特許第5764582号(P5764582)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764582
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20150730BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20150730BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20150730BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20150730BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   G03G21/00 380
   G03G15/01 Y
   H04N1/00 C
   B41J29/42 F
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-1750(P2013-1750)
(22)【出願日】2013年1月9日
(65)【公開番号】特開2013-147028(P2013-147028A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2013年9月17日
(31)【優先権主張番号】61/587,211
(32)【優先日】2012年1月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】野知 睦
【審査官】 嵯峨根 多美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−177586(JP,A)
【文献】 特開平09−160444(JP,A)
【文献】 特開2001−191618(JP,A)
【文献】 特開平11−327858(JP,A)
【文献】 特開2003−271015(JP,A)
【文献】 特開平09−068896(JP,A)
【文献】 特開平06−001049(JP,A)
【文献】 特開2006−017862(JP,A)
【文献】 特開平04−329561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 15/01
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を供給する複数の給紙部と、
モノクロ印刷専用の給紙部を設定する設定手段と、
前記設定手段により前記モノクロ印刷専用に設定されていない給紙部から給紙する用紙にカラー画像を印刷する画像形成手段と、
前記設定手段により前記モノクロ印刷専用に設定された給紙部から給紙する用紙に対するカラー印刷を禁止する禁止手段と、
カラー印刷に用いる給紙部を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定されたカラー印刷に用いる給紙部が前記設定手段により前記モノクロ印刷専用に設定されているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段が前記指定された給紙部が前記モノクロ印刷専用に設定されていると判別した場合、カラー印刷に用いる給紙部を前記モノクロ印刷専用以外の給紙部に変更することを促す案内と、カラー印刷をモノクロ印刷に変更する旨の案内とを報知する報知手段と、を備え、
前記禁止手段は、前記判別手段により前記指定された給紙部が前記モノクロ印刷専用に設定されていると判別した場合、カラー印刷を禁止し、
前記判別手段は、前記給紙部の変更が指示された場合、再度、指定されたカラー印刷に用いる給紙部が前記設定手段により前記モノクロ印刷専用に設定されているか否かを判別し、
前記画像形成手段は、前記判別手段が前記指定された給紙部が前記モノクロ印刷専用に設定されていると判別した場合、かつ、カラー印刷をモノクロ印刷へ変更することが指示された場合、カラー印刷に用いるカラー画像をモノクロ画像に変換して、前記指定された給紙部から給紙する用紙に前記モノクロ画像を印刷する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成手段は、前記判別手段により前記指定された給紙部が前記モノクロ印刷専用に設定されていないと判別した場合、前記指定された給紙部から給紙する用紙にカラー画像を印刷する、
前記請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
さらに、前記カラー印刷に用いる給紙部を自動選択する自動給紙モードである場合、前記モノクロ印刷専用に設定されておらず、かつ、カラー印刷にマッチした用紙を供給可能な給紙部が存在するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記モノクロ印刷専用でなく、かつ、カラー印刷にマッチした用紙を供給可能と判断した給紙部からカラー印刷に用いる給紙部を選択する選択手段と、を有し、
前記画像形成手段は、前記選択手段が選択する給紙部から給紙する用紙にカラー画像を印刷し、
前記禁止手段は、前記判断手段により前記モノクロ印刷専用に設定されておらず、かつ、印刷対象にマッチした用紙を供給可能な給紙部が存在しないと判断した場合、前記カラー印刷を禁止する、
前記請求項1又は2の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー印刷が可能な画像形成装置は、カラーモードとして、モノクロ印刷あるいはカラー印刷の何れかを選択して印刷を実行する。また、複数の給紙部を有する画像形成装置は、ユーザが指定(選択)した給紙部から給紙する用紙に印刷を実行する。しかしながら、従来の画像形成装置は、カラーモードに応じた給紙制御を行わないため、ユーザがカラー印刷を指定した場合、カラー印刷に適さない用紙に印刷を実行することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−100468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態によれば、モードに応じた用紙を給紙できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、画像形成装置は、複数の給紙部と、設定手段と、画像形成手段と、禁止手段とを有する。複数の給紙部は、用紙を供給する。設定手段は、モノクロ印刷専用の給紙部を設定する。画像形成手段は、設定手段によりモノクロ印刷専用に設定されていない給紙部から給紙する用紙にカラー画像を印刷する。禁止手段は、設定手段によりモノクロ印刷専用に設定された給紙部から給紙する用紙に対するカラー印刷を禁止する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係るデジタル複合機の構成例を概略的に示す断面図である。
図2図2は、実施形態に係るデジタル複合機における制御系の構成例を説明するためのブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るデジタル複合機における各給紙カセットに対する設定処理の例を説明するためのフローチャートである。
図4図4は、実施形態に係るデジタル複合機におけるカラーコピーの動作例を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、実施形態に係るデジタル複合機が表示する案内画面の表示例である。
図6図6は、実施形態に係るデジタル複合機が表示する案内画面の表示例である。
図7図7は、実施形態に係るデジタル複合機が表示する案内画面の表示例である。
図8図8は、実施形態に係るデジタル複合機におけるカラープリントの動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係るデジタル複合機の構成例を概略的に示す断面図である。本実施形態に係るデジタル複合機(MFP,Multi-Functional Peripheral)は、画像消去装置および画像形成装置として機能する。図1に示すように、デジタル複合機は、スキャナ1、プリンタ2、操作パネル4およびシステム制御部5を有する。
【0008】
スキャナ1は、原稿の画像を読み取って画像データに変換する装置である。スキャナ1は、たとえば、原稿の読取面における画像を画像データに変換するCCDラインセンサなどにより構成する。スキャナ1は、原稿台ガラスに載置された原稿をスキャンするものであっても良いし、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)が搬送する原稿の画像を読み取るものであっても良い。また、スキャナ1は、原稿のサイズを検知する機能(原稿検知機能)を有する。スキャナ1は、たとえば、デジタル複合機の本体上部に設置する。スキャナ1は、システム制御部5により制御される。スキャナ1は、原稿の画像データをシステム制御部5へ出力する。
【0009】
プリンタ2は、被画像形成媒体としての用紙に画像を形成する。画像形成装置としてのプリンタ2は、カラー画像を用紙に印刷するカラー印刷機能と、モノクロ(たとえば、黒)の画像を用紙に印刷するモノクロ印刷機能とを有する。たとえば、プリンタ2は、電子写真方式の画像形成装置である。プリンタ2は、複数色(例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色)のトナーを用いてカラー画像を形成する。また、プリンタ2は、モノクロ(例えば、黒)のトナーを用いてモノクロ画像を形成する。プリンタ2は、カラー印刷機能とモノクロ印刷機能とを有するものであれば良く、電子写真方式の画像形成装置に限定されない。たとえば、プリンタ2は、インクジェット方式の画像形成装置であっても良いし、熱転写方式の画像形成装置であっても良い
図1に示す構成例において、プリンタ2は、給紙カセット20(20A、20B、20C)を有する。給紙カセット20は、画像を印刷する用紙を供給する給紙部である。また、プリンタ2は、給紙部として、手差しトレイなどを有しても良い。たとえば、各給紙カセット20A、20B、20Cは、デジタル複合機本体の下部に着脱可能な状態で設けられる。これらの給紙カセット20A、20B、20Cは、それぞれに設定した種類(例えば、サイズ、紙質)の用紙を収納する。
【0010】
各給紙カセットが収納する用紙に関する情報などの設定情報は、不揮発性メモリ(例えば、後述するNVM54)に記憶される。プリンタ2は、設定情報に従って印刷処理に使用する用紙を収納する給紙カセットを選択する。プリンタ2は、選択した給紙カセットから給紙した用紙に画像をプリントする。なお、プリンタ2が手差しトレイを有する場合、手差しトレイに対しても各給紙カセットと同様に設定情報を不揮発性メモリに記憶すればよい。
【0011】
各給紙カセット20A、20B、20Cは、それぞれピックアップローラ21A、21B、21Cを有する。ピックアップローラ21A、21B、21Cは、各給紙カセット20A、20B、20Cから用紙を一枚ずつ取り出す。ピックアップローラ21A、21B、21Cは、取り出した用紙を複数の搬送ローラなどから構成される搬送路(搬送部)22へ供給する。給紙部としての給紙カセット及びピックアップローラは、3個に限定されるものでは無い。たとえば、給紙カセット及びピックアップローラは、1又は2個であっても良いし、4個以上であっても良い。また、給紙部としては、カセットだけでなく、手差しトレイであっても良い。
【0012】
搬送部22は、プリンタ2内で用紙を搬送する。搬送部22は、ピックアップローラ21A、21B、21Cにより供給された用紙をレジストローラ24へ搬送する。レジストローラ24は、中間転写ベルト27から用紙に画像を転写するタイミングで、当該用紙を転写位置へ搬送する。
【0013】
画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)、露光部26、中間転写ベルト27、及び、転写部28は、画像を形成する画像形成手段として機能する。画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、用紙に転写する画像を形成する。図1に示す構成例において、画像形成部25Yは、イエローのトナーで画像を形成する。画像形成部25Mは、マゼンタのトナーで画像を形成する。画像形成部25Cは、シアンのトナーで画像を形成する。画像形成部25Kは、ブラックのトナーで画像を形成する。各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、各色の画像を中間転写ベルト27上で重ね合わせて転写する。これにより、中間転写ベルト27上には、カラー画像が形成される。
【0014】
露光部26は、レーザ光により各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)の感光体ドラム(像坦持体)に静電潜像を形成する。露光部26は、画像データに応じて制御するレーザ光をポリゴンミラーなどの光学系を介して感光体ドラムに照射する。露光部26からのレーザ光は、各感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する。露光部26は、システム制御部5からの制御信号に応じてレーザ光を制御する。各感光体ドラムに形成する静電潜像は、各色のトナーで現像する画像である。たとえば、露光部26は、レーザ光のパワーをシステム制御部5からの制御信号に応じて制御する。また、露光部26は、レーザ光の発光を制御するためのパルス幅の変調量などもシステム制御部5からの制御信号に応じて制御する。
【0015】
各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、それぞれの感光体ドラムに形成された静電潜像を各色のトナーで現像する。各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、感光体ドラム上に可視像としてのトナー像を形成する。中間転写ベルト27は、中間転写体である。各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、感光体ドラム上に形成したトナー像を中間転写ベルト27上に転写(一次転写)する。各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、1次転写位置でトナー像に転写バイアスを与える。各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、転写電流によって転写バイアスを制御する。各感光体ドラム上のトナー像は、それぞれの一次転写位置で転写バイアスにより中間転写ベルト27に転写される。システム制御部5は、各画像形成部が1次転写処理に用いる転写電流を制御する。
【0016】
また、各画像形成部25Y、25M、25C、25Kは、それぞれ電位センサおよび濃度センサなどのセンサを有する。電位センサは、感光体ドラムの表面電位を検知するセンサである。各画像形成部25Y、25M、25C、25Kにおいて、帯電チャージャは、露光部26により露光される前に、感光体ドラムの表面を帯電する。システム制御部5は、帯電チャージャによる帯電条件が変更できる。電位センサは、帯電チャージャにより表面が帯電された感光体ドラムにおける表面電位を検知する。濃度センサは、中間転写ベルト27上に転写したトナー像の濃度を検知する。また、濃度センサは、感光体ドラム上に形成したトナー像を検知するものであっても良い。
【0017】
たとえば、モノクロ画像を形成する場合、画像形成部25Kは、ブラック(モノクロ)のトナーで現像したトナー像(可視像)を中間転写ベルト27上に転写する(1次転写する)。この結果、中間転写ベルト27は、ブラック(モノクロ)のトナーで形成されたモノクロ画像を保持する。
また、カラー画像を形成する場合、各画像形成部25Y、25M、25C、25Kは、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーで現像したトナー像(可視像)を中間転写ベルト27上に重ねて転写する(1次転写する)。この結果、中間転写ベルト27は、各色のトナー像が重なり合ったカラー画像を保持する。
【0018】
転写部28は、中間転写ベルト27上のトナー像を2次転写位置において用紙に転写する。2次転写位置は、中間転写ベルト27上のトナー像を用紙に転写する位置である。2次転写位置は、支持ローラ28aおよび2次転写ローラ28bが対向する位置である。転写部28は、2次転写位置に転写電流によって制御する転写バイアスを与える。転写部28は、転写バイアスにより中間転写ベルト27上のトナー像(消色トナー像或いは通常トナー像)を用紙に転写する。システム制御部5は、2次転写処理に用いる転写電流を制御する。たとえば、システム制御部5は、消色トナー像を転写する場合の転写電流と通常トナー像を転写する場合の転写電流とをそれぞれ制御するようにしても良い。
【0019】
定着器29は、トナーを用紙に定着させる機能を有する。たとえば、実施形態において、定着器29は、用紙に与える熱により用紙にトナー像を定着させるものとする。ただし、定着器29は、用紙に画像を定着させるものであれば良く、熱によって像を定着させるものに限定されない。
【0020】
定着器29は、定着処理を行うため、用紙に熱を与える構成を有する。図1に示す構成例では、定着器29は、加熱部29aを内蔵したヒートローラ29bとヒートローラ29bに加熱された定着ベルトに加圧状態で接する加圧ローラ29cとにより構成する。加熱部29aは、温度制御可能なヒータであれば良い。たとえば、加熱部29aは、ハロゲンランプ等のヒータランプで構成しても良いし、誘導加熱(IH)方式のヒータであっても良い。また、加熱部29aは、複数のヒータで構成しても良い。
【0021】
たとえば、用紙にトナー像を定着させる定着処理を行う場合、システム制御部5は、定着器29を定着温度に制御する。定着温度に制御された定着器29は、転写部28によりトナー像が転写された用紙を加圧しつつ定着温度で加熱する。これにより、定着器29は、用紙にトナー像を定着させる。また、定着器29は、定着処理した用紙を排紙部30あるいは自動両面装置31の何れかへ搬送する。
【0022】
定着器29により定着処理した用紙を排紙する場合、当該用紙は、排紙部30へ搬出される。また、定着器29により定着処理した用紙の裏面にも画像を形成する場合、当該用紙は、一旦排紙部30側へ搬送された後、スイッチバックしてADU31へ搬送される。この場合、ADU31は、スイッチバックにより反転させた用紙を再度レジストローラ24の手前に供給する。
【0023】
操作パネル4は、ユーザインターフェースである。操作パネル4は、各種のボタンとタッチパネル4bを具備する表示部4aとを有する。システム制御部5は、操作パネル4の表示部4aに表示する内容を制御する。また、操作パネル4は、表示部4aのタッチパネル4bあるいはボタンに入力した情報をシステム制御部5へ出力する。ユーザは、操作パネル4において動作モードを指定したり、設定情報などの情報を入力したりする。たとえば、ユーザは、操作パネル4により特定の給紙カセット(給紙部)をブラック(モノクロ)専用カセットに指定する。ここで、ブラック(モノクロ)専用カセットとは、モノクロ(ブラック)印刷のみに用いて、カラー印刷で使用することが禁止するカセット(給紙部)であるものとする。
【0024】
次に、デジタル複合機の制御系の構成について説明する。
図2は、デジタル複合機のシステム制御部5およびプリンタ2における制御系の構成例を概略的に示すブロック図である。
図2に示す構成例において、システム制御部5は、システムCPU(プロセッサ)51、RAM52、ROM53、不揮発性メモリ(NVM)54、HDD55、ページメモリ56、外部インターフェース(I/F)57および画像処理部58を有する。
【0025】
システムCPU51は、デジタル複合機全体および各部を統括的に制御する。システムCPU51は、プログラムを実行することにより処理を実現するプロセッサである。システムCPU51は、システムバスを介して、装置内の各部に接続する。システムCPU51は、システム制御部5内の各部だけでなく、システムバスを介して、スキャナ1、プリンタ2、操作パネル4なども接続する。システムCPU51は、スキャナ1、プリンタ2、および、操作パネル4との双方向の通信により、各部へ動作指示を出力したり、各部から種々の情報を取得したりする。また、システムCPU51は、装置内の各部に設置した各種のセンサの検知信号および動作状態などを示す情報を入力する。
【0026】
RAM52は、揮発性のメモリで構成される。RAM52は、ワーキングメモリ、あるいはバッファメモリとして機能する。ROM53は、プログラムおよび制御データなどを記憶する書換え不可の不揮発性メモリである。システムCPU51は、RAM52を使用しながらROM53(或は不揮発性メモリ54、HDD55)に記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。たとえば、システムCPU51は、プログラムを実行することにより印刷の実行手段および禁止手段として機能する。
【0027】
不揮発性メモリ(NVM)54は、書換え可能な不揮発性メモリである。NVM54は、システムCPU51が実行する制御プログラムおよび制御データを記憶する。また、NVM54は、各種の設定情報および処理条件などを記憶する。たとえば、NVM54は、各給紙カセット(給紙部)に対する設定情報を記憶する。給紙カセットに対する設定情報としては、たとえば、ブラック専用カセットであるか否かを示すフラグ情報を含む。
【0028】
ハードディクスドライブ(HDD)55は、大容量の記憶装置である。HDD55は、画像データおよび各種の動作履歴情報などを記憶する。また、HDD55は、制御プログラムおよび制御データなどを記憶しても良いし、設定情報および処理条件などを記憶しても良い。
【0029】
ページメモリ56は、処理の対象とする画像データを展開するためのメモリである。たとえば、コピー処理を行う場合、ページメモリ56は、スキャナ1が読み取ってスキャン用の画像処理した画像データを格納する。システムCPU51は、ページメモリ56に格納した画像データにプリント用の画像処理が施してプリンタ2へ出力する。また、システムCPU51は、ページメモリ56に格納した画像データをHDD55に保存したり、外部インターフェース57を介して外部装置へ送信したりしても良い。
【0030】
外部インターフェース(I/F)57は、外部装置と通信するためのインターフェースである。たとえば、外部インターフェース57は、外部装置からのプリント要求に応じたプリントデータを受信する。外部インターフェース57は、外部装置とデータ通知を行うインターフェースであれば良く、たとえば、外部装置にローカルに接続するものであっても良いし、ネットワークを介して通信するためのネットワークインターフェースであっても良い。
【0031】
画像処理部58は、スキャナ1が読み取った画像データを画像処理するスキャナ系の画像処理部、画像データの圧縮或いは伸張を行う圧縮伸長部、および、プリンタ2が用紙にプリントするプリント用の画像データを生成するプリンタ系の画像処理部などの機能を有する。たとえば、スキャナ系の画像処理部としては、シェーディング補正処理、階調変換処理、ライン間補正処理などの機能を有する。
【0032】
次に、プリンタ2における制御系の構成例について説明する。
図2に示す構成例において、プリンタ2は、制御系統の構成として、プリンタCPU(プロセッサ)61、RAM62、ROM63、不揮発性メモリ(NVM)64、搬送制御部65、露光制御部70、画像形成制御部71、転写制御部73、定着制御部75、反転制御部76などを有する。
【0033】
プリンタCPU61は、プリンタ2全体の制御を司る。プリンタCPU61は、プログラムを実行することにより処理を実現するプロセッサである。プリンタCPU61は、システムバスなどを介して、プリンタ2内の各部に接続する。プリンタCPU61は、システムCPU51からの動作指示に応じて、プリンタ2内の各部へ動作指示を出力したり、各部から取得した種々の情報をシステムCPU51へ通知したりする。
【0034】
RAM62は、揮発性のメモリで構成される。RAM62は、ワーキングメモリ、あるいはバッファメモリとして機能する。ROM63は、プログラムおよび制御データなどを記憶する書換え不可の不揮発性メモリである。プリンタCPU61は、RAM62を使用しながらROM63(或は不揮発性メモリ64)に記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0035】
不揮発性メモリ(NVM)64は、書換え可能な不揮発性のメモリである。たとえば、不揮発性メモリ64は、プリンタCPU61が実行する制御プログラムおよび制御データを記憶する。また、不揮発性メモリ64は、設定情報および処理条件などを記憶するようにしても良い。
【0036】
搬送制御部65は、プリンタ2内における用紙搬送を制御する。搬送制御部65は、ピックアップローラ21及び搬送部22の駆動を制御する。搬送制御部65は、プリンタCPU61からの動作指示に応じてプリンタ2内における搬送部22としての搬送ローラの駆動を制御する。たとえば、プリンタCPU61は、システム制御部5からの画像消色処理あるいは画像形成処理の開始の指示に応じて搬送制御部65へピックアップローラ21および搬送部22による用紙の給紙開始を指示する。
【0038】
露光制御部70は、露光部26を制御するものである。露光制御部70は、プリンタCPU61からの動作指示に応じて露光部26により各画像形成部25Y、25M、25C、25Kの感光体ドラムに静電潜像を形成する。たとえば、露光制御部70は、プリンタCPU61に指示される画像データに応じて露光部26が各感光体ドラムに照射するレーザ光を制御する。
【0039】
画像形成制御部71は、各画像形成部25Y、25M、25C、25Kの駆動を制御する。画像形成制御部71は、プリンタCPU61からの動作指示に応じて各画像形成部25Y、25M、25C、25Kの感光体ドラム上に形成された静電潜像を各色のトナーで現像する。転写制御部73は、転写部28の駆動および転写電流などを制御する。転写制御部73は、プリンタCPU61からの動作指示に応じて中間転写ベルト27に転写されたトナー像を転写部28により用紙に転写する。
【0040】
定着制御部75は、定着器29の駆動を制御する。定着制御部75は、プリンタCPU61からの動作指示に応じてヒートローラ29bおよび加圧ローラ29cを駆動する。また、定着制御部75は、加熱部29aを制御することによりヒートローラ29bの表面温度を所望の温度に制御する。定着制御部75は、プリンタCPU61が指定する温度(定着温度)にヒートローラ29bの表面温度を制御する。
【0041】
反転制御部76は、ADU31の駆動を制御する。反転制御部76は、プリンタCPU61からの動作指示に応じて定着器29を通過した用紙をADU31によりスキャナ23の画像読取位置の手前に再供給する。たとえば、定着処理した用紙の裏面に画像を形成する場合(両面印刷を行う場合)、反転制御部76は、定着処理後の用紙を一旦排紙部30側へ搬送した後、スイッチバックさせてADU31に取り込むように駆動制御を行う。ADU31は、排紙部30がスイッチバックしてきた用紙をレジストローラ24の手前に再供給する。これにより、用紙は、反転した状態でレジストローラ24に再供給される。
【0042】
次に、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機の動作について説明する。
まず、各給紙カセット(給紙部)20に対する設定について説明する。
システム制御部5は、NVM54に各給紙カセット20に対する設定情報を記憶する。各給紙カセットの設定情報としては、たとえば、供給(収納)する用紙のサイズ、用紙種類、および、ブラック専用カセットであるか否かを示すフラグ情報などが含まれる。用紙サイズは、各給紙カセット20に設けたセンサなどにより設定するようにしても良い。用紙種類は、ユーザあるいは管理者が指定する設定内容を設定する。
【0043】
モノクロ印刷のみに使用するカラー印刷には使用しない給紙カセットは、ブラック専用カセットとして設定する。ブラック専用カセットとする給紙カセットの設定情報には、ブラック専用カセットであることを示すフラグ情報を含む。たとえば、ユーザあるいは管理者がブラック専用カセットに指定した給紙カセットの設定情報には、ブラック専用カセットであることを示すフラグ情報がセットされる。ブラック専用カセットとしては、たとえば、カラー印刷に適さない用紙を収納した給紙カセットが設定される。カラー印刷に適さない用紙は、たとえば、色付きの用紙、再利用の用紙、あるいは、特殊紙などである。
【0044】
図3は、デジタル複合機における各給紙カセットに対する設定処理の例を説明するためのフローチャートである。
ユーザあるいは管理者は、各給紙カセット20に対する設定情報を操作パネル4により入力する。操作パネル4は、各給紙カセット20に対する設定画面を表示した状態においてユーザ或いは管理者からの設定情報の入力を受付ける。たとえば、ユーザが特定の給紙カセットをブラック専用カセットに指定する場合、当該ユーザは、操作パネル4により給紙カセットに対する設定モードを指示する。給紙カセットに対する設定モードが指定されると、システム制御部5のプロセッサ51は、操作パネル4の表示部4aに給紙カセットに対する設定画面を表示する(ACT11)。
【0045】
例えば、表示部4aは、給紙カセットに対する設定画面として、設定対象となる給紙カセットの選択画面と選択した給紙カセットに対する設定内容の入力画面とを表示する。給紙カセットに対する設定画面を表示した状態において、ユーザは、選択した給紙カセットに対する設定内容を入力する。プロセッサ51は、ユーザが入力する設定情報を操作パネル4から取得する(ACT12)。ユーザが入力する設定情報は、RAM52などに一時的に格納される。
【0046】
たとえば、特定の給紙カセットがブラック専用カセットとして指定されると(ACT13、YES)、システム制御部5のプロセッサ51は、操作パネル4で入力された情報に従って指定された給紙カセットをブラック専用カセットに設定する(ACT14)。ユーザは、設定内容の確定ボタンなどを入力することにより給紙カセットに対する設定処理の終了を指示する。給紙カセットに対する設定情報の設定処理の終了が指示されると(ACT15、YES)、プロセッサ51は、各給紙カセットに対してユーザが指定した設定情報をNVM54に保存し(ACT16)、給紙カセットに対する設定処理を終了する。
【0047】
次に、デジタル複合機におけるカラーコピーの動作について説明する。
図4は、デジタル複合機におけるカラーコピーの動作例を説明するためのフローチャートである。
カラーコピーを実施する場合、ユーザは、操作パネル4において画像を印刷する用紙を給紙する給紙カセットの指定を含むコピー設定を指定し、カラーコピーの開始を指示する。ユーザは、給紙カセットの設定として、1つのカセットを指定しても良いし、自動給紙を指定しても良い。
【0048】
操作パネル4によりカラーコピーの開始が指示されると、システム制御部5のプロセッサ51は、カラーコピーの開始が指示された際の設定内容に基づいて原稿の画像をプリントする用紙を給紙する給紙カセットの設定をチェックする。たとえば、プロセッサ51は、1つの給紙カセットが指定されているか、自動給紙が指定されているかを判断する(ACT21)。
【0049】
ユーザが1つの給紙カセットを指定した場合(ACT21、NO)、プロセッサ51は、指定された給紙カセットがブラック専用カセットに設定されているか否かをチェックする(ACT22)。給紙カセットがブラック専用カセットに設定されていない場合(ACT22、NO)、プロセッサ51は、スキャナ1が原稿から読み取るカラー画像を、ユーザが指定した給紙カセットから給紙する用紙にカラープリントするカラーコピーを実施する(ACT23)。
【0050】
また、指定された給紙カセットがブラック専用カセットに設定されている場合(ACT22、YES)、プロセッサ51は、カラーコピーを停止し(ACT24)、指定されたカセットがブラック専用カセットである旨のメッセージを含む設定変更の案内を表示部4aに表示する(ACT25)。カラーコピーを停止して設定変更の案内を表示した状態において、プロセッサ51は、設定内容の変更を受付ける。
【0051】
たとえば、図5図6及び図7は、カラーコピーで指定された給紙カセットがブラック専用カセットであった場合の表示例を示す図である。図5図6及び図7に示す表示例において、表示部4aは、指定された給紙カセットがブラック専用カセットであることを示すメッセージを表示する。さらに、図5に示す表示例では、表示部4aは、カラーコピーの設定内容の変更を促すために、「設定を変更して下さい」という案内を表示する。また、図6に示す表示例では、表示部4aは、給紙カセットの変更を促すために、「給紙カセットを変更して下さい」という案内を表示する。また、図7に示す表示例では、表示部4aは、カラーモードの変更(モノクロコピーへの変更)を促すために、「モノクロコピーに変更して下さい」という案内を表示する。図5図6或いは図7に示すような案内表示が表示された状態において、操作パネル4は、ユーザによる設定変更(給紙カセットをブラック専用カセット以外のカセットへの変更、あるいは、モノクロコピーへの変更)の指示を受付ける。
【0052】
給紙カセットの変更が指示された場合(ACT26、YES)、プロセッサ51は、上記ACT21へ戻り、上述した処理を再び実行する。また、カラーモードをモノクロコピーへ変更することが指示された場合(ACT27、YES)、プロセッサ51は、スキャナ1が原稿から読み取るモノクロ画像(又はカラーをモノクロに変換した画像)を、ユーザが指定した給紙カセットから給紙する用紙にモノクロプリントするモノクロコピーを実施する(ACT28)。また、操作パネル4によりキャンセルが指示された場合(ACT29、YES)、プロセッサ51は、カラーコピーを中止する。
【0053】
また、給紙カセットを画像形成装置が選択する自動給紙が指定された場合(ACT21、YES)、プロセッサ51は、使用可能な給紙部(カセット)のうちカラー印刷が可能な用紙を供給できる給紙部(カセット)が存在するか否かを判断する(ACT30)。たとえば、ブラック専用カセットは、カラー印刷が不可な用紙を収納するカセットである。プロセッサ51は、ブラック専用カセットに設定されているカセット以外の給紙カセットが存在するか否かをチェックする。カラー印刷が可能な用紙を供給できる給紙カセット(ブラック専用カセット以外のカセット)が存在する場合(ACT30、YES)、プロセッサ51は、原稿にマッチする用紙を収納した給紙カセットが存在するか否かを判断する(ACT31)。
【0054】
たとえば、スキャナ1が原稿のサイズを検知する機能(自動原稿サイズ検知機能)を有する場合、プロセッサ51は、原稿サイズ及び向きにマッチする用紙が収納(設定)された給紙カセットが存在するか否かを判断する。また、ユーザが原稿サイズ及び向きを指定した場合、プロセッサ51は、ユーザが指定した原稿サイズにマッチする用紙が収納(設定)された給紙カセットが存在するか否かを判断する。
【0055】
カラー印刷可能で、かつ、原稿にマッチする用紙を設定した給紙カセットが存在する場合(ACT31、YES)、プロセッサ51は、カラー印刷可能で、かつ、原稿にマッチする用紙を収納する給紙カセットからカラーコピーに使用する給紙カセット(給紙部)を選択する(ACT32)。給紙カセットを選択すると、プロセッサ51は、スキャナ1が原稿から読み取るカラー画像を、自動給紙で選択した給紙カセットから給紙する用紙にカラープリントするカラーコピーを実施する(ACT23)。
【0056】
また、カラー印刷が可能な用紙を供給できる給紙カセット(ブラック専用カセット以外のカセット)が存在しない場合(ACT30、NO)、プロセッサ51は、カラーコピーを停止し(ACT24)、カラー印刷可能な給紙カセット(使用可能なブラック専用カセット以外の給紙カセット)が存在しない旨のメッセージを含む設定変更の案内を表示部4aに表示する(ACT25)。この場合、プロセッサ51は、カラーコピーを停止して設定変更の案内を表示した状態において、コピー動作に関する設定内容の変更を受付ける。
【0057】
また、原稿にマッチする用紙を設定した給紙カセットが存在しない場合(ACT31、NO)、プロセッサ51は、カラーコピーを停止し(ACT24)、原稿にマッチする用紙を設定した給紙カセットが存在しない旨のメッセージを含む設定変更の案内を表示部4aに表示する(ACT25)。この場合も、プロセッサ51は、カラーコピーを停止して設定変更の案内を表示した状態においてコピー動作に関する設定内容の変更を受付ける。
【0058】
上記のように、本実施形態に係る画像形成装置は、ユーザにより指定された給紙カセット(給紙部)がカラー印刷を禁止しているブラック(モノクロ)専用カセットである場合、カラーコピーを停止(禁止)し、設定変更の案内を表示する。この状態において、画像形成装置は、給紙カセットの変更あるいはカラーモードの変更などのコピー動作に対する設定内容の変更を受付ける。
【0059】
また、自動給紙モードでカラーコピーが指示された場合、画像形成装置としてのデジタル複合機は、カラー印刷可能な給紙カセット(使用可能なブラック(モノクロ)専用カセット以外のカセット)が存在するか否かをチェックする。カラー印刷可能な給紙カセット(使用可能なブラック(モノクロ)専用カセット以外のカセット)が存在しない場合、画像形成装置は、カラーコピーを停止(禁止)し、設定変更の案内を表示する。
【0060】
上記のような動作によれば、画像形成装置としてのデジタル複合機は、カラー印刷に適さない用紙を収納した給紙カセットをブラック専用カセットとして設定しておくことにより、カラー印刷に適さない用紙を用いてカラーコピーが実施されないようにできる。
【0061】
次に、デジタル複合機におけるカラープリントの動作について説明する。
図8は、デジタル複合機において、外部装置から受信したプリント要求に応じたカラープリントの動作例を説明するためのフローチャートである。
外部インターフェース57により外部装置からのカラープリント要求を受信した場合(41)、システム制御部5のプロセッサ51は、カラープリント要求に含まれるカラープリントの設定内容に基づいて外部装置から受信する画像データをプリントする用紙を給紙する給紙カセットの設定をチェックする。たとえば、プロセッサ51は、1つの給紙カセットが指定されているか、自動給紙が指定されているかを判断する(ACT42)。
【0062】
外部装置からのプリント要求において1つの給紙カセットが指定されている場合(ACT42、NO)、プロセッサ51は、指定された給紙カセットがブラック専用カセットに設定されているか否かをチェックする(ACT43)。給紙カセットがブラック専用カセットに設定されていない場合(ACT43、NO)、プロセッサ51は、当該外部装置から受信するカラーの画像データを指定された給紙カセットから給紙する用紙にカラープリントする(ACT44)。
【0063】
また、指定された給紙カセットがブラック専用カセットに設定されている場合(ACT43、YES)、プロセッサ51は、カラープリントを実行せずに(ACT45)、指定されたカセットがブラック専用カセットである旨を当該カラープリントの要求元である外部装置へ通知する(ACT46)。この場合、プロセッサ51は、当該外部装置からのプリント動作に関する設定内容の変更(給紙カセットの変更、カラーモードの変更など)を受付ける待ちとするようにしても良い。
【0064】
なお、プロセッサ51は、外部装置からのプリント要求において指定された給紙カセットがブラック専用カセットである場合、カラーモードをモノクロモードに変更して当該外部装置から受信するカラー画像データをモノクロ画像に変換してモノクロプリントを実行するようにしても良いし、給紙カセットを別のカラー印刷可能な給紙カセットに変更してカラープリントを実行するようにしても良い。
【0065】
また、給紙カセットをデジタル複合機が選択する自動給紙が指定された場合(ACT42、YES)、プロセッサ51は、使用可能な給紙カセット(給紙部)のうちカラー印刷が可能な用紙を供給できる給紙カセットが存在するか否かを判断する(ACT47)。たとえば、プロセッサ51は、ブラック専用カセットに設定されているカセット以外のカセットが存在するか否かをチェックする。
【0066】
カラー印刷が可能な用紙を供給できる給紙カセット(使用可能なブラック専用カセット以外のカセット)が存在する場合(ACT47、YES)、プロセッサ51は、プリントする画像にマッチする用紙を収納したカセットが存在するか否かを判断する(ACT48)。たとえば、プロセッサ51は、プリントする画像サイズにマッチする用紙が収納(設定)された給紙カセットが存在するか否かを判断する。
【0067】
カラー印刷可能で、かつ、プリントする画像にマッチする用紙を設定した給紙カセットが存在する場合(ACT48、YES)、プロセッサ51は、カラー印刷可能でプリントする画像にマッチする用紙を設定した給紙カセットをカラープリントに使用する給紙カセット(給紙部)として選択する(ACT49)。給紙カセットを選択すると、プロセッサ51は、当該外部装置から受信するプリント画像を、自動給紙で選択した給紙カセットから給紙する用紙にカラープリントする(ACT44)。
【0068】
また、カラー印刷が可能な用紙を供給できるカセット(使用可能なブラック専用カセット以外のカセット)が存在しない場合(ACT47、NO)、プロセッサ51は、カラープリントを実行することなく(ACT45)、カラー印刷可能な用紙を供給できる給紙カセットが存在しないことを当該外部装置へ通知する(ACT46)。また、プリントする画像にマッチする用紙を設定した給紙カセットが存在しない場合(ACT48、NO)、プロセッサ51は、カラープリントを実行することなく(ACT45)、プリントする画像にマッチする用紙を設定した給紙カセットが存在しないことを当該外部装置へ通知する(ACT46)。
【0069】
上記のように、本実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機は、外部装置からのカラープリント要求において指定された給紙カセット(給紙部)がカラー印刷を禁止しているブラック(モノクロ)専用カセットである場合、カラープリントを実行せずに、指定された給紙カセットがカラー印刷不可である旨を通知する。また、外部装置からのカラープリント要求において自動給紙モードが指示された場合、デジタル複合機としてのデジタル複合機は、カラー印刷可能な給紙カセット(使用可能なブラック(モノクロ)専用カセット以外のカセット)が存在するか否かをチェックする。カラー印刷可能な給紙カセット(使用可能なブラック(モノクロ)専用カセット以外のカセット)が存在しない場合、デジタル複合機は、カラープリントを実行せずに、要求されたカラープリントが実行可能な給紙カセットが存在しない旨を通知する。
【0070】
上記のような動作によれば、デジタル複合機は、カラー印刷に適さない用紙を収納した給紙カセットをブラック専用カセットとして設定しておくことにより、カラー印刷に適さない用紙にカラー印刷を実施することを防止できる。
【0071】
なお、図8に示す処理の一部は、当該デジタル複合機へカラープリントを要求する側の外部装置が実行するようにしても良い。外部装置は、例えば、当該デジタル複合機用のプリンタドライバのプログラムをインストールしたコンピュータである。外部装置は、プリンタドライバのプログラムにより実現する機能として、デジタル複合機におけるブラック専用カセットの設定を考慮したカラープリントの印刷設定(ブラック専用カセット以外を給紙カセットに指定した印刷設定)のカラープリント要求を行うようにしても良い。
【0072】
たとえば、外部装置は、定期的あるいはプリンタドライバのプログラムを起動する場合に、デジタル複合機からブラック専用カセットの設定を含む各給紙カセットの設定情報を受信する。プリンタドライバのプログラムを実行する外部装置は、デジタル複合機における各給紙カセットの設定情報に基づいて、図8に示すACT42−43、46−48の処理を実行することにより、カラープリントの印刷設定を確定する。このような処理によれば、外部装置は、ブラック専用カセット以外を給紙カセットに指定した印刷設定によるカラープリント要求を行うことができる。
【0073】
また、デジタル複合機からブラック専用カセットの設定を含む各給紙カセットの設定情報を受信する形態であれば、プリンタドライバのプログラムを実行する外部装置は、デジタル複合機に対するプリント指示画面において、カラープリントを指定すると、ブラック専用カセットに設定されている給紙カセットを指定できないようにしても良い。たとえば、外部装置は、プリンタドライバのプログラムによって表示部に表示するプリント指示画面において、カラープリントを指定した状態ではブラック専用カセットに設定された給紙カセットを指定(選択)不可な状態で表示(例えば、グレーアウトで表示)するようにしても良い。
【0074】
なお、上述した実施形態では、モノクロ専用カセットを設定する場合の動作例を説明したが、画像形成装置は、カラー専用のカセットを設定するようにしても良い。たとえば、カラー専用のカセットを設定する形態によれば、画像形成装置は、カラー印刷用の高価な用紙をセットした給紙カセットから給紙した用紙にはモノクロ印刷を行わないように制御することが可能となる。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に本件出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
用紙を供給する複数の給紙部と、
モノクロ印刷専用の給紙部を設定する設定手段と、
前記設定手段によりモノクロ印刷専用に設定されていない給紙部から給紙する用紙にカラー画像を印刷する画像形成手段と、
前記設定手段によりモノクロ印刷専用に設定された給紙部から給紙する用紙に対するカラー印刷を禁止する禁止手段と、
を有する画像形成装置。
[2]
さらに、カラー印刷に用いる給紙部を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定されたカラー印刷に用いる給紙部が前記設定手段によりモノクロ専用に設定されているか否かを判別する判別手段と、を有し、
前記画像形成手段は、前記判別手段により前記指定された給紙部がモノクロ専用に設定されていないと判別した場合、前記指定された給紙部から給紙する用紙にカラー画像を印刷し、
前記禁止手段は、前記判別手段により前記指定された給紙部がモノクロ専用に設定されていると判別した場合、前記カラー印刷を禁止する、
前記[1]に記載の画像形成装置。
[3]
さらに、前記カラー印刷に用いる給紙部を自動選択する自動給紙モードである場合、前記モノクロ専用に設定されておらず、かつ、前記印刷対象にマッチした用紙を供給可能な給紙部が存在するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によりモノクロ専用でなく、かつ、印刷対象にマッチした用紙を供給可能と判断した給紙部からカラー印刷に用いる給紙部を選択する選択手段と、を有し、
前記画像形成手段は、前記選択手段が選択する給紙部から給紙する用紙にカラー画像を印刷し、
前記禁止手段は、前記判断手段により前記モノクロ専用に設定されておらず、かつ、印刷対象にマッチした用紙を供給可能な給紙部が存在しないと判断した場合、前記カラー印刷を禁止する、
前記[1]又は[2]の何れか1項に記載の画像形成装置。
[4]
さらに、前記禁止手段によりカラー印刷を禁止する場合、当該カラー印刷に用いる給紙部を前記モノクロ専用以外の給紙部に変更する旨の案内を報知する報知手段を有する、
前記[1]乃至[3]の何れか1項に記載の画像形成装置。
[5]
さらに、前記禁止手段によりカラー印刷を禁止する場合、前記カラー印刷をモノクロ印刷に変更する旨の案内を報知する報知手段を有する、
前記[1]乃至[4]の何れか1項に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0076】
1…スキャナ、2…プリンタ、4…操作パネル、4a…表示部、5…システム制御部、25Y、25M、25C、25K…画像形成部(画像形成手段)、51…システムCPU、54…不揮発性メモリ(NVM)、57…外部インターフェース、61…プリンタCPU。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8