特許第5764593号(P5764593)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5764593オーダ端末、端末監視装置及び端末監視プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764593
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】オーダ端末、端末監視装置及び端末監視プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
   G07G1/12 361C
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-33749(P2013-33749)
(22)【出願日】2013年2月22日
(65)【公開番号】特開2014-164443(P2014-164443A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2014年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】藪 秀二
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−226299(JP,A)
【文献】 特開2007−172436(JP,A)
【文献】 特開平07−306897(JP,A)
【文献】 特開2005−234818(JP,A)
【文献】 特開2005−190131(JP,A)
【文献】 特開2011−039962(JP,A)
【文献】 特開2007−249920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作デバイスからの操作入力によりメニューの注文を受け付けるオーダ端末で発生した操作イベントを検出する操作検出手段と、
前記操作イベントと当該操作イベントの発生時刻とを含む操作ログ情報を収集する操作ログ収集手段と、
処理イベントに対する実行条件として前記操作イベントの種類、発生回数及び制限時間が設定される監視テーブルのデータに基づき前記操作ログ収集手段により収集された前記操作ログ情報を検索して、前記実行条件として設定された前記種類の操作イベントが前記制限時間内に前記発生回数の数発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する前記処理イベントを実行させる監視手段と、
を具備したことを特徴とする端末監視装置。
【請求項2】
操作デバイスからの操作入力に応じて表示デバイスにメニューの注文に係る画面を表示させるオーダ端末で発生した画面イベントを検出する画面検出手段と、
前記画面イベントと当該画面イベントの発生時刻とを含む画面ログ情報を収集する画面ログ収集手段と、
処理イベントに対する実行条件として前記画面イベントの種類、発生回数及び制限時間が設定される監視テーブルのデータに基づき前記画面ログ収集手段により収集された前記画面ログ情報を検索して、前記実行条件として設定された前記種類の画面イベントが前記制限時間内に前記発生回数の数発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する前記処理イベントを実行させる監視手段と、
を具備したことを特徴とする端末監視装置。
【請求項3】
操作デバイスと、
前記操作デバイスを介して入力される情報によりメニューの注文を受け付ける受付手段と、
前記操作デバイスの操作入力により発生した操作イベントを検出する操作検出手段と、
前記操作イベントと当該操作イベントの発生時刻とを含む操作ログ情報を収集する操作ログ収集手段と、
処理イベントに対する実行条件として前記操作イベントの種類、発生回数及び制限時間が設定される監視テーブルと、
前記監視テーブルのデータに基づき前記操作ログ収集手段により収集された前記操作ログ情報を検索して、前記実行条件として設定された前記種類の操作イベントが前記制限時間内に前記発生回数の数発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する処理イベントを実行させる監視手段と、
を具備したことを特徴とするオーダ端末。
【請求項4】
操作デバイスと、
この操作デバイスからの操作入力に応じてメニューの注文に係る画面を表示する表示デバイスと、
前記操作デバイスを介して入力される情報により前記メニューの注文を受け付ける受付手段と、
前記表示デバイスに前記メニューの注文に係る画面を表示させる画面イベントを検出する画面検出手段と、
前記画面イベントと当該画面イベントの発生時刻とを含む画面ログ情報を収集する画面ログ収集手段と、
処理イベントに対する実行条件として前記画面イベントの種類、発生回数及び制限時間が設定される監視テーブルと、
前記監視テーブルのデータに基づき前記画面ログ収集手段により収集された前記画面ログ情報を検索して、前記実行条件として設定された前記種類の画面イベントが前記制限時間内に前記発生回数の数発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する処理イベントを実行させる監視手段と、
を具備したことを特徴とするオーダ端末。
【請求項5】
コンピュータに、
操作デバイスからの操作入力によりメニューの注文を受け付けるオーダ端末で発生した操作イベントを検出する機能と、
前記操作イベントと当該操作イベントの発生時刻とを含む操作ログ情報を収集する機能と、
処理イベントに対する実行条件として前記操作イベントの種類、発生回数及び制限時間が設定される監視テーブルのデータに基づき前記収集された前記操作ログ情報を検索して、前記実行条件として設定された前記種類の操作イベントが前記制限時間内に前記発生回数の数発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する処理イベントを実行させる機能と、
を実現させるための端末監視プログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
操作デバイスからの操作入力に応じて表示デバイスにメニューの注文に係る画面を表示させるオーダ端末で発生した画面イベントを検出する機能と、
前記画面イベントと当該画面イベントの発生時刻とを含む画面ログ情報を収集する機能と、
処理イベントに対する実行条件として前記画面イベントの種類、発生回数及び制限時間が設定される監視テーブルのデータに基づき前記収集された前記画面ログ情報を検索して、前記実行条件として設定された前記種類の画面イベントが前記制限時間内に前記発生回数の数発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する処理イベントを実行させる機能と、
を実現させるための端末監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、飲食店のオーダ端末及びこの端末の監視装置並びにコンピュータを当該監視装置として機能させるための端末監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店向けのセルフオーダシステムが開発され、実用に供されている。このシステムは、オーダ端末と、厨房端末と、POS(Point Of Sales)端末と、各端末を制御するサーバとを含む。各端末は、無線または有線の通信手段を介してサーバに接続される。オーダ端末は、客席に設置される。オーダ端末は、操作デバイスと表示デバイスとを有する。表示デバイスには、メニュー画面が表示される。客席に着いた客は、操作デバイスを操作して、所望のメニュー品目をメニュー画面から注文する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−212749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くのメニュー品目を取扱う飲食店のセルフオーダシステムでは、メニュー画面が階層構造となっている。このため、オーダ端末の操作に不慣れな客は、メニュー品目を円滑に注文できない。
【0005】
一実施形態が解決しようとする課題は、オーダ端末の操作状況に応じて適切なサービスを提供できる端末監視装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、端末監視装置は、操作検出手段と、操作ログ収集手段と、監視手段とを含む。操作検出手段は、操作デバイスからの操作入力によりメニューの注文を受け付けるオーダ端末で発生した操作イベントを検出する。操作ログ収集手段は、操作イベントと当該操作イベントの発生時刻とを含む操作ログ情報を収集する。監視手段は、処理イベントに対する実行条件として操作イベントの種類、発生回数及び制限時間が設定される監視テーブルのデータに基づ操作ログ収集手段により収集された前記操作ログ情報を検索して、実行条件として設定された種類の操作イベントが制限時間内に発生回数の数発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する処理イベントを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】セルフオーダシステムの概略図。
図2】オーダ端末の構成を示すブロック図。
図3】ディスプレイに表示される一般的な画像の遷移例を示す模式図。
図4】オーダ端末のCPUが有する端末監視機能を示すブロック図。
図5】操作ログファイルに保存される操作ログ情報のレコードフォーマットを示す模式図。
図6】画面ログファイルに保存される画面ログ情報のレコードフォーマットを示す模式図。
図7】監視テーブルのデータ構造を示す模式図。
図8】端末監視プログラムに従って実行するCPUの処理手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、端末監視装置の一実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、飲食店のセルフオーダシステムに用いられるオーダ端末を監視するものであり、オーダ端末が自らの監視機能を搭載した場合である。
【0009】
図1は、セルフオーダシステム10の概略図である。セルフオーダシステム10は、複数台のオーダ端末11と、厨房端末12と、POS端末13と、注文管理サーバ14と、無線基地局15と、表示装置16とを含む。注文管理サーバ14は、LAN(Local Area Network)17を介して、厨房端末12、POS端末13、無線基地局15及び表示装置16を有線で接続する。また注文管理サーバ14は、無線基地局15を介して各オーダ端末11を無線で接続する。
【0010】
なお、注文管理サーバ14と、厨房端末12、POS端末13、無線基地局15または表示装置16との接続は、有線でなく無線であってもよい。また、注文管理サーバ14と各オーダ端末11との接続は、無線でなく有線であってもよい。
【0011】
オーダ端末11は、飲食店の各客席にそれぞれ設置される。オーダ端末11は、少なくとも操作デバイスと表示デバイスとを有する。表示デバイスには、少なくともメニュー画面が表示される。客席に着いた客は、操作デバイスを操作して、所望のメニュー品目をメニュー画面から注文する。オーダ端末11は、無線回路を内蔵しており、注文されたメニュー品目に係るデータ、いわゆる注文データを無線送信する。
【0012】
無線基地局15は、各オーダ端末11と無線通信ができるように、例えば客席の天井部に取り付けられる。無線基地局15は、各オーダ端末11から無線送信される注文データを受信し、LAN17を介して注文管理サーバ14に転送する。
【0013】
注文管理サーバ14は、各オーダ端末11から受信した注文データを客別に記憶する。また注文管理サーバ14は、注文データから注文を受けたメニュー品目を特定し、このメニュー品目を識別するデータを厨房端末12に送信する。
【0014】
厨房端末12は、厨房に設置される。厨房端末12は、注文管理サーバ14からのデータから識別されるメニュー品目、つまりは注文を受けたメニュー品目の情報を出力する。出力方式は、表示、印字、音声のいずれであってもよい。あるいは1以上の出力方式を組み合わせてもよい。厨房の調理担当者は、厨房端末12から出力される情報により注文を受けたメニュー品目を把握し、調理を開始する。
【0015】
POS端末13は、会計場(レジ)に設置される。POS端末13は、客を特定するデータとして例えば客席番号の入力を受け付ける。客席番号の入力に応じて、POS端末13は、注文管理サーバ14にその客席番号を送信する。注文管理サーバ14は、記憶部に記憶された客別の注文データのなかから、受信した客席番号の客席に着いている客の注文データを検出する。注文管理サーバ14は、検出した注文データを、LAN17を介してPOS端末13に送信する。POS端末13は、受信した注文データを基に飲食代金を算出し、この飲食代金の会計を処理する。
【0016】
表示装置16は、接客担当者に対して様々な情報を表示するために、客席内の所定の場所に設置される。表示装置16の台数は、1台に限定されるものではない。客席内の複数個所に、それぞれ表示装置16が設置されていてもよい。同様に、厨房端末12、無線基地局15、POS端末13の台数も1台に限定されるものではなく、店の規模に応じて適宜増設することができる。
【0017】
図2は、オーダ端末11の構成を示すブロック図である。オーダ端末11は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、補助記憶部24、時計部25、無線回路26及びタッチパネル27を含む。CPU21には、アドレスバス及びデータバスを含むシステムバス28が接続される。そしてこのシステムバス28に、ROM22、RAM23、補助記憶部24及び時計部25が接続される。また、無線回路26及びタッチパネル27は、図示しない入出力回路を介してシステムバス28に接続される。
【0018】
コンピュータの中枢部分に相当するCPU21は、所定のプログラムに従い、オーダ端末11として必要な演算処理を実行する。コンピュータの主記憶部分に相当するROM22は、上記プログラム等の固定的なデータを記憶する。同じくコンピュータの主記憶部分に相当するRAM23は、注文データ等の可変的なデータを記憶する。コンピュータの補助記憶部分に相当する補助記憶部24は、プログラム、データファイル等を記憶する。また補助記憶部24は、電源オフ時のデータバックアップ領域としても機能する。HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等が、補助記憶部として適用される。時計部25は、現在の日付及び時刻を計時する。無線回路26は、無線基地局15との間で無線によるデータの送受信を実行する。
【0019】
タッチパネル27は、表示デバイスであるパネル型のディスプレイ27dと、操作デバイスであるタッチセンサ27tとを含む。タッチセンサ27tは、ディスプレイ27dの画面に重ねて配置されており、タッチ操作された画面上の位置を検出する。
【0020】
図3は、ディスプレイ27dに表示される一般的な画像の遷移例を示す模式図である。オーダ端末11がアイドル状態のとき、ディスプレイ27dの画面には、待受け画像51が表示される。この待受け画像51が表示されている画面の任意の場所がタッチされたことをタッチセンサ27tが検出した場合、画面は、待受け画像51からメニュー画像52に切り替わる。
【0021】
メニュー画像52は、階層構造となっている。1階層目のメニュー画像52-1には、サラダ類、焼き物類、揚げ物類、飲料類等のように、メニュー品目を分類するカテゴリの選択ボタンが表示される。2階層目以降のメニュー画像52-2,52-3,…には、選択されたカテゴリに属するメニュー品目の選択ボタンが表示される。
【0022】
例えば、メニュー画像52-1で飲料類が選択された場合、ビール類、日本種類、焼酎類、ソフトドリンク類等の飲料に属するカテゴリを選択するためのボタンが配置された2階層目のメニュー画像52-2が表示される。さらに、このメニュー画像52-2でビール類が選択された場合には、ビールの銘柄を選択するためのボタンが配置された3階層目のメニュー画像52-3が表示される。
【0023】
メニュー画像52には、確認ボタンと会計ボタンの画像も表示される。確認ボタンがタッチされたことをタッチセンサ27tが検出した場合、画面は、メニュー画像52から注文状況画像53に切り替わる。注文状況画像53には、当該オーダ端末11を操作して客が注文したメニュー品目の係る情報が表示される。情報には、例えば調理中なのか配膳済なのかといった内容も含まれる。注文状況画像53は、例えば一定時間表示されると消去され、画面はメニュー画像52に戻る。
【0024】
会計ボタンがタッチされたことをタッチセンサ27tが検出した場合、画面は、メニュー画像52から会計画像54に切り替わる。会計画像54には、当該オーダ端末11を操作して客が注文したメニュー品目の明細と合計金額が表示される。会計画像54は、例えば一定時間表示されると消去され、画面は待受け画像51に戻る。
【0025】
ここに、オーダ端末11は、メニュー画像52をディスプレイ27dに表示させ、タッチセンサ27tを介して入力される情報によりメニューの注文を受け付ける受付手段を備える。
【0026】
CPU21は、端末監視機能30を備える。端末監視機能30は、端末監視プログラムによって実現される。端末監視プログラムは、プログラム記憶部であるROM22または補助記憶部24に記憶される。
【0027】
図4は、端末監視機能30を示すブロック図である。端末監視機能30は、操作検出手段31、操作ログ検出手段32、画面検出手段33、表示ログ検出手段34、監視テーブル35及び監視手段35を含む。
【0028】
操作検出手段31は、操作デバイスであるタッチセンサ27tからの操作入力によりオーダ端末11で発生した操作イベントを検出する。操作ログ検出手段32は、操作イベントと当該操作イベントの発生時刻とを含む操作ログ情報を収集する。収集された操作ログ情報は、操作ログファイル41に保存される。
【0029】
画面検出手段33は、表示デバイスであるディスプレイ27dに表示される画面イベントを検出する。表示ログ検出手段34は、画面イベントと当該画面イベントの発生時刻とを含む画面ログ情報を収集する。収集された画面ログ情報は、画面ログファイル42に保存される。
【0030】
監視手段35は、処理イベントの実行条件と制限時間とを記憶する監視テーブル43に基づき、操作ログファイル41に収集された操作ログ情報を参照する。そして監視手段35は、実行条件を満たす操作イベントが制限時間内に発生したか監視し、発生した場合に、オーダ端末11に対してその実行条件に対する処理イベントを実行させる。また、監視手段35は、前記監視テーブル43に基づき、画面ログファイル42に収集された画面ログ情報を参照する。そして監視手段35は、実行条件を満たす画面イベントが制限時間内に発生したか監視し、発生した場合に、オーダ端末11に対してその実行条件に対する処理イベントを実行させる。
【0031】
前記操作ログファイル41、画面ログファイル42及び監視テーブル43は、補助記憶部24に格納される。
図5は、操作ログファイル41に保存される操作ログ情報41rのレコードフォーマットを示す模式図である。図示するように、操作ログ情報41rは、操作イベントViを特定する情報(イベント名、イベントコード等)と、そのイベントが発生した時刻情報(時分秒)とを含む。操作ログファイル41は、操作ログ情報41rを例えば発生時刻が遅い順に保存する。
【0032】
図6は、画面ログファイル42に保存される画面ログ情報42rのレコードフォーマットを示す模式図である。図示するように、画面ログ情報42rは、画面イベントWiを特定する情報(イベント名、イベントコード等)と、そのイベントが発生した時刻情報(時分秒)とを含む。画面ログファイル42は、画面ログ情報42rを例えば発生時刻が遅い順に保存する。
【0033】
図7は、監視テーブル43のデータ構造を示す模式図である。図示するように、監視テーブル43は、実行条件のデータ領域43aと、制限時間のデータ領域43bと、処理イベントのデータ領域43cとに区分される。データ領域43aには、対応する処理イベントの実行条件である操作イベントまたは画面イベントに関するデータがセットされる。データ領域43bには、対応する実行条件の成立に至る制限時間がセットされる。データ領域43cには、対応する制限時間内に対応する成立条件が成立した場合に実行される処理イベントを特定する情報(イベント名、イベントコード等)がセットされる。
【0034】
因みに、図7に示す監視テーブル43の1ライン目には、制限時間T1内に操作イベントV1がm回発生した場合に処理イベントY1を実行することを示すデータが格納されている。2ライン目には、制限時間T2内に画面イベントW1がn回発生した場合に、処理イベントY2を実行することを示すデータが格納されている。3ライン目には、制限時間T3内に画面イベントW2に続いて画面イベントW3が発生した場合に、処理イベントY3を実行することを示すデータが格納されている。
【0035】
図8は、端末監視プログラムに従って実行するCPU21の処理手順を示す流れ図である。CPU21は、操作イベントViが発生するのを待機する(Act1)。タッチセンサ27tからの信号により画面がタッチ操作されたことを検出した場合、CPU21は、操作イベントViが発生したと判断する(Act1にてYES:操作検出手段21)。そしてCPU21は、画面の状態とタッチ位置とから操作イベントViを認識し、この操作イベントViを特定する情報と時計部25から読み込んだ時刻情報とから操作ログ情報41rを生成する(Act2)。CPU21は、操作ログ情報41rを操作ログファイル41に書き込む(Act3:操作ログ収集手段32)。
【0036】
CPU21は、上記操作イベントViに応じて画面イベントWiが発生したか否かを判断する(Act4)。画面イベントWiが発生していない場合(Act4にてNO)、CPU21はAct1の処理に戻り、次の操作イベントViを待機する。
【0037】
画面イベントWiが発生した場合(Act4にてYES:画面検出手段)、CPU21は、その画面イベントWiを特定する情報と時計部25から読み込んだ時刻情報とから画面ログ情報42rを生成する(Act5)。CPU21は、画面ログ情報42rを画面ログファイル42に書き込む(Act6:画面ログ収集手段34)。
【0038】
CPU21は、監視テーブル43のデータ領域43a,43b,43cに設定されている実行条件,制限時間及び処理イベントの各情報を読み出す(Act7)。そしてCPU21は、操作ログファイル41及び画面ログファイル42に保存された操作ログ情報41r及び画面ログ情報42rを検索して、上記制限時間内に上記実行条件を満足するイベントが発生したか否かを確認する(Act8)。実行条件を満足するイベントが1つも発生していない場合(Act8にてNO)、CPU21は、Act1の処理に戻り、次の操作イベントViを待機する。
【0039】
実行条件を満足するイベントが少なくとも1つ発生していた場合(Act8にてYES)、CPU21は、対応する処理イベントYiを認識する。そしてCPU21は、この処理イベントYiを実行させる(Act9:監視手段35)。しかる後、CPU21は、Act1の処理に戻り、次の操作イベントViを待機する。
【0040】
以下、実行条件、制限時間及び処理イベントの具体例について説明する。
【0041】
[具体例1]
・実行条件:注文以外の操作イベントが100回
・制限時間:3分
・処理イベント:店員の呼び出し
上記具体例1の場合、注文を指令する操作イベント以外の操作イベントが3分間に100回発生した場合、処理イベントとしてオーダ端末11から店員呼出コマンドが無線送信される。因みに、注文を指令する操作イベントは、メニュー画像52-1からメニュー品目が選択された状態で、注文ボタンがタッチされると発生する。
【0042】
オーダ端末11において、注文を指令する操作イベント無しに操作イベントが3分間に100回も発生するという事象は、客がメニュー品目の注文操作に迷っていると考えられる。このような場合、本実施形態では、オーダ端末11から店員呼出コマンドが無線送信される。上記店員呼出コマンドは、無線基地局15を介して注文管理サーバ14に送られる。上記店員呼出コマンドには、コマンド送信元のオーダ端末11を識別する情報が含まれる。注文管理サーバ14は、上記店員呼出コマンドに応じて、表示装置16にコマンド送信元のオーダ端末11が設置されている客席の情報を表示させる。この情報により、接客担当者は、該当する客席に出向いて、操作を迷っている客に適切なアドバイスをすることができる。
【0043】
[具体例2]
・実行条件:注文状況画像の画面イベントが5回
・制限時間:2分
・処理イベント:店員の呼び出し
上記具体例2の場合、注文状況画像53をディスプレイ27dに表示させる画面イベントが5分間に5回発生した場合、処理イベントとしてオーダ端末11から店員呼出コマンドが無線送信される。因みに、注文状況画像53を表示させる画面イベントは、メニュー画像52において確認ボタンがタッチされると発生する。
【0044】
オーダ端末11において、注文状況画像53を5分間に5回も表示させるという事象は、注文したメニュー品目の配膳が遅れていると考えられる。このような場合も、本実施形態では、オーダ端末11から店員呼出コマンドが無線送信される。その結果、表示装置16にコマンド送信元のオーダ端末11が設置されている客席の情報が表示される。この情報により、接客担当者は、該当する客席に出向いて、配膳が遅れているメニュー品目がないか確認できる。
【0045】
[具体例3]
・実行条件:ビール類に属するメニュー品目の注文を受け付けるメニュー画面の画面イベントから、揚げ物類に属するメニュー品目の注文を受け付けるメニュー画面の画面イベントに遷移
・制限時間:2分
・処理イベント:から揚げ20%引き
上記具体例3の場合、ビール類に属するメニュー品目の注文を受け付けるメニュー画面を表示させる画面コマンドから2分以内に、揚げ物類に属するメニュー品目の注文を受け付けるメニュー画面を表示させる画面コマンドが発生した場合、処理イベントとして「から揚げ20%引き」の情報がディスプレイ27dに表示される。この状態で、揚げ物類に属するメニュー品目の中から「から揚げ」が選択されると、このメニュー品目「から揚げ」の注文データに対して20%引きのクーポン情報が追加される。このクーポン情報は、メニュー品目「から揚げ」の注文データとともに注文管理サーバ14に送られる。その結果、POS端末13では、会計処理の際に、メニュー品目「から揚げ」の販売金額が20%値引される。
【0046】
すなわち、ビール類のメニュー品目を確認してから2分以内に揚げ物類のメニュー品目を確認した客に対して「から揚げ20%引き」のクーポンを発行するというサービスを、店員の負担なく容易に実施することができる。
【0047】
[具体例4]
・実行条件:サラダ類に属するメニュー品目の注文を受け付けるメニュー画面の画面イベントが3回
・制限時間:2分
・処理イベント:お勧めサラダ30円引き
上記具体例4の場合、サラダ類に属するメニュー品目の注文を受け付けるメニュー画面を表示させる画面イベントが2分以内に3回発生した場合、処理イベントとして「お勧めサラダ30円引き」の情報がディスプレイ27dに表示される。この状態で、サラダ類に属するメニュー品目の中から「お勧めサラダ」が選択されると、このメニュー品目「お勧めサラダ」の注文データに対して30円引きのクーポン情報が追加される。このクーポン情報は、メニュー品目「お勧めサラダ」の注文データとともに注文管理サーバ14に送られる。その結果、POS端末13では、会計処理の際に、メニュー品目「お勧めサラダ」の販売金額が30円値引される。
【0048】
すなわち、サラダ類のメニュー品目を2分以内に3回確認した客に対して「お勧めサラダ30円引き」のクーポンを発行するサービスを、店員の負担なく容易に実施することができる。
【0049】
このように本実施形態によれば、オーダ端末11の操作状況に応じて、操作者である客に対して適切なサービスを店側から提供することができる。
【0050】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、端末監視機能30をオーダ端末11が内蔵するパターンについて説明した。必ずしも端末監視機能30をオーダ端末11が内蔵する必要はない。端末監視機能30に特化した情報処理装置、いわゆる端末監視装置を構成し、オーダ端末11と通信手段で接続することによって、端末監視装置がオーダ端末11を監視するようにしてもよい。この場合、1台の端末監視装置が同時に複数台のオーダ端末を監視できるようになる。
【0051】
また前記実施形態では、オーダ端末11の操作デバイスをタッチセンサ24tとし、表示デバイス24dをタッチパネル24のディスプレイとした。表示デバイス24dは、単体の表示装置であってもよい。この場合、操作デバイスとしてはキーボードやマウスなどが用いられる。
【0052】
さらに前記実施形態では、オーダ端末11を、客席に設置される据置型として説明した。オーダ端末11は、必ずしも据置型に限定されるものではない。ハンディターミナル等と称される可搬型のオーダ端末に対しても本実施形態は適用することができる。
【0053】
また前記実施形態は、装置内部のプログラム記憶部であるROM22または補助記憶部24に発明の機能を実現させる端末監視プログラムが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークから装置にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、装置にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0054】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]操作デバイスからの操作入力によりメニューの注文を受け付けるオーダ端末で発生した操作イベントを検出する操作検出手段と、前記操作イベントと当該操作イベントの発生時刻とを含む操作ログ情報を収集する操作ログ収集手段と、設定された処理イベントの実行条件と制限時間とに基づき、前記操作ログ収集手段により収集された前記操作ログ情報を参照して前記実行条件を満たす操作イベントが前記制限時間内に発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する処理イベントを実行させる監視手段と、を具備したことを特徴とする端末監視装置。
[2]操作デバイスからの操作入力に応じて表示デバイスにメニューの注文に係る画面を表示させるオーダ端末で発生した画面イベントを検出する画面検出手段と、前記画面イベントと当該画面イベントの発生時刻とを含む画面ログ情報を収集する画面ログ収集手段と、設定された処理イベントの実行条件と制限時間とに基づき、前記画面ログ収集手段により収集された前記画面ログ情報を参照して、前記実行条件を満たす画面イベントが前記制限時間内に発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する処理イベントを実行させる監視手段と、を具備したことを特徴とする端末監視装置。
[3]操作デバイスと、前記操作デバイスを介して入力される情報により前記メニューの注文を受け付ける受付手段と、前記操作デバイスの操作入力により発生した操作イベントを検出する操作検出手段と、前記操作イベントと当該操作イベントの発生時刻とを含む操作ログ情報を収集する操作ログ収集手段と、設定された処理イベントの実行条件と制限時間とに基づき、前記操作ログ収集手段により収集された前記操作ログ情報を参照して、前記実行条件を満たす操作イベントが前記制限時間内に発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する処理イベントを実行させる監視手段と、を具備したことを特徴とするオーダ端末。
[4]操作デバイスと、この操作デバイスからの操作入力に応じてメニューの注文に係る画面を表示する表示デバイスと、前記操作デバイスを介して入力される情報により前記メニューの注文を受け付ける受付手段と、前記表示デバイスに前記メニューの注文に係る画面を表示させる画面イベントを検出する画面検出手段と、前記画面イベントと当該画面イベントの発生時刻とを含む画面ログ情報を収集する画面ログ収集手段と、設定された処理イベントの実行条件と制限時間とに基づき、前記画面ログ収集手段により収集された前記画面ログ情報を参照して、前記実行条件を満たす画面イベントが前記制限時間内に発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する処理イベントを実行させる監視手段と、を具備したことを特徴とするオーダ端末。
[5]コンピュータに、操作デバイスからの操作入力によりメニューの注文を受け付けるオーダ端末で発生した操作イベントを検出する機能と、前記操作イベントと当該操作イベントの発生時刻とを含む操作ログ情報を収集する機能と、設定された処理イベントの実行条件と制限時間とに基づき、前記収集された前記操作ログ情報を参照して、前記実行条件を満たす操作イベントが前記制限時間内に発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する処理イベントを実行させる機能と、を実現させるための端末監視プログラム。
[6]コンピュータに、操作デバイスからの操作入力に応じて表示デバイスにメニューの注文に係る画面を表示させるオーダ端末で発生した画面イベントを検出する機能と、前記画面イベントと当該画面イベントの発生時刻とを含む画面ログ情報を収集する機能と、設定された処理イベントの実行条件と制限時間とに基づき、前記収集された前記画面ログ情報を参照して、前記実行条件を満たす画面イベントが前記制限時間内に発生したか監視し、発生した場合にその実行条件に対する処理イベントを実行させる機能と、を実現させるための端末監視プログラム。
【符号の説明】
【0055】
10…オーダエントリシステム、11…オーダ端末、21…CPU、27…タッチパネル、30…補助記憶機能、31…操作検出手段、32…操作ログ収集手段、33…画面検出手段、34…画面ログ収集手段、35…監視手段、41…操作ログファイル、42…画面ログファイル、43…監視テーブル。
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