(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記積雪段階において、インナードラムを水平方向を中心に回転させながら、インナードラムの内部に配置された搬送管の流出開口から粉雪を流出させる、請求項5に記載の積雪方法。
前記粉雪の粒子の大きさ、およびサイクロンにおける粉雪の旋回流の最大径に応じて、搬送空気の搬送速度を調整することにより、サイクロン方式により、搬送空気と粉雪とを一部分離する、請求項1に記載の積雪方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る積雪ユニットおよび積雪方法の実施形態を図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
以下では、本発明に係る積雪ユニットをタイヤの雪上試験に適用する場合を例として、詳細に説明する。
積雪ユニットにより積雪する雪は、人工雪、自然雪のどちらもでよく、また、雪質としては、乾き雪、湿り雪、シャーベット雪等含水率の低いものから高いものまで、任意に選択すればよい。
特に、人工雪の場合には、たとえば、製氷した氷片を砕氷して、所定粒径の氷粒として、それを積雪させてもよい。
一方、積雪する目標面は、水平方向を中心に回転可能なインサイドドラムの内周面であり、内周面に積雪した雪を利用して、積雪面に試験タイヤを当てて、インサイドドラムを水平方向を中心に回転させることにより、タイヤの雪上試験を行うようにしている。
より詳細には、積雪ユニット10は、水平方向に回転可能なインサイドドラム12の内部スペースに配置され、インサイドドラム12の内周面14に圧雪層Lを形成し、形成した圧雪層Lの上面27にタイヤTを押し当てた状態で、インサイドドラム12を水平方向を中心に回転させることにより、タイヤTの雪上試験を行うようにしている。
【0013】
図1に示すように、タイヤ試験装置について、インサイドドラム12は、円筒形状であり、ドラムを水平方向の軸線P1周りに回転可能に保持するドラム保持部28と、ドラム保持部28に付設したドラム回転駆動部30と、ドラム本体32の内周面14に形成した圧雪路面11に対して試験タイヤTの外周面を所要の荷重で接触させながら試験タイヤTを水平方向の軸線周りに回転可能に支持する試験タイヤ保持部34と、タイヤ保持部に付設したタイヤ回転駆動部36とを備えている。
【0014】
ドラムは鋼製で、内周面14が平滑面とされたドラム本体32と、ドラム本体32の一端面を閉鎖する円板形状の背面壁38を備え、他端面は開口とし、開口の周縁に沿って内鍔部を設け、開口をたとえばビニルシート25で覆い、インサイドドラム12の内部を密閉スペース20としている。
インサイドドラム12の内部に構成される密閉空間が、密閉スペース20を構成し、積雪ユニット10は、密閉スペース20内に配置される。
図2に示すように、積雪ユニット10は、先端部にサイクロン部66を付設した搬送管17と、搬送管17の噴出開口33に対向して付設した拡散用斜板75と、搬送管17の噴出開口33近傍に配置された水噴射ノズル43とから、概略構成されている。
【0015】
図2に示すように、搬送管17の先端側には、サイクロン部66を有し、雪粒を搬送空気に乗せて積雪予定面11まで到達させつつ、積雪予定面11に積もる雪粒を乱さない程度に、サイクロン方式により、搬送空気と雪粒とを一部分離する。
【0016】
より詳細には、
図2に示すように、サイクロン部66の内部には、上下方向に伸延して固気分離する固気分離空間68が形成されている。固気分離空間68は、内部で旋回流を発生しやすいように氷雪排出口72に向かって先細の、たとえば円錐形状をなし、サイクロン部66には、固気分離空間68が、搬送管17の搬送空間を搬送空気により圧送されてくる氷雪から、搬送空気等の気体を、氷雪等の固体粒子と、遠心力により分離し得るように、それら固体粒子が旋回流を形成し得るように形成されている。また、サイクロン部66の上方の側面には、搬送管17に接続した流入口70が形成されており、サイクロン部66には、流入口70が、搬送空気により圧送されてくる氷雪を搬送空気と共に、固気分離空間68に取込み得るように設けられている。
【0017】
サイクロン部66の下方には、氷雪排出口72が、下方(図中下方)に向けて開口する形で設けられており、即ち、サイクロン部66には、氷雪排出口72が、サイクロン部66により分離された氷雪等の固体粒子を外部に排出し得るように設けられている。サイクロン部66には、サイクロン部66により分離された搬送空気等の気体を取り出す空気取出管69が、サイクロン部66の上部を、サイクロン部66の中心を通って、貫通する形で設けられており、空気取出管69の端部には、抽出口71と給気口73がそれぞれ形成されている。このうち空気取出管69の抽出口71は、サイクロン部66の固気分離空間68において、下方(図中下方)に向けて開口しており、また、抽出口71は、サイクロン部66の流入口70よりも下方に形成されている。なお、空気取出管69がサイクロン部66を貫通した部分は、気密状態を保持する形で貫通して設けられている。
【0018】
特に、空気取出管69には、調整弁67が設けられ、調整弁67の開度を調整することにより、氷雪排出口72から排出される搬送空気の割合を調整し、氷雪排出口72から排出される氷粒と搬送空気とを一部分離することが可能となるようにしている。より詳細には、調整弁67を全開とすれば、氷粒と搬送空気とが完全分離されるところ、それでは、氷雪排出口72から排出される搬送空気を利用して、氷粒を積雪予定面11に供給することが困難となる一方、調整弁67を全閉とすれば、氷粒と搬送空気とがまったく分離されず、氷雪排出口72から排出される搬送空気により、積雪予定面11上の積雪が乱され、積雪面に凹凸が生じたりするところ、調整弁67の開度を適宜調整することにより、積雪予定面11上の積雪が乱されないようにしつつ、氷雪排出口72から排出される搬送空気を利用して、氷粒を積雪予定面11に供給することが可能となるように、氷粒と搬送空気とを一部分離するようにしている。
【0019】
搬送管17内で空気搬送により雪粒を搬送し、搬送管17の下流側に連通して接続されたサイクロン部66の流出開口を積雪予定面11から所定距離に配置して、雪粒 を流出口から搬送空気の噴流により、積雪予定面11まで到達させる。
雪粒が、乾き雪であり、粒径がたとえば、0.2ミリないし0.3ミリ(粒径分布において、重量割合での最頻度粒径)である場合、サイクロン部66の流出開口を積雪予定面11から1メートル以内に配置する。
雪粒の粒子の大きさ、およびサイクロン部66における雪粒の旋回流の最大径に応じて、搬送空気の搬送速度を調整することにより、サイクロン方式により、搬送空気と雪粒とを一部分離する。
【0020】
図3に示すように、拡散用傾斜板75には、雪粒を下向きに圧送する搬送管17の噴出開口33に対して対向するように配置された傾斜面74が設けられ、傾斜面74は、噴出開口71から噴出する雪粒の噴雪流が傾斜面74に衝突することにより、噴雪流が噴出開口71より下方レベルの圧雪形成面11上に拡散して積雪するように、雪粒の噴出方向に対して所定角度α傾斜する向きとされる。
傾斜面74は、所定角度α傾斜する向きとする際、噴出開口71の雪粒の噴出方向への傾斜面74への投影領域が、傾斜面74内に包含されるような大きさを有する。これにより、噴出開口71から噴出する雪粒のすべてが、傾斜面74に衝突して確実に拡散するにしている。
【0021】
噴出開口71は、円形であり、傾斜面74は、搬送管17により支持された傾斜円板75の上面27が構成し、上面27は、たとえばテフロン加工の難着雪性であり、噴出開口71に向かって凹状の湾曲面部76と、湾曲面の下端78に連続的に滑らかに連なる平面部80とを有し、湾曲面部76から平面部80に向かって下方に延びるように配置される。湾曲面部76が設けられる側は、傾斜面74により雪を拡散させながら飛散させる向きの遅れ側である。
特に、含水率が0%の乾き雪、約1〜20%の湿り雪、約21〜95%のシャーベット雪、約96%以上の雪水と分類した場合、乾き雪の場合には、
図3(A)に示すように、湾曲面部76のない平面部80だけの傾斜面74でよく、一方、湿り雪あるいはシャーベット雪の場合には、
図3(B)に示すように、湾曲面部76と平面部80とを有する傾斜面74が好ましく、いずれにせよ、
図3(C)に示すように、噴出開口33から噴出する雪粒のすべてが傾斜面74に衝突して確実に拡散し、圧雪形成面11上に到達するまでに、さらに拡散して、圧雪形成面11上での積雪エリアを拡げることが可能である。
図3(D)(
図3(C)の線A−Aに沿う断面図)に示すように、拡散領域の厚みDは、雪粒の初期噴出速度と、雪粒と搬送空気との混合比とにより大きく影響を受けるところ、特に、雪粒の初期噴出速度を所定速度以上に確保したうえで、混合比を調整することで所望の拡散効果を得ることが可能である。この場合、噴出開口33と積雪予定面11との間隔が近く、積雪予定面11に対する搬送空気の影響が強く、積雪予定面11上の積雪が乱される可能性がある場合には、サイクロン部66により、調整弁67の開度を上げることにより、氷雪排出開口72から流出する搬送空気を低減すればよい。
拡散用傾斜板75は、棒状部材80を介して搬送管17により支持される。棒状部材80は、上端が、搬送管17に連結され、搬送管17の中心軸線上を延び、下端78が傾斜円板75の中心部に連結し、それにより、傾斜円板75は、搬送管17により支持される。これにより、雪粒が噴出開口33から噴出する際、棒状部材80により阻害されないようにしている。
なお、傾斜円板75は、搬送管17と同心状に配置され、拡散用傾斜板75の中心を通る鉛直方向を中心に回転可能とされ、それにより、雪粒の噴雪流の目標積雪面に対する拡散領域82が連続的に変更されるようにしてもよい。
【0022】
図4(C)に示すように、搬送管17の噴出開口33から流出する微小氷粒に対して水を噴霧する水スプレー43は、雪と水を均一に混合せしめ、先端から所要の含水率の雪粒として噴出せしめるものであり、噴出開口33に対向して設ける拡散用斜板75により雪が拡散しているところに、水を噴射するように水スプレー43を配置している。
水スプレー43は、傾斜面74により拡散する雪粒に対して、目標積雪面に積雪する前に、水を雪粒の噴雪流に向かって拡散状に噴射し、それにより、目標積雪面の上方に、噴雪流と噴水流との混合空間が形成されるようにしている。
【0023】
変形例として、
図4(A)に示すように、搬送管17の周方向に互いに間隔を隔てた適数個の水吹出管60を、筒体軸線の延長線上に向けて筒体の外周に設け、筒体からの雪に噴射水を吹きつけて雪粒として噴出せしめるように構成してもよいし、
図4(B)に示すように、搬送管17の噴出開口33のまわりに水スプレー43を設けずに、噴出開口33から噴出した雪に対して、水を噴射するように水スプレー43を配置してもよい。
【0024】
以上の構成を有する積雪ユニット10について、その作用を以下に説明する。
まず、積雪に利用する雪を準備する。より詳細には、たとえば、製氷し、製氷した氷を破砕して所定粒径の微小氷とする。
次いで、積雪予定面を取り囲む密閉スペースを所定温度かつ所定湿度に管理する。雪粒径が、0.2ミリないし0.3ミリの場合、所定温度は、−3℃ないし0℃であり、所定湿度は、80%以上である。
【0025】
次いで、密閉スペース内に導かれる搬送管17を介して、圧送空気により微小氷からなる雪粒を密閉スペース内まで搬送する。
この場合、搬送管17の先端部のサイクロン部66により、搬送空気と雪粒とを一部分離し、それにより、搬送空気により積雪予定面に積雪中の雪を乱すことがないようにしている。
具体的には、サイクロン方式により、空気搬送される雪粒に対して遠心力により旋回流を生じさせることで、搬送空気と雪粒とを一部分離し、雪粒が搬送空気に乗って積雪予定面11まで達する一方、積雪予定面11に積もる雪粒を乱さないようにすることで、搬送空気により積雪予定面11上の積雪が巻き上がることなく、積雪予定面11に効率的に積雪させることが可能である。
【0026】
さらに、一部分離された雪粒が噴出開口33から噴出する際、拡散用傾斜板75に衝突させることにより、雪粒が噴出方向の横方向に拡散し、積雪予定面11の広い範囲に亘って、偏りなく積雪させることが可能である。
具体的には、
図2に示すように、搬送管17内において搬送空気により噴出開口33に向かって雪粒を下向きに圧送する場合、傾斜面74を噴出開口33に対して対向するように配置する際、傾斜面74を雪粒の噴出方向に対して所定角度α傾斜する向きとしたうえで、傾斜面74において、噴出開口33の雪粒の噴出方向への傾斜面74への投影領域が、傾斜面74内に包含されるような大きさとすることにより、搬送管17内を搬送空気により圧送される雪粒が噴出開口33より噴出する際、雪粒の噴雪流が確実に傾斜面74に衝突することにより、傾斜面74の雪粒の噴出方向に対する傾斜角度αに応じて、雪粒は噴出開口33より下方レベルの目標積雪面に到達するまでに拡散することから、雪を目標積雪面上に効率的かつ一様に積雪させることが可能である。
【0027】
次いで、水スプレー43により、所定の含水率で雪に含水させる。
具体的には、拡散した雪粒が積雪予定面11に積雪する前に、水スプレー43より水を雪粒に向かって拡散状に噴射することにより、雪粒の噴雪流を一様に含水することが可能であり、しかも搬送空気の圧送度に応じて水噴射の水圧を上げる必要もないので、所望の含水率の雪を生成することが可能であり、一様に含水した所望の含水率の雪を効率良く積雪することが可能である。
【0028】
次いで、密閉スペース20内で、温度および湿度管理された積雪予定面11に含水した雪を供給して、雪を所定厚みにて積層させる。
この場合、含水段階および積層段階は、所定温度および所定湿度に管理された圧送空気を用いて、搬送管17により微小氷を空気圧送しつつ、密閉スペース20内で、搬送管17の噴出口33において、噴出口33から流出する微小氷に対して水を噴霧させる。
さらに、積雪層に対して、たとえば上方から内周面に向かって圧雪することにより、インサイドドラム12の回転により積雪層が内周面から剥離しないように処置をした後に、目標厚みに向かって形成中の圧雪層の表面に対してタイヤTを押し当てながら、タイヤTおよび/またはインサイドドラム12を回転することにより、圧雪層の形成とオンラインでタイヤTの雪上試験に利用する。なお、試験タイヤT はホイールリムをつけて所要の空気圧を充填したタイヤTを用い、ホイールリムの軸孔に支持軸を挿入している。
【0029】
以上の構成を有する積雪方法によれば、サイクロン方式により、空気搬送される粉雪に対して遠心力により旋回流を生じさせることで、搬送空気と粉雪とを一部分離し、粉雪が搬送空気に乗って目標面まで達する一方、目標面に積もる粉雪を乱さないようにすることで、搬送空気により目標面上の積雪が巻き上がることなく、目標面に効率的に積雪させることが可能である。
【0030】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態において、搬送管17により積雪予定面11に向かって雪を鉛直真下に噴出させる場合として説明したが、それに限定されることなく、斜め下方でもよい。
たとえば、本実施形態において、拡散用傾斜板75の形状は、円形として説明したが、それに限定されることなく、搬送管17の噴出開口33の形状に応じて定めればよく、噴出開口22の雪粒の噴出方向への傾斜面への投影領域が、傾斜面内に包含されるような大きさを有する限り、非円形でもよい。
【0031】
たとえば、本実施形態において、積雪をタイヤの雪上試験に利用する場合として説明したが、それに限定されることなく、搬送空気の一部を粒の拡散噴出にほどよく利用する用途である限り、粉体関連について、食品加工ラインのベルトコンベヤ上の加工品に対して粉の拡散吹き付けに利用してもよく、特に、水噴射スプレーも組み合わせて、液体調味料(甘味料、果汁)を吹き付けてもよい。
【0032】
たとえば、本実施形態において、拡散用斜板により雪を拡散後、雪に含水させるものとして説明したが、それに限定されることなく、乾き雪の積雪が必要な場合には、水噴射ノズルによる含水を省略してもよく、あるいは水噴射ノズルは、形成された積雪層の上面に対して水を供給することにより、上面を下地処理するのに用いたり、あるいは兼用してもよい。