(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基準値補正手段は、前記電源電圧検出手段によって検出された電圧値をx、a及びbを所定の定数として、補正値yをy=ax−bの関係式から算出し、所定の固定値と前記算出した補正値とに基づいて、基準値を決定する請求項3に記載の電気掃除機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。各図において、同一又は相当する部分には、同一の符号を付している。重複する説明については、適宜簡略化或いは省略している。
【0013】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、電気掃除機100は、吸込具1、延長パイプ2、手元ホース3、ホース4、掃除機本体5を備えている。
【0014】
吸込具1は、下向きに形成された開口から、床面上等にあるごみ(塵埃)を空気と一緒に吸い込むためのものである。吸込具1には、回転ブラシや電動機(共に図示せず)が内蔵されている。回転ブラシは、被掃除面(例えば、床面やじゅうたん等)に存在するごみをかき上げるためのものである。回転ブラシには、被掃除面に接触してごみをかき上げるための植毛が備えられている。電動機は、ブラシモータからなる。回転ブラシは、ベルト等を介して電動機の出力軸に接続される。電動機は、上記ベルト等を介して回転ブラシを駆動する。
【0015】
延長パイプ2は、円筒状を呈する真直ぐな部材からなる。吸込具1には、上記開口に通じる接続口が設けられている。延長パイプ2の一端部は、吸込具1の接続口に接続されている。
【0016】
手元ホース3は、掃除をする人が持って操作する部分を構成する。手元ホース3は、一端部が、延長パイプ2の他端部に接続されている。手元ホース3には、操作スイッチ6を備えた取っ手が設けられている。操作スイッチ6は、掃除をする人が、電気掃除機100の運転を制御(操作)するためのスイッチである。即ち、掃除をする人は、操作スイッチ6を操作することにより、吸引力の強弱(電動送風機7(
図1においては、図示せず)の動作)を切り替えたり、電動送風機7を駆動及び停止させたりすることができる。
【0017】
ホース4は、可撓性を備えた蛇腹状を呈する部材からなる。ホース4は、一端部が、手元ホース3の他端部に接続されている。
【0018】
掃除機本体5は、ごみを含む空気(含塵空気)からごみを分離し、ごみが分離された空気を室内に戻す(排出する)ためのものである。ホース4の他端部は、掃除機本体5に接続されている。掃除機本体5には、後方部に車輪8が、前方部の下面にキャスター(図示せず)が備えられている。掃除機本体5は、車輪8及びキャスターが回転することにより、床面等を滑らかに移動する。
【0019】
また、掃除機本体5は、電動送風機7及び電源コード9を備えている。電源コード9が外部電源(例えば、後述の商用交流電源10)に接続されると、掃除機本体5に備えられた電動送風機7等の内部機器が通電する。電動送風機7は、外部電源から電力を供給されることによって駆動され、含塵空気を吸い込むための吸引力を発生させる。
【0020】
吸込具1、延長パイプ2、手元ホース3、ホース4は、適切に接続されると、内部が一続きに形成される。電源コード9が外部電源に接続された状態で操作スイッチ6に対して所定の操作が行われると、電動送風機7が吸引動作を開始する。電動送風機7が吸引動作を行うことにより、床面上のごみが空気と一緒に吸込具1に吸い込まれる。吸込具1に吸い込まれた含塵空気は、吸込具1、延長パイプ2、手元ホース3、ホース4の各内部を通って、掃除機本体5に送られる。このように、吸込具1、延長パイプ2、手元ホース3、ホース4は、外部から掃除機本体5の内部に含塵空気を流入させるための風路を形成する。掃除機本体5は、流入した含塵空気からごみを分離する。ごみが分離された空気は、排気口を介して掃除機本体5から外部に排出される。
【0021】
図1は、掃除機本体5にサイクロン分離式集塵装置を備えた電気掃除機100を示している。しかし、これは集塵装置の一例を示したものである。サイクロン分離式集塵装置を
図1に示す配置以外の配置で掃除機本体5に搭載しても構わない。例えば、サイクロン分離式集塵装置として、垂直円筒型のものを採用しても良い。また、掃除機本体5に、紙パック式の集塵装置を搭載しても構わない。
【0022】
図2はこの発明の実施の形態1における電気掃除機の構成を示すブロック図である。
上述した通り、
図2において、10は商用交流電源、7は電動送風機である。
図2は、電気コード9をコンセントに差し込み、電動送風機7を商用交流電源10に接続した状態を示している。11は双方向性サイリスタである。電動送風機7及び双方向性サイリスタ11は、商用交流電源10に直列に接続される。
【0023】
12は電源電圧検出部、13は電流センサ、14は電源同期検出手段である。
電源電圧検出部12は、商用交流電源10の出力をマイクロコンピュータ15のA/Dポートに入力させるための回路からなる。電源電圧検出部12の具体的な回路構成については、後述する。
【0024】
電流センサ13は、電動送風機7に流れる電流を検出するための信号を出力する。例えば、電流センサ13は、電動送風機7に直列に接続されたカレントトランスやシャント抵抗を備える。かかる場合、電流センサ13は、所定の電圧降下法によって降下させた電圧を出力する。
電源同期検出手段14は、商用交流電源10の同期ポイント(ゼロクロス点)を検出するための回路からなる。
【0025】
マイクロコンピュータ15は、電気掃除機100の各種制御機能を司る。マイクロコンピュータ15は、例えば、電源電圧検出手段16、電流検出手段17、基準値補正手段18、ごみ詰まり判定手段19、位相制御手段20、表示制御手段21を備えている。
【0026】
電源電圧検出手段16は、商用交流電源10の電圧を検出する。電源電圧検出手段16は、例えば、電動送風機7が駆動されている間、所定の時間毎に、電源電圧検出部12の出力を取り込む。電源電圧検出手段16は、電源電圧検出部12の出力値に基づいて、商用交流電源10の電圧を検出する。
電流検出手段17は、電動送風機7に流れる電流を検出する。電流検出手段17は、例えば、電流センサ13が出力する電圧値に基づいて、電動送風機7に流れる電流を検出する。
【0027】
基準値補正手段18は、電気掃除機100の内部で発生する所定のごみ詰まり状態(例えば、ごみが風路の一部を塞いだ状態やフィルターに所定の目詰まりが発生した状態)を検知するための基準値(以下、「ごみ詰まり基準値」ともいう)を決定する。基準値補正手段18は、電源電圧検出手段16によって検出された電圧値に基づいて、上記決定を行う。電源電圧検出手段16が所定時間毎に商用交流電源10の電圧を検出する場合、基準値補正手段18は、電源電圧検出手段16の上記電圧検出周期に応じて、所定の時間毎に、ごみ詰まり基準値を決定(更新)する。
【0028】
基準値補正手段18は、例えば、電源電圧検出手段16によって検出された電圧値に基づいて、先ず、補正値を算出する。次に、基準値補正手段18は、上記算出した補正値を所定の固定値に加算(固定値から減算)する等して上記固定値を補正し、現状に応じたごみ詰まり基準値を決定する。
【0029】
ごみ詰まり判定手段19は、現在の状態が所定のごみ詰まり状態であるか否かを判定する。ごみ詰まり判定手段19は、例えば、基準値補正手段18が決定したごみ詰まり基準値と電流検出手段17によって検出された電流値とに基づいて、上記判定を行う。
【0030】
位相制御手段20は、電動送風機7に印加される電圧の位相角を制御し、電動送風機7への入力電流を制御する。位相制御手段20は、電源同期検出手段14によって検出された電源同期ポイントに基づいて、電動送風機7への入力電流が所望の値になるように位相角の制御を行う。
【0031】
位相制御手段20には、操作スイッチ6のスイッチ部6aからの信号や、ごみ詰まり判定手段19の判定結果が入力される。例えば、位相制御手段20には、スイッチ部6aから、入力切り替えや、起動・停止といった操作情報が入力される。また、位相制御手段20には、ごみ詰まり判定手段19から、所定のごみ詰まり状態であるか(所定のごみ詰まり状態が発生したか)否かの情報が入力される。位相制御手段20は、これらの入力情報に基づいて、電動送風機7を適切に動作させる。
【0032】
表示制御手段21は、表示部22を制御する。表示部22は、例えば、液晶画面やランプ等からなる。表示制御手段21は、表示部22を適切に制御することにより、現在選択されている運転モードの表示や、所定のごみ詰まり状態である旨の表示等を行う。
【0033】
表示制御手段21及び表示部22は、電気掃除機100に備えられた報知機能の一例として示したものである。電気掃除機100は、表示部22以外の報知器を備えていても構わない。電気掃除機100が他の報知器を有する場合、マイクロコンピュータ15には、この報知器を制御する報知制御手段が備えられる。報知制御手段は、各種入力情報に応じて、報知器から所定の情報を報知させる。
【0034】
図3はこの発明の実施の形態1における電源電圧検出部の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電源電圧検出部12は、抵抗12a及び12c、可変抵抗12b、ダイオード12d、ツェナーダイオード12e、コンデンサ12fを備えている。
【0035】
抵抗12a、可変抵抗12b、抵抗12cは、商用交流電源10に直列に接続されている。抵抗12a及び12cは、商用交流電源10の出力をマイクロコンピュータ15のA/Dポートに入力させるために、商用交流電源10を分圧する分圧抵抗からなる。可変抵抗12bは、抵抗12a及び12c間に接続される。可変抵抗12bは、抵抗12a及び12cの抵抗値のばらつきを調整する。ダイオード12dは半波整流を行うため、ツェナーダイオード12eは、静電気等からマイクロコンピュータ15を保護するために設けられている。コンデンサ12fは、電源歪みや電源ノイズを補正する。
【0036】
23は商用交流電源10に接続された絶縁型電源トランスである。絶縁型電源トランス23は、一次側と二次側との間に、所定の絶縁性が備えられている。絶縁型電源トランス23は、一次側が商用交流電源10に接続される。絶縁型電源トランス23は、一次側の電圧を所定の電圧に変圧して二次側から出力する。24は絶縁型電源トランス23の二次側に接続されたダイオードブリッジである。ダイオードブリッジ24は、絶縁型電源トランス23の出力を整流する。
【0037】
25は平滑用ダイオード、26は電解コンデンサである。電解コンデンサ26は、平滑用ダイオード25に接続される。27は入力側が電解コンデンサ26に接続された定電圧電源である。定電圧電源27は、出力側から所定の定電圧を出力する。28は定電圧電源27の発振を抑えるための電解コンデンサである。
【0038】
図4及び
図5は電流センサの出力値と風量との関係を表した特性図である。風量とは、電気掃除機100に形成された風路の所定場所を通過する風の量のことである。
図4及び
図5は、消費電力制御を行わない場合(トリガー信号のタイミングが100%フル通電の場合)の特性を表している。
【0039】
図4及び
図5に示すように、電流センサ13の出力は、風量が小さくなるとその値(例えば、電圧値)が低くなる左下がりの特性を有している。この特性は、商用交流電源10の電圧に因らず同じである。例えば、電流センサ13の出力は、商用交流電源10の電圧が120V、100V、80Vの場合でも、
図4及び
図5に示すように左下がりとなる。また、電流センサ13の出力は、風量が同じであれば、商用交流電源10の電圧が高いほど、その値が高くなる特性を有している。
【0040】
所定のごみ詰まり状態が発生しているか否かを判定するための基準値として、電流センサ13の出力値(即ち、電流検出手段17の検出値)を利用する場合、判定のための基準値をある値に固定すると、その基準値の時の風量が、商用交流電源10の電圧によって変化してしまう(
図4参照)。即ち、ごみ詰まり状態が発生しているか否かの判定に、ばらつきが生じてしまう。
【0041】
例えば、商用交流電源10の電圧が120Vである場合、ごみ詰まり状態が検知される時の風量は、Q
120Vである。同様に、商用交流電源10の電圧が100Vである場合、ごみ詰まり状態が検知される時の風量はQ
100V、電圧が80Vである場合は風量がQ
80Vである。
図4に示すように、上記風量の関係は、Q
120V<Q
100V<Q
80Vとなる。従来では、トリガー信号のタイミングが100%フル通電の場合、特に、商用交流電源10の電圧が80Vの時は、電源電圧を昇圧しなければ、風量が設定基準であるQ
100Vと一致するように上記基準値を補正することはできなかった。
【0042】
なお、商用交流電源10の電圧が80Vである状態は、例えば、延長コードを用いて蛸足配線を行った場合や、同じコンセントに電源コードが接続された他の機器を、電気掃除機100の動作中に動作させた場合等に起こり得る。
【0043】
一方、本電気掃除機100では、16乃至18に示す各手段により、商用交流電源10の電圧に応じて、ごみ詰まり状態を検知するための基準値を補正する。この補正を適切に行えば、商用交流電源10の電圧が変動した場合でも、基準値の時の風量を一定にすることができる(
図5参照)。
【0044】
例えば、基準値補正手段18は、商用交流電源10の電圧(電源電圧検出手段16によって検出された電圧)の値が高くなると基準値も高くなる所定の関係式を用いて、基準値を決定する。
図5に示すように、基準値補正手段18は、商用交流電源10の電圧が120Vの時は、商用交流電源10の電圧が100Vの時よりも高い値の基準値を決定する。同様に、商用交流電源10の電圧が80Vの時は、商用交流電源10の電圧が100Vの時の値よりも低い値の基準値を決定する。即ち、基準値補正手段18が決定する基準値は、(電源電圧が120Vの時の値)>(電源電圧が100Vの時の値)>(電源電圧が80Vの時の値)となる。
【0045】
図6は基準値補正手段による補正値の算出例を説明するための図である。
基準値補正手段18は、電源電圧検出手段16によって検出された電圧値を変数とする1次方程式の近似式によって、補正値を算出する。基準値補正手段18は、例えば、補正値yを算出するために、次式を利用する。
y=ax−b (1)
ここで、
a、b:定数
x:電源電圧検出手段16によって検出された電圧値
である。
【0046】
図6には、商用交流電源10の電圧が100Vの時に補正値が0となるように、上記1式を設定した場合を示している。即ち、商用交流電源10の電圧が100Vの時の基準値を固定値とし、基準値補正手段18は、この固定値に補正値を加算(或いは、固定値から補正値を減算)して、ごみ詰まり基準値を決定する。このような関係式を採用することにより、電源電圧検出手段16の検出値毎(例えば、1V刻みの値毎)に、正確に、ごみ詰まり基準値を算出することができる。
【0047】
次に、
図7も参照し、上記構成を有する電気掃除機100の動作について説明する。
図7は、この発明の実施の形態1における電気掃除機の動作を示すフローチャートである。
【0048】
掃除をする人が電源コード9をコンセントに差し込み、操作スイッチ6を操作すると、電動送風機7が動作を開始する(S101のYes)。電動送風機7が駆動されている間、電源電圧検出手段16は、電源電圧検出部12の出力を周期的に取り込み、商用交流電源10の電圧を上記周期で検出する(S102)。
【0049】
基準値補正手段18は、S102で電源電圧検出手段16が検出した電圧値に基づいて、例えば、上記式1等を用いて補正値を算出する(S103)。基準値補正手段18は、補正値を適切に算出すると(S104のYes)、その算出した補正値を用いて、現状に応じたごみ詰まり基準値を算出する。基準値補正手段18によってごみ詰まり基準値が適切に算出されると(S105のYes)、電流検出手段17が、電流センサ13の出力値を読み込む(S106)。
【0050】
ごみ詰まり判定手段19は、S106で電流検出手段17が検出した値に基づいて、現在の状態が所定のごみ詰まり状態であるか否かを判定する。例えば、電流検出手段17が、検出値として電流センサ13の出力値をそのまま採用する場合、ごみ詰まり判定手段19は、電流センサ13の出力値(即ち、電流検出手段17によって検出された値)と、S105で確定したごみ詰まり基準値とを比較する(S107)。
【0051】
ごみ詰まり判定手段19は、電流検出手段17の検出値が、基準値補正手段18が決定したごみ詰まり基準値に満たない場合に、所定のごみ詰まり状態であることを判定する(S107のYes)。例えば、ごみ詰まり判定手段19は、次式が成立する場合に、ごみ詰まり状態が発生していると判断する。
(電流センサ13の出力値)<(ごみ詰まり基準値) (2)
【0052】
所定のごみ詰まり状態であることがごみ詰まり判定手段19によって判定されると、位相制御手段20は、ごみ詰まり状態に対応した特定の制御を行う。例えば、位相制御手段20は、所定のごみ詰まり状態であることが判定されると、電動送風機7に印加される電圧の位相角を制御し、電動送風機7を停止させる。或いは、位相制御手段20は、電動送風機7に印加される電圧の位相角を制御して電動送風機7を減速させ、電動送風機7を所定の低速で回転させる(S108)。
【0053】
また、所定のごみ詰まり状態であることがごみ詰まり判定手段19によって判定されると、表示制御手段21は、ごみ詰まり状態に対応した特定の制御を行う。例えば、表示制御手段21は、所定のごみ詰まり状態であることが判定されると、表示部22を制御し、所定のごみ詰まり状態である旨を表示部22に表示させる。
【0054】
電流検出手段17の検出値がごみ詰まり基準値を超えている場合は(S107のNo)、S101に戻って、上記処理を繰り返す。
【0055】
上記構成を有する電気掃除機100であれば、消費電力制御を行わない場合(トリガー信号のタイミングが100%フル通電の場合)であっても、ごみ詰まりを正確に検知することができる。即ち、商用交流電源10の電圧が低い状態であっても、ごみ詰まりの誤検知が発生する恐れはない。
【0056】
上記構成の電気掃除機100であれば、所定のごみ詰まり状態であることが判定されると、電動送風機7が停止される。或いは、電動送風機7が所定の低速状態となる。また、所定のごみ詰まり状態であることが判定されると、その旨が表示部22に表示される。このため、使い勝手の良い優れた電気掃除機100を提供することができる。
【0057】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2における電気掃除機の構成を示すブロック図である。
上記特許文献1に記載された電気掃除機では、上述したように、電源の電圧に関わらず、吸込力を一定にすることができる。しかし、この電気掃除機では、電源の電圧が異常に高くなってしまった時、或いは、異常に低くなってしまった時の配慮がなされていない。特に、電源の電圧が異常に高い場合は、電動送風機の整流ブラシの磨耗が顕著になり、電動送風機の寿命が短くなってしまうといった問題があった。
【0058】
このような課題を解決するため、本実施の形態における電気掃除機100には、マイクロコンピュータ15に、記憶手段29、電圧異常判定手段30が備えられている。実施の形態1における基準値補正手段18、ごみ詰まり判定手段19は、本実施の形態において、マイクロコンピュータ15に備えられていない。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0059】
記憶手段29には、商用交流電源10の電圧異常を検出するための電圧基準範囲が、予め記憶されている。例えば、記憶手段29には、基準電圧の最大値と最小値とが記憶される。
【0060】
電圧異常判定手段30は、現在の商用交流電源10の状態が、所定の電圧異常状態であるか否かを判定する。電圧異常判定手段30は、例えば、記憶手段29に記憶されている電圧基準範囲と電源電圧検出手段16によって検出された電圧値とに基づいて、上記判定を行う。
【0061】
電圧異常判定手段30の判定結果は、位相制御手段20や表示制御手段21に出力される。位相制御手段20は、電圧異常判定手段30の判定結果に基づいて、電動送風機7に印加される電圧の位相角を制御し、電動送風機7を適切に動作させる。表示制御手段21は、電圧異常判定手段30の判定結果に基づいて、表示部22を制御し、必要な情報を表示部22に表示させる。
【0062】
次に、
図9も参照し、上記構成を有する電気掃除機100の動作について説明する。
図9は、この発明の実施の形態2における電気掃除機の動作を示すフローチャートである。
【0063】
掃除をする人が電源コード9をコンセントに差し込み、操作スイッチ6を操作すると、電動送風機7が動作を開始する(S201のYes)。電動送風機7が駆動されている間、電源電圧検出手段16は、電源電圧検出部12の出力を周期的に取り込み、商用交流電源10の電圧を上記周期で検出する(S202)。
【0064】
電圧異常判定手段30は、現在の状態が所定の電圧異常状態であるか否かを判定する。例えば、電圧異常判定手段30は、S202で電源電圧検出手段16によって検出された電圧値と、記憶手段29に記憶されている電圧基準範囲とを比較する(S203)。
【0065】
電圧異常判定手段30は、電源電圧検出手段16によって検出された電圧値が、上記所定の電圧基準範囲から外れている場合に、所定の電圧異常状態であることを判定する(S203のNo)。例えば、電圧異常判定手段30は、電源電圧検出手段16によって検出された電圧値が、基準電圧の最大値を超えている場合や、基準電圧の最小値に満たない場合に、所定の電圧異常状態であることを判定する。
【0066】
所定の電圧異常状態であることが電圧異常判定手段30によって判定されると、位相制御手段20は、電圧異常状態に対応した特定の制御を行う。例えば、位相制御手段20は、所定の電圧異常状態であることが判定されると、電動送風機7に印加される電圧の位相角を制御し、電動送風機7を停止させる。或いは、位相制御手段20は、電動送風機7に印加される電圧の位相角を制御して電動送風機7を減速させ、電動送風機7を所定の低速で回転させる(S204)。
【0067】
また、所定の電圧異常状態であることが電圧異常判定手段30によって判定されると、表示制御手段21は、電圧異常状態に対応した特定の制御を行う。例えば、表示制御手段21は、所定の電圧異常状態であることが判定されると、表示部22を制御し、所定の電圧異常状態である旨を表示部22に表示させる。
【0068】
電源電圧検出手段16によって検出された電圧値が電圧基準範囲内である場合は(S203のYes)、S201に戻って、上記処理を繰り返す。
【0069】
上記構成を有する電気掃除機100であれば、商用交流電源10に電圧異常が発生した場合に、電動送風機7を停止させたり、電動送風機7を所定の低速状態にしたりすることができる。また、商用交流電源10に電圧異常が発生すると、その旨が表示部22に表示される。このため、電圧異常が発生した状態で電気掃除機100が長時間使用されることはなく、電動送風機7を適切に保護することができる。
【0070】
本実施の形態では、マイクロコンピュータ15が、基準値補正手段18及びごみ詰まり判定手段19を備えていない場合について説明した。しかし、実施の形態1におけるマイクロコンピュータ15の構成に、本実施の形態の構成(即ち、記憶手段29及び電圧異常判定手段30)を追加しても良い。かかる構成であれば、実施の形態1及び2の双方の効果を奏することができる。