(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の技術においては、以下のような問題があった。
【0011】
図14に示す電源装置90においては、検知回路93は隣接する単電池91の間に1つしか設けられていないため、押しボタンスイッチ93aが押圧される原因が、当該押圧された押しボタンスイッチ93aを含む検知回路93を有する単電池91の膨張によるものなのか、これと隣接する単電池91の膨張によるものかを直ちに特定することはできない。さらに、膨張した単電池91に圧接されて検知回路93が破損する恐れもある。
【0012】
一方、
図15に示す電源装置100は、検知回路108を発電要素101と周辺基板107との間、すなわち電池筐体の内部に作り込んでしまっているため、検知回路108を含めた電池全体の構成及び製造工程が複雑になってしまう。更には、電池完成後に検知回路108に不具合が見いだされた場合は、電池自体を作り直さなければならない。
【0013】
このように、従来の技術においては、電池の膨張の的確な検知を担保することの困難や、膨張を検知するための構成が複雑である、という課題があった。
【0014】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で電池の膨張を的確に検知することが可能な電池及びそれを用いた電源装置、電池駆動システム、電池の膨張を検知する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面は、発電要素と、
前記発電要素を収納する導電性の電池容器と、
前記電池容器の表面の所定位置に固定された、前記電池容器と絶縁し且つ前記発電要素と電気的に接続する正極の電極部及び負極の電極部と、
前記電池容器の表面と前記正極の電極部又は前記負極の電極部と当接する導電性部材とを備えた電池である。
【0016】
又、本発明の第2の側面は、前記電池容器は開口を有する容器本体及び前記開口を封止する蓋部を有し、
前記電極部は前記蓋部の表面に、絶縁部材を介して固定されており、
前記絶縁部材は前記導電性部材の周囲に形成されている、本発明の第1の側面の電池である。
【0017】
又、本発明の第3の側面は、前記正極の電極部及び負極の電極部は、
前記蓋部に固定された固定部材と、前記固定部材に接続された板状の端子部材とをそれぞれ有し、
前記導電性部材は、
前記端子部材の主面と前記蓋部の表面との間に位置するとともに、前記蓋部の重心に対して前記固定部材の固定位置より遠い位置にて前記端子部材と当接している、本発明の第2の側面の電池である。
【0018】
又、本発明の第4の側面は、前記固定部材は、前記端子部材の重心に対して前記蓋部の重心寄りの位置にて前記端子部材と接続されている、本発明の第3の側面の電池である。
【0019】
又、本発明の第5の側面は、前記導電性部材を複数有する、本発明の第1から第4のいずれかの側面の電池である。
【0020】
又、本発明の第6の側面は、
前記導電性部材を複数有し、前記複数の前記導電性部材は、前記固定部材の固定位置から前記蓋部の縁に向かうように配列されている、本発明の第
3又は第4の側面の電池である。
【0021】
又、本発明の第7の側面は、前記複数の前記導電性部材は、長方形、長円形又は楕円形の平面形状を有し、
前記長方形の長辺又は前記長円形若しくは前記楕円形の長軸の向きは、前記固定部材の固定位置から前記蓋部の縁に向かう方向に沿っている、本発明の第6の側面の電池である。
【0022】
又、本発明の第8の側面は、前記導電性部材は弾性材料により形成されている、本発明の第1の側面の電池である。
【0023】
又、本発明の第9の側面は、前記導電性部材は前記正極の電極部と当接している、本発明の第1の側面の電池である。
【0024】
又、本発明の第10の側面は、本発明の第1から第9の側面の電池と、前記電池の前記正極の電極部又は前記負極の電極部のうち、前記導電性部材と当接しているいずれか一方と前記電池の前記電池容器との間の電位若しくは電位の変化、又は抵抗値若しくは抵抗値の変化を検知する検知部とを備えた、電源装置である。
【0025】
又、本発明の第11の側面は、本発明の第1から第9の側面の電池と、
前記電池と脱着可能であって前記電池から電力の供給を受けて動作する駆動装置とを備えた電池駆動システムであって、
前記駆動装置は、
前記電池の前記正極の電極部又は前記負極の電極部のうち、前記導電性部材と当接しているいずれか一方と前記電池の前記電池容器との間の電位若しくは電位の変化、又は抵抗値若しくは抵抗値の変化を検知する検知部を有する、電池駆動システムである。
【0026】
又、本発明の第12の側面は、本発明の第1から第9の側面の電池の膨張を検知する方法であって、
前記電池の前記正極の電極部又は前記負極の電極部のうち、前記導電性部材と当接しているいずれか一方と前記電池の前記電池容器との間の電位若しくは電位の変化、又は抵抗値若しくは抵抗値の変化を検知する工程を備え、
前記検知の工程による検知結果に基づき、前記電池の膨張を検知する方法である。
【発明の効果】
【0027】
以上のような本発明によれば、簡易な構成で電池の膨張を的確に検知することが可能となる効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る非水電解質二次電池1の構成を示す分解斜視図であり、
図2(a)は全体の構成を示す斜視図である。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態1の非水電解質二次電池1は、開口10xを有する容器本体10内に、長円筒形の巻回型の発電要素11を収納し、開口10xを蓋部20で塞いで密閉した構成を有する。
【0032】
発電要素11は、帯状の電極である正極と負極をセパレータを介して長円筒形に巻回した構成を有する。正極は、その表面に正極活物質を担持させた帯状のアルミニウム製金属箔であり、負極は、その表面に負極活物質を担持させた帯状の銅製金属箔である。
【0033】
巻回された状態において、正極及び負極は巻回軸の両端の異なる方向に位置ずれしており、その結果、正極及び負極の端部は発電要素11の両端にそれぞれ位置する。更に、各電極の端部は活物質が担持されておらず、基材である金属箔が露出している。そのため、発電要素11の両端部には、正極の金属箔11a及び負極の金属箔11a´が巻回された巻き束状のままはみ出している。
【0034】
上記発電要素11の両端部にそれぞれはみ出した金属箔11a、11a´には正極側の集電接続体12及び負極側の集電接続体12´がそれぞれ接続されている。正極側の集電接続体12はアルミニウム又はアルミニウム合金等製の導電性の金属板であり、負極側の集電接続体12´は、アルミニウム又はアルミニウム合金製もしくは銅又は銅合金の導電性の金属板である。
【0035】
集電接続体12の一端は、発電要素11の表面と平行な平板を形成し、その表面には貫通孔12aが形成されている。又、他端は発電要素11の側面に向かって屈曲した二股の平板を形成し、発電要素11の側面に露出した巻回状態の金属箔11aと共に挟持板14に挟まれて超音波溶接等により接続、固定されている。負極側の集電接続体12´も同様の構成を有する。
【0036】
次に、容器本体10と蓋部20は、アルミニウム又はステンレス鋼等の導電性の金属製の部材である。容器本体10は、
図2(a)に示すように、一対の主面10a、一対の側面10b、及び開口10xと対向する底面10cから構成された金属容器であり、発電要素11の各電極の配列に沿った向きを長辺とする長方形を底面とした角柱状の形状を有する。又、蓋部20は、容器本体10の開口10xの形状に対応した方形の形状を有する。蓋部20は、発電要素11を収納した状態で容器本体10の開口10xに嵌め込まれて、レーザ溶接等により周縁部が封止されることで、容器本体10を密閉して電池容器を構成する。このとき容器本体10と蓋部20は電気的にも接続される。
【0037】
次に、蓋部20近傍の構成を説明する。ただし、以下の説明においては、正極側の構成を中心として述べるが、同様の構成を有する負極側(符号省略)についても同様である。
【0038】
蓋部20には、両端に端子引出用の貫通孔が開口されている。なお、
図1においては、正極側の貫通孔20aのみを示し、負極側の貫通孔は後述する部品の陰に隠れるため図示されない。
【0039】
蓋部20と発電要素11の集電接続体12との間には絶縁封止材13が位置している。絶縁封止材13は合成樹脂等の絶縁性及び一定の弾性を備えた合成樹脂製の部材であり、その表面には蓋部20の貫通孔20a及び集電接続体12の貫通孔12aと同心円をなす貫通孔13aが形成されている。
【0040】
更に、蓋部20の短辺側の端部近傍と重なるように絶縁封止材21が位置している。絶縁封止材21は絶縁封止材13と同様の性質を有する合成樹脂製の部材であり、その表面には蓋部20の貫通孔20aと同心円をなす貫通孔21bが形成されている。
【0041】
又、絶縁封止材21の、蓋部20と対向する側には筒部21cが形成されており、貫通孔21bは筒部21c内を延伸している。筒部21cは貫通孔20a及び13aに対応した外形を有し、これら各貫通孔に嵌り込むようになっている。
【0042】
更に、絶縁封止材21の主面上には凹部21aが形成されている。これは後述する接続部材32の位置を固定する役割を果たす。
【0043】
又、凹部21aと絶縁封止材21の外縁部との間には、貫通孔21dが形成されている。
【0044】
更に、絶縁封止材21には、凹部21aに嵌り込むように接続部材32が、貫通孔21bを貫くように固定部材31が、そして貫通孔21dに埋め込まれるように導電性部材33がそれぞれ設けられている。そしてこれら各部材を蔽うように、端子部材30が配置されている。
【0045】
固定部材31は、アルミニウム、銅又はそれらの合金等の導電性の金属製部品であり、端子部材30と発電要素11の集電接続体12とを電気的に接続するとともに、蓋部20と発電要素11とを機械的に結合するための部材である。
【0046】
接続部材32は、鉄やステンレス鋼、クロムモリブデン鋼等の鋼、その他の強度の高い導電性の金属製部品であり、非水電解質二次電池1の端子部材30と外部負荷とを電気的に接続するための部材である。接続部材32は、表面にネジが切られたボルト部32aとボルト部32aの一端に設けられた周り止め部32bとから構成される。周り止め部32bは、絶縁封止材21の凹部21aに対応した方形の形状を有し、凹部21aに嵌り込むことで、ボルト部32aの回転軸周りの回転を規制し、接続部材32が空回りするのを防ぐ役割を果たす。
【0047】
導電性部材33は、カーボンを含有した合成樹脂製の円柱状の部材であり、端子部材30と蓋部20とを電気的に接続する役割を果たす。
【0048】
端子部材30は貫通孔21bと同心円状の貫通孔30b及び接続部材32が貫通するための貫通孔30aが設けられた、アルミニウム又はアルミニウム合金、その他の導電性の金属製の板状の部材である。
【0049】
以下の説明において、端子部材30、固定部材31、接続部材32及び導電性部材33から構成される要素を
図2(a)に示すように電極部23と称する。
【0050】
次に、
図2(b)及び
図3を参照して、本実施の形態1による非水電解質二次電池1の、電極部23周辺の構成をさらに詳細に説明する。ただし、
図2(b)は非水電解質二次電池1の要部平面図、
図3は、
図2(b)のA−A直線による要部断面図である。
【0051】
図2(b)に示すように、蓋部20の重心22、電極部23の固定部材31、接続部材32のボルト部32a、及び導電性部材33の中心は、蓋部20の長辺と平行な一直線上に配列されている。固定部材31は、端子部材30の重心に対し、蓋部20の重心22寄りにシフトした位置に配置されている。又、導電性部材33は、固定部材31より蓋部20の縁寄りに位置している。
【0052】
又、
図3に示すように、蓋部20の貫通孔20a及び絶縁封止材13の貫通孔13aには、絶縁封止材21の筒部21cが貫通しており、筒部21cの端面は、絶縁封止材13の主面とともに集電接続体12の主面に接している。そして、固定部材31は、端子部材30の貫通孔30b、絶縁封止材21の貫通孔21b及び集電接続体12の貫通孔12aを貫通した状態で、端子部材30上に露出する一端がかしめられ、かしめ端31aとして整形される。
【0053】
かしめ端31a及び固定部材31の他端31bの外径はそれぞれ各貫通孔より大きいため、端子部材30、絶縁封止材21、蓋部20、絶縁封止材13及び集電接続体12はかしめ端31a及び他端31bにより挟まれることで互いに圧着され、一体的に固定される。又、集電接続体12及び端子部材30は固定部材31により接続されることで電気的にも接続される。なお、固定部材31の側面は絶縁封止材21の筒部21cによって蔽われているため、蓋部20と固定部材31との間は直接的には絶縁状態が確保されている。
【0054】
これにより、発電要素11にて発生した電力が電極部23を通して容器本体10の外に取り出される。具体的には、図示しない外部機器の配線の圧着端子をボルト部32aに装着し、ボルト部32aのネジに対応したナットの締付けにより当該圧着端子を端子部材30に固定することにより電気的接続を完成する。
【0055】
次に、絶縁封止材21内に位置する導電性部材33は、
図3に示すように、その全長が絶縁封止材13の厚みにほぼ等しい。したがって、固定部材31の圧着により端子部材30及び蓋部20が絶縁封止材21を挟んで圧接されると、導電性部材33も同様に圧接され、その両端面がそれぞれ端子部材30及び蓋部20の表面に当接する。これにより固定部材31と蓋部20とが電気的に接続される。更に、蓋部20により封止された容器本体10も導電性を有するため、蓋部20及び容器本体10は電極部23と等電位で保たれることになる。
【0056】
以上の構成において、集電接続体12、12´等を含めた発電要素11は本発明の発電要素に相当し、容器本体10は本発明の容器本体に相当する。又、電極部23は本発明の電極部に相当し、導電性部材33は本発明の導電性部材に相当する。又、蓋部20は本発明の蓋部に相当し、絶縁封止材21は本発明の絶縁部材に相当し、蓋部20と容器本体10との組合せが、本発明の電池容器に相当する。
【0057】
更に、固定部材20は本発明の固定部材に相当し、端子部材30は本発明の端子部材に相当する。
【0058】
以上の構成を有する、本発明の実施の形態1による非水電解質二次電池1の作用効果を説明するとともに、これにより、本発明の電池の膨張を検知する方法の一実施の形態を、さらに
図4(a)も参照して説明する。
【0059】
図4(a)は、非水電解質二次電池1及び非水電解質二次電池1の電圧変化を検知する検知部50の構成を模式的に示すブロック図である。
図4(a)に示すように、検知部50は、非水電解質二次電池1の、正極側の電極部23及び容器本体10に接続された電圧計51と、電圧計51の測定結果を元に二値信号を外部へ出力する判定器52とを備える。
【0060】
先に
図2(b)及び
図3を参照して説明したように、電極部23と容器本体10とは、絶縁封止材21内に埋め込まれた導電性部材33、及び蓋部20を介することにより電気的に接続されている。したがって、非水電解質二次電池1が正常動作している状態においては、電極部23と容器本体10は、ともに電極部23の正極側の電位であり、電圧計51により計測される電位差は0である。
【0061】
次に、非水電解質二次電池1が、過充放電又は高温その他の異常環境下におかれた場合の動作を説明する。非水電解質二次電池1は、電気自動車等の大出力を必要とする場合には、複数個を電気的に直列接続とし、
図5(a)に示すように、主面10a同士を対向させるか、又は
図5(b)に示すように、側面10b同士を対向させて、縦列に配列した状態で使用される。このとき、配列された複数の非水電解質二次電池1は、側面が枠部材40によって数百Kgの荷重で締結されることで全体の形状が保持された、一体の組電池として使用される。
【0062】
図6(a)に示すように、通常動作時においては、非水電解質二次電池1は外形直方体状の形状を保持しているが、
図5(a)(b)のそれぞれに示す組電池において、過充放電等によって各非水電解質二次電池1が膨張、変形した場合、その変形の方向は、枠部材40及び隣接する他の二次電池により規制される。すなわち、枠部材40により締め付けられる両側面10b、及び非水電解質二次電池1同士が隣接することで互いに密接した状態で対向する主面10aはほとんど変形することがない。
【0063】
したがって、
図6(b)に示すように、各非水電解質二次電池1における変形は、他の部材や隣接する電池による拘束を受けない蓋部20及び底面10cに対して集中することになる。特に蓋部20は重心22が持ち上がるように膨張し、その両端は重心22に向かって仰角をなすように傾斜する。
【0064】
このとき、蓋部20上に位置する電極部23は、固定部材31により容器本体10の内部で発電要素11の集電接続体12と結合されており、かつ、固定部材31の電極部23における位置は、蓋部20の重心22寄りにシフトしている。このため、電極部23は、蓋部20の変形に応じて、端子部材30寄りの部分が持ち上がるように傾斜する。
【0065】
ここで
図7(a)に、
図6(b)に示す変形状態の要部断面図を示す。
図7(a)に示すように、蓋部20が変形した状態において、固定部材31が支点となり、蓋部20の重心22に向かって応力が加わることで、絶縁封止材21及び端子部材30は一体的に重心22に対して傾斜する。絶縁封止材21の、蓋部20の重心22寄りの部分は圧縮され歪む一方、固定部材31を挟んだ反対側の部分はさほど変形せず持ち上げられるため、当該部分は逆向きに傾斜する蓋部20と剥離し、その結果、隙間Cが生じる。
【0066】
このとき、絶縁封止材21に埋め込まれている導電性部材33は、端子部材30との当接状態は維持されるが、絶縁封止材21の蓋部20との剥離に伴い蓋部20との当接状態は解除される。これにより、蓋部20及び容器本体10と電極部23との電気的接続は遮断されることとなる。
【0067】
再び
図4(a)を参照して説明する。上述した導電性部材33と蓋部20の当接状態の解除によって、電極部23と容器本体10との間に電位差が生じる。電圧計51がこの電位差を計測し、計測値は判定器52へ出力される。判定器52は、入力された計測値に応じて通常動作時と異なる値の二値信号を外部へ出力する。二値信号は「通常」「通常ではない」にそれぞれ対応するため、判定器52の出力から、非水電解質二次電池1に膨張に起因する変形が生じたことを判断することができる。なお、電圧計51は測定した電位をそのまま出力するものとしてもよいし、連続的に測定を行い、あらかじめ定めた電位差が生じた際に差分のみを出力するようにしてもよい。
【0068】
このように、本発明の実施の形態1の非水電解質二次電池1によれば、通常時には電極部23と蓋部20とを等電位に保ち、蓋部20の変形に伴い電極部23と蓋部20との間に電位差を生じさせる導電性部材33を備えたことにより、簡易な構成で電池の変形を検知することができる。特に、導電性部材33は、非水電解質二次電池1の筐体部分をなす蓋部20の外側に設けられる、電気回路の構成要素としては極めて短距離の配線として、発電要素11を含む電池の内部要素とは独立した構成とすることができるため、電池全体の構成及び製造工程が簡略化される。又、検知部50は非水電解質二次電池1と独立して外部に設けたことで、電池自体の構成を簡略化して、電池の確実な検知を担保することができる。
【0069】
なお、上記の説明においては、導電性部材33は、接続部材32と端子部材30の短辺側の縁部との間に設けるものとしたが、
図8(a)に示すように、固定部材31と接続部材32との間に設けるようにしてもよいし、
図8(b)に示すように、接続部材32と蓋部20の長辺側の縁部との間に設けるようにしてもよい。
【0070】
これは以下の理由による。
図7(a)に示したように、電極部23を構成する端子部材30及び絶縁封止材21は固定部材31の位置を支点に蓋部20の重心に向かって傾斜するため、間隙Cは、その高さ(蓋部20と絶縁封止材21との距離)が固定部材31から遠ざかるにつれて大きくなる、くさび型の形状を有する。したがって、導電性部材33は、
図8(c)に示す間隙Cが生じる、図中網がけにて示す領域R内の位置、すなわち、蓋部20の重心22に対して、固定部材31の位置よりも遠ざかった位置であれば、任意の位置に設けてよい。
【0071】
又、間隙Cの高さは固定部材31の位置に応じて変化するため、非水電解質二次電池1の作成においては、固定部材31に対する導電性部材33の位置を適宜変更することで、蓋部20を含めた容器本体10の変形の程度に応じて検知部50の検知精度を調整できる。これにより、非水電解質二次電池1の用途、形状等に応じて、導電性部材33の最適な位置決めを行うことができる。
【0072】
特に、非水電解質二次電池1を
図5(a)(b)に示すような組電池として電気自動車等に用いる場合、長期間の使用によって電極部23の各部にゆるみが生じるなどの、容器本体10の膨張とは異なる原因により導電性部材33と蓋部20が剥離する可能性がある。上記のように導電性部材33の位置決めを最適化することにより、このような他の要因を排除して、容器本体10の膨張に起因する変形を的確に検知することができる。
【0073】
ただし、間隙Cが最も大きくなるのは固定部材31から最も遠い位置であるから、検知精度を高めるには、導電性部材33を端子部材30の縁部により近づけることが望ましい。
【0074】
なお、
図7(a)において、電極部23及び蓋部20近傍の変形の度合いは、説明のために誇張して示したが、蓋部20と導電性部材33との当接状態が解消されるのに十分な変形であれば、本発明の効果は得られるものである。又、
図7(a)においては、蓋部20と導電性部材33との当接状態が解消されるように、導電性部材33は絶縁封止材21と一体となって変形するものとした。しかし電極部23の変形は様々な形態をとりうる。
【0075】
例えば、
図7(b)に示すように、導電性部材33が蓋部20との当接状態を維持し一体となったまま、導電性部材33の側面が絶縁封止材21の貫通孔21dから剥離する場合もある。このときは端子部材30と導電性部材33との当接状態が解消されることにより蓋部20及び容器本体10と電極部23との電気的接続は遮断される。
【0076】
要するに、電極部23の変形により、導電性部材33と蓋部20又は端子部材30の少なくとも一方との当接状態が解消されれば、本発明の効果は得られるものである。
【0077】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2による非水電解質二次電池について、
図4(b)、
図9(a)〜(c)及び
図10を参照して説明を行う。ただし実施の形態1と共通の構成は同一符号を付し、詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0078】
本発明の実施の形態2による非水電解質二次電池2は、
図9(a)の要部平面図に示すように、複数で一組の導電性部材を備えたことを特徴とする。導電性部材は、固定部材31に近いものから縦列配置された4つの導電性部材33a、33b、33c、33dから構成され、互いに独立して蓋部20及び端子部材30と接続している。なお、導電性部材33a〜33dについて、個々の形状及び材質は実施の形態1の導電性部材33と同一である。
【0079】
次に、
図10は、蓋部20が、実施の形態1の
図7(a)と同様に容器本体10の膨張により変形した場合の状態を示す、
図9(a)のA−A直線による要部断面図である。
図10に示すように、蓋部20の変形により、固定部材31が支点となり、絶縁封止材21及び端子部材30は一体的に重心22に向かって傾斜して蓋部20から剥離し、実施の形態1の場合と同様に、くさび型の隙間Cが形成される。
【0080】
間隙Cの高さは固定部材31から遠ざかるにつれて大きくなるため、導電性部材33a〜33dは、固定部材31から遠い位置にあるものから順番に蓋部20との当接状態が解除されることになる。
図10においては、固定部材31から最も遠い位置にある導電性部材33d及びその次に遠い位置にある導電性部材33cが絶縁封止材21とともに蓋部20から剥離し、固定部材31から比較的近い位置にある導電性部材33a及び33bは蓋部20との当接状態を維持している。
【0081】
次に、
図4(b)は、本実施の形態2による非水電解質二次電池2及びその検知部60の構成を模式的に示すブロック図である。
図4(b)に示すように、検知部60は、非水電解質二次電池2の、正極側の電極部23及び容器本体10に接続された抵抗計61と、後述する所定の抵抗値及び抵抗値と対応づけられた情報をあらかじめ記憶したメモリ62と、抵抗計61の測定結果及びメモリ62内の抵抗値を参照して報知信号を生成し、外部へ出力する判定器63とを備える。なお、検知部60は本発明の検知部に相当し、メモリ62及び判定器63は本発明の情報生成部に相当する。
【0082】
以下、動作を説明する。抵抗計61は、導電性部材33a〜33dの合成抵抗値を含めた電極部23−容器本体10間の抵抗値を計測し判定器63に出力する。判定器63は、計測された抵抗値を取得すると、メモリ62を参照して計測された抵抗値に最も近い抵抗値を選択し、その選択された抵抗値に対応づけられた情報を読み出して、報知信号として外部へ出力する。
【0083】
メモリ62内には、導電性部材33a〜33dの組合せの全てに対応した合成抵抗値を含めた電極部23−容器本体10間の各抵抗値及び各抵抗値に対応した情報が記憶されている。非水電解質二次電池2の通常動作時においては、導電性部材33a〜33dの全合成抵抗値を含めた抵抗値、及びこの抵抗値に対応した、電池が正常状態にあることを示す情報がメモリ62から読み出される。
【0084】
一方、非水電解質二次電池2が膨張し、
図10に示す状態においては、抵抗計61は、導電性部材33a及び33dの合成抵抗値を含めた電極部23−容器本体10間の抵抗値を計測し判定器63に出力する。判定器63は、通常動作時と同様に抵抗値を取得すると、メモリ62を参照して計測値に最も近い抵抗値を選択し、その選択された抵抗値に対応づけられた情報を読み出し報知信号として出力する。このとき、メモリ62内の情報として非水電解質二次電池2に異常がある(膨張、変形が生じている)ことを示す内容をあらかじめ設定しておく。なお、抵抗計61は測定した抵抗値をそのまま出力するものとしてもよいし、連続的に測定を行い、あらかじめ定めた差分が生じた際にその差分のみを出力するようにしてもよい。
【0085】
導電性部材33a〜33dの組合せの全てに対応して、非水電解質二次電池2の異常の大小を割り当てた情報を設定することにより、検知部60は、非水電解質二次電池2の膨張、変形の程度に応じた内容の報知情報を外部に出力することができる。通常は、合成抵抗値が大きくなるほど蓋部20の変形の度合いが大きいと推定されるため、報知情報は抵抗値の大きさに比例して異常の重大さが大きくなるような内容に定めるのが望ましい。
【0086】
このように、本発明の実施の形態2の非水電解質二次電池2によれば、複数の導電性部材33a〜33dを備え、導電性部材の抵抗値を考慮した検知を行う検知部60を用いたことにより、簡易な構成で電池の膨張を検知することができる。特に、実施の形態1並びに従来技術においては、電池の膨張について、有るか無いかの二値的な判断がなされていたのに対し、本実施の形態においては、膨張の程度まで判断することができ、電池をより精密に診断することが可能となる。
【0087】
なお、上記の説明においては、導電性部材は、4つの導電性部材33a〜33dから構成されるものとしたが、2個以上であれば任意の個数でよい。又、導電性部材33a〜33dは、蓋部20の長辺に平行な一直線上に配列されるものとしたが、
図9(b)に示すように配列は曲線であってもよい。又、千鳥配置されていてもよい。要するに、隙間Cが大きくなる向き、すなわち固定部材31の固定位置から蓋部20の縁に向かうような向きに導電性部材が配列されていればよく、配列の具体的な態様に限定されるものではない。ただし、配列が上記向きに従うものではない場合であってもよい。この場合は導電性部材の冗長性を確保して、二値判断に基づく検知の精度を高められるという効果が得られる。
【0088】
又、上記の説明においては、導電性部材は4つの導電性部材33a〜33dから構成されるものとしたが、単一の導電性部材によって構成してもよい。
【0089】
図9(c)は、長円状の平面形状を有する導電性部材34を用いた構成例である。導電性部材34は、端子部材30及び蓋部20とそれぞれ当接する端面の形状が長円状となっているため、蓋部20が変形した場合、固定部材31により近い側の端部34aが当接状態を保持したまま固定部材31からより遠い側の端部34bの当接状態が解除される。すなわち、蓋部20の変形に応じて、導電性部材34は、蓋部20との当接部分の面積が変化することになる。この面積の変化を検知部60が抵抗値の変化として検知することにより、電池の膨張の有無及びその程度を検知することが出来る。
【0090】
なお、導電性部材34の平面形状は、長円状の他、楕円状、長方形状等であってもよい。要するに、これら図形の長辺、長軸等が、隙間Cが大きくなる向き、すなわち固定部材31の固定位置から蓋部20の外縁に向かうような方向に沿っていればよい。
【0091】
又、上記の説明においては、検知部60は
図9(a)〜(c)に示す構成の非水電解質二次電池2と組み合わせて用いるものとしたが、実施の形態1の非水電解質二次電池1と組み合わせてもよい。この場合は抵抗値の変化に基づく二値的な判断がなされることになる。
【0092】
以上説明したように、本発明の各実施の形態の非水電解質二次電池によれば、簡易な構成で電池の膨張を検知することができる。
【0093】
しかしながら、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではない。導電性部材33は絶縁封止材21に設けた貫通孔21d内に埋め込まれるように位置しているとしたが、
図11(a)(b)に示すように、導電性部材33は貫通孔21dの外径より小さな寸法を有し、その結果、貫通孔21dとの間に隙間c´が形成された構成としてもよい。又、導電性部材33の周囲の全てが絶縁封止材21に囲まれている必要はなく、一部が開放された構成であってもよい。要するに、本発明の導電性部材はその周囲の全部又は一部に弾性部材が形成されていればよく、その形成の具体的な態様によって限定されるものではない。
【0094】
又、導電性部材33は、固定部材31の圧着によって蓋部20及び端子部材30と当接状態にあるとしたが、圧着前において導電性部材33の高さと絶縁封止材21の厚みとが同一である必要はない。
図11(c)に示すように、圧着されていない状態における導電性部材33の高さh1は絶縁封止材21の厚みtより大きい構成としてもよい。この場合、圧着によって絶縁封止材21が変形されることで導電性部材33の高さh1と絶縁封止材21の厚みtが一致し、導電性部材33の当接状態が形成される。この構成は、特に導電性部材33の弾性が絶縁封止材21より大きいか同等である場合に好適である。
【0095】
又、導電性部材33はカーボン含有の合成樹脂であるとしたが、導電性を有する材料であれば、金属材料その他の材料製であってもよい。特に金属材料のような、絶縁封止材21よりも弾性が小さい材質を導電性部材33に用いた場合は、
図11(d)に示すように、圧着されていない状態における導電性部材33の高さh2が絶縁封止材21の厚みtより小さい構成が好適となる。要するに、本発明の導電性部材は電池の完成状態において電極部及び電池容器の表面が当接状態にあればよく、電池の完成前の個別の構成要素の寸法等によって限定されるものではない。
【0096】
上述した
図11(a)〜(d)に示す構成例は、蓋部20に変形が生じた場合における導電性部材33と蓋部20との剥離しやすさを高める効果を有する。
【0097】
さらに、導電性部材33の周囲には絶縁封止材21が形成されている構成としたが、導電性部材33の全部又は一部を省略して、導電性部材33と蓋部20及び端子部材30とが絶縁封止材21を介さずに当接状態にある構成としてもよい。ただし、本発明の絶縁部材を周囲に設けることは、外部からの水分の進入により蓋部20と電極部23とが、蓋部20が変形しているにもかかわらず短絡してしまう等の不具合を防ぐ効果があり、より好ましい形態である。
【0098】
更に、導電性部材33は、その両端が平面であり、
図3等に示すように、固定部材31の圧着によって蓋部20及び端子部材30のそれぞれの主面と面接触することにより当接状態にあるものとしたが、導電性部材の端面形状は、平面の他、曲面であってもよい。点接触でも線接触でもよい。
【0099】
要するに、本発明の当接とは、導電性部材が、蓋部その他の電池容器の表面と電極部をなす端子部材との間に電気回路を形成できる程度に接触されている状態を意味し、接触時の各部材の形状やその具体的な方法によって限定されるものではない。例えば、蓋部20の膨張に起因した変形によって剥離することができるのであれば、導電性部材33と蓋部20との間に導電性の接着剤、粘着剤等を介していてもよい。又、固定部材31による圧着は蓋部20寄りのかしめ端31aを整形することによるものとしたが、溶接、ボルト−ナットの締付けによる固定その他任意の周知技術を用いてもよい。
【0100】
又、上記の各実施の形態においては、導電性部材33は非水電解質二次電池の正極側に設けられるものとしたが、検知部50又は60が電位の変化又は抵抗値の変化を検出する基準電位を有していれば、負極側に設ける構成としてもよい。
【0101】
又、検知部50及び60は、判定器52,並びにメモリ62及び判定器53をそれぞれ備えた構成としたが、本発明の検知部は、電圧計61、抵抗計61のみをそれぞれ備えた構成としてもよい。この場合、図示しない外部回路により、又は利用者が直接測定値を観察することにより、より簡易な構成にて非水電解質二次電池の変形を検知することができる。
【0102】
さらに、上記の各実施の形態においては、電極部23は蓋部20に設けるものとして説明を行ったが、これは
図5(a)(b)に示すように非水電解質二次電池を複数配列し締結して用いたためであり、単体で使用する場合等は容器本体10側に設けてもよい。本発明の電極部は、電池容器の膨張に起因した変形が生じるところであれば電池容器の表面上の任意の箇所に設けるようにしてもよく、電池容器の具体的な構成によって限定されるものではない。又、蓋部20と容器本体10とは角柱状の形状で構成されるとしたが、本発明の電池容器は円柱形その他任意の形状であってよい。さらに、端子部材30は
図1等に示すように長方形の形状としたが、円形その他任意の形状であってもよい。
【0103】
さらに、上記の各実施の形態においては、
図2(b)等に示すように、蓋部20の重心22、固定部材31、接続部材32、及び導電性部材33は、一直線上に配列されているものとしたが、端子部材30上における固定部材31の位置は、蓋部20の重心に近づけるほうが、端子部材30の蓋部20に対する変形を大きくし、電極部23と蓋部20とを剥離させ易くなるため、好ましい。
図12(a)に示すのは、端子部材30の角に固定部材31を位置させた構成例である。この場合、導電性部材33の配置を、端子部材30の重心35を間に挟んで端子部材30の対角とすることで、感度を高めることができる。
【0104】
又、
図12(b)に示すように、電極部23上における接続部材32、固定部材31及び導電性部材33の配置を入れ替えて、固定部材31を蓋部20の外縁側にシフトさせた構成としてもよい。少なくとも固定部材31の位置を、端子部材30の重心35からシフトさせ、かつ導電性部材33を離隔した位置に配置できればよい。
【0105】
又、本発明の電池はリチウムイオン二次電池その他の非水電解質二次電池に限定されるものではなく、電池容器に膨張、変形が生ずる恐れがあるものであれば、水系電解質その他の電解質を用いた二次電池であってもよいし、一次電池であってもよい。要するに、本発明の電池はその具体的な起電方法によって限定されるものではない。
【0106】
要するに、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば、以上説明したものを含め、上記各実施の形態に種々の変更を加えてもよい。
【0107】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、本発明の非水電解質二次電池を備えた電源装置である。
【0108】
図13(a)は、本実施の形態3による電源装置70の構成を示すブロック図である。
図13(a)に示すように、電源装置70は、例えば本実施の形態1又は2の非水電解質二次電池として実現され、図示しない通信機器、電気自動車その他の外部負荷に電力を供給する電池部71と、電池部71の外部負荷への放電又は外部からの電池部71に対する充電を制御するバッテリーコントローラ72とを備える。又、バッテリーコントローラ72は例えば本実施の形態1又は2の検知部として実現される検知部72aを内蔵している。
【0109】
このような構成を備えたことにより、検知部72aによって過充電等に起因する電池部71の膨張を検知し、バッテリーコントローラ72はこの検知結果に基づき、電池部71への充放電の開始、停止又は停止解除等の各種制御を実行することができる。これにより、外部負荷の接続に伴う放電時又は充電時における不具合に未然に対応することが可能となる。なお、検知部72aが実施の形態2の検知部60であるとした構成は、本発明のある側面として、前記検知部は、前記抵抗値又は前記抵抗値の変化を検知するものであり、検知した前記抵抗値又は前記抵抗値の変化毎に異なる内容の、前記電池の状態を示す情報を生成する情報生成部を有する電源装置の一実施形態としてもよい。
【0110】
なお、上記の構成において、電源装置70は本発明の電源装置に相当し、電池部71は本発明の電池、検知部72aは本発明の検知部に相当する。
【0111】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4は、本発明の非水電解質二次電池と、これにより動作する外部負荷としての駆動装置とから構成される電池駆動システムである。
【0112】
図13(b)は、本実施の形態4による電池駆動システム80の構成を示すブロック図である。
図13(b)に示すように、電池駆動システム80は、例えば本実施の形態1又は2の非水電解質二次電池として実現される電池部81と、電池部81を内蔵し、これより電力の供給を受けて動作する負荷としての駆動装置82とを備える。駆動装置82としては、電気自動車、携帯通信装置その他直流電源にて動作する任意の機械類を用いることができる。又、駆動装置82に対して、電池部81は脱着可能となっている。
【0113】
駆動装置82は、例えば本実施の形態1又は2の検知部として実現される検知部82aを内蔵しており、電池81が電池駆動システム80に組み込まれると、電池81及び検知部82aは、
図4(a)(b)に示すような、電池81の電極部分及び電池容器部分に電気的に接続された回路を形成する。
【0114】
このような構成を備えたことにより、検知部82aによって過充電等に起因する電池部81の膨張を検知し、駆動装置82はこの検知結果に基づき、電池部81からの電力供給の開始、停止又は停止解除等の各種制御を実行することができる。これにより、電池部81の使用時における不具合に未然に対応することが可能となる。
【0115】
なお、検知部82aが実施の形態2の検知部60であるとした構成は、本発明のある側面として、前記駆動装置の前記検知部は、前記抵抗値又は前記抵抗値の変化を検知するものであり、検知した前記抵抗値又は前記抵抗値の変化毎に異なる内容の、前記電池の状態を示す情報を生成する情報生成部を更に有する電池駆動システムの一実施形態としてもよい。
【0116】
なお、上記の構成において、電池駆動システム80は本発明の電池駆動システムに相当し、駆動装置82は本発明の駆動装置、電池部81は本発明の電池、検知部82aは本発明の検知部にそれぞれ相当する。