(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの第1の区域が第2の区域と部分的にまたは完全に重なり合っており、かつ/または少なくとも1つの第2の区域が第1の区域と部分的にまたは完全に重なり合っている、請求項1に記載のマーキング。
前記初期、第1および第2の一連の光学特性が、前記キラル液晶ポリマー組成物の光学的に異方性の状態を示し、かつ/または光学的に異方性の状態から光学的に等方性の状態への転換を示す少なくとも1つの特性を含む、請求項1に記載のマーキング。
前記キラル液晶前駆体組成物が、(i)1つまたは複数のネマチック化合物A、(ii)コレステリック状態の前記キラル液晶前駆体組成物をもたらすことができる1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bおよび(iii)少なくとも1つの塩であって、前記少なくとも1つの塩を含有しないポリマー組成物によって示される選択反射バンドの最大波長(λmax)と比較して、前記ポリマー組成物によって示される選択反射バンドの最大波長(λmax)を変更する前記少なくとも1つの塩を含む、請求項1に記載のマーキング。
前記1つまたは複数のネマチック化合物Aならびに前記1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bが、少なくとも1つの重合性基を含む少なくとも1つの化合物を含む、請求項7に記載のマーキング。
前記少なくとも1つの塩が、過塩素酸リチウム、硝酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよび硝酸ナトリウムの少なくとも1つを含む、請求項13に記載のマーキング。
前記キラル液晶前駆体組成物が光学的に異方性の状態にあり、前記1つまたは複数の第1の区域において前記光学的に異方性の状態が第1の改変された光学的に異方性の状態に変更され、かつ/または前記1つまたは複数の第2の区域において前記光学的に異方性の状態が第2の改変された光学的に異方性の状態に変更される、または光学的に等方性の状態に転換される、請求項1に記載のマーキング。
前記キラル液晶前駆体組成物が初期キラル液晶状態にあり、前記1つまたは複数の第1の区域において前記初期キラル液晶状態が前記第1の改変剤で第1の改変されたキラル液晶状態に変更され、前記1つまたは複数の第2の区域において前記初期キラル液晶状態が前記第2の改変剤で第2の改変されたキラル液晶状態に変更される、または非キラル液晶状態に転換される、請求項1に記載のマーキング。
前記第2の改変剤が、流体であり、(a)3〜約6個の炭素原子を有するケトン、合計で2〜約6個の炭素原子を含むカルボン酸のアルキルエステルおよびジアルキルアミド、合計で2〜約4個の炭素原子を含むジアルキルスルホキシドならびに任意で置換されたニトロベンゼンから選択される少なくとも1つの化合物を含む改変組成物、(b)少なくとも1つのキラル液晶前駆体組成物を含む改変組成物、および(c)少なくとも1つのキラルドーパント組成物を含む改変組成物の1つまたは複数から選択される、請求項1に記載のマーキング。
前記第1の改変剤が1つまたは複数の重合性モノマーでできた固体または半固体の硬化および/または乾燥樹脂から選択され、前記第1の改変剤と前記第2の改変剤の両方が、前記キラル液晶状態の前記キラル液晶前駆体組成物によって示される選択反射バンドの初期最大波長(λmax)を変更する、請求項26に記載のマーキング。
前記品物または基材が、ラベル、包装、カートリッジ、食料品、機能性食品、医薬品または飲料を含む容器またはカプセル、銀行券、クレジットカード、印紙、税金ラベル、不正開封防止シール、セキュリティー文書、旅券、身分証明書、運転免許証、アクセスカード、交通機関の切符、イベント切符、領収書、インク転移フィルム、反射フィルム、アルミホイルおよび商品の少なくとも1つであるまたはそれを含む、請求項1に記載のマーキング。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、品物上または基材上のマーキングを提供する。このマーキングは、初期の一連の光学特性を示し、キラル液晶状態でキラル液晶前駆体組成物を硬化させることによって作製されるキラル液晶ポリマー組成物の(連続または不連続)層またはパターンを含む。層またはパターンは、
(1)初期の一連の光学特性とは異なり、1つまたは複数の第1の区域のキラル液晶前駆体組成物を第1の改変剤と接触させることによって得られる第1の改変された一連の光学特性を示す1つまたは複数の第1の区域;
(2)初期の一連の光学特性と異なり、第1の改変された一連の光学特性とも異なり、1つまたは複数の第2の区域のキラル液晶前駆体組成物を第1の改変剤とは異なる種類の第2の改変剤と接触させることによって得られる第2の改変された一連の光学特性を示す1つまたは複数の第2の区域
を含む。
【0015】
マーキングの1つの態様では、1つまたは複数の第1の区域の少なくとも1つは少なくとも1つの第2の区域と部分的にまたは完全に重なり合っていてよく、かつ/または1つまたは複数の第2の区域の少なくとも1つは少なくとも1つの第1の区域と部分的にまたは完全に重なり合っていてよい。
【0016】
マーキングの他の態様では、1つまたは複数の第1の区域の少なくとも1つはどの第2の区域とも重なり合っていなくてよく、かつ/または1つまたは複数の第2の区域の少なくとも1つはどの第1の区域とも重なり合っていなくてよい。
【0017】
本発明のマーキングのさらに他の態様では、初期ならびに第1および第2の改変された一連の光学特性は、キラル液晶ポリマー組成物によって反射される光の少なくとも1つの特性に関して異なっていてよい。例えば、その少なくとも1つの特性は、反射光のスペクトル、偏光およびλ
maxの1つまたは複数から選択することができる。
【0018】
マーキングのさらに他の態様では、初期ならびに第1および第2の改変された一連の光学特性は、キラル液晶ポリマー組成物の光学的に異方性の状態を示す少なくとも1つの特性を含むことができる。
【0019】
他の態様では、キラル液晶前駆体組成物は、(i)1つまたは複数のネマチック化合物A、(ii)コレステリック状態のキラル液晶前駆体組成物をもたらすことができる1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bおよび(iii)少なくとも1つの塩であって、該少なくとも1つの塩を含有しないポリマー組成物によって示される選択反射バンドの最大波長(λ
max)と比較して、キラル液晶前駆体ポリマー組成物によって示される選択反射バンドの最大波長(λ
max)を変更する該少なくとも1つの塩を含むことができる。
【0020】
一態様では、1つまたは複数のネマチック化合物Aならびに1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bは、少なくとも1つの重合性基を含む少なくとも1つの化合物を含むことができる。少なくとも1つの重合性基は、例えば式H
2C=CH−C(O)−の基などの不飽和炭素−炭素結合を含むことができる。
【0021】
他の態様では、1つまたは複数のネマチック化合物Aおよび1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bのすべては少なくとも1つの重合性基を含むことができる。
【0022】
さらに他の態様では、キラル液晶前駆体組成物は、少なくとも1つの式(I)のキラルドーパント化合物B:
【化1】
(式中:
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立に、C
1〜C
6アルキルおよびC
1〜C
6アルコキシを表し;
A
1およびA
2はそれぞれ独立に、式(i)〜(iii)の基:
(i)−[(CH
2)y−O]
z−C(O)−CH=CH
2;
(ii)−C(O)−D
1−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2;
(iii)−C(O)−D
2−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2を表し;
D
1は次式の基を表し、
【化2】
D
2は次式の基を表し、
【化3】
m、n、o、p、q、r、sおよびtはそれぞれ独立に、0、1または2を表し;
yは0、1、2、3、4、5または6を表し;
yが0に等しい場合zは0に等しく、yが1〜6に等しい場合zは1に等しい)
を含むことができる。
【0023】
他の態様では、少なくとも1つの塩は、金属塩およびアンモニウム塩から選択することができる。例えば、少なくとも1つの塩は、過塩素酸リチウム、硝酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよび硝酸ナトリウムの少なくとも1つを含むことができる。他の態様では、少なくとも1つの塩は過塩素酸リチウムを含むことができる。
【0024】
本発明のマーキングの他の態様では、キラル液晶前駆体組成物は初期の光学的に異方性の状態にあってよく、1つまたは複数の第1の区域において初期の光学的に異方性の状態は第1の改変された光学的に異方性の状態に変更されてよく、1つまたは複数の第2の区域において初期の光学的に異方性の状態は、第2の改変された光学的に異方性の状態に変更されてもまたは光学的に等方性の状態に転換されてもよい。
【0025】
他の態様では、キラル液晶前駆体組成物は初期キラル液晶状態にあってよく、1つまたは複数の第1の区域において初期キラル液晶状態は第1の改変剤で第1の改変されたキラル液晶状態に変更されてもよく、1つまたは複数の第2の区域において初期キラル液晶状態は第2の改変剤で第2の改変されたキラル液晶状態に変更されてもよく、または非キラル液晶状態に変更されてもよい。
【0026】
本発明のマーキングのさらに他の態様では、第1の改変剤は固体および/または半固体(semi−solidis)であってよく、第2の改変剤は流体であってよく、かつ/または第1の改変剤はキラル液晶前駆体組成物に事実上浸透することができなくてよく、第2の改変剤は前駆体組成物に少なくとも部分的に浸透してよい。半固体はそれ自体の重量を支持しその形状を保持することができ、同時に例えば圧力下で流動する能力を有している。
【0027】
他の態様では、第1の改変剤は、1つまたは複数の重合性モノマーでできた樹脂であっても、またはそれを含んでもよい。さらに、1つまたは複数の重合性モノマーの少なくとも1つは少なくとも2つの不飽和炭素−炭素結合を含むことができ、かつ/またはO、NおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含むこともできる。単なる例示として、1つまたは複数の重合性モノマーの少なくとも1つは、式H
2C=CH−C(O)−またはH
2C=C(CH
3)−C(O)−の少なくとも1つの基を含むことができる。他の態様では、その樹脂はUV硬化樹脂などの放射線硬化樹脂を含むことができ、かつ/またはその樹脂は乾燥水性樹脂を含むことができる。
【0028】
他の態様において、第2の改変剤は、流体であってもよく、(a)3〜約6個の炭素原子を有するケトン、合計で2〜約6個の炭素原子を含むカルボン酸のアルキルエステルおよびジアルキルアミド、合計で2〜約4個の炭素原子を含むジアルキルスルホキシドならびに任意で置換されたニトロベンゼンから選択される少なくとも1つの化合物を含む改変組成物、(b)少なくとも1つのキラル液晶前駆体組成物を含む改変組成物、および(c)少なくとも1つのキラルドーパント組成物を含む改変組成物の1つまたは複数から選択することができる。
【0029】
本発明のマーキングのさらに他の態様において、第1の改変剤は1つまたは複数の重合性モノマーでできた固体または半固体の硬化および/または乾燥樹脂から選択することができ、第1の改変剤と第2の改変剤の両方がキラル液晶状態のキラル液晶前駆体組成物によって示される選択反射バンドの初期最大波長(λ
max)を変更することができる。
【0030】
さらに他の態様において、第1の改変剤および第2の改変剤は、キラル液晶前駆体組成物の層またはパターンの向かい合う側から作用することができる。例えば、第1の改変剤を1つまたは複数の第1の区域の基材と層またはパターンとの間に配置することができ、第2の改変剤を1つまたは複数の第2の区域において基材の反対側から作用させることができる。
【0031】
マーキングの他の態様では、1つまたは複数の第1の区域および/または1つまたは複数の第2の区域は、一次元バーコード、スタック式一次元バーコード、二次元バーコード、三次元バーコード、雲状のドット、網状の線およびデータマトリックスの1つまたは複数から選択されるコードを表す画像、絵、ロゴ、表示およびパターンの少なくとも1つの形態であってよく、かつ/または層またはパターンの少なくとも一部は、一次元バーコード、スタック式一次元バーコード、二次元バーコード、三次元バーコードおよびデータマトリックスの1つまたは複数から選択されるコードを表す画像、絵、ロゴ、表示およびパターンの少なくとも1つの形態であってよい。
【0032】
他の態様において、品物または基材が、ラベル、包装、カートリッジ、食料品、機能性食品、医薬品または飲料を含む容器またはカプセル、銀行券、クレジットカード、印紙、税金ラベル、不正開封防止シール、セキュリティー文書、旅券、身分証明書、運転免許証、アクセスカード、交通機関の切符、イベント切符、領収書、インク転移フィルム、反射フィルム、アルミホイルおよび商品の少なくとも1つであってもよい、またはそれを含むことができる。
【0033】
本発明は、品物または基材上にマーキングを提供する方法ならびにこの方法により作製された品物または基材も提供する。この方法は:
a)1つまたは複数の第1の区域に第1の改変剤を担持する品物または基材の表面上に、硬化性キラル液晶前駆体組成物が1つまたは複数の第1の区域の少なくとも一部を覆うように加熱すると初期キラル液晶状態を呈する前記組成物を適用するステップであり、第1の改変剤が組成物の初期キラル液晶状態を改変することができる、ステップと;
b)適用された組成物を加熱して、それを、1つまたは複数の第1の区域において第1の改変されたキラル液晶状態の、もしあれば他のすべての区域において初期キラル液晶状態の、適用された組成物にするステップと;
c)適用された組成物の1つまたは複数の第2の区域に、第1の改変剤とは異なる種類のものであり、組成物を加熱すると(1)b)によって提供された初期および/または第1の改変されたキラル液晶状態を局所的に改変することができる、または(2)b)によって提供された初期および/または第1の改変されたキラル液晶状態を局所的に改変することができる、少なくとも1つの第2の改変剤を適用するステップと;
d)(2)の場合、少なくとも1つまたは複数の第2の区域において組成物を加熱するステップと;
e)そのように改変されたキラル液晶前駆体組成物全体を硬化/重合させて品物または基材上に液晶ポリマーマーキングを作製するステップと
を含む。
【0034】
この方法の1つの態様では、1つまたは複数の第1の区域の少なくとも1つは少なくとも1つの第2の区域と部分的にまたは完全に重なり合っていてよく、かつ/または1つまたは複数の第2の区域の少なくとも1つは少なくとも1つの第1の区域と部分的にまたは完全に重なり合っていてよい。
【0035】
この方法の他の態様では、1つまたは複数の第1の区域の少なくとも1つはどの第2の区域とも重なり合っていなくてよく、かつ/または1つまたは複数の第2の区域の少なくとも1つはどの第1の区域とも重なり合っていなくてよい。
【0036】
本発明のマーキングのさらに他の態様では、初期ならびに第1および第2の改変された一連の光学特性は、キラル液晶ポリマー組成物によって反射される光の少なくとも1つの特性に関して異なっていてよい。例えば、その少なくとも1つの特性は、反射光のスペクトル、偏光およびλ
maxの1つまたは複数から選択することができる。
【0037】
この方法のさらに他の態様では、初期ならびに第1および第2の改変された一連の光学特性は、キラル液晶ポリマー組成物の光学的に異方性の状態を示し、かつ/またはその組成物の光学的に異方性の状態から光学的に等方性の状態への転換を示す少なくとも1つの特性を含むことができる。
【0038】
他の態様において、キラル液晶前駆体組成物は、(i)1つまたは複数のネマチック化合物A、(ii)コレステリック状態のキラル液晶前駆体組成物をもたらすことができる1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bおよび(iii)少なくとも1つの塩であって、該少なくとも1つの塩を含有しないポリマー組成物によって示される選択反射バンドの最大波長(λ
max)と比較して、キラル液晶前駆体ポリマー組成物によって示される選択反射バンドの最大波長(λ
max)を変更する該少なくとも1つの塩を含むことができる。
【0039】
一態様では、1つまたは複数のネマチック化合物Aならびに1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bは少なくとも1つの重合性基を含む少なくとも1つの化合物を含むことができる。その少なくとも1つの重合性基は、例えば式H
2C=CH−C(O)−の基などの不飽和炭素−炭素結合を含むことができる。
【0040】
他の態様では、1つまたは複数のネマチック化合物A、および1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bのすべては少なくとも1つの重合性基を含むことができる。
【0041】
さらに他の態様において、キラル液晶前駆体組成物は、少なくとも1つの式(I)のキラルドーパント化合物B:
【化4】
(式中:
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立に、C
1〜C
6アルキルおよびC
1〜C
6アルコキシを表し;
A
1およびA
2はそれぞれ独立に、式(i)〜(iii)の基:
(i)−[(CH
2)y−O]
z−C(O)−CH=CH
2;
(ii)−C(O)−D
1−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2;
(iii)−C(O)−D
2−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2を表し;
D
1は次式の基を表し、
【化5】
D
2は次式の基を表し、
【化6】
m、n、o、p、q、r、sおよびtはそれぞれ独立に、0、1または2を表し;
yは0、1、2、3、4、5または6を表し;
yが0に等しい場合zは0に等しく、yが1〜6に等しい場合zは1に等しい)
を含むことができる。
【0042】
他の態様では、少なくとも1つの塩は、金属塩およびアンモニウム塩から選択することができる。例えば、少なくとも1つの塩が、過塩素酸リチウム、硝酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよび硝酸ナトリウムの少なくとも1つを含むことができる。他の態様では、少なくとも1つの塩は過塩素酸リチウムおよび/または臭化リチウムを含むことができる。
【0043】
本発明の方法の他の態様では、キラル液晶前駆体組成物は初期の光学的に異方性の状態にあってよく、1つまたは複数の第1の区域において初期の光学的に異方性の状態は第1の改変された光学的に異方性の状態に変更されてよく、1つまたは複数の第2の区域において初期の光学的に異方性の状態は第2の改変された光学的に異方性の状態に変更されてもまたは光学的に等方性の状態に転換されてもよい(以下に示すように、第2の改変剤の性質に応じて)。
【0044】
本発明の方法のさらに他の態様では、第1の改変剤は固体であっても半固体であってもよく、第2の改変剤は流体であってよく、かつ/または第1の改変剤はキラル液晶前駆体組成物に事実上浸透することができなくてよく、第2の改変剤はキラル液晶前駆体組成物に少なくとも部分的に浸透する。
【0045】
他の態様では、第1の改変剤は、1つまたは複数の重合性モノマーでできた樹脂であっても、またはそれを含んでもよい。さらに、1つまたは複数の重合性モノマーの少なくとも1つは少なくとも2つの不飽和炭素−炭素結合を含むことができ、かつ/またはO、NおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含むこともできる。単なる例示として、1つまたは複数の重合性モノマーの少なくとも1つは、式H
2C=CH−C(O)−またはH
2C=C(CH
3)−C(O)−の少なくとも1つの基を含むことができる。他の態様では、その樹脂はUV硬化樹脂などの放射線硬化樹脂を含むことができ、かつ/またはその樹脂は乾燥水性樹脂を含むことができる。
【0046】
他の態様では、第2の改変剤は流体であってもよく、(a)3〜約6個の炭素原子を有するケトン、合計で2〜約6個の炭素原子を含むカルボン酸のアルキルエステルおよびジアルキルアミド、合計で2〜約4個の炭素原子を含むジアルキルスルホキシドおよび任意で置換されたニトロベンゼンから選択される少なくとも1つの化合物を含む改変組成物、(b)少なくとも1つのキラル液晶前駆体組成物を含む改変組成物、および(c)少なくとも1つのキラルドーパント組成物を含む改変組成物の1つまたは複数から選択することができる。
【0047】
本発明の方法のさらに他の態様では、第1の改変剤が1つまたは複数の重合性モノマーでできた固体または半固体の硬化および/または乾燥樹脂から選択することができ、第1の改変剤と第2の改変剤の両方がキラル液晶状態のキラル液晶前駆体組成物によって示される選択反射バンドの初期最大波長(λ
max)を変更することができる。
【0048】
この方法のさらに他の態様では、ステップb)および/またはステップd)は、キラル液晶前駆体組成物を約55℃〜約150℃の温度に加熱するステップを含むことができる。
【0049】
他の態様では、キラル液晶前駆体組成物は、噴霧コーティング、ナイフコーティング、ローラーコーティング、スクリーンコーティング、カーテンコーティング、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、連続式インクジェット印刷、ドロップオンデマンド式インクジェット印刷およびバルブジェット印刷の少なくとも1つによって適用することができ、かつ/またはキラル液晶前駆体組成物は、一次元バーコード、スタック式一次元バーコード、二次元バーコード、三次元バーコード、雲状のドット、網状の線およびデータマトリックスの1つまたは複数から選択されるコードを表す(連続または不連続)層、画像、絵、ロゴ、表示およびパターンの少なくとも1つの形態で適用することができる。
【0050】
本発明の方法の他の態様では、第1の改変剤は、噴霧コーティング、ナイフコーティング、ローラーコーティング、スクリーンコーティング、カーテンコーティング、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、ドライオフセット印刷、活版印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、連続式インクジェット印刷、ドロップオンデマンド式インクジェット印刷およびバルブジェット印刷の少なくとも1つによって1つまたは複数の第1の区域の品物または基材上に提供されていてよく、かつ/または第1の改変剤は、一次元バーコード、スタック式一次元バーコード、二次元バーコード、三次元バーコード、雲状のドット、網状の線およびデータマトリックスの1つまたは複数から選択されるコードを表す画像、絵、ロゴ、表示およびパターンの少なくとも1つの形態で1つまたは複数の第1の区域の品物または基材上に存在することができる。
【0051】
さらに他の態様では、第2の改変剤を、連続式インクジェット印刷、ドロップオンデマンド式インクジェット印刷、噴霧コーティングおよびバルブジェット印刷の少なくとも1つによって1つまたは複数の第2の区域に適用することができ、かつ/または第2の改変剤を一次元バーコード、スタック式一次元バーコード、二次元バーコード、三次元バーコード、雲状のドット、網状の線およびデータマトリックスの1つまたは複数から選択されるコードを表す画像、絵、ロゴ、表示およびパターンの少なくとも1つの形態で1つまたは複数の第2の区域に適用することができる。
【0052】
さらに他の態様において、品物または基材が、ラベル、包装、カートリッジ、食料品、飲料、機能性食品または医薬品を含む容器またはカプセル、銀行券、クレジットカード、印紙、税金ラベル、不正開封防止シール、セキュリティー文書、旅券、身分証明書、運転免許証、アクセスカード、交通機関の切符、イベント切符、領収書、インク転移フィルム、反射フィルム、アルミホイルおよび商品の少なくとも1つであってよいまたはそれを含むことができる。
本発明の例示的実施形態の非限定的な例による複数の図面を参照して、本発明を以下の詳細な説明においてさらに説明する:
【発明を実施するための形態】
【0054】
本明細書で具体的に示すものは、例としてのものであり、本発明の実施形態を例示的に論じるためだけであり、これらを、本発明の原理および概念的態様についての最も有用で容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示する。この関連で、本発明の構造的詳細を本発明の基本的な理解に必要な程度以上に詳細に示そうとはしていないが、図面を用いて行った説明は、本発明のいくつかの形態が実際にいかに実行され得るかを当業者に明らかにするものである。
【0055】
本発明で使用するための基材または品物は特に限定されず、様々な種類のものであってよい。例えば基材または品物は金属(例えば、機能性食品、医薬品、飲料または食料品などの種々の品物を保持するための缶、カプセルまたは密閉カートリッジなどの容器の形態で)、布、コーティング、ガラス(例えば、機能性食品、医薬品、飲料または食料品などの種々の品物を保持するための瓶などの容器の形態で)、ボール紙(例えば、包装の形態で)、紙および、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)またはポリエチレン(例えば、セキュリティー文書の容器の形態またはその一部として)などのポリマー材料の1つまたは複数から(本質的に)なる、またはそれを含むことができる。これらの基材用材料は、本発明の範囲を限定することなく、目的を例示するためだけに提供されることを指摘しておく。一般に、キラル液体ポリマーのキラル液晶前駆体組成物において使用される溶媒(複数可)中にその表面が可溶性でないまたは僅かしか可溶性でない任意の基材または品物(これは必ずしも平らである必要はなく、でこぼこであってもよい)が本発明の目的に適した基材である。
【0056】
基材は、キラル液晶前駆体組成物が適用される少なくともこれらの区域において、暗色または黒色の表面または背景を有利にもつことができる。任意の理論に拘泥するわけではないが、暗色または黒色の背景の場合、コレステリック液晶材料を透過する光は大部分が背景によって吸収され、それによって背景からのどんな残留後方散乱も、コレステリック液晶材料自体の反射の肉眼による知覚を妨げないと推測される。対照的に、淡色または白色の表面または背景を有する基材上では、背景からの強い後方散乱のため、コレステリック液晶材料の反射色は黒色または暗色の背景と比較してあまり見えない。しかし、それが、そのキラルらせん構造によって可能な2つ円偏光した成分の1つだけを選択的に反射するので、淡色または白色の背景の場合でも、コレステリック液晶材料は、円偏光フィルタの助けを得て認識され得る。さらに、淡色または白色の背景でも、物理的な手段で例えばλ
maxなどのキラル液晶ポリマーの光学特性を測定することができる。本発明による基材は、追加のセキュリティー要素、例えば有機および/または無機顔料、染料、フレーク、光学的に可変の要素、磁性顔料等をさらに含むことができる。
【0057】
本発明のマーキングは、初期の一連の光学特性を示すキラル液晶状態での硬化キラル液晶前駆体組成物(=キラル液晶ポリマー組成物)の(連続または不連続)層またはパターンを含む。この層またはパターンは、初期の一連の光学特性を示す1つまたは複数の区域(すなわち、そこでは改変剤は適用されていない)に加えて、任意で(かつ好ましくは)(1)初期の一連の光学特性とは異なり、1つまたは複数の第1の区域において未硬化状態でキラル液晶前駆体組成物を第1の改変剤と接触させることによって得られる第1の改変された一連の光学特性を示す1つまたは複数の第1の区域(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、10、15または20の第1の区域、データマトリックスの場合、これは、データマトリックス16*16を作ると256の区域になる)、および(2)初期の一連の光学特性と異なり、第1の改変された一連の光学特性とも異なり、1つまたは複数の第2の区域において未硬化状態でキラル液晶前駆体組成物を、第1の改変剤とは異なる種類の第2の改変剤と接触させることによって得られる第2の改変された一連の光学特性を示す、1つまたは複数の第2の区域(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、10、15または20の第2の区域、データマトリックスの場合、これは、データマトリックス16*16を作ると256の区域になる)を含む。この関連で、第1および第2の改変された一連の光学特性が異なっているためには、これら一連の光学特性が、少なくとも1つであり1つだけである光学特性に関して異なっていれば十分であることを理解すべきである。言い換えれば、第1および第2の改変された一連の光学特性は、それに含まれる(少なくとも)1つの光学特性が異なっている限り、同一の光学特性を含むことができる。
【0058】
層またはパターンは、3つ以上の異なる区域(すなわち、1つまたは複数の第1の区域、1つまたは複数の第2の区域に加えて、任意で初期の一連の光学特性を示す1つまたは複数の区域)を含むことができ、ここで、初期の一連の光学特性は、そのなかで2つの異なる種類の改変剤が初期の一連の光学特性を別個にまたは一緒に変更している少なくとも2つの区域が存在する限り、3つ以上の異なる改変剤によって改変されている。例えば、この層は、そのなかで3つ、4つ、5つ等の異なる改変剤が初期の一連の光学特性を変更して3つ、4つ、5つ等の異なる改変された一連の光学特性をもたらしている3つ、4つ、5つ等の異なる区域を含むことができる。以下において、単純化するために2つだけの改変剤、特に2つの異なる種類の改変剤の使用がしばしば論じられることになる。しかし、本発明は、2つだけの異なる種類の改変剤の使用に限定されず、また1つだけの特定の種類の改変剤の使用にも限定されないことを理解すべきである。単なる例示として、3つの異なる種類の改変剤を使用することができ、または1つの第1の改変剤と2つの異なる第2の改変剤を使用することもできる。
【0059】
本発明のマーキングにおいて、どの第2の区域によっても重ね合わされていない少なくとも1つの第1の区域がさらに存在してもよく、かつ/またはどの第1の区域によっても重ね合わされていない少なくとも1つの第2の区域が存在してもよい。さらに、第2の区域によって完全にまたは部分的に重ね合わされている少なくとも1つの第1の区域が存在してもよく、かつ/または第1の区域によって完全にまたは部分的に重ね合わされている少なくとも1つの第2の区域が存在してもよい。これは、第1の区域が第2の区域より大きく第2の区域を完全に包含する/覆う場合、および第2の区域が第1の区域より大きく第1の区域を完全に包含する/覆う場合を含む(cf.
図2)。これは、第1の区域および第2の区域が同じサイズであり、完全に一致する場合も含む。第1の区域と第2の区域の完全なまたは部分的な重なりによって、第3の区域、すなわち第3の改変された一連の光学特性をもたらす重なりの区域(第1の改変剤と第2の改変剤の複合作用による)が得られることになる。もちろん、3つ以上の改変剤を使用する場合、異なる一連の光学特性を有する区域の可能な数は指数関数的に増大し、それによって、本発明のマーキングを偽造する困難さがさらに増大する。単なる例示であるが、3つの異なる改変剤で、第1の改変剤だけが用いられている1つまたは複数の区域、第2の改変剤だけが用いられている1つまたは複数の区域、第3の改変剤だけが用いられている1つまたは複数の区域、第1の改変剤と第2の改変剤の両方が用いられている1つまたは複数の区域、第1の改変剤と第3の改変剤の両方が用いられている1つまたは複数の区域、第2の改変剤と第3の改変剤の両方が用いられている1つまたは複数の区域および3つすべての改変剤が用いられている1つまたは複数の区域が存在することができる。本発明のマーキングは通常、初期の一連の光学特性を示す少なくとも1つの区域を含むことになるが(すなわち、改変剤による改変なしで)、対応する区域の存在は必要でないことをさらに理解すべきである。例えば、本発明は、キラル液晶状態でキラル液晶前駆体組成物によって占有されている区域全体が、第1の改変剤によって占有されており(かつ改変されており)、キラル液晶前駆体組成物の1つまたは複数(第2の)区域(しかしその区域全体ではない)が第2の改変剤で追加的に改変されている(それによって第1の改変剤だけで改変された1つまたは複数の第1の区域を有し、残りが第1の改変剤と第2の改変剤の両方によって改変されている1つまたは複数の第3の区域であるマーキングがもたらされる)マーキングも考える。
【0060】
本発明で使用するための第1および第2の改変剤は異なる種類のものである。単なる例示であるが、それらがそのコンシステンシー(例えば、ある場合は固体および/または半固体であり、他の場合には流体(例えば、液体)である)の点で異なる場合、および/またはそれらがその化学的性質(例えば、ある場合はモノマー性であり、他の場合にはポリマー性である、またはある場合は本質的に有機性であり他の場合には本質的に無機性である)の点で異なる場合、および/またはそれらが異なる機構で組成物の光学特性を変更/改変する場合、および/またはそれらが組成物の異なる光学特性を変更/改変する場合、および/またはそれらが、ある場合は未硬化キラル液晶前駆体組成物に少なくとも部分的に浸透することができ、他の場合には未硬化キラル液晶前駆体組成物に実質的に浸透することができない場合、改変剤は異なる種類のものである。
【0061】
本発明のマーキングの初期の一連の、ならびに第1および第2(および任意で第3、第4等)の改変された一連の光学特性は、キラル液晶状態のキラル液晶ポリマー組成物によって反射される光の少なくとも1つの特性の点で異なっていてよい。例えば、少なくとも1つの特性は、反射光のスペクトル(例えば、可視、赤外および/またはUV領域での)、偏光またはλ
max(例えば、可視、赤外および/または紫外領域での)であってよい。λ
maxは、例えばスペクトルの赤外−近赤外−可視−紫外領域でサンプルの反射率を測定するBoulder、ColoradoのAnalytical Spectral Devices Inc.製のLabSpec Pro装置などの分析用分光装置を用いて測定することができる。
【0062】
マーキングの他の態様では、初期の一連の、ならびに第1および第2(および任意で第3、第4等)の改変された一連の光学特性は、液晶ポリマー組成物の光学的に異方性または光学的に等方性の状態を示す少なくとも1つの特性を含むことができる。相当する特性の一例は、円偏光の反射である。この関連で、例えばY.Jiangら、“Novel Pigment Approaches in Optically Variable Security Inks Including Polarizing Cholesteric Liquid Crystal(CLC)Polymers”、Optical Security and Counterfeit Deterrence Techniques IV、SPIE 4677、2002年(この開示全体を参照により本明細書に組み込む)に示されている説明を参照されたい。
【0063】
本発明のマーキングを作製するために使用でき、基材の少なくとも1つの表面の少なくとも一部上に(かつ、好ましい実施形態では、基材の少なくとも1つの表面上に提供された第1の改変剤の少なくとも一部の上に)適用する(例えば、堆積させる(deposited))ことができるキラル液晶前駆体組成物は、好ましくは(i)1つまたは複数のネマチック化合物Aと(ii)コレステリック状態の組成物をもたらすことができる1つまたは複数のコレステリック(すなわち、キラルドーパント)化合物B(コレステロールを含む)の混合物を含む。得られるコレステリック状態のピッチは、ネマチック化合物とコレステリック化合物の相対比率およびコレステリック化合物(複数可)のらせん状ねじれ力に依存する。一般に、本発明で使用するためのキラル液晶前駆体組成物中の1つまたは複数のネマチック化合物Aの(総)濃度は、1つまたは複数のコレステリック化合物Bの(総)濃度の約4〜約50倍となる。しばしば、高濃度のコレステリック化合物を有するキラル液晶前駆体組成物は望ましくないことがある(いくつかの場合可能ではあるが)。その理由は、1つまたは複数のコレステリック化合物が結晶化する傾向があり、それによって特定の光学特性を有する所望の液晶状態を得るのが不可能になるからである。
【0064】
キラル液晶前駆体組成物で使用するのに適したネマチック化合物Aは当技術分野で公知であり;単独で(すなわち、コレステリック化合物なしで)使用する場合、それら自体、その複屈折性によって特徴付けられる状態で配列する。本発明で使用するのに適したネマチック化合物Aの非限定的な例は、例えばWO93/22397、WO95/22586、欧州特許第0847432号、米国特許第6,589,445号、米国特許出願公開第2007/0224341A1号および日本国特許公開番号第2009−300662A号に記載されている。これらの特許文献の開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0065】
本発明で使用するのに好ましいクラスのネマチック化合物は、同じかまたは互いに異なっている分子当たり1つまたは複数(例えば、1つ、2つまたは3つ)の重合性基を含む。重合性基の例には、ラジカル重合に関与することができる基、特に炭素−炭素の二重または三重結合を含む基、例えばアクリレート部分、ビニル部分またはアセチレン部分などが含まれる。重合性基として特に好ましいのはアクリレート部分である。
【0066】
本発明で使用するためのネマチック化合物は、1つまたは複数の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つ)任意で置換された芳香族基、好ましくはフェニル基をさらに含むことができる。芳香族基の任意の置換基の例には、式(I)のキラルドーパント化合物のフェニル環上の置換基の例として本明細書で示されているもの、例えば(C
1〜C
6)アルキルおよび/または(C
1〜C
6)アルコキシ基などが含まれる。
【0067】
ネマチック化合物Aにおいて重合性基とアリール(例えば、フェニル)基を連結させるために任意で存在してよい基の例には、式(I)(以下に示す式(IA)および式(IB)のものを含む)のキラルドーパント化合物Bのために本明細書で例示されるものが含まれる。例えば、ネマチック化合物Aは、一般に任意で置換されたフェニル基と結合した式(I)(ならびに式(IA)および(IB))におけるA
1およびA
2を意味するものとして上記に示した式(i)〜(iii)の1つまたは複数の基を含むことができる。本発明で使用するのに適したネマチック化合物の具体的な非限定的な例には:
2−メトキシベンゼン−1,4−ジイルビス[4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)ベンゾエート];
4−{[4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシフェニル4−({[4−(アクリロイル−オキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)−2−メチルベンゾエート;
2−メトキシベンゼン−1,4−ジイルビス[4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)−2−メチル−ベンゾエート];
2−メチルベンゼン−1,4−ジイルビス[4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)−2−メチル−ベンゾエート];
4−{[4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メチルフェニル4−({[4−(アクリロイル−オキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)−3−メトキシベンゾエート;
2−メチルベンゼン−1,4−ジイルビス[4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)ベンゾエート];
2−メチルベンゼン−1,4−ジイルビス[4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)−3−メトキシ−ベンゾエート];
4−{[4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)−3−メトキシベンゾイル]オキシ}−2−メチルフェニル4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)−3,5−ジメトキシベンゾエート;
2−メチルベンゼン−1,4−ジイルビス[4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)−3,5−ジメトキシ−ベンゾエート];および
2−メトキシベンゼン−1,4−ジイルビス[4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)−3,5−ジ−メトキシ−ベンゾエート];ならびに
4−{[4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)−3−メトキシベンゾイル]オキシ}−2−メトキシフェニル4−({[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]カルボニル}オキシ)−3,5−ジメトキシベンゾアート。
4−({4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]ベンゾイル}オキシ)−3−メチルフェニル4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−2−メチルベンゾエート;
4−({4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]ベンゾイル}オキシ)−3−メチルフェニル4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−3−メチルベンゾエート;
2−メチルベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−2−メチルベンゾエート};
4−({4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−2−メチルベンゾイル}オキシ)−3−メチルフェニル4−[4−(アクリロイルオキシ)−ブトキシ]−2,5−ジメチルベンゾエート;
2−メチルベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−2,5−ジメチルベンゾエート}
2−メチルベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]ベンゾエート};
4−({4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−3,5−ジメチルベンゾイル}オキシ)−3−メチルフェニル4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−2,5−ジメチルベンゾエート;
2−メチルベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−3,5−ジメチルベンゾエート};
2−メトキシベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−3,5−ジメチルベンゾエート};
4−({4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−3−メチルベンゾイル}オキシ)−2−メトキシフェニル4−[4−(アクリロイルオキシ)−ブトキシ]−3,5−ジメチルベンゾエート;
2−メトキシベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−3−メチルベンゾエート};
4−({4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]ベンゾイル}オキシ)−3−メトキシフェニル4−[4−(アクリロイルオキシ)−ブトキシ]−3−メチルベンゾエート;
4−({4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]ベンゾイル}オキシ)−3−メトキシフェニル4−[4−(アクリロイルオキシ)−ブトキシ]−2,5−ジメチルベンゾエート;
2−メトキシベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−2−メトキシベンゾエート};
2−メトキシベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−3,5−ジメトキシベンゾエート};
2−メトキシベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−3−メトキシベンゾエート};
2−エトキシベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]ベンゾエート};
2−エトキシベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−2−メチルベンゾエート};
2−(プロパン−2−イルオキシ)ベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]ベンゾエート};
4−({4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]ベンゾイル}オキシ)−2−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル4−[4−(アクリロイル−オキシ)ブトキシ]−2−メチルベンゾエート;
2−(プロパン−2−イルオキシ)ベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−2−メチルベンゾエート};
2−(プロパン−2−イルオキシ)ベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−2,5−ジメチル−ベンゾエート};
2−(プロパン−2−イルオキシ)ベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾエート};および
2−(プロパン−2−イルオキシ)ベンゼン−1,4−ジイルビス{4−[4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ]−3,5−ジメトキシ−ベンゾエート}が含まれる。
【0068】
本発明で使用するための1つまたは複数のコレステリック(すなわち、キラルドーパント)化合物Bは好ましくは少なくとも1つの重合性基を含む。
【0069】
上記に示したような、1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bの適切な例には、式(I)の化合物:
【化7】
(式中:
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立に、C
1〜C
6アルキルおよびC
1〜C
6アルコキシを表し;
A
1およびA
2はそれぞれ独立に、式(i)〜(iii)の基:
(i)−[(CH
2)y−O]
z−C(O)−CH=CH
2;
(ii)−C(O)−D
1−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2;
(iii)−C(O)−D
2−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2を表し;
D
1は次式の基を表し、
【化8】
D
2は次式の基を表し、
【化9】
m、n、o、p、q、r、sおよびtはそれぞれ独立に、0、1または2を表し;
yは0、1、2、3、4、5または6を表し;
yが0に等しい場合zは0に等しく、yが1〜6に等しい場合zは1に等しい)
が含まれる。
【0070】
一態様では、1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bは式(IA)の1つまたは複数のイソマンニド誘導体:
【化10】
(式中:
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立に、C
1〜C
6アルキルおよびC
1〜C
6アルコキシを表し;
A
1およびA
2はそれぞれ独立に、式(i)〜(iii)の基:
(i)−[(CH
2)y−O]z−C(O)−CH=CH
2;
(ii)−C(O)−D
1−O−[(CH
2)y−O]z−C(O)−CH=CH
2;
(iii)−C(O)−D
2−O−[(CH
2)y−O]z−C(O)−CH=CH
2を表し;
D
1は次式の基を表し、
【化11】
D
2は次式の基を表し、
【化12】
m、n、o、p、q、r、sおよびtはそれぞれ独立に、0、1または2を表し;
yは0、1、2、3、4、5または6を表し;
yが0に等しい場合zは0に等しく、yが1〜6に等しい場合zは1に等しい)
を含むことができる。
【0071】
式(IA)の化合物(および式(I)の化合物)の1つの実施形態では、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立にC
1〜C
6アルキルを表す。代替の実施形態では、式(IA)(および式(I))のR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立にC
1〜C
6アルコキシを表す。
【0072】
式(I)および式(IA)の化合物の他の実施形態では、A
1およびA
2はそれぞれ独立に、式−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2の基を表し;R
1、R
2、R
3およびR
4はそれぞれ独立にC
1〜C
6アルキルを表し;m、n、oおよびpはそれぞれ独立に、0、1または2を表す。さらに他の実施形態では、式(I)および式(IA)のA
1およびA
2はそれぞれ独立に、式−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2の基を表し;R
1、R
2、R
3およびR
4はそれぞれ独立にC
1〜C
6アルコキシを表し;m、n、oおよびpはそれぞれ独立に、0、1または2を表す。
【0073】
式(IA)(および式(I))の化合物の他の実施形態では、A
1およびA
2はそれぞれ独立に、式−C(O)−D
1−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2かつ/または式−C(O)−D
2−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2の基を表し;R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立に、C
1〜C
6アルキルを表す。代替の実施形態では、式(IA)(および式(I))のA
1およびA
2はそれぞれ独立に、式−C(O)−D
1−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2の基および/または式−C(O)−D
2−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2の基を表し;R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立にC
1〜C
6アルコキシを表す。
【0074】
他の態様では、1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bは式(IB):
【化13】
(式中:
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立に、C
1〜C
6アルキルおよびC
1〜C
6アルコキシを表し;
A
1およびA
2はそれぞれ独立に、式(i)〜(iii)の基:
(i)−[(CH
2)y−O]z−C(O)−CH=CH
2;
(ii)−C(O)−D
1−O−[(CH
2)y−O]z−C(O)−CH=CH
2;
(iii)−C(O)−D
2−O−[(CH
2)y−O]z−C(O)−CH=CH
2を表し;
D
1は次式の基を表し、
【化14】
D
2は次式の基を表し、
【化15】
m、n、o、p、q、r、sおよびtはそれぞれ独立に、0、1または2を表し;
yは0、1、2、3、4、5または6を表し;
yが0に等しい場合zは0に等しく、yが1〜6に等しい場合zは1に等しい)
で表される1つまたは複数のイソソルビド誘導体を含むことができる。
【0075】
式(IB)の化合物の1つの実施形態では、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立にC
1〜C
6アルキルを表す。代替の実施形態では、式(IB)のR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立にC
1〜C
6アルコキシを表す。
【0076】
式(IB)の化合物の他の実施形態では、A
1およびA
2はそれぞれ独立に、式−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2の基を表し;R
1、R
2、R
3およびR
4はそれぞれ独立にC
1〜C
6アルキルを表し;m、n、oおよびpはそれぞれ独立に、0、1または2を表す。さらに他の実施形態では、式(IB)のA
1およびA
2はそれぞれ独立に、式−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2の基を表し;R
1、R
2、R
3およびR
4はそれぞれ独立にC
1〜C
6アルコキシを表し;m、n、oおよびpはそれぞれ独立に、0、1または2を表す。
【0077】
式(IB)の化合物の他の実施形態では、A
1およびA
2はそれぞれ独立に、式−C(O)−D
1−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2かつ/または式−C(O)−D
2−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2の基を表し;R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立に、C
1〜C
6アルキルを表す。代替の実施形態では、式(IB)のA
1およびA
2はそれぞれ独立に、式−C(O)−D
1−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2の基および/または式−C(O)−D
2−O−[(CH
2)
y−O]
z−C(O)−CH=CH
2の基を表し;R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立にC
1〜C
6アルコキシを表す。
【0078】
好ましい実施形態では、式(I)、(IA)および(IB)のR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8のアルキルおよびアルコキシ基は3、4、6または7個の炭素原子、特に4または6個の炭素原子を含むことができる。
【0079】
3または4個の炭素原子を含むアルキル基の例には、イソプロピルおよびブチルが含まれる。6または7個の炭素原子を含むアルキル基の例には、ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルペンチルおよび2,3−ジメチルペンチルが含まれる。
【0080】
3または4個の炭素原子を含むアルコキシ基の例には、イソプロポキシ、ブタ−1−オキシ、ブタ−2−オキシおよびtert−ブトキシが含まれる。6または7個の炭素原子を含むアルコキシ基の例には、ヘキサ−1−オキシ,ヘキサ−2−オキシ、ヘキサ−3−オキシ、2−メチルペンタ−1−オキシ、2−メチルペンタ−2−オキシ、2−メチルペンタ−3−オキシ、2−メチルペンタ−4−オキシ、4−メチルペンタ−1−オキシ、3−メチルペンタ−1−オキシ、3−メチルペンタ−2−オキシ、3−メチルペンタ−3−オキシ、2,2−ジメチルペンタ−1−オキシ、2,2−ジメチルペンタ−3−オキシ、2,2−ジメチルペンタ−4−オキシ、4,4−ジメチルペンタ−1−オキシ、2,3−ジメチルペンタ−1−オキシ、2,3−ジメチルペンタ−2−オキシ、2,3−ジメチルペンタ−3−オキシ、2,3−ジメチルペンタ−4−オキシおよび3,4−ジメチルペンタ−1−オキシが含まれる。
【0081】
本発明で使用するための式(I)のキラルドーパント化合物Bの非限定的な具体的例には:
(3R,3aR,6R,6aR)−ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイルビス(4−(4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシベンゾイル−オキシ)−3−メトキシベンゾエート);
(3R,3aR,6R,6aR)−6−(4−(4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシベンゾイルオキシ)−3−メトキシベンゾイルオキシ)−ヘキサヒドロフロ[3,2−b]−フラン−3−イル4−(4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイルオキシ)−3−メトキシ−ベンゾエート;
(3R,3aR,6R,6aR)−ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイルビス(4−(4(アクリロイルオキシ)ベンゾイルオキシ)−ベンゾエート);
(3R,3aR,6R,6aR)−ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイルビス(4−(4−(アクリロイルオキシ)ブトキシ)−ベンゾエート);
(3R,3aR,6R,6aR)−ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイルビス(4−(アクリロイルオキシ)−2−メチル−ベンゾエート);
(3R,3aR,6S,6aR)−ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイルビス(4−(4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイルオキシ)−3−メトキシベンゾエート);
(3R,3aR,6R,6aR)−ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイルビス(4−(4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシ−ベンゾイルオキシ)ベンゾエート);
(3R,3aR,6R,6aR)−ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイルビス(4−(4(アクリロイルオキシ)ベンゾイルオキシ)−3−メトキシベンゾエート);
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−ベンゾイル]オキシ}−3−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2,5−ジメチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2,5−ジメチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシ−5−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシベンゾイル]オキシ}ベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシベンゾイル]オキシ}ベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−3−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシベンゾイル]オキシ}−2,5−ジメチルベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシベンゾイル]オキシ}−3−メチルベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシベンゾイル]オキシ}−2−メチルベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシベンゾイル]オキシ}−3−メチルベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシ−5−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メチルベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−5−メトキシ−2−メチルベンゾイル]オキシ}−3−メチルベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−エトキシベンゾイル]オキシ}ベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−エトキシ−5−メチルベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−エトキシベンゾイル]オキシ}ベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−エトキシ−5−メチルベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−5−エトキシ−2−メチルベンゾイル]オキシ}ベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−エトキシベンゾイル]オキシ}ベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メチルベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2,5−ジメチルベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メチルベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2,5−ジメチルベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−エトキシベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−エトキシベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−エトキシベンゾイル]オキシ}−3−メチルベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−エトキシベンゾイル]オキシ}−3−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシベンゾイル]オキシ}−3−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシベンゾイル]オキシ}−3−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−ベンゾイル]オキシ}−3−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2,5−ジメチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2,5−ジメチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシ−5−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−3−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシベンゾイル]オキシ}ベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシベンゾイル]オキシ}ベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシベンゾイル]オキシ}−2,5−ジメチルベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシベンゾイル]オキシ}−3−メチルベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシベンゾイル]オキシ}−2−メチルベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−メトキシベンゾイル]オキシ}−3−メチルベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシ−5−メチルベンゾイル]オキシ}−2−メチルベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−5−メトキシ−2−メチルベンゾイル]オキシ}−3−メチルベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−エトキシベンゾイル]オキシ}ベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−エトキシ−5−メチルベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−エトキシベンゾイル]オキシ}ベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)ベンゾイル]オキシ}−2−エトキシ−5−メチルベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−5−エトキシ−2−メチルベンゾイル]オキシ}ベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−3−エトキシベンゾイル]オキシ}ベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メチルベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2,5−ジメチルベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−5−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メチルベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2,5−ジメチルベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−エトキシベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−メトキシベンゾイル]オキシ}−2−エトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−エトキシベンゾイル]オキシ}−2−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−エトキシベンゾイル]オキシ}−3−メチルベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトール;および
2,5−ビス−O−(4−{[4−(アクリロイルオキシ)−2−エトキシベンゾイル]オキシ}−3−メトキシベンゾイル)−1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトールが含まれる。
【0082】
1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bは通常、組成物の総重量に対して約0.1%〜約30%(重量)、例えば約0.1%〜約25%または約0.1%〜約20%(重量)の総濃度で存在する。例えば、インクジェット印刷の場合、最良の結果はしばしば、組成物の総重量に対して3%〜10%(重量)、例えば5%〜8%(重量)の濃度で得られる。1つまたは複数のネマチック化合物Aはしばしば、組成物の総重量に対して約30%〜約50%(重量)の濃度で存在する。
【0083】
特に、第1の改変剤が塩含有の硬化キラル液晶前駆体組成物によって示される選択反射バンドの位置を変更できる場合、本発明で使用するためのキラル液晶前駆体組成物の他の成分は塩、特に、塩を含まない硬化組成物によって示される選択反射バンドの位置と比較して、硬化キラル液晶前駆体組成物(キラル液晶状態の)によって示される選択反射バンドの位置を変更することができる塩である。この関連で、どちらも2010年12月7日出願の米国特許仮出願番号第61/420、580号および同第61/420,582号(これらの開示全体を参照により明確に本明細書に組み込む)における説明を参照することができる。キラル液晶ポリマー組成物によって示される選択反射バンドに関して、例えば米国特許第7,742,136号または米国特許出願公開第2010/0025641号(これらの開示全体を参照により明確に本明細書に組み込む)における説明を参照することができる。
【0084】
塩の存在によって、所与の硬化キラル液晶前駆体組成物によって示される選択反射バンドの位置をシフトさせることができる度合いは、種々の因子、とりわけ、その塩のカチオン、塩のアニオンおよび乾燥抽出物グラム当たりの塩の濃度などに依存する。通常塩は、所与のキラル液晶前駆体組成物中に、硬化キラル液晶前駆体組成物によって示される選択反射バンドの位置を少なくとも約5nm、例えば少なくとも約10nm、少なくとも約20nm、少なくとも約30nm、少なくとも約40nmまたは少なくとも約50nmシフトさせる濃度で存在することが好ましい。適切な(総)塩濃度はしばしば、キラル液晶前駆体組成物の固形分含量に対して、約0.01%〜約10%(重量)、例えば約0.1%〜約5%(重量)の範囲内である。キラル液晶前駆体組成物中での塩の限られた溶解性のため、上述した範囲を超える塩濃度を達成するのはしばしば困難である。
【0085】
適切な塩の非限定的な例には、金属カチオン(主族金属、遷移金属、ランタニドおよびアクチニド)を含む塩が含まれる。例えば、金属は例えばLi、Naなどのアルカリまたはアルカリ土類金属であってよい。Li塩が特に好ましい。適切な塩の他の非限定的な例には、テトラアルキルアンモニウム塩などの四級アンモニウム塩が含まれる。適切なアニオンの例には、「一般的な」イオン、例えばハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨー化物)、過塩素酸塩、硝酸塩(nitrate)、亜硝酸塩、硫酸塩(sulfate)、スルホン酸塩、亜硝酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、シアン化物、シアン酸塩およびチオシアン酸塩ならびに例えばテトラフルオロホウ酸塩などの錯イオンが含まれる。適切な塩の特定のものではあるが非限定的な例には、過塩素酸リチウム、硝酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウムおよび硝酸ナトリウムが含まれる。もちろん、2つ以上の塩(例えば、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の塩)の混合物も使用することができる。2つ以上の塩が存在する場合、これらは同じカチオンおよび/または同じアニオンを含んでも含まなくてもよい。他の態様では、その少なくとも1つの塩は、過塩素酸リチウムおよび/または臭化リチウムを含むことができる。
【0086】
本発明で使用するための第1の改変剤の非限定的な例には、塩を含まない硬化組成物によって示される選択反射バンドの位置と比較して、硬化キラル液晶前駆体組成物(キラル液晶状態の)によって示される選択反射バンドの位置を変更できる塩を含む硬化キラル液晶前駆体組成物によって示される選択反射バンドの位置を変更できる物質、特に樹脂が含まれる。そうした樹脂を以下で「改変樹脂(modifying resin)」と称することとする。この関連で、やはり米国仮出願番号第61/420,580号および同第61/420,582号における詳細な説明を参照することができる。
【0087】
本発明において第1の改変剤として使用するための改変樹脂は通常、基材とキラル液晶前駆体組成物の間に(そして後者に直接接触して)配置されることになる。本発明で使用するための改変樹脂は、基材上の硬化キラル液晶前駆体組成物によって示される少なくとも1つの光学特性を目に見える程度に変更することができる限り特に限定されない。この関連で、改変樹脂は、λ
maxで表される選択反射バンドの位置を少なくともシフトさせることができる、特にλ
maxを少なくとも約5nm、例えば少なくとも約10nm、少なくとも約20nm、少なくとも約30nm、少なくとも約40nmまたは少なくとも約50nmシフトさせることができることが好ましい。この可能性は、とりわけ、キラル液晶前駆体組成物の成分、例えばその中に含まれる塩(複数可)およびキラルドーパント(複数可)、改変樹脂中(そしてその表面上)での官能基の存在(または非存在)などの種々の因子に依存する。
【0088】
本発明において第1の改変剤として使用するのに適した改変樹脂の例には、例えばO、NまたはSから選択される1個または複数(例えば、1、2または3個)のヘテロ原子を含む1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つまたは4つ)の重合性モノマーでできたものが含まれる。この関連で、その重合性モノマーはラジカル重合により重合可能なものに限定されないことを理解すべきである。むしろ、これらのモノマーには、例えばカチオンおよび/またはアニオン重合、および/または重縮合によって重合可能なモノマーも含まれる。したがって、本発明のために適した樹脂の非限定的な例には、有機樹脂、例えばポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルホン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの樹脂の混合形態が含まれる。シリコーン(例えば、ポリオルガノシロキサン)などの無機/有機混合樹脂も適している。本発明で使用することができる1つの特定の種類の樹脂は、例えばポリアミド樹脂などの水性樹脂(例えばCAS番号175893−71−7、CAS番号303013−12−9、CAS番号393802−62−5、CAS番号122380−38−5、CAS番号9003−39−8)である。
【0089】
本発明において第1の改変剤として使用するための改変樹脂の非限定的な例には、ポリエーテルアクリレート、改変ポリエーテルアクリレート(例えば、アミン改変ポリエーテルアクリレートなど)、ポリエステルアクリレート、改変ポリエステルアクリレート(例えば、アミン改変ポリエステルアクリレートなど)、六官能性ポリエステルアクリレート、四官能性ポリエステルアクリレート、芳香族二官能性ウレタンアクリレート、脂肪族二官能性ウレタンアクリレート、脂肪族三官能性ウレタンアクリレート、脂肪族六官能性ウレタンアクリレート、ウレタンモノアクリレート、脂肪族ジアクリレート、ビスフェノールAエポキシアクリレート、改変ビスフェノールAエポキシアクリレート、エポキシアクリレート、改変エポキシアクリレート(例えば、脂肪酸改変エポキシアクリレートなど)、アクリルオリゴマー、炭化水素アクリレートオリゴマー、エトキシ化フェノールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジアクリル化ビスフェノールA誘導体、ジプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエーテルテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリ−およびテトラアクリレートの混合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートならびにトリプロピレングリコールジアクリレート(任意で、上記モノマーとは異なる1つまたは複数のモノマーとの組合せ)から選択される1つまたは複数のモノマーでできたものがさらに含まれる。
【0090】
本発明で使用するための改変樹脂は、それがその成分特に、(未硬化)キラル液晶前駆体組成物中に存在する可能性のある(および通常存在している)溶媒に耐えられる(例えば、それによって改変樹脂が顕著には溶解されていない)限り、キラル液晶前駆体組成物と接触させる前に、完全に硬化している(重合している)必要もまたは乾燥している必要もないことを理解すべきである。部分的にしか硬化していない改変樹脂の硬化は、例えばキラル液晶前駆体の硬化(例えば、UV放射線による)と一緒に完了させることができる。
【0091】
既存の従来技術(例えばWO2001/024106、WO2008/127950(これらの開示全体を参照により本明細書に組み込む)に例示されているような)に優る本発明の利点の1つは、マスク技術を用いることなく、完全なレジスターを作り出す能力である。完全なレジスターということは、非常に少ないステップおよび/またはプロセス(複数可)ステップで、同時に異なる色のシフト特性および/または異なる位置の選択反射バンドを有する2つ以上のゾーンが存在し、これらのゾーンがそれらの間のすき間または重なりなしで完全に近接可能な液晶ポリマーの単一層をもつことができる可能性を意味する。この利点は、キラル液晶前駆体組成物が1ステップで適用され、その特性が改変樹脂によって局所的に改変されるという事実に由来する。本方法を用いずに同様の結果を得るためには、それらが、すき間または重なりなしで近接領域を覆うように連続的なステップで2つ以上のキラル液晶前駆体組成物を、過度に高い精度で適用し硬化させなければならない。本方法は、異なる情報および/または色を同時に含むロゴ、マーキング、コーディング、バーコード、パターン、データマトリックス等の直接的な創出を可能にする。本方法によってもたらされる可能性には、2つ以上の改変樹脂の硬化された物理的な混合物の形態と基材の表面の異なる位置に(別々に)存在する2つ以上の異なる改変樹脂の形態との両方の形態での改変樹脂(例えば、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の改変樹脂の混合物)の混合物の使用が含まれる。
【0092】
代替的にまたは追加的に、例えば、その中に含まれる塩(複数可)の濃度が異なりかつ/またはその中に異なる塩を含むことによって異なる、2つ以上の異なるキラル液晶前駆体組成物も使用することができる。これは単独で、単一の基材の表面上に存在できるキラル液晶前駆体組成物と改変樹脂の可能性のある多くの組合せをもたらす。それを再現しようとする者は誰も、キラル液晶前駆体組成物の正確な組成、その中に含まれる塩(複数可)の種類、量および濃度ならびに改変樹脂(複数可)の特性を知らなければならないので、この可能性のある多くの組合せは、とりわけ、偽造するのが困難な特定のコードおよび/またはマーキングを作り出すのを可能にする。2つ以上の第2の改変剤を、キラル液晶前駆体組成物(複数可)および第1の改変剤(複数可)の組合せの1つまたは複数(またはそれぞれ)と組み合わせて用いることによって、すでに多数ある可能な組合せをさらに(そして大幅に)増大させることができる。例えば近赤外、赤外および/または紫外セキュリティー要素、磁性粒子、例えば「通常」のサイズおよびナノスケールの顔料(マーキングの作製者だけが知っている)などの少なくとも2つの異なるサイズ範囲の顔料などの追加的な特定のセキュリティー要素を、キラル液晶前駆体組成物中および/または改変樹脂中に混ぜ込むと、偽造はさらにより困難なものとなる。したがって、本発明は、そうした追加的な特定のセキュリティー要素を含むキラル液晶前駆体組成物および改変樹脂の使用も考慮しそれを包含する。
【0093】
本発明が電磁スペクトルの可視領域に限定されないことも理解すべきである。例えば、本発明で使用するための改変樹脂は、硬化キラル液晶前駆体組成物によって示される選択反射バンドのすべてまたはその一部を、赤外領域から可視領域へ、または可視領域から紫外領域へまたは赤外領域から紫外領域へ、またその逆、例えば紫外領域から可視領域へシフトさせることができる。
【0094】
キラル液晶前駆体組成物および改変樹脂または他の第1の改変剤を作製するための組成物は、例えば、噴霧コーティング、ナイフコーティング、ローラーコーティング、スクリーンコーティング、カーテンコーティング、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、ドライオフセット印刷、活版印刷、スクリーン印刷、パッド印刷およびインクジェット印刷(例えば連続式インクジェット印刷、ドロップオンデマンド式インクジェット印刷、バルブジェット印刷)などの適切な任意の方法で基材または品物の表面上に適用することができる。本発明の実施形態の1つでは、層またはパターンを作製するための組成物および/または改変樹脂を作製するための組成物の適用(例えば堆積)は、例えばインクジェット印刷(連続式、ドロップオンデマンド式等)、フレキソ印刷、パッド印刷、輪転グラビア印刷、スクリーン印刷などの印刷技術を用いて実施する。もちろん、印刷技術分野の当業者に公知の他の印刷技術も用いることができる。本発明の好ましい実施形態の1つでは、フレキソ印刷を、改変樹脂を適用するためとキラル液晶前駆体組成物を適用するための両方に使用する。本発明の他の好ましい実施形態では、インクジェット印刷技術を、改変樹脂を適用するためとキラル液晶前駆体組成物を適用するための両方に使用する。2つの異なる技術は、改変樹脂およびキラル液晶前駆体組成物をそれぞれ適用するのに使用できることも考えられる。コンディショニングラインおよび印刷プレス上での番号付け、コーディングおよびマーキングの用途に一般に使用される工業用インクジェットプリンターは特に適している。好ましいインクジェットプリンターには、単一ノズルの連続式インクジェットプリンター(ラスターまたはマルチレベル偏向プリンターとも称される)およびドロップオンデマンド式インクジェットプリンター、特にバルブジェット式プリンターが含まれる。上述した適用技術に従って硬化させた後、適用された液晶ポリマー組成物の厚さは通常、少なくとも約1μm、例えば少なくとも約2μm、または少なくとも約3μmまたは少なくとも約4μmとなり、通常約20μm以下、例えば約15μm以下、約10μm以下または約6μm以下となる。上述した適用技術に従って硬化させた後、適用された改変樹脂の厚さは通常、少なくとも約1μm、例えば少なくとも約2μm、または少なくとも約3μmまたは少なくとも約5μmとなるが、通常約10μm以下となる。
【0095】
特に、本発明で使用するための組成物(すなわち、キラル液晶前駆体を作製するための組成物または改変樹脂を作製するための組成物)を上記に示した印刷技術で適用する場合、その組成物は通常、粘度を使用する適用(印刷)技術に適した値に調節するために、溶媒を含むことになる。本発明で使用する組成物のフレキソ印刷のための典型的な粘度値は、例えばDINの4番カップを25℃で用いて、約10秒〜約120秒、好ましくは10〜100秒、より好ましくは10〜60秒、さらにより好ましくは10〜40秒の範囲である。適切な溶媒は当業者に公知である。その非限定的な例には、低粘度で若干極性の非プロトン性有機溶媒、例えばメチルエチルケトン(MEK)、アセトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチルおよびその2つ以上の混合物などが含まれる。
【0096】
さらに、特に、本発明で使用するための組成物(すなわち、キラル液晶前駆体を作製するための組成物または改変樹脂を作製するための組成物)を(連続式)インクジェット印刷により適用する場合、その組成物は通常、当業者に公知の少なくとも1つの導電性付与剤(conductivity agent)も含むことになる。
【0097】
本発明で使用するためのキラル液晶前駆体組成物および/または改変樹脂を作製するための組成物をUV放射線により硬化/重合させようとする場合、その組成物は少なくとも1つの光開始剤も含むことになる。適切な光開始剤のいくつかの非限定的な例には、α−ヒドロキシケトン、例えば1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、および1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンおよび2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノンの1つまたは複数の混合物(例えば、約1:1);フェニルグリオキシレート、例えばメチルベンゾイルホーメート、およびオキシ−フェニル−酢酸2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステルとオキシ−フェニル−酢酸2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルの混合物;ベンジルジメチルケタール、例えばα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン;α−アミノケトン、例えば2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンおよび2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノンが含まれ;上述した光開始剤と一緒に、組成物は共開始剤、例えばホスフィンオキシドおよびホスフィンオキシド誘導体、例えばジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド;フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(Cibaから供給されている)をさらに含み、またチオキサントン誘導体、例えばSpeedcure ITX(CAS142770−42−1)、Speedcure DETX(CAS82799−44−8)、Speedcure CPTX(CAS5495−84−1−2またはCAS83846−86−0)(Lambsonから供給されている)も含むことができる。
【0098】
本発明で使用するための組成物(すなわち、キラル液晶前駆体を作製するための組成物または改変樹脂を作製するための組成物)をUV光による照射とは異なる方法、例えば高エネルギー粒子(例えば、電子ビーム)、X線、ガンマ線等で硬化させる場合は、もちろん光開始剤を使用せずに済ますことができる。
【0099】
特に、熱的に改変樹脂を作製するための組成物を硬化させることも可能である、またはさらに望ましい可能性もある。この場合、組成物は通常、例えば過酸化物またはアゾ化合物などの少なくとも1つの熱重合開始剤を含むことになる。熱重合開始剤の他の例は当業者によく知られている。
【0100】
本発明で使用するためのキラル液晶前駆体組成物および改変樹脂を提供する組成物は、組成物の特定の所望特性を実現するのに適しておりかつ/または望ましい様々な他の任意の成分も含むことができ、一般に、組成物の必要特性にそれほど悪影響を及ぼさない任意の成分/物質を含むことができる。そうした任意の成分の非限定的な例は、樹脂、シラン化合物、接着促進剤、光開始剤(存在する場合)のための増感剤等である。例えば、特に、本発明で使用するためのキラル液晶前駆体組成物は、1つまたは複数のシラン化合物を含むことができる。適切なシラン化合物の非限定的な例には、式R
1R
2R
3−Si−R
4{式中、R
1、R
2およびR
3は独立に、合計で1〜約6個の炭素原子を有するアルコキシおよびアルコキシアルコキシを表し、R
4はビニル、アリル、(C
1〜
10)アルキル、(メタ)アクリルオキシ(C
1〜
6)アルキルおよびグリシジルオキシ(C
1〜
6)アルキルを表す}のものなどの任意で重合性のシラン、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシランおよび3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン(Evonikから供給されているDynasylan(登録商標)ファミリーから)が含まれる。
【0101】
存在する場合、キラル液晶前駆体組成物中の1つまたは複数のシラン化合物の濃度は通常、組成物の総重量に対して約0.5%〜約5%(重量)となる。
【0102】
本発明によるマーキングのセキュリティーを強化するために、本発明で使用するための改変樹脂を作製するための組成物および/またはキラル液晶前駆体を作製するための組成物は、電磁スペクトルの可視または不可視領域で吸収する1つもしくは複数の顔料および/または染料、および/または1つもしくは複数の発光性の顔料および/または染料、および/または1つもしくは複数の磁性粒子および/または1つもしくは複数の異なるサイズ範囲の顔料(例えば、「通常」サイズおよびナノスケールの顔料)をさらに含むことができる。電磁スペクトルの可視または不可視領域で吸収する適切な顔料および/または染料の非限定的な例にはフタロシアニン誘導体が含まれる。適切な発光性の顔料および/または染料の非限定的な例にはランタニド誘導体が含まれる。適切な磁性顔料の非限定的な例には、鉄およびクロムの酸化物などの遷移金属酸化物の粒子が含まれる。顔料(複数可)および/または染料(複数可)の存在は、マーキングの偽造に対するセキュリティーを増進させ強化することになる。
【0103】
1つまたは複数の第1の区域に1つまたは複数の第1の改変剤を担持する基材または品物の表面上の層またはパターンの形態でのキラル液晶前駆体組成物の適用に続いて、組成物を、初期の一連の光学特性(および1つまたは複数の第1の区域の第1の改変された一連の光学特性)を示すキラル液晶状態にすることができる。そのためには、キラル液晶前駆体組成物を加熱し、存在する場合、それによって組成物中に含まれる溶媒が蒸発し、所望のキラル液晶状態の促進が起こる。溶媒を蒸発させ、液晶状態の形成を促進するのに用いられる温度は、キラル液晶前駆体組成物の成分に依存し、多くの場合、約55℃〜約150℃、例えば約55℃〜約100℃、好ましくは約60℃〜約100℃の範囲となる。適切な加熱源の例には、慣用的な加熱手段、例えばホットプレート、オーブン、熱空気流、特に例えば赤外線ランプなどの照射源が含まれる。所要加熱時間は、例えばキラル液晶前駆体組成物の成分、加熱装置の種類および加熱強度(加熱装置のエネルギー出力)などのいくつかの要素に依存する。多くの場合、約0.1s、約0.5sまたは約1秒から約30秒、例えば約20秒以下、約10秒以下または約5秒以下の加熱時間で十分である。
【0104】
キラル液晶状態の形成に続いて、第2の改変剤(複数可)を、初期キラル液晶状態の組成物の1つまたは複数の第2の区域上に(および任意で1つもしくは複数の第1の区域またはその一部の1つもしくは複数の上にも)適用することができる。第2の改変剤は、初期キラル液晶状態(任意で、第2の改変剤の種類に応じて加熱して)および第1の改変されたキラル液晶状態(第1の区域またはその一部に適用する場合)を変更させることができる。第2の改変剤を、キラル液晶前駆体組成物がまだ加熱されている状態の間に(例えば、加熱操作の完了に続いて直ちに)適用する、または、キラル液晶前駆体組成物が少なくともある程度冷却された後に(例えば、ほぼ室温である)適用することができる。望むなら、キラル液晶前駆体組成物の冷却を、当業者に公知の手段によって、例えば予め加熱された組成物上に周囲空気をブローするなどによって加速させることができる。冷却状態で第2の改変剤をキラル液晶前駆体組成物に適用すると、マーキングの解像度を改善することができる。他方、マーキングの作製工程全体をできるだけ簡単にかつ迅速な形で実施しようとする場合、加熱操作の完了後、第2の改変剤を直ちに適用することが望ましい場合がある。
【0105】
本発明で使用するための第2の改変剤は、初期または第1の改変されたキラル液晶状態を形成する化合物のどれも抽出することなく、また、これらの化合物の化学構造を顕著には(好ましくは、全く)改変することもない。任意の理論に拘泥するわけではないが、使用できる第2の改変剤の少なくとも一部は、キラル液晶状態の非常に局在化され制御された再組織化を開始させると推測される。
【0106】
本発明によるマーキングにおいて、第2の改変剤は通常その性質に応じて、初期の(未改変)キラル液晶状態(および1つもしくは複数の第1の区域の1つまたはその一部に適用された場合、またその第1の改変されたキラル液晶状態も)を、特定の光学特性で特徴付けられる(支配的にまたは実質的に)異方性の状態から:
(i)キラル液晶状態の色シフト特性が実質的に存在しないかつ/またはもはや肉眼で検出できない(支配的にまたは実質的に)等方性の液晶状態(例えば、以下に示すような第I種改変剤によって提供されるような)、あるいは
(ii)初期キラル液晶状態の対応する光学特性とは異なる少なくとも1つの光学特性を有する第2の改変された一連の光学特性を示す(第2の)改変キラル液晶状態(例えば、以下に示すような第II種または第III種改変剤によって提供されるような)
に改変することになる。
【0107】
第2の改変剤は例えば「第I種」改変剤であってよい。第I種改変剤は通常、室温で液体であり、好ましくは比較的高い双極子モーメントおよび比較的高い誘電率を有する1つまたは複数の非プロトン性有機化合物を含むことになる。その非限定的な例には、3〜約6個の炭素原子を有するケトン、合計で2〜約6個の炭素原子を含むカルボン酸のアルキルエステルおよびジアルキルアミド、合計で2〜約4個の炭素原子を含むジアルキルスルホキシドおよび任意で置換された(例えば、アルキル置換された)ニトロベンゼン、例えばジメチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン、ニトロトルエンおよびその2つ以上の混合物が含まれる。第I種改変剤においてまたは第I種改変剤として使用するのに好ましい化合物には、アセトン、メチルエチルケトンおよび酢酸エチルが含まれる。
【0108】
本発明で使用するための第I種改変剤は、その粘度を調節するために1つまたは複数の樹脂をさらに含むことができる。もちろん、その樹脂(複数可)は、用いられる適用(例えば、印刷)技術に適合するものでなければならない。適切であり得る樹脂の非限定的な例には、具体的な環境に応じて、例えば、EvonikからのDYNAPOL(登録商標)L1203、L205、L206、L208、L210、L411、L651、L658、L850、L912、L952、LH530、LH538、LH727、LH744、LH773、LH775、LH818、LH820、LH822、LH912、LH952、LH530、LH538、LH727、LH744、LH773、LH775、LH818、LH820、LH822、LH823、LH826、LH828、LH830、LH831、LH832、LH833、LH838、LH898、LH908、LS436、LS615、P1500、S1218、S1227、S1247、S1249、S1252、S1272、S1401、S1402、S1426、S1450、S1510、S1606、S1611、S243、S320、S341、S361、S394、およびS EP1408などのポリエステル樹脂が含まれる。当業者に公知の他の適切な樹脂も使用することができる。好ましい実施形態では、1つまたは複数の樹脂は、EvonikからのDYNAPOL(登録商標)L1203、L205、L206、L208、L210、L411、L651、L658、L850、L912、L952、LH530、LH538、LH727、LH744から選択される。1つまたは複数の樹脂のための一般的な濃度範囲は第I種改変剤の総重量に対して約3%〜約15%(重量)である。
【0109】
第I種改変剤は、例えば、連続式インクジェットプリンターなどのプリンターと組み合わせたその使用を可能にするために、十分な導電性を第I種改変剤に付与する例えば塩などの1つまたは複数の導電性付与剤をさらに含むことができる。適切な導電性付与剤の例には、本発明のキラル液晶前駆体組成物において使用するための導電性付与剤の例として上記したもの、例えば硝酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、チオシアン酸カリウム、過塩素酸リチウムおよび当技術分野で公知の他の導電性付与剤などが含まれる。
【0110】
第I種改変剤が溶媒または溶媒混合物を含む場合、溶媒が蒸発した後、初期キラル液晶状態は(および適用できる場合、第1の改変されたキラル液晶状態も)局所的に(1つまたは複数の第2の区域で)、(支配的にまたは実質的に)光学的に異方性の状態から(支配的にまたは実質的に)光学的に等方性の状態へ変化することになる。
【0111】
第2の改変剤はさらに「第II種」改変剤、すなわち(第2の)キラル液晶前駆体組成物であってよい。キラル液体前駆体組成物の1つまたは複数の第2の区域での適用のためのキラル液晶前駆体組成物は、改変されることになるベースのキラル液体前駆体組成物と同じであっても異なっていてもよい。さらに、ベースのキラル液体前駆体組成物に関して上記に示したすべて(例えば、成分、適用方法等)が、同等に例外なく第2の改変剤(第II種改変剤)として使用するためのキラル液体前駆体組成物にも適用される。例えば、ベースのキラル液晶前駆体組成物の場合のように、1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bは通常、第II種改変剤中に第II種改変剤の総重量に対して約0.1%〜約30%(重量)、例えば約0.1%〜約25%または約0.1%〜約20%(重量)の総濃度で存在することになる。また、1つまたは複数のネマチック化合物Aはしばしば第II種改変剤中に第II種改変剤の総重量に対して約30%〜約50%(重量)の濃度で存在することになる。
【0112】
第II種改変剤が、改変しようとするベースのキラル液晶前駆体組成物と異なる場合、1つもしくは複数の差異は、例えば、これらの組成物中に存在する[0109]段落で説明したような化合物AおよびBおよび/または塩の1つもしくは複数および/またはこれらの化合物の1つもしくは複数の濃度と関連している可能性がある。例えば、これらの組成物間の1つの差異または唯一の差異は、キラルドーパント化合物Bの1つまたは複数(またはすべて)が、ベース組成物中での対応する濃度/濃度(複数)とは異なる濃度/濃度(複数)で第II種改変剤中に存在するということである可能性がある。さらに、これらの組成物間の1つの差異または唯一の差異は、ベース組成物中の1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bが上記式(I)および/または関連する式のものであり、第II種改変剤中の1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bの少なくとも1つが式(I)および/または関連する式とは異なるということである可能性がある。例えば、第II種改変剤中の1つまたは複数のキラルドーパント化合物Bの少なくとも1つは、例えば欧州特許第0847432号、英国特許第2330139号および米国特許第6,589,445号(これらの開示全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されているようなイソソルビドまたはイソマンニド誘導体であってよい。
【0113】
第II種改変剤がベースのキラル液晶前駆体組成物とは異なる場合、それを、ベース組成物を担持していない(しかし第1の改変剤を担持していてもよい)基材または品物の表面上の1つまたは複数の区域に適用することもできることをここで理解すべきである。このようにして、本発明のマーキングにおけるさらなる可変性を生み出す、すなわち、キラル液晶状態(新たな加熱後に得られる)の第II種改変剤を有する1つまたは複数の区域および/またはそのキラル液晶状態(加熱後に形成される)が第1の改変剤によって改変されている第II種改変剤を有する1つまたは複数の区域を生み出すことができる。
【0114】
第II種改変剤をキラル液晶状態のベースのキラル液晶前駆体組成物の1つまたは複数の第2の区域に適用(例えば、堆積)した後、この系は第2の改変されたキラル液晶状態になって、1つまたは複数の第2の区域において第2の改変された一連の光学特性を得る。そのためには、少なくとも1つまたは複数の第2の区域を加熱し、存在する場合、それによって第II種改変剤中に含まれる溶媒が蒸発し、1つまたは複数の第2の区域において所望の第2の改変されたキラル液晶状態の促進が起こる。溶媒を蒸発させ、第2の改変されたキラル液晶状態の形成を促進するのに用いられる温度は、第II種改変剤の成分に依存し、多くの場合、約55℃〜約150℃、例えば約55℃〜約100℃、好ましくは約60℃〜約100℃の範囲となる。適切な加熱源の例には、慣用的な加熱手段、特に例えば赤外線ランプなどの照射源が含まれる。
【0115】
第II種改変剤、すなわち(第2の)キラル液晶前駆体組成物を第2の改変剤として使用する場合、本発明によるマーキングは2つのキラルネマチック液晶層の単純な重ね合わせと同じでなくまたはそれに相当もしないことをここで理解すべきである。これは、従来技術に優る重要な相違点を構成する。特に、ベースのキラル液晶前駆体組成物が基材上に堆積し、初期キラル液晶状態になる場合、この状態はピッチp1によって特徴付けられる。同様に、第2のキラル液晶前駆体組成物(第II種改変剤)がベース組成物の1つまたは複数の第2の区域に堆積し、第2の改変されたキラル液晶状態になる場合、第2の改変された状態はピッチp2(これはp1と同じであっても異なっていてもよい)によって特徴付けられる。この関連で、本発明の方法で硬化/重合させた後に得られる生成物は、ピッチp1を有する第1のキラル液晶状態とピッチp2を有する第2のキラル液晶状態の重ね合わせではないことを指摘しておく。むしろ、第2の改変されたキラル液晶状態に一旦なされると、第2のキラル液晶前駆体組成物を担持する区域は、p1およびp2とは異なるがp1の性質にいくらか依存するピッチp2’を有する。
【0116】
本発明のさらに他の実施形態では、第2の改変剤は「第III種」改変剤、すなわちキラルドーパント組成物であってもよい。キラルドーパント組成物は好ましくは、上記式(I)および/または関連する式の1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つまたは4つ)のキラルドーパント化合物Cを含む。より好ましい実施形態では、キラルドーパント組成物は、少なくとも1つのキラルドーパント化合物Cならびに式(I)および関連する式の化合物とは異なる少なくとも1つの他のキラルドーパント化合物Dを含む。少なくとも1つのキラルドーパント化合物Dは、例えば欧州特許第0847432号、英国特許第2330139号および米国特許第6,589,445号(これらの開示全体を参照により本明細書に組み込む)に開示されているイソソルビドおよびイソマンニドの誘導体から選択することができる。
【0117】
キラルドーパント組成物(第III種改変剤)中に存在することが好ましいキラルドーパント化合物Cとして、例えば、上記に示したキラルドーパント化合物Bを使用することができる。したがって、化合物Bに関して上記に示したすべてのものが、同等に例外なく化合物Cにも適用される。また、キラルドーパント組成物中に存在する1つの(または唯一の)キラルドーパント化合物Cは、キラル液晶前駆体組成物中に存在する1つの(または唯一の)キラルドーパント化合物Bと同じであってよいことも理解すべきである。
【0118】
キラルドーパント組成物は通常、1つまたは複数のキラルドーパント化合物を組成物の総重量に対して約0.1%〜約30%(重量)、例えば約0.1%〜約25%または約0.1%〜約20%(重量)の総濃度で含むことになる。しばしば、その総濃度は、キラル液晶前駆体組成物の総重量に対して3%〜10%(重量)、例えば5%〜8%(重量)となる。
第I種、第II種および第III種の第2の改変剤に関する追加的な情報は、すべて2010年5月19日出願の米国特許出願番号第12/783,068号、同第12/783,078号、同第12/783,081号および同第12/783,088号(これらの開示全体を参照により明確に本明細書に組み込む)に見ることができる。
【0119】
特に、キラルドーパント組成物を上記に示した印刷技術、例えばインクジェット印刷で適用しようとする場合、その組成物は通常、粘度を使用する適用(印刷)技術に適した値に調節するために、溶媒を含むことになる。インクジェット印刷インクのための典型的な粘度値は25℃で約4〜約30mPa.sの範囲である。適切な溶媒は当業者に公知である。その非限定的な例には、低粘度で若干極性の非プロトン性有機溶媒、例えばメチルエチルケトン(MEK)、アセトン、酢酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、トルエンおよびその2つ以上の混合物などが含まれる。本発明の関連で使用される印刷技術に必要な他の適切な成分(樹脂、塩等)も存在していてよく、それらは当業者に公知である。例えば、キラルドーパント組成物は、例えば連続式インクジェットプリンターなどのプリンターと組み合わせて使用できるように、例えば十分な導電性をキラルドーパント組成物に付与するための塩などの1つまたは複数の導電性付与剤を含むことができる。適切な導電性付与剤の例には、本発明のキラル液晶前駆体組成物で使用するための導電性付与剤の例として上記に示したもの、例えば硝酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、チオシアン酸カリウム、過塩素酸リチウムおよび当技術分野で公知の他の導電性付与剤などが含まれる。
【0120】
初期の一連の光学特性を示す初期キラル液晶状態のキラル液晶前駆体組成物の1つまたは複数の第2の区域に(また任意で1つまたは複数の第1の区域またはその一部にも)キラルドーパント組成物を適用した後、1つまたは複数の第2の区域は、第2の改変された一連の光学特性を有する第2の改変されたキラル液晶状態になる。そのためには、キラルドーパント組成物が適用されている少なくとも1つまたは複数の第2の区域を加熱し、存在する場合、それによって組成物中に含まれる溶媒が蒸発し、所望の第2の改変されたキラル液晶状態の促進が起こる。溶媒を蒸発させ、第2の改変されたキラル液晶状態の形成を促進するのに用いられる温度は、例えばキラルドーパント組成物の成分に依存し、多くの場合、約55℃〜約150℃、例えば約55℃〜約100℃、好ましくは約60℃〜約100℃の範囲となる。適切な加熱源の例には、慣用的な加熱手段、特に、例えば赤外線ランプなどの照射源が含まれる。
【0121】
本発明によるマーキングにおいて、1つまたは複数の第2の改変剤(第I種改変剤、および/または第II種改変剤および/または第III種改変剤)の堆積は、好ましくは印刷技術、特に連続式インクジェット印刷、ドロップオンデマンド式インクジェット印刷、バルブジェット印刷および噴霧コーティングから選択される技術を用いて、初期キラル液晶状態のキラル液晶前駆体組成物の1つまたは複数の第2の区域上(その第2の区域は、そのなかで組成物が第1の改変されたキラル液晶状態にある1つまたは複数の第1の区域またはその一部を含むかまたは全くそれだけであってよい)で実施することができる。特に、重合または部分的に重合した液晶上でレーザーまたは抽出剤を使用する従来技術と比較した利点は、ほぼリアルタイムでもたらされるマーキングの形成の速度および容易さである。上記印刷技術を用いる他の利点は、キラル液晶状態内において生み出されるマーキングの正確さおよび安定性である。この印刷技術を用いる他の利点は、ほぼリアルタイムで生み出し変えることができるマーキングのほぼ無限の可能性である。好ましい実施形態では、改変組成物を適用するためにインクジェット技術を使用する。コンディショニングラインおよび印刷プレス上への番号付け、コーディングおよびマーキングの用途に一般に使用される工業用インクジェットプリンターは特に適している。好ましいインクジェットプリンターは、単一ノズルの連続式インクジェットプリンター(ラスターまたはマルチレベル偏向プリンターとも称される)およびドロップオンデマンド式インクジェットプリンター、特にバルブジェット式プリンターである。
【0122】
適用されたマーキングの解像度を高めるために、適用されたキラル液晶前駆体組成物の1つまたは複数の第2の区域への第2の改変剤の適用直後に、キラル液晶前駆体組成物の表面の上に、好ましくは(実質的に)それと平行して空気流を通過させるとしばしば有利となる。空気流は、任意の手段で、例えば工業用空気乾燥機で発生させることができる。空気流は、激しくなくかつ/または高速でないものが好ましい。空気の温度は一般に周囲温度(例えば、約20℃)となるが、いくらか低くても高くてもよく、例えば最大で約60℃、最大で約40℃または最大で約30℃であってもよい。「第2の改変剤の適用直後」という語句は、遅滞ない、例えば第2の改変剤の適用の完了に続いて約10秒以下、例えば約5秒以下、約3秒以下、約2秒以下または、約1秒以下の期間内を意味するものとする。
【0123】
その上に第1および第2の(および任意の追加の)改変剤のそれぞれが適用される、適用されたキラル液晶前駆体組成物の区域は通常、適用されたキラル液晶前駆体組成物の全区域の約0.1%〜約99.9%となる。この区域はしばしば、適用されたキラル液晶前駆体組成物の全区域の少なくとも約1%、例えば少なくとも約5%または少なくとも約10%であり、約99%以下、例えば約95%以下または約90%以下である。
【0124】
もちろん、第1の改変剤の場合のように、2つ以上の第2の改変剤(例えば、2つ、3つまたはそれ以上の異なる第2の改変剤)を使用し、それらを、適用されたキラル液晶前駆体組成物上(例えば、適用されたキラル液晶前駆体組成物の異なる区域に)に同時にかつ/または逐次的に適用することができる。単なる例示として、異なる第2の改変剤は2つの異なる第III種改変剤を含むことができる、またはそれらは第I種改変剤、第II種改変剤および第III種改変剤を含むことができる、またはそれらは2つの異なる第II種改変剤および第I種改変剤を含むことができる等である。例えば、最初の第2の改変剤を適用し、その後に当初適用された最初の第2の改変剤が適用されている区域(複数可)の少なくとも一部に(また任意で、最初の第2の改変剤が適用されていない1つまたは複数の区域にも)異なる第2の改変剤を適用することも可能である。この関連で、特に第I種改変剤と第II種改変剤および/または第III種改変剤の両方を使用する場合、好都合であるという理由のため、第II種または第III種改変剤に必要な加熱を、第I種改変剤の場合にも実施することが望ましい場合があることをさらに理解すべきである。言い換えれば、必要というわけではないが、第I種改変剤の適用(および任意でキラル液晶前駆体組成物の表面上へ空気の通過)の後に、キラル液晶前駆体組成物を(再度)加熱してキラル液晶状態をさらに改変するかつ/または第I種改変剤中に存在していた残留溶媒をすべて除去することができる。しかし、大抵の場合、第I種改変剤の適用後の(追加の)加熱操作は必要とならない。それを用いる場合、この(任意の)加熱操作で用いられる温度は、多くの場合、約55℃〜約150℃、例えば約55℃〜約100℃または約60℃〜約100℃の範囲となる。適切な加熱源の例には、慣用的な加熱手段、特に例えば赤外線ランプなどの照射源が含まれる。
【0125】
特に2つ以上の異なる第2の改変剤を用いようとする場合、各ヘッドが異なる改変剤を備えるマルチヘッドシステムを用いて(例えば2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上のヘッドを用いて)印刷工程を実施することができる。そうした構造の利点は、印刷工程の間に、初期キラル液晶状態の連続的に異なる改変、したがって多数の独特のマーキングを得ることができるという点である。マルチヘッドシステムを用いると、それ自体で独特のマーキングを構成する異なる光学特性を有する異なるゾーンを同じマーキング上に得ることもできる(特にそれがデータマトリックスの形態である場合)。種々の多色データマトリックスを有するそうしたデータマトリックスの例は、例えばWO2008/127950およびWO01/24106(これらの開示全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されている。
【0126】
本発明によるマーキングのセキュリティーを強化するために、第2の改変剤は、電磁スペクトルの可視または不可視領域で吸収する1つもしくは複数の顔料および/または染料をさらに含むことができ、および/または1つもしくは複数の発光性の顔料および/または染料をさらに含むことができる。電磁スペクトルの可視または不可視領域で吸収する適切な顔料および/または染料の非限定的な例にはフタロシアニン誘導体が含まれる。適切な発光性の顔料および/または染料の非限定的な例にはランタニド誘導体が含まれる。顔料(複数可)および/または染料(複数可)の存在は、偽造に対するマーキングのセキュリティーを向上させ強化することになる。もちろん、上記で論じた成分に加えて、本発明で使用するための改変組成物は、改変組成物の必要な特性にそれほど悪影響を及ぼさない他の任意の成分/物質を含むことができる。
【0127】
本発明によるマーキングは結局、第1および第2の改変剤(および、用いるなら任意の追加的な改変剤)の作用により局所的に(1つまたは複数の区域で)改変されている組成物を硬化および/または重合させることによって得られる。固定またはハードニングは好ましくは、キラル液晶前駆体組成物中に(および任意で改変剤(複数可)中に)存在する重合性基の重合を誘発するUV光照射によって実施する。
【0128】
したがって、本発明のマーキングを作製するための全工程は、以下のステップ(1つの第1の改変剤および1つの第2の改変剤を用いて):
− 基材または品物の表面上に第1の改変剤を含む機能化された基材を提供するステップ;
− 適用された改変樹脂を少なくとも部分的に、例えば全体的に硬化および/または乾燥させるステップ;
− キラル液晶前駆体組成物が、適用された組成物の1つまたは複数の第1の区域において改変樹脂を覆うように、その上に改変樹脂を有する基材の一部上に(塩含有)キラル液晶前駆体組成物を適用するステップ;
− 適用されたキラル液晶前駆体組成物を加熱してキラル液晶状態にするステップ;
− 第2の改変剤を、キラル液晶状態のキラル液晶前駆体組成物の1つまたは複数の第2の区域に適用するステップ;
− その上に第2の改変剤が適用されているキラル液晶前駆体組成物を加熱するステップ(第II種および第III種改変剤のため);
− キラル液晶ポリマー状態で液晶前駆体組成物を硬化/重合させて(および任意で、改変樹脂の硬化および/または乾燥を完了させて)本発明によるマーキングを得るステップ
を含むことができる。
記述した作製工程が終るまで、キラル液晶前駆体組成物の実質的な硬化/重合は起こらないことをここで記しておくこととする。
機能化された基材ということは、本発明による第1の改変剤を含む上述したような基材(例えば、上述したように硬化および/または乾燥させた少なくとも1つの樹脂、
図1を参照されたい)を意味する。
【0129】
以下の実施例は本発明を例示するためのものであるが、本発明を限定するものではない。
【0130】
実施例1
PET基材(厚さ50μm)を第1の改変剤として使用されるUV硬化性樹脂で機能化する。この第1の改変剤を、フレキソ印刷工程を用いて基材上の1つまたは複数の第1の区域に堆積させUV乾燥機で硬化させる。機能化された基材をベルトコンベヤー上に載せ、キラル液晶前駆体組成物(以下の組成物1を参照されたい)を含む第1の連続インクジェットノズル(ヘッド1;Domino、UKからのCIJプリンター;ジェット圧力2500〜3000mbar;ノズル幅75μm)の下を通過させる。ヘッド1は組成物1の層(厚さ5μm)を機能化された基材上に適用する。続いてこうしてコーティングされた基材を赤外線ランプ(ストリップ赤外線、PCS Inc.& Research Inc.、USA;ランプ長さ15cm;500W max)で約1秒間加熱し、それによって組成物1のキラル液晶状態を促進させる。この段階で、機能化された基材の頂部にあるキラル液晶層は、組成物1が基材に直接適用されている、すなわち第1の改変剤が存在しない区域において得られる初期の一連の光学特性とは異なっている第1の改変された一連の光学特性を示す1つまたは複数の第1の区域(樹脂が堆積している区域に位置する)を含む。続くステップにおいて、その上にキラル液晶層を有する基材を、第1の改変剤が適用されなかった1つまたは複数の区域の基材の頂部に第2の改変剤(以下の組成物2を参照されたい)を適用する第2の連続インクジェットノズル(ヘッド2)の下を通過させる。得られた生成物を周囲空気流にかける。第2の改変剤が堆積している区域(複数可9において、第2の改変された一連の光学特性が現れてくるのが観察される。この第2の一連の光学特性は、初期の一連の光学特性と異なり、第1の一連の光学特性とも異なる。次いで、3つの異なる区域(初期、第1および第2の区域)を有する基材を、UV乾燥機(上記参照)を用いて硬化に供して液晶ポリマー状態を固定させ、少なくとも3つの異なる一連の光学特性を示す本発明によるマーキングを得る。
【表1】
【表2】
【0131】
実施例2
組成物2を以下に示す組成物3に置き換えて、実施例1を繰り返す。実施例1とは対照的に、組成物3の適用後、得られる生成物を周囲空気流にかけるだけでなく、赤外線ランプで約1秒間加熱もして組成物3のキラル液晶状態を促進させる。
【0132】
実施例1および2で示した手順を
図1に例示する。
【表3】
【0133】
実施例3および4
ヘッド2が、完全にまたは部分的に重なるまたは1つもしくは複数の第1の区域内に位置する1つもしくは複数の第2の区域で、組成物2(実施例1)または組成物3(実施例2)を適用し、それによって、初期、第1および第2の一連の改変された特性と異なる(第3の)改変された一連の光学特性を示す1つまたは複数の区域を生み出すことを除いて、実施例1および実施例2を繰り返す。対応するパターン(実施例1および2によって得られたものを含む)を
図2に例示する。これは、例えば、限られた区域内の異なる光学特性(例えば、異なる色)のドットの合計であるデータマトリックスを作り出すのを可能にし、それによってセキュリティーレベルを向上させる(例えば、第2の改変剤が蛍光染料を含む場合)。
図3では、以下のような実施例におけるようにして生成されるデータマトリックスコードの形態のマーキングを示す:
第1の改変剤は矩形の形状であり、これは、データマトリックスの形態で第2の改変剤によってさらに改変されている液晶ポリマー層に重ね合わされる。
【0134】
上記の実施例は単に説明のために提供されており、本発明を限定するものと決して解釈されるべきではないことを記しておく。例示的実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本明細書で使用されている言葉は、限定する言葉ではなく説明および例示をする言葉であることを理解すべきである。その態様において本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で、やがて記述され修正されるように変更を加えることができる。本発明を、特定の手段、材料および実施形態を参照して本明細書で説明してきたが、本発明を、本明細書で開示した特定のものに限定しようとするものではなく;むしろ、本発明を、添付の特許請求の範囲内にあるものなどの、すべての機能的に均等な構造物、方法および使用に拡大するものである。