合にラベルロール記録処理を終了する。
【0046】
このようにして、ラベルロール製造装置10は、ラベルロール14のすべてのラベル15のRFIDタグ17に、ラベルロールデータとセキュリティデータを書き込むことができる。
【0047】
ここで、RFIDタグ17の記憶領域が記憶する情報について
図6を用いて説明する。
図6は、第2の実施形態の発行前のラベルが備える無線タグの記憶領域を示す図である。
記憶領域40は、RFIDタグ17のICチップにある。記憶領域40は、予約領域と、識別情報格納領域と、読取専用領域と、ユーザ領域を含む。予約領域は、RFIDタグ17によって予約されている領域であり、アクセスパスワードとキルパスワードが記憶されている。アクセスパスワードは、各領域(バンク)毎に、読み取り制限、または書き込み制限、あるいは読み取りと書き込み制限をおこなう際に使用するパスワードである。また、キルパスワードは、RFIDタグ17の機能を無効化する際に使用するパスワードである。なお、アクセスパスワードとキルパスワードは、ラベルロール製造装置10が書き込むセキュリティデータには該当しない。
【0048】
識別情報格納領域は、ユーザが使用する際に、RFIDタグ17を識別可能なタグIDの格納領域である。ただし、ユーザの使用前、すなわちRFIDタグ17の発行前において、識別情報格納領域は、セキュリティデータを記憶し、さらにラベルロールデータを記憶する。識別情報格納領域は、RFIDタグ17に必須とされる領域であり、製造メーカを問わず用意されるので、セキュリティデータ、およびラベルロールデータの書込みをおこなう場合の汎用性が高い。
【0049】
読取専用領域は、読み取り専用の領域であり、たとえば、ICチップメーカが使用する。ユーザ領域は、ユーザが使用可能な記憶領域である。なお、RFIDタグ17は、必ずしも、予約領域や読取専用領域、ユーザ領域を備えなくてもよく、必要に応じて備えるものであってもよい。
【0050】
次に、ラベル発行装置12がラベル15の発行時に実行するラベル発行処理について
図7、
図8を用いて説明する。
図7は、第2の実施形態のラベル発行処理のフローチャートである。
図8は、第2の実施形態の発行後のラベルが備える無線タグの記憶領域を示す図である。
【0051】
[ステップS21]ラベル発行装置12は、装填したラベルロール14から台紙30(ラベルシート)を引き出して、RFIDタグ17と通信可能な位置まで台紙30を送る。
[ステップS22]ラベル発行装置12は、RFIDタグ17からセキュリティデータを読み取る。さらに、ラベル発行装置12は、RFIDタグ17からラベルロールデータを読み取る。
【0052】
[ステップS23]ラベル発行装置12は、読み取ったセキュリティデータと、セキュリティ情報13にあるセキュリティデータとを照合し、照合一致の場合にステップS25にすすみ、照合不一致の場合にステップS24にすすむ。
【0053】
[ステップS24]ラベル発行装置12は、読み取ったセキュリティデータが不正なため、ラベルロール14の使用を不可として、ラベルロール14を使用できない旨を通知する。なお、ここでいう通知は、上位の装置(たとえば、管理装置)への通知のほか、ラベル発行装置12の管理者への表示ユニット21による表示報知、図示しないスピーカによる音声報知等を含む。ラベル発行装置12は、ラベルロール14を使用できない旨を通知した後に、ラベル発行処理を終了する。
【0054】
[ステップS25]ラベル発行装置12は、タグIDを取得する。ラベル発行装置12は、上位の装置(たとえば、管理装置)からタグIDを取得するようにしてもよいし、操作ユニット22を介してタグIDを取得するようにしてもよい。また、ラベル発行装置12は、ラベル発行装置12に接続される外部記憶媒体(たとえば、可搬型記録媒体35)からタグIDを取得するようにしてもよいし、セキュリティ情報13からセキュリティデータとともに記録されているタグIDを取得するようにしてもよい。
【0055】
[ステップS26]ラベル発行装置12は、セキュリティデータを照合した、RFIDタグ17の識別情報格納領域にあるセキュリティデータとラベルロールデータをクリアする。セキュリティデータとラベルロールデータのクリアは、ゼロクリアに限らず、所定の情報を記録するものであってもよい。
【0056】
[ステップS27]ラベル発行装置12は、RFIDタグ17の識別情報格納領域にタグIDを書き込む。このとき、RFIDタグ17のICチップは、記憶領域41のようになる。識別情報格納領域は、タグIDが書き込まれ、セキュリティデータとラベルロールデータがクリアされている。このように、RFIDタグ17は、セキュリティデータとラベルロールデータがクリアされるので、ユーザが使用可能な記憶領域について制限されることがない。また、ラベル発行装置12は、第三者がセキュリティデータとラベルロールデータにアクセスする機会を低減することができる。
【0057】
なお、ラベル発行装置12は、RFIDタグ17の識別情報格納領域にあるセキュリティデータとラベルロールデータをタグIDで上書きすることにより、ステップS26のセキュリティデータとラベルロールデータのクリアを併せておこなうようにしてもよい。
【0058】
[ステップS28]ラベル発行装置12は、タグIDを書き込んだRFIDタグ17を備えるラベル15が印刷位置になるように、台紙30を送る。
[ステップS29]ラベル発行装置12は、印刷位置にあるラベル15に所要の情報(たとえば、タグIDに対応するバーコード)を印字する。
【0059】
[ステップS30]ラベル発行装置12は、識別情報格納領域にタグIDを記録し、印字面に所要の情報が印字されたラベル15を排出口から排出(発行)して、ラベル発行処理を終了する。
【0060】
このようにして、ラベル発行装置12は、正当性を確認したラベル15のRFIDタグ17にタグIDを書き込み、ラベル15を発行することができる。
次に、ラベル発行装置12がラベル15の発行時に実行するニアエンド報知処理について
図9を用いて説明する。
図9は、第2の実施形態のニアエンド報知処理のフローチャートである。ニアエンド報知処理は、ラベル発行装置12がラベルロールデータにもとづいてラベルロール14のニアエンド報知およびエンド報知をおこなう処理である。
【0061】
[ステップS31]ラベル発行装置12は、ラベル15の順序情報を取得する。ラベル15の順序情報は、ラベル発行処理のステップS22で読み取ったラベルロールデータに含まれる。
【0062】
[ステップS32]ラベル発行装置12は、ラベル15の順序情報から残りラベル数があらかじめ設定したニアエンド数(たとえば、5枚)以下か否か、すなわちラベルロール14がニアエンドであるか否かを判定する。ラベル発行装置12は、ラベルロール14がニアエンドである場合にステップS33にすすみ、ニアエンドでない場合にニアエンド報知処理を終了する。
【0063】
[ステップS33]ラベル発行装置12は、ラベル15の順序情報から残りラベル数が「0」か否か、すなわちラベルロール14がエンドであるか否かを判定する。ラベル発行装置12は、ラベルロール14がエンドである場合にステップS34にすすみ、エンドでない場合にステップS35にすすむ。
【0064】
[ステップS34]ラベル発行装置12は、ラベルロール14がエンドである旨を報知してニアエンド報知処理を終了する。
[ステップS35]ラベル発行装置12は、ラベルロール14がニアエンドである旨を報知してニアエンド報知処理を終了する。
【0065】
なお、ラベル発行装置12がおこなうエンド報知、およびニアエンド報知は、上位の装置(たとえば、管理装置)への通知のほか、ラベル発行装置12の管理者への表示ユニット21による表示報知、図示しないスピーカによる音声報知等を含む。
【0066】
これにより、ラベルロール14は、ラベルロール14の終端を明示する部分(たとえば、ラベルロール終端近傍のラベルなし部分)を設けなくともよい。また、ラベル発行装置12は、ニアエンドを任意に設定可能となり、たとえば、複数のラベルを1セットで発行するような場合に、1セットを構成するラベル数に応じたニアエンド報知ができる。
【0067】
次に、ラベル発行装置12が台紙搬送時に実行する搬送設定処理について
図10を用いて説明する。
図10は、第2の実施形態の搬送設定処理のフローチャートである。搬送設定処理は、ラベル発行装置12が台紙30を搬送する際に、台紙30の搬送に用いる搬送モータの制御用パラメータを設定する処理である。
【0068】
[ステップS41]ラベル発行装置12は、台紙30の搬送量を取得する。台紙30の搬送量は、ラベル発行処理のステップS22で読み取ったラベルロールデータに含まれる。
【0069】
[ステップS42]ラベル発行装置12は、台紙30の搬送量を搬送モータの制御用パラメータとして設定する。
[ステップS43]ラベル発行装置12は、搬送モータのトルクを取得する。搬送モータのトルクは、ラベル発行処理のステップS22で読み取ったラベルロールデータに含まれる。
【0070】
[ステップS44]ラベル発行装置12は、搬送モータのトルクを搬送モータの制御用パラメータとして設定し、搬送設定処理を終了する。
これにより、ラベル発行装置12は、台紙30を適切な搬送量、搬送トルクで搬送することができる。また、ラベル発行装置12は、ラベル15のラベルロール14における位置ごとに、台紙30を適切な搬送量、搬送トルクで搬送することもできる。たとえば、ラベル発行装置12は、異なるサイズのラベルが混在する場合であっても、台紙30を適切な搬送量で搬送することができる。また、ラベル発行装置12は、ラベルロール14の先端部から終端部に向けて、搬送負荷に応じて搬送トルクを適切に調整することができる。
【0071】
なお、ラベル発行装置12が取得する搬送量、搬送トルクは、具体的数値のような直接的な情報であってもよいし、別途保持するテーブルデータの参照先を指示するような間接的な情報であってもよい。
【0072】
また、ラベル発行装置12は、ラベル発行時に、台紙30からラベル15を剥離して発行する構成としてもよい。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態のラベル発行装置とラベルロール製造装置について、
図11、
図12を用いて説明する。なお、第2の実施形態と同様の構成については、符号を同一にして説明を省略する。
【0073】
まず、ラベルロール製造装置10が実行するラベルロール記録処理を
図11を用いて説明する。
図11は、第3の実施形態のラベルロール記録処理のフローチャートである。第3の実施形態のラベルロール製造装置10は、ラベルロール14の先頭に位置するラベル15にのみセキュリティデータの書き込みをおこなう点で、すべてのラベル15にセキュリティデータの書き込みをおこなう第2の実施形態のラベルロール製造装置10と異なる。
【0074】
[ステップS51]ラベルロール製造装置10は、先頭に位置するラベル15のRFIDタグ17と通信可能な位置まで台紙30を搬送する。ラベルロール製造装置10は、台紙30の搬送とともに、台紙30をロール状に巻き取る。
【0075】
[ステップS52]ラベルロール製造装置10は、ラベルロール情報18からラベルロール14に対応するラベルロールデータを取得する。
[ステップS53]ラベルロール製造装置10は、セキュリティ情報11からラベルロール14に対応するセキュリティデータを取得する。
【0076】
[ステップS54]ラベルロール製造装置10は、通信可能な位置にあるラベル15のRFIDタグ17に、ラベルロールデータとセキュリティデータを書き込み、ラベルロール記録処理を終了する。
【0077】
このようにして、ラベルロール製造装置10は、ラベルロール14の先頭に位置するラベル15のRFIDタグ17に、ラベルロールデータとセキュリティデータを書き込むことができる。なお、RFIDタグ17の記憶領域が記憶する情報は、ラベルロール14の先頭に位置するラベル15のRFIDタグ17において記憶領域40のようになる。先頭以外のラベル15のRFIDタグ17の識別情報格納領域は、セキュリティデータとラベルロールデータを記憶せず、たとえば、「0」で埋められる。
【0078】
次に、ラベル発行装置12がラベル15の発行時に実行するラベル発行処理について
図12を用いて説明する。
図12は、第3の実施形態のラベル発行処理のフローチャートである。
【0079】
[ステップS61]ラベル発行装置12は、装填したラベルロール14から台紙30を引き出して、RFIDタグ17と通信可能な位置まで台紙30を送る。
[ステップS62]ラベル発行装置12は、通信可能な位置にあるRFIDタグ17がラベルロール14の先頭に位置するラベル15が備えるものであるか否かを判定する。ラベル発行装置12は、通信可能な位置にあるRFIDタグ17がラベルロール14の先頭に位置するラベル15が備えるものである場合にステップS63にすすみ、そうでない場合にステップS72にすすむ。
【0080】
[ステップS63]ラベル発行装置12は、RFIDタグ17からセキュリティデータを読み取る。さらに、ラベル発行装置12は、RFIDタグ17からラベルロールデータを読み取る。
【0081】
[ステップS64]ラベル発行装置12は、読み取ったセキュリティデータと、セキュリティ情報13にあるセキュリティデータとを照合し、照合一致の場合にステップS65にすすみ、照合不一致の場合にステップS73にすすむ。
【0082】
[ステップS65]ラベル発行装置12は、ラベルロール14が正規品である旨を示す正規品フラグを、ラベル発行装置12の記憶領域(たとえば、フラッシュROM20c)にセットする。
【0083】
[ステップS66]ラベル発行装置12は、セキュリティデータを照合した、RFIDタグ17の識別情報格納領域にあるセキュリティデータとラベルロールデータをクリアする。
【0084】
[ステップS67]ラベル発行装置12は、タグIDを取得する。
[ステップS68]ラベル発行装置12は、RFIDタグ17の識別情報格納領域にタグIDを書き込む。
【0085】
[ステップS69]ラベル発行装置12は、タグIDを書き込んだRFIDタグ17を備えるラベル15が印刷位置になるように、台紙30を送る。
[ステップS70]ラベル発行装置12は、印刷位置にあるラベル15に所要の情報(たとえば、タグIDに対応するバーコード)を印字する。
【0086】
[ステップS71]ラベル発行装置12は、識別情報格納領域にタグIDを記録し、印字面に所要の情報が印字されたラベル15を排出口から排出(発行)して、ラベル発行処理を終了する。
【0087】
[ステップS72]ラベル発行装置12は、ラベルロール14が正規品であるか否かを判定する。ラベル発行装置12は、ラベルロール14が正規品である場合にステップS67にすすみ、そうでない場合にステップS74にすすむ。なお、ラベル発行装置12は、ラベルロール14が正規品であるか否かの判定を、正規品フラグを参照することによっておこなうことができる。
【0088】
[ステップS73]ラベル発行装置12は、ラベルロール14が正規品でない旨を示すため、正規品フラグをリセットする。
[ステップS74]ラベル発行装置12は、ラベルロール14の使用を不可として、ラベルロール14を使用できない旨を通知した後に、ラベル発行処理を終了する。
【0089】
このようにして、ラベル発行装置12は、ラベルロール14の先頭に位置するラベル15についてセキュリティデータの照合をおこなうことにより、ラベルロール14の正当性の確認をおこなう。これにより、ラベル発行装置12は、ラベルロール14のすべてのラベル15についてRFIDタグ17にタグIDを書き込み、発行することができる。
【0090】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態のラベル発行装置とラベルロール製造装置について、
図13、
図14を用いて説明する。なお、第2の実施形態と同様の構成については、符号を同一にして説明を省略する。
【0091】
まず、ラベルロール製造装置10が実行するラベルロール記録処理を
図13を用いて説明する。
図13は、第4の実施形態のラベルロール記録処理のフローチャートである。第4の実施形態のラベルロール製造装置10は、ラベルロール14の特定位置にあるラベル15にセキュリティデータの書き込みをおこなう点で、すべてのラベル15にセキュリティデータの書き込みをおこなう第2の実施形態のラベルロール製造装置10と異なる。
【0092】
[ステップS81]ラベル発行装置12は、装填したラベルロール14から台紙30を引き出して、RFIDタグ17と通信可能な位置まで台紙30を送る。ラベルロール製造装置10は、台紙30の搬送とともに、台紙30をロール状に巻き取る。
【0093】
[ステップS82]ラベルロール製造装置10は、ラベル15のラベル送り数を設定する。ラベルロール製造装置10は、ラベル送り数によって、セキュリティデータの書き込みをおこなうラベル15を決定する。たとえば、ラベル送り数が「5」であれば、ラベルロール製造装置10は、ラベル15を4枚送って、5枚目のラベル15をセキュリティデータの書き込み対象とする。
【0094】
[ステップS83]ラベルロール製造装置10は、ラベルロール情報18からラベルロール14に対応するラベルロールデータを取得する。
[ステップS84]ラベルロール製造装置10は、セキュリティ情報11からラベルロール14に対応するセキュリティデータを取得する。
【0095】
[ステップS85]ラベルロール製造装置10は、通信可能な位置にあるラベル15のRFIDタグ17に、ラベルロールデータとセキュリティデータを書き込む。
[ステップS86]ラベル発行装置12は、装填したラベルロール14から台紙30を引き出して、次のRFIDタグ17と通信可能な位置まで台紙30を送る。
【0096】
[ステップS87]ラベルロール製造装置10は、設定されているラベル送り数をデクリメントして更新する。
[ステップS88]ラベルロール製造装置10は、ラベルロール14がロールエンドか否かを判定する。ラベルロール製造装置10は、ラベルロール14がロールエンドでなければステップS89にすすみ、ロールエンドであればラベルロール記録処理を終了する。
【0097】
[ステップS89]ラベルロール製造装置10は、ラベル送り数があるか否か、すなわちラベル送り数が「0」か否かを判定する。ラベルロール製造装置10は、ラベル送り数があればステップS86にすすみ、ラベル送り数がなければステップS82にすすむ。
【0098】
このようにして、ラベルロール製造装置10は、ラベルロール14の特定位置にあるラベル15のRFIDタグ17に、ラベルロールデータとセキュリティデータを書き込むことができる。なお、RFIDタグ17の記憶領域が記憶する情報は、ラベルロール14の特定位置にあるラベル15のRFIDタグ17において記憶領域40のようになる。特定位置以外のラベル15のRFIDタグ17の識別情報格納領域は、セキュリティデータとラベルロールデータを記憶せず、たとえば、「0」で埋められる。
【0099】
なお、ラベル送り数は、あらかじめ設定する値とすることができる。また、ラベル送り数は、1つのラベルロールの中で1つの値であってもよいし、ランダムな可変値として設定してもよい。また、ラベル発行装置12は、複数のラベルを1セットで発行するような場合に、1セットを構成するラベル数をラベル送り数として設定してもよい。
【0100】
次に、ラベル発行装置12がラベル15の発行時に実行するラベル発行処理について
図14を用いて説明する。
図14は、第4の実施形態のラベル発行処理のフローチャートである。
【0101】
[ステップS91]ラベル発行装置12は、装填したラベルロール14から台紙30を引き出して、RFIDタグ17と通信可能な位置まで台紙30を送る。
[ステップS92]ラベル発行装置12は、通信可能な位置にあるRFIDタグ17がラベルロール14の先頭に位置するラベル15が備えるものであるか否かを判定する。ラベル発行装置12は、通信可能な位置にあるRFIDタグ17がラベルロール14の先頭に位置するラベル15が備えるものである場合にステップS93にすすみ、そうでない場合にステップS103にすすむ。
【0102】
[ステップS93]ラベル発行装置12は、ラベル送り数を取得する。
[ステップS94]ラベル発行装置12は、RFIDタグ17からセキュリティデータを読み取る。さらに、ラベル発行装置12は、RFIDタグ17からラベルロールデータを読み取る。
【0103】
[ステップS95]ラベル発行装置12は、読み取ったセキュリティデータと、セキュリティ情報13にあるセキュリティデータとを照合し、照合一致の場合にステップS96にすすみ、照合不一致の場合にステップS106にすすむ。
【0104】
[ステップS96]ラベル発行装置12は、ラベルロール14が正規品である旨を示す正規品フラグを、ラベル発行装置12の記憶領域(たとえば、フラッシュROM20c)にセットする。
【0105】
[ステップS97]ラベル発行装置12は、セキュリティデータを照合した、RFIDタグ17の識別情報格納領域にあるセキュリティデータとラベルロールデータをクリアする。
【0106】
[ステップS98]ラベル発行装置12は、タグIDを取得する。
[ステップS99]ラベル発行装置12は、RFIDタグ17の識別情報格納領域にタグIDを書き込む。
【0107】
[ステップS100]ラベル発行装置12は、タグIDを書き込んだRFIDタグ17を備えるラベル15が印刷位置になるように、台紙30を送る。
[ステップS101]ラベル発行装置12は、印刷位置にあるラベル15に所要の情報(たとえば、タグIDに対応するバーコード)を印字する。
【0108】
[ステップS102]ラベル発行装置12は、識別情報格納領域にタグIDを記録し、印字面に所要の情報が印字されたラベル15を排出口から排出(発行)して、ラベル発行処理を終了する。
【0109】
[ステップS103]ラベル発行装置12は、取得したラベル送り数をデクリメントして更新する。
[ステップS104]ラベル発行装置12は、ラベル送り数があるか否かを判定する。ラベル発行装置12は、ラベル送り数があればステップS105にすすみ、ラベル送り数がなければステップS93にすすむ。
【0110】
[ステップS105]ラベル発行装置12は、ラベルロール14が正規品であるか否かを判定する。ラベル発行装置12は、ラベルロール14が正規品である場合にステップS98にすすみ、そうでない場合にステップS107にすすむ。
【0111】
[ステップS106]ラベル発行装置12は、ラベルロール14が正規品でない旨を示すため、正規品フラグをリセットする。
[ステップS107]ラベル発行装置12は、ラベルロール14の使用を不可として、ラベルロール14を使用できない旨を通知した後に、ラベル発行処理を終了する。
【0112】
このようにして、ラベル発行装置12は、ラベルロール14の特定位置にあるラベル15についてセキュリティデータの照合をおこなうことにより、ラベルロール14の正当性の確認をラベル送り数単位でおこなう。これにより、ラベル発行装置12は、ラベルロール14の再装填などがあっても、ラベル15についてRFIDタグ17にタグIDを書き込み、発行することができる。
【0113】
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態のRFIDタグ17の記憶領域が記憶する情報について
図15、
図16を用いて説明する。
図15は、第5の実施形態の発行前のラベルが備える無線タグの記憶領域を示す図である。
図16は、第5の実施形態の発行後のラベルが備える無線タグの記憶領域を示す図である。
【0114】
第2の実施形態では、セキュリティデータ、ラベルロールデータ、およびタグIDの書込みを、識別情報格納領域に対しておこなっていたが、第5の実施形態は、セキュリティデータ、およびラベルロールデータの書き込みをユーザ領域に対しておこなう点で相違する。
【0115】
記憶領域42は、ラベルロール製造装置10によりセキュリティデータ、およびラベルロールデータが書き込まれた後のRFIDタグ17の記憶領域を示す。記憶領域42は、予約領域と、識別情報格納領域と、読取専用領域と、ユーザ領域を含む。予約領域は、RFIDタグ17によって予約されている領域であり、アクセスパスワードとキルパスワードの格納領域である。アクセスパスワードとキルパスワードは、ゼロ(パスワードの設定なし)でもよいし、任意のパスワードが設定されていてもよい。
【0116】
識別情報格納領域は、ユーザが使用する際に、RFIDタグ17を識別可能なタグIDの格納領域である。識別情報格納領域は、タグIDの書込み前においてイニシャルデータを格納する。イニシャルデータは、任意の値としてもよいし、仮のタグIDなどであってもよい。
【0117】
読取専用領域は、読み取り専用の領域であり、たとえば、ICチップメーカが使用する。ユーザ領域は、ユーザが使用可能な記憶領域であるが、ユーザの使用前、すなわちRFIDタグ17の発行前において、セキュリティデータを記憶し、さらにラベルロールデータを記憶する。なお、RFIDタグ17は、必ずしも、予約領域や読取専用領域を備えなくてもよく、必要に応じて備えるものであってもよい。
【0118】
記憶領域43は、ラベル発行装置12によりタグIDが書き込まれた後のRFIDタグ17の記憶領域を示す。識別情報格納領域は、タグIDを格納する。識別情報格納領域にあったイニシャルデータは、タグIDにより上書きされている。ユーザ領域は、RFIDタグ17の発行の際に、セキュリティデータ、およびラベルロールデータがクリアされている。なお、セキュリティデータ、およびラベルロールデータのクリアは、ユーザ領域をクリア情報で埋めることによりおこなう。ユーザ領域は、比較的大きな記憶容量を確保可能であり、セキュリティデータ、およびラベルロールデータの情報量を大きくすることができる。
【0119】
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態のRFIDタグ17の記憶領域が記憶する情報について
図17、
図18を用いて説明する。
図17は、第6の実施形態の発行前のラベルが備える無線タグの記憶領域を示す図である。
図18は、第6の実施形態の発行後のラベルが備える無線タグの記憶領域を示す図である。
【0120】
第2の実施形態では、セキュリティデータ、ラベルロールデータ、およびタグIDの書込みを、識別情報格納領域に対しておこなっていたが、第6の実施形態は、セキュリティデータ、およびラベルロールデータの書き込みを予約領域に対しておこなう点で相違する。
【0121】
記憶領域44は、ラベルロール製造装置10によりセキュリティデータ、およびラベルロールデータが書き込まれた後のRFIDタグ17の記憶領域を示す。記憶領域44は、予約領域と、識別情報格納領域と、読取専用領域を含む。予約領域は、RFIDタグ17によって予約されている領域であり、アクセスパスワード(キルパスワードを含んでもよい)があらかじめ記憶されている。さらに、予約領域は、RFIDタグ17の発行前において、セキュリティデータを記憶し、さらにラベルロールデータを記憶する。これにより、記憶領域44は、セキュリティデータ、およびラベルロールデータのアクセス条件に、アクセスパスワードを併用することができる。
【0122】
識別情報格納領域は、ユーザが使用する際に、RFIDタグ17を識別可能なタグIDの格納領域である。識別情報格納領域は、タグIDの書込み前においてイニシャルデータを格納する。イニシャルデータは、任意の値としてもよいし、仮のタグIDなどであってもよい。
【0123】
読取専用領域は、読み取り専用の領域であり、たとえば、ICチップメーカが使用する。なお、RFIDタグ17は、必ずしも、読取専用領域を備えなくてもよく、必要に応じて備えるものであってもよい。
【0124】
記憶領域45は、ラベル発行装置12によりタグIDが書き込まれた後のRFIDタグ17の記憶領域を示す。識別情報格納領域は、タグIDを格納する。識別情報格納領域にあったイニシャルデータは、タグIDにより上書きされている。予約領域は、RFIDタグ17の発行の際に、アクセスパスワード、セキュリティデータ、およびラベルロールデータがクリアされている。なお、アクセスパスワード、セキュリティデータ、およびラベルロールデータのクリアは、予約領域をクリア情報で埋めることによりおこなう。
【0125】
[第7の実施形態]
次に、第7の実施形態のRFIDタグ17の記憶領域が記憶する情報について
図19、
図20を用いて説明する。
図19は、第7の実施形態の発行前のラベルが備える無線タグの記憶領域を示す図である。
図20は、第7の実施形態の発行後のラベルが備える無線タグの記憶領域を示す図である。
【0126】
第6の実施形態では、ラベルロールデータの書込みを予約領域に対しておこなっていたが、第7の実施形態は、ラベルロールデータの書き込みをユーザ領域に対しておこなう点で相違する。
【0127】
記憶領域46は、ラベルロール製造装置10によりセキュリティデータ、およびラベルロールデータが書き込まれた後のRFIDタグ17の記憶領域を示す。記憶領域46は、予約領域と、識別情報格納領域と、読取専用領域と、ユーザ領域を含む。予約領域は、RFIDタグ17によって予約されている領域であり、アクセスパスワード(キルパスワードを含んでもよい)があらかじめ記憶されている。さらに、予約領域は、RFIDタグ17の発行前において、セキュリティデータを記憶する。これにより、記憶領域46は、セキュリティデータのアクセス条件に、アクセスパスワードを併用することができる。
【0128】
識別情報格納領域は、ユーザが使用する際に、RFIDタグ17を識別可能なタグIDの格納領域である。識別情報格納領域は、タグIDの書込み前においてイニシャルデータを格納する。イニシャルデータは、任意の値としてもよいし、仮のタグIDなどであってもよい。
【0129】
読取専用領域は、読み取り専用の領域であり、たとえば、ICチップメーカが使用する。ユーザ領域は、ユーザが使用可能な記憶領域であるが、ユーザの使用前、すなわちRFIDタグ17の発行前において、ラベルロールデータを記憶する。ユーザ領域は、比較的大きな記憶容量を確保可能であり、ラベルロールデータの情報量を大きくすることができる。なお、RFIDタグ17は、必ずしも、読取専用領域を備えなくてもよく、必要に応じて備えるものであってもよい。
【0130】
記憶領域47は、ラベル発行装置12によりタグIDが書き込まれた後のRFIDタグ17の記憶領域を示す。識別情報格納領域は、タグIDを格納する。識別情報格納領域にあったイニシャルデータは、タグIDにより上書きされている。予約領域は、RFIDタグ17の発行の際に、アクセスパスワード、およびセキュリティデータがクリアされている。なお、アクセスパスワード、およびセキュリティデータのクリアは、予約領域をクリア情報で埋めることによりおこなう。
【0131】
ユーザ領域は、RFIDタグ17の発行の際に、ラベルロールデータがクリアされている。なお、ラベルロールデータのクリアは、予約領域をクリア情報で埋めることによりおこなう。
【0132】
[第8の実施形態]
次に、第8の実施形態のラベル発行システムについて、
図21を用いて説明する。
図21は、第8の実施形態のラベル発行システムの構成を示す図である。なお、第2の実施形態と同様の構成について、符号を同一にして説明を省略する。
【0133】
ラベル発行システム49は、管理装置50と、ラベルロール製造装置10と、ラベル発行装置12と、これら装置を通信可能に接続するネットワーク52を備える。
管理装置50は、セキュリティ情報51を備える。
【0134】
ラベルロール製造装置10は、ラベルロール14を製造する際に、セキュリティ情報11にもとづいたセキュリティデータを、ラベル15のRFIDタグ17に書き込む。
ラベル発行装置12は、ラベルロール14を装填して、ラベル15を順次に発行する。ラベル発行装置12は、セキュリティ情報13を保持する。ラベル発行装置12は、ラベル15を発行する際に、RFIDタグ17からセキュリティ情報11とラベルロール情報18を読み出す。ラベル発行装置12は、管理装置50が保持するセキュリティ情報51にアクセスして、セキュリティ情報13とセキュリティ情報51とにより、ラベル15のRFIDタグ17から読み出したセキュリティデータを照合する。
【0135】
管理装置50は、セキュリティ情報51にもとづいて、定期的または不定期にセキュリティ情報11およびセキュリティ情報13を更新するようにしてもよい。
これにより、ラベル発行システム49は、ラベルロール14のセキュリティの向上を図ることができる。
【0136】
[第9の実施形態]
次に、第9の実施形態の発行装置について、
図22を用いて説明する。
図22は、第9の実施形態のラベル発行装置の構成を示す図である。なお、第2の実施形態と同様の構成について、符号を同一にして説明を省略する。
【0137】
発行装置60は、ラベル発行装置12をユニット化したラベル発行ユニット62を備える。発行装置60は、ラベルロール14と媒体66を装填可能であり、ラベル15を貼付して媒体66を発行する。
【0138】
発行装置60は、ラベル発行ユニット62の他に、制御ユニット61と、ラべリングユニット63と、媒体搬送ユニット64を備える。制御ユニット61は、発行装置60を統括的に制御する。ラベル発行ユニット62は、ラベルロール14からラベル15を発行する。ラべリングユニット63は、ラベル発行ユニット62が発行したラベル15を媒体66に貼付(ラべリング)する。媒体搬送ユニット64は、ラベル15を貼付した媒体66を搬送する。
【0139】
なお、発行装置60は、媒体66をストックするストッカを備えるようにしてもよいし、媒体66を発行する都度に受け入れる媒体挿入口を備えるようにしてもよい。
たとえば、発行装置60は、医療機関において検体(媒体66)にラベル15をラべリングすることができる。あるいは、発行装置60は、店舗において商品(媒体66)にラベル15をラべリングすることができる。
【0140】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、ラベル発行装置1、ラベル発行装置12、ラベルロール製造装置10、管理装置50が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0141】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0142】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0143】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。