特許第5764765号(P5764765)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764765
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
   A63F7/02 315A
【請求項の数】1
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2012-11324(P2012-11324)
(22)【出願日】2012年1月23日
(65)【公開番号】特開2012-166015(P2012-166015A)
(43)【公開日】2012年9月6日
【審査請求日】2013年7月8日
(31)【優先権主張番号】特願2011-16838(P2011-16838)
(32)【優先日】2011年1月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】安藤 繁光
【審査官】 ▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−233901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の始動口への入球に起因して抽出された乱数に基づき大当り抽選を行い、該大当り抽選で当選すると、遊技者に対し予め定められた遊技価値を付与する大当り遊技を行う主制御装置と、前記主制御装置からのコマンドに応じて演出を行うサブ制御装置とを備える弾球遊技機であって、
前記主制御装置は、
前記乱数の保留記憶を行う保留記憶手段と、
前記保留記憶に係る前記乱数に基づき、前記大当り抽選と、該大当り抽選に当選した後に前記大当り抽選での当選確率が上昇する確変状態となるか否かを決める補助抽選と、前記大当り抽選の開始前に前記確変状態を解除するか否かを決める転落抽選とを行抽選手段と、
前記補助抽選の結果に応じて当該弾球遊技機を前記確変状態に設定すると共に、前記転落抽選の結果に応じて前記確変状態を解除する状態設定手段と、
前記抽選手段が実行される前に、前記大当り抽選或いは前記転落抽選の結果を事前に判定する先読み判定を行う先読み手段と、
前記大当り抽選と前記転落抽選とについての前記先読み判定の結果を示す一の前記コマンドである先読みコマンドを設定し、前記サブ制御装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記サブ制御装置は、前記先読みコマンドに基づき、前記先読み判定の結果に応じた演出を行い、
前記抽選手段は、前記補助抽選において、さらに、前記大当り抽選に当選した後に前記始動口への入球確率が上昇する時短状態となるか否かを決め、
前記状態設定手段は、前記補助抽選の結果に応じて、当該弾球遊技機を前記確変状態或いは前記時短状態に設定すると共に、前記転落抽選の結果に応じて前記確変状態を解除し、
前記始動口として、第一始動口と第二始動口とを有し、
前記時短状態では、前記第二始動口への入球確率が上昇し、
前記抽選手段は、前記第二始動口への入球に起因して抽出された前記乱数の前記保留記憶について優先的に抽選し、
前記送信手段は、前記確変状態又は前記時短状態に設定されている場合には、前記第一始動口への入球に起因して抽出された前記乱数の前記保留記憶に関しての前記先読みコマンドを送信せず、前記第二始動口への入球に起因して抽出された前記乱数の前記保留記憶に関しては、前記大当り抽選と前記転落抽選についての前記先読み判定の結果を示す前記先読みコマンドを送信し、
前記サブ制御装置は、
それぞれの前記保留記憶に対応して保留図柄を表示装置にて表示する構成で、
前記先読みコマンドに基づき、該先読みコマンドに対応する前記保留図柄として、前記転落抽選と前記大当り抽選とのうちのいずれかで当選することを示唆する示唆保留図柄を表示すること、
を特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
始動口への入賞に起因して乱数を抽出し、該乱数に基づき大当り抽選を行う主制御装置や、大当り抽選の結果を報知するための大当り演出を行うサブ制御装置を備える弾球遊技機が知られている。このような弾球遊技機では、大当り演出が行われている際に始動口への入賞が生じた場合には、所定数を上限として該入賞に起因して抽出された乱数が保留記憶されると共に、大当り演出が終了する度に保留記憶された乱数に基づき大当り抽選が行われることで、保留記憶が消化される。
【0003】
また、近年では、大当り演出中に、保留記憶されている乱数に基づく演出を行う弾球遊技機が知られており、このような弾球遊技機では、主制御装置により、保留記憶されている乱数により大当り抽選に当選するか等について判定する先読み判定が行われる。一例として、特許文献1に記載の弾球遊技機では、保留記憶の発生時に、保留記憶がなされた当り抽選乱数が当り乱数グループA〜Cのいずれに属するかが判定され、当り乱数グループA,Bに属する場合には、仮変動パターン抽選が行われる。そして、仮変動パターン抽選で当選した場合には、該保留記憶が消化されるより前に行われる大当り演出にて、該仮変動パターン抽選の結果に応じた予告演出が行われる。このような予告演出を行うことで、遊技者に対し、始動口への入賞発生後の早い段階から大当りの期待感を持たせることができる。
【0004】
一方、特許文献2に記載されているように、始動口への入賞に起因して抽出された乱数に基づき、大当り確率が上昇する高確率状態を解除するか否かを決定する転落抽選を行う弾球遊技機が知られている。このような弾球遊技機によれば、遊技者は高確率状態の終了タイミングを把握することができず、遊技者を高確率状態の終了までに大当りを得たいという気持ちにさせることができ、緊張感の高い遊技を提供することができる。
【0005】
ここで、特許文献2に記載の弾球遊技機に先読み判定を適用し、始動口入球時に転落抽選や大当り抽選に当選するか否かの予告演出を行うことが考えられ、このような予告演出を行うことで、弾球遊技機の面白みを増加させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−187795号公報
【特許文献2】特開2008−284397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、転落抽選や大当り抽選についての予告演出を行うとした場合には、主制御装置からサブ制御装置に対し転落抽選や大当り抽選についての先読み判定の結果を通知する必要があり、主制御装置とサブ制御装置との間の通信負荷や処理負荷の増加が懸念される。
【0008】
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、主制御装置とサブ制御装置との間の通信負荷や処理負荷の増加を抑えつつ、転落抽選と大当り抽選についての先読み判定に基づく演出を行う弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の発明は、遊技球の始動口への入球に起因して抽出された乱数に基づき大当り抽選を行い、該大当り抽選で当選すると、遊技者に対し予め定められた遊技価値を付与する大当り遊技を行う主制御装置と、主制御装置からのコマンドに応じて演出を行うサブ制御装置とを備える弾球遊技機に関する
【0010】
そして、主制御装置は、乱数の保留記憶を行う保留記憶手段と、保留記憶に係る乱数に基づき、大当り抽選と、該大当り抽選に当選した後に大当り抽選での当選確率が上昇する確変状態となるか否かを決める補助抽選と、大当り抽選の開始前に確変状態を解除するか否かを決める転落抽選とを行抽選手段と、補助抽選の結果に応じて当該弾球遊技機を確変状態に設定すると共に、転落抽選の結果に応じて確変状態を解除する状態設定手段と、抽選手段が実行される前に、大当り抽選或いは転落抽選の結果を事前に判定する先読み判定を行う先読み手段と、大当り抽選と転落抽選とについての先読み判定の結果を示す一のコマンドである先読みコマンドを設定し、サブ制御装置に送信する送信手段と、を備え、サブ制御装置は、先読みコマンドに基づき、先読み判定の結果に応じた演出を行うこと、を特徴とする。
【0011】
さらに、抽選手段は、補助抽選において、さらに、大当り抽選に当選した後に始動口への入球確率が上昇する時短状態となるか否かを決め、状態設定手段は、補助抽選の結果に応じて、当該弾球遊技機を確変状態或いは時短状態に設定すると共に、転落抽選の結果に応じて確変状態を解除する。
また、始動口として、第一始動口と第二始動口とを有し、時短状態では、第二始動口への入球確率が上昇し、抽選手段は、第二始動口への入球に起因して抽出された乱数の保留記憶について優先的に抽選し、送信手段は、確変状態又は時短状態に設定されている場合には、第一始動口への入球に起因して抽出された乱数の保留記憶に関しての先読みコマンドを送信せず、第二始動口への入球に起因して抽出された乱数の保留記憶に関しては、大当り抽選と転落抽選についての先読み判定の結果を示す先読みコマンドを送信する。
また、サブ制御装置は、それぞれの保留記憶に対応して保留図柄を表示装置にて表示する構成で、先読みコマンドに基づき、該先読みコマンドに対応する保留図柄として、転落抽選と大当り抽選とのうちのいずれかで当選することを示唆する示唆保留図柄を表示する。
【0012】
なお、新たに保留記憶が生成された時は確変状態でなかったとしても、その後の保留記憶(前記新たな保留記憶よりも古い保留記憶)の消化により大当りが発生したときなどは、該新たな保留記憶が消化される時には確変状態となっている可能性もある。このため、確変状態であるか否かに関らず、サブ制御装置に大当り抽選についての先読み判定の結果を通知することには意義があるということを念のため付言しておく。
【0013】
このような構成によれば、サブ制御装置に対し、転落抽選と大当り抽選についての先読み判定の結果が一つのコマンドにより通知される。このため、主制御装置からサブ制御装置に送信されるコマンドの数を抑えることができると共に、サブ制御装置は、一つのコマンドを受信することで、大当り抽選と転落抽選の一方或いは両方についての先読み判定の結果を反映した演出を行うことができる。したがって、請求項1に記載の弾球遊技機によれば、主制御装置とサブ制御装置との間の通信負荷や処理負荷の増加を抑えつつ、転落抽選と大当り抽選についての先読み判定に基づく演出を行うことができる。
【0014】
さらに、請求項1に記載の弾球遊技機では、補助抽選の結果に応じて、確変状態のみならず時短状態に設定されるため、弾球遊技機の興趣を高めることができる。
なお、時短状態を備えることで、遊技状態としては、確変状態と時短状態が同時に付与される状態、確変状態のみが付与される状態、時短状態のみが付与される状態、何も付与されない状態の4つの状態を有することが可能となる。
【0015】
確変状態と時短状態が付与されている時に転落抽選の結果により確変が解除される時は、時短状態のみが付与された遊技状態に移行する構成としてもよいし、何も付与されない遊技状態に移行する構成としてもよい。
【0016】
時短状態のみが付与される遊技状態に移行する場合は、確変状態が転落しても遊技者は気付かずに遊技することになるため、時短状態が終わるまではまだ確変状態が継続しているという可能性を期待しながら遊技を進行させることができる。
【0017】
一方、何も付与されない遊技状態に移行する場合は、同時に時短状態も終了するため図柄の変動時間、普通電動役物の開放動作態様で転落したことが直ぐわかり、正確に遊技状態を把握しながら確変状態がどこまで続くかを楽しみながら遊技を進行させることができる。
【0020】
また、請求項1に記載の弾球遊技機は、大当り抽選については判定していないことを示す専用のコマンドを備えることにより、先読みコマンドだけで大当り抽選についての先読み判定結果が含まれていないことが把握できる点、時短状態或いは確変状態であることがわかる点を効果として挙げることができる。
【0021】
なお、送信手段は、時短状態或いは確変状態である場合には、転落抽選についての先読み判定の結果を示すと共に、大当り抽選の結果を全てハズレで指定する先読みコマンドを生成しても良い。
【0022】
こうすることにより、時短状態或いは確変状態時は、大当り抽選の判定内容が先読みコマンドからは判断できず、転落抽選の判定のみを演出に反映させることができる。また、サブ制御装置は、先読みコマンドではハズレが指定されているが、遊技状態を参照すれば、大当り抽選についての先読み判定をしていないことを示していることが把握できるので、何ら問題ない。
【0023】
また、請求項1に記載の弾球遊技機や、上述した大当り抽選の結果を全てハズレで指定する先読みコマンドを用いる弾球遊技機によれば、サブ制御装置に対し、転落抽選についての先読み判定結果のみを通知することができる。
【0024】
また、第一始動口と第二始動口を有し、各始動口への入賞に起因して個別に大当り抽選を行い、第二始動口についての保留記憶が優先的に消化されると共に、時短状態では、第二始動口への入球確率が上昇する弾球遊技機が知られている。このような弾球遊技機において、時短状態となった際に、遊技者に対し、先読み判定の結果として、第一始動口の保留記憶により大当り抽選に当選することが通知されたとする。このとき、時短状態では、遊技球を大きく減らすことなく第二始動口での大当りを発生させることができるため、遊技者は、第一始動口に対応する大当りが発生するにもかかわらず、遊技を継続すると考えられる。つまり、そのまま第一始動口での大当りを発生させるとそこで時短状態が終わってしまうため、それならばできるところまで第二始動口へ入賞させて時短遊技を継続させるのである。このように、第一始動口の保留記憶についての先読み判定の結果を報知するとなると、遊技者は、遊技の展開を操作することが可能となり、遊技者の介入により、遊技により得られる遊技価値が変化し過ぎてしまう。
【0026】
これに対し、請求項1に記載の弾球遊技機によれば、遊技者は、第一始動口の保留記憶により大当り抽選に当選するかを把握することができず、先読み判定結果に基づく演出を行いつつも、遊技者が遊技の展開に介入する余地を排除することができる。
【0027】
また、読みコマンドは、消化されていない保留記憶の数と、該保留記憶についての大当り抽選或いは転落抽選の先読み判定の結果を示しても良い。
【0028】
こうすることにより、サブ制御装置に対し、一つのコマンドにより、転落抽選と大当り抽選についての先読み判定の結果と、保留記憶の数とを通知することができ、主制御装置とサブ制御装置との間の通信負荷や処理負荷の増加をより一層抑えることができる。
【0029】
また、既に述べたように、確変状態である場合や時短状態である場合には、大当り抽選に当選し易くなるため、遊技者に対し、大当り抽選についての先読み判定結果を通知する必要性は低いとも考えられる。
【0030】
そこで、送信手段は、時短状態或いは確変状態である場合には、先読みコマンドを送信しない構成としても良い。
こうすることにより、通信負荷や処理負荷を抑えることができる。
【0031】
また、既に述べたように、第一,第二始動口を有し、第二始動口についての保留記憶が優先的に消化され、時短状態では第二始動口への入球確率が上昇する弾球遊技機においては、時短状態中に第一始動口の保留記憶についての先読み判定の結果を報知すると、遊技者による遊技展開の操作が可能となってしまう。
【0032】
そこで、始動口として、第一始動口と第二始動口とを有し、時短状態では、第二始動口への入球確率が上昇し、抽選手段は、第二始動口への入球に起因して抽出された乱数の保留記憶を優先的に消化し、送信手段は、時短状態である場合には、第一始動口への入球に起因して抽出された乱数の保留記憶に関しての先読みコマンドを送信しない弾球遊技機を構成しても良い。
【0033】
このような構成によれば、通信負荷や処理負荷を抑えることができると共に、遊技者は、第一始動口の保留記憶により大当り抽選に当選するかを把握することができなくなり、遊技者が遊技の展開に介入する余地を排除することができる。
【0034】
なお、送信手段は、消化されていない保留記憶の数と、該保留記憶についての大当り抽選或いは転落抽選の先読み判定の結果を示す先読みコマンドを生成し、サブ制御装置に送信し、時短状態である場合には、第一始動口への入球に起因して抽出された乱数の保留記憶に関しては、消化されていない保留記憶の数を示すコマンドを生成し、サブ制御装置に送信しても良い。
【0035】
こうすることにより、サブ制御装置に対し、一つのコマンドにより、転落抽選と大当り抽選についての先読み判定の結果と、保留記憶の数とを通知することができ、主制御装置とサブ制御装置との間の通信負荷や処理負荷の増加をより一層抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】パチンコ機の正面図である。
図2】パチンコ機の遊技盤の正面図である。
図3】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図4】始動入賞確認処理についてのフローチャートである。
図5】特別当否判定処理についてのフローチャートである。
図6】特別当否判定処理についてのフローチャートである。
図7】特別当否判定処理についてのフローチャートである。
図8】特別当否判定処理についてのフローチャートである。
図9】大当り設定処理についてのフローチャートである。
図10】ハズレ設定処理についてのフローチャートである。
図11】大当り遊技処理についてのフローチャートである。
図12】大当り遊技処理についてのフローチャートである。
図13】大当り遊技処理についてのフローチャートである。
図14】第1,第2特別図柄における各大当り図柄に対応する大当り遊技態様と、特典内容を示す表である。
図15】実施例1における先読み保留コマンドの構成を示す説明図等である。
図16】実施例2,3における先読み保留コマンドに関する表である。
図17】先読み演出における演出画面を示す説明図である。
図18】先読み演出における演出画面を示す説明図である。
図19】先読み演出処理1についてのフローチャートである。
図20】先読み演出処理1についてのフローチャートである。
図21】先読み演出処理2についてのフローチャートである。
図22】先読み演出処理3についてのフローチャートである。
図23】先読み演出処理3についてのフローチャートである。
図24】先読み演出処理3についてのフローチャートである。
図25】先読み演出処理4についてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0038】
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠21にて構成の各部を保持する構造である。
【0039】
外枠21の左側上下には、ヒンジ5bが設けられており、該ヒンジ5bの他方側には内枠3が取り付けられており、内枠3は外枠21に対して開閉可能な構成になっている。
前枠5cには、板ガラス9が取り外し自在に設けられており、板ガラス9の奥には、図2に記載する遊技盤8が内枠3に取り付けられた状態で配置されている。
【0040】
前枠5cの上側左右には、スピーカ11が設けられており、パチンコ機1から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠5cに遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプも複数設けられている。
【0041】
前枠5cの下方には、上皿12と下皿13が一体に形成されている。下皿13の右側には発射ハンドル18が取り付けられており、該発射ハンドル18を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤8に向けて発射される。
【0042】
上皿12の中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン14aとジョグダイヤル14bが備えられており、遊技者が所定期間中に、演出ボタン14a或いはジョグダイヤル14bを操作することで後述する演出図柄表示装置54bに表示される内容が変化したり、スピーカ11より出力される遊技音が変化する。
【0043】
また、このパチンコ機1はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)5aが付属しており、パチンコ機1には、貸出ボタン16、精算ボタン17及び精算表示装置15を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0044】
図2に示すように遊技盤8には、公知のガイドレール25a,25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられている。この遊技領域26には多数の遊技釘27が打ち付けられている。
【0045】
遊技領域26のほぼ中央部には、センターケース28が配されている。センターケース28は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置54b(液晶表示装置であり疑似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓28a等を備えている。
【0046】
遊技領域26に向かって右側下方には、7セグメントの第1特図表示装置29及び第2特図表示装置30と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置29a及び第2特図保留数表示装置30aと、2個のLEDからなる普通図柄表示装置41と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置41aが設置されている。
【0047】
センターケース28に向かって左横には、普通図柄作動ゲート42が配置されており、センターケース28の下方には第1始動口31が配置され、さらにその下方には第2始動口32が配置されている。
【0048】
第1始動口31は、いわゆるチャッカーであり、常時入球可能である。
第2始動口32は、羽根40が開閉する電動チューリップであるが、上方に第1始動口31があるために図示の閉鎖状態では遊技球を入球させることができない。しかし、遊技球が普通図柄作動ゲート42を通過すると行われる普通図柄抽選で当り、普通図柄表示装置41に当りの普通図柄が確定表示されると、第2始動口32は開放されて入球容易になる。
【0049】
第2始動口32の下方にはアタッカー式の大入賞口33aが配置され、その下方にはアウト穴34が設けられている。また、第2始動口32に向かって左側には、一般入賞口35aがガイドレール25bに沿うように設けられている。この一般入賞口35aは、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0050】
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機1の電気的構成について説明する。このパチンコ機1は、図3のブロック図に示すとおり、主制御装置50を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置50、払出制御装置51、演出図柄制御装置54a、サブ統合装置53のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。また、発射制御装置52、電源基板にはCPU、ROM、RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置52等にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0051】
主制御装置50には、第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1始動口SW31a、第2始動口32に入球した遊技球を検出する第2始動口SW32a、普通図柄作動ゲート42に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW42a、大入賞口33aに入球した遊技球を計数するためのカウントSW33b、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口SW35b等の検出信号が入力される。
【0052】
主制御装置50は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置51及びサブ統合装置53に出力する。
【0053】
また、主制御装置50は、図柄表示装置中継端子板64を介して接続されている第1特図表示装置29,第2特図表示装置30,第1特図保留数表示装置29a,第2特図保留数表示装置30a,普通図柄表示装置41,普図保留数表示装置41aの表示を制御する。
【0054】
更に、主制御装置50は、大入賞口ソレノイド33cを制御することで大入賞口33aの開閉を制御し、普通役物ソレノイド40bを制御することで第2始動口32の開閉を制御する。
【0055】
主制御装置50からの出力信号は試験信号端子にも出力されほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子61に出力されてホールメインコンピュータに送られる。
主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信が可能である。
【0056】
払出制御装置51は、主制御装置50から送られてくるコマンドに応じて払出モータ24aを稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW24bの検出信号は払出制御装置51に入力され、払出制御装置51で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置50と払出制御装置51に払出SW24bの検出信号が入力され、主制御装置50と払出制御装置51の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0057】
なお、払出制御装置51は、ガラス枠閉鎖SW38,内枠閉鎖SW39,球切れSW23a,払出SW24b,満杯SW13aからの信号が入力され、満杯SW13aにより下皿13が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW23aにより球タンク22に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ24aを停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW13a,球切れSW23aも、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置51は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ24aの駆動を再開させる。
【0058】
また、払出制御装置51はCRユニット端子板60を介してCRユニット5aと交信することで払出モータ24aを作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW24bに検出され、検出信号は払出制御装置51に入力される。また、CRユニット端子板60は精算表示装置15とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置15には、遊技球の貸出しを要求するための球貸SW16a、精算を要求するための精算SW17aが設けられている。
【0059】
また、払出制御装置51は、外部接続端子61を介して賞球に関する情報、枠(内枠3、前枠5c)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。
【0060】
なお本実施例では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置52は発射モータ36を制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。
【0061】
なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドル18からの回動量信号、タッチSW20aからのタッチ信号、発射停止SW19aから発射停止信号が入力される。
【0062】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル18を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル18を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW19aを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置52に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル18を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0063】
サブ統合装置53はサブ制御装置に該当し、主制御装置50から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置54aに送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ11からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ37を制御する。また、サブ統合装置53には、演出SW14a−1,ジョグダイヤルSW14b−1が接続されており、遊技者が演出ボタン14aやジョグダイヤル14bを操作した際には、その信号がサブ統合装置53に入力される。
【0064】
サブ統合装置53と演出図柄制御装置54aとは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、疑似図柄等の演出画像を表示させる。
【0065】
[動作の説明]
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の動作について説明する。
(1)概要について
本実施形態のパチンコ機1は、第1始動口31と第2始動口32が設けられており、各始動口への入賞により当否判定用乱数等の各種乱数が抽出され、当否判定用乱数に基づき大当り抽選が行われると共に、演出図柄の変動表示等を行い大当り抽選の結果を報知する大当り演出が行われる。そして、大当り抽選で当選した際には、大当り演出にて特定の図柄が並んで停止表示され、遊技者に所定の遊技価値を付与する大当り遊技が行われる。また、各始動口につき、4個を上限として個別に乱数の保留記憶が行われると共に、第2始動口に対応する保留記憶が優先的に消化されるよう構成されている。
【0066】
また、パチンコ機1では、大当り抽選での当選確率が上昇する確変状態と、普通図柄抽選での当選確率が上昇すると共に、該普通図柄抽選で当選した際の第2始動口32の開放時間が長くなる開放延長状態とを有している。なお、確変状態である場合を高確率状態、確変状態でない場合を低確率状態とも記載すると共に、開放延長状態を時短状態とも記載する。そして、当否判定用乱数と共に抽出された図柄決定用乱数に基づき、大当りとなった際に停止表示される図柄を決定する補助抽選が行われ、大当り遊技の終了後、補助抽選により決定された図柄に応じて当該パチンコ機1が確変状態や開放延長状態に設定される。さらに、パチンコ機1では、大当り抽選以外にも、当否判定用乱数と共に抽出された転落判定用乱数に基づき転落抽選が行われ、転落抽選で当選すると確変状態が解除される。
【0067】
また、パチンコ機1では、各保留記憶について、該保留記憶の消化により大当り抽選或いは転落抽選に当選するか否かを判定する先読み判定が行われ、先読み判定の結果を反映した演出が行われる。
【0068】
以下では、各始動口への入賞後、大当り抽選や大当り遊技が行われるまでの間の処理や、先読み判定に基づく演出について説明する。
(2)始動入賞確認処理について
まず、第1,第2始動口への遊技球の入賞が発生した際に乱数を抽出して保留記憶する始動入賞確認処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。本処理は、メインルーチンから定期的に実行される処理である。
【0069】
S105では、主制御装置50は、第1始動口SW31aの検出信号に基づき、第1始動口31への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S105:Yes)、S110に処理を移行し、否定判定の場合は(S105:No)、S135に処理を移行する。
【0070】
S110では、主制御装置50は、第1始動口31についての保留記憶数が最大値(本実施形態では4)か否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S110:Yes)、S135に処理を移行し、否定判定の場合は(S110:No)、S115に処理を移行する。
【0071】
S115では、主制御装置50は、大当り抽選に用いられる当否判定用乱数や、大当りに当選した際に停止表示される図柄を決定するための図柄決定用乱数や、転落抽選に用いられる転落判定用乱数や、演出図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出して保留記憶し(第1保留記憶とも記載)、S120に処理を移行する。
【0072】
S120では、主制御装置50は、第1保留記憶に対応する転落判定用乱数に基づき、該保留記憶の消化により転落抽選に当選し、確変状態が終了するか否かを判定する転落事前判定処理(転落抽選についての先読み判定)を行う。そして、S125に処理を移行する。
【0073】
S125では、主制御装置50は、第1保留記憶に対応する当否判定用乱数に基づき、該保留記憶の消化により大当り抽選に当選するか否かを判定する当否事前判定処理(大当り抽選についての先読み判定)を行う。また、これに加えて、第1保留記憶に対応する変動パターン決定用乱数等に基づき、大当り演出にてリーチ、或いは、信頼度の高いスーパーリーチとなるか否かの先読み判定を行う。そして、S130に処理を移行する。
【0074】
S130では、主制御装置50は、サブ統合装置53を経由して演出図柄制御装置54aに対し、第1保留記憶の数と、転落抽選と大当り抽選等についての先読み判定の結果とを示す第1先読み保留コマンドを送信し、S135に処理を移行する。なお、開放延長状態である場合には、大当り抽選についての先読み判定の結果はサブ統合装置53に通知されず、転落抽選についての先読み判定結果のみを示す第1先読み保留コマンドが送信される。また、開放延長状態である場合には、第1保留記憶の数のみを示し、大当り抽選及び転落抽選の先読み判定の結果を示さない第1先読み保留コマンドを送信しても良い(詳細は後述する)。また、開放延長状態、或いは、確変状態である場合に、同様の第1先読み保留コマンドを送信しても良い。
【0075】
S135では、主制御装置50は、第2始動口SW32aの検出信号に基づき、第2始動口32への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S135:Yes)、S140に処理を移行し、否定判定の場合は(S135:No)、本処理を終了する。
【0076】
S140では、主制御装置50は、第2始動口32についての保留記憶数が最大値(本実施形態では4)か否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S140:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合は(S140:No)、S145に処理を移行する。
【0077】
S145では、主制御装置50は、大当り抽選に用いられる当否判定用乱数や、大当りに当選した際に停止表示される図柄を決定するための図柄決定用乱数や、転落抽選に用いられる転落判定用乱数や、演出図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出して保留記憶し(第2保留記憶とも記載)、S150に処理を移行する。
【0078】
S150では、主制御装置50は、第2保留記憶に対応する転落判定用乱数に基づき、該保留記憶の消化により転落抽選に当選し、確変状態が終了するか否かを判定する転落事前判定処理(転落抽選についての先読み判定)を行う。そして、S155に処理を移行する。
【0079】
S155では、主制御装置50は、第2保留記憶に対応する当否判定用乱数に基づき、該保留記憶の消化により大当り抽選に当選するか否かを判定する当否事前判定処理(大当り抽選についての先読み判定)を行う。また、これに加えて、第2保留記憶に対応する変動パターン決定用乱数等に基づき、大当り演出にてリーチ、或いは、信頼度の高いスーパーリーチとなるか否かの先読み判定を行う。そして、S160に処理を移行する。
【0080】
S160では、主制御装置50は、サブ統合装置53を経由して演出図柄制御装置54aに対し、第2保留記憶の数と、転落抽選と大当り抽選等についての先読み判定の結果とを示す第2先読み保留コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0081】
(3)特別当否判定処理について
次に、保留記憶された当否判定用乱数により大当りに当選したか否かを判定する特別当否判定処理について、図5〜8のフローチャートを用いて説明する。本処理は、メインルーチンから定期的に実行される処理である。
【0082】
S202では、主制御装置50は、特別電動役物の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S202:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S202:No)、S204に処理を移行する。
【0083】
S204では、主制御装置50は、第1特別図柄或いは第2特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S204:Yes)、図7のS242に処理を移行し、否定判定の場合には(S204:No)、S206に処理を移行する。
【0084】
S206では、主制御装置50は、第1特別図柄或いは第2特別図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S206:Yes)、図8のS246に処理を移行し、否定判定の場合には(S206:No)、S208に処理を移行する。
【0085】
S208では、主制御装置50は、第2保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S208:Yes)、S210に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S208:No)、S212に処理を移行する。
【0086】
S210では、主制御装置50は、第2保留記憶の個数をデクリメントし、図6のS216に処理を移行する。
S212では、主制御装置50は、第1保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S212:Yes)、S214に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S212:No)、本処理を終了する。
【0087】
S214では、主制御装置50は、第1保留記憶の個数をデクリメントし、図6のS216に処理を移行する。
続いて図6に関して、S216では、主制御装置50は、確変フラグが1か否か(確変状態か否か)を判定し、肯定判定の場合には(S216:Yes)、S218に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S216:No)、S226に処理を移行する。
【0088】
S218では、主制御装置50は、消化される保留記憶に係る転落判定用乱数に基づき転落抽選を行う転落判定処理を実行する。そして、S220に処理を移行する。
S220では、主制御装置50は、転落抽選に当選し、確変状態が終了となるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S220:Yes)、S224に処理を移行し、否定判定の場合には(S220:No)、S222に処理を移行する。
【0089】
S222では、主制御装置50は、消化される保留記憶に係る当否判定用乱数と、確変状態に対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選に当選するか否かを判定する。そして、S228に処理を移行する。
【0090】
S224では、主制御装置50は、確変フラグをクリアすることで確変状態を終了させ、S226に処理を移行する。
S226では、主制御装置50は、消化される保留記憶に係る当否判定用乱数と、確変状態ではない時に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選に当選するか否かを判定する。そして、S228に処理を移行する。
【0091】
S228では、主制御装置50は、大当り抽選にて大当りに当選したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S228:Yes)、S230に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S228:No)、S236に処理を移行する。
【0092】
S230では、主制御装置50は、消化される保留記憶に係る図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定することで、大当り遊技の態様(ラウンド数、及び大入賞口の開放パターン)と、大当り遊技終了後の特典内容(確変状態或いは開放延長状態となるか否かや、確変状態や開放延長状態の継続期間)とについて決定する。なお、確変状態や開放延長状態の継続期間は、確変状態或いは開放延長状態となった後に行われた大当り抽選の回数により定められる。
【0093】
具体的には、図14(1),(2)に記載されているように、第1特別図柄についての大当り図柄は、特図1_図柄1〜特図1_図柄5の5種類が存在すると共に、第2特別図柄についての大当り図柄は、特図2_図柄1〜特図2_図柄5の5種類が存在しており、それぞれの図柄につき、大当り遊技の態様と特典内容が個別に定められている。また、特典内容に関しては、通常確率時(確変状態でないとき)と高確率時(確変状態であるとき)とで個別に内容が設定されている。
【0094】
大当り遊技の態様等を決定すると、S232に処理を移行する。
S232では、主制御装置50は、消化される保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、大当り演出における演出図柄の変動時間等を決定し、S234に処理を移行する。
【0095】
S234では、主制御装置50は、大当り遊技のラウンド数や大入賞口の開放パターン等を設定するサブルーチンである大当り設定処理をコールし、S240に処理を移行する。
【0096】
S228で否定判定が得られた場合に移行する(すなわち、大当り抽選で外れた際に移行する)S236では、主制御装置50は、消化される保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、大当り演出における演出図柄の変動時間等を決定し、S238に処理を移行する。
【0097】
S238では、主制御装置50は、確変状態や開放延長状態の解除等を行うためのサブルーチンであるハズレ設定処理をコールし、S240に処理を移行する。
S240では、主制御装置50は、消化する保留記憶に対応する特別図柄の変動表示を開始すると共に、演出図柄制御装置54aに対し、演出図柄の変動時間等を示すコマンドを送信する特図変動開始コマンド送信処理を実行することで大当り演出を開始させ、本処理を終了する。なお、主制御装置50は、保留記憶の消化により保留個数が更新されたことを通知するため、特図変動開始コマンドと共に保留コマンドを送信する。本実施形態では、保留コマンドと先読みコマンドが一体となっているため、第1又は第2先読み保留コマンドが送信されるが、変動開始に伴う保留個数の指定のため、該先読み保留コマンドは保留個数のみを示し、先読みは判定の結果は示さない。詳細は後述する。
【0098】
続いて図7に関して、第1特別図柄或いは第2特別図柄の変動表示中に移行するS242では、主制御装置50は、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S242:Yes)、S244に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S242:No)、本処理を終了する。
【0099】
S244では、主制御装置50は、特別図柄の変動表示を終了し、特別図柄の確定図柄を表示させる確定図柄表示処理を実行し、本処理を終了する。
続いて図8に関して、特別図柄の確定表示中に移行するS246では、主制御装置50は、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S246:Yes)、S248に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S246:No)、本処理を終了する。
【0100】
S248では、主制御装置50は、演出図柄制御装置54aに対し、確定表示させる演出図柄を示す図柄確定コマンドを送信し、S250に処理を移行する。
S250では、主制御装置50は、確定表示される演出図柄が大当り時のものであるかを判定し、肯定判定の場合には(S250:Yes)、S252に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S250:No)、S268に処理を移行する。
【0101】
S252では、主制御装置50は、確変状態か否かを示す確変フラグを参照し、確変フラグが1である場合には確変フラグをクリアし(S254)、その後、S256に処理を移行する。
【0102】
S256では、主制御装置50は、開放延長状態か否かを示す時短フラグを参照し、時短フラグが1である場合には時短フラグをクリアし(S258)、その後、S260に処理を移行する。
【0103】
そして、主制御装置50は、状態指定コマンド送信処理(S260),条件装置作動開始処理(S262),役物連続作動装置作動開始処理(S264),大当り開始コマンド送信処理(S266)を順次実行することで、第1保留記憶の個数を示す第1保留個数指定コマンドや、第2保留記憶の個数を示す第2保留個数指定コマンドや、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンドを演出図柄制御装置54aに送信し、本処理を終了する。
【0104】
S250にて否定判定が得られた場合に移行するS268では、主制御装置50は、S238にて実行したハズレ設定処理により設定された内容を参照する。そして、該ハズレ設定処理にて設定された確変状態フラグを参照し(S270)、該フラグが1である場合には(S270:Yes)、確変フラグに1を設定すると共に(S272)、該フラグが0である場合には(S270:No)、確変フラグに0を設定する(S274)。
【0105】
その後、該ハズレ設定処理にて設定された時短状態フラグを参照し(S276)、該フラグが1である場合には(S276:Yes)、時短フラグに1を設定すると共に(S278)、時短状態フラグが0である場合には(S276:No)、時短フラグに0を設定する(S280)。
【0106】
そして、主制御装置50は、状態指定コマンド送信処理を実行し(S282)、本処理を終了する。
(4)大当り設定処理について
次に、大当り遊技のラウンド数や大入賞口の開放パターン等を決定するサブルーチンである大当り設定処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。本処理は、特別当否判定処理からコールされる。
【0107】
S305では、主制御装置50は、大当り遊技におけるオープニングの時間を設定し、S310に処理を移行する。
S310では、主制御装置50は、大当り遊技におけるエンディングの時間を設定し、S315に処理を移行する。
【0108】
S315では、主制御装置50は、決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技の態様(ラウンド数、及び大入賞口の開放パターン)を設定し、S320に処理を移行する。
S320では、主制御装置50は、決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技終了後の特典内容(確変状態或いは開放延長状態となるか否かや、確変状態や開放延長状態の継続期間)を設定する。また、大当り遊技終了後に確変状態となるか否かを示す確変状態フラグと、開放延長状態となるか否かを示す時短状態フラグとを設定し、S325に処理を移行する。
【0109】
S325では、主制御装置50は、特典内容を記憶し、本処理を終了する。
(5)ハズレ設定処理について
次に、確変状態や開放延長状態の解除等を行うためのサブルーチンであるハズレ設定処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。本処理は、特別当否判定処理からコールされるサブルーチンである。
【0110】
S405では、主制御装置50は、確変フラグを参照し、確変フラグが1である場合には(S405:Yes)、S410に処理を移行すると共に、確変フラグが0である場合には(S405:No)、S425に処理を移行する。
【0111】
S410では、主制御装置50は、確変状態の継続期間を設定するための確変カウンタをデクリメントし、S415に処理を移行する。
S415では、主制御装置50は、確変カウンタが0であるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S415:Yes)、S420に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S415:No)、S425に処理を移行する。
【0112】
S420では、主制御装置50は、確変状態かどうかを示す確変状態フラグに0を設定し、S425に処理を移行する。
S425では、主制御装置50は、時短フラグを参照し、時短フラグが1である場合には(S425:Yes)、S430に処理を移行すると共に、時短フラグが0である場合には(S425:No)、S445に処理を移行する。
【0113】
S430では、主制御装置50は、開放延長状態の継続期間を設定するための時短カウンタをデクリメントし、S435に処理を移行する。
S435では、主制御装置50は、時短カウンタが0であるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S435:Yes)、S440に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S435:No)、S445に処理を移行する。
【0114】
S440では、主制御装置50は、開放延長状態かどうかを示す時短状態フラグに0を設定し、S445に処理を移行する。
S445では、主制御装置50は、設定した内容を記憶し、本処理を終了する。
【0115】
(6)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技を行う大当り遊技処理について、図11〜13のフローチャートを用いて説明する。本処理は、メインルーチンから定期的に実行される処理である。
【0116】
S502では、主制御装置50は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S502:Yes)、S504に処理を移行し、否定判定の場合には(S502:No)、本処理を終了する。
【0117】
S504では、主制御装置50は、大入賞口の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S504:Yes)、図12のS514に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S504:No)、S506に処理を移行する。
【0118】
S506では、主制御装置50は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S506:Yes)、図12のS522に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S506:No)、S508に処理を移行する。
【0119】
S508では、主制御装置50は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S508:Yes)、図13のS530に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S508:No)、S510に処理を移行する。
【0120】
S510では、主制御装置50は、大当り遊技における開始演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S510:Yes)、S512に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S510:No)、本処理を終了する。
【0121】
S512では、主制御装置50は、大入賞口を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて図12に関して、大入賞口の開放中に移行するS514では、主制御装置50は、大入賞口への遊技球の入賞が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S514:Yes)、S518に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S514:No)、S516に処理を移行する。
【0122】
S516では、主制御装置50は、大入賞口の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S516:Yes)、S518に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S516:No)、本処理を終了する。
【0123】
S518では、主制御装置50は、大入賞口を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S520に処理を移行する。
S520では、主制御装置50は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
【0124】
また、インターバル中に移行するS522では、主制御装置50は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S522:Yes)、S524に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S522:No)、本処理を終了する。
【0125】
S524では、主制御装置50は、大当り遊技の最終ラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S524:Yes)、S526に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S524:No)、S528に処理を移行する。
【0126】
S526では、主制御装置50は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S528では、主制御装置50は、大入賞口を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
【0127】
続いて図13に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS530では、主制御装置50は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S530:Yes)、S532に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S530:No)、本処理を終了する。
【0128】
続くS532,S534では、主制御装置50は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S536に処理を移行する。
S536では、主制御装置50は、大当り遊技の開始前に保存した該大当り遊技後の特典内容を参照する。そして、S538では、確変状態フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S538:Yes)、S540に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S538:No)、S544に処理を移行する。
【0129】
S540では、主制御装置50は、特典内容に基づき確変状態の継続期間を設定すると共に、これに続くS542では、確変フラグを1に設定し、S546に処理を移行する。
また、S544では、主制御装置50は、確変フラグを0に設定し、S546に処理を移行する。
【0130】
S546では、主制御装置50は、時短状態フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S546:Yes)、S548に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S546:No)、S552に処理を移行する。
【0131】
S548では、主制御装置50は、特典内容に基づき開放延長状態の継続期間を設定すると共に、これに続くS550では、時短フラグを1に設定し、S554に処理を移行する。
【0132】
S552では、主制御装置50は、時短フラグを0に設定し、S554に処理を移行する。
S554,S556では、主制御装置50は、演出図柄制御装置54aに対し、大当り遊技に関する演出を終了させるコマンドを送信する大当り終了コマンド送信処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、本処理を終了する。
【0133】
(7)先読み保留コマンドについて
次に、始動入賞確認処理にて主制御装置50から演出図柄制御装置54aに送信される第1先読み保留コマンド、及び第2先読み保留コマンドについて説明する。
【0134】
(7−1)実施例1
まず、実施例1の先読み保留コマンドについて、図15により説明する。
図15(a)に記載されているように、先読み保留コマンドは、MODEというブロックとEVENTというブロックから構成されており、各ブロックは1バイトのデータ長を有する。また、MODEには、入賞した始動口と保留記憶の個数を示す動作番号が設定されると共に、EVENTには、転落抽選についての先読み判定の結果や、大当り抽選についての先読み判定の結果等を示す識別番号が設定される。
【0135】
具体的には、図15(b)に記載されているように、動作番号は、第1保留記憶に関して、保留数(0個〜4個)に応じて“50H”〜“54H”が設けられていると共に、第2保留記憶に関して、保留数(0個〜4個)に応じて“60H”〜“64H”が設けられている。なお、図15(b)では、第1,第2保留記憶が0個の場合の動作番号として、“50H00H”,“60H00H”が記載されているが、これは、保留記憶が0個の場合には、先読み判定が行われないため、EVENTには必ず“00H”が設定されることを示している。これらは、特別当否判定処理のS240の処理において保留個数を更新する時等に使用されるものであり、予め先読み判定の内容を固定している。
【0136】
一方、識別番号は、“00H”〜“1FH”のうちのいずれかの値が設定される(図15(c))。そして、図15(c)の表の「転落」に対応する欄は、転落抽選についての先読み判定の結果を示していると共に、「高確率」,「低確率」に対応する欄は、それぞれ、確変状態である場合の大当り抽選等についての先読み判定の結果と、確変状態でない場合の大当り抽選等についての先読み判定の結果を示している。また、「高確率」,「低確率」の欄に記載されている“当たり”は、大当り抽選で当選すること示し、“当たり”以外は、大当り抽選でハズレとなることを示している。また、“リーチ”は大当り演出でリーチとなることを示すと共に、“SP”は、大当り演出で、大当りの信頼度が高いスーパーリーチとなることを示している。
【0137】
なお、既に述べたように、本実施形態では、開放延長状態においては、第1保留記憶に関しては、大当り抽選についての先読み判定結果は演出図柄制御装置54aに通知されない。このため、このときの先読み保留コマンドのEVENTには、識別番号として“00H”または“10H”が設定され、大当り抽選についての先読み判定の結果は、常に“ハズレ”を示す状態となる。
【0138】
このようにして実質的に大当り抽選についての先読み判定結果を通知しない構成とすることができる。また、ハズレの判定を流用することでコマンド数の増加を抑えることができる。なお、遊技者の介入により遊技価値に変化を与えないようにするならば、転落の判定内容も送らない方が好適であり、それを実施する場合は“00H”のみを用いる構成とすればよい。
【0139】
(7−2)実施例2
次に、実施例2の先読み保留コマンドについて、図16(a)により説明する。実施例2においても、実施例1と同様に構成された先読み保留コマンドが用いられるが、実施例2では、図15(c)の識別番号に加え、大当り抽選についての先読み判定の結果を示さない識別番号である“20H”,“21H”が設けられる。なお、“20H”は転落抽選で当選することを示し、“21H”は転落抽選で当選しないことを示す。
【0140】
そして、開放延長状態の際には、第1保留記憶に関しては、実施例1では識別番号として“00H”或いは“10H”が設定されるが、実施例2では、これらに替えて、“20H”或いは“21H”が設定される。
【0141】
このようにしてコマンドを専用に設けることにより、先読み判定の内容を送っていないことを先読み保留コマンドのみで把握させることができる。
(7−3)実施例3
次に、実施例3の先読み保留コマンドについて、図16(b)により説明する。実施例3においても、実施例1と同様に構成された先読み保留コマンドが用いられるが、実施例3では、図15(b)の動作番号に加え、第1保留記憶に対応する動作番号として、0個〜4個の保留数に対応する“70H”〜“74H”が設けられている(図16(b)(イ)参照)。
【0142】
そして、第2保留記憶に関しては、実施例1と同様に動作番号,識別番号が設定される。一方、第1保留記憶に関しては、開放延長状態でない場合には、実施例1と同様の動作番号,識別番号が用いられ、開放延長状態である場合には、動作番号として“70H”〜“74H”が用いられると共に、識別番号として、転落判定の先読み判定の結果に基づき“00H”或いは“10H”が用いられる。これにより実施例2と同様な効果を奏する。動作番号で指定するか識別番号で指定するかは任意であり、遊技機のコマンドの振分け上、用い易い方を採用すればよい。
【0143】
なお、変形例として、開放延長状態である場合には、第1保留記憶に関しては、大当り抽選に加え、転落抽選の先読み判定の結果も演出図柄制御装置54aに通知しないという構成も考えられる。このような場合には、図16(b)(ロ)に記載されているように、開放延長状態である時には、第1保留記憶に関して、動作番号として“80H”を設定し、保留数に応じて識別番号に“00H”〜“04H”を設定しても良い。
【0144】
(8)先読み演出の具体例について
次に、演出図柄制御装置54aが先読み保留コマンドに基づき行う先読み演出の具体例(第1〜第3先読み演出)について説明する。
【0145】
(8−1)第1先読み演出について
まず、第1先読み演出について説明する。図17(a)には、第1先読み演出における演出画面600が記載されている。演出図柄制御装置54aは、大当り演出の実行中に第1先読み保留コマンド、或いは第2先読み保留コマンドを受信すると、演出画面600における演出図柄601の下方に、第1保留記憶に対応する第1保留表示602、或いは、第2保留記憶に対応する第2保留表示603を表示する。
【0146】
演出画面600は、開放延長状態で無い場合の画面であり、第1保留記憶による大当り抽選の先読み判定の結果が反映された演出が行われている。また、演出画面600では、一例として、第1,第2保留表示602,603は、それぞれ、4個の保留記憶が存在することを示している。そして、第1保留表示602を構成する第1〜第4保留図柄602a〜602dと、第2保留表示603を構成する第1〜第4保留図柄603a〜603dは、各保留記憶についての大当り抽選及び転落抽選の先読み判定結果を示唆している。
【0147】
具体的には、最新の第1保留記憶,第2保留記憶に対応する第4保留図柄602d,603dは、大当り抽選での当選を示唆する当選保留図柄となっている。また、2番目に新しい第1保留記憶,第2保留記憶に対応する第3保留図柄602c,603cは、転落抽選での当選(すなわち、確変状態の終了)を示唆する転落保留図柄となっている。
【0148】
なお、開放延長状態では、第1保留表示602における第1〜第4保留図柄602a〜602dには、転落抽選についての先読み判定の結果のみが反映され、当選保留図柄は表示されない。
【0149】
また、先読み判定の結果に基づき保留図柄を設定し、演出の信頼度を100%としても良いし、抽選結果を加味して保留図柄を設定する等して、演出の信頼度を100%未満としても良い。
【0150】
(8−2)第2先読み演出について
次に、第2先読み演出について説明する。図17(b)には、第2先読み演出における演出画面610が記載されている。第2先読み演出は、開放延長状態において、第1保留記憶に関しては、大当り抽選と転落抽選の両方の先読み判定の結果が反映されない場合((7−3)実施例3の変形例に対応する構成)に対応するものである。第2先読み演出の演出画面610では、第1保留表示612を構成する第1〜第4保留図柄612a〜612dは、先読み判定の結果が不明であることを示す演出停止保留図柄となっている。なお、第2保留表示613には、先読み判定の結果に応じた保留図柄が表示される。また、第2先読み演出は、大当り抽選と転落抽選両方の判定の結果を反映させない構成の場合にも用いることが可能である。
【0151】
(8−3)第3先読み演出について
次に、第3先読み演出について説明する。
第3先読み演出では、図18(a)の演出画面620が示すように、三つの第2保留記憶が生じている場合において、最新の第2保留記憶に対応する第3保留図柄623cとして、動物のキャラクタ(熊の達吉)の顔を示す示唆保留図柄が表示される。この示唆保留図柄は、転落抽選或いは大当り抽選のいずれかで当選することを示唆するものである。そして、第2保留記憶が順次消化され、示唆保留図柄に対応する保留記憶が消化される直前(すなわち、第1保留図柄623aが、示唆保留図柄となったとき)に、先読み判定の結果に応じて、示唆保留図柄である熊の達吉の表情が変化する。
【0152】
具体的には、先読み判定により対応する保留記憶の消化により転落抽選に当選すると判定された場合には、示唆保留図柄を、熊の達吉の泣き顔を示す転落保留図柄に変更し(図18(b))、先読み判定により大当り抽選に当選すると判定された場合には、示唆保留図柄を、熊の達吉の笑顔を示す当選保留図柄に変更する(図18(c))。なお、既に述べたように、抽選結果を加味する等して、演出の信頼度を任意に設定できることは、言うまでもない。また、第1保留記憶に対応する先読み演出として、同様の演出を行っても良い。
【0153】
また、先読み演出の対象となっている保留図柄を示唆保留図柄にするのではなく、その後に保留記憶された保留図柄を示唆保留図柄に変更することも考えられる。このようにすれば、先読み演出の対象となった保留記憶による図柄変動時に示唆保留図柄を表示し続けることができ、より遊技者への報知期間を長く持つことが可能となる。
【0154】
先読み演出の対象となる保留図柄で示唆する場合も、現在変動している(消化中)ことを示すような図柄デザインやレイアウト、キャラクタの動きなどで差別化すれば同様の効果を備えさせることができる。
【0155】
また、このようにして保留記憶の消化がある程度進行した段階で、保留図柄を先読み判定の結果を示唆するものに変化させることで、より興趣の高い演出を行うことができる。
(9)先読み演出処理について
次に、第1〜第3先読み演出を行う際に演出図柄制御装置54aにて実行される処理の内容について説明する。
【0156】
(9−1)第1先読み演出について
まず、図17(a)に記載の先読み演出画面600に対応する第1先読み演出を行うための処理である先読み演出処理1について、図19に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、遊技の進行中に演出図柄制御装置54aにて定期的に実行される処理である。
【0157】
S605では、演出図柄制御装置54aは、第1先読み保留コマンド、或いは第2先読み保留コマンドを受信したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S605:Yes)、S610に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S605:No)、本処理を終了する。
【0158】
なお、S605では、先読み保留コマンドだけを受信した場合に肯定判定となり、特図変動開始コマンドと共に先読み保留コマンドを受信した時は(特別当否判定処理のS240にて送信される先読み保留コマンドは必ず特図変動開始コマンドと同時期に送られてくる)、本処理は終了される。また、図15(b)の保留0を指定するコマンドのようにコマンド自体で判別できるものを実装している場合は、コマンドの内容に基づき、特図変動開始コマンドと共に受信したか否かを判定する構成も考えられる。
【0159】
S610では、演出図柄制御装置54aは、先読み保留コマンドから、最新の保留記憶に関しての大当り抽選と転落抽選の先読み判定の結果を参照し、S615に処理を移行する。
【0160】
S615では、演出図柄制御装置54aは、現在の遊技状態(確変状態か否かや、開放延長状態か否か)を参照し、S620に処理を移行する。
S620では、演出図柄制御装置54aは、開放延長状態か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S620:Yes)、S625に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S620:No)、図20のS655に処理を移行する。
【0161】
S625では、演出図柄制御装置54aは、受信した先読み保留コマンドが、第1保留記憶に対応するものか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S625:Yes)、S630に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S625:No)、図20のS655に処理を移行する。
【0162】
S630〜S645では、最新の第1保留記憶について、転落保留図柄を表示するか通常保留図柄を表示するかを決定する。
具体的には、S630では、演出図柄制御装置54aは、最新の第1保留記憶により転落抽選に当選するか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S630:Yes)、S645に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S630:No)、S635に処理を移行する。
【0163】
S635では、演出図柄制御装置54aは、抽選により振分を行い、該抽選で当選した際にはS645に処理を移行し、当選しなかった際にはS640に処理を移行する。
S640では、演出図柄制御装置54aは、最新の第1保留記憶に対応する保留図柄として通常保留図柄を表示し、本処理を終了する。
【0164】
一方、S645では、演出図柄制御装置54aは、最新の第1保留記憶に対応する保留図柄として転落保留図柄を表示し、本処理を終了する。
続いて図20に関して、S655〜S690では、受信した先読み保留コマンドにおける最新の保留記憶について、転落保留図柄,当選保留図柄,通常保留図柄のうちのいずれを表示するかを決定する。
【0165】
具体的には、開放延長状態でない場合や、第2先読み保留コマンドを受信した場合に移行するS655では、演出図柄制御装置54aは、確変状態か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S655:Yes)、S660に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S655:No)、S675に処理を移行する。
【0166】
S660では、演出図柄制御装置54aは、受信した先読み保留コマンドにおける最新の保留記憶により転落抽選に当選するか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S660:Yes)、S665に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S660:No)、S675に処理を移行する。
【0167】
S665では、演出図柄制御装置54aは、確変状態である場合と確変状態でない場合の両方において、最新の保留記憶により大当り抽選に当選するか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S665:Yes)、S680に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S665:No)、S670に処理を移行する。
【0168】
S670では、演出図柄制御装置54aは、最新の保留記憶に対応する保留図柄として転落保留図柄を表示し、本処理を終了する。
S675では、演出図柄制御装置54aは、確変状態でない場合において、最新の保留記憶により、大当り抽選に当選するか、或いは、大当り演出でスーパーリーチとなるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S675:Yes)、S680に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S675:No)、S685に処理を移行する。
【0169】
S680では、演出図柄制御装置54aは、最新の保留記憶に対応する保留図柄として当選保留図柄を表示し、本処理を終了する。
S685では、演出図柄制御装置54aは、抽選により振分を行い、該抽選で当選した際にはS680に処理を移行し、当選しなかった際にはS690に処理を移行する。
【0170】
S690では、演出図柄制御装置54aは、最新の保留記憶に対応する保留図柄として通常保留図柄を表示し、本処理を終了する。
(9−2)第2先読み演出について
次に、図17(b)に記載の先読み演出画面610に対応する第2先読み演出(実施例3の変形例に対応する先読み演出)を行うための処理について説明する。第2先読み演出においては、先に説明した先読み演出処理1と、先読み演出処理2とが実行され、先読み演出処理1では、第2先読み保留コマンドを受信した場合のみ保留図柄を表示する処理が行われると共に、先読み演出処理2では、第1先読み保留コマンドを受信した場合のみ保留図柄を表示する処理が行われる。以下では、先読み演出処理2について、図21に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、遊技の進行中に演出図柄制御装置54aにて定期的に実行される処理である。
【0171】
S705では、演出図柄制御装置54aは、第1先読み保留コマンドを受信したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S705:Yes)、S710に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S705:No)、本処理を終了する。
【0172】
S710では、演出図柄制御装置54aは、第1先読み保留コマンドから大当り抽選と転落抽選についての先読み判定の結果を参照し、S715に処理を移行する。
S715では、演出図柄制御装置54aは、現在の遊技状態(確変状態か否かや、開放延長状態か否か)を参照し、S720に処理を移行する。
【0173】
S720では、演出図柄制御装置54aは、開放延長状態か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S720:Yes)、S725に処理を移行する。一方、否定判定が得られた場合には(S720:No)、先読み判定処理1のS655〜S690の処理が行われる(図20参照)。これらの処理については説明を省略する。
【0174】
S725では、演出図柄制御装置54aは、それぞれの第1保留記憶に対応する保留図柄として、先読み判定の結果が不明であることを示す演出停止保留図柄を表示し、本処理を終了する。
【0175】
(9−3)第3先読み演出について
次に、図18に記載の先読み演出画面620に対応する第3先読み演出を行うための処理である先読み演出処理3,4について説明する。
【0176】
(a)先読み演出処理3について
まず、始動口への入賞が生じた際に主制御装置50から送信される先読み保留コマンドに応じて保留図柄を表示する先読み演出処理3について、図22〜24に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、遊技の進行中に演出図柄制御装置54aにて定期的に実行される処理である。
【0177】
S802では、演出図柄制御装置54aは、第1先読み保留コマンド、或いは第2先読み保留コマンドを受信したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S802:Yes)、S804に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S802:No)、本処理を終了する。
【0178】
S804では、演出図柄制御装置54aは、先読み保留コマンドから大当り抽選と転落抽選についての先読み判定の結果を参照し、S806に処理を移行する。
S806では、演出図柄制御装置54aは、現在の遊技状態(確変状態か否かや、開放延長状態か否か)を参照し、S808に処理を移行する。
【0179】
S808では、演出図柄制御装置54aは、開放延長状態か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S808:Yes)、S810に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S808:No)、図23のS828に処理を移行する。
【0180】
S810では、演出図柄制御装置54aは、受信した先読み保留コマンドが、第1保留記憶に対応するものか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S810:Yes)、S812に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S810:No)、図23のS828に処理を移行する。
【0181】
S812〜S824では、最新の第1保留記憶について、転落保留図柄,示唆保留図柄,通常保留図柄のうちのいずれを表示するかを決定する。
具体的には、S812では、演出図柄制御装置54aは、最新の第1保留記憶により転落抽選に当選するか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S812:Yes)、S816に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S812:No)、S814に処理を移行する。
【0182】
S814では、演出図柄制御装置54aは、抽選により振分を行い、該抽選で当選した際にはS816に処理を移行し、当選しなかった際にはS824に処理を移行する。
S816では、演出図柄制御装置54aは、最新の第1保留記憶が、保留数が3個以上存在するとした場合の、3番目以降に消化される保留記憶か否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S816:Yes)、S818に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S816:No)、S822に処理を移行する。
【0183】
S818では、演出図柄制御装置54aは、転落示唆フラグをセットし、S820に処理を移行する。
S820では、演出図柄制御装置54aは、最新の第1保留記憶に対応する保留図柄として示唆保留図柄(図18の613cを参照)を表示し、本処理を終了する。
【0184】
一方、S822では、演出図柄制御装置54aは、最新の第1保留記憶に対応する保留図柄として転落保留図柄を表示し、本処理を終了する。
また、S814での抽選で当選しなかった場合に移行するS824では、演出図柄制御装置54aは、最新の第1保留記憶に対応する保留図柄として通常保留図柄を表示し、本処理を終了する。
【0185】
続いて図23に関して、S828〜S846では、受信した先読み保留コマンドにおける最新の保留記憶について、転落保留図柄,示唆保留図柄,通常保留図柄のうちのいずれを表示するかを決定する。
【0186】
具体的には、開放延長状態でない場合や、第2先読み保留コマンドを受信した場合に移行するS828では、演出図柄制御装置54aは、確変状態か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S828:Yes)、S830に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S828:No)、S842に処理を移行する。
【0187】
S830では、演出図柄制御装置54aは、最新の保留記憶により転落抽選に当選するか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S830:Yes)、S832に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S830:No)、S842に処理を移行する。
【0188】
S832では、演出図柄制御装置54aは、確変状態である場合と確変状態でない場合の両方において、最新の保留記憶により大当り抽選に当選するか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S832:Yes)、図24のS850に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S832:No)、S834に処理を移行する。
【0189】
S834では、演出図柄制御装置54aは、最新の保留記憶が、保留数が3個以上存在するとした場合の、3番目以降に消化される保留記憶か否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S834:Yes)、S836に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S834:No)、S840に処理を移行する。
【0190】
S836では、演出図柄制御装置54aは、転落示唆フラグをセットし、S838に処理を移行する。
S838では、演出図柄制御装置54aは、最新の保留記憶に対応する保留図柄として示唆保留図柄(図18の613cを参照)を表示し、本処理を終了する。
【0191】
一方、S840では、演出図柄制御装置54aは、最新の保留記憶に対応する保留図柄として転落保留図柄を表示し、本処理を終了する。
S828,S830にて否定判定が得られた場合に移行するS842では、演出図柄制御装置54aは、確変状態でない場合において、最新の保留記憶により、大当り抽選に当選するか、或いは、大当り演出でスーパーリーチとなるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S842:Yes)、図24のS850に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S842:No)、S844に処理を移行する。
【0192】
S844では、演出図柄制御装置54aは、抽選により振分を行い、該抽選で当選した際には図24のS850に処理を移行し、当選しなかった際にはS846に処理を移行する。
【0193】
S846では、演出図柄制御装置54aは、最新の保留記憶に対応する保留図柄として通常保留図柄を表示し、本処理を終了する。
続いて図24に関して、S850では、演出図柄制御装置54aは、最新の保留記憶が、保留数が3個以上存在するとした場合の、3番目以降に消化される保留記憶か否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S850:Yes)、S852に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S850:No)、S856に処理を移行する。
【0194】
S852では、演出図柄制御装置54aは、当選示唆フラグをセットし、S854に処理を移行する。
S854では、演出図柄制御装置54aは、最新の保留記憶に対応する保留図柄として示唆保留図柄(図18の613cを参照)を表示し、本処理を終了する。
【0195】
一方、S856では、演出図柄制御装置54aは、最新の保留記憶に対応する保留図柄として当選保留図柄を表示し、本処理を終了する。
(b)先読み演出処理4について
次に、保留記憶が消化された際に主制御装置50から送信される保留個数指定コマンドに応じて保留図柄を表示する先読み演出処理4について、図25に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、遊技の進行中に演出図柄制御装置54aにて定期的に実行される処理である。
【0196】
S905では、演出図柄制御装置54aは、第1保留記憶の保留数を示す第1保留個数指定コマンド、或いは、第2保留記憶の保留数を示す第2保留個数指定コマンドを受信したか否かを判定する(これらを合わせて保留個数指定コマンドとも記載)。そして、肯定判定が得られた場合には(S905:Yes)、S910に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S905:No)、本処理を終了する。
【0197】
S910では、演出図柄制御装置54aは、受信した保留個数指定コマンドに対応する第1保留記憶、或いは第2保留記憶における、最初に消化される保留記憶に関する表示情報を参照し、S915に処理を移行する。
【0198】
S915では、演出図柄制御装置54aは、最初に消化される保留記憶に対応する保留図柄として、示唆保留図柄が表示されているか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S915:Yes)、S920に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S915:No)、本処理を終了する。
【0199】
S920では、演出図柄制御装置54aは、最初に消化される保留記憶に対応する当選示唆フラグがセットされているか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S920:Yes)、S925に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S920:No)、S935に処理を移行する。
【0200】
S925では、演出図柄制御装置54aは、当選示唆フラグをクリアし、S930に処理を移行する。
S930では、演出図柄制御装置54aは、最初に消化される保留記憶に対応する保留図柄として当選保留図柄(図18(c)の613a)を表示し、本処理を終了する。
【0201】
一方、S935では、演出図柄制御装置54aは、最初に消化される保留記憶に対応する転落示唆フラグがセットされているか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S935:Yes)、S940に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S935:No)、本処理を終了する。
【0202】
S940では、演出図柄制御装置54aは、転落示唆フラグをクリアし、S945に処理を移行する。
S945では、演出図柄制御装置54aは、最初に消化される保留記憶に対応する保留図柄として転落保留図柄(図18(b)の613a)を表示し、本処理を終了する。
【0203】
[効果]
本実施形態のパチンコ機1によれば、第1始動口31或いは第2始動口32への入賞が発生し、保留記憶が生じた際には、主制御装置50から演出図柄制御装置54に対し、大当り抽選と転落抽選等についての先読み判定結果と、保留記憶の数とを示す一つのコマンドである先読み保留コマンドが送信される。このため、主制御装置50から演出図柄制御装置54に送信されるコマンドの数を抑えることができると共に、演出図柄制御装置54は、一つのコマンドを受信することで、大当り抽選と転落抽選のうちの一方、或いは両方についての先読み判定の結果を反映した演出を行うことができる。したがって、主制御装置50と演出図柄制御装置54との間の通信負荷や処理負荷の増加を抑えつつ、転落抽選と大当り抽選についての先読み判定に基づく演出を行うことができる。
【0204】
[他の実施形態]
(1)本実施形態のパチンコ機1は、二つの始動口を有する構成となっているが、一つの始動口を有するパチンコ機にて、同様にして大当り抽選と転落抽選についての先読み判定結果に応じた演出を行っても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0205】
(2)また、本実施形態のパチンコ機1は、特定の図柄により大当りに当選した際には開放延長状態となる開放延長機能を有しているが、開放延長機能を有していないパチンコ機にて、同様にして大当り抽選と転落抽選についての先読み判定結果に応じた演出を行っても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0206】
(3)また、本実施形態のパチンコ機1では、主制御装置50は、開放延長状態である場合にも、第1始動口31に対応する大当り抽選についての先読み判定を行うが、該先読み判定の結果を演出図柄制御装置54aに送信しない構成となっている。しかしながら、開放延長状態である場合には、主制御装置50は、第1始動口31に対応する大当り抽選についての先読み判定を行わない構成としても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0207】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0208】
演出図柄制御装置54aがサブ制御装置に、大当り抽選、或いは、転落抽選についての先読み判定の結果を示す先読み保留コマンドが先読みコマンドに相当する。
また、始動入賞確認処理のS115,S145が保留記憶手段に、S120,S125,S150,S155が先読み手段に、S130,S160が送信手段に相当する。
【0209】
また、特別当否判定処理のS222,S226が大当り抽選手段に、S218が転落抽選手段に、S254,S258,S272,S274,S278,S280が状態設定手段に相当する。
【符号の説明】
【0210】
1…パチンコ機、3…内枠、5a…CRユニット、5b…ヒンジ、5c…前枠、8…遊技盤、9…板ガラス、11…スピーカ、12…上皿、13…下皿、13a…満杯SW、14a…演出ボタン、14b…ジョグダイヤル、14a−1…演出SW、14b…ジョグダイヤルSW、15…精算表示装置、16…貸出ボタン、16a…球貸SW、17…精算ボタン、17a…精算SW、18…発射ハンドル、19a…発射停止SW、20a…タッチSW、21…外枠、22…球タンク、23…タンクレール、23a…球切れSW、24…払出装置、24a…払出モータ、24b…払出SW、25…ガイドレール、26…遊技領域、27…遊技釘、28…センターケース、28a…窓、29…第1特図表示装置、29a…第1特図保留数表示装置、30…第2特図表示装置、30a…第2特図保留数表示装置、31…第1始動口、31a…第1始動口SW、32…第2始動口、32a…第2始動口SW、33a…大入賞口、33b…カウントSW、33c…大入賞口ソレノイド、34…アウト穴、35a…一般入賞口、35b…一般入賞口SW、36…発射モータ、37…ランプ、38…ガラス枠閉鎖SW、39…内枠閉鎖SW、40…羽根、40b…普通役物ソレノイド、41…普通図柄表示装置、41a…普図保留数表示装置、42…普通図柄作動ゲート、42a…普通図柄作動SW、50…主制御装置、51…払出制御装置、52…発射制御装置、53…サブ統合装置、54…演出図柄制御装置、54b…演出図柄表示装置、55…電源基板、60…CRユニット端子板、61…外部接続端子、64…図柄表示装置中継端子板、600…演出画面、601…演出図柄、602…第1保留表示、603…第2保留表示、610…演出画面、612…第1保留表示、613…第2保留表示、620…演出画面。
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