特許第5764954号(P5764954)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5764954
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20150730BHJP
   G03G 15/06 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   G03G21/00 500
   G03G15/06 101
【請求項の数】3
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2011-25259(P2011-25259)
(22)【出願日】2011年2月8日
(65)【公開番号】特開2012-163847(P2012-163847A)
(43)【公開日】2012年8月30日
【審査請求日】2014年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(72)【発明者】
【氏名】古山 哲也
(72)【発明者】
【氏名】牧浦 伸哉
【審査官】 佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−137869(JP,A)
【文献】 特開2009−053275(JP,A)
【文献】 特開平07−036263(JP,A)
【文献】 特開2007−010935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 15/06
G03G 15/08
G03G 21/00
G03G 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に支持された像保持体と、
前記像保持体に対向する帯電領域において、前記像保持体の表面を帯電させる帯電部材と、
前記帯電部材に対して前記像保持体の回転方向下流側の潜像形成領域において、帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記潜像形成装置に対して前記像保持体の回転方向下流側の現像領域において、前記像保持体と対向して配置され且つ表面に現像剤を保持して回転する現像剤保持体であって、前記像保持体の前記潜像に対して前記現像剤保持体の現像剤を移動させる現像電圧が電源から印加される前記現像剤保持体を有し、前記像保持体の表面に形成された前記潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記像保持体の回転方向に対して、前記現像装置の下流側且つ前記帯電部材の上流側に配置され、前記像保持体の表面に接触して現像剤を清掃する清掃部材と、
前記現像が実行される場合に、前記現像剤保持体を前記電源に接続して前記現像電圧を印加すると共に、前記可視像を形成する画像形成動作が途中で中断されて前記像保持体の回転が停止された場合に、少なくとも前記像保持体の回転が再開されてから、前記像保持体の回転の再開後に帯電された前記像保持体の表面の前端が、前記現像領域を通過してから1回転以上前記像保持体が回転するまで、前記現像剤保持体に対する前記電源からの前記現像電圧の印加を停止し且つ前記現像剤保持体を電位の変化が自由な状態にして前記現像剤保持体の電位を前記現像領域を通過する前記像保持体の表面の帯電電位に応じた電位にする前記現像電圧の制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成動作が途中で中断されて前記像保持体の回転が停止された場合に、前記現像剤保持体に対する前記電源からの前記現像電圧の印加を停止し且つ前記現像剤保持体を電位の変化が自由な状態にして前記現像剤保持体の電位を前記現像領域を通過する前記像保持体の表面の帯電電位に応じた電位にする前記現像電圧の制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像保持体の回転方向に対して、前記現像領域の上流側に配置され且つ前記像保持体の表面を除電する除電部材、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、現像剤の一例として、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を使用する場合に、感光体の異常帯電やキャリアの劣化等により、感光体表面にキャリアが移動してしまう現象、いわゆる、BCO:Bead Carry Overの発生が知られている。BCOを低減する構成に関して、下記の特許文献1、2に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2000−105523号公報には、用紙詰まり解消後の画像形成動作の復帰動作時、いわゆる、ジャムリカバリー実行時に、感光体(PR)表面の残留トナーを感光体クリーナ(CL1)に除去させるために、帯電器(CSC)への電圧の印加を停止した状態で感光体(PR)を回転させる構成が記載されている。また、特許文献1には、ジャムリカバリー動作前に帯電された感光体(PR)表面が現像ロール(DR)と対向する位置を通過する際に、−500Vの直流現像バイアス(DC)を現像ロール(DR)に印加して、プラスに帯電するキャリアを現像ロール(DR)に静電的に吸引することにより、マイナスの直流現像バイアス(DC)を現像ロール(DR)に印加しない構成に比べて、BCOの発生を低減する技術が記載されている。
【0004】
特許文献2としての特開2000−206837号公報には、記録材(P)のジャム等の異常が発生し、画像形成動作が緊急停止した場合に、転写帯電器(7a)や現像部(6)等の電源をオフにし且つ感光体ドラム(2)が慣性で回転して、画像形成動作の緊急停止前に転写帯電器(7a)と対向した領域が、剥離帯電器(8a)を通過するまで、剥離帯電器(8a)に電源供給して感光体ドラム(2)の表面を除電することで、転写電圧により感光体(2b)表面が正電荷を帯びる、いわゆる、帯電メモリを低減する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−105523号公報(「0041」、「0043」、「0044」、「0049」〜「0054」、「0058」〜「0061」、「0066」、図1図3図5図7
【特許文献2】特開2000−206837号公報(「0038」、「0040」、「0043」〜「0048」、図1図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、構成を簡素化しつつ、像保持体表面への異物の移動を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の画像形成装置は、
回転可能に支持された像保持体と、
前記像保持体に対向する帯電領域において、前記像保持体の表面を帯電させる帯電部材と、
前記帯電部材に対して前記像保持体の回転方向下流側の潜像形成領域において、帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記潜像形成装置に対して前記像保持体の回転方向下流側の現像領域において、前記像保持体と対向して配置され且つ表面に現像剤を保持して回転する現像剤保持体であって、前記像保持体の前記潜像に対して前記現像剤保持体の現像剤を移動させる現像電圧が電源から印加される前記現像剤保持体を有し、前記像保持体の表面に形成された前記潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記像保持体の回転方向に対して、前記現像装置の下流側且つ前記帯電部材の上流側に配置され、前記像保持体の表面に接触して現像剤を清掃する清掃部材と、
前記現像が実行される場合に、前記現像剤保持体を前記電源に接続して前記現像電圧を印加すると共に、前記可視像を形成する画像形成動作が途中で中断されて前記像保持体の回転が停止された場合に、少なくとも前記像保持体の回転が再開されてから、前記像保持体の回転の再開後に帯電された前記像保持体の表面の前端が、前記現像領域を通過してから1回転以上前記像保持体が回転するまで、前記現像剤保持体に対する前記電源からの前記現像電圧の印加を停止し且つ前記現像剤保持体を電位の変化が自由な状態にして前記現像剤保持体の電位を前記現像領域を通過する前記像保持体の表面の帯電電位に応じた電位にする前記現像電圧の制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記画像形成動作が途中で中断されて前記像保持体の回転が停止された場合に、前記現像剤保持体に対する前記電源からの前記現像電圧の印加を停止し且つ前記現像剤保持体を電位の変化が自由な状態にして前記現像剤保持体の電位を前記現像領域を通過する前記像保持体の表面の帯電電位に応じた電位にする前記現像電圧の制御手段、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記像保持体の回転方向に対して、前記現像領域の上流側に配置され且つ前記像保持体の表面を除電する除電部材、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、像保持体の回転再開後に現像剤保持体を電位の変化が自由な状態にしない場合に比べ、構成を簡素化しつつ、像保持体表面への異物の移動を低減できる。また、請求項1に記載の発明によれば、像保持体の回転の再開から少なくとも像保持体の回転の再開後に帯電された像保持体の表面の前端が、現像領域を通過してから1回転以上像保持体が回転するまで現像剤保持体を電位の変化が自由な状態にしない場合に比べ、像保持体と清掃部材との間の摩擦力の強弱の変化を低減でき、清掃部材がめくれて清掃機能が低下することを低減できる。
請求項2に記載の発明によれば、像保持体の停止時に現像剤保持体を電位の変化が自由な状態にしない場合に比べ、停止時に像保持体が慣性回転した際に像保持体表面に異物が移動することを低減できる。
請求項3に記載の発明によれば、画像形成動作が途中で中断された際に、像保持体の表面が除電される場合には、像保持体の表面の帯電ムラを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は実施例1の画像形成装置の斜視図である。
図2図2は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図3図3図2のトナー像形成装置の要部拡大図である。
図4図4図3のIV−IV線断面図である。
図5図5は実施例1の画像形成装置の制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図である。
図6図6は実施例1の各部材に印加される電圧の説明図である。
図7図7は実施例1のジャム発生画像の説明図であり、図7Aは実施例1の第1ジャム発生画像の説明図、図7Bは実施例1の第2ジャム発生画像の説明図、図7Bは実施例1の第3ジャム発生画像の説明図である。
図8図8は実施例1のジャム発生判別処理のフローチャートである。
図9図9は実施例1のリカバリ制御処理のフローチャートである。
図10図10は実施例1の作用説明図であって、リカバリ動作時の感光体表面の状態説明図であり、図10Aは書込済領域が現像領域を通過する状態の説明図であり、図10Bは帯電済領域が現像領域を通過する状態の説明図であり、図10Cは未帯電領域が現像領域を通過する状態の説明図であり、図10Dはリカバリ済領域が現像領域を通過する状態の説明図であり、図10Eは感光体が1回転した状態の説明図である。
図11図11は実施例1の作用説明図であり、縦軸を電位[V]、横軸を時間[sec]としてジョブ中断から再開するまでにおける現像領域で対向する感光体表面と現像ロール表面との電位差を示す折れ線グラフの説明図であり、図11Aはジョブ中断時に現像ロールをアースした場合の説明図であり、図11Bはリカバリ動作時に感光体表面の電位に応じたリカバリ動作用の現像電圧が現像ロールに印加された場合の説明図であり、図11Cはジョブ中断時に現像ロールを電気的にフロートした場合の説明図である。
図12図12は実施例1の作用説明図であり、書込済領域における書込部の電位と非書込部の電位と書込済領域全体の電位の平均値との関係を示す説明図である。
図13図13は変更例のコンデンサに切り替える例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例である実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0013】
図1は実施例1の画像形成装置の斜視図である。
図1において、実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、プリンタ本体U1の上面に第1の媒体排出部の一例としての第1排紙トレイTRh、いわゆる、フェイスダウントレTRhが設けられている。前記第1排出トレイTRhの媒体排出方向先端側の上面前部には、利用者が入力操作する操作部UIが設けられており、前記操作部UIには表示部等が設けられている。
プリンタUの上部前面には、前開閉部の一例としてのフロントパネルUaが配置されている。前記フロントパネルUaは、下端部に配置されて左右方向に延びる図示しない回転軸により、プリンタ本体U1に開閉可能に支持されている。したがって、現像剤容器の一例としてのトナーカートリッジや、可視像形成ユニットの一例としてのプロセスユニット等を交換する場合、フロントパネルUaを開けて交換できる。また、プリンタUの左面には、上側の左開閉部の一例としての上側サイドパネルUbと、下側の左開閉部の一例としての下側サイドパネルUcとが配置されている。前記各サイドパネルUb,Ucは、下端部に配置されて前後方向に延びる図示しない回転軸により、プリンタ本体U1に対して開閉可能に支持されている。したがって、プリンタ本体U1内において媒体の詰まり、いわゆる、ジャムが発生した場合、各サイドパネルUb,Ucを開けてジャムを解消できる。
【0014】
図2は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2において、プリンタUには、画像情報送信装置の一例としてホストコンピュータHCが電気的に接続されており、ホストコンピュータHCから送信された画像情報や制御信号等の電気信号は、プリンタUの制御部の一例としてのコントローラCに入力される。前記コントローラCは、入力される画像情報、いわゆる、画像データを一時的に記憶し、前記画像情報を予め設定された時期に潜像形成用の情報に変換して、潜像形成回路の一例としてのレーザ駆動回路DLに出力する。
レーザ駆動回路DLは、入力された情報に応じて駆動信号を潜像形成装置ROSに出力する。なお、前記操作部UI、レーザ駆動回路DLと、後述の現像ロールGa、転写ロールRtに電圧を印加する電源回路E等の動作はコントローラCにより制御される。
【0015】
図3図2のトナー像形成装置の要部拡大図である。
図2図3において、前記潜像形成装置ROSの左方には、黒色のトナー像を形成する可視像形成装置の一例としてのトナー像形成装置U2が配置されている。潜像形成装置ROSから出射された潜像形成光の一例としてのレーザビームLは、回転する像保持体の一例としての感光体PRに入射される。
図2図3において、実施例1のトナー像形成装置U2は、回転軸PRaを中心に矢印方向に回転する感光体PRと、帯電部材の一例としての帯電ロールCRと、現像装置Gと、像保持体用の清掃器の一例としての感光体クリーナCLとを有している。また、前記トナー像形成装置U2はユニット化されており、プロセスユニットとして画像形成装置本体U1に着脱可能に構成されている。前記プロセスユニットU2の着脱は、画像形成装置本体U1の前面に開閉可能に支持されたフロントカバーUaを開放した状態で行われる。
【0016】
図2図3において、前記感光体PRの表面は、帯電領域Q0において帯電電圧が印加される帯電ロールCRにより帯電された後、潜像形成領域の一例としての潜像書込位置Q1において潜像形成装置ROSのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。前記静電潜像が形成された感光体PR表面は回転移動して現像領域Q2、転写領域Q3を順次通過する。
現像装置Gは、内部に現像剤の一例としてのトナーを収容する現像容器Vを有する。前記現像容器V内には、現像領域Q2で感光体PRと対向し且つ現像電圧が印加される現像剤保持体の一例としての現像ロールGaが回転可能に支持されている。また、現像容器V内には、トナーを現像ロールGaに撹拌しながら搬送するトナー撹拌部材Gb,Gcが回転可能に支持されている。したがって、現像ロールGaの回転に伴って表面に保持されたトナーが現像領域Q2に搬送され、現像領域Q2を通過する感光体PR上の静電潜像が可視像の一例としてのトナー像に現像される。
【0017】
図3において、実施例1の現像容器Vには、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤が収容されており、現像容器Vには、トナー濃度検出部材の一例として、現像容器V内の現像剤のトナー濃度、すなわち、現像剤全体に対するトナーの割合を検出するトナー濃度センサSNaが支持されている。
また、現像領域Q2と転写領域Q3との間には、画像濃度検知部材の一例としての画像濃度センサSNbが感光体PRに対向して配置されており、画像濃度センサSNbは、感光体PR表面に形成されたトナー像の画像濃度を検出する。
前記現像容器Vの前端部には、プリンタUに固定支持された現像剤補給装置の一例としてのカートリッジトナー補給装置TH1の補給路の一端が接続されている。前記カートリッジトナー補給装置TH1の補給路の他端は、現像剤収容容器の一例としてのトナーカートリッジTCの排出口TC3に接続されている。
【0018】
図2において、トナーカートリッジTCは、内部にトナーを収容する容器本体の一例としてのカートリッジ本体TC1を有し、前記カートリッジ本体TC1内には容器内搬送部材の一例としてのトナー搬送部材TC2が回転可能に支持されている。したがって、現像装置Gでのトナーの消費に応じて、前記トナー搬送部材TC2が回転駆動してカートリッジ本体TC1内のトナーを、排出口TC3に搬送する。排出口TC3から排出されたトナーは、カートリッジトナー補給装置TH1の補給経路内の図示しない補給用搬送部材により現像装置Gの現像容器Vに搬送される。
前記トナーカートリッジTCは、プリンタUに対して前後方向に挿抜することにより着脱可能に構成されている。前記トナーカートリッジTCの着脱は、画像形成装置本体U1の前面に開閉可能に支持されたフロントカバーUaを開放した状態で行う。
前記感光体PR、帯電ロールCR、静電潜像形成装置ROS、現像装置G等により、感光体PR上にトナー像を形成するトナー像形成装置U2が構成されている。
【0019】
図1図2において、プリンタUの下部には、媒体収容部の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が複数設けられている。複数の給紙トレイTR1〜TR4は、前記転写領域Q3に搬送するための媒体の一例として記録用のシートSを収容している。
図2において、プリンタUの下部内部には、出入される給紙トレイTR1〜TR4の左右両端部を移動可能に支持する容器案内部材の一例としてのレールRL1,RL1が配置されている。したがって、左右一対のレールRL1,RL1により各給紙トレイTR1〜TR4は前後方向に移動可能に支持されており、前記各給紙トレイTR1〜TR4はプリンタUの前面から出入可能である。
【0020】
図2において、前記各給紙トレイTR1〜TR4の給紙側の上部には、給紙装置Kが配置されている。前記給紙装置Kは、媒体取出部材の一例としてのピックアップロールRpと、媒体搬送部材の一例としてのフィードロールおよび媒体分離部材の一例としてのリタードロールからなる捌き部材の一例としてのさばきロールRsとを有する。
給紙装置KのピックアップロールRpにより取出されたシートSは、さばきロールRsにより1枚ずつ分離されて、本体搬送路SH1に給紙される。給紙されたシートSは、本体搬送路SH1に配置された複数の搬送部材の一例としてのシート搬送ロールRaにより搬送される。シート搬送ロールRaにより搬送されたシートSは、時期調整部材の一例としてのレジロールRrにより、感光体PR表面のトナー像が転写領域Q3に移動する時期に合わせて、前記転写領域Q3に搬送される。
【0021】
また、プリンタUの左側部には、手差し部の一例としての手差トレイTR0が装着されている。前記手差トレイTR0から給紙されたシートSは、手差用の追加搬送路SH5から、手差搬送路SH2を通過して、前記本体搬送路SH1のシート搬送ロールRaにより搬送され、レジロールRrにより前記転写領域Q3に搬送される。
図2において、前記転写領域Q3には転写電圧が印加される転写装置の一例としての転写ロールRtが配置されている。この転写ロールRtは転写領域Q3において前記感光体PRに予め設定された圧力で接触しており、転写領域Q3を通過するシートSに感光体PR上のトナー像を転写する。
【0022】
図3において、感光体PR表面のトナー像が転写領域Q3においてシートSに転写された後、前記感光体PRは、感光体クリーナCLの清掃部材の一例としてのクリーニングブレードCL1により表面に付着した残留現像剤の一例としての残留トナーが除去、回収され、清掃される。クリーニングブレードCL1で除去された残留トナーは、清掃容器の一例としてのクリーナ容器CL2に収容される。クリーナ容器CL2内の現像剤は、回収搬送部材の一例としての回収オーガCL3で前方に搬送され、前端に設けられた回収路CL4を通じて、現像容器V内に戻され、再使用される。
なお、前記クリーナ容器CL2の右側下端部には、飛散防止部材の一例としてのフィルムシールFSが配置されている。実施例1の前記フィルムシールFSは、先端が感光体PRの回転方向の上流側に向けて延びて感光体PRに接触し、感光体クリーナCL内に回収されたトナーが外にこぼれ出るのを防止する。
また、感光体クリーナCLにより表面に付着した残留トナーが回収された感光体PRは、前記帯電ロールCRにより再び帯電される。
【0023】
前記転写領域Q3において未定着のトナー像が転写されたシートSは、除電部材の一例としてのデタックソーDTSによってトナー像が転写された面の裏面が除電され、トナー像が未定着の状態で定着装置Fの定着領域Q4に搬送される。定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、加熱ロールFhと加圧ロールFpが接触する定着領域Q4においてトナー像が加熱定着される。
前記トナー像形成装置U2と、転写ロールRt、定着装置Fにより、シートSに画像を記録する画像記録部材U2+Rt+Fが構成されている。
定着トナー像が形成されたシートSは、媒体案内部材の一例としてのシートガイドに案内されて排出部材の一例としての排紙ロールR1に搬送される。シートSは、前記排紙ロールR1により、媒体排出口の一例としてのシート排出口Haから前記第1排紙トレイTRhに排出される。
【0024】
プリンタUの内部の定着装置F上方には、前記シート排出口Haに接続された本体側反転路SH3が設けられている。また、前記手差しトレイTR0の上部には、追加装置である媒体反転装置の一例としてのシート反転装置U3が装着されている。前記シート反転装置U3の内部には、前記本体側反転路SH3に接続される追加反転路の一例としてのオプションシート反転路SH4が形成されている。したがって、両面印刷時には、前記定着領域Q4でトナー像が定着されたシートSは、前記本体シート反転路SH3、オプションシート反転路SH4を通過して、前記レジロールRrに搬送され、前記転写領域Q3に再送される。
前記本体側反転路SH3、オプションシート反転路SH4により、反転路SH3+SH4が構成されている。
【0025】
また、前記シート反転装置U3には、シートSの画像記録面が上面になる状態で排出される追加媒体排出部の一例としてのオプション排紙トレイTRh1、いわゆる、フェイスアップトレイTRh1が設けられている。前記オプション排紙トレイTRh1と前記本体側反転路SH3との間には、追加排出路の一例としてのオプションシート排出路SH6が設けられており、使用者としてのユーザによりオプション排紙トレイTRh1に排出することが指定された場合、シートSは、前記本体側反転路SH3から前記オプションシート排出路SH6を通過して、追加排出部材の一例としてのオプション排紙ロールR2によって前記オプション排紙トレイTRh1に排出される。
また、前記シート反転装置U3の下端部は、プリンタ本体U1によって回転可能に支持された図示しない被支持部を有し、前記シート反転装置U3は、プリンタ本体U1に対して開閉可能に支持されている。したがって、オプションシート反転路SH4やオプションシート排出路SH6においてジャムが発生した場合、シート反転装置U3を開放してプリンタ本体U1から離隔させることにより、ジャムを解消できる。なお、実施例1では、シート反転装置U3を開放された場合に、プリンタ本体U1の上側サイドパネルUbが開放可能となる。
【0026】
また、図1において、実施例1の前記プリンタ本体U1には、レジロールRrの搬送方向上流側に第1の媒体検知部材の一例としての給紙センサSN1が配置されている。また、排紙ロールR1の搬送方向上流側には、第2の媒体検知部材の一例としての排紙センサSN2が配置されている。
また、実施例1の前記シート反転装置U3には、オプションシート反転路SH4上に第3の媒体検知部材の一例としての反転センサSN3が配置されている。また、オプション排出ロールR2の搬送方向上流側には、第4の媒体検知部材の一例としてのオプション排紙センサSN4が配置されている。
【0027】
(現像装置)
図4図3のIV−IV線断面図である。
図3図4において、現像装置Gの現像容器Vは、現像容器本体1と、現像容器本体1の上端を覆う現像装置用蓋部材の一例としての現像容器カバー2とを有している。図4において、前記現像容器本体1の前端には前方に突出する前方突出部3が一体成形されている。図3において、前記現像容器カバー2の左端部には、前後方向に延びる層厚規制部材SKが固定支持されている。層厚規制部材SKの先端は、現像ロールGaに対向して配置されており、現像ロールGaに付着したトナー層の厚みを規制する。
図3において、現像容器本体1の内側には、前記現像ロールGaを収容する現像剤保持体収容部の一例としての現像ロール室4と、前記現像ロール室4に隣接する第1撹拌室6と、前記第1撹拌室6に隣接する第2撹拌室7とを有している。
【0028】
図4において、前記第1撹拌室6は、現像容器本体1側の第1主撹拌室6aと、前方突出部3の左部3a側に形成された回収現像剤流入部の一例としての回収トナー補給室6bとを有する。また、前記第2撹拌室7は、現像容器本体1側の第2主撹拌室7aと、前記前方突出部3の右部3b側に形成された新規現像剤流入部の一例としてのカートリッジトナー補給室7bとを有する。
また、前記回収トナー補給室6bの上部の現像容器カバー2には、回収現像剤流入口の一例としての回収トナー補給口2aが形成されており、感光体クリーナCLの回収路CL4が接続されている。カートリッジトナー補給室7bの上部の現像容器カバー2には、カートリッジトナー補給口2bが形成されている。前記カートリッジトナー補給口2bは、カートリッジトナー補給装置TH1に接続され、前記トナーカートリッジTCからのトナーが補給される。
【0029】
また、前記回収トナー補給口2aは、第1撹拌室6の下流端部に設けられ、カートリッジトナー補給口2bは、第2撹拌室7の上流端部に設けられているため、各補給口2a,2bから補給されたトナー、すなわち新しいトナーまたは回収トナーが、補給後すぐに現像ロールGaに搬送され、現像で使用されないように構成されている。
前記第1撹拌室6と第2撹拌室7との間には、前記第1主撹拌室6aおよび第2主撹拌室7aの両端部以外の部分が仕切壁9によって仕切られている。すなわち、前記第1主撹拌室6aおよび第2主撹拌室7aはその前後方向両端部の前側流入部E1および後側流入部E2において互いに現像剤が流入可能に構成されている。
前記第1撹拌室6および前記第2撹拌室7とによって、実施例1の循環撹拌室6+7が構成されている。
【0030】
図3図4において、前記現像ロールGaは、現像容器Vに固定支持された磁石ロール11と、磁石ロール11の外周に回転可能に支持された現像スリーブ12を有する従来公知の現像ロールである。前記現像ロール室4や第1主撹拌室6aのトナーは、前記磁石ロール11の磁力によって現像ロールGaの現像スリーブ12表面上に吸着、保持される。また、前記現像スリーブ12の前後両端部は現像ロール室4の前面壁と後面壁によって回転可能に支持されており、現像スリーブ12の後端には現像剤保持体用の歯車の一例としてのギアG0が固定支持されている。したがって、ギアG0に駆動が伝達されて現像スリーブ12が回転すると、現像スリーブ12表面に保持された現像剤が現像領域Q2に搬送される。
【0031】
図3図4において、前記第1撹拌室6および第2撹拌室7にはトナーを撹拌しながら搬送する第1撹拌部材Gbおよび第2撹拌部材Gcが配置されている。図4において、前記第1撹拌部材Gbは、前記現像ロールGaの軸方向に伸びる第1回転軸21と、前記回転軸21の外周に支持された螺旋状の第1主搬送羽根22および逆搬送羽根23とを有する。前記第1主搬送羽根22は、トナーを後側から前側に搬送するために後側流入部E2から前側流入部E1にかけて設けられている。前記逆搬送羽根23は、回収トナー補給口2aに対応して設けられており、トナーを第1主搬送羽根22とは逆向きの螺旋状に形成され、第1主搬送羽根22の搬送方向とは逆方向にトナーを搬送することによって、トナーを第1撹拌室6から第2撹拌室7に流入させている。前記回転軸21は前記前側接続部3の左部3aの前面壁と前記現像容器本体1の後面壁によって回転自由に支持されており、回転軸21の後端部には第1撹拌部材用の歯車の一例としてのギヤG1が固定支持されている。
【0032】
図4において、前記第2撹拌部材Gcは、第2回転軸26と、前記第2回転軸26の前端部に支持された螺旋状の補給用搬送羽根の一例としての多重撹拌搬送羽根27と、多重撹拌搬送羽根27の後方に支持された螺旋状の第2主搬送羽根28と、第2回転軸26の後端部に支持された螺旋状の逆搬送羽根29とを有している。
前記多重撹拌搬送羽根27は、トナーを前側から後側に搬送するために前記カートリッジトナー補給口2bから前側連通部E1にかけて設けられている。そして、多重撹拌搬送羽根27は、第2主搬送羽根28と同様の螺旋が二重に配置された構成を有している。したがって、多重撹拌搬送羽根27によるトナーの搬送速度は、第2主搬送羽根28による搬送速度よりも速くなっている。
【0033】
前記第2主搬送羽根28は、トナーを前側から後側に搬送するために前側流入部E1から後側流入部E2にかけて設けられている。撹拌搬送羽根28の前端部分には、第2回転軸26に固定支持され且つ軸方向に沿って延びる複数の平羽根31が設けられている。また、前記第2主搬送羽根28の後端部にも平羽根31が設けられている。前記平羽根31は、トナーに搬送力を付与せず、撹拌を行う。
前記逆搬送羽根29は、後側流入部E2に対応して設けられており、トナーを第2主搬送羽根28の搬送方向の逆方向に搬送することによって、トナーを第2撹拌室7から第1撹拌室6に流入させている。前記第2回転軸26は前側接続部3の右部3bの前面壁と現像容器本体1の後面壁によって回転自由に支持され、後端部には第2撹拌部材用の歯車の一例としてのギアG2が固定支持されている。
【0034】
図4において、前記現像スリーブ12後端のギアG0は、第1回転軸21のギアG1と噛合っており、ギアG1は前記第2回転軸26のギアG2と噛合っている。前記ギアG0には、主駆動源の一例としてのメインモータの回転力が伝達されており、前記メインモータによってギアG0が回転すると、ギアG1はギアG0と逆方向に回転し、前記ギアG1とギアG2は互いに逆方向に回転する。すなわち、前記ギアG1およびギアG2と一体に回転する第1撹拌部材Gbおよび第2撹拌部材Gcは互いに逆方向に回転する。したがって、前記第1撹拌部材Gbおよび第2撹拌部材Gcの回転によって、前記第1撹拌室6および第2撹拌室7の中のトナーは互いに逆方向に搬送され循環している。
前記第1撹拌部材Gbおよび第2撹拌部材Gcによってトナー循環部材Gb+Gcが構成されている。
前記現像容器V、現像ロールGa、第1撹拌部材Gbおよび第2撹拌部材Gc等によって現像装置Gが構成されている。
【0035】
(実施例1の制御部の説明)
図5は実施例1の画像形成装置の制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図である。
図5において、実施例1の画像形成装置UのコントローラCは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されており、外部との信号の入出力、および、入出力信号レベルの調節等を行うI/O、必要な処理を実行するためのプログラム、および、データ等が記憶されたROM、必要なデータを一時的に記憶するためのRAMや、HDD、前記ROMや、前記HDDに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU、ならびにクロック発振器等を有しており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0036】
(コントローラCに接続された信号入力要素)
前記コントローラCには、操作部UI、各センサSNa,SNb,SN1〜SN4等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
前記操作部UIは、プリンタUの電源のオン、オフをする電源釦UI1、表示部UI2、方向入力釦の一例としての矢印キー等の各種の入力釦UI3等を有する。
前記トナー濃度センサSNaは、現像容器V内のトナー濃度を検出する。
前記画像濃度センサSNbは、感光体PR表面のトナー像の画像濃度を検出する。
【0037】
前記給紙センサSN1は、レジロールRrの搬送方向上流側に搬送されたシートSを検知する。
前記排紙センサSN2は、排紙ロールR1の搬送方向上流側に搬送されたシートSを検知する。
前記反転センサSN3は、オプションシート反転路SH4に搬送されたシートSを検知する。
前記オプション排紙センサSN4は、オプション排出ロールR2の搬送方向上流側に搬送されたシートSを検知する。
【0038】
(コントローラCに接続された被制御要素)
コントローラCは、次の被制御要素DL,D1,D2,Eの制御信号を出力している。
DL:レーザ駆動回路
レーザ駆動回路DLは、潜像形成装置ROSを制御して、感光体PR表面に潜像を形成する。
D1:メインモータ駆動回路
主駆動源駆動回路の一例としてのメインモータ駆動回路D1は、主駆動源の一例としてのメインモータM1を駆動することにより、感光体PR等を回転駆動する。
D2:補給制御回路
補給制御回路D2は、補給駆動源の一例としての補給モータM2を駆動することにより、カートリッジトナー補給装置THを作動させる。
【0039】
図6は実施例1の各部材に印加される電圧の説明図である。
E:電源回路
電源回路Eは、現像用電源回路Ea、帯電用電源回路Eb、転写用電源回路Ec、定着装置Fの加熱ロールFhにヒータ加熱用の電源を供給する定着用電源回路Ed、デタックソーDTSに除電電圧Vを印加する除電用電源回路Ee等を有している。
Ea:現像用電源回路
現像用電源回路Eaは、現像装置Gの現像ロールGaに現像電圧Vを印加する。図6において、実施例1の前記現像用電源回路Eaは、現像用の電源の一例としての現像電源Ea1と、現像ロールGaに現像電源Ea1を接続・断線する現像用の切替部材の一例としての現像スイッチEa2とを有する。なお、実施例1では、現像ロールGaから現像電源Ea1が断線された場合には、現像ロールGaが電位の変化が自由な状態、いわゆる、電気的にフロートの状態になるように予め設計されている。また、実施例1の前記現像電圧Vは、−600[V]に予め設定されている。
【0040】
Eb:帯電用電源回路
帯電用電源Ebは、帯電ロールCRに感光体PR表面を帯電させるための帯電電圧を印加する。実施例1の前記帯電電圧(VDC+VAC)は、直流電圧VDCと交流電圧VACとが重畳された電圧となっている。なお、実施例1の前記直流電圧VDCは、−720[V]に予め設定されており、供給される電流IACは、1.2[mA]に予め設定されている。
Ec:転写用電源回路
転写用電源回路Ecは、転写ロールRtにジョブ実行時の転写電圧Vまたは清掃動作時、いわゆる、クリーニング動作時の清掃電圧Vを印加する。
【0041】
図6において、実施例1の前記転写用電源回路Ecは、転写用の電源の一例としての転写電源Ec1と、清掃用の電源の一例としての清掃電源Ec2と、転写ロールRtへの接続を転写電源Ec1と清掃電源Ec2との間で切り替える転写用の切替部材の一例としての転写スイッチEc3とを有する。なお、実施例1では、前記転写電圧Vに応じた電流が+20[μA]となるように定電流制御され、前記転写電圧Vが約1.35[kV]となるように設定されている。また、実施例1の前記清掃電圧Vは、−1.35[kV]となるように定電圧制御されている。
【0042】
(コントローラCの機能)
前記コントローラCは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、コントローラCは次の機能を有している。
C1:ジョブ制御手段
画像形成制御手段の一例としてのジョブ制御手段C1は、受信した画像の情報に応じて、帯電ロールCR、現像装置G、転写ロールRt、定着装置F等の動作を制御して画像形成動作の一例としてのジョブを実行する。
【0043】
C2:メインモータ制御手段
主駆動源制御手段の一例としてのメインモータ制御手段C2は、メインモータ駆動回路D1を介して前記メインモータM1の駆動を制御して、感光体PR、現像装置G、定着装置Fの加熱ロールFh、排出ロールRh等の駆動を制御する。
C3:電源制御手段
電源制御手段C3は、現像電圧の制御手段C3Aと、帯電電圧の制御手段C3Bと、転写電圧の制御手段C3Cと、定着電源の制御手段C3Dと、除電電圧の制御手段C3Eとを有し、電源回路Eの作動を制御して、各部材への電圧や電源供給を制御する。
【0044】
C3A:現像電圧の制御手段
現像電圧の制御手段C3Aは、現像用電源回路Eaを制御して現像装置Gの現像ロールGaへの現像電圧Vの印加を制御する。
C3B:帯電電圧の制御手段
帯電電圧の制御手段C3Bは、帯電用電源回路Ebを制御して、帯電ロールCRへの帯電電圧VDC+VACの印加を制御する。
【0045】
C3C:転写電圧の制御手段
転写電圧の制御手段C3Cは、転写用電源回路Ecを制御して、転写ロールRtへの転写電圧Vまたは清掃電圧Vの印加を制御する。
C3D:定着電源の制御手段
定着電源の制御手段C3Dは、定着用電源回路Edを制御して、定着装置Fのオン、オフを制御して、定着温度の制御を行う。
C3E:除電電圧の制御手段
除電電圧の制御手段C3Eは、除電用電源回路Eeを制御して、デタックソーDTSへの除電電圧Vを制御する。なお、実施例1の前記除電電圧Vは、−2.4[kV]に予め設定されている。
【0046】
C4:潜像形成制御手段
潜像形成制御手段C4は、前記レーザ駆動回路DLを介して潜像形成装置ROSを制御し、感光体PR表面に静電潜像を形成する。なお、実施例1の潜像形成制御手段C4は、潜像形成装置ROSの発光素子の一例としてのレーザーダイオードの出力を制御して、レーザビームLの強度を制御する。したがって、レーザビームLが照射された感光体PR表面の画像部電位Vが制御される。なお、実施例1の前記画像部電位Vは、約−120[V]となるように予め設定されている。
C5:ジャム発生判別手段
媒体詰まり発生の判別手段の一例としてのジャム発生判別手段C5は、ジョブの実行時に各搬送路SH1〜SH6においてシートSの詰まり、いわゆる、ジャムが発生したか否かを判別する。
【0047】
実施例1のジャム発生判別手段C3は、前記給紙装置Kによる給紙が開始されてから、正常に搬送されれば記録シートSが検出されるはずの時間が経過しても給紙路センサSN1が記録シートSを検出しない場合や、給紙路センサSN1でシートSを検出した後、正常であれば検出されるはずの時間が経過しても下流側に配置された各センサSN2〜SN4でシートSが検出されない場合、各センサSN1〜SN4でシートSを検出後、正常であればシートSが通過して検出されなくなるはずの時間が経過しても各センサSN1〜SN4が記録シートSを検出し続けている場合に、ジャムが発生したものと判別する。なお、各センサSN1〜SN4によってジャム発生を判別する手段は、例えば、特開2004−338932号公報、特開2009−122528号公報等に記載されており、公知である。
FL:ジャム発生フラグ
媒体詰まり発生のフラグの一例としてのジャム発生フラグFLは、初期値は「0」であり、ジャムが発生したと判別されると「1」となり、ジャムが解消されると「0」となる。
【0048】
図7は実施例1のジャム発生画像の説明図であり、図7Aは実施例1の第1ジャム発生画像の説明図、図7Bは実施例1の第2ジャム発生画像の説明図、図7Bは実施例1の第3ジャム発生画像の説明図である。
C6:ジャム発生画像表示手段
媒体詰まり発生時の告知画像の表示手段の一例としてのジャム発生画像表示手段C6は、ジャムが発生した場合、すなわち、ジャム発生フラグFLの値が「0」から「1」になった場合、図7に示す告知画像の一例として、ユーザにジャムの発生と発生場所とを告知するジャム発生画像101〜103を表示部UI2に表示する。
実施例1の前記ジャム発生画像表示手段C6は、給紙路センサSN1によってジャムが検知された場合、図7Aに示す第1の媒体詰まり発生時の告知画像の一例としての第1ジャム発生画像101を表示部UI2に表示する。また、前記ジャム発生画像表示手段C6は、排紙センサSN2によってジャムが検知された場合、図7Bに示す第2の媒体詰まり発生時の告知画像の一例としての第2ジャム発生画像102を表示部UI2に表示する。また、前記ジャム発生画像表示手段C6は、反転センサSN3またはオプション排紙センサSN4によってジャムが検知された場合、図7Cに示す第3の媒体詰まり発生時の告知画像の一例としての第3ジャム発生画像103を表示部UI2に表示する。
【0049】
C7:スイッチ制御手段
切替部材の制御手段の一例としてのスイッチ制御手段C7は、現像スイッチEa2の切り替えを制御する現像用の切替部材の制御手段の一例としての現像スイッチ制御手段C7Aと、転写スイッチEc3の切り替えを制御する転写用の切替部材の制御手段の一例としての転写スイッチ制御手段C7Bとを有し、各スイッチEa2,Ec3の切り替えを制御する。
【0050】
C8:クリーニング制御手段
クリーニング制御手段C8は、印刷されたシートSの枚数を計数する枚数計数手段C8Aと、清掃判別手段C8Bと、電源切替手段C8Cとを有する。前記クリーニング制御手段C8は、印刷されたシートSの枚数が前記最大枚数となった場合に、帯電ロールCR、転写ロールRt等の動作を制御して、転写ロールRtに付着したトナーを感光体PRに転移して、クリーニングブレードCL1で除去することで清掃を行うクリーニング動作を実行する。
C8B:清掃判別手段
清掃判別手段C8Bは、印刷されたシートSの枚数が予め設定された最大枚数になったか否かを判別することにより、クリーニング動作を実行するか否かを判別する。なお、実施例1では、シートSの枚数によってクリーニング動作を実行するか否かを判別したが、これに限定されず、例えば、ジョブが完了後に毎回クリーニング動作を実行すると判別することも可能である。
【0051】
C8C:電源切替手段
電源切替手段C8Cは、クリーニング動作時に転写スイッチ制御手段C7Bを介して転写スイッチEc3を切り替えることによって転写ロールRtに接続する電源を転写電源Ec1から清掃電源Ec2に切り替える。
よって、実施例1の前記クリーニング制御手段C8は、印刷されたシートSの枚数が前記最大枚数となった場合に、転写スイッチEc3の切り替えにより、転写ロールRtに接続する電源を転写電源Ec1から清掃電源Ec2に切り替えると共に、転写電圧の制御手段C3Cを介して転写ロールRtに清掃電圧Vを印加する。
【0052】
C9:ジョブ中断手段
媒体詰まり発生時の画像形成動作の中断手段の一例としてのジョブ中断手段C9は、回転停止手段C9Aと、印加停止手段C9Bと、断線手段C9Cとを有し、ジャム発生時、すなわち、ジャム発生フラグFLが「1」となった場合に、ジョブの実行を中断する。
C9A:回転停止手段
媒体詰まり発生時の像保持体の駆動停止手段の一例としての回転停止手段C9Aは、ジャム発生時に感光体PR等の回転を停止する。
【0053】
C9B:印加停止手段
媒体詰まり発生時の帯電電圧の印加停止手段の一例としてのジャム発生時の印加停止手段C9Bは、前記電源制御手段C3の各手段C3B,C3C,C3Eを介して、ジャム発生時に各電圧VDC+VAC,Vの印加を停止する。
C9C:断線手段
媒体詰まり発生時の現像剤保持体の断線手段の一例としての断線手段C9Cは、ジャム発生時に現像スイッチ制御手段C7Aを介して現像スイッチEa2を切り替えることにより、現像ロールGaから現像電源Ea1を断線させて現像ロールGaの電位変化を自由な状態にする。
【0054】
C10:ジャム解消判別手段
媒体詰まり解消の判別手段の一例としてのジャム解消判別手段C10は、ジャムが解消されたか否かを判別する。実施例1の前記ジャム解消判別手段C10は、前記ジャム発生判別手段C5により、詰まったシートSが取り除かれて、各センサSN1〜SN4でシートSが検出されなくなった場合に、ジャムが解消されたと判別する。なお、各センサSN1〜SN4によってジャム解消を判別する手段は、例えば、特開2007−076846号公報、特開2008−040310号公報等に記載されており、公知である。
C11:リカバリ制御手段
媒体詰まり解消時の復帰制御手段の一例としてのリカバリ制御手段C11は、再回転手段C11Aと、再印加手段C11Bと、リカバリ時間記憶手段C11Cと、リカバリタイマTMaと、断線完了の判別手段C11Dと、再接続手段C11Eとを有する。前記復帰制御手段C11は、ジャム解消時、すなわち、ジャム発生フラグFLが「1」から「0」になった場合に、ジョブ再開前の復帰動作、いわゆる、リカバリ動作を実行する。
【0055】
C11A:再回転手段
媒体詰まり解消時の像保持体の駆動再開手段の一例としての再回転手段C11Aは、ジャム解消時に感光体PR等の回転を再開する。
C11B:再印加手段
媒体詰まり解消時の帯電電圧の印加再開手段の一例としての再印加手段C11Bは、前記電源制御手段C3の各手段C3B,C3C,C3Eを介して、ジャム解消時に各電圧VDC+VAC,Vの印加を再開する。
C11C:リカバリ時間記憶手段
断線完了時間の記憶手段の一例としてのリカバリ時間記憶手段C11Cは、ジャム解消時に感光体PRの回転が再開されてから現像ロールGaの断線を完了するまでの予め設定された断線完了時間の一例としてのリカバリ時間Taを記憶する。なお、実施例1では、前記リカバリ時間Taとして感光体PRの1回転分の時間が予め設定されている。
【0056】
TMa:リカバリタイマ
断線完了時間の計時手段の一例としてのリカバリタイマTMaは、前記リカバリ時間Taを計時する。
C11D:断線完了の判別手段
断線完了の判別手段C11Dは、前記リカバリタイマTMaがタイムアップしたか否かを判別することにより、現像ロールGaの断線を完了するか否かを判別する。
C11E:再接続手段
媒体詰まり解消時の現像剤保持体の再接続手段の一例としての再接続手段C11Eは、現像ロールGaの断線を完了すると判別された場合に、現像スイッチ制御手段C7Aを介して現像スイッチEa2を切り替えることにより、現像ロールGaと現像電源Ea1とを再度接続させる。
なお、実施例1では、現像ロールGaと現像電源Ea1とが接続された場合に、リカバリ動作が完了し、ジョブが再開される。
【0057】
(実施例1の流れ図の説明)
次に、実施例1の画像形成装置Uの処理の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。なお、クリーニング動作を実行するクリーニング制御処理については、印刷したシートSの枚数が最大枚数になった場合に、転写ロールRtに接続する電源を転写電源Ec1から清掃電源Ec2に切り替えて清掃電圧Vを印加した後、予め設定された清掃時間の経過後に転写ロールRtに接続する電源を清掃電源Ec2から転写電源Ec1に切り替えるだけであるため、図示および詳細な説明を省略する。
【0058】
(実施例1のジャム発生判別処理のフローチャートの説明)
図8は実施例1のジャム発生判別処理のフローチャートである。
図8のフローチャートの各ST:ステップの処理は、プリンタUのコントローラCのハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図8に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
図8のST1において、画像形成動作であるジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に移り、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、ジャム発生フラグFLに「0」をセットする。そして、ST3に移る。
【0059】
ST3において、給紙センサSN1によってジャムが検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に移り、ノー(N)の場合はST5に移る。
ST4において、図7Aに示す第1ジャム発生画像101を表示部UI2に表示する。そして、ST9に移る。
ST5において、排紙センサSN2によってジャムが検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST6に移り、ノー(N)の場合はST7に移る。
ST6において、図7Bに示す第2ジャム発生画像102を表示部UI2に表示する。
そして、ST9に移る。
ST7において、反転センサSN3またはオプション排紙センサSN4によってジャムが検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST8に移り、ノー(N)の場合はST11に移る。
【0060】
ST8において、図7Cに示す第3ジャム発生画像103を表示部UI2に表示する。
そして、ST9に移る。
ST9において、ジャム発生フラグFLに「1」をセットする。そして、ST10に移る。
ST10において、各センサSN1〜SN4によって検知されたジャムが解消したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に戻り、ノー(N)の場合はST10を繰り返す。
ST11において、ジョブが完了したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST3に戻り、イエス(Y)の場合はST1に戻る。
【0061】
(実施例1のリカバリ制御処理のフローチャートの説明)
図9は実施例1のリカバリ制御処理のフローチャートである。
図9のフローチャートの各ステップの処理は、プリンタUのコントローラCのハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。なお、この処理において、ジョブ実行中に転写電圧Vや除電電圧を印加する制御については、予め設定された印加開始タイミングに各電圧を印加するだけであるため、図示および詳細な説明について省略する。
図9に示すフローチャートはプリンタUの電源が投入された時に開始される。
図9のST101において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST102に移り、ノー(N)の場合はST101を繰り返す。
ST102において、以下の処理(1),(2)を実行し、ST103に移る。
(1)感光体PR等の回転を開始する。
(2)現像スイッチEa2によって、現像ロールGaを現像電源Ea1に接続する。
【0062】
ST103において、帯電ロールCRに帯電電圧VDC+VACを印加する予め設定された印加開始タイミングになったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST104に移り、ノー(N)の場合はST103を繰り返す。
ST104において、帯電ロールCRに帯電電圧VDC+VACの印加を開始する。そして、ST105に移る。
ST105において、現像ロールGaに現像電圧Vを印加する予め設定された印加開始タイミングになったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST106に移り、ノー(N)の場合はST105を繰り返す。
ST106において、現像ロールGaへの現像電圧Vの印加を開始する。そして、ST107に移る。
ST107において、ジャム発生フラグFLが「1」であるか否かを判別することにより、ジャムが発生したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST108に移り、ノー(N)の場合はST115に移る。
【0063】
ST108において、以下の処理(1)〜(4)を実行し、ST109に移る。
(1)感光体PR等の回転を停止する。
(2)帯電電圧VDC+VAC等の印加を停止する。
(3)現像スイッチEa2の切り替えによって現像ロールGaから現像電源Ea1を断線する。すなわち、現像ロールGaを電気的にフロートする。
(4)現像電圧Vの印加を停止する。
ST109において、ジャム発生フラグFLが「1」から「0」になったか否かを判別することにより、ジャムが解消したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST110に移り、ノー(N)の場合はST109を繰り返す。
【0064】
ST110において、以下の処理(1),(2)を実行し、ST111に移る。
(1)感光体PR等の回転を再開する。
(2)リカバリタイマTMaにリカバリ時間Taをセットする。すなわち、リカバリタイマTMaをセットする。
ST111において、帯電ロールCRに帯電電圧VDC+VACの印加を再開する予め設定された印加再開タイミングになったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST112に移り、ノー(N)の場合はST111を繰り返す。
ST112において、帯電ロールCRに帯電電圧VDC+VACの印加を再開する。そして、ST113に移る。
ST113において、リカバリタイマTMaがタイムアップしたか否かを判別する。すなわち、リカバリ時間Taが経過して、感光体PRが回転を再開してから1回転したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST114に移り、ノー(N)の場合はST113を繰り返す。
【0065】
ST114において、以下の処理(1),(2)を実行し、ST115に移る。
(1)現像スイッチEa2の切り替えによって現像ロールGaに現像電源Ea1を再接続する。
(2)現像ロールGaへの現像電圧Vの印加を再開する。
ST115において、ジョブが完了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST116に移り、ノー(N)の場合はST107に戻る。
ST116において、以下の処理(1)〜(4)を実行し、ST101に戻る。
(1)感光体PR等の回転を停止する。
(2)帯電電圧VDC+VAC等の印加を停止する。
(3)現像スイッチEa2の切り替えによって現像ロールGaから現像電源Ea1を断線する。
(4)現像電圧Vの印加を停止する。
【0066】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の前記プリンタUでは、図8図9のST107,ST108(1),(2)に示すように、ジョブの実行中にジャムが発生したと判別された場合、図7に示すジャム発生画像101〜103が表示され、感光体PR等の回転や、帯電電圧VDC+VAC等の印加が中断される。また、ST108(3),(4)に示すように、現像スイッチEa2の切り替えによって現像ロールGaから現像電源Ea1が断線され、現像電圧Vの印加が中断される。このとき、現像ロールGaは電気的にフロート状態となっている。
【0067】
図10は実施例1の作用説明図であって、リカバリ動作時の感光体表面の状態説明図であり、図10Aは書込済領域が現像領域を通過する状態の説明図であり、図10Bは帯電済領域が現像領域を通過する状態の説明図であり、図10Cは未帯電領域が現像領域を通過する状態の説明図であり、図10Dはリカバリ済領域が現像領域を通過する状態の説明図であり、図10Eは感光体が1回転した状態の説明図である。
ここで、実施例1では、ジャム発生時に感光体PRの回転を停止すると、感光体表面には、帯電領域Q0と潜像書込位置Q1との間に配置された帯電済の領域である帯電済領域A1と、潜像書込位置Q1と現像領域Q2との間に配置された潜像書込済の領域である書込済領域A2とが形成される。また、前記書込済領域A2の回転方向下流側には、クリーニングブレードCL1に対向する位置までの現像済の領域である現像済領域A3と、前記帯電領域Q0までの清掃済の領域である清掃済領域A4とが形成されている。
【0068】
また、図9のST109〜ST112に示すように、ユーザによってジャムが解消された場合には、リカバリ動作が実行され、感光体PR等の回転や、帯電電圧VDC+VAC等の印加が再開される。実施例1のリカバリ動作において、図10Bに示すように、感光体PRが回転を再開してから帯電電圧VDC+VACが印加されるまで、帯電領域Q0と帯電済領域A1との間には、帯電されていない未帯電領域A5が形成され、帯電電圧VDC+VACの印加が開始された後、帯電領域Q0と未帯電領域A5との間には、復帰後の帯電済領域の一例としてのリカバリ済領域A6が形成される。また、図10B図10Eに示すように、現像領域Q2を通過する感光体PR表面が、書込済領域A2、帯電済領域A1、未帯電領域A5、リカバリ済領域A6の順に変化した後、感光体PRの1回転が完了してリカバリ動作が完了する。
なお、実施例1では、帯電済領域A1およびリカバリ済領域A6における帯電電位が、約−700[V]となっており、その他の各領域A2〜A5における電位については、−700[V]から0[V]の範囲となっている。
【0069】
図11は実施例1の作用説明図であり、縦軸を電位[V]、横軸を時間[sec]としてジョブ中断から再開するまでにおける現像領域で対向する感光体表面と現像ロール表面との電位差を示す折れ線グラフの説明図であり、図11Aはジョブ中断時に現像ロールをアースした場合の説明図であり、図11Bはリカバリ動作時に感光体表面の電位に応じたリカバリ動作用の現像電圧が現像ロールに印加された場合の説明図であり、図11Cはジョブ中断時に現像ロールを電気的にフロートした場合の説明図である。
ここで、従来の構成のように、ジョブが中断される際に現像ロールGaへの現像電圧Vの印加が停止されると共に、現像ロールGaが接地された場合、いわゆる、アースされた場合には、図11Aの実線に示すように、現像ロールGa表面の電位が常に±0[V]となる。
したがって、ジャム発生前に帯電され且つ潜像が書き込まれていない帯電済領域A1が現像領域Q2を通過する場合、現像ロールGaの電位と帯電済領域A1の電位との電位差が約700[V]になる。よって、アースされた現像ロールGaと−700[V]の感光体PRとの間の電界に応じて、現像ロールGa表面に保持された現像剤のうち、プラスに帯電されたキャリアが感光体PR表面に移るBCOが発生し易いという問題があった。
【0070】
これに対して、特許文献1等のように、ジョブが中断される前に帯電された各領域A2,A1が現像領域Q2を通過する場合、現像ロールGaと各領域A2,A1との電位差が小さくなるようにリカバリ動作用の現像電圧を印加することが考えられる。ただし、この場合、各領域A2,A1の実際の電位を測定することが困難であるため、各領域A2,A1の電位を予測してリカバリ動作用の現像電圧が印加される。
しかしながら、例えば、ジャム解消までに時間がかかると、帯電領域Q0から現像領域Q2までの各領域A2,A1の帯電電荷が自然放電される可能性がある。このため、例えば、書込済領域A2において、いわゆる、ベタ画像等の潜像書き込みや自然放電によって電位の平均値が±0[V]に近いマイナスの値になっている部分がある可能性がある。
【0071】
すなわち、現像領域Q2を通過する領域A2,A1の実際の電位が、予測された電位から大きく離れることがあり、予測された電位に応じてリカバリ動作用の現像電圧を印加すると、前記電位差が大きくなってしまう可能性があった。
例えば、感光体PR表面の予測された電位が−600[V]なのに対して実際の電位が約−100[V]であった場合、リカバリ動作用の現像電圧を予測された電位に応じて−600[V]としても、−600[V]の現像ロールGaと−100[V]の感光体PRとの電位差が約−500[V]になる。よって、現像ロールGa表面と帯電済領域A1との間の電界に応じて、現像ロールGa表面に保持された現像剤のうち、マイナスに帯電されたトナーが感光体PR表面に移る、いわゆる、ブラックバンドが発生し易く、リカバリ動作時に無駄なトナーを消費し過ぎるという問題があった。また、リカバリ動作用の現像電圧をタイミングよく印加する構成が必要となり、電力消費や制御が複雑化するという問題もあった。
【0072】
図12は実施例1の作用説明図であり、書込済領域における書込部の電位と非書込部の電位と書込済領域全体の電位の平均値との関係を示す説明図である。
これに対して、実施例1では、リカバリ動作の期間中は、現像ロールGaが電気的にフロートされている。したがって、現像ロールGaの電位は電圧が自由な状態となり、現像領域Q2を通過する感光体PR表面の電位の変動に応じて、現像ロールGa表面の電位も変動し、感光体PR表面の電位と同程度の電位になる。
例えば、図12に示すように、現像領域Q2を通過する書込済領域A2において、感光体PRの軸方向に沿って潜像が書き込まれて電位が約−120[V]の部分である書込部A2aと、潜像が書き込まれずに電位が約−700[V]のままの部分である非書込部A2bとが混在する場合について考える。
【0073】
この場合、図11Cに示すように、感光体PRの軸方向の平均の電位が、仮に、−100[V]になると、現像ロールGaの電位も約−100[V]となる。また、−600[V]になると、現像ロールGaの電位も約−600[V]となる。なお、現像ロールGaの電位が約−600[V]となる場合、約−700[V]の非書込部A2bとの間では、キャリアが移動する静電気力が作用するが、現像ロールGaの磁極の磁力が金属粉としてのキャリアを保持する力に比べて弱く、少なくとも現像ロールGaがアースされた従来の構成に比べ、BCOが発生し難くなっている。また、約−120[V]の書込部A2aとの間では、トナーが移動する静電気力が作用し、ジョブ実行時に比べ、低濃度の現像が行われるが、キャリアが移動する静電気力が作用せず、BCOが発生し難くなっている。
【0074】
また、その他の各領域A1,A5,A6が現像領域Q2を通過する場合も同様に、現像ロールGa表面と感光体PR表面との電位差が0[V]に近い値になる。
よって、実施例1の前記プリンタでは、現像ロールGaが電気的にフロートされない従来の構成に比べ、現像ロールGa表面と感光体PR表面との間の電位差が小さくなる。この結果、実施例1の前記プリンタUは、現像ロールGaがアースされる従来の構成に比べ、現像領域Q2においてキャリアに作用する静電気力が小さくなり、現像ロールGaの磁力に吸引されるキャリアが感光体PRに移動し難くなり、BCOが発生し難くなる。
【0075】
したがって、実施例1の前記プリンタUは、従来の構成に比べ、金属粉であるキャリアが感光体PRに転移し難くなり、感光体PRや転写ロールRtの損傷や磨耗等が発生し難くなって感光体PRや転写ロールRtの寿命が低下したり画像劣化が発生したりすることが低減される。また、実施例1の前記プリンタUは、従来の構成に比べ、感光体PRに転移したキャリアがシートSに付着したり、シートS上のキャリアが定着装置Fの各ロールFp,Fh等に付着したりすることが低減され、定着装置F等の寿命が低下したり画像不良が発生したりすることが低減される。
また、実施例1の前記プリンタUでは、感光体PR表面の予測された電位に応じて電圧を印加する特許文献1等の構成に比べ、現像ロールGaを電気的にフロートするという簡素な構成によって電力消費や制御の複雑化に伴うコストアップを低減しつつBCOの発生が低減され、各部材PR,Rt,Fの寿命低下や画像劣化が低減されている。
【0076】
また、前記構成を備えた実施例1の前記プリンタUでは、ジャムが発生してジョブが中断される際に現像ロールGaの断線が実行されており、感光体PRの回転を再開させるリカバリ動作時だけでなく、ジョブ中断時にも現像ロールGaが電気的にフロートされている。この結果、実施例1の前記プリンタUでは、リカバリ動作が開始されてから現像領域Q2を通過する領域A2,A1,A5,A6だけでなく、ジョブ中断時に感光体PRが慣性回転した場合に、現像領域Q2を通過することがある書込済領域A2の下流端部についても、BCOが発生し難くなっている。
【0077】
また、前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、リカバリ動作時において、軸方向の全てが約−700[V]のリカバリ済領域A6が現像領域Q2を通過する場合、現像ロールGaの電位も約−700[V]に近付くように低下するが、各部材PR,Gaの電気抵抗もあり、実際には現像ロールGaとリカバリ済領域A6との間で電位差が発生する。
ここで、特許文献1等の構成では、例えば、リカバリ済領域A6のような背景画像部では、現像ロールGaに−600[V]の電圧が印加された状態となり、−700[V]の背景画像部との電位差が−100[V]になってトナーが移動しないようになっている。
これに対し、実施例1において、現像ロールGaが電気的にフロートされた状態では、約−700[V]のリカバリ済領域A6と現像ロールGaとの電位差が、約−700[V]の非書込部A3bと現像ロールGaとの電位差に比べて小さく、トナーが移動し易くなっており、背景画像部が低濃度に現像される現象、いわゆる、トナーかぶりが発生し易い。
この結果、実施例1では、特許文献1等の構成に比べ、電位差が小さく、リカバリ済領域A6の軸方向全体に低濃度のトナーが移動し易くなっている。
【0078】
ここで、シートSが転写領域Q3を通過中にジャムが発生した場合、シートSが詰まる過程で感光体PR表面を擦ったり、ユーザが詰まったシートSを感光体PRと転写ロールRtとの間から引き抜くことで感光体PR表面が擦られたりすることがある。この場合、感光体PR表面とシートSとの間の摩擦で感光体PR表面の付着物、例えば、現像領域Q2で現像されたトナー像やクリーニングブレードCL1を擦り抜けたトナーの外添剤が擦り落とされる。この結果、実施例1では、ジャム発生時に感光体PR表面上の外添剤の分布について周方向のムラが発生することがある。このため、感光体PR表面の摩擦係数が、外添剤が擦り落とされた部分と残っている部分とで異なることがある。
【0079】
この結果、感光体PRとフィルムシールFSやクリーニングブレードCL1との摩擦力の強弱が回転方向に沿って変化して、フィルムシールFSやクリーニングブレードCL1がめくれるおそれがある。したがって、フィルムシールFSで除去・回収されたトナーの飛散を防止する機能が低下したり、クリーニングブレードCL1で残留トナーを除去する機能が低下したりする可能性がある。
これに対して、実施例1の前記プリンタUでは、図9のST110(2),ST113に示すように、リカバリ動作を開始して感光体PRが1回転するまでのリカバリ時間Taの間、現像ロールGaを電気的にフロートさせている。すなわち、実施例1では、リカバリ動作時において、リカバリ済領域A6に約1回転分の、いわゆる、かぶりトナーが供給され、供給されたかぶりトナーは、フィルムシールFSを通過してクリーニングブレードCL1で除去され、かぶりトナーの外添剤がクリーニングブレードCL1を通過する。
【0080】
この結果、実施例1の前記プリンタUでは、リカバリ動作時に現像ロールGaを現像電源Ea1から断線して電気的にフロートするという簡素な構成で、現像電源Ea1を制御して現像電圧Vを印加しなくても、感光体PRの周方向全体に外添剤を分布させることが可能になっている。
よって、実施例1の前記プリンタUは、リカバリ動作時にかぶりトナーが供給されない構成に比べ、感光体PRとの間の前記摩擦力を低減してフィルムシールFSやクリーニングブレードCL1が軸方向両端部からめくれて機能が低下することが低減される。また、実施例1の前記プリンタUは、感光体PR表面全体に外添剤を分布させる際に潜像形成装置ROSや現像電源Ea1を制御してベタ画像を現像する構成に比べ、トナーや電力等の資源の消費が低減される。
【0081】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H011)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、単色現像の画像形成装置に限定されず、多色、いわゆるカラーの画像形成装置により構成することも可能である。
【0082】
(H02)前記実施例では、リカバリ動作時に現像ロールGaを電気的にフロートして感光体PR表面にキャリアが転移することを低減する構成を例示したが、本発明の適用範囲についてはこれに限定されない。例えば、感光体PRからトナー像が転写される像保持体の一例としての中間転写ベルトと、中間転写ベルトから媒体に2次転写される2次転写領域に配置される2次転写部材の一例としての2次転写ロールと、2次転写後の中間転写ベルトを清掃する清掃部材の一例であって、現像剤保持体の一例としてのベルトクリーナとを有する構成において、ジョブ実行時に2次転写ロールにプラスの2次転写電圧が印加されて中間転写ベルトがプラスに帯電され且つベルトクリーナがプラスの清掃電圧が印加された状態で中間転写ベルト上の残留トナーを除去する場合に、リカバリ動作時にベルトクリーナを電気的にフロートして、静電的に除去されたトナーがリカバリ動作時に中間転写ベルトに戻ることを低減することも可能である。また、前記構成において、2次転写ロールにプラスの2次転写電圧を印加することに替えて、中間転写ベルトを挟んで2次転写ロールに対向する対向部材の一例としてのバックアップロールに対してジョブ実行時にマイナスの2次転写電圧が印加されて中間転写ベルトがマイナスに帯電される場合に、リカバリ動作時にベルトクリーナを電気的にフロートして、中間転写ベルト上から掻き落とされて除去されたプラス帯電の紙粉等の異物がリカバリ動作時に中間転写ベルトに戻ることを低減することも可能である。なお、ベルトクリーナに清掃電圧を印加する構成については、例えば、特開2003−29588号公報や特開2004−77762号公報等に記載されており、公知である。
【0083】
(H03)前記実施例では、リカバリ動作時に現像ロールGaから現像電源Ea1を断線して、現像ロールGaを電気的にフロートしたが、これに限定されず、例えば、現像ロールGaの接続を現像電源Ea1からコンデンサやアースされていない板金等に切り替えて、現像ロールGaを電気的にフロートすることも可能である。なお、図13に、コンデンサに切り替える例を示す。
(H04)前記実施例では、リカバリ動作時に現像ロールGaを電気的にフロートしたが、これに限定されず、例えば、現像領域Q2の回転方向上流側にリカバリ動作用の除電器を設けて、リカバリ動作時に感光体PR表面を除電すると共に、現像ロールGaをアースして感光体PRと現像ロールGaとの電位差を0[V]に近づける構成も可能である。
【0084】
(H05)前記実施例のように、ジョブ中断時から現像ロールGaが電気的にフロートされることが好ましいが、フロートの開始時期についてはこれに限定されず、例えば、リカバリ動作の開始時からフロートすることも可能である。
(H06)前記実施例のように、感光体PRの周方向全体に外添剤を分布させるために、リカバリ動作時に現像ロールGaを電気的にフロートして、リカバリ済領域A6にかぶりトナーを供給することが好ましいが、例えば、潜像形成装置ROSによってベタ画像の潜像を書き込み且つ現像ロールGaに現像電圧Vを印加して感光体PRの外周面に現像剤を供給することも可能である。
【0085】
(H07)前記実施例では、リカバリ動作時に感光体PRが1回転するまで現像ロールGaを電気的にフロートしたが、フロートの完了時期についてはこれに限定されず、例えば、中間転写体と転写ロールRtとの間をシートSが通過する場合に、帯電済領域A1や未帯電領域A5が現像領域Q2を通過するとフロートを終了することも可能である。すなわち、リカバリ済領域A6にかぶりトナーを供給せずにフロートを終了してリカバリ動作を完了することも可能である。また、リカバリ済領域A6の回転方向上流端がクリーニングブレードCL1を2度通過するとフロートを終了することも可能である。すなわち、感光体PR表面1周分のかぶりトナーをクリーニングブレードCL1で除去してからフロートを終了することも可能である。
【0086】
(H08)前記実施例では、リカバリ動作の完了時期をフロートの完了時期としたが、これに限定されず、例えば、リカバリ済領域A6の回転方向上流端が現像領域Q2を2度通過する時期をフロートの完了時期とし、フロートを終了してからリカバリ済領域A6の回転方向上流端がクリーニングブレードCL1を2度通過する時期をリカバリ動作の完了時期とすることも可能である。すなわち、感光体PR表面1周分のかぶりトナーの形成後にフロートを終了すると共に、かぶりトナーをクリーニングブレードCL1で除去してからリカバリ動作を終了することも可能である。
【0087】
(H09)前記実施例では、リカバリ動作時に感光体PRが1回転するまで現像ロールGaを電気的にフロートしたが、リカバリ動作時の感光体PRの回転量についてはこれに限定されず、少なくとも帯電済領域A1が現像領域Q2を通過する回転量であれば、任意の回転量とすることが可能である。
(H010)前記実施例のように、ジャム発生時に図7に示す各画像101〜103を表示してジャム発生や発生場所やジャム除去するために開放する部材Ub,Uc,U3を告知することが好ましいが、例えば、ユーザにジャム発生のみを告知画像で告知する構成とすることも可能である。この場合、例えば、センサSN1〜SN4の数を低減してジャムの発生場所等を特定しない構成とすることも可能である。また、告知する手段についても画像を表示することに限定されず、例えば、ユーザにジャムの発生等を告知音によって告知することも可能である。
(H011)前記実施例において、例示した具体的な数値等は、設計や仕様等に応じて、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0088】
C3A…現像電圧の制御手段、CL1…清掃部材、CR…帯電部材、Ea1…電源、G…現像装置、Ga…現像剤保持体、PR…像保持体、Q0…帯電領域、Q1…潜像形成領域、Q2…現像領域、ROS…潜像形成装置、V…現像電圧、U…画像形成装置。
図6
図13
図1
図2
図3
図4
図5
図7
図8
図9
図10
図11
図12