【実施例】
【0020】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。実施例中に示した特性は以下の方法で測定した。
(通気抵抗)
フィルターをダクト内に設置し、空気濾過速度が3.9m/秒になるよう大気を通気させ、エアフィルターの通気抵抗(Pa)を測定した。
(粉塵供給量)
濾材をダクト内に設置し、空気濾過速度が3.9/秒になるように大気を通気させ、濾材上流側からJIS15種粉塵を0.5g/m
3の濃度にて負荷し、通気抵抗が初期から150Pa上昇するまで粉塵を負荷した。この時の試験時間中に投入した粉塵供給量を計測し、粉塵供給量(g/個)とした。
(ひだ密着)
濾材をダクト内に設置し、空気濾過速度が3.9/秒になるように大気を通気させ、濾材上流側からJIS15種粉塵を0.5g/m
3の濃度にて負荷し、通気抵抗が初期から150Pa上昇するまで粉塵を負荷した。粉塵負荷後のフィルターを目視観察し、プリーツの山と山が密着しているものを、ひだ密着有りと判断した。
(補強ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度)
濾材のプリーツ巾Wと緯糸のTD方向に対する傾き距離Aを測定し、補強ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θを算出した。測定は任意の位置10点にて実施し、その平均値を用いた。
【0021】
[実施例1]
円形断面ポリプロピレン繊維(宇部日東化成株式会社製、2.2dtex、51mm)と、リンを含有する難燃性の円形断面ポリエステル繊維(東洋紡績株式会社製、1.7dtex、44mm)を1:1の重量比で混綿、カーディングして目付35g/m
2の混繊ウェブを作製し、これに15g/m
2のポリプロピレンスパンボンド不織布A(PK−103、三井化学株式会社製)を積層後3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡、乾燥し積層体Cを作成した。前記積層体Cのスパンボンド不織布Aの反対側に、補強ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θが3°のポリプロピレン/ポリプロピレン製芯鞘ネット(1300デニール、60g/m
2)とポリプロピレンスパンボンド不織布Aをポリプロピレンスパンボンド不織布Bが最外層に来るように積層し、針密度31本/cm
2にてニードルパンチ処理を行い、全目付125g/m
2の濾材を得た。
【0022】
この濾材をプリーツ筋の長さ3mmに設定した筋付け式プリーツ機を用いて、加工速度100山/分で山高さ26mm、ピッチ4mmのプリーツ状に加工し、外形200mm×200mmのフィルターを作製した。得られたフィルターの外観を目視確認したところ、プリーツ形状の変形は見られなかった。また本フィルターの補強ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θは3°であった。このフィルターの評価結果を表1に示す。
【0023】
以下の実施例は、実施例1と芯鞘ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θおよび経糸のTD方向に対する傾き角度θ1とプリーツの山高さが異なるのみで作製条件は同様である。
【0024】
[実施例2]
芯鞘ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θを3°、プリーツの山高さを27mmとして実施例1と同様の製法で外形200mm×200mmのフィルターを作製した。このフィルターの評価結果を表1に示す。
得られたフィルターの外観を目視確認したところ、プリーツ形状の変形は見られなかった。また本フィルターの補強ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θは3°であった。
【0025】
[実施例3]
芯鞘ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θを6°、プリーツの山高さを27mmとして実施例1と同様の製法で外形200mm×200mmのフィルターを作製した。このフィルターの評価結果を表1に示す。
得られたフィルターの外観を目視確認したところ、プリーツ形状の変形は見られなかった。また本フィルターの補強ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θは6°であった。
【0026】
[比較例1]
芯鞘ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θを0°、プリーツの山高さを27mmとして実施例1と同様の製法で外形200mm×200mmのフィルターを作製した。このフィルターの評価結果を表1に示す。
得られたフィルターの外観を目視確認したところ、プリーツ形状の変形は見られた。また本フィルターの補強ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θは0°であった。
【0027】
[比較例2]
芯鞘ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θを1°、プリーツの山高さを27mmとして実施例1と同様の製法で外形200mm×200mmのフィルターを作製した。このフィルターの評価結果を表1に示す。
得られたフィルターの外観を目視確認したところ、プリーツ形状の変形は見られた。また本フィルターの補強ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θは1°であった。
【0028】
[比較例3]
芯鞘ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θを30°、プリーツの山高さを27mmとして実施例1と同様の製法で外形200mm×200mmのフィルターを作製した。このフィルターの評価結果を表1に示す。
得られたフィルターの外観を目視確認したところ、プリーツ形状の変形は見られた。また本フィルターの補強ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θは30°であった。
【0029】
[比較例4]
芯鞘ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θを30°、縦糸のTD方向に対する傾き角度θ1を100°、プリーツの山高さを26mmとして実施例1と同様の製法で外形200mm×200mmのフィルターを作製した。このフィルターの評価結果を表1に示す。
得られたフィルターの外観を目視確認したところ、プリーツ形状の変形は見られた。また本フィルターの補強ネットの緯糸のTD方向に対する傾き角度θは30°であった。
【0030】
【表1】