(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764714
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】エレベータ駆動装置への電力供給制御
(51)【国際特許分類】
B66B 1/34 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
B66B1/34 A
【請求項の数】18
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-505114(P2014-505114)
(86)(22)【出願日】2011年4月15日
(65)【公表番号】特表2014-510686(P2014-510686A)
(43)【公表日】2014年5月1日
(86)【国際出願番号】US2011032597
(87)【国際公開番号】WO2012141713
(87)【国際公開日】20121018
【審査請求日】2013年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】591020353
【氏名又は名称】オーチス エレベータ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】OTIS ELEVATOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ロジャーズ,カイル ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】マーヴィン,ダリル ジェイ.
【審査官】
藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−523434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00−1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ駆動装置と、
エレベータ装置の選択されたコンポーネントの少なくとも1つの状態を監視するように設けられた安全チェーンと、
エレベータ駆動装置への電力供給を中断するように動作可能であり、かつ前記の監視された状態に従って安全チェーンによって制御される第1のスイッチと、
第1のスイッチと直列に設けられ、エレベータ駆動装置への電力供給を中断するように動作可能で、かつ前記の監視された状態に従って安全チェーンによって制御される第2のスイッチと、
監視装置と、を有し、この監視装置は、
第1のスイッチおよび第2のスイッチが、エレベータ駆動装置に電力を供給するために電力供給状態となっているべき場合を判断し、
エレベータ駆動装置に電力を供給するように安全チェーンが第2のスイッチを制御することを許可する前に、第1のスイッチが電力供給状態であることを確認し、
第1のスイッチが電力供給状態であるときに、第2のスイッチが電力供給状態であるかを確認し、
第1のスイッチまたは第2のスイッチのいずれかが所望の状態でないことを確認したことに応じて、エレベータ駆動装置への電力供給を防ぎ、
監視装置は、第1のスイッチとエレベータ駆動装置との間の第1のスイッチの出力に関連する電圧レベルを測定することにより、第1のスイッチが電力供給状態であることを確認することを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項2】
第1のスイッチおよび第2のスイッチは、それぞれ単極単投リレースイッチまたは単極双投リレースイッチの一方であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項3】
第1のスイッチおよび第2のスイッチは、それぞれ半導体スイッチであることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項4】
安全チェーンと第2のスイッチとの間の結合部と、
監視装置に応答して前記結合部を選択的に中断し、安全チェーンが第2のスイッチを制御するかどうかを監視装置が制御できるようにする制御コンポーネントと、を有することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項5】
前記制御コンポーネントは、スイッチを含むことを特徴とする請求項4に記載のエレベータ制御装置。
【請求項6】
監視装置は、第2のスイッチとエレベータ駆動装置との間の第2のスイッチの出力に関連する電圧レベルを測定することにより、第2のスイッチが電力供給状態であることを確認することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項7】
監視装置は、マイクロプロセッサ、ASIC、個別の論理要素の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項8】
監視装置は、第1のスイッチと第2のスイッチの両方が電力供給状態であるべき場合に、監視装置が第1のスイッチが電力供給状態であることを確認するまで安全チェーンが第2のスイッチを制御するのを防ぎ、第1のスイッチがすでに電力供給状態である場合に、第2のスイッチが続いて電力供給状態となるのを可能にすることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項9】
第1のスイッチおよび第2のスイッチが共に電力供給状態であるべき場合に、監視装置が第1のスイッチまたは第2のスイッチのいずれかが電力供給状態でないことを確認したことに応じて、安全チェーンが無効とされることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項10】
エレベータ駆動装置への電力供給制御方法であって、
安全チェーンと、エレベータ駆動装置への電気接続部と、の間の第1のスイッチおよび第2のスイッチが、エレベータ駆動装置に電力を供給するために電力供給状態であるべき場合を判断し、
第2のスイッチが電力供給状態となるのを許可する前に、第1のスイッチが電力供給状態であることを確認し、
第1のスイッチが電力供給状態であるときに、第2のスイッチが電力供給状態であるかを確認し、
第1のスイッチまたは第2のスイッチのいずれかが所望の状態でない場合に、エレベータ駆動装置への電力供給を防ぐ、ステップをそれぞれ含み、
第1のスイッチが電力供給状態であるかを確認することは、第1のスイッチとエレベータ駆動装置との間の第1のスイッチの出力に関連する電圧レベルを測定することを含むことを特徴とするエレベータ駆動装置への電力供給制御方法。
【請求項11】
第1のスイッチおよび第2のスイッチは、関連するエレベータかごが移動すべき場合に電力供給状態であるべきであることを特徴とする請求項10に記載のエレベータ駆動装置への電力供給制御方法。
【請求項12】
第2のスイッチが電力供給状態であるかを確認することは、第2のスイッチとエレベータ駆動装置との間の第2のスイッチの出力に関連する電圧レベルを測定することを含むことを特徴とする請求項10に記載のエレベータ駆動装置への電力供給制御方法。
【請求項13】
エレベータ駆動装置への電力供給を防ぐことは、安全チェーンを無効にすることを含むことを特徴とする請求項10に記載のエレベータ駆動装置への電力供給制御方法。
【請求項14】
第1のスイッチが電力供給状態であることが確認されるまで、第2のスイッチの作動を遅延することを特徴とする請求項10に記載のエレベータ駆動装置への電力供給制御方法。
【請求項15】
第1のスイッチおよび第2のスイッチが共に電力供給状態であるべき場合に、第1のスイッチが電力供給状態であることを確認するまで、安全チェーンが第2のスイッチを制御するのを防ぎ、
第1のスイッチがすでに電力供給状態であるときに、続いて、第2のスイッチが電力供給状態となるのを可能にすることを含むことを特徴とする請求項14に記載のエレベータ駆動装置への電力供給制御方法。
【請求項16】
第1のスイッチおよび第2のスイッチは、それぞれ単極単投リレースイッチまたは単極双投リレースイッチであることを特徴とする請求項10に記載のエレベータ駆動装置への電力供給制御方法。
【請求項17】
第1のスイッチおよび第2のスイッチは、それぞれ半導体スイッチであることを特徴とする請求項10に記載のエレベータ駆動装置への電力供給制御方法。
【請求項18】
第1のスイッチが電力供給状態であることが確認されるまで、安全チェーンと第2のスイッチとの間の連結部を中断することを含むことを特徴とする請求項10に記載のエレベータ駆動装置への電力供給制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ駆動装置への電力供給の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータ装置は、エレベータかごの移動を制御する種々のコンポーネントを含む。例えば、エレベータ駆動装置は、エレベータかごを移動させるモータの制御を担う。例えば、エレベータかごドアや昇降路に沿ったドアが開いている場合にモータがエレベータかごを移動させるのを防ぐために、エレベータ安全チェーンがエレベータ駆動装置と関連づけられている。安全チェーンは、駆動装置およびモータへの電力供給を防ぐように動作する。
【0003】
安全チェーンによるエレベータ駆動装置およびモータへの電力供給の制御は、典型的に高コストのリレーを使用することによって達成されている。エレベータの規準は、このようなリレーの正常な動作を確認することを要求する。従って、動作確認のために比較的高価な強制ガイド式リレーが典型的に使用されている。強制ガイド式リレーは、高価でかつ駆動回路基盤上にかなりの空間を要する。強制ガイド式リレーは、フェールセイフな方式でリレーの動作を監視することができる点で有用である。強制ガイド式リレーは、2つの接点を含み、一方は通常閉じており、他方は通常開いている。一方の接点は、他方の接点の状態の監視を可能とし、これにより、リレーの動作の監視が達成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベータ装置の設計者は、コストおよび要求される空間を減少させようと常に努力している。強制ガイド式リレーは、これらの両方の目的の達成を妨げている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的なエレベータ制御装置は、エレベータ駆動装置を含む。安全チェーンが、エレベータ装置の選択されたコンポーネントの少なくとも1つの状態を監視するように構成されている。第1のスイッチが、監視された状態に従ってエレベータ駆動装置に電力を選択的に供給するように安全チェーンによって制御される。第2のスイッチが、第1のスイッチと直列に設けられている。第2のスイッチは、監視された状態に従ってエレベータ駆動装置に電力を選択的に供給するように安全チェーンによって制御される。監視装置が、第1および第2のスイッチがエレベータ駆動装置に電力を供給するために電力供給状態であるべき場合を判断するように構成されている。このような状況の1つは、エレベータかごの移動が望まれるときである。監視装置は、エレベータ駆動装置に電力を供給するように安全チェーンが第2のスイッチを制御するのを許可する前に、第1のスイッチが電力供給状態であることを確認する。監視装置は、第1のスイッチが適切に電力供給状態であるときに、第2のスイッチが電力供給状態であるかを判断する。監視装置は、第1のスイッチまたは第2のスイッチのいずれかが所望の状態でないと判断したときには、エレベータ駆動装置への電力供給を防ぐように設けられている。
【0006】
エレベータ駆動装置への電力供給を制御する例示的な方法は、安全チェーンとエレベータ駆動装置への電気接続部との間の第1および第2のスイッチが、エレベータ駆動装置に電力を供給するために電力供給状態であるべき場合を判断することを含む。第2のスイッチが電力供給状態となることを許可する前に、第1のスイッチが電力供給状態であることを確認する。第1のスイッチが適切に電力供給状態であるときに、第2のスイッチが電力供給状態であるかを判断する。第1のスイッチまたは第2のスイッチが所望の状態でなければ、エレベータ駆動装置への電力供給が防がれる。
【0007】
開示された実施例の種々の特徴および利点は、以下の詳細な説明により当業者に明らかとなる。詳細な説明に付随する図面について、以下に簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例に従って設計された例示的なエレベータ電力供給制御装置の概略説明図である。
【
図2】例示的な制御方法の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、エレベータ制御装置20を概略的に示している。エレベータ駆動装置22が、関連するエレベータかご(図示省略)の移動を制御するためにモータ(図示省略)の動作を制御する。安全チェーン24が、エレベータ駆動装置22が電源26から電力供給を受けるかどうかを選択的に制御する。安全チェーン24は、導線28が電源26からエレベータ駆動装置22に電力を伝導するかどうかを効果的に制御する。
【0010】
安全チェーン24は、エレベータ装置の少なくとも1つの選択されたコンポーネントの少なくとも1つの状態を監視するように構成されている。一例では、安全チェーン24は、昇降路に沿って設けられたドアロックに関連する複数のスイッチを含む。安全チェーン24は、いずれかのドアロックが昇降路ドアが開いていることを示す場合に、エレベータ駆動装置22が電力供給を受けるのを防ぐように設けられている。
【0011】
安全チェーン24は、電源26からの電力が導線28を通ってエレベータ駆動装置22に供給されるかどうかを制御するために第1のスイッチ30を制御する。安全チェーン24は、さらに、第2のスイッチ32を制御する。第1のスイッチ30および第2のスイッチ32の両方が電力供給状態である(すなわち、閉じている)場合に、エレベータ駆動装置22は電源26から電力供給を受けることができる。第1のスイッチ30および第2のスイッチ32は、エレベータ駆動装置22のインバータゲート駆動回路から独立している。
【0012】
図示の例では、第1のスイッチ30と第2のスイッチ32は、独立したリレースイッチを含む。一例では、スイッチは、両方とも単極単投(SPST)リレースイッチである。他の例では、第1のスイッチ30と第2のスイッチ32は、それぞれ単極双投(SPDT)リレースイッチである。他の例は、半導体スイッチである。
【0013】
第1のスイッチ30と第2のスイッチ32は、自己監視機能を提供しない。
図1の例は、関連するエレベータ装置の現在の状態に基づいて第1のスイッチ30および第2のスイッチ32が適切に作動されているかを判断するように設けられた監視装置34を含む。一例では、監視装置34は、マイクロプロセッサを含む。監視装置34は、第1のスイッチ30と第2のスイッチ34が電力供給状態であるべき場合を判断するために、例えば、ソフトウェアまたはファームウェアでプログラムされている。他の例では、監視装置34は、スイッチの状態を判断をするように構成されたASICを含む。他の例示的な監視装置は、個別の論理要素を含む。
【0014】
監視装置34は、第1のスイッチ30および第2のスイッチ32が電力供給状態であるべきかどうかを判断するように構成されている。電力供給状態であるべき場合には、監視装置34は、制御コンポーネント36(例えば、固体スイッチ)を使用して、第1のスイッチ30と第2のスイッチ32が安全チェーンによって作動されるタイミングを制御する。監視装置34は、監視装置34によって第1のスイッチ30が適切に電力供給状態であることが確認されるまで、第2のスイッチ32の作動を遅延する。監視装置34は、続いて、安全チェーン24による第2のスイッチ32の作動を許可し、第2のスイッチ32が対応する状況において適切に電力供給状態であることを確認する。
【0015】
図示の例では、監視装置34は、38として概略的に示す、第1のスイッチ30とエレベータ駆動装置22との間の第1のスイッチ30の出力側で導線28の電圧を監視する。第1のスイッチ30の出力側(例えば、38における導線28)の電圧は、第1のスイッチ30が電力供給状態であるかを示す。第1のスイッチ30の状態に関して間違った肯定の判断を避けるために、第1のスイッチ30が電力供給状態であるかを監視装置34が判断しているときは、第2のスイッチ32の電力供給状態は許可されない。一例では、監視装置34は、さらに、第2のスイッチ32が適切な電圧を有しているかを同時に判断する。
【0016】
監視装置34は、第1のスイッチ30の適切な作動が確認されると、安全チェーンが第2のスイッチ32を作動することを許可する。監視装置34は、40として概略的に示す、第2のスイッチ32とエレベータ駆動装置22との間の導線28の部分の電圧を測定する。換言すると、監視装置34は、第2のスイッチ32の出力側の電圧が所望のスイッチ状態を示しているかを判断する。これにより、監視装置34は、第2のスイッチ32の作動状態を判断することができる。
【0017】
例示的な実施例の監視装置34は、マイクロプロセッサを含むので、万一導線28が高電圧状態となった際に監視装置34を保護するために絶縁要素42が設けられている。
【0018】
図2は、例示的な方法の概要を示すフローチャート50である。52では、エレベータ装置は、エレベータ駆動装置22が休止している動作状態である。これは、例えば、エレベータかごが乗客を乗車させるために乗場に停車した状態に対応する。この状態では、スイッチ30,32は開いており、DC電源がエレベータ駆動装置22のインバータゲート駆動回路から切断されている。54では、エレベータ駆動装置22は、エレベータかごを移動させるべきであることを示す走行指令を受信する。56では、安全チェーン24が動作し、電源26からの電力を導線28を通してエレベータ駆動装置22に供給するために、第1のスイッチ30および第2のスイッチ32を(例えば、閉じるように)作動させようと試みる。
【0019】
58で示すように、監視装置34は、第1のスイッチ30の作動を許可し、第2のスイッチ32の作動を防ぐ。監視装置34は、このために、例えば、スイッチ36を制御する。60では、監視装置34は、第1のスイッチ30および第2のスイッチ32の出力側の電圧を測定する(例えば、
図1の位置38,40における電圧を測定する)。
【0020】
62では、38,40で測定した電圧が、第1のスイッチ30が電力供給状態であり、第2のスイッチ32が電力供給状態でないことを示すかを判断する。これらの状態が共に満たされない場合には、安全チェーンが64で無効(disable)とされ、エレベータ駆動装置22は電力供給を受けず、指令された走行が実行されない。換言すると、第1のスイッチ30および第2のスイッチ32が、これらのスイッチの所望の動作と一致する方法で動作していない場合には、エレベータかごの移動が防がれる。
【0021】
62における判断が肯定であると仮定すると、監視装置34は、66で第2のスイッチ32の作動を許可する。ステップ56とステップ66との間には遅延がある。この遅延は、第1のスイッチ30が適切に機能しているかを確認するために監視装置34によって制御される。68では、監視装置34は、第2のスイッチ32の出力側の(例えば、
図1の40における)電圧を測定する。
【0022】
70では、ステップ68で測定した電圧が、第2のスイッチ32が適切に電力供給状態である場合に予想される電圧と一致するかどうかを判断する。一致しなければ、安全チェーンが72で無効にされ、エレベータ駆動装置22はエレベータかごを移動させるためにモータを制御することができなくなる。
【0023】
70における判断が肯定であると仮定すると、エレベータ駆動装置22は、74で電力供給を受け、かごが所望の通りに移動される。76では、エレベータかごは停止し、エレベータかごから乗客が降車できるようにドアが開かれている。この時点では、安全チェーン24は、ドアが開いていることを検出したために無効となっている。76で安全チェーンが無効とされると、78で第1のスイッチ30と第2のスイッチ32が開かれ、電源26からエレベータ駆動装置22にそれ以上の電力が供給されなくなり、安全チェーン24が後で第1のスイッチ30と第2のスイッチ32を作動させて上述と同じ方法で電力供給状態とするまで、エレベータかごのそれ以上の移動が防がれる。
【0024】
他方のスイッチ30,32の適切な動作が確認されるまで、一方のスイッチ30,32の作動を遅延する上述の技術により、エレベータの各走行の最初に両方のスイッチをテストすることができる。上述の技術は、いずれかのスイッチ30,32または制御コンポーネント36の故障状態を必ず検出する。加えて、制御コンポーネント36は、第1のスイッチ30または第2のスイッチ32のいずれかを無効にするが、安全チェーン24に影響を及ぼさない。従って、図示の例は、装置20に必要な完全性を維持すると同時に、第1のスイッチ30および第2のスイッチ32のそれぞれの作動状態の監視を可能にする。
【0025】
上述の例によれば、エレベータ駆動装置への電力供給の制御に関するエレベータ規準を満たすために必要な監視機能を実現することができる。上述の例は、強制制御リレースイッチなどの高価なコンポーネントを必要とせずにこの目的を達成する。その代わりに、監視装置34と共に比較的安価なSPSTリレーまたはSPDTリレーを使用することができる。これにより、コストおよび回路基盤の空間を節減することができる。
【0026】
上述の説明は、例示的なものであり、限定的なものではない。開示された実施例の変更や改良は、当業者には明らかであり、本発明の趣旨から必ずしも逸脱するものではない。本発明に与えられる法的保護の範囲は、以下の請求項の検討によってのみ判断される。