特許第5764794号(P5764794)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5764794
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】LEDランプ
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150730BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20150730BHJP
   F21V 17/02 20060101ALI20150730BHJP
   F21V 17/10 20060101ALI20150730BHJP
   F21V 17/18 20060101ALI20150730BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150730BHJP
【FI】
   F21S2/00 231
   F21V23/06
   F21V17/02
   F21V17/10 500
   F21V17/18 200
   F21Y101:02
【請求項の数】3
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-536046(P2014-536046)
(86)(22)【出願日】2013年11月11日
(86)【国際出願番号】JP2013080440
【審査請求日】2014年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】390001166
【氏名又は名称】株式会社エム・システム技研
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176658
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 栄利
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−069436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管軸方向に沿って内部に複数個のLEDが搭載された筒状本体部と、その筒状本体部の前記管軸方向の両端部に一対の口金部が設けられたLEDランプであって、
前記筒状本体部は、前記複数個のLEDが内部に搭載され、前記一対の口金部のうち一方の口金部と一方端部が接続された第1筒状本体部と、その第1筒状本体部の他方端部に接続され、前記一対の口金部の間隔を複数の所定間隔に可変できる全長可変機構を有する第2筒状本体部と、を含み、
前記第1筒状本体部及び前記第2筒状本体部の少なくとも一方は、復元機構を有し、
前記復元機構は、前記一対の口金部の間隔が前記複数の所定間隔のうち、いずれの所定間隔に設定された場合においても、その設定された所定間隔から前記一対の口金部の間隔が縮んだとき、前記一対の口金部の間隔をその設定された所定間隔に復元させ
前記第2筒状本体部の有する前記全長可変機構は、前記第1筒状本体部と接続された第1スライド筒と、前記一対の口金部のうち他方の口金部と接続された第2スライド筒とを含み、
前記第1スライド筒には、前記第1スライド筒の外方へ突出するガイド用凸部が形成されており、
前記第2スライド筒には、前記第2スライド筒の内面に前記管軸方向に沿って直線的にガイド用凹部が形成されており、
前記第1スライド筒と前記第2スライド筒は、前記ガイド用凸部が前記ガイド用凹部に嵌り込むことによって、相互に所定範囲において前記管軸方向に沿ってスライド可能に係合しており、
前記第2筒状本体部の前記第1スライド筒の一部は、前記第2スライド筒の内周側に前記管軸方向に沿ってスライド可能に嵌挿され、
前記第2スライド筒には前記管軸方向に沿って複数のロック解除用爪部が形成され、
前記第1スライド筒には前記第1スライド筒の外方へ突出するロック用凸部が形成され、
前記一対の口金部の間隔が前記複数の所定間隔のうち、いずれかの間隔に設定された場合には、前記第1スライド筒の前記ロック用凸部が、前記第2スライド筒のいずれかのロック解除用爪部に対向するように、前記管軸方向に直交する外方へ変位することにより、前記第2スライド筒は前記第1スライド筒に対して前記管軸方向において位置規制され、
前記一対の口金部の間隔が他の所定間隔に設定される場合には、前記第2スライド筒のロック解除用爪部が内方へ押さえられることにより、前記ロック用凸部の前記外方への変位が解消されて前記管軸方向における位置規制が解除される、
ことを特徴とするLEDランプ。
【請求項2】
前記第2スライド筒には、前記管軸方向に対する直交断面において、少なくとも一対の前記ロック解除用爪部が形成され、その一対のロック解除用爪部は管軸の位置する点に対して略点対称に位置することを特徴とする請求項記載のLEDランプ。
【請求項3】
前記復元機構は、前記第2スライド筒の中空部に格納されるスプリングであることを特徴とする請求項1又は2に記載のLEDランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の直管形蛍光灯と取り替え可能な、すなわち互換性のあるLEDランプに関し、特に形式の異なる(一対のランプ用ソケット間隔の異なる)直管形蛍光灯用の照明器具に装着される場合であっても、それら各種形式に応じてその全長を容易に可変できるLEDランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の全長を可変できるLEDランプにおいては、図9(A)〜(D)に示すような構成が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9(A)は、従来のLEDランプの使用時における伸長した状態の斜視図である。図9(B)は、図9(A)に示したLEDランプの輸送時や保管時における収縮した状態の斜視図である。図9(C)は、図9(A)に示したLEDランプの主要部の縦断面図である。図9(D)は、図9(A)に示したLEDランプの動作説明図である。図9(C)及び図9(D)では、図9(A)に示した後述する第1光源ユニット310と、第2光源ユニット320との関係を抜粋して示している。
【0004】
この照明光源装置は、それぞれが円筒状に構成された第1光源ユニット310、第2光源ユニット320、第3光源ユニット330、第4光源ユニット340を有する照明本体Hと、照明本体Hの両側の端部にそれぞれ設けられた口金部350とを有している。第1〜第4光源ユニット310〜340それぞれは、光源部を有しており、各光源部は、配線基板と、その配線基板に搭載された複数のLEDチップとを含む。
【0005】
照明本体Hは、第1〜第4の光源ユニット310〜340によって構成され、それらテレスコピックパイプ構成によって、伸縮可能が実現されている。
【0006】
第1光源ユニット310は、外径が最も大きく、第2光源ユニット320が第1光源ユニット310内に同軸状態で収容可能になっている。
【0007】
また、第3光源ユニット330が第2光源ユニット320内に同軸状態で収容可能になっており、第4光源ユニット340が第3光源ユニット330内に同軸状態で収容可能になっている。
【0008】
そして、第1光源ユニット310における支持体311の周面部には、内周側に開口したガイド溝311aが管軸方向に沿って形成されている。
【0009】
ガイド溝311aは、外側に向って突出するように周面部を断面矩形状に窪ませることによって形成されている。
【0010】
また、第2光源ユニット320における抜け止め部323には、そのガイド溝311a内にスライド可能に嵌合するように突出した突部323aが設けられている。
【0011】
そして、抜け止め部323の突部323aが支持体311のガイド溝311a内に嵌合された状態では、第1光源ユニット310および第2光源ユニット320のそれぞれの光源部312および光源部322が、周方向における同一位置に配置されるようになっている。
【0012】
また、第2光源ユニット320の支持体321が第1光源ユニット310の支持体311から引き出されると、抜け止め部323の突部323aが支持体311のガイド溝311a内をスライドする。
【0013】
これにより、第2光源ユニット320の支持体321は、周方向に回動することなく、第1光源ユニット310の支持体311と同軸状態を維持しつつ、支持体311から引き出される。
【0014】
そして、第2光源ユニット320の抜け止め部323における端面323bが、第1光源ユニット310の支持体311に設けられたストッパー311bに突き当てられることによって、第2光源ユニット320は、第1光源ユニット310の支持体311から抜け止めされる。
【0015】
このように第2光源ユニット320が第1光源ユニット310とから引き出された際、図9(D)に示されるように、第1光源ユニット310の光源部312が有する配線基板312aと、第2光源ユニット320の光源部322が有する配線基板322aとが電気的に接続される。前述したように、配線基板312a,322aそれぞれには、LEDチップ312b,322bが搭載されている。ここでは、第1光源ユニット310と第2光源ユニット320との関係について説明したが、第2光源ユニット320と、第3光源ユニット330との関係、及び第3光源ユニット330と第4光源ユニット340との関係についても同様である。
【0016】
このように、上述した伸縮自在なLEDランプの場合には、輸送時や保管時には全長が最小となるように縮めた状態に設定できるし、さらに既存の蛍光灯と交換して使用する時には全長が最大となるように伸ばした状態に設定できる。また、照明本体Hの全長が最大長になった場合、第1〜第4光源ユニット310〜340それぞれが有する配線基板が電気的に接続され、LEDランプが照明装置として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2011−70825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、前述のような従来の伸縮自在なLEDランプの場合には、既存の蛍光灯と交換して使用する時に全長が最大となる状態に設定しなければならない。そして、従来の伸縮自在なLEDランプでは、その全長が最大長である場合に、図9(D)に示されたように、隣接する光源ユニット間の導通がとれて照明装置として機能する。一方、全長が最大長でない場合、すなわち、LEDランプの全長が収縮している状態では、図9(C)からも明らかなように隣接する光源ユニット間の電気的な導通がとれず、照明装置として動作しない。
【0019】
したがって、製造者は、従来のLEDランプを設計するときには、それが装着される照明器具の形式(特に、ソケット間隔の相違に起因する形式と同義とする、以下同じ)に合致するように、それぞれの形式に応じて製造者が適宜その最大長を設計事項的に決定しなければならないことは明らかである。
【0020】
すなわち、わずか数mmから数十cm程度の全長差に起因する形式の異なる直管形蛍光灯用の照明器具であっても、それら各種形式に応じて、その全長を点灯可能に可変することができないため、ソケット間隔に応じて厳密に一対一で対応できるよう各光源ユニットの単位長及び光源ユニット数、さらには隣接する各光源ユニット間の電気的接続方法等を各々設計する必要がある。
【0021】
その結果として、形式の異なる照明器具毎に異なる仕様のLEDランプを供給する必要が生じるため、特に過去の様々な経緯により多種多様な照明器具の形式が混在する市場においては、需要者、仲介者、製造者及び保管者のいずれもが煩雑かつ不経済な状況に陥っている。
【0022】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、特に形式の異なる(一対のランプ用ソケット間隔が相違する)直管形蛍光灯用の照明器具に装着される場合であっても、それら各種形式に応じてその全長を容易に可変できるLEDランプの提供を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の一側面にかかわるLEDランプは、管軸方向に沿って内部に複数個のLEDが搭載された筒状本体部と、その筒状本体部の管軸方向の両端部に一対の口金部が設けられたLEDランプであって、筒状本体部は、複数個のLEDが内部に搭載され、一対の口金部のうち一方の口金部と一方端部が接続された第1筒状本体部と、その第1筒状本体部の他方端部に接続され、一対の口金部の間隔を複数の所定間隔に可変できる全長可変機構を有する第2筒状本体部と、を含み、第1筒状本体部及び第2筒状本体部の少なくとも一方は、復元機構を有し、その復元機構は、一対の口金部の間隔が複数の所定間隔のうち、いずれの所定間隔に設定された場合においても、その設定された所定間隔から上記一対の口金部の間隔が縮んだとき、前記一対の口金部の間隔をその設定された所定間隔に復元する。
【0024】
これにより、形式の異なる既存の直管形蛍光灯用の照明器具に装着される場合であっても、一対のランプソケットの間隔が異なる各種形式に応じてその全長を容易に可変できる。
【0025】
また、設定されたいずれの全長においても、一対の口金部の間隔が設定された所定間隔から縮んだとき、その設定された所定間隔に復元させる復元機構が有効に作用するため、照明器具に備えられた一対のランプソケットへLEDランプを装着する際やランプソケットからLEDランプを外す際の着脱容易性を向上できる。
【0026】
さらには、仮に筒状本体部の素材として熱的に伸縮し易いものが用いられたとしても、上記の復元機構により照明器具への装着後に一対の口金部の間隔が所定間隔に保持されるため脱落しにくくなる。
【0027】
すなわち、全長可変機能、着脱容易性の向上及び装着後の脱落防止機能を十分に確保できる。
【0028】
また、一実施形態において第2筒状本体部の有する全長可変機構は、第1筒状本体部と接続された第1スライド筒と、一対の口金部のうち他方の口金部と接続された第2スライド筒とを含み、第1スライド筒には、第1スライド筒の外方へ突出するガイド用凸部が形成されており、第2スライド筒には、第2スライド筒の内面に管軸方向に沿って直線的にガイド用凹部が形成されており、第1スライド筒と第2スライド筒は、ガイド用凸部がガイド用凹部に嵌り込むことによって、相互に所定範囲において管軸方向に沿ってスライド可能に係合していてもよい。
【0029】
これにより、第1スライド筒と第2スライド筒との相対的な回転(管軸を回転中心とする回転)が防止されるため、第2筒状本体部の有する全長可変機構が有効に作用し管軸方向に沿ってLEDランプの全長を安定的に可変させることができる。
【0030】
また、一実施形態において、第2筒状本体部の第1スライド筒の一部は、第2スライド筒の内周側に管軸方向に沿ってスライド可能に嵌挿され、第2スライド筒には管軸方向に沿って複数のロック解除用爪部が形成され、第1スライド筒には、第1スライド筒の外方へ突出するロック用凸部が形成され、一対の口金部の間隔が複数の所定間隔のうち、いずれかの間隔に設定された場合には、第1スライド筒のロック用凸部が、第2スライド筒のいずれかのロック解除用爪部に対向するように、管軸方向に直交する外方へ変位することにより、第2スライド筒は第1スライド筒に対して管軸方向において位置規制され、一対の口金部の間隔が他の所定間隔に設定される場合には、第2スライド筒のロック解除用爪部が内方へ押さえられることにより、ロック用凸部の外方への変位が解消されて管軸方向における位置規制が解除されてもよい。
【0031】
これにより、第2本体部の有する全長可変機構が有効に作用するのと併せて、複数の所定間隔のうち、いずれかの間隔に設定された場合には、その間隔において第1スライド筒に対して第2スライド筒が位置規制される。
【0032】
したがって、一対の口金部の間隔が複数の所定間隔のうち、いずれの間隔に設定された場合であっても、機構的な位置規制すなわち第2筒状本体部の全長可変機構の機能停止(ロック)により、LEDランプの全長が安定的に一定長に固定される。
【0033】
その結果、通常の直管形蛍光管と同様に着脱容易性の向上及び装着後の脱落防止機能を十分に確保できる。
【0034】
また、一実施形態において、第2スライド筒には、管軸方向に対する直交断面において、少なくとも一対のロック解除用爪部が形成され、その一対のロック解除用爪部は管軸の位置する点に対して略点対称に位置してもよい。
【0035】
これにより、第2スライド筒のロック解除用爪部が内方へ押されたときの押圧力が真逆方向に作用し相殺されるため、無用又は過度な変形力が第2筒状本体部に加わらず容易かつ円滑に第1スライド筒に対する第2スライド筒の位置規制を解除できる。
【0036】
その結果、第2スライド筒は第1スライド筒に対して自在スライドが可能となるため、全長可変機能が有効となる。
【0037】
また、一実施形態において、上記復元機構は、第2スライド筒の中空部に格納されるスプリングであってもよい。
【0038】
これにより、例えば既存の直管形蛍光灯用の照明器具に装着される場合には、スプリングにより伸縮性が得られるため照明器具のソケットへの装着が容易となり、一旦取り付けられれば復元機構が作用するため照明器具からの落下を効果的に防止できる。
【0039】
すなわち、着脱容易性の向上及び装着後の脱落防止機能を十分に確保できる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によるLEDランプによれば、形式の異なる既存の直管形蛍光灯用の照明器具に装着される場合であっても、それら各種形式に応じてその全長を容易に可変できるとともに、着脱容易性の向上及び装着後の脱落防止機能も十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、本発明の実施の形態における直管形LEDランプの全体図である。
図2図2は、本発明の実施の形態における直管形LEDランプの第2筒状本体部と口金部の拡大斜視図である。
図3図3は、第2筒状本体部と口金部の分解斜視図である。
図4図4(A)は、第2筒状本体部と口金部のみを口金部の一対のピン端子が重なる方向から見た図であり、図4(B)は、図4(A)のIVB―IVBラインで切断した管軸方向の直交断面図であり、図4(C)は、図4(A)のIVC―IVCラインで管軸方向に沿って切断した断面図であり、図4(D)は、図4(A)のIVD−IVDラインで切断した管軸方向の直交断面図である。
図5図5(A)は、一対の口金部の間隔が最大に設定されたときに口金部が押圧される前の状態における管軸に沿った方向の一部断面斜視図であり、図5(B)は、一対の口金部の間隔が最大に設定されたときに口金部が押圧された後の状態における管軸に沿った方向の一部断面斜視図である。
図6図6(A)は、一対の口金部の間隔が最小に設定されたときに口金部が押圧される前の状態における管軸に沿った方向の一部断面斜視図であり、図6(B)は、一対の口金部の間隔が最小に設定されたときに口金部が押圧された後の状態における管軸に沿った方向の一部断面斜視図である。
図7図7(A)は、一対の口金部の間隔が最大に設定されたときに口金部が押圧される前の状態を示す一部断面図であり、図7(B)は、一対の口金部の間隔が最大に設定されたときに口金部が押圧された後の状態を示す一部断面図であり、図7(C)は、一対の口金部の間隔が最小に設定されたときに口金部が押圧される前の状態を示す一部断面図であり、図7(D)は、一対の口金部の間隔が最小に設定されたときに口金部が押圧された後の状態を示す一部断面図である。
図8図8は、本発明の別の実施の形態における直管形LEDランプの全体図である。
図9図9(A)は、従来のLEDランプの使用時における伸長した状態の斜視図であり、図9(B)は、図9(A)に示したLEDランプの輸送時や保管時における収縮した状態の斜視図であり、図9(C)は、図9(A)に示したLEDランプの主要部の縦断面図であり、図9(D)は、図9(A)に示したLEDランプの動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態を説明するために、図面を参照して説明する。以下の説明においては、同一の要素には同一の符号を用いることとし、重複する説明は省略する。説明中、「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
【0043】
図1は、本発明の実施の形態における直管形LEDランプの全体図である。図2は、本発明の実施の形態における直管形LEDランプの第2筒状本体部と口金部の拡大斜視図である。図3は、第2筒状本体部と口金部の分解斜視図である。図4(A)は、第2筒状本体部と口金部のみを口金部の一対のピン端子が重なる方向から見た図である。図4(B)は、図4(A)のIVB−IVBラインで切断した管軸方向の直交断面図である。図4(C)は、図4(A)のIVC―IVCラインで管軸方向に沿って切断した断面図である。図4(D)は、図4(A)のIVD−IVDラインで切断した管軸方向の直交断面図である。図5(A)は、一対の口金部の間隔が最大に設定されたときに口金部が押圧される前の状態における管軸に沿った方向の一部断面斜視図である。図5(B)は、一対の口金部の間隔が最大に設定されたときに口金部が押圧された後の状態における管軸に沿った方向の一部断面斜視図である。図6(A)は、一対の口金部の間隔が最小に設定されたときに口金部が押圧される前の状態における管軸に沿った方向の一部断面斜視図である。図6(B)は、一対の口金部の間隔が最小に設定されたときに口金部が押圧された後の状態における管軸に沿った方向の一部断面斜視図である。図7(A)は、一対の口金部の間隔が最大に設定されたときに口金部が押圧される前の状態を示す一部断面図である。図7(B)は、一対の口金部の間隔が最大に設定されたときに口金部が押圧された後の状態を示す一部断面図である。図7(C)は、一対の口金部の間隔が最小に設定されたときに口金部が押圧される前の状態を示す一部断面図である。図7(D)は、一対の口金部の間隔が最小に設定されたときに口金部が押圧された後の状態を示す一部断面図である。図8は、本発明の別の実施の形態における直管形LEDランプの全体図である。
【0044】
図1に示したように、直管形LEDランプ10の全体は、筒状本体部11とその両端部に設けられた一対の口金部12a、12bとから構成されている。
【0045】
ここで、筒状本体部11の管軸方向を両端矢印の一点鎖線TAで示しているが、発光源として複数個のLED112a(図4(D)参照)が、例えば長尺状の回路基板111a上において管軸方向に沿って略均等間隔に一乃至複数列に配列された状態で搭載されている(図4(D)参照)。
【0046】
また、筒状本体部11は、管軸方向に沿って内部に搭載された複数個のLED112aから放射された光を管軸方向及びその管軸方向と直交する方向にも拡散させる効果(防眩効果)を有し上部に位置する透光レンズ部と、それら複数個のLED112aが上面に載置された長尺状の回路基板111aを挟み包むように透光レンズ部と嵌合しながら合掌形態に組み合わされる下部に位置するカバー部とから構成される(図4(D)参照)。
【0047】
ここで、透光レンズ部の素材の例は、軽量かつ強度が高く、適切な絶縁性も確保できる樹脂素材である。このような樹脂素材の例は、アクリル及びPC(ポリカーボネイト)などを含む。
【0048】
一方、カバー部の素材の例は、アルミニウム、アルミニウム合金、及び、高価ではあるがマグネシウム合金などの軽量かつ堅牢で放熱性にも優れた金属素材を含む。
【0049】
また、筒状本体部11は、前述した複数個のLED112aが内部に搭載され、一対の口金部12a、12bのうち一方の口金部12aに一方端部が接続された第1筒状本体部11aと、その第1筒状本体部11aの他方端部に接続され、一対の口金部12a、12bの間隔を複数の所定間隔(本実施の形態の場合は、最大間隔と最小間隔の2つの設定間隔)に可変するための全長可変機構を有する第2筒状本体部11bを含んでいる。
【0050】
ここで、全長可変機構とは、口金部12aと口金部12bの間隔を複数の所定間隔に可変できる機構と定義する。
【0051】
この全長可変機構により、口金部12aと口金部12bの間隔を、最大間隔と最小間隔の2つの設定間隔のいずれか一方の間隔に任意設定することができる。
【0052】
さらに、口金部12aには、外部の照明器具(図示せず、以下同じ)との電気的接続を可能とする2本のピン端子122aが設けられ、口金部12bには、外部の照明器具との電気的接続を可能とする2本のピン端子122bが設けられている。ピン端子122a,122bは、LED112aと電気的に接続されている。この電気的接続は、LEDランプ10が照明装置として機能するような断続的な接続も含む。
【0053】
次に、図2に示したように、第2筒状本体部11bは、その一方端部(図2において右上端部)が2本のピン端子122bを有する口金部12bと接続され、他方端部(図2において左下端部)が第1筒状本体部11aと接続されている。
【0054】
さらに、第2筒状本体部11bの全長可変機構は、第1筒状本体部11aの右上端部を覆うように接続された第1スライド筒13と、第1スライド筒13の外径よりも大きな内径を有することにより管軸上に沿って相互にスライド可能に嵌合し、その一方端部(図2において右上端部)に後述する復元機構を有し、その復元機構を介して口金部12bと接続された第2スライド筒14とにより、構成されている。
【0055】
ちなみに、図2は、口金部12aと口金部12bの間隔が最大間隔に設定されたときの状態を示した図である。
【0056】
次に、図3に示したように、第2筒状本体部11bは、第1筒状本体部11aと接続された第1スライド筒13と、口金部12bと復元機構を介して接続された第2スライド筒14とに分解できる。
【0057】
そして、第1スライド筒13と第2スライド筒14は、後述するように相互に所定範囲において管軸方向に沿ってスライド可能に係合している。
【0058】
ここで、第1スライド筒13には、管軸の方向に直交しかつ外方へ突出するガイド用凸部13aと、管軸方向に直交しかつ外方へ突出するロック用凸部13bが弾性変形可能に形成されている。
【0059】
また、ガイド用凸部13aは、第2スライド筒14の内壁に形成されたガイド用凹部14c(図4(B)、(C)参照)と嵌合し、第1スライド筒13が第2スライド筒14に対して管軸を中心として周方向に回転しないよう位置規制がなされている。
【0060】
また、ガイド用凹部14cは管軸方向に沿って直線的に形成されているため、これにより第2スライド筒14は第1スライド筒13に対して所定範囲内で自在にスライドする。所定範囲は、ガイド用凹部14cの長さの範囲である。ガイド用凹部14cの長さの一例は、全長可変機構により設定される口金部12aと口金部12bの2段階の間隔のうち一方の所定間隔である最大間隔と他方の所定間隔である最小間隔との間の差であり得る。
【0061】
一方、第2スライド筒14は、その一方端部(図3において右上端部)の内周側に復元機構としてのコイルスプリング(弾性体)15を格納し、その復元機構を介して口金部12bと接続されているが、復元機構については詳細に後述する。
【0062】
なお、ここで復元機構とは、口金部12aと口金部12bとの間隔が所定間隔に設定された際に、口金部12aと口金部12bとの間隔がその設定された所定間隔から縮んだ際に、その設定された所定間隔に復元させるための機構と定義する。例えば、口金部12aと口金部12bとの間隔を第1の所定間隔に設定した場合について具体的に説明する。説明のために、第1の所定間隔に次いで口金部12aと口金部12bの間隔が狭い所定間隔を第2の所定間隔と称する。この場合、管軸方向に沿った外力によって、口金部12aと口金部12bの間隔が、仮に第1の所定間隔と第2の所定間隔との間で、第1の所定間隔より縮んだ際、復元機構は、口金部12aと口金部12bとの間隔を第1の所定間隔に復元させる機構である。
【0063】
ここで、口金部12bに一体形成された一対の係止爪121bは、コイルスプリング15の内周側に挿通されている。
【0064】
開放時(直管形LEDランプ10が図示しない外部の照明器具に装着されない時、すなわちソケットで口金部が押圧されない時と同義、以下同じ)には、コイルスプリング15が伸張しようとするが、一対の係止爪121bが係止用凸部14d(図4(C)参照)に係止されるため、直管形LEDランプ10が最大全長で固定されるように位置規制される。
【0065】
すなわち、直管形LEDランプ10の口金部12a又は口金部12bを外部の照明器具のソケット(図示せず、以下同じ)に装着又は取り外しする際に、一時的にその全長が縮められても、予め設定された各々の全長に戻す復元機構が作用する。
【0066】
これにより、着脱容易性の向上及び装着後の脱落防止機能も十分に確保できる。
また、第2スライド筒14には、ロック解除用爪部14aが形成され、口金部12aと口金部12bの間隔が最大間隔に設定されたとき(直管形LEDランプ10の全長が最大長に設定されたとき)には、ロック用凸部13bとロック解除用爪部14aが当接又はわずかな隙間を介して対向するような位置関係にある。
【0067】
さらに、第2スライド筒14には、ロック解除用爪部14bが形成され、口金部12aと口金部12bの間隔が最小間隔に設定されたとき(直管形LEDランプ10の全長が最小長に設定されたとき)には、ロック用凸部13bとロック解除用爪部14bが当接又はわずかな隙間を介して対向するような位置関係にある。
【0068】
次に、図4(A)〜図4(C)を参照し、口金部12aと口金部12bの間隔が最大間隔に設定されたときの第1スライド筒13と第2スライド筒14との関係について説明する。
【0069】
前述したように、第1スライド筒13には管軸方向に直交しかつ外方へ突出するロック用凸部13bが形成されており、第1スライド筒13のロック用凸部13bが、第2スライド筒14のロック解除用爪部14aに当接又はわずかな隙間を介して対向するような位置関係で管軸方向に直交する外方へ変位する。
【0070】
これにより、ロック用凸部13bがロック解除用爪部14aに当接又はわずかな隙間を介して対向するような位置を外れると、第2スライド筒14の本体と干渉するため、第2スライド筒14は第1スライド筒13に対して管軸方向(第1スライド筒13に対する第2スライド筒14のスライド方向と一致、以下同じ)において位置規制される。
【0071】
その結果、第2筒状本体部11bの全長可変機構の機能停止(ロック)により、直管形LEDランプ10の全長が安定的に最大長に固定される。
【0072】
また、図4(B)で示したように、第2スライド筒14の管軸方向に対する直交断面において、少なくとも一対のロック解除用爪部14aが管軸の位置を示す点Pに対して略点対称に位置するように形成されている。
【0073】
これにより、口金部12aと口金部12bの間隔を最小間隔に設定変更しようとするときには、手動(指先)で第2スライド筒14の一対のロック解除用爪部14aを内方へ押したときの押圧力が真逆方向に作用し相殺されるため、無用又は過度な変形力が第2筒状本体部11bに加わらず円滑に第1スライド筒13に対する第2スライド筒14の管軸方向の位置規制を容易に解除できる。
【0074】
なお、上述した一対のロック解除用爪部14aが管軸の位置を示す点Pに対して略点対称に位置するとは、一方のロック解除用爪部14aを管軸の位置を示す点Pを中心にして150°から210°までの範囲で回転させたときに他方のロック解除用爪部14aとその一部又は全部が重複するように形成されていることと定義する。
【0075】
また、管軸とは、直管形LEDランプ10の長手方向に延びる軸線であって、本実施の形態の場合であれば、一方の口金部12bにおける一対のピン端子122b(図3参照)を結ぶ直線(その長さが一対のピン端子122bの離間距離に相当する直線)を二等分する点と、他方の口金部12aにおける一対のピン端子122aを結ぶ直線(その長さが一対のピン端子122aの離間距離に相当する直線)を二等分する点とを結んだ直線とほぼ一致する。
【0076】
したがって、第2スライド筒14の外周(ロック解除用爪部14aを除く)が真円の場合であれば、管軸の位置を示す点Pはその真円中心ともほぼ一致する。
【0077】
また、第1スライド筒13の管軸方向に直交しかつ外方へ突出するガイド用凸部13aが、第2スライド筒14の内面に管軸方向に沿って直線的に形成されたガイド用凹部14cに嵌り込むことにより、第1スライド筒13と第2スライド筒14は、相互に所定範囲において管軸方向に沿ってスライド可能に係合している。
【0078】
これにより、第1スライド筒13と第2スライド筒14との相対的な回転(管軸を回転中心とする回転)が防止されるため、第2筒状本体部11bの有する全長可変機構が有効に作用し管軸方向に沿って直管形LEDランプ10の全長を安定的に可変させることができる。
【0079】
また、図4(C)に示したように、第2スライド筒14の内部にはコイルスプリング15が格納され、口金部12aと口金部12bの間隔が最大間隔に設定された後に、外部の照明器具に装着されることによってその間隔よりも狭まる場合に、コイルスプリング15の弾性力が、口金部12aと口金部12bの間隔がその設定された所定間隔に復元するように作用する。
【0080】
一方、直管形LEDランプ10が外部の照明器具に装着されない状態の時、すなわち口金部12aと口金部12bのどちらも開放時であれば、コイルスプリング15が伸張する方向に弾性変形する。
【0081】
そして、コイルスプリング15が所定の長さまで伸張すると、口金部12bの一対の係止爪121bが係止用凸部14dに係止されるため、直管形LEDランプ10が最大全長で固定されるように位置規制される。
【0082】
以上の構成により、コイルスプリング15により伸縮性が得られるため、既存の直管形蛍光灯用の照明器具に装着される場合には、照明器具のソケットへの装着が容易となり、一旦取り付けられれば復元機構が作用するため照明器具からの落下を効果的に防止できる。
【0083】
また、第1スライド筒13の管軸方向に直交しかつ外方へ突出するガイド用凸部13aは、第2スライド筒14の内面に管軸方向に沿って直線的に形成されたガイド用凹部14cに嵌り込む。
【0084】
これにより、第1スライド筒13と第2スライド筒14は、管軸方向に沿って形成されたガイド用凹部14cの長さにより設定された所定範囲においてスライド可能に係合している。
【0085】
そして、口金部12aと口金部12bの間隔を最小間隔に設定しようとする場合には、前述したように、まず手動(指先)で第2スライド筒14のロック解除用爪部14aを内方へ押し、第1スライド筒13に対する第2スライド筒14の管軸方向の位置規制を解除する。
【0086】
次に、第2スライド筒14を左方向にスライドさせれば、第1スライド筒13の管軸方向に直交しかつ外方へ突出するロック用凸部13bが、ロック解除用爪部14bに当接又はわずかな隙間を介して対向するような位置関係で規制される。
【0087】
これにより、第2筒状本体部11bの全長可変機構の機能停止(ロック)により、直管形LEDランプ10の全長が安定的に最小長に固定される。
【0088】
また、全長が最小長に設定された状態の直管形LEDランプ10が外部の照明器具に装着されると、口金部12bがソケットにより管軸方向に沿って第2スライド筒14の方向に押圧される。
【0089】
そうすると、口金部12bと係止用凸部14dとの間に格納されたコイルスプリング15がちぢみ、係止爪121bが第1スライド筒13の内壁に近接するが、その内壁に形成された接触防止用凹部13cにより両者の干渉が予め防止されている。
【0090】
以上のように、第2筒状本体部11bの第1スライド筒13の一部は、第2スライド筒14の内周側に管軸方向に沿ってスライド可能に嵌挿され、第2スライド筒14には管軸方向に沿ってロック解除用爪部14a、14bが形成されている。
【0091】
そして、第1スライド筒13には管軸方向に直交しかつ外方へ突出するロック用凸部13bが形成され、一対の口金部12a、12bの間隔が複数の所定間隔のうち、いずれかの間隔に設定された場合には、第1スライド筒13のロック用凸部13bが、第2スライド筒14のロック解除用爪部14a又はロック解除用爪部14bに当接しながら管軸方向に直交する外方へ変位することにより、第2スライド筒14は第1スライド筒13に対して管軸方向において位置規制される。
【0092】
さらに、一対の口金部12a、12bの間隔を他の所定間隔に設定しようとする場合には、第2スライド筒14のロック解除用爪部14a又はロック解除用爪部14bを内方へ押さえることにより、ロック用凸部13bの外方への変位が解消され、管軸方向における位置規制が解除される。
【0093】
その結果、第2スライド筒14が第1スライド筒13に対して自在にスライド可能となり、この位置規制の解除による自在スライドと、一対の口金部12a、12bの間隔が複数の所定間隔のうち、いずれかの間隔に設定された場合の位置規制により、一対の口金部12a、12bの間隔を複数の所定間隔に可変できる。
【0094】
また、図4(D)に示したように、第1筒状本体部11aの内部においては、回路基板111aの左右の両端部が第1筒状本体部11aの下部に位置するカバー部の凹部に嵌り込むことにより強固に挟持されている。
【0095】
さらに、LED112aは、回路基板111aの上面において管軸方向に沿って略均等間隔に一乃至複数列に配列された状態で搭載されている。
【0096】
次に、図5(A)は、第2筒状本体部11bの全長可変機構の機能停止(ロック)により、直管形LEDランプ10の全長が安定的に最大長に固定され、口金部12bが開放された状態を示している。
【0097】
この状態においては、第1スライド筒13に形成された、管軸方向に直交しかつ外方へ突出するロック用凸部13bは、第2スライド筒14のロック解除用爪部14aに当接又はわずかな隙間を介して対向するように管軸方向に直交する外方へ変位することにより、第2スライド筒14は第1スライド筒13に対して管軸方向において位置規制されている。
【0098】
また、口金部12bの係止爪121bは、第2スライド筒14の内側に内方に向かってリング状に突出するように形成された係止用凸部14dに係止されているため、その位置で口金部12bの位置が規制され開放時の全長が固定される。
【0099】
一方、図5(B)は、第2筒状本体部11bの全長可変機構の機能停止(ロック)により、直管形LEDランプ10の全長が安定的に最大長に固定され、口金部12bが外部の照明器具に装着され、ソケットにより押圧された状態である。
【0100】
このように、口金部12aと口金部12bの間隔が開放時の間隔よりも狭まる場合に、コイルスプリング15の弾性力が、口金部12aと口金部12bの間隔を予め設定された所定間隔(図5(A)で示した、全長が最大長に設定された状態)に復元するように作用する。
【0101】
次に、図6(A)は、第2筒状本体部11bの全長可変機構の機能停止(ロック)により、直管形LEDランプ10の全長が安定的に最小長に固定され、口金部12bが開放された状態を示している。
【0102】
この状態においては、第1スライド筒13に形成された、管軸方向に直交しかつ外方へ突出するロック用凸部13bは、第2スライド筒14のロック解除用爪部14bに当接しながら管軸方向に直交する外方へ変位することにより、第2スライド筒14は第1スライド筒13に対して管軸方向において位置規制されている。
【0103】
また、口金部12bの係止爪121bは、第2スライド筒14の内側に内方に向かってリング状に形成された係止用凸部14dに係止されているため、その位置で口金部12bの位置が規制される。
【0104】
一方、図6(B)は、第2筒状本体部11bの全長可変機構の機能停止(ロック)により、直管形LEDランプ10の全長が安定的に最小長に固定され、口金部12bが外部の照明器具に装着されてソケットにより押圧された状態である。
【0105】
このように、口金部12aと口金部12bの間隔が開放時の間隔よりも狭まる場合に、コイルスプリング15の弾性力が、口金部12aと口金部12bの間隔を予め設定された所定間隔(図6(A)で示した、全長が最小長に設定された状態)に復元するように作用する。
【0106】
次に、図7(A)は、第2筒状本体部11bの全長可変機構の機能停止(ロック)により、直管形LEDランプ10の全長が安定的に最大長に固定され、口金部12bが開放された状態を示している。
【0107】
この状態においては、第1スライド筒13に形成された、管軸方向に直交しかつ外方へ突出するロック用凸部13bは、第2スライド筒14のロック解除用爪部14aに当接しながら管軸方向に直交する外方へ変位することにより、第2スライド筒14は第1スライド筒13に対して管軸方向において位置規制されている。
【0108】
また、口金部12bの係止爪121bは、第2スライド筒14の内側に内方に向かってリング状に突出するように形成された係止用凸部14dに係止されるため、その位置で口金部12bの位置が規制され開放時の全長が固定される。
【0109】
一方、図7(B)は、第2筒状本体部11bの全長可変機構の機能停止(ロック)により、直管形LEDランプ10の全長が安定的に最大長に固定され、口金部12bが外部の照明器具に装着され、ソケットにより押圧された状態である。
【0110】
このように、口金部12aと口金部12bの間隔が開放時の間隔よりも狭まる場合に、コイルスプリング15の弾性力は、口金部12aと口金部12bの間隔を予め設定された所定間隔(図7(A)で示した、全長が最大長に設定された状態)に復元するように作用する。
【0111】
次に、図7(C)は、第2筒状本体部11bの全長可変機構の機能停止(ロック)により、直管形LEDランプ10の全長が安定的に最小長に固定され、口金部12bが開放された状態を示している。
【0112】
この状態においては、第1スライド筒13に形成された、管軸方向に直交しかつ外方へ突出するロック用凸部13bは、第2スライド筒14のロック解除用爪部14bに当接しながら管軸方向に直交する外方へ変位することにより、第2スライド筒14は第1スライド筒13に対して管軸方向において位置規制されている。
【0113】
また、口金部12bの係止爪121bは、第2スライド筒14の内側に内方に向かってリング状に突出するように形成された係止用凸部14dに係止されるため、その位置で口金部12bの位置が規制され開放時の全長が固定される。
【0114】
一方、図7(D)は、第2筒状本体部11bの全長可変機構の機能停止(ロック)により、直管形LEDランプ10の全長が安定的に最小長に固定され、口金部12bが外部の照明器具に装着され、ソケットにより押圧された状態である。
【0115】
このように、口金部12aと口金部12bの間隔が開放時の間隔よりも狭まる場合に、コイルスプリング15の弾性力は、口金部12aと口金部12bの間隔を予め設定された所定間隔(図7(C)で示した、全長が最小長に設定された状態)に復元するように作用する。
【0116】
上記構成のLEDランプ10では、LEDランプ10の全長が可変された場合でも、第1筒状本体部11a内部に搭載されたLED112aと、ピン端子122a,122bとの電気的な接続(断続的な接続を含む)は維持される。そのため、上記構成のLEDランプ10では、一対の口金部12a,12bの間の間隔が所定間隔(上記実施形態では、間隔が最大長又は最小長)に設定されても、LEDランプ10は照明装置として機能し得る。
【0117】
一方、図8に示したように、別の実施形態における直管形LEDランプ20の全体は、筒状本体部21とその両端部に設けられた一対の口金部22a、22bとから構成されている。
【0118】
ここで、筒状本体部21は、前述した直管形LEDランプ10のそれと同じく、管軸方向に沿って内部に搭載された複数個のLEDから放射された光を管軸方向及びその管軸方向と直交する方向にも拡散させる効果(防眩効果)を有し上部に位置する透光レンズ部と、それら複数個のLED(図示せず)を実装した長尺状の回路基板(図示せず)を挟み包むように透光レンズ部と嵌合しながら合掌形態に下部から組み合わされるカバー部とから構成される。
【0119】
また、筒状本体部21は、前述した複数個のLEDが内部に搭載され、一対の口金部22a、22bのうち一方の口金部22aに復元機構を介して接続された第1筒状本体部21aと、その第1筒状本体部21aの他方端部に接続され、一対の口金部22a、22bの間隔を複数の所定間隔(本別の実施の形態の場合は、最大間隔と最小間隔の2つの設定間隔)に可変するための全長可変機構を有する第2筒状本体部21bを含んでいる。
この全長可変機構により、口金部22aと口金部22bの間隔を、最大間隔と最小間隔の2つの設定間隔のいずれか一方の間隔に任意設定することができる。
【0120】
さらに、口金部22aには、外部の照明器具と電気的接続を可能とする2本のピン端子222aが設けられ、口金部22bには、外部の照明器具と電気的接続を可能とする2本のピン端子222bが設けられている。
【0121】
ここで、第2筒状本体部21bの全長可変機構は、第1筒状本体部21aの右上端部を覆うように接続された第1スライド筒23と、第1スライド筒23の外径よりも大きな内径を有することにより管軸上に沿って相互にスライド可能に嵌合する第2スライド筒24とにより、構成されている。
【0122】
また、第1筒状本体部21aと口金部22aとの間の復元機構や第2筒状本体部21bの全長可変機構については、前述した直管形LEDランプ10の説明で記載した内容と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0123】
ちなみに、図8は、口金部22aと口金部22bの間隔が最大間隔に設定されたときの状態を示した図である。
【0124】
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変形が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的な手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態の変形例についても本発明の技術的範囲に含まれるものとする。
【0125】
例えば、筒状本体部を構成する第1筒状本体部や第2筒状本体部の形状は、内部にLED実装基板を搭載できる中空部を有する形状であればよく、管軸方向の直交断面形状が特に円形、楕円形、矩形、多角形やその他の形状でもよい。
【0126】
また、その筒状本体部は、素材については一切限定されず、一体成型品でもよいし複数の素材や部材から構成される複合品でもよい。
【0127】
また、一対の口金部の態様については、既存の直管形蛍光灯で利用されていた、2つのピン端子を有するG13規格に対応した口金でもよいし、日本電球工業会規格JEL801「新形口金付直管形LEDランプシステム」(2010年10月8日制定)に対応した口金やその他どのような態様の口金でもよい。
【0128】
また、全長可変機構は、上述した2つの実施の形態のような最大長と最小長の2段階の全長可変機構に限定されず、一対の口金部の間隔を任意の複数の所定間隔に多段階的に可変できる全長可変機構であればよい。
【0129】
すなわち、必要に応じて最大長と最小長の2段階の可変機構に加えて、必要に応じて3段階以上の複数の中間長にも可変できるように設計すればよい。
【0130】
また、全長可変機構は、前述の実施の形態のように2つのスライド筒から構成されるものも含めて、3つ以上のスライド筒により多段的な構成であってもよい。
【0131】
さらには、全長可変機構は第2筒状本体部のみに設けられてもよいし、加えて第1筒状本体部にも別の全長可変機構が設けられてもよい。
【0132】
一方、前述の復元機構は、第1筒状本体部又は第2筒状本体部のいずれか一方のみに設けられた場合について説明したが、そのどちらにも同様の機構を設けても構わないし、口金部との間に介在させるのではなく、第1筒状本体部又は第2筒状本体部の本体中間部に設けても構わない。
【0133】
また、復元機構についてはコイルスプリングの弾性変形による復元力を利用した場合について例示したが、その他の機構であってもよい。
【0134】
例えば、板バネの弾性変形による復元力、空気などの流体を圧縮して体積が減少したときに、圧縮前の元の体積に戻ろうとする性質すなわち圧縮性、さらにはモータなどの電動機を利用してもよい。
【0135】
第1スライド筒にガイド用凸部が形成される形態では、そのガイド用凸部は、第1スライド筒の外方向に突出していればよい。具体的には、ガイド用凸部が、第2スライド筒に形成されたガイド用凹部に嵌まって、第1スライド筒と第2スライド筒とがスライド可能に係合するように、ガイド用凸部の突出方向が管軸方向と交差していれば、ガイド用凸部の突出方向は、管軸方向に必ずしも直交していなくてもよい。第1スライド筒にロック用凸部が形成される形態では、そのロック用凸部は、第1スライド筒の外方向に突出していればよい。具体的には、ロック用凸部の上記外方向の変位によって、ロック用凸部が、第2スライド筒に形成されたロック解除用爪部と協働して、第2スライド筒を第1スライド筒に対して位置規制すると共に、ロック解除用爪部によるロック用凸部の押圧によって、上記位置規制が解除されるように、ロック用凸部の突出方向が管軸方向と交差していれば、ロック用凸部の突出方向は、管軸方向に必ずしも直交していなくてもよい。
【0136】
以上のように、本発明にかかるLEDランプによれば、形式の異なる既存の直管形蛍光灯用の照明器具に装着される場合であっても、それら各種形式に応じてその全長を容易に可変できるのに加え、着脱容易性の向上及び装着後の脱落防止機能も十分に確保できるLEDランプとして有用である。
【符号の説明】
【0137】
10 直管形LEDランプ
11 筒状本体部
11a 第1筒状本体部
111a 回路基板
112a LED
11b 第2筒状本体部
12a、12b 口金部
122a、122b ピン端子
13 第1スライド筒
13a ガイド用凸部
13b ロック用凸部
13c 接触防止用凹部
14 第2スライド筒
14a、14b ロック解除用爪部
14c ガイド用凹部
14d 係止用凸部
15 コイルスプリング
20 直管形LEDランプ
21 筒状本体部
21a 第1筒状本体部
21b 第2筒状本体部
22a、22b 口金部
23 第1スライド筒
24 第2スライド筒
121b 一対の係止爪
222a、222b ピン端子
P 管軸の位置を示す点
TA 管軸方向を示す一点鎖線の双方向矢印
【要約】
形式の異なる既存の直管形蛍光灯用の照明器具に装着する場合であっても、照明器具のソケット間隔に応じて全長を容易に可変できるとともに、ソケットに対する着脱容易性の向上とソケット装着後における脱落防止機能を十分に確保し得るLEDランプを提供する。一実施形態に係るLEDランプ10の管軸方向の両端部には、一対の口金部(12a、12b)が設けられ、その間に位置する筒状本体部(11)は、一対の口金部(12a、12b)のうち一方の口金部(12a)に一方端部が接続された第1筒状本体部(11a)と、第1筒状本体部(11a)の他方端部に接続され、一対の口金部(12a、12b)の間隔を複数の所定間隔に可変できる全長可変機構を有する第2筒状本体部(11b)と、を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9