特許第5764595号(P5764595)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764595
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】注文受付装置及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20150730BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   G07G1/12 361C
   G07G1/01 301D
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-34786(P2013-34786)
(22)【出願日】2013年2月25日
(65)【公開番号】特開2014-164506(P2014-164506A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2014年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】川本 剛士
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−134673(JP,A)
【文献】 特開2010−039889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも入力部、表示部、記憶部、通信部及び各部を制御する制御部を備えた注文受付装置において、
前記制御部は、
前記入力部の入力により商品の注文を受け付ける通常注文受付手段と、
この通常注文受付手段で受け付けた商品の注文データを前記記憶部に格納する格納手段と、
前記通信部を介して前記記憶部に格納された前記注文データをサーバに送信する通信手段と、
前記通信部を介して接続される他の注文受付装置の中で同一グループに設定された前記他の注文受付装置の前記記憶部に格納された前記注文データを、前記通信部を介して収集する収集手段と、
この収集手段により前記他の注文受付装置から収集した前記注文データに基づいて、前記他の注文受付装置での注文状況を表わす画面を前記表示部に表示させる注文状況表示手段と、
前記他の注文受付装置から収集した前記注文データには存在するが、前記記憶部に格納された前記注文データには存在しない商品を抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出された商品の情報を前記表示部に表示させる不足商品表示手段と、
を具備したことを特徴とする注文受付装置。
【請求項2】
前記抽出手段により抽出された商品の注文を受け付ける不足注文受付手段、をさらに具備したことを特徴とする請求項記載の注文受付装置。
【請求項3】
前記収集手段により前記他の注文受付装置から収集した前記注文データと前記記憶部に格納された前記注文データとから、注文した商品の合計データを算出する算出手段と、
この算出手段により算出された合計データを前記表示部に表示させる合計表示手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1または2に記載の注文受付装置。
【請求項4】
前記通信部を介して接続される他の注文受付装置に対してグループ化を要求する要求手段と、
前記要求手段によりグループ化を要求した前記他の注文受付装置から前記グループ化の要求があるとき、当該他の注文受付装置が同一グループであると設定する設定手段と、
さらに具備したことを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか1に記載の注文受付装置。
【請求項5】
少なくとも入力部、表示部、記憶部、通信部及び各部を制御する制御部を備えた注文受付装置において、
前記制御部は、
前記入力部の入力により商品の注文を受け付ける通常注文受付手段と、
この通常注文受付手段で受け付けた商品の注文データを前記記憶部に格納する格納手段と、
前記通信部を介して前記記憶部に格納された前記注文データをサーバに送信する通信手段と、
前記通信部を介して接続される他の注文受付装置の中で同一グループに設定された前記他の注文受付装置の前記記憶部に格納された前記注文データを、前記通信部を介して収集する収集手段と、
前記他の注文受付装置から収集した前記注文データには存在するが、前記記憶部に格納された前記注文データには存在しない商品を抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出された商品の情報を前記表示部に表示させる不足商品表示手段と、
を具備したことを特徴とする注文受付装置。
【請求項6】
少なくとも入力部、表示部、記憶部及び通信部を備えたコンピュータに、
前記入力部の入力により商品の注文を受け付ける機能と、
注文を受け付けた商品の注文データを前記記憶部に格納する機能と、
前記通信部を介して前記記憶部に格納された前記注文データをサーバに送信する機能と、
前記通信部を介して接続される他の注文受付装置の中で同一グループに設定された前記他の注文受付装置の前記記憶部に格納された前記注文データを、前記通信部を介して収集する機能と、
前記他の注文受付装置から収集した前記注文データに基づいて、前記他の注文受付装置での注文状況を表わす画面を前記表示部に表示させる機能と、
前記他の注文受付装置から収集した前記注文データには存在するが、前記記憶部に格納された前記注文データには存在しない商品を抽出する機能と、
前記抽出された商品の情報を前記表示部に表示させる機能と、
を実現させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、客が飲食するメニュー品目の注文を受け付ける注文受付装置及びこの装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店向けのセルフオーダシステムが開発され、実用に供されている。このシステムは、オーダ端末と、厨房端末と、POS(Point Of Sales)端末と、各端末を制御するサーバとを含む。各端末は、無線または有線の通信手段を介してサーバに接続される。
【0003】
注文受付装置として機能するオーダ端末は、客席にそれぞれ設置される。オーダ端末は、操作デバイスと表示デバイスとを有する。表示デバイスには、メニュー画面が表示される。客席に着いた客は、操作デバイスを操作して、メニュー画面に表示されるメニュー品目の中から注文したいメニュー品目を選択する。選択されたメニュー品目のデータは、通信手段を介してサーバに送信され、受注処理される。
【0004】
ところでグループ客の場合、人数や混み具合によっては複数の客席に分かれることがある。このような場合でも、セルフオーダシステムが構築された飲食店では、客席毎にオーダ端末を利用して客自身が注文を行う。このため、例えばグループのメンバーが他の席でどのような注文をしたのかを把握することは容易ではない。また、会計の前にグループ全体で飲食代金の総額がいくらになるのかをメンバーが即座に把握することも困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−079380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一実施形態が解決しようとする課題は、グループの客が複数の客席に分かれた場合に、他の席に着いたメンバーの注文状況を自席から容易に把握できる注文受付装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、注文受付装置は、少なくとも入力部、表示部、記憶部、通信部及び各部を制御する制御部を備える。制御部は、通常注文受付手段、格納手段、通信手段、収集手段注文状況表示手段、抽出手段及び不足商品表示手段を有する。
通常注文受付手段は、入力部の入力により商品の注文を受け付ける。格納手段は、通常注文受付手段で受け付けた商品の注文データを記憶部に格納する。通信手段は、通信部を介して記憶部に格納された注文データをサーバに送信する。収集手段は、通信部を介して接続される他の注文受付装置の中で同一グループに設定された他の注文受付装置の記憶部に格納された前記注文データを、通信部を介して収集する。注文状況表示手段は、収集手段により他の注文受付装置から収集した注文データに基づいて、他の注文受付装置での注文状況を表わす画面を表示部に表示させる。抽出手段は、他の注文受付装置から収集した注文データには存在するが、記憶部に格納された注文データには存在しない商品を抽出する。不足商品表示手段は、抽出手段により抽出された商品の情報を表示部に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】セルフオーダシステムの全体構成図。
図2】オーダ端末の構成を示すブロック図。
図3】オーダ端末のRAMに形成される主要なデータエリアを示す模式図。
図4】注文受付プログラムに従ってオーダ端末のCPUが実行する情報処理手順を示す流れ図。
図5図4におけるグループ化処理の具体的な手順を示す流れ図。
図6図4における選択業務処理のなかのグループ注文確認処理の具体的な手順を示す流れ図。
図7図4における選択業務処理のなかのグループ会計確認処理の具体的な手順を示す流れ図。
図8】オーダ端末のタッチパネルに表示されるグループ卓選出画面の一例を示す図。
図9】オーダ端末のタッチパネルに表示されるグループ卓結果画面の一例を示す図。
図10】オーダ端末のタッチパネルに表示される注文確認画面の一例を示す図。
図11】オーダ端末のタッチパネルに表示される未注文確認画面の一例を示す図。
図12】オーダ端末のタッチパネルに表示される合計確認画面の一例を示す図。
図13】オーダ端末のタッチパネルに表示される合計確認画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、注文受付装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態では、飲食店に配置された各客席の食卓上にそれぞれ設置され、客席に着いた客が自ら操作してメニュー品目を注文するテーブルオーダ端末(以下、単にオーダ端末と称する)を、注文受付装置の一態様として例示する。
【0010】
図1は、オーダ端末16を用いたセルフオーダシステム1の全体構成図である。本システム1は、注文管理サーバ11と、厨房端末12と、伝票発行器13と、POS(Point Of Sales)端末14と、無線基地局(アクセスポイント)15と、複数台のオーダ端末16とを含む。
【0011】
各オーダ端末16は、それぞれ各客席の食卓18上に設置される。食卓18には、予め固有の卓番号#01,#02,#03,…が割当てられており、その食卓18上に設置されているオーダ端末16にも、同様の卓番号#01,#02,#03,…が設定されている。各オーダ端末16は、通信部として無線回路26(図2参照)を搭載しており、無線基地局15との間で無線によるデータの送受信が可能である。
【0012】
厨房端末12は、厨房内に設置される。伝票発行器13は、例えば厨房と客席エリアとを仕切るカウンタに設置される。POS端末14は、会計場(レジ)に設置される。無線基地局15は、客席エリアの例えば天井部に設置される。なお、厨房端末12、伝票発行器13、POS端末14及び無線基地局15は、1台に限定されるものではない。店の規模等に応じて、2台以上設置されてもよい。
【0013】
前記厨房端末12、伝票発行器13、POS端末14及び無線基地局15は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク17を介して注文管理サーバ11に接続される。
【0014】
注文管理サーバ11は、各オーダ端末16で注文を受け付けたメニュー品目の注文データを、無線基地局15を介して受信すると、その注文データを記憶デバイスで保存する。また注文管理サーバ11は、上記注文データに基づいて調理指示データを作成し、ネットワーク17を介して厨房端末12に送信する。さらに注文管理サーバ11は、上記注文データに基づいて注文伝票データを作成し、ネットワークを介して伝票発行器13に送信する。
【0015】
厨房端末12は、上記調理指示データに基づいて、注文を受けたメニュー品目の調理指示を表示または印字によって行う。伝票発行器13は、上記注文伝票データに基づいて、客席単位の注文伝票を印刷し発行する。この注文伝票には、客が注文したメニュー品目の明細や合計金額等とともに、その客が着いた客席の卓番号が印刷される。
【0016】
POS端末14は、会計を行う客を識別可能な識別データとして、卓番号の入力手段を有する。POS端末14を操作する店員は、客の注文伝票に印刷されている卓番号を入力する。卓番号が入力されたことに応じて、POS端末14は、ネットワーク17を介して注文管理サーバ11に注文データの要求コマンドを送信する。このコマンドを受けて、注文管理サーバ11は、記憶デバイスに保存されている注文データを検索する。そして注文管理サーバ11は、要求された注文データを、ネットワーク17を介してPOS端末14に送信する。POS端末14は、上記注文データに基づいて、飲食を終えた客の会計を処理する。
【0017】
図2は、オーダ端末16の構成を示すブロック図である。オーダ端末16は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、補助記憶部24、時計部25、無線回路26及びタッチパネル27を含む。CPU21には、アドレスバス及びデータバスを含むシステムバス28が接続される。そしてこのシステムバス28に、ROM22、RAM23、補助記憶部24及び時計部25が接続される。また、無線回路26及びタッチパネル27は、図示しない入出力回路を介してシステムバス28に接続される。
【0018】
コンピュータの中枢部分に相当するCPU21は、所定のプログラムに従い、オーダ端末16として必要な演算処理を実行する。コンピュータの主記憶部分に相当するROM22は、上記プログラム等の固定的なデータを記憶する。同じくコンピュータの主記憶部分に相当するRAM23は、入力データ、表示データ等の可変的なデータを記憶する。コンピュータの補助記憶部分に相当する補助記憶部24は、プログラム、データファイル等を記憶する。また補助記憶部24は、電源オフ時のデータバックアップ領域としても機能する。HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等が、補助記憶部として適用される。時計部25は、現在の日付及び時刻を計時する。通信部として機能する無線回路26は、無線基地局15との間で無線通信を利用してデータを送信または受信する。
【0019】
タッチパネル27は、表示デバイスであるパネル型のディスプレイ27dと、操作デバイスであるタッチセンサ27tとを含む。タッチセンサ27tは、ディスプレイ27dの画面に重ねて配置されており、タッチ操作された画面上の位置を検出する。ここに、タッチパネル27は、入力部及び表示部として機能する。
【0020】
補助記憶部24が記憶するデータファイルの1つに、商品ファイル31がある。商品ファイル31には、商品である各メニュー品目のデータとして、メニュー品目固有の商品コード、価格、品目画像等が保存される。また、補助記憶部24が記憶するデータファイルの1つに、卓番号ファイル32がある。この卓番号ファイル32には、当該オーダ端末16が設置されている客席の食卓18に割当てられた卓番号が保存される。
【0021】
図3は、RAM23に形成される主要なデータエリアを示す模式図である。図示すように、RAM23には、注文メモリ41、フラグメモリ42及びグループメモリ43としてのデータエリアが少なくとも形成される。
【0022】
注文メモリ41は、客席に着いた客の注文に係るデータとして、少なくとも人数データ、注文データ及び合計データを記憶する。人数データは、客の人数である。注文データは、客が注文したメニュー品目の商品コード、注文数等である。合計データは、客が注文したメニュー品目の合計金額である。ここに、注文メモリ41は、記憶部として機能する。
【0023】
フラグメモリ42は、客席が在席状態にあるか否かを識別するための在席フラグEFを記憶する。在席状態とは、客席に着いた客の注文を受けてから会計が終わるまでをいう。本実施形態では、在席状態にあるとき在席フラグEFが“1”となり、在席状態にないとき在席フラグEFが“0”となる。
【0024】
グループメモリ43は、グループ卓番号とグループフラグGFとを関連付けて記憶する。グループ卓番号は、当該オーダ端末16が設置されている客席に着いた客と同じグループに属する客が着いた他の客席の卓番号である。グループフラグGFは、当該オーダ端末16が設置されている客席の客と、対応するグループ卓番号で識別される客席の客との間でグループ化が成立しているか否かを識別する情報である。本実施形態では、グループ化が成立していないときグループフラグGFが“0”となり、グループ化が成立するとグループフラグGFが“1”となる。
【0025】
かかる構成の各オーダ端末16において、制御部として機能するCPU21は、それぞれ注文受付機能50(図2を参照)を有する。この機能50は、プログラム記憶部であるROM22または補助記憶部24に格納された注文受付プログラムにより実現される。
【0026】
図4は、注文受付プログラムに従ってCPU21が実行する情報処理手順を示す流れ図である。注文受付プログラムの起動によりこの処理が開始されると、CPU21は、タッチパネル27のディスプレイ27dに待受け画面を表示させる(Act1)。そしてCPU21は、ディスプレイ27dがタッチされるのを待機する(Act2)。
【0027】
待受け画面には、客席に着いた客に対して、例えばメニュー品目を注文する際には画面にタッチすることを指示する画像が表示されている。タッチセンサ27tにより画面のタッチ操作が検知されたならば(Act2にてYES)、CPU21は、在席フラグEFを調べる(Act3)。最初の注文の際、在席フラグEFは“0”にリセットされている。
【0028】
在席フラグEFが“0”にリセットされている場合(Act3にてYES)、CPU21は、ディスプレイ27dの画面をグループ化画面に切り替える(Act4)。この画面には、席が分かれてしまった同一グループの客とグループ化するか否かを客に問い合わせるメッセージと、「グループ化する」及び「グループ化しない」の各選択ボタンとが表示される。
【0029】
CPU21は、「グループ化する」または「グループ化しない」のいずれかの選択ボタンがタッチされるのを待機する(Act5)。あるいは、いずれか一方のボタン、例えばグループ化しない」の選択ボタンをデフォルトと設定し、一定時間が経過してもボタンがタッチされない場合、CPU21は、デフォルトの選択ボタンがタッチされたものと認識する。
【0030】
「グループ化する」の選択ボタンがタッチされた場合には(Act5にてYES)、CPU21は、Act6の処理を実行した後、Act7の処理に進む。これに対し、「グループ化しない」の選択ボタンがタッチされた場合には(Act5にてNO)、CPU21は、Act6の処理を実行せずにAct7の処理に進む。
【0031】
Act6では、グループ化処理が実行される。
図5は、グループ化処理の具体的な手順を示す流れ図である。グループ化処理に入ると、CPU21は、ディスプレイ27dの画面をグループ卓選出画面60に切り替える(Act21)。そしてCPU21は、グループ化する客席の卓番号が選出されるのを待機する(Act22)。
【0032】
グループ卓選出画面60の一例を図8に示す。図示するようにグループ卓選出画面60には、客席エリアに配置された各客席のレイアウト画像61が表示される。また、実行ボタン62と取消ボタン63もグループ卓選出画面60に表示される。レイアウト画像61には、客席毎に食卓と椅子の画像がその食卓に割当てられた卓番号とともに表示される。そして、当該オーダ端末16が設置されている客席は、他の客席と識別可能となるように、食卓画像が例えば色分けされている。他の客席の画像は、グループ化する客席を選出するためのボタンとなっている。グループ化処理を実行するオペレータ(通常は、客席に着いた客)は、グループ化する全ての客席の食卓画像にタッチした後、実行ボタン62にタッチする。
【0033】
CPU21は、タッチセンサ27tを監視する。そして、1乃至複数の食卓画像がタッチされ、続いて実行ボタン62のタッチ操作が検知されたならば(Act22にてYES)、CPU21は、タッチされた食卓画像に割当てられている卓番号を、グループメモリ43のグループ卓番号エリアにセットする(Act23)。このとき、グループ卓番号に対応したグループフラグGFは“0”である。
【0034】
CPU21は、グループメモリ43にセットされたグループ卓番号毎にグループ要求コマンドを生成する。このコマンドには、グループ卓番号が宛先アドレスとしてセットされる。また、卓番号ファイル32に保存されている卓番号が送信元アドレスとしてセットされる。CPU21は、無線回路26を介してグループ要求コマンドを送信する(Act24:要求手段)。
【0035】
例えば、図8に示すグループ卓選出画面60において、卓番号#04の客席に着いている客が、卓番号#03の食卓画像と卓番号#05の食卓画像にタッチした後、実行ボタン62にタッチしたと仮定する。この場合、卓番号#04の客席に設置されたオーダ端末16からは、2つのグループ要求コマンドが無線送信される。一つ目のグループ要求コマンドの宛先アドレスは、グループ卓番号#03であり、送信元アドレスは卓番号#04である。2つ目のグループ要求コマンドの宛先アドレスは、グループ卓番号#05であり、送信元アドレスは卓番号#04である。
【0036】
オーダ端末16から無線送信されたグループ要求コマンドは、無線基地局15で受信され、ネットワーク17を介して注文管理サーバ11に一旦取り込まれる。注文管理サーバ11は、各オーダ端末16から取り込んだグループ要求コマンドを無線基地局15から無線送信する。無線基地局15から無線送信されたグループ要求コマンドは、各オーダ端末16で受信可能である。
【0037】
Act24の処理にてグループ要求コマンドを送信したオーダ端末16のCPU21は、タイマをスタートさせる(Act25)。タイマは、例えばCPU21に内蔵されている。CPU21は、他のオーダ端末16から自己宛のグループ要求コマンドを待機する(Act26)。またCPU21は、タイマがタイムアウトしたか否かを監視する(Act27)。
【0038】
自己宛のグループ要求コマンドは、送信先アドレスであるグループ卓番号が卓番号ファイル32に設定されている卓番号と一致する。タイマがタイムアウトするより前に(Act27にてNO)、自己宛のグループ要求コマンドを受信した場合(Act26にてYES)、CPU21は、そのグループ要求コマンドの送信元アドレスである卓番号でグループメモリ43を検索する(Act28)。そしてCPU21は、グループ卓番号のなかに上記送信元アドレスである卓番号が存在するか否かを確認する(Act29)。存在する場合(Act29にてYES)、CPU21は、グループメモリ43の当該グループ卓番号に対応したグループフラグGFを“1”に更新する(Act30:設定手段)。存在しない場合には(Act29にてNO)、グループフラグGFは“0”のままである。しかる後、CPU21は、次の自己宛のグループ要求コマンドを待機する(Act26)。
【0039】
タイマがタイムアウトするまでの間、自己宛のグループ要求コマンドを受信する毎に、CPU21は、上記Act28〜Act30の処理を実行する。タイマがタイムアウトしたならば(Act27にてYES)、CPU21は、ディスプレイ27dの画面をグループ卓結果画面70に切り替える(Act31)。
【0040】
グループ卓結果画面70の一例を図9に示す。図示するようにグループ卓結果画面70には、グループ卓選出画面60と同様のレイアウト画像71と、確認ボタン72とが表示されている。そしてレイアウト画像71には、当該オーダ端末16が設置されている客席とグループ化された客席を、他のグループ化されていない客席と識別可能となるように食卓画像が例えば色分けされている。
【0041】
図9は、図8のグループ卓選出画面60において、卓番号#04の客席に着いている客が少なくとも卓番号#03の客席をグループ卓として選出し、かつ、卓番号#03の客席に着いている客も卓番号#04の客席をグループ卓として選出した場合である。この場合、卓番号#03と卓番号#04との両客席にそれぞれ設置されたオーダ端末16のグループメモリ43には、それぞれ相手側の卓番号がグループ卓番号としてセットされるとともに、対応するグループフラグGFが“1”に更新される。すなわちグループ卓結果画面70は、卓番号#03の客席と卓番号#04の客席とがグループ化されたことを示す。
【0042】
CPU21は、確認ボタン72がタッチされるのを待機する(Act32)。タッチセンサ27tにより確認ボタン72のタッチ操作が検知されたならば(Act32にてYES)、CPU21は、グループ化処理を終了する。
【0043】
グループ化処理が終了したならば、CPU21は、Act7の処理に進む。Act7では、新規の注文受付処理を実行する。先ず,CPU21は、ディスプレイの画面を人数受付画面に切り替える。この画面には、テンキーとともに、客席に着いた客の人数を入力することを促すメッセージが表示される。CPU21は、テンキーのタッチ操作により入力された数値を人数データとして注文メモリ41に格納する。
【0044】
人数データが入力されると、CPU21は、ディスプレイ27dの画面をメニュー画面に切り替える。メニュー画面には、商品ファイル31に保存されるデータを基に各メニュー品目が選択可能に表示される。CPU21は、タッチセンサ27tを監視する(通常注文受付手段)。そして、メニュー画面のいずれかのメニュー品目がタッチされたならば、CPU21は、このメニュー品目の商品コード、注文数等の注文データを注文メモリ43に格納する(格納手段)。またCPU21は、注文メモリ43の合計データに、このメニュー品目の価格を合算する。メニュー品目がタッチされる毎に、CPU21は、上述した処理を繰り返す。
【0045】
1点目のメニュー品目の注文を受け付けると、メニュー画面に注文ボタンが表示される。この注文ボタンがタッチされると、CPU21は、注文メモリ41の人数、注文データ及び合計データを含む新規の注文データ伝文を作成する。この伝文には、卓番号ファイル32に保存されている卓番号も含まれる。CPU21は、無線回路26を介して上記注文データ伝文を無線送信する(送信手段)。
【0046】
以上で、新規の注文受付処理が終了する。CPU21は、注文メモリ43の在席フラグEFを“1”にセットする(Act8)。しかる後、CPU21は、ディスプレイ27dの画面を待受け画面に戻す(Act1)。
【0047】
待受け画面がタッチされたとき(Act2にてYES)、在席フラグEFが“1”にセットされていた場合には(Act3にてNO)、CPU21は、ディスプレイ27dの画面を在席業務画面に切り替える(Act9)。この画面には、在席時に実行可能な業務(例えば追加注文業務、オーダ確認業務等)の選択ボタンと終了ボタンとが表示される。CPU21は、タッチセンサ27tを監視する(Act10,11)。
【0048】
業務ボタンがタッチされた場合(Act11にてYES)、CPU21は、その業務ボタンに割当てられた業務の処理を実行する(Act12)。実行後、CPU21は、ディスプレイ27dの画面を在席業務画面に戻す(Act9)。
タッチされたボタンが業務ボタンでなく、終了ボタンであった場合には(Act10にてYES)、CPU21は、ディスプレイ27dの画面を待受け画面に戻す(Act1)。
【0049】
在席時に実行可能な業務のなかにグループ注文確認業務とグループ会計確認業務とがある。グループ注文確認業務は、他の客席に着いた同一グループのメンバーが注文したメニュー品目の情報を確認する業務である。グループ会計業務は、同一グループに属するメンバーが注文したメニュー品目の合計を確認する業務である。
【0050】
在席業務画面において、グループ注文確認業務が選択されると、CPU21は、図6の流れ図に示す手順の処理を実行する。この処理は、プログラム記憶部であるROM22または補助記憶部24に格納されたグループ業務プログラムにより実現される。
【0051】
先ず、CPU21は、ディスプレイ27dの画面をグループ卓結果画面70に切り替える(Act41)。ただし、図5に示すグループ化処理のAct31で表示されるグループ卓結果画面70とは、以下の点で相違する。すなわち、グループ化された他の客席の食卓画像は、タッチ操作により選択可能となっている。また、確認ボタン72に代えて終了ボタンが表示されている。
【0052】
CPU21は、タッチセンサ27tを監視する(Act42,43)。タッチセンサ27tにより、食卓画像の選択が検知されたならば(Act42にてYES)、CPU21は、注文データの収集コマンドを生成する。このコマンドには、選択された食卓画像の卓番号が宛先アドレスとしてセットされる。また、卓番号ファイル32に保存されている卓番号が送信元アドレスとしてセットされる。CPU21は、無線回路26を介して収集コマンドを送信する(Act44:収集手段)。
【0053】
オーダ端末16から無線送信された収集コマンドは、無線基地局15で受信され、ネットワーク17を介して注文管理サーバ11に一旦取り込まれる。注文管理サーバ11は、オーダ端末16から取り込んだ収集コマンドを無線基地局15から無線送信する。無線基地局15から無線送信された収集コマンドは、各オーダ端末16で受信可能である。
【0054】
各オーダ端末16のCPU21は、宛先アドレスが卓番号ファイル32に保存されている卓番号と一致する収集コマンドを受信すると、正常応答コマンドを生成する。この正常応答コマンドには、注文メモリ41に格納されている注文データが含まれる。また、収集コマンドの送信元アドレスである卓番号が宛先アドレスとしてセットされる。CPU21は、正常応答コマンドを無線送信する。
【0055】
オーダ端末16から無線送信された正常応答コマンドは、無線基地局15で受信され、ネットワーク17を介して注文管理サーバ11に一旦取り込まれる。注文管理サーバ11は、オーダ端末16から取り込んだ正常応答コマンドを無線基地局15から無線送信する。無線基地局15から無線送信された正常応答コマンドは、各オーダ端末16で受信可能である。
【0056】
注文データの収集コマンドを送信したオーダ端末16のCPU21は、正常応答コマンドを待機する(Act45)。宛先アドレスに設定されている卓番号が卓番号ファイル32に設定されている卓番号と一致する正常応答コマンドを受信すると(Act45にてYES)、CPU21は、この正常応答コマンドから注文データを取得する。そしてCPU21は、この注文データの内容を示す注文確認画面80を表示させる(Act46:注文状況表示手段)。
【0057】
注文確認画面80の一例を図10に示す。図示するように注文確認画面80には、注文データに含まれる商品コードから特定されるメニュー品目の注文リスト(品目名、注文数、金額、合計金額等)81と、比較ボタン82と、終了ボタン83とが表示される。
【0058】
CPU21は、タッチセンサ27tを監視する(Act47)。そして、終了ボタン83のタッチ操作が検知された場合には(Act47にてNO)、CPU21は、ディスプレイ27dの画面をグループ卓結果画面70に戻す(Act41)。
【0059】
これに対し、比較ボタン82のタッチ操作が検知された場合には(Act47にてYES)、CPU21は、正常応答コマンドから抽出した注文データと、注文メモリ41に格納されている注文データとを比較する。そしてCPU21は、正常応答コマンドから抽出した注文データには存在するが、注文メモリ41に格納されている注文データには存在しない注文データを検索する。すなわちCPU21は、自席ではまだ注文されていない未注文データを検索する(Act48:抽出手段)。CPU21は、図11に示すように、検出された未注文データを、注文確認画面80の注文リスト81に残す。また,CPU21は、比較ボタン82を注文ボタン64に変更する(Act49:不足商品表示手段)。
【0060】
CPU21は、タッチセンサ27tを監視する(Act50)。そして、終了ボタン83のタッチ操作が検知されたならば(Act50にてNO)、CPU21は、ディスプレイ27dの画面をグループ卓結果画面70に戻す(Act41)。
【0061】
これに対し、注文ボタン84のタッチ操作が検知された場合には(Act50にてYES)、CPU21は、追加の注文受付処理を実行する(Act51:不足注文受付手段)。すなわちCPU21は、ディスプレイにメニュー画面を表示させる。このメニュー画面には、未注文データとして抽出されたメニュー品目の画像が選択可能に表示される。CPU21は、タッチセンサ27tを監視する。そして、メニュー画面のいずれかのメニュー品目がタッチされたならば、CPU21は、このメニュー品目の商品コード、注文数等を注文メモリ43に追加する。またCPU21は、注文メモリ43の合計データに、このメニュー品目の価格を合算する。メニュー品目がタッチされる毎に、CPU21は、上述した処理を繰り返す。
【0062】
1点目のメニュー品目の追加注文を受け付けると、メニュー画面に注文ボタンの画像が表示される。この注文ボタンがタッチされると、CPU21は、注文メモリ41に追加された注文データ及び合計データを含む追加の注文データ伝文を作成する。この伝文には、卓番号ファイル32に保存されている卓番号も含まれる。CPU21は、無線回路26を介して上記注文データ伝文を無線送信する。
【0063】
以上で、追加の注文受付処理が終了する。この処理が終了すると、CPU21は、ディスプレイ27dの画面をグループ卓結果画面70に戻す(Act41)。
グループ卓結果画面70において、終了ボタンがタッチ操作されると(Act43にてYES)、グループ注文確認業務としての処理が終了する。
【0064】
在席業務画面において、グループ会計確認業務が選択されると、CPU21は、図7の流れ図に示す手順の処理を実行する。この処理も、前記グループ業務プログラムにより実現される。
【0065】
先ず、CPU21は、グループメモリ43からグループ卓番号を検出する(Act61)。そしてCPU21は、検出されたグループ卓番号毎に人数及び合計データの収集コマンドを生成する。このコマンドには、検出されたグループ卓番号が宛先アドレスとしてセットされる。また、卓番号ファイル32に保存されている卓番号が送信元アドレスとしてセットされる。CPU21は、無線回路26を介して人数及び合計データの収集コマンドを送信する(Act62:収集手段)。
【0066】
オーダ端末16から無線送信された収集コマンドは、無線基地局15で受信され、ネットワーク17を介して注文管理サーバ11に一旦取り込まれる。注文管理サーバ11は、オーダ端末16から取り込んだ収集コマンドを無線基地局15から無線送信する。無線基地局15から無線送信された収集コマンドは、各オーダ端末16で受信可能である。
【0067】
各オーダ端末16のCPU21は、宛先アドレスが卓番号ファイル32に保存されている卓番号と一致する収集コマンドを受信すると、正常応答コマンドを生成する。この正常応答コマンドには、注文メモリ41に格納されている人数データと合計データとが含まれる。また、収集コマンドの送信元アドレスである卓番号が宛先アドレスとしてセットされる。CPU21は、正常応答コマンドを無線送信する。
【0068】
オーダ端末16から無線送信された正常応答コマンドは、無線基地局15で受信され、ネットワーク17を介して注文管理サーバ11に一旦取り込まれる。注文管理サーバ11は、オーダ端末16から取り込んだ正常応答コマンドを無線基地局15から無線送信する。無線基地局15から無線送信された正常応答コマンドは、各オーダ端末16で受信可能である。
【0069】
人数及び合計データの収集コマンドを送信したオーダ端末16のCPU21は、正常応答コマンドを待機する(Act63)。卓番号ファイル32に設定されている卓番号が宛先アドレスに設定されている正常応答コマンドを受信すると(Act63にてYES)、CPU21は、この正常応答コマンドから人数データと合計データとを取得する。そしてCPU21は、この人数データを注文メモリ41に格納されている人数データに加算してグループ総人数を算出するとともに、合計データを注文メモリ41に格納されている合計データに加算してグループ合計金額を算出する(Act64:算出手段)。また、CPU21は、グループ合計金額をグループ総人数で除算して、1名当たりの割勘金額を算出する(Act65)。
【0070】
CPU21は、ディスプレイ27dの画面をグループ合計画面90に切り替えて、上記グループ総人数及びグループ合計金額と、割勘金額とを表示させる(Act66:合計表示手段)。
【0071】
グループ合計画面90の一例を図12に示す。図示するように、グループ合計画面90には、グループ合計金額の表示領域91と、グループ総人数の表示領域92と、割勘金額の表示領域93とに区分される。また、終了ボタン94が表示される。さらに、表示領域92の両側には、人数変更ボタンとしてプラス(+)ボタン95とマイナス(−)ボタン96とが表示される。
【0072】
CPU21は、タッチセンサ27tを監視する。そして、人数変更ボタン94,95がタッチされるか、終了ボタン94がタッチされるのを待機する(Act67,68)。人数変更ボタン94,95のタッチ操作が検知された場合(Act67にてYES)、CPU21は、Act65の処理に戻る。すなわちCPU21は、プラス(+)ボタン95がタッチされた場合にはその回数だけグループ総人数を増加させ、マイナス(−)ボタン96がタッチされた場合にはその回数だけグループ総人数を減少させる。そしてCPU21は、増減されたグループ総人数とグループ合計金額とから割勘金額を再計算する(Act65)。しかる後、CPU21は、グループ合計画面90の表示内容を更新する(Act66)。
【0073】
図13は、図12のグループ合計画面90において、オペレータがマイナス(−)ボタン96に2回タッチした後のグループ合計画面90である。図13に示すように、グループ総人数が2名減ったため、一人当たりの割勘金額が5,080円から6,350円に増額している。
【0074】
グループ合計画面90において、終了ボタン94がタッチ操作された場合には(Act68にてYES)、グループ会計確認業務としての処理が終了する。
【0075】
図8に示すグループ卓選出画面60のレイアウト画像61に表示される客席エリアを有する飲食店に10名のグループ客が来店し、卓番号#03の客席と卓番号#04の客席とに案内されたとする。この場合、卓番号#03の客席に着いた客(以下、客03と称する)は、卓番号#03が割当てられた食卓18上のオーダ端末16(以下、オーダ端末16-03と称する)を操作する。卓番号#04の客席に着いた客(以下、客04と称する)は、卓番号#04が割当てられた食卓18上のオーダ端末16(以下、オーダ端末16-04と称する)を操作する。
【0076】
先ず、客03及び客04は、それぞれディスプレイ27dに表示されている待受け画面にタッチする。そうすると、画面がグループ化画面に切り替わるので、客03及び客04は、「グループ化する」の選択ボタンにタッチする。そうすると、画面がグループ卓選出画面60に切り替わる。
【0077】
ここで、客03は、卓番号#04の食卓画像にタッチした後、実行ボタン62にタッチする。そうすると、宛先アドレスが卓番号#04であり、送信元アドレスが#03のグループ要求コマンドが無線送信される。このグループ要求コマンドは、オーダ端末16-04で受信される。同様に、客04は、卓番号#03の食卓画像にタッチした後、実行ボタン62にタッチする。そうすると、宛先アドレスが卓番号#03であり、送信元アドレスが#04のグループ要求コマンドが無線送信される。このグループ要求コマンドは、オーダ端末16-03で受信される。
【0078】
しかして、オーダ端末16-03では、グループメモリ43に卓番号#04がグループ卓番号としてセットされる。また、このグループ卓番号#04に対応するグループフラグGFが“1”にセットされる。同様に、オーダ端末16-04では、グループメモリ43に卓番号#03がグループ卓番号としてセットされる。また、このグループ卓番号#03に対応するグループフラグGFが“1”にセットされる。かくして、卓番号#03の客席と卓番号#04の客席とがグループ化される。
【0079】
その後、客03及び客04は、それぞれオーダ端末16-03、16-04を操作して、人数データと注文データとを入力する。入力された人数データ及び注文データと合計データとは、注文メモリ41に格納される。
【0080】
ところで、客03が客04の注文内容を確認したい場合、客03は、オーダ端末16-03において、グループ注文確認業務を選択する。そうすると、ディスプレイ27dの画面がグループ卓結果画面70に切り替わるので、客03は、卓番号#04の食卓画像にタッチし、さらに確認ボタン72にタッチする。
【0081】
そうすると、オーダ端末16-03から注文データの収集コマンドが無線送信される。このコマンドの宛先アドレスは、卓番号#04である。したがって、収集コマンドは、オーダ端末16-04で受信される。その結果、オーダ端末16-04の注文メモリ41に格納されている注文データがオーダ端末16-03に無線送信されて、図10に示すように、ディスプレイ27dの注文確認画面80に表示される。
【0082】
このように本実施形態によれば、グループの客が複数の客席に分かれた場合に、他の席に着いたメンバーの注文内容を自席から容易に把握することができる。なお、グループのメンバー以外の客が注文した内容を確認できないのは、言うまでもないことである。
【0083】
ここで、注文確認画面80を確認した客03が、比較ボタン82にタッチしたとする。そうすると、図11に示すように、客04は注文したが客03は注文していない未注文データのリストが注文確認画面80に表示される。この未注文データを注文する場合、客03は、注文ボタン84にタッチする。そうすると、未注文データに限定された追加注文受付処理が実行される。
【0084】
このように本実施形態によれば、グループの客が複数の客席に分かれた場合に、他の席に着いたメンバーが注文したメニュー品目を容易に追加注文することができる。
【0085】
また、例えば客03がグループ全体の支払金額を知りたい場合、客03は、オーダ端末16-03において、グループ会計確認業務を選択する。そうすると、オーダ端末16-03から人数及び合計データの収集コマンドが無線送信される。このコマンドの宛先アドレスは、卓番号#04である。したがって、収集コマンドは、オーダ端末16-04で受信される。その結果、オーダ端末16-04の注文メモリ41に格納されている人数データと合計データとがオーダ端末16-03に無線送信され、オーダ端末16-03の人数データ及び合計データにそれぞれ加算される。
【0086】
しかして、オーダ端末16-03のディスプレイ27dには、図12に示すようなグループ合計画面90が表示される。したがって客03は、グループの合計金額が50,800円であり、一人当たりの割勘金額が5,080円であることを容易に知り得る。
【0087】
ここで、10名のうち2名を支払いから除く場合には、客03は、マイナス(−)ボタン96に2回タッチする。そうすると、グループ合計画面90が、図12の内容から図13の内容に変化する。したがって客03は、8名で支払う場合の割勘金額6,350円を容易に知ることができる。
【0088】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、オーダ端末16が要求手段を備えたが、必ずしもオーダ端末16が要求手段を備えていなくてもよい。オーダ端末16のグループ化については、別の方法で行ってもよい。
【0089】
また、前記実施形態では、オーダ端末16間で送受信されるコマンド(グループ要求コマンド、注文データの収集コマンド、人数/合計データの収集コマンド等)は、一旦、注文管理サーバ11で受信されたが、必ずしも注文管理サーバ11を経由しなくてもよい。無線基地局15がオーダ端末16間で送受信されるコマンドを中継してもよい。あるいは、無線基地局15も介さずにオーダ端末16どうしで無線通信により送受信してもよい。
【0090】
また、前記実施形態では、各オーダ端末16を識別するデータとして、そのオーダ端末16が設置されている食卓の卓番号を明示したが、識別データは卓番号に限定されるものではない。例えば、機器固有のIDを利用してもよい。
【0091】
また、前記実施形態は、装置内部のプログラム記憶部に発明の機能を実現させるプログラムが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークから装置にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、装置にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0092】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]少なくとも入力部、表示部、記憶部、通信部及び各部を制御する制御部を備えた注文受付装置において、前記制御部は、前記入力部の入力により商品の注文を受け付ける通常注文受付手段と、この通常注文受付手段で受け付けた商品の注文データを前記記憶部に格納する格納手段と、前記通信部を介して前記記憶部に格納された前記注文データをサーバに送信する通信手段と、前記通信部を介して接続される他の注文受付装置の中で同一グループに設定された前記他の注文受付装置の前記記憶部に格納された前記注文データを、前記通信部を介して収集する収集手段と、この収集手段により前記他の注文受付装置から収集した前記注文データに基づいて、前記他の注文受付装置での注文状況を表わす画面を前記表示部に表示させる注文状況表示手段と、を具備したことを特徴とする注文受付装置。
[2]前記他の注文受付装置から収集した前記注文データには存在するが、前記記憶部に格納された前記注文データには存在しない商品を抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出された商品の情報を前記表示部に表示させる不足商品表示手段と、をさらに具備したことを特徴とする付記[1]記載の注文受付装置。
[3]前記抽出手段により抽出された商品の注文を受け付ける不足注文受付手段、をさらに具備したことを特徴とする付記[2]記載の注文受付装置。
[4]前記収集手段により前記他の注文受付装置から収集した前記注文データと前記記憶部に格納された前記注文データとから、注文した商品の合計データを算出する算出手段と、この算出手段により算出された合計データを前記表示部に表示させる合計表示手段と、をさらに具備したことを特徴とする付記[1]乃至[3]のうちいずれか1に記載の注文受付装置。
[5]前記通信部を介して接続される他の注文受付装置に対してグループ化を要求する要求手段と、前記要求手段によりグループ化を要求した前記他の注文受付装置から前記グループ化の要求があるとき、当該他の注文受付装置が同一グループであると設定する設定手段と、さらに具備したことを特徴とする付記[1]乃至[4]のうちいずれか1に記載の注文受付装置。
[6]少なくとも入力部、表示部、記憶部及び通信部を備えたコンピュータに、前記入力部の入力により商品の注文を受け付ける機能と、注文を受け付けた商品の注文データを前記記憶部に格納する機能と、前記通信部を介して前記記憶部に格納された前記注文データをサーバに送信する機能と、前記通信部を介して接続される他の注文受付装置の中で同一グループに設定された前記他の注文受付装置の前記記憶部に格納された前記注文データを、前記通信部を介して収集する機能と、前記他の注文受付装置から収集した前記注文データに基づいて、前記他の注文受付装置での注文状況を表わす画面を前記表示部に表示させる機能、を実現させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【0093】
1…セルフオーダシステム、11…注文管理サーバ、15…無線基地局、16…オーダ端末(注文受付装置)、21…CPU、26…無線回路、27…タッチパネル、41…注文メモリ、43…グループメモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13