(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態による変位測定装置について、
図1乃至
図3に基づいて説明する。
図1および
図2に示すように、本実施形態による変位測定装置1は、構造物11の床面(設置面)12に沿って移動可能な支持体2と、支持体2に設置されて床面12に沿った方向(水平方向)の変位量をそれぞれ測定可能な3つの第1変位測定部4,4,4と、支持体2に設置されて鉛直方向の変位量をそれぞれ測定可能な3つの第2変位測定部8,8,8と、3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8の駆動を行うスイッチ部5と、3つの第1変位測定部4,4,4がそれぞれ測定した変位量および3つの第2変位測定部8,8,8がそれぞれ測定した変位量のデータの処理を行う処理部(不図示)と、3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8に電源を供給可能な電池(不図示)と、を備えている。
【0012】
支持体2は、板面が上下方向を向き平面視において略正三角形状に形成された第1板部21と、第1板部21の上部に間隔をあけて第1板部21と平行に配置され外形が第1板部と同じ形状に形成された第2板部と、第1板部21と第2板部22とを鉛直方向に相対移動可能に連結する連結部23と、連結された第1板部21および第2板部22を床面12に沿って移動可能に支持する3つの移動部24,24,24と、を有している。
【0013】
第1板部21には、平面視における中央部に上下方向に貫通する平面視略円形状の孔部21aが形成されている。また、第1板部21の下部には、3つの第1変位測定部4,4,4および3つの移動部24,24,24が配置され、第1板部21の下面と床面12との間には間隔が設けられている。
【0014】
移動部24は、軸方向を上下方向とし上端部が第1板部21の下面に固定された筒状部24aと、筒状部24a内に挿入された状態で床面12と当接し床面12に沿って転がって移動可能な移動用球体24bと、を有している。筒状部24aは、下端部が床面12と当接しないように配置されている。
また、本実施形態では、3つの移動部24,24,24は、第1板部21に対して第1板部21の中心21cの周りに周方向に等しく間隔をあけて配置されている。そして、3つの移動部24,24,24は、第1板部21の平面視における略正三角形の3つの角部21b,21b,21b近傍にそれぞれ配置され、角部21b,21b,21bと第1板部21の中心21cとを結ぶ線上に配置されている。
【0015】
第2板部22は、平面視における略正三角形の3つの角部22b,22b,22bが、第1板部21の平面視における略正三角形の3つの角部21b,21b,21bとそれぞれ重なるように配置されている。
第2板部22は、平面視における中心22cを中心として等間隔をあけた位置に上下方向に貫通する平面視略円形状の3つの孔部22a,22a,22aが形成されている。これらの孔部22a,22a,22aは、それぞれ第2板部22の平面視の中心22cと角部22bとを結ぶ線上に形成されている。
【0016】
連結部23は、第1板部21の上面に固定された円柱状の円柱部26,26,26と、円柱部26,26,26がそれぞれ挿通されたコイルバネ27,27,27と、を有している。
円柱部26,26,26は、それぞれ軸方向を上下方向とし、3つの移動部24,24,24の直上に相当する位置にそれぞれ配置されている。そして、円柱部26,26,26は、上端部側が、第2板部22の孔部22a,22a,22aに挿通されている。
コイルバネ27,27,27は、それぞれ軸方向を上下方向とし、円柱部26,26,26の上端部側が第2板部22の孔部22a,22a,22aに挿通されると、第1板部21と第2板部22との間に配置され、上端部が第2板部22の下面と当接し、下端部が第1板部21の上面と当接している。
【0017】
第2板部22の孔部22aの内径は、円柱部26の外形よりも大きく形成されていて、第2板部22と円柱部26とは上下方向に相対移動可能に構成されている。本実施形態では、第2板部22の孔部22aに円柱部26が挿通されると、第2板部22の孔部22aの内周面と円柱部26の外周面との間に約0.1mmの隙間が形成されている。なお、微振動によって第2板部22と円柱部26とが上下方向に異なる挙動をした際でも、第2板部22と円柱部26とが上下方向に相対移動可能であれば、第2板部22と円柱部26とが当接していてもよい。
【0018】
このような第2板部22は、第1板部21からの水平方向の力が伝達されるように構成されているとともに、第1板部21からの鉛直方向の力は伝達されないように構成されている。
なお、コイルバネ27は、水平方向へ容易に変形しないように所定の剛性を有することが好ましい。
【0019】
また、第2板部22は、上端部が例えば構造物11の天井部や梁部に支持された上下方向に延在する支持部材13の下端部に連結されている。本実施形態では、第2板部22上面の中央部が支持部材13の下端部に連結されている。
支持部材13は、構造物11の天井部や梁部に支持された上側支持部材131と、第2板部22に固定された下側支持部材132と、上側支持部材131と下側支持部材132とを連結する連結プレート133と、を有している。
下側支持部材132と第2板部22とは、例えばビスや接着剤などで固定されている。
【0020】
連結プレート133には、上側支持部材131に連結プレート133を係止するためのビスが挿通可能で複数の上側長孔133aと、下側支持部材132に連結プレート133を係止するためのビスが挿通可能な複数の下側長孔133bと、が形成されている。これらの上側長孔133aおよび下側長孔133bは、上下方向に延びるように形成されている。これにより、上側支持部材131に対する下側支持部材132の上下方向の位置が調整可能となり、構造物11に対する第2板部22の上下方向の位置が調整可能に構成される。
なお、上記のような連結プレート133を設けずに、上側支持部材131および下側支持部材132の一方に上下方向に延びるネジ部が形成され、他方にこのネジ部が螺合可能なネジ孔が形成されていて、ネジ部とネジ孔とを螺合させる量を調整することで上側支持部材131に対する下側支持部材132の上下方向の位置が調整可能に構成されていてもよい。
【0021】
3つの第1変位測定部4,4,4は、床面12に沿った面内(略水平面内)における支持体2と床面12との相対変位量(以下水平方向の変位量とする)を測定可能な変位センサで構成されている。例えば、3つの第1変位測定部4,4,4は、バーコードリーダーや、光学式マウスなどを利用した光学式の変位センサや、アノトペンを利用した変位センサ、差動トランス式の変位センサなどで構成されている。
また、本実施形態では、3つの第1変位測定部4,4,4は、第1板部21に対して第1板部21の中心21cの周りに周方向に等しく間隔をあけて配置されている。そして、3つの第1変位測定部4,4,4は、3つの移動部24,24,24と第1板部21の中心21cとの間にそれぞれ配置されている。なお、3つの第1変位測定部4,4,4は、隣り合う移動部24,24間の中央部にそれぞれ配置されていてもよい。
【0022】
3つの第2変位測定部8,8,8は、それぞれ第2板部22と円柱部26との上下方向の相対変位量を測定可能に構成されている。これにより、第2変位測定部8は、それぞれ構造物11の天井部や梁部と、床面12との上下方向の相対変位量(以下、上下方向の変位量とする)を測定可能に構成されている。
このような第2変位測定部8は、例えば、バーコードリーダーや、光学式マウスなどを利用した光学式の変位センサや、アノトペンを利用した変位センサ、差動トランス式の変位センサなどで構成されている。
また、本実施形態では、3つの第2変位測定部8,8,8は、第2板部22に対して第2板部22の中心22cの周りに周方向に等しく間隔をあけて配置されている。そして、3つの第2変位測定部8,8,8は、第2板部22に形成された3つの孔部91,91,91と第2板部22の中心22cとの間にそれぞれ配置されている。
【0023】
そして、本実施形態では、3つの第1変位測定部4,4,4がそれぞれ測定した水平方向の変位量のデータと、3つの第2変位測定部8,8,8がそれぞれ測定した鉛直方向の変位量のデータと、が処理部(不図示)へ通信され、処理部がこれらのデータをもとにより正確な水平方向の変位量および鉛直方向の変位量を算出するように構成されている。なお、変位測定装置1には、これらのデータを3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8から処理部へ通信するための通信装置や、3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8がそれぞれ測定した変位量のデータや処理部が処理した変位量のデータなどを記憶するための記憶部などが適宜設置されている。
【0024】
スイッチ部5は、支持体2の第1板部21の孔部21aに挿入された状態で床面12に沿って回転しながら移動可能なスイッチ用球体51と、スイッチ用球体51が当接すると3つの3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8を駆動させる4つの機械式スイッチ52,52,…と、を有している。
スイッチ用球体51は、その径が第1板部21の孔部21aの内径よりもやや小さい径に形成されていて、第1板部21の孔部21aに挿入されると、第1板部21の孔部21aの内部で移動可能に構成されている。また、スイッチ用球体51は、第1板部21の孔部21aに挿入されると、第1板部21よりも上部側が連結部23の内側に挿入されるように構成されている。
【0025】
このようなスイッチ用球体51は、構造物11と比べて質量が非常に小さく、構造物11が変位(変形)しないような微振動でも変位可能に構成されている。このため、スイッチ用球体51は、構造物11に支持された支持体2が変位しないような微振動でも変位可能となり、微振動によって支持体2とスイッチ用球体51とが異なる挙動をするように構成されている。
なお、スイッチ用球体51は、床面12との間の摩擦係数が、移動部24の移動用球体24bと床面12との間の摩擦係数よりも小さく、地震などの震動が生じてもほとんど震動せずに略一点に留まるように構成されていてもよい。そして、床面12と支持体2とが相対変位すると、支持体2とスイッチ用球体51とが異なる挙動をするように構成されていてもよい。
【0026】
機械式スイッチ52,52,…は、第1板部21の孔部21aの縁部に沿って等間隔に配置されている。
このようなスイッチ部5は、地震の振動などが生じていない通常時には、支持体2および支持体2の第1板部21の孔部21aに挿入されたスイッチ用球体51が静止して、スイッチ用球体51と第1板部21の孔部21aの縁部に設けられた機械式スイッチ52,52,…とが離間している。そして、スイッチ部5は、地震の震動などが生じると、スイッチ用球体51が支持体2と異なる挙動をして、4つの機械式スイッチ52,52,…のうちのいずれか1つ以上と当接する。
【0027】
そして、本実施形態では、スイッチ用球体51が4つの機械式スイッチ52,52,…のうちのいずれか1つ以上と当接すると、電池から3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8に電源が供給されて、3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8が駆動するように構成されている。このとき、スイッチ用球体51が微振動によって変位可能に構成されていると、微振動によってスイッチ用球体51が4つの機械式スイッチ52,52,…のうちのいずれか1つ以上と当接可能なため、微振動の状態から支持体2と床面12との相対変位量を測定することができる。
そして、駆動している3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8は、所定の値以上の変位量を測定しない状態が設定された一定期間経過すると、電池からの電源の供給が停止されて測定が停止されるように構成されている。
【0028】
本実施形態では、駆動している3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8は、測定している変位量が0mmである状態が連続して10秒経過すると、電池からの電源の供給が停止されて測定が停止されるように構成されている。
なお、本実施形態には、スイッチ部5からの信号や3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8が測定している測定量の値によって電池から3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8への電源の供給を制御し、3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8の駆動および停止を制御する制御部(不図示)が設けられている。
【0029】
電池は、例えば、支持体2の第1板部21と第2板部22との間や、第2板部22の上部などに配置されている。なお、電池が第2板部22の上部に配置されていると、電池の交換などが行いやすい。
【0030】
また、変位測定装置1には、3つの第1変位測定部4,4,4を囲繞する第1カバー部64と、3つの第2変位測定部8,8,8を囲繞する第2カバー部65と、を有している。
なお、
図1では、第1カバー部64の手前側の部分、第2カバー部65の手前側の部分および上板部65bの一部を省略していて、
図2(a)では、第2カバー部65の上板部65bを省略している。
【0031】
第1カバー部64は、第1板部21の外縁部全周と連結し床面12に向かって延びる板状の板部64aと、板部64aの下端部に取り付けられて床面12とわずかに当接するブラシ材64bとを有している。
また、第2カバー部65は、第2板部22の外縁部全周と連結し上方に向かって延びる板状の側板部65aと、側板部65aの上端部に連結されて第2板部22と平行に配置される上板部65bと、を備えている。なお、上板部65bは、第1板部21と第2板部22とが上下方向に相対変位した場合も、円柱部26などの支持体2を構成する部材や支持部材13を構成する部材と干渉しないように構成されている。このため、上板部65bには、適宜孔部(不図示)などが形成されている。
【0032】
これらの第1カバー部64および第2カバー部65は、第1カバー部64および第2カバー部65の外側から内側に異物が入り込むことを防止している。また、第1カバー部64および第2カバー部65は、光を透過させない不透過性の材料で形成されていて、第1カバー部64および第2カバー部65の内側は、外側から光が入り込まず、一定の明るさに維持されている。
なお、上板部65bに孔部が形成されている場合は、この孔部を介して第2カバー部65の外側から内側に入り込む光が最小限となるように、孔部の形状が設定されている。
【0033】
次に、3つの第1変位測定部4,4,4がそれぞれ測定した変位量のデータ(以下データとする)の処理部による処理方法について
図3に示すフローチャートを基に説明する。なお、3つの第2変位測定部8,8,8がそれぞれ測定した変位量のデータの処理部による処理方法は、3つの第1変位測定部4,4,4がそれぞれ測定した変位量のデータ(以下データとする)の処理部による処理方法と同様に行うものとし、説明を省略する。
【0034】
(測定ステップ)
上述した変位測定装置1の3つの第1変位測定部4,4,4によって、支持体2と床面12との相対変位量をそれぞれ測定する(S−1)。
【0035】
(補正ステップ)
測定ステップ(S−1)において3つの第1変位測定部4,4,4が測定した支持体2と床面12との相対変位量のデータ(以下データとする)を軸補正し、基準となる1つのデータ以外の2つのデータの時刻歴を基準となる1つのデータに合せる(S−2)。
【0036】
(選出ステップ)
補正ステップ(S−2)において軸補正された3つのデータのうち、後の平均値算出ステップを行うデータを選出する(S−3)。
まず、3つのデータに欠落がないかどうかを判定する(S−4)。
この判断(S−3)においてデータの欠落がないと判断された場合は、3つのデータから標準偏差を算出する(S−5)。
そして、データの中にこの標準偏差の範囲外の異常値がないかどうかを判定する(S−6)。
この判断(S−6)においてデータに標準偏差の範囲外の異常値がないと判断された場合は、3つのデータを選出する(S−7)。
【0037】
また、この判断(S−6)においてデータに標準偏差の範囲外の異常値があると判断された場合は、測定ステップ(S−1)において標準偏差の範囲外のデータを測定した第1変位測定部4によって標準偏差の範囲外のデータが測定される直前に測定されたデータを基準とし、標準偏差の範囲内のデータを測定した第1変位測定部4によって測定されたデータの変化を適用させて補正データを算出する(S−8)。
そして、この補正データおよび標準偏差の範囲内のデータを選出する(S−9)。
【0038】
また、3つのデータに欠落がないかどうかの判定(S−4)において、データの欠落がある場合は、欠落していないデータを選出する(S−10)。
【0039】
(平均値算出ステップ)
選出ステップ(S−3)の選出処理(S7,S9,S10)選出されたデータの平均値を算出し、この平均値を支持体2と床面12との相対変位量(代表値)とする(S−11)。
【0040】
次に、上述した変位測定装置1の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態による変位測定装置1では、床面12に沿った水平方向の構造物の変位量を測定可能な第1変位測定部4と、鉛直方向の構造物11の変位量を測定可能な第2変位測定部8と、を備えることにより、1つの変位測定装置1で水平面に沿った方向およびこの鉛直方向の構造物11の変位量を測定することができる。
【0041】
また、変位測定装置1は、複数の第1変位測定部4を備えていることにより、複数の第1変位測定部4のうちの一部が構造物11の変位量を測定できなかったり、複数の第1変位測定部4のうちの一部が測定した構造物11の変位量が異常値であったりしても、他の第1変位測定部4が構造物11の変位量を正確に測定できるため、水平方向の構造物11の変位量を確実に測定することができる。
また、変位測定装置1は、複数の第2変位測定部8を備えていることにより、複数の第2変位測定部8のうちの一部が構造物11の変位量を測定できなかったり、複数の第2変位測定部8のうちの一部が測定した構造物11の変位量が異常値であったりしても、他の第2変位測定部8が構造物11の変位量を正確に測定できるため、鉛直方向の構造物11の変位量を確実に測定することができる。
また、複数の第1変位測定部4のうちの一部や複数の第2変位測定部8のうちの一部が測定した構造物11の変位量が異常値であった場合に、この異常値を他の第1変位測定部4や他の第2変位測定部8が測定した構造物11の変位量を基に補正することができる。
【0042】
以上、本発明による変位測定装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、3つの第1変位測定部4,4,4および3つの第2変位測定部8,8,8を備えているが、設置される第1変位測定部4の数および第2変位測定部8の数は、1や2、あるいは4以上として適宜設定されてよい。また、第1変位測定部4が設置される位置や第2変位測定部8が設置される位置についても適宜設定されてよい。また、複数の第1変位測定部4によって測定された構造物11の変位量のデータの処理方法および複数の第2変位測定部8によって測定された構造物11の変位量のデータの処理方法についても上記以外の処理方法に適宜設定されてよい。
【0043】
また、上記の実施形態では、スイッチ部5が設けられているが、スイッチ部5が設けられておらず、複数の第1変位測定部4が常に構造物11の変位量を測定するように構成されていてもよい。また、スイッチ部5の形態は、上記の形態以外のものでもよい。また、上記の実施形態において、機械式スイッチ52の配置される位置や数、形態は適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、変位測定装置1には、複数の第1変位測定部4へ電源を供給可能な電池が設けられているが、このような電池が設けられておらず、例えば、構造物に設けられた電源装置から複数の第1変位測定部4に電源が供給されるように構成されていてもよい。
【0044】
また、上記の実施形態では、第1カバー部64および第2カバー部65は、光を透過させない不透過性の材料で形成されているが、第1変位測定部4や第2変位測定部8に光学センサを利用しておらず、複数の第1変位測定部4が設置されている空間の明るさを均一に維持する必要がない場合は、光を透過させる透過性の材料で形成されていてもよい。また、第1カバー部64および第2カバー部65の形態は、適宜設定されてよく、例えば、複数の第1変位測定部4や、複数の第2変位測定部8をそれぞれ個別に囲繞する形態とてもよい。また、第1カバー部64は、ブラシ材64bが設けられていない形態としたり、板部64aに代わってシート状の部材が設けられた形態としたりしてもよい。
また、変位測定装置1には、第1カバー部64および第2カバー部65が設けられていない形態としてもよい。
【0045】
また、上記の実施形態では、支持体2は、平面視において略正三角形状や略十字形状に形成された第1板部21および第2板部22を有しているが、第1板部21および第2板部22の形状は上記以外の形状でもよい。また、支持体2は、支持部材13,13Dに支持されるとともに床面12上を移動可能で、複数の第1変位測定部4を支持可能に構成されていれば、第1板部21および第2板部22に代わる部材が設けられていてもよい。
【0046】
また、上記の実施形態では、スイッチ用球体51が床面12と当接して床面12上を転がって移動するように構成されているが、板面が上下方向を向く板材が設けられて、この板材の上をスイッチ用球体51が移動するように構成されていてもよい。なお、この板材は、構造物11に支持されていてもよいし、支持体2に支持されていてもよい。
【解決手段】構造物11の床面(設置面)12に沿って移動可能に配置された支持体2と、支持体2に支持されて構造物11の水平方向の変位量を測定可能な第1変位測定部4と、支持体2に支持されて構造物11の鉛直方向の変位量を測定可能な第2変位測定部8と、を備える。複数の第1変位測定部4,4,4と、複数の第2変位測定部8,8,8と、を備え、複数の第1変位測定部4,4,4は、それぞれ異なる位置におい構造物11の水平方向の変位量を測定可能に構成されていて、複数の第2変位測定部8,8,8は、それぞれ異なる位置において構造物11の鉛直方向の変位量を測定可能に構成されている。