【文献】
きらり屋(氷室派),清水市代女流四冠王監修:女流将棋教室(社)日本将棋連盟協力,GAMEST 第12巻 第4号,株式会社新声社 SHINSEISHA,1997年 3月15日,第12巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームでは、ゲーム課題をクリアできない可能性が高い場合にゲームのプレイを途中で中止又はやり直ししたいとユーザが考える場合がある。しかしながら、従来のゲームでは、ゲーム課題をクリアできない可能性が高いか否かをユーザが把握することが困難であった。このため、例えば、制限時間が経過するまでに目標を達成することをユーザが目指すゲームでは、制限時間が経過するまでに目標を達成できない可能性が高い場合であっても、実際に制限時間が経過するまで、ユーザはゲームをプレイしなければならなかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ユーザがゲーム課題をクリアできない可能性が高い場合において、ゲーム課題をクリアできなかったと確定される前にユーザがゲームのプレイを中止又はやり直しできるように補助することが可能なゲーム装置、ゲームシステム、ゲーム制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、ユーザがゲーム課題をクリアすることを目指すゲームを実行するゲーム装置において、現在のゲーム状況を示す現在状況データを記憶する記憶手段に記憶される前記現在状況データに基づいて、現在のゲーム状況が所定の状況になったと判定された場合に、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできなかったと判定する判定手段と、前記現在状況データに基づいて、将来のゲーム状況が前記所定の状況になるか否かを予測することによって、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできるか否かを予測する予測手段と、前記予測手段の予測結果に基づいて、前記ゲームのプレイの中止又はやり直しを前記ユーザに提案する提案手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
なお、「ゲームのプレイのやり直し」とは、現時点よりも前の時点における状況からゲームのプレイを再開し、ゲーム課題のクリアに再挑戦することを意味する。また、「現時点よりも前の時点における状況」とは、例えばゲーム開始時の状況、又はセーブデータの保存が行われた時点における状況等である。
【0008】
また、本発明に係るゲームシステムは、ユーザがゲーム課題をクリアすることを目指すゲームを実行するゲームシステムにおいて、現在のゲーム状況を示す現在状況データを記憶する記憶手段に記憶される前記現在状況データに基づいて、現在のゲーム状況が所定の状況になったと判定された場合に、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできなかったと判定する判定手段と、前記現在状況データに基づいて、将来のゲーム状況が前記所定の状況になるか否かを予測することによって、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできるか否かを予測する予測手段と、前記予測手段の予測結果に基づいて、前記ゲームのプレイの中止又はやり直しを前記ユーザに提案する提案手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るゲーム制御方法は、ユーザがゲーム課題をクリアすることを目指すゲームを実行するためのゲーム制御方法において、現在のゲーム状況を示す現在状況データを記憶する記憶手段に記憶される前記現在状況データに基づいて、現在のゲーム状況が所定の状況になったと判定された場合に、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできなかったと判定する判定ステップと、前記現在状況データに基づいて、将来のゲーム状況が前記所定の状況になるか否かを予測することによって、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできるか否かを予測する予測ステップと、前記予測ステップにおける予測結果に基づいて、前記ゲームのプレイの中止又はやり直しを前記ユーザに提案する提案ステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、ユーザがゲーム課題をクリアすることを目指すゲームを実行するゲーム装置として、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、又はサーバコンピュータ等のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、現在のゲーム状況を示す現在状況データを記憶する記憶手段に記憶される前記現在状況データに基づいて、現在のゲーム状況が所定の状況になったと判定された場合に、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできなかったと判定する判定手段、前記現在状況データに基づいて、将来のゲーム状況が前記所定の状況になるか否かを予測することによって、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできるか否かを予測する予測手段、及び、前記予測手段の予測結果に基づいて、前記ゲームのプレイの中止又はやり直しを前記ユーザに提案する提案手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0011】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0012】
また本発明の一態様では、前記ゲーム課題は、制限時間が経過するまでに目標を達成することであり、前記所定の状況は、前記制限時間が経過し、かつ、前記目標が達成されていない状況であり、前記判定手段は、前記制限時間が経過した時点で前記目標が達成されていない場合に、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできなかったと判定し、前記予測手段は、前記制限時間が経過するまでに前記ユーザが前記目標を達成できるか否かを予測し、前記提案手段は、前記制限時間が経過するまでに前記ユーザが前記目標を達成できないと予測された場合に、前記制限時間が経過する前において、前記ゲームのプレイの中止又はやり直しを前記ユーザに提案するようにしてもよい。
【0013】
また本発明の一態様では、前記予測手段は、前記制限時間が経過するまでに前記ユーザが前記目標を達成できるか否かを、前記制限時間が経過するまでに残された時間と、前記目標の現在の達成状況と、に基づいて予測するようにしてもよい。
【0014】
また本発明の一態様では、前記ゲームは、前記ユーザの操作対象が前記ユーザの操作に基づいてゲーム空間内を移動するゲームであり、前記ゲーム課題は、前記制限時間が経過するまでに前記操作対象を目標場所まで移動させることであり、前記所定の状況は、前記制限時間が経過し、かつ、前記操作対象が前記目標場所に到達していない状況であり、前記判定手段は、前記制限時間が経過した時点で前記操作対象が前記目標場所に到達していない場合に、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできなかったと判定し、前記予測手段は、前記制限時間が経過するまでに前記操作対象が前記目標場所に到達できるか否かを予測し、前記提案手段は、前記制限時間が経過するまでに前記操作対象が前記目標場所に到達できないと予測された場合に、前記制限時間が経過する前において、前記ゲームのプレイの中止又はやり直しを前記ユーザに提案するようにしてもよい。
【0015】
また本発明の一態様では、前記ゲームは、敵を退治するゲームであり、前記ゲーム課題は、前記制限時間が経過するまでに目標数の敵を退治することであり、前記所定の状況は、前記制限時間が経過し、かつ、前記ユーザが退治した敵の数が前記目標数に達していない状況であり、前記判定手段は、前記制限時間が経過した時点で前記ユーザが退治した敵の数が前記目標数に達していない場合に、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできなかったと判定し、前記予測手段は、前記制限時間が経過するまでに前記ユーザが退治する敵の数が前記目標数に達する否かを予測し、前記提案手段は、前記制限時間が経過するまでに前記ユーザが退治する敵の数が前記目標数に達しないと予測された場合に、前記制限時間が経過する前において、前記ゲームのプレイの中止又はやり直しを前記ユーザに提案するようにしてもよい。
【0016】
また本発明の一態様では、前記ゲームは、前記ユーザがゲームイベントを発生させるゲームであり、前記ゲーム課題は、前記制限時間が経過するまでに前記ゲームイベントを目標回数発生させることであり、前記所定の状況は、前記制限時間が経過し、かつ、前記ゲームイベントの発生回数が前記目標回数に達していない状況であり、前記判定手段は、前記制限時間が経過した時点で前記ゲームイベントの発生回数が前記目標回数に達していない場合に、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできなかったと判定し、前記予測手段は、前記制限時間が経過するまでに前記ゲームイベントの発生回数が前記目標回数に達する否かを予測し、前記提案手段は、前記制限時間が経過するまでに前記ゲームイベントの発生回数が前記目標回数に達しないと予測された場合に、前記制限時間が経過する前において、前記ゲームのプレイの中止又はやり直しを前記ユーザに提案するようにしてもよい。
【0017】
また本発明の一態様では、前記ユーザのゲームプレイに応じて、前記記憶手段に記憶されるパラメータの値を増加又は減少する手段を含み、前記ゲーム課題は、前記パラメータの値が所定値に達するまでに目標を達成することであり、前記所定の状況は、前記パラメータの値が前記所定値に達した時点で前記目標が達成されていない状況であり、前記判定手段は、前記パラメータの値が前記所定値に達した時点で前記目標が達成されていない場合に、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできなかったと判定し、前記予測手段は、前記パラメータの値が前記所定値に達するまでに前記ユーザが前記目標を達成できるか否かを予測し、前記提案手段は、前記パラメータの値が前記所定値に達するまでに前記ユーザが前記目標を達成できないと予測された場合に、前記パラメータが前記所定値に達する前において、前記ゲームのプレイの中止又はやり直しを前記ユーザに提案するようにしてもよい。
【0018】
また本発明の一態様では、前記ユーザのゲームプレイに応じて、前記記憶手段に記憶されるパラメータの値を増加又は減少する手段を含み、前記ゲーム課題は、目標を達成した時点において前記パラメータの値が所定の範囲に含まれていることであり、前記所定の状況は、前記目標が達成された時点において前記パラメータの値が前記所定の範囲に含まれていない状況であり、前記判定手段は、前記目標が達成された時点で前記パラメータの値が前記所定の範囲に含まれていない場合に、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできなかったと判定し、前記予測手段は、前記目標が達成された時点において前記パラメータの値が前記所定の範囲に含まれるか否かを予測し、前記提案手段は、前記目標が達成された時点において前記パラメータの値が前記所定の範囲に含まれないと予測された場合に、前記目標が達成される前において、前記ゲームのプレイの中止又はやり直しを前記ユーザに提案するようにしてもよい。
【0019】
また本発明の一態様では、前記予測手段は、将来のゲーム状況が前記所定の状況になる可能性の高さを示す数値を算出する手段と、前記数値が所定の範囲内である場合に、前記ユーザが前記ゲーム課題をクリアできないと予測する手段と、を含み、前記提案手段は、前記数値が前記所定の範囲内である場合に、前記ゲームのプレイの中止又はやり直しを前記ユーザに提案するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザがゲーム課題をクリアできない可能性が高い場合において、ゲーム課題をクリアできなかったと確定される前にユーザがゲームのプレイを中止又はやり直しできるように補助することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(タブレット型コンピュータを含む)、パーソナルコンピュータ、又はサーバコンピュータ等によって実現される。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成の一例を示す。
図1に示すように、ゲーム装置10は制御部11、記憶部12、光ディスクドライブ部13、通信部14、表示部15、音声出力部16、及び操作部17を含む。
【0024】
制御部11は例えば一又は複数のマイクロプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12又は光ディスクに記憶されたプログラムに基づいて、ゲーム装置10の各部を制御するための処理を実行したり、情報処理を実行したりする。
【0025】
記憶部12は主記憶部及び補助記憶部を含む。主記憶部は例えばRAMを含み、補助記憶部又は光ディスクから読み出されたプログラム及びデータが主記憶部に書き込まれる。主記憶部は制御部11の作業用メモリとしても用いられる。補助記憶部は例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等の不揮発性記憶媒体を含み、プログラムやデータが補助記憶部に記憶される。
【0026】
光ディスクドライブ部13は、光ディスク(情報記憶媒体)に記憶されたプログラムやデータを読み出すためのものである。プログラムやデータは光ディスクを介してゲーム装置10に供給され、記憶部12に記憶される。
【0027】
なお、ゲーム装置10は、光ディスク以外の情報記憶媒体に記憶されたプログラムやデータを読み出すための構成要素を含むようにしてもよい。例えば、ゲーム装置10はメモリカードスロット部を含むようにしてもよい。メモリカードスロット部は、メモリカード(情報記憶媒体)に記憶されたプログラムやデータを読み出すためのものである。プログラムやデータはメモリカードを介してゲーム装置10に供給され、記憶部12に記憶されるようにしてもよい。
【0028】
通信部14は、インターネット等の通信ネットワークを介してデータ通信を行うためのものである。例えば、プログラムやデータは通信ネットワークを介して遠隔地からゲーム装置10に供給され、記憶部12に記憶されるようにしてもよい。
【0029】
表示部15は例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等である。表示部15は制御部11からの指示に従って画面を表示する。音声出力部16は例えばスピーカ又はヘッドホン等である。音声出力部16は制御部11からの指示に従って音声(例えば、音楽又は効果音等)を出力する。
【0030】
操作部17はユーザが操作を行うために用いられるものである。操作部17はユーザの操作を受け付けるための1又は複数の操作部材を含む。例えば、操作部17は、ボタン、キー、及びスティック(レバー)の少なくとも一方を含む。また例えば、操作部17はタッチパネル又はマウス等のポインティングデバイスを含む。
【0031】
上記のゲーム装置10では各種ゲームが実行される。例えば、ユーザがゲーム課題をクリアすることを目指すゲームが実行される。なお、「ゲーム課題をクリアする」とは、ゲームにおいて設定された課題を達成することを意味している。
【0032】
以下では、制限時間が経過するまでに目標を達成することがゲーム課題としてユーザに提示される場合について説明する。より具体的には、制限時間が経過するまでにユーザが操作対象を目標場所まで移動させることがゲーム課題としてユーザに提示される場合について説明する。
【0033】
図2はゲーム課題の一例を示す。
図2に示すゲーム課題の場合、ユーザはユーザキャラクタUを場所Aまで移動させる。「ユーザキャラクタU」は、ユーザの操作対象であるゲームキャラクタであり、ユーザの操作に従ってゲーム空間内を移動するゲームキャラクタである。
【0034】
ユーザキャラクタUが場所Aまで移動するとゲームイベントAが発生する。「ゲームイベントA」は、例えば、特定のゲームアイテムを入手するゲームイベント、又は特定のゲームキャラクタから話を聞くゲームイベント等である。
【0035】
ゲームイベントAが発生した後、ユーザはユーザキャラクタUを場所Bまで移動させる。ユーザキャラクタUが場所Bまで移動するとゲームイベントBが発生する。「ゲームイベントB」は、例えば、特定のゲームアイテムを入手するゲームイベント、又は特定のゲームキャラクタから話を聞くゲームイベント等である。
【0036】
ゲームイベントBが発生した後、ユーザはユーザキャラクタUを場所Cまで移動させる。ユーザが制限時間内にユーザキャラクタUを場所C(目標場所)まで場所A,Bを経由して移動させることができれば、ユーザはゲーム課題をクリアしたことになる。一方、制限時間が経過した時点でユーザキャラクタUが場所Cに到達していなければ、ユーザはゲーム課題をクリアできなかったことになる。
【0037】
ゲーム装置10では、ユーザがゲーム課題をクリアできない可能性が高い場合、ゲームの途中においてゲームのプレイを中止することがユーザに提案される。例えば、制限時間内にユーザキャラクタが目標場所に到達できない可能性が高い場合、制限時間が経過する前の時点において、ゲームのプレイを中止することがユーザに提案される。
【0038】
図3は、ゲームのプレイを中止することをユーザに提案する提案画面の一例を示す。
図3に示す提案画面20では、ゲーム課題をクリアできない可能性が高いことをユーザに伝えるメッセージ22が表示されている。
【0039】
また、提案画面20には3つのボタン24,26,28が表示されている。ボタン24は、ゲームのプレイを中止し、ゲームをプレイし直すためのボタンである。ボタン26は、ゲームのプレイを中止するためのボタンである。ボタン28は、ゲームのプレイを続行するためのボタンである。ユーザはボタン24,26,28のいずれかを選択する。
【0040】
なお、ボタン24が選択された場合(すなわち、ゲームをプレイし直すことをユーザが選択した場合)には、それまでのプレイ内容を新たに開始されるゲームに反映するようにしてもよい。例えば、それまでのプレイによって獲得されたゲームパラメータ(経験値等)又はゲームアイテムや、それまでのプレイによって上昇したゲームパラメータ(能力パラメータ)等を、新たに開始されるゲームに引き継ぐようにしてもよい。
【0041】
ゲーム装置10では上記のような提案画面20が表示されることによって、ゲーム課題をクリアできない可能性が高い場合に、ユーザがゲームのプレイを中止したり、ゲームをプレイし直したりできるように補助されるようになっている。以下、このような機能を実現するための構成について説明する。
【0042】
図4は、ゲーム装置10で実現される機能ブロックを示す機能ブロック図である。
図3に示すように、ゲーム装置10はゲームデータ記憶部30、判定部32、予測部34、及び提案部36を含む。
【0043】
例えば、ゲームデータ記憶部30は記憶部12又は光ディスクによって実現され、他の機能ブロックは制御部11によって実現される。すなわち、制御部11が記憶部12又は光ディスクに記憶されたプログラムに従って処理を実行することによって、制御部11が、ゲームデータ記憶部30以外の機能ブロックとして機能するようになる。
【0044】
まず、ゲームデータ記憶部30について説明する。ゲームデータ記憶部30は、ゲームを実行するために必要なデータを記憶する。
【0045】
ゲームデータ記憶部30は現在状況データ記憶部30Aを含む。現在状況データ記憶部30Aは現在状況データを記憶する。現在状況データは現在のゲーム状況を示すデータである。例えば、ゲーム課題の現在の達成状況を示すデータが現在状況データに含まれる。例えば
図2に示した例の場合には下記に示すようなデータが現在状況データに含まれる。
・ユーザキャラクタの現在位置を示すデータ
・制限時間が経過するまでに残された時間(又は現時点までに経過した時間)を示すデータ
・現在までに発生済みのゲームイベントを示すデータ
【0046】
判定部32、予測部34、及び提案部36について説明する。判定部32は、現在状況データに基づいて、現在のゲーム状況が所定の状況になったか否かを判定する。現在のゲーム状況が所定の状況になったと判定された場合に、判定部32はユーザがゲーム課題をクリアできなかったと判定する。
【0047】
予測部34は、現在状況データに基づいて、将来のゲーム状況が所定の状況になるか否かを予測することによって、ユーザがゲーム課題をクリアできるか否かを予測する。提案部36は、予測部34の予測結果に基づいて、ゲームのプレイを中止することをユーザに提案する。すなわち、ユーザがゲーム課題をクリアできないと予測された場合に、提案部36はゲームのプレイの中止又はやり直しをユーザに提案する。
【0048】
例えば、「ゲーム課題」とは、制限時間が経過するまでに目標を達成することであり、「所定の状況」とは、制限時間が経過し、かつ、目標が達成されていない状況である。
【0049】
図2に示した例の場合であれば、制限時間が経過するまでにユーザキャラクタを目標場所(場所C)まで移動させることが上記「ゲーム課題」に相当する。また、この場合、制限時間が経過し、かつ、ユーザキャラクタを目標場所に到達していない状況が上記「所定の状況」に相当する。
【0050】
判定部32は、制限時間が経過した時点で目標が達成されていない場合に、ユーザがゲーム課題をクリアできなかったと判定する。
図2に示した例の場合であれば、判定部32は、制限時間が経過した時点でユーザキャラクタが目標場所(場所C)に到達していない場合に、ユーザがゲーム課題をクリアできなかったと判定する。
【0051】
予測部34は、制限時間が経過するまでにユーザが目標を達成できるか否かを予測する。例えば、予測部34は、制限時間が経過するまでにユーザが目標を達成できるか否かを、制限時間が経過するまでに残された時間と、目標の現在の達成状況と、に基づいて予測する。
図2に示した例の場合であれば、予測部34は、制限時間が経過するまでにユーザキャラクタが目標場所(場所C)に到達できるか否かを、制限時間が経過するまでに残された時間と、ユーザキャラクタの現在位置と、に基づいて予測する。
【0052】
ここで、制限時間が経過するまでにユーザキャラクタが目標場所に到達できるか否かの予測方法について説明する。
【0053】
まず予測部34は、ユーザキャラクタが現在位置から目標場所に移動するまでにかかる時間(予測移動時間)を取得する。この場合、ユーザキャラクタの現在位置に基づいて予測移動時間を取得するための情報(予測情報)が用いられる。例えば、予測情報は、ゲーム空間における位置と、該位置から目標場所までユーザキャラクタが移動するためにかかる時間と、を対応づけてなる情報である。
【0054】
あらかじめゲーム制作者によって生成された予測情報がゲームデータ記憶部30に記憶されている場合には、予測部34は、ゲームデータ記憶部30に記憶された予測情報と、ユーザキャラクタが現在位置と、に基づいて、予測移動時間を取得する。
【0055】
あるいは、予測部34は、ユーザキャラクタが現在位置から目標場所に移動する場合におけるユーザキャラクタの移動距離と、ユーザキャラクタの移動速度(例えば平均移動速度)と、に基づいて、予測移動時間を取得するようにしてもよい。
【0056】
予測移動時間が取得された後、予測部34は、予測移動時間と、制限時間が経過するまでに残された時間と、に基づいて、制限時間が経過するまでにユーザキャラクタが目標場所に到達できるか否かを予測する。例えば、予測部34は、予測時間と、制限時間が経過するまでに残された時間と、を比較する。
【0057】
制限時間が経過するまでに残された時間が予測移動時間以上であれば、予測部34は、制限時間が経過するまでにユーザキャラクタが目標場所に到達できると予測する。一方、制限時間が経過するまでに残された時間が予測移動時間未満である場合に、予測部34は、制限時間が経過するまでにユーザキャラクタが目標場所に到達できないと予測する。
【0058】
なお、予測部34は、将来のゲーム状況が所定の状況になる可能性の高さを示す数値を算出するようにしてもよい。言い換えれば、予測部34は、ユーザがゲーム課題をクリアできない可能性の高さを示す数値を算出するようにしてもよい。そして、この数値が所定の範囲内である場合に、予測部34はユーザがゲーム課題をクリアできないと予測するようにしてもよい。
【0059】
例えば、ユーザがゲーム課題をクリアできない可能性が高いほど、上記数値が大きくなるようになっている場合には、所定の閾値以上の範囲が上記「所定の範囲」に相当し、上記数値が閾値以上である場合に、予測部34はユーザがゲーム課題をクリアできないと予測する。
【0060】
一方、ユーザがゲーム課題をクリアできない可能性が高いほど、上記数値が小さくなるようになっている場合には、所定の閾値以下の範囲が上記「所定の範囲」に相当し、上記数値が閾値以下である場合に、予測部34はユーザがゲーム課題をクリアできないと予測する。
【0061】
例えば、制限時間が経過するまでに残された時間が予測移動時間未満である場合に、予測部34は、制限時間が経過するまでに残された時間と予測移動時間との間の差分値(絶対値)を算出する。この場合、差分値が大きいほど、制限時間が経過するまでにユーザキャラクタが目標場所に到達できなくなる可能性が高くなるため、この差分値は上記「数値」に相当している。
【0062】
この場合、予測部34は差分値が閾値以上であるか否かを判定する。差分値が閾値以上である場合、予測部34は、制限時間が経過するまでにユーザキャラクタが目標場所に到達できないと予測する。なお、差分値が閾値未満である場合、予測部34は、制限時間が経過するまでにユーザキャラクタが目標場所に到達できないと予測しない。
【0063】
提案部36は、制限時間が経過するまでにユーザが目標を達成できないと予測された場合に、制限時間が経過する前の時点において、ゲームのプレイの中止又はやり直しをユーザに提案する。すなわち、制限時間が経過するまでにユーザキャラクタが目標場所に到達できないと予測された場合に、提案部36は、制限時間が経過する前の時点において、ゲームのプレイの中止又はやり直しをユーザに提案する。
【0064】
以上に説明したような判定部32、予測部34、及び提案部36を実現するためにゲーム装置10で実行される処理について説明する。
図5は、ゲーム装置10で所定時間(例えば1/60秒)ごとに実行される処理のうち、判定部32、予測部34、及び提案部36に関連する処理の一例を示すフロー図である。制御部11がプログラムに従って
図5に示す処理を実行することによって、制御部11が判定部32、予測部34、及び提案部36として機能するようになる。
【0065】
図5に示すように、制御部11は、現在状況データ記憶部30Aに記憶されるユーザキャラクタの位置を更新する(S101)。例えば、制御部11は、ユーザキャラクタの現在位置から、ユーザによって指示された移動方向に、移動速度に応じた距離だけ移動してなる位置を取得し、現在状況データ記憶部30Aに記憶されるユーザキャラクタの位置を該位置に更新する。
【0066】
ステップS101が実行された後、制御部11(判定部32)はユーザキャラクタが目標場所(場所C)に到達したか否かを判定する(S102)。ユーザキャラクタが目標場所に到達したと判定された場合、制御部11は、ゲーム課題をクリアできたことを示す成功画面を表示部15に表示する(S109)。
【0067】
一方、ユーザキャラクタが目的場所に到達していないと判定された場合、制御部11は変数T1から1を減少させる(S103)。変数T1は、制限時間が経過するまでに残された時間を示す変数である。例えば、
図5に示す処理が1/60秒ごとに実行される場合、変数T1は、制限時間が経過するまでに残された時間を1/60秒単位で示す。変数T1は、ゲーム課題への挑戦が開始される時点において、制限時間を示す値に初期化される。例えば、制限時間が5分(300秒)であり、かつ、
図5に示す処理が1/60秒ごとに実行される場合、変数T1の初期値は18000(=300×60)である。
【0068】
ステップS103が実行された後、制御部11(判定部32)は変数T1が零になったか否かを判定する(S104)。ステップS104において変数T1が零になったと判定される場合とは、ユーザキャラクタが目標場所に到達できておらず、かつ、制限時間が経過した場合である。この場合、制御部11は、ゲーム課題をクリアできなかったことを示す失敗画面を表示部15に表示する(S110)。
【0069】
一方、変数T1が零になったと判定されなかった場合、制御部11は、ユーザキャラクタが現在位置から目標場所まで移動するまでにかかる時間T2を予測する(S105)。ここで、「T2」は、ユーザキャラクタが現在位置から目的場所まで移動するまでにかかる時間を「T1」と同じ単位で示す。例えば、「T1」が、制限時間が経過するまでに残された時間を1/60秒単位で示す場合には、「T2」も、上記時間を1/60秒単位で示す。
【0070】
ステップS105が実行された後、制御部11はT1がT2未満であるか否かを判定する(S106)。T1がT2未満であると判定される場合とは、制限時間が経過するまでに残された時間(T1)が、ユーザキャラクタが現在位置から目標場所まで移動するまでにかかると予測された時間(T2)未満である場合である。この場合、制御部11(予測部34)は、T2とT1との差分値(絶対値)が閾値Th以上であるか否かを判定する(S107)。
【0071】
差分値が閾値Th以上であると判定された場合、制御部11(予測部34)は、制限時間内にユーザキャラクタが目標場所に到達できないと予測する。この場合、制御部11(提案部36)は提案画面20を表示部15に表示する(S111)。
【0072】
一方、差分値が閾値Th以上でないと判定された場合、制御部11はゲームを続行する。すなわち、制御部11は現在状況データに基づいてゲーム画面を更新する(S108)。
【0073】
以上に説明したゲーム装置10によれば、ゲーム課題をクリアできない可能性が高い場合には、ゲームの途中において、ゲームのプレイを中止することがユーザに提案される。ゲーム装置10によれば、ゲーム課題をクリアできない可能性が高いことをユーザが把握できるように補助したり、ゲーム課題をクリアできない可能性が高い場合にユーザがゲームのプレイを中止又はやり直しできるように補助したりすることが可能になる。ゲーム装置10によれば、ゲームをプレイする時間をユーザが効率的に使えるように補助することが可能になる。
【0074】
なお、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
【0075】
[1]提案部36は、提案画面20を表示部15に表示する代わりに、ゲームのプレイの中止又はやり直しをユーザに提案する音声を出力するようにしてもよい。
【0076】
[2]本発明は、以上に説明したゲーム以外のゲームにも適用することができる。
【0077】
[2−1]例えば、ユーザの操作対象である自動車、自動二輪車、又は自転車等がユーザの操作に従ってゲーム空間内を移動するようなゲーム(例えばレースゲーム)にも本発明を適用することが可能である。このゲームの場合、「ユーザが操作する自動車が所定時間内にゴール地点に達する」というゲーム課題をクリアすることが不可能であると推測された場合に、ゲームのプレイの中止又はやり直しを提案する画面を表示する。
【0078】
[2−2]例えば、制限時間が経過するまでに目標数の敵を退治することをユーザが目指すゲームにも本発明を適用することが可能である。
【0079】
このゲームの場合、制限時間が経過し、かつ、ユーザが退治した敵の数が目標数に達していない状況が上記「所定の状況」に相当する。すなわち、判定部32は、制限時間が経過した時点でユーザが退治した敵の数が目標数に達していない場合に、ユーザがゲーム課題をクリアできなかったと判定する。
【0080】
また、予測部34は、制限時間が経過するまでにユーザが退治する敵の数が目標数に達する否かを予測する。そして、制限時間が経過するまでにユーザが退治する敵の数が目標数に達しないと予測された場合に、提案部36は、制限時間が経過する前において、ゲームのプレイの中止又はやり直しをユーザに提案する。
【0081】
ここで、制限時間が経過するまでにユーザが退治する敵の数が目標数に達する否かの予測方法について説明する。
【0082】
まず、予測部34は、制限時間が経過するまでに残された時間においてユーザが退治可能な敵の数(N1)を予測する。この場合、制限時間が経過するまでに残された時間に基づいて上記数(N1)を予測するための情報(予測情報)が用いられる。例えば、予測情報は、時間と、時間内に退治可能であると予測される敵の数と、を対応づけてなる情報である。
【0083】
あらかじめゲーム制作者によって生成された予測情報がゲームデータ記憶部30に記憶されている場合には、予測部34は、ゲームデータ記憶部30に記憶された予測情報と、制限時間が経過するまでに残された時間と、に基づいて、上記数(N1)を予測する。
【0084】
あるいは、予測部34はユーザのプレイ実績に基づいて予測情報を取得する。例えば、予測部34は、現時点までにユーザが退治した敵の数を、現時点までに経過した時間によって除することによって、ユーザが単位時間当たりに退治可能な敵の数を算出する。そして、予測部34は、算出された数に、制限時間が経過するまでに残された時間を乗じることによって、上記数(N1)を取得する。
【0085】
また、予測部34は、現時点までにユーザが退治した敵の数を上記目標数から引くことによって、制限時間が経過するまでに退治しなければならない残りの敵の数(N2)を取得する。そして、予測部34は上記数N1,N2を比較する。
【0086】
上記数N1,N2が「N1≧N2」の関係を有している場合、予測部34は、制限時間が経過するまでにユーザが退治する敵の数が目標数に達すると予測する。一方、上記数N1,N2が「N1<N2」の関係を有している場合、予測部34は、制限時間が経過するまでにユーザが退治する敵の数が目標数に達しないと予測する。
【0087】
なお、上記数N1,N2が「N1<N2」の関係を有している場合、予測部34は、上記数N2,N1の差分値(絶対値)を算出するようにしてもよい。この差分値が大きいほど、制限時間が経過するまでにユーザが退治する敵の数が目標数に達する可能性は低くなるため、この差分値は、ユーザがゲーム課題をクリアできない可能性の高さを示している。
【0088】
差分値が閾値以上である場合に、予測部34は、制限時間が経過するまでにユーザが退治する敵の数が目標数に達しないと予測するようにしてもよい。一方、差分値が閾値未満であれば、予測部34は、制限時間が経過するまでにユーザが退治する敵の数が目標数に達しないと予測しないようにしてもよい。
【0089】
[2−3]例えば、制限時間が経過するまでに特定のゲームイベントを目標回数発生させることをユーザが目指すゲームにも本発明を適用することが可能である。
【0090】
ここで、「ゲームイベント」は、例えば、特定のゲームアイテムを入手するゲームイベント、又は特定のゲームキャラクタと話をするゲームイベント等である。なお、「ゲームイベント」はゲームの内容に応じて設定されるものであり、ここに示したものに限られない。例えば、サッカー又はバスケットボール等のスポーツゲームの場合であれば、得点イベント等が「ゲームイベント」に相当する。
【0091】
上記ゲームの場合、制限時間が経過し、かつ、ゲームイベントの発生回数が目標回数に達していない状況が上記「所定の状況」に相当する。すなわち、判定部32は、制限時間が経過した時点でゲームイベントの発生回数が目標回数に達していない場合に、ユーザがゲーム課題をクリアできなかったと判定する。
【0092】
また、予測部34は、制限時間が経過するまでにゲームイベントの発生回数が目標回数に達する否かを予測する。そして、制限時間が経過するまでにゲームイベントの発生回数が目標回数に達しないと予測された場合に、提案部36は、制限時間が経過する前の時点において、ゲームのプレイの中止又はやり直しをユーザに提案する。
【0093】
なお、制限時間が経過するまでにゲームイベントの発生回数が目標回数に達する否かの予測方法は、制限時間が経過するまでにユーザが退治する敵の数が目標数に達する否かの予測方法と同様である(上記例2−2参照)。
【0094】
[2−4]例えば、ユーザのゲームプレイに応じて増加又は減少されるパラメータの値が所定値に達するまでに目標を達成することをユーザが目指すゲームにも本発明を適用することが可能である。
【0095】
例えば、上記ゲームの例としては下記のようなゲームが挙げられる。
・敵を攻撃可能な回数が所定回数以下に限定された状態で所定数の敵をすべて退治することをユーザが目指すゲーム
・特定のゲームアイテム(例えば、ユーザキャラクタが受けたダメージを回復するためのゲームアイテム)を使用可能な回数が所定回数以下に限定された状態で所定数の敵をすべて退治することをユーザが目指すゲーム
【0096】
以下では、20個の弾丸で10体の敵をすべて退治することをユーザが目指すゲームに本発明を適用する場合について説明する。
【0097】
上記ゲームの場合、残りの弾丸の個数(又は、ユーザが使用した弾丸の個数)が現在状況データ記憶部30Aに記憶され、該個数が上記「パラメータ」に相当する。この場合の「パラメータ」はユーザが弾丸を発射するごとに減少(又は増加)することになる。また上記ゲームの場合、10体の敵をすべて退治することが上記「目標」に相当する。
【0098】
判定部32は、パラメータの値が所定値に達した時点で目標が達成されていない場合に、ユーザがゲーム課題をクリアできなかったと判定する。すなわち、残りの弾丸の数が零に達した時点(又は、ユーザが使用した弾丸の数が20個に達した時点)で10体の敵がすべて退治されていなければ、判定部32はユーザがゲーム課題をクリアできなかったと判定する。
【0099】
予測部34は、パラメータの値が所定値に達するまでにユーザが目標を達成できるか否かを予測する。パラメータの値が所定値に達するまでにユーザが目標を達成できないと予測された場合に、提案部36は、パラメータが所定値に達する前の時点において、ゲームのプレイの中止又はやり直しをユーザに提案する。
【0100】
すなわち、予測部34は、残りの弾丸の数が零に達するまで(言い換えれば、使用した弾丸の数が20個に達するまで)にユーザが10体の敵をすべて退治できるか否かを予測する。残りの弾丸の数が零に達するまでにユーザが10体の敵を退治できないと予測された場合に、提案部36は、残りの弾丸の数が零に達する前の時点において、ゲームのプレイの中止又はやり直しをユーザに提案する。
【0101】
ここで、残りの弾丸の数が零に達するまでにユーザが10体の敵をすべて退治できるか否かの予測方法について説明する。
【0102】
まず、予測部34は、残りの弾丸でユーザが退治可能な敵の数(N1)を予測する。この場合、残りの弾丸の数に基づいて上記数(N1)を予測するための情報(予測情報)が用いられる。例えば、予測情報は、弾丸の数と、弾丸によって退治可能であると予測される敵の数と、を対応づけてなる情報である。
【0103】
あらかじめゲーム制作者によって生成された予測情報がゲームデータ記憶部30に記憶されている場合には、予測部34は、ゲームデータ記憶部30に記憶された予測情報と、残りの弾丸の数と、に基づいて、上記数(N1)を予測する。
【0104】
あるいは、予測部34はユーザのプレイ実績に基づいて予測情報を取得する。例えば、予測部34は、現時点までにユーザが退治した敵の数を、現時点までにユーザが使用した弾丸の数によって除することによって、弾丸1個によって退治可能な敵の数を算出する。そして、予測部34は、算出された数に、残りの弾丸の数を乗じることによって、上記数(N1)を取得する。
【0105】
また、予測部34は、ユーザが退治しなければならない残りの敵の数(N2)を取得する。すなわち、予測部34は、ユーザが退治しなければならない敵の総数(10)から、現時点までにユーザが退治した敵の数を引くことによって得られる数(N2)を取得する。そして、予測部34は上記数N1,N2を比較する。
【0106】
上記数N1,N2が「N1≧N2」の関係を有している場合、予測部34は、残りの弾丸の数が零に達するまでにユーザが10体の敵をすべて退治できると予測する。一方、上記数N1,N2が「N1<N2」の関係を有している場合、予測部34は、残りの弾丸の数が零に達するまでにユーザが10体の敵を退治できないと予測する。
【0107】
なお、上記数N1,N2が「N1<N2」の関係を有している場合、予測部34は、上記数N2,N1の差分値(絶対値)を算出するようにしてもよい。この差分値が大きいほど、残りの弾丸の数が零に達するまでにユーザが10体の敵をすべて退治できる可能性は低くなるため、この差分値は、ユーザがゲーム課題をクリアできない可能性の高さを示している。
【0108】
差分値が閾値以上である場合に、予測部34は、残りの弾丸の数が零に達するまでにユーザが10体の敵を退治できないと予測するようにしてもよい。一方、差分値が閾値未満であれば、予測部34は、残りの弾丸の数が零に達するまでにユーザが10体の敵を退治できないと予測しないようにしてもよい。
【0109】
[2−5]例えば、ユーザのゲームプレイに応じて増加又は減少されるパラメータの値が、目標が達成された時点で所定の範囲に含まれていることをユーザが目指すゲームにも本発明を適用することが可能である。
【0110】
例えば、上記ゲームの例としては下記のようなゲームが挙げられる。
・特定のゲームアイテムの使用回数を所定回数以下に抑えつつ、所定数の敵を退治することをユーザが目指すゲーム
・特定の攻撃(例えば、通常の攻撃よりも多くのダメージを敵に与えることが可能な特別の攻撃)の使用回数を所定回数以下に抑えつつ、所定数の敵を退治することをユーザが目指すゲーム
【0111】
以下では、ゲームアイテムXの使用回数を5回以下に抑えつつ、30体の敵をすべて退治することをユーザが目指すゲームに本発明を適用する場合について説明する。なお、「ゲームアイテムX」は、例えば、一又は複数の敵に特別の攻撃を行うためのゲームアイテム、又はユーザキャラクタが受けたダメージを回復するためのゲームアイテム等である。
【0112】
上記ゲームの場合、ゲームアイテムXの使用回数が現在状況データ記憶部30Aに記憶され、該使用回数が上記「パラメータ」に相当する。この場合の「パラメータ」はユーザがゲームアイテムXを使用するごとに増加することになる。また上記ゲームの場合、所定数の敵をすべて退治することが上記「目標」に相当する。
【0113】
判定部32は、目標が達成された時点におけるパラメータの値が所定の範囲に含まれていない場合に、ユーザがゲーム課題をクリアできなかったと判定する。すなわち、30体の敵がすべて退治された時点におけるゲームアイテムXの使用回数が5回以下でなければ、判定部32はユーザがゲーム課題をクリアできなかったと判定する。
【0114】
予測部34は、目標が達成された時点におけるパラメータの値が所定の範囲に含まれるか否かを予測する。目標が達成された時点におけるパラメータの値が所定の範囲に含まれないと予測された場合に、提案部36は、目標が達成される前の時点において、ゲームのプレイの中止又はやり直しをユーザに提案する。
【0115】
すなわち、予測部34は、30体の敵がすべて退治された時点におけるゲームアイテムXの使用回数が5回以下になるか否かを予測する。30体の敵がすべて退治された時点におけるゲームアイテムXの使用回数が5回以下にならないと予測された場合に、提案部36は、30体の敵がすべて退治される前の時点において、ゲームのプレイの中止又はやり直しをユーザに提案する。
【0116】
ここで、30体の敵がすべて退治された時点におけるゲームアイテムXの使用回数が5回以下になるか否かの予測方法について説明する。
【0117】
まず、予測部34は、残りの敵を退治する間にユーザがゲームアイテムXを使用する回数(N1)を予測する。この場合、残りの敵の数に基づいて上記回数(N1)を予測するための情報(予測情報)が用いられる。例えば、予測情報は、敵の数と、敵を退治する間におけるゲームアイテムXの使用回数(予測使用回数)と、を対応づけてなる情報である。
【0118】
あらかじめゲーム制作者によって生成された予測情報がゲームデータ記憶部30に記憶されている場合には、予測部34は、ゲームデータ記憶部30に記憶された予測情報と、残りの敵の数と、に基づいて、上記回数(N1)を予測する。
【0119】
あるいは、予測部34はユーザのプレイ実績に基づいて予測情報を取得する。例えば、予測部34は、現時点までにユーザがゲームアイテムXを使用した回数を、現時点までにユーザが退治した敵の数によって除することによって、敵を1体退治するためにユーザがゲームアイテムXを使用した回数を算出する。そして、予測部34は、算出された回数に、残りの敵の数を乗じることによって、上記回数(N1)を取得する。
【0120】
また、予測部34は、現時点までにユーザがゲームアイテムXを使用した回数(N2)を取得する。そして、予測部34は上記回数N1,N2を比較する。
【0121】
上記回数N1,N2が「N1+N2≦5」の関係を有している場合、予測部34は、30体の敵がすべて退治された時点におけるゲームアイテムXの使用回数が5回以下になると予測する。一方、上記回数N1,N2が「N1+N2>5」の関係を有している場合、予測部34は、30体の敵がすべて退治された時点におけるゲームアイテムXの使用回数が5回以下にならないと予測する。
【0122】
なお、上記回数N1,N2が「N1+N2>5」の関係を有している場合、予測部34は、「N1+N2」と「5」との差分値(絶対値)を算出するようにしてもよい。この差分値が大きいほど、30体の敵がすべて退治された時点におけるゲームアイテムXの使用回数が5回以下になる可能性は低くなるため、この差分値は、ユーザがゲーム課題をクリアできない可能性の高さを示している。
【0123】
差分値が閾値以上である場合に、予測部34は、30体の敵がすべて退治された時点におけるゲームアイテムXの使用回数が5回以下にならないと予測するようにしてもよい。一方、差分値が閾値未満であれば、予測部34は、30体の敵がすべて退治された時点におけるゲームアイテムXの使用回数が5回以下にならないと予測しないようにしてもよい。
【0124】
[3]また例えば、本発明は、
図6に示すようなゲームシステム100にも適用することが可能である。
図6に示すゲームシステム100はゲーム装置10とゲームサーバ102とを含んでいる。ゲームサーバ102は例えば制御部等を備えたサーバコンピュータである。ゲームシステム100では、ゲーム装置10とゲームサーバ102とが通信ネットワーク104を介してデータを授受することによってゲームが実行される。
【0125】
例えば、ゲームシステム100では、ゲームサーバ102に備えられた記憶部、又はゲームサーバ102からアクセス可能な装置に備えられた記憶部に現在状況データが記憶される。そして、現在状況データはゲームサーバ102によって更新される。
【0126】
具体的には、ゲームシステム100では、ゲーム装置10において行われた操作に関するデータがゲーム装置10からゲームサーバ102に送信される。ゲームサーバ102では、ゲーム装置10から送信されたデータに基づいて、現在状況データが更新される。そして、更新後の現在状況データがゲームサーバ102からゲーム装置10に送信される。ゲーム装置10では、ゲームサーバ102から送信されたデータに基づいて、ゲーム画面が表示部15に表示される。
【0127】
ゲームシステム100では、例えば、判定部32がゲームサーバ102において実現され、予測部34及び提案部36がゲーム装置10において実現される。この場合、予測部34及び提案部36は、ゲームサーバ102からゲーム装置10に送信される更新後の現在状況データに基づいて処理を実行することになる。
【0128】
なお、予測部34はゲームサーバ102において実現されるようにしてもよい。この場合、予測部34の予測結果を示すデータがゲームサーバ102からゲーム装置10に送信されるようにすればよい。
【0129】
また、提案部36はゲームサーバ102において実現されるようにしてもよい。この場合の提案部36は、ユーザがゲーム課題をクリアできないと予測された場合に、ゲームのプレイの中止又はやり直しをユーザに提案することを指示するデータをゲーム装置10に送信するようにすればよい。そして、ゲーム装置10では、該データに基づいて、ゲームのプレイの中止又はやり直しがユーザに提案されるようにすればよい。
【0130】
なお、ゲームシステム100では、ゲームサーバ102において現在状況データが更新された場合に、更新後の現在状況データに基づいてゲームサーバ102がゲーム画面を生成するようにしてもよい。そして、生成されたゲーム画面を示すデータがゲームサーバ102からゲーム装置10に送信されるようにしてもよい。