(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を適用した実施形態の弾球遊技機たるパチンコ機を説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11および図略の内枠が開閉可能に設けてある。尚、これら前枠11および前記内枠はシリンダ錠19により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠19に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(
図2)が設けてある。
【0023】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
【0024】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0025】
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)60が隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に球貸ボタン171、精算ボタン172および清算表示装置173が設けてある。
また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な遊技の演出ボタン15とジョグダイヤル16とが設置されている。更に上皿12の左側でパチンコ機1の側端部には遊技者が操作可能な4つのプッシュ式押しボタンからなる十字ボタン18が設けられている。
【0026】
図2は遊技盤2を示し、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、その中央部にセンターケース200が装着されている。
センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0027】
センターケース200の左側には普通図柄の作動ゲート(作動口)22が設置されている。
センターケース200の直下には特別図柄(以下、単に特図という)の抽選を実行する始動口として、常時入球(入賞)可能な第1特図始動口23Aと、チューリップ式普通電動役物からなる第2特図始動口23Bとが上下位置に設置されている。
該第2特図始動口23Bは普通電動役物(以下、単に普電役物という)の開放時にのみ入球(入賞)可能である。普電役物は、遊技球が作動ゲート22を通過したことに起因して実行される普通図柄(以下、単に普図という)の抽選で当りとなると所定時間開放する。
【0028】
第2特図始動口23Bの下方には、開閉板にて開閉される大入賞口24が配され、盤面最下部にはアウト口203が設けられている。また、第2特図始動口23Bの左側位置には複数の普通入賞口25が配されている。
尚、遊技盤2の遊技領域20には、多数の遊技釘や風車が植設されている。
また遊技盤2の右下部の遊技領域20外には、特図が変動表示される特図表示装置26、普図が変動表示される普図表示装置27、特図の保留記憶が表示される特図保留数表示装置28、普図の保留記憶が表示される普図保留数表示装置29が配設されている。
【0029】
図3に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(
図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤20の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、本実施形態では前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
また、パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
【0030】
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。
図3では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
【0031】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技
盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(外
枠10、前枠11、内枠30)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0032】
図4は本パチンコ機1の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40と払出制御装置41を中心に、サブ制御装置としてサブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これらの制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチンおよびサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0033】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530および外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)11および内枠30が開放しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501、内枠開放SW502、第1特図始動口23Aへの入球を検出する第1始動口SW503、第2特図始動口23Bへの入球を検出する第2始動口SW504、普図始動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、普通入賞口25への入球を検出する左入賞口SW506、大入賞口24への入球を検出するカウントSW507等の検出信号が入力される。
【0034】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43にコマンドを出力し、図柄表示装置中継端子板533を介して特図表示装置26、特図保留数表示装置28、普通図柄表示装置27および普図保留数表示装置29の表示制御を行なう。
【0035】
主制御装置40は、大入賞口24の開閉駆動する大入賞口ソレノイド508を制御して大入賞口24を開放作動せしめる。また第2特図始動口23Bの電動役物を開閉する普電役物ソレノイド509の作動を制御して第2特図始動口23Bを開閉する。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
【0036】
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンク31が空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。また、CRユニット端子板535を介してCRユニット16と電気的に接続され、精算表示装置173を介して球貸および精算SW171,172による貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、CRユニット60とデータを送受し、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させ、CRユニット60に挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。
【0037】
発射制御装置44は、発射停止SW524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW525等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号および発射停止SW524の信号に基づいて発射モータ526を制御して遊技球を発射および停止させ、タッチランプの点灯を制御する。
【0038】
サブ統合制御装置42には、音量調節SW、演出ボタン15の操作を検出する演出ボタン検出SW550、ジョグダイヤル16の操作を検出する第1および第2ジョグダイヤル検出SW551,552、十字ボタン18の操作を検出する十字ボタン検出SW553などの操作検出信号が入力される。
またサブ統合制御装置42は、演出ボタン15を操作不能な状態にロックする演出ボタンロックソレノイド554と接続されこれを駆動制御可能である。
更にサブ統合制御装置42は、主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて、スピーカ112を作動させて音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0039】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0040】
図5、
図6に示すように、演出ボタン15およびジョグダイヤル16は共通のベース部Bに組付けられており、円形押しボタン式の演出ボタン15の外周を囲むように環状のジョグダイヤル16が設けられている。
図6および
図7(a)に示すように、演出ボタン15は、通常、バネ部材の付勢により上方へ持ち上げられており、ボタンリフレクタの中央下端部151が、その直下位置に設けられた演出ボタン基板上の前記演出ボタン検出SW550から離間している。そして遊技者が演出ボタン15を押圧操作してこれを押し下げると、ボタンリフレクタの中央下端部151が演出ボタン検出SW550と接触して該検出SW550によりボタン操作が検出される。
【0041】
図6ないし
図7(b)に示すように、演出ボタン15にはそのボタン操作を阻止するとロック部材555が設けられている。ロック部材555は、ボタン操作により上下動するボタンリフレクタの外周下端部152の外側に配置され、前記演出ボタンロックソレノイド554の駆動により進退可能に設けられている。ロック部材555は通常、ボタンリフレクタの外周下端部152の外側に位置し、前記ボタン操作を許容する。そして前記ソレノイド553の駆動により前進してボタンリフレクタの外周下端部152の下方進入し、外周下端部152に当接してボタン15の下降を妨げ、ボタン操作を阻止する。
【0042】
前記ベース部B内部の演出ボタン15およびジョグダイヤル16の直下位置には、
図8(a)に示す演出ボタン基板B1が設けられている。演出ボタン基板B1には、前記演出ボタン検出SW550と、ジョグダイヤル16の回転を検出するための前記第1および第2の2個のジョグダイヤル検出SW551,552が実装されている。演出ボタン15が押されていない状態(通常状態)では、前記演出ボタン検出SW550はハイレベル(Hi)、演出ボタン15が押されると、前記検出SW550はロウレベル(Lo)を出力するように構成されている(
図8(b))。
【0043】
前記ジョグダイヤル検出SW551,552はフォトリフレクタで、図示しない対向面に円形に配置された12枚のリフレクタにて光が反射されるか否かを検出することにより、それぞれHiまたはLoを出力するように構成されている。ジョグダイヤル16が回転されていない状態では前記検出SW551,552は共にHiまたは共にLoを出力する。出力がどちらになるかは、ジョグダイヤル16の回転角度による。ジョグダイヤル16は前記のようにリフレクタが12枚配置されているため、15度の分解能で回転角度を検出可能にされており、例えば前記検出SW551,552の各出力が共にHi(以下、Hi−Hiと記す)だった場合、ジョグダイヤル16を左右いずれかの方向に15度回転させると、前記検出SW551,552の出力がLo−Loとなる。つまりジョグダイヤル16の停止位置では、前記検出SW551,552の出力はHi−HiまたはLo−Loとなる(
図8(c))。
【0044】
ここで仮に前記検出SW551,552の出力がHi−Hiであったとし、ここから、ジョグダイヤル16が時計回り(右回り)に回転されると、前記検出SW551,552の出力がHi−Hi→Hi−Lo→Lo−Lo→Lo−Hi→・・・と変化していく。
ジョグダイヤル16が逆方向に回転されると、前記検出SW551,552の出力がHi−Hi→Lo−Hi→Lo−Lo→Hi−Lo→・・・と変化していく。つまり、前記検出SW551,552の出力が、これらのいずれのパターンで変化したかを検出することにより、ジョグダイヤル16が左右いずれの方向に回転されたかを知ることができ、Hi−HiまたはLo−Loが何回発現したかにより、ジョグダイヤル16が何度回転されたかを検出することが可能に構成されている。
【0045】
本パチンコ機1は、始動ゲート22への入球に起因して普図の当否抽選を行い、普図表示装置27の図柄変動を開始する。前記抽選結果が当りであれば、表示装置27に普図の当り図柄を確定表示して前記普電役物を開放する。これにより第2特図始動口23Bへの入賞が可能となる。
第1又は第2特図始動口23A,23Bへの入賞があると、これに起因して乱数値が抽出され、該乱数値に基づいて特図の当否判定を行い、特図表示装置26、および演出図柄表示装置21の図柄変動を開始する。抽選結果が大当りであれば、各表示装置21,26に大当り図柄を確定表示して大入賞口24の開放を伴う大当り遊技(特別遊技)を実行する構成である。また大当り遊技終了後に、大当りとなった特図に応じて、特図の当選確率が高確率に変更される確変遊技状態や、特図の変動時間を短縮するとともに特図変動の発生に有利な時短遊技状態へと移行可能である。
【0046】
またパチンコ機1は、特図の変動が当否判定時に、予め設定されたリーチ演出などの特定の演出表示が開始された場合、演出ボタンを遊技者が操作することで前記判定の結果に対しての示唆演出(予告演出)を行なう構成であるが、敢えて演出ボタンの操作を不能にロックし、ロックを解除するには所定の条件をクリアしなければいけない構成にすることで、演出ボタン操作への意欲(関心度)を高め、大当り発生への遊技者の期待感を高める演出を行なう。
【0047】
以下、パチンコ機1の遊技に関する作動の詳細を、特許請求の範囲に記載の本発明に関わり深い主制御装置40で実行されるプログラムおよびサブ統合制御装置42で実行されるプログラムに基づいて説明する。
図9は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0048】
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数の更新処理(S102)、特図の大当り図柄決定用乱数の更新処理(S103)、普図の当り判定用乱数の更新処理(S104)、特図のリーチに関するリーチ判定用乱数の更新処理(S105)、特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、各出力処理(S109)、不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
【0049】
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)および各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
図10に示す「始動入賞確認処理」は前記入賞確認処理(S107)のサブルーチンで、第1および第2特図始動口23A,23Bへの入球があれば(S200:yes)、入球に対応する特図の保留記憶が満杯か確認する(S201)。本実施形態における記憶可能な保留記憶数は第1特図、第2特図いずれも4個である。
【0050】
保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、S202の抽出乱数保留記憶処理において、前記入球に起因して抽出した複数の乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を保留記憶として記憶する。またこの処理では、特図保留数表示装置28の点灯数を増加させると共にサブ統合制御装置42に現在の保留記憶数を送信する。
【0051】
続くS203の処理では、前記保留記憶に関して後述する大当りの当否判定処理よりも先に大当りとなる可能性ある記憶があるか否か(当否判定)の先読みを行う先読み判定処理を実行する。またこの処理では、サブ統合制御装置42に前記先読み判定の結果を送信する。
【0052】
図11ないし
図14は主制御装置40で実行される特図の「当否判定処理」のフローチャートを示す。「当否判定処理」では先ず、大入賞口24を開放させるための特別電動役物が作動中か確認し、作動していなければ(S300:no)、特図が変動中か確認し、変動中でなければ(S301:no)、特図の確定図柄が表示されているか確認する(S302)。尚、特別電動役物が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
【0053】
S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、
図12に示すように、特図の保留記憶があるか確認する(S310)。保留記憶がなければ(S310:no)、「特別遊技処理」に移行する。保留記憶があれば(S310:yes)、記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0054】
次にS312の処理で、確変フラグを確認して現在の遊技状態が前記確変遊技状態であるか確認する(確変フラグが「1」であれば確変中)。確変中であれば(S312:yes)、確変時の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S313)。
確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと前記大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S314)。
【0055】
続くS315の処理では、S313又はS314の処理の当否判定が大当りか否かの確認を行う。
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
S317の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、特図表示装置26に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
【0056】
変動パターンの決定後、S318で大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技の開放パターンの設定を行う。例えば演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、および大入賞口24の開放態様の設定がなされる。更に大当り遊技終了後の特典遊技状態として確変と時短が付与されるか否かの設定、確変の継続期間を制限する確変カウンタの設定、時短の継続期間を制限する時短カウンタ設定等の処理がなされる。
尚、実質的に確変および時短の付与、確変カウンタおよび時短カウンタの設定は「特別遊技処理」で設定され、ここでの処理は仮設定がなされる。
【0057】
前記S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、特図表示装置26に表示される特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する。続くハズレ設定処理(S320)では、遊技状態が確変、時短であれば、これらの継続期間をカウントする前記確変カウンタおよび時短カウンタを減算する。
【0058】
前記S318又はS320の各設定処理の後、S321の処理では、特図表示装置26の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定(抽選)結果などが含まれる。
【0059】
図11のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:yes)、
図13に示すように、図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、確定図柄表示処理(S331)において、特図表示装置26の特図の変動表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43へ擬似図柄の変動表示および演出表示を終了させるように図柄確定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。
【0060】
図10のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、
図14のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか確認する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S340:yes)、確定図柄表示終了の処理(S341)により特図表示装置26の特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する擬似図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
【0061】
続いて特図の図柄が大当りになる組合せであるか確認し(S342)、大当りになる組合せであったときは(S342:yes)、確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグに「0」をセットする(S344)。次に、時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグに「0」をセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。
【0062】
S347の処理では条件装置の作動を開始させ、S348の処理では役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
そして大当り開始演出処理(S349)によりサブ統合制御装置42へ大当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0063】
S342の処理で、大当りになる組合せでなければ(S342:no)、確変フラグが「1」であるか確認し(S350)、確変フラグが「1」であり(S350:yes)、確変カウンタ(回数)が「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にセットする(S352)。
続く処理で時短フラグが「1」であり(S353:yes)、時短カウンタ(回数)が「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。
【0064】
図15に示すように、「特別遊技処理」は、先ず、役物連続作動装置が作動中か確認し(S400)、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理で大入賞口25が開放中か確認する。
S401の処理で大入賞口が開放中でなければ(S401:no)、インターバル中か確認し(S402)、インターバル中でなければ(S402:no)、大当り終了演出中か確認し(S403)、大当り終了演出中でなければ(S403:no)、大当り開始演出時間が経過したか確認し(S404)、大当り開始演出時間が経過していれば(S404:yes)、S405の大入賞口開放処理で大入賞口25を開放してリターンする。
【0065】
前記S401の処理で大入賞口開放中であれば(S401:yes)、
図16に示すように、大入賞口25に規定入賞数(9個)の入賞があったか否かの確認(S410)、又は大入賞口25の開放時間が終了したか否かを確認して(S411)、いずれか確認できれば大入賞口25を閉鎖し(S412)、大当りインターバル処理を実行して(S413)、リターンする。大当りインターバル処理では、サブ統合制御装置42へ大当りのインターバル演出を開始させるようにコマンドを送信する。
【0066】
図15の前記S402の処理でインターバル中であれば(S402:yes)、
図16のS414の処理で大当りインターバル時間が経過したか確認し、経過していれば(S414:yes)、最終ラウンドかどうか確認し(S415)、最終ラウンドであれば、(S415:yes)、大当り終了演出の処理(S416)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
一方、最終ラウンドでなければ(S415:no)、大入賞口25の開放処理(S417)を実行してリターンする。
【0067】
図15のS403の処理で大当り終了演出中であれば(S403:yes)、
図17に示すように、大当り終了演出時間の終了時間が経過したか確認し(S420)、経過していれば(S420:yes)、役物連続作動装置の作動を停止する処理(S421)を実行し、条件装置の作動を停止する処理(S422)を実行する。
【0068】
続く、S423〜S428の処理では
図11の前記大当り設定処理(S318)で設定された設定内容を参照し、大当り遊技後の遊技状態を設定する。即ちS423において、大当り遊技終了後に確変遊技に移行されるか確認し、移行される場合(S423:yes)は、確変回数設定処理(S424)および確変フラグに「1」をセットする処理(S425)を行う。またS426において、大当り遊技終了後に時短遊技に移行されるか確認し、移行される場合(S426:yes)は、時短回数設定処理(S427)および時短フラグに「1」をセットする処理(S428)を行う。
【0069】
その後、サブ統合制御装置42へ大当り遊技終了のコマンドを送信するとともに(S429)、状態指定コマンドとして確変遊技状態、時短遊技状態へ移行するか否かの情報をサブ統合制御装置42等へ送信する(S430)。その後にリターンする。
【0070】
続いてサブ統合制御装置42で実行される本発明に関わりの深いプログラム処理について説明する。
図18に示す「演出内容決定処理」は、演出図柄表示装置21の演出内容の決定、演出ボタン15やジョグダイヤル16、十字ボタン18などの操作手段を用いる特定の演出を行なうか否か、更に操作手段を用いる特定の演出の内容などの決定を行う。
この処理では先ずS500の処理において、主制御装置40より前記「当否判定処理」のS321の処理(
図12)で発信された特図変動開始コマンド(変動コマンド)を受信したか否かの確認を行う。コマンドの受信が確認できれば(S500:yes)、特図の当否判定の結果が大当りか否かを確認し(S501)、大当りであれば(S501:yes)、S502の大当り時演出決定処理において大当り時の演出内容を決定し、大当りでなければ(S501:no)、S503のハズレ時演出決定処理においてハズレ時の演出内容を決定する。
【0071】
前記大当り時演出決定処理(S502)或いはハズレ時演出決定処理(S503)では、前記「当否判定処理」で決定された特図の大当り図柄又はハズレ図柄と特図の変動時間(変動パターン)などによって演出内容が決定され、更に変動パターンに応じてリーチ演出などの特定の演出を行なうか否か、特定の演出を行なう場合には前記操作手段を演出に利用するか否か、その場合の演出手段の操作の指示内容等が決定される。尚、特定の演出として、大当りとなるリーチ演出、ハズレとなるリーチ演出時に操作手段を用いた演出を行なうように決定される。該演出の内容としては、演出ボタン15が操作不能にロックされ、該ロックを解除するために十字ボタン18を操作させる指示を行い、該指示通りに十字ボタン18が操作されることを条件(ロック解除条件)に、演出ボタン15のロックを解除して、演出ボタン15の操作によりリーチから大当りとなるか否かの当否判定の結果の示唆演出(即ち、リーチの信頼度の示唆演出)を行なう。
S502の処理又はS503の処理の後、S504の変動開始処理において、演出図柄制御装置43を介して演出図柄表示装置21にて特図の変動ともに演出表示を開始させる。
【0072】
図19に示す「条件選択処理」は、前記特定の演出時に、演出ボタン15を操作不能にロックする処理、および該ロックを解除するための解除条件の選択処理を行う。この処理では、先ずS600の処理において演出図柄表示装置21に前記条件の選択する選択画面(解除条件の選択表示)を表示中であるか確認する。
【0073】
この場合、
図23(a)に示す演出図柄表示装置21の表示画面の条件操作表示211のように、前記解除条件の選択表示として、複数の条件操作、即ち十字ボタン18を操作させる複数の操作指示を表示し、これらの中から一つの条件を遊技者に選択させる。
複数の条件は、操作回数の少ない条件から多い条件へと三段階(操作回数3回、4回、5回)の条件が設けてある。これらの条件の相違点は、条件を達成して演出ボタン15を操作した後の前記当否判定の示唆演出の内容が異なる。例えば、操作回数3回の条件達成後の示唆演出では前記示唆演出をキャラクタ(キャラ)の表情で示す簡単な演出であり、操作回数の多い条件を達成するほど、前記示唆をセリフで表したり信頼度(数字)で表して示唆を明確にする構成としてある。このように遊技者は望む示唆演出を目指して条件を選択する。
【0074】
尚、前記三段階の条件では、
図24に示すように、各段階に応じて複数の操作指示が設定してある。例えば、操作回数3回で示唆演出にキャラクタを使用する条件では「右→左→右」や「上→下→右」など、操作回数4回で示唆にセリフを使用する条件では「右→左→上→下」や「右→左→右→下」など、操作回数5回で示唆に数値を使用する条件では「上→下→上→下→右」や「下→左→上→右→左」などを設ける。
そして、演出図柄表示装置21へ前記条件操作表示211を表示する際に、各段階からそれぞれ一つずつの条件を選ぶ。
【0075】
図19に戻って、S601の処理では演出ボタン15をロックするためのロックフラグが「0」であるか確認し、フラグが「0」であれば(S601:yes)、演出ボタン15のロック処理を行う(S602)。この処理では前記演出ボタンロックソレノイド554を駆動して前記ロック部材555を前記ボタンフランジの外周下端部152の下へ進出せしめて、演出ボタン15の押圧操作(押下げ)を不能とする。
【0076】
続いて前記ロックフラグに「1」をセットする(S603)。
次にS604の処理において、演出図柄表示装置21に演出ボタン15が操作不能にロックされたことを表示する(
図23(a)(b)のテロップ表示210を参照)。
またS605の処理において、遊技者が前記条件を選択する制限時間を設定し、カウントを開始する(
図23(a)の制限時間表示212を参照)。
尚、条件選択表示が行われてから、演出ボタン15がロックされたことを報知する制御構成となっているが、ほんの僅か時間で、これらの処理が行われるため、遊技者には、選択条件の表示とボタンがロックされたことの報知が同じタイミングで行われたように思える。
実際に、条件選択表示とボタンがロックされたことの報知を同時に行う構成にしてもよい。
【0077】
続くS606の処理では、前記条件を選択するために遊技者が十字ボタン18の操作を行なったか否かを確認する。操作があれば(S606:yes)、選択条件移動処理を行い(S607)、演出図柄表示装置21において選択条件を指す矢印表示を移動する(
図23(a)(b)の符号211の矢印を参照)。
【0078】
前記S606の処理において操作がなければ(S606:no)、前記制限時間が経過したか確認し(S608)、経過していれば(S608:yes)、S609の処理において前記条件を決定する(
図23(b)を参照。尚、
図23において、符号213は前記特図に対応する三桁の擬似図柄のリーチ表示を示す)。条件決定は前記制限時間のタイムアップ時に前記矢印が示す条件に決定される。また、S609の処理において、前記決定された条件に対応する操作指示を、演出図柄制御装置43を介して演出図柄表示装置21に表示せしめる。
【0079】
図20に示す「操作指示演出処理」は、先ずS700の処理で、演出図柄表示装置21において前記操作指示が演出表示中であるか確認する。表示中であれば、前記条件の達成を目指して前記操作指示に応じた遊技者による十字ボタン18の操作がなされた否かを確認する(S701)。操作があれば(S701:yes)、該操作が指示通りであるか確認し(S702)、指示通りであれば(S702:yes)、操作が完了したか確認する(S703)。この場合、S702の処理では条件の操作回数が3回であれば、操作回数ごとに操作の確認を行い、S703の処理では3回の操作の全てが完了した確認する。
【0080】
前記S703の処理において操作完了でなければ(S703:no)、指示内容更新処理を行う(S704)。例えば、操作指示が「上→下→右」表示であり、前記S703の処理で「上」の操作が確認された後、S704の処理で操作指示が「下→右」に更新される。
【0081】
前記S703の処理において操作完了であれば(S703:yes)、S705のロック解除処理において、演出ボタン15の操作不能状態でのロックを解除する。この場合、前記ロック部材555を前記ソレノイド554により後退させて、演出ボタン15の押圧操作を可能とする。
そしてS706の処理において、演出図柄制御装置43を介して演出図柄表示装置21に、前記条件を達成することができ、演出ボタン15のロック解除が成功したことを表示せしめる。また前記ロックフラグを「0」にリセットする(S707)。
【0082】
前記S701の処理において十字ボタン18の操作がなく(S701:no)、かつ前記条件を達成することが可能な制限時間が終了している(S708:yes)場合、又は前記S702の処理において操作が指示通りでない(S702:no)場合は、S709の処理において、演出図柄制御装置43を介して演出図柄表示装置21に、前記条件を達成することがでず、演出ボタン15のロック解除がなされないことを表示せしめる。
【0083】
図21に示す「信頼度報知可能演出時処理」は、先ずS800の処理において、前記条件が達成されたか否かの判定処理(前記操作指示演出処理)が終了して、信頼度報知可能演出が開始されたか否かを確認する。前記演出開始が確認できれば(S800:yes)、前記ロックフラグを見て前記条件が達成されていないか確認する(S801)。即ちロックフラグが「1」で、条件が達成されていない場合は(S801:yes)、続くS802の理由報知処理において、前記条件が達成されておらず、演出ボタン15の操作が不能であり、当否判定の示唆を行なう信頼度の表示演出はなされないことを、演出図柄制御装置43を介して演出図柄表示装置21に表示せしめる。
【0084】
続くS803の処理では、前記S801において前記条件が達成されている、いないに関わらず、演出ボタン15の前記検出SW550を有効にする。そしてS804の処理において、演出ボタン15を操作させるように操作指示を出す演出を開始し、演出図柄制御装置43を介して演出図柄表示装置21に前記演出ボタン15の操作指示を表示せしめる。
このように、前記条件が達成されている、いないに関わらず、演出ボタン15の検出SW550を有効にされるが、前記条件が達成されていなければ演出ボタン15の押圧操作ができず前記検出SWを作動させることができない。よって前記当否判定の示唆を行なう信頼度は表示されない。
尚、前記条件が達成されていなければ、前記S804の前記操作指示表示において操作ができないことを表示する。
【0085】
図22に示す「信頼度報知演出処理」は、先ずS900の処理において、前記演出ボタン15の操作指示が演出表示中であるか確認し、表示中であれば(S900:yes)、演出ボタン15の操作が有効な有効期間であるか確認し(S901)、有効期間であれば(S901:yes)、演出ボタン15が操作されたか否か確認する(S902)。
演出ボタン15の操作が確認できれば(S902:yes)、続くS903の処理において、演出図柄制御装置43を介して演出図柄表示装置21に前記当否判定の示唆を行なう信頼度を報知させる。この場合表示される信頼度は、遊技者が選択した条件によって、前記キャラクタ、又は前記セリフ、又は数値で示される。その後、前記有効期間を終了する(S904)。
【0086】
前記S902の処理において、前記演出ボタン15が操作不能にロックされた状態を含み、演出ボタン15の操作が確認できなければ(S902:no)、前記有効期間が終了したか確認し(S905)、期間終了を確認すると(S905:yes)、S906の信頼度非報知処理において前記信頼度が表示されないこと示す演出が行われる。
続くS907の処理において、前記ロックフラグが「1」であるか確認し、「1」であれば(S907:yes)、前記演出ボタンロックソレノイド554により前記ロック部材555を後退させて演出ボタン15のロックを解除する(S908)。そしてロックフラグを「0」にリセットする(S909)。
【0087】
図25は、前記解除条件として前記キャラクタに関する条件が遊技者により選択された後に、前記操作指示の演出(
図20のS700の処理を参照)から信頼度の報知処理又は非報知処理(
図22のS903の信頼度報知処理、又はS906の信頼度非報知処理を参照)に関する一連の表示態様を示す。
前記操作指示の演出の開始では、
図25(a)に示すように、演出表示装置21の表示画面に、選択された「上下右」の操作表示211と、十字ボタン18により前記操作表示211通りの操作を要求するテロップ表示210、十字ボタン18を操作可能な制限時間表示212、および前記特図に対応する三桁の擬似図柄のリーチ表示213を表示する。
【0088】
遊技者により十字ボタン18が指示通りに操作され、前記解除条件が達成されて演出ボタン15のロックが解除されると、
図25(b)に示すように、演出表示装置21の表示画面に、ロック解除が成功したことを示すテロップ表示210を表示する(
図20のS706のロック解除成功表示処理を参照)。
続いて、
図25(c)に示すように、演出ボタン15の操作を指示するボタン操作表示214と、演出ボタン15の操作が有効な有効期間を示す有効期間表示215を表示する(
図21のS804の演出ボタン操作指示演出開始処理を参照)。
【0089】
そして前記有効期間内に演出ボタン15が操作される(押される)と、
図25(d)に示すように、この演出に対応する特図の図柄変動(当否判定)の結果が大当りとなるか否かを、キャラクタの表情により示唆するキャラクタ表示216を行う(
図22のS903の信頼度報知処理を参照)。この場合、キャラクタの表情として、泣き顔、普通顔、笑顔(図例)など複数の種類(3種類)の表情を設け、順に大当りの可能性が高くなることを示す。
【0090】
一方、前記操作指示の演出の開始(
図25(a))で、十字ボタン18が指示通りに操作されずに前記解除条件が達成されなければ、
図25(e)に示すように、ロック解除が失敗したことを示すテロップ表示210を表示する(
図20のS709のロック解除失敗表示処理を参照)。
続いて、
図25(f)に示すように、解除条件が達成されず演出ボタンが操作不能であることを示すテロップ表示210と、演出ボタン15が操作不可であることを示すボタン操作不可表示217と、演出ボタン15の操作が有効な有効期間を示す有効期間表示215を表示する(
図21のS802の理由報知処理を参照)。
尚、
図25(f)に示すように、演出ボタン15がロックされても有効期間は発生するので、
図25(c)と同様、有効期間表示215は時間経過とともに変化していく。
【0091】
そして前記有効期間が終了すると、
図25(g)に示すように、冷や汗顔のキャラクタ表示216を行ない、この演出に対応する特図の図柄変動(当否判定)の結果が大当りとなるか否かを示唆していないことを示す(
図22のS906の信頼度非報知処理を参照)。
また、
図25(c)で演出ボタンが押されなかったら、
図25(g)と同様の表示を行うようにしてもよいし、演出ボタン15の操作を指示するボタン操作表示214と、演出ボタン15の有効期間表示215とが消え、キャラクタ216がそのまま残っている表示を行うようにしてもよい。
【0092】
図26は、前記解除条件として前記セリフに関する条件が選択された場合の前記操作指示の演出から前記信頼度の報知処理又は非報知処理に関する一連の表示態様を示す。本表示態様の基本的な表示構成は前記
図25に示す表示態様とほぼ同じで、相違点を中心に説明する。
図26(a)に示すように、前記操作指示の演出の開始では、演出表示装置21の表示画面の中央に、選択された操作表示211として「右左右下」の操作指示が表示される。
【0093】
図26(b)、(c)に示す前記S706のロック解除成功表示処理に対応する表示、および前記S804の演出ボタン操作指示演出開始処理に対応する表示は、前記キャラクタに関する条件選択時の表示態様と同様で、これらの説明を省略する。
【0094】
そして、ロック解除が成功し、有効期間内に演出ボタン15が操作される(押される)と、
図26(d)に示すように、前記S903の信頼度報知処理に対応する表示において、この演出に対応する特図の図柄変動(当否判定)の結果が大当りとなるか否かを、キャラクタのセリフにより示唆するセリフ表示218がなされる。この場合、キャラクタのセリフとして、さむい、普通、熱い(図例)、激熱、超激熱などの複数種類(5種類)のセリフを設け、順に大当りの可能性が高くなることを示す。このように、5種類のセリフにより大当りの可能性を示すので、
図25(d)に示す3種類の顔表情よりも具体的(明確)な表現ができる。
【0095】
一方、前記操作指示の演出の開始(
図26(a))で、十字ボタン18が指示通りに操作されずに前記解除条件が達成されないときの
図26(e)、(f)に示す前記S709のロック解除失敗表示処理に対応する表示、および前記S802の理由報知処理に対応する表示は、前記キャラクタに関する条件選択時の表示態様と同様で、これらの説明を省略する。
【0096】
そして前記有効期間が終了すると、
図26(g)に示すように、前記S906の信頼度非報知処理に対応する表示において、無言のセリフ表示218を行ない、この演出に対応する特図の図柄変動(当否判定)の結果が大当りとなるか否かを示唆していないことを示す。
また、
図26(c)で演出ボタン15が押されなかったら、
図26(g)と同様の表示を行うようにしてもよいし、演出ボタン15の操作を指示するボタン操作表示214と、演出ボタン15の有効期間表示215とが消え、キャラクタ216がそのまま残っている表示を行うようにしてもよい。
【0097】
また
図27は、前記解除条件として前記数字(信頼度)に関する条件が選択された場合の前記操作指示の演出から前記信頼度の報知処理又は非報知処理に関する一連の表示態様を示す。本表示態様の基本的な表示構成は前記
図25に示す表示態様とほぼ同じで、相違点を中心に説明する。
図27(a)に示すように、前記操作指示の演出の開始では、演出表示装置21の表示画面の中央に、選択された操作表示211として「下左上右左」の操作指示が表示される。
【0098】
図27(b)、(c)に示す前記S706のロック解除成功表示処理に対応する表示、および前記S804の演出ボタン操作指示演出開始処理に対応する表示は、前記キャラクタに関する条件選択時の表示態様と同様で、これらの説明を省略する。
【0099】
そして、ロック解除が成功し、有効期間内に演出ボタン15が操作される(押される)と、
図27(d)に示すように、前記S903の信頼度報知処理に対応する表示において、この演出に対応する特図の図柄変動(当否判定)の結果が大当りとなるか否かを、信頼度のパーセンテージにより示唆する数字表示219がなされる。この場合、パーセンテージとして、10%、20%・・・・90%(図例)、100%などの複数種類(10種類)の数値を設け、順に大当りの可能性が高くなることを示す。このように、10種類のパーセンテージにより大当りの可能性を示すので、
図26(d)に示す5種類のセリフよりも更に具体的(明確)な表現ができる。
【0100】
一方、前記操作指示の演出の開始(
図27(a))で、十字ボタン18が指示通りに操作されずに前記解除条件が達成されないときの
図27(e)、(f)に示す前記S709のロック解除失敗表示処理に対応する表示、および前記S802の理由報知処理に対応する表示は、前記キャラクタに関する条件選択時の表示態様と同様で、これらの説明を省略する。
【0101】
そして前記有効期間が終了すると、
図27(g)に示すように、前記S906の信頼度非報知処理に対応する表示において、数字なしの数字表示219を行ない、この演出に対応する特図の図柄変動(当否判定)の結果が大当りとなるか否か示唆していないことを示す。
また、
図27(c)で演出ボタン15が押されなかったら、
図27(g)と同様の表示を行うようにしてもよいし、演出ボタン15の操作を指示するボタン操作表示214と、演出ボタン15の有効期間表示215とが消え、キャラクタ216がそのまま残っている表示を行うようにしてもよい。
【0102】
図28(a)、(b)に基づいて本パチンコ機の前記特定の演出における演出ボタンのロックに関するタイミングチャートを説明する。
図28(a)に示すように、C演出中において前記操作指示の演出の開始時(a時点)で、演出ボタン15がロックされたことの報知と前記解除条件の操作指示が表示されると同時にロック手段(ロック部材555とロックソレノイド554)が作動して演出ボタン15がロックされる。
【0103】
そして判定期間内に、十字ボタン18により前記操作指示通りの操作がなされて条件が達成された場合、前記判定期間の終了時に演出ボタン15のロックが解除される。その後、有効期間b内に演出ボタン15が操作されれば前記当否判定の示唆演出が行なわれる。
【0104】
一方、
図28(b)に示すように、判定期間内に、十字ボタン18により前記操作指示通りの操作がなされずに条件が達成されなかった場合、前記判定期間から前記有効期間bの終了時まで演出ボタン15がロックされており、演出ボタン15の操作が不能であるため、c期間に条件が達成されずに演出ボタン15が操作できないことを報知せしめる。勿論、前記示唆演出は行なわれない。
【0105】
また本パチンコ機において、前記構成では演出ボタン15がロックされた後に、解除条件が達成されると、演出ボタン15のロックを解除するが、これに限らず、解除条件が達成されなければ演出ボタン15をロックするように構成してもよい。
即ち、
図28(c)に示すように、C演出中において前記操作指示の演出の開始時(a時点)で、演出ボタン15がロックされることの報知と前記解除条件の操作指示を表示し、判定期間を開始する。
【0106】
そして判定期間内に、十字ボタン18により前記操作指示通りの操作がなされて条件が達成された場合、演出ボタン15はロックされず、その後、有効期間b内に演出ボタン15が操作されれば前記当否判定の示唆演出が行なわれる。
【0107】
一方、
図28(d)に示すように、判定期間内に、十字ボタン18により前記操作指示通りの操作がなされずに条件が達成されなかった場合、前記判定期間の終了時に演出ボタン15がロックされ、前記有効期間bの終了時まで演出ボタン15がロックされるので、演出ボタン15の操作が不能であるため、c期間に条件が達成されずに演出ボタン15が操作できないことを報知せしめる。勿論、前記示唆演出は行なわれない。
【0108】
尚、
図28(c)、(d)に示すタイミングチャートの構成では、
図29に示すように、条件の選択画面において、テロップ表示210として、ボタンがロックされること。ロックを回避する条件を選択させる指示表示を行う。尚、表示において、この時点では演出ボタン15はまだロックされていないので、条件の呼称はロック回避条件とする。
【0109】
図28(a)、(b)に示すタイミングチャートの構成および
図28(c)、(d)に示すタイミングチャートの構成に関わらず本実施形態のパチンコ機によれば、リーチ演出時に、十字ボタン18を指示通りに操作して、演出ボタン15のロックを解除(回避)する条件を達成することで演出ボタン15が操作でき、これにより大当りの信頼度が演出表示されるので、遊技者は前記条件を達成させようと努力することなる。その努力の成果によって演出ボタンが操作できるようになるので、遊技者が演出ボタンを操作することへ関心度を高めることができ、遊技者の操作意欲を増大させることができる。これにより、演出ボタンなどの操作手段を有効に活用することができ、操作手段の価値を高めることができる。
また、演出ボタン15を操作不能にロックするのに、進退可能に設けられたロック部材555により演出ボタン15の押圧操作による下方への移動を阻止して接点同士の接触やセンサによる検知を不可としたので、遊技者に明らかに演出ボタン15が操作できないと認識させることができる。
演出ボタン15のロックを解除(回避)する条件を達成するのに十字ボタン18の操作を用いたので、解除(回避)条件を達成するのに遊技者の頑張り次第で達成させることができ、遊技者の条件達成に対する意欲を向上させることができる。
尚、演出ボタン15のロックを解除(回避)する条件として、十字ボタン18の操作に限らず、始動口へ所定の数の遊技級を入賞させる条件や、所定の普通入賞口へ入賞させる条件など、その他に遊技者が可及的に行動することで達成が可能なできる条件を設定する。勿論、制限時間を設ける。
【0110】
更に、演出ボタン15のロックを解除(回避)する条件を複数種類設け、一つの条件を遊技に選択させるようにしたので遊技の趣向性が増す。例えば、遊技者がこの変動は当りじゃないかと強く思える変動(遊技の進行状況)であれば、条件の成立が難しい所定の条件を選んだり、あまり当る気がしないと思うような変動であった場合には、条件の成立が簡単な所定の条件を設定することが可能となる。
【0111】
更にまた、前記解除(回避)条件が達成できなかった場合には、条件が未達成のために演出ボタン15がロックされて操作ができないことを報知するので、遊技者が、ボタンの故障などと勘違いする恐れもないほか、次回から条件を達成しようと頑張るようになる。
【0112】
本実施形態のパチンコ機の他の構成として、
図30に示すように、リーチ演出として、複数種類の演出、例えば、「犬リーチ」、「猫リーチ」、「猿リーチ」を設け、これらのリーチごとに大当りとなる信頼度を相違させる構成としてもよい。
図例では、「犬リーチ」で演出ボタン15をロックする演出の信頼度を60%、非ロックでは15%とされ、「猫リーチ」のロック時では50%、非ロックで10%とされ、「猿リーチ」のロック時で40%、非ロックで5%とされる。
尚、
図30の説明でロックとは、演出ボタン15をロックすると決定された場合、つまり、条件が解除されなかったらロックする場合のことであり、条件成立してロックを解除又は回避された場合も含まれる。
【0113】
前記他の構成によれば、遊技者に、どのリーチ演出であれば、演出ボタン15がロックされる確率が高い、あるいは、ロックされる確率が低いというように思わせることができる。この場合、例えばあるリーチ演出でロックされた方が大当りとなる信頼度を高く設定するなどすれば、「ロックを解除するのは面倒だが、ロックされて欲しい」といった、今までにない新しい感情を遊技者に与えることができる。
尚、信頼度とは、あるリーチ演出が行われた時の大当りになる場合の出現率とはずれになる場合の出現率を合算した全体出現率に対し、大当りになる場合の出現率の割合を示すものである。このため、大当り信頼度は、全体出現率に対して大当りになる場合の出現率の割合が高いほど高くなる。
【0114】
次に本発明の他の実施形態について説明する。前記実施形態では、一回の特図の変動(演出)の間に、演出ボタン15のロック、該ロックを解除条件の達成操作、条件達成か否かの判定、達成時のロック解除、演出ボタン15の操作、信頼度の表示を行う演出を実行しているが、これに限らず、
図31に示すように、複数の特図の変動(演出)に跨って前記演出を行うように構成してもよい。つまり、先読み判定によって、特定の値があった場合に、C演出を行うことが決定され、その前の特図の変動(A演出又はB演出)によって、条件などを報知する構成である。
【0115】
図31(a)(b)は演出ボタン15を操作不能にロックした後に、解除条件が達成されたか否かを判定し、条件が達成されたら前記ロックを解除する構成である。特図の1回の変動でA演出が行われ、違う特図の1回の変動でB演出が行われ、更に違う特図の1回の変動でC演出が行われる。
図31(a)に示すように、A演出のa時点で、演出ボタン15がロックされたことの報知と前記解除条件の操作指示が表示されると同時にロック手段(ロック部材555とロックソレノイド554)が作動して演出ボタン15がロックされる。
【0116】
そしてA演出の判定期間内に、十字ボタン18の操作がなされて条件が達成された場合、前記判定期間の終了時に演出ボタン15のロックが解除される。その後、B演出を行い後のC演出の有効期間b内に演出ボタン15が操作されれば大当りになるか否かの信頼度を示す示唆演出が行なわれる。
【0117】
一方、
図31(b)に示すように、A演出の判定期間内に、条件が達成されなかった場合、前記a時点からB演出後のC演出の有効期間bの終了時まで演出ボタン15がロックされており、演出ボタン15の操作が不能であるため、C演出のc期間に条件が達成されずに演出ボタン15が操作できないことを報知せしめる。勿論、前記示唆演出は行なわれない。
【0118】
図31(c)(d)は演出ボタン15のロックを回避する条件が達成されたか否かを判定し、条件が達成されたら前記ロックをしない(回避)する構成である。
即ち、
図31(c)に示すように、A演出のa時点で、演出ボタン15がロックされることの報知と前記回避条件の操作指示を行い、判定期間を開始する。
そしてA演出の判定期間内に、十字ボタン18により前記操作指示通りの操作がなされて条件が達成された場合、演出ボタン15はロックされず、その後、B演出を行い後のC演出の有効期間b内に演出ボタン15が操作されれば大当りになるか否かの信頼度を示す示唆演出が行なわれる。
【0119】
一方、
図31(d)に示すように、A演出の判定期間内で条件が達成されなかった場合、B演出の後のC演出の開始時に演出ボタン15がロックされ、C演出の有効期間bの終了時まで演出ボタン15がロックされるので、演出ボタン15の操作が不能であるため、c期間に条件が達成されずに演出ボタン15が操作できないことを報知せしめる。勿論、前記示唆演出は行なわれない。
【0120】
これによれば、解除(回避)条件の達成から演出ボタン15の操作までの時間的にゆとりがあるので、遊技者は、あわてずに条件成立にむけて努力することができるようになる。
【0121】
前記実施形態および他の実施形態のいずれにおいても、ロック機構の構造上、遊技者により演出ボタン15が操作し(押し)続けられた状態では演出ボタン15をロックできない。そこで、
図28(b)、(d)および
図31(b)、(d)に示したように、有効期間が発生するよりも前に演出ボタン15のロックを行う構成としている。尚、より確実にロックするには
図28(d)および
図31(d)のように有効期間cの少し前からロックする構成よりも、
図28(b)および
図31(b)のように解除条件の報知と同時、又は、報知した直後に演出ボタンをロックすることが望ましい。
【0122】
尚、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、大当りの信頼度を示唆させるのにジョグダイヤル16を用いる構成でもよい。
この場合、ジョクダイヤル16を操作不能にロックするロック部材が必要であり、該ロック部材として
図32に示すように、ジョグダイヤル16の四方に円弧上のブレーキ161を設ける。これらのブレーキ161は、通常、ジョグダイヤル16から離間しており、ロック時にジョグダイヤル16を四方ら締め付けるように当接してジョグダイヤル16の回転操作を不能とする。
また本発明は、機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。