特許第5765295号(P5765295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5765295
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】蓄電装置、及び電極組立体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/26 20060101AFI20150730BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   H01M2/26 A
   H01M10/04 Z
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-131165(P2012-131165)
(22)【出願日】2012年6月8日
(65)【公開番号】特開2013-254705(P2013-254705A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2014年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】南形 厚志
(72)【発明者】
【氏名】奥田 元章
(72)【発明者】
【氏名】濱口 陽平
【審査官】 山下 裕久
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−505671(JP,A)
【文献】 特開2001−035476(JP,A)
【文献】 特開2009−009919(JP,A)
【文献】 特開2009−117291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/26
H01M 10/04−0587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の第1電極をシート状のセパレータで挟み、曲げ部と直線部とが交互に設けられるつづら折り状に折り畳まれた積層構造をなす電極シート体、及び該電極シート体における隣り合う直線部間にそれぞれ介在される前記第1電極とは異なる極性の複数の第2電極とを有する電極組立体と、
前記電極組立体を収容するケースと、
前記ケースに固定され、前記第1電極と電気的に接続される第1電極端子と、
前記ケースに固定され、前記第2電極と電気的に接続される第2電極端子と、を備え、
前記第1電極には、前記曲げ部の延びる方向と直交するとともに前記直線部に沿う前記第1電極の一辺に前記第1電極端子と電気的に接続される第1集電タブが突出して設けられ、
前記第2電極には、前記第1電極の前記一辺と同じ側の一辺に前記第2電極端子と電気的に接続される第2集電タブが突出して設けられ、
前記直線部の両側に配置される前記曲げ部間の中央を通り、前記曲げ部の延びる方向に沿って延びる仮想中央線を規定したときに、
前記第1集電タブは、前記仮想中央線が通る位置に設けられ、
前記第2集電タブは、各第2電極に設けられた第2集電タブ同士の少なくとも一部が積層方向に重なる一方で、前記第1集電タブとは積層方向に重ならない位置に設けられていることを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記電極シート体は、複数枚の第1電極を有しており、
各第1電極は、前記直線部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第1電極は、前記曲げ部の延びる方向と直交する方向における前記第1集電タブの中央が、前記第1電極の前記一辺の中央を通り前記曲げ部の延びる方向に沿って延びる仮想電極中央線と一致する位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記電極シート体は、前記第1電極を挟むセパレータ同士を前記第1電極の周囲で接合する接合部を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記第1電極は、正極電極であり、
前記第2電極は、負極電極であることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記蓄電装置は、二次電池であることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
1以上の第1電極をシート状のセパレータで挟み、曲げ部と直線部とが交互に設けられるつづら折り状に折り畳まれた積層構造をなす電極シート体、及び該電極シート体における隣り合う直線部間にそれぞれ介在される前記第1電極とは異なる極性の複数の第2電極とを有する電極組立体の製造方法であって、
前記第1電極は、前記電極組立体を収容するケースに固定される第1電極端子と電気的に接続され、前記第1電極には、前記曲げ部の延びる方向と直交するとともに前記直線部に沿う前記第1電極の一辺に前記第1電極端子と電気的に接続される第1集電タブが突出して設けられ、
前記第2電極は、前記ケースに固定される第2電極端子と電気的に接続され、前記第2電極には、前記第1電極の前記一辺と同じ側の一辺に前記第2電極端子と電気的に接続される第2集電タブが突出して設けられ、
前記直線部の両側に配置される前記曲げ部間の中央を通り、前記曲げ部の延びる方向に沿って延びる仮想中央線を規定したときに、
前記第1集電タブは、前記仮想中央線が通る位置に設けられ、
前記第2集電タブは、各第2電極に設けられた第2集電タブ同士の少なくとも一部が積層方向に重なる一方で、前記第1集電タブとは積層方向に重ならない位置に設けられ、
前記第1電極を前記セパレータに挟んで前記電極シート体を形成し、当該電極シート体をつづら折り状に折り畳むとともに、前記電極シート体における直線部間に前記第2電極を介在させることによって前記第1電極と前記第2電極とを交互に配置して層状とする電極組立体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、つづら折り構造の電極組立体を有する蓄電装置、及び電極組立体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、原動機となる電動機への供給電力を蓄える蓄電装置としてリチウムイオン電池などの二次電池が搭載されている。この種の二次電池は、例えば、特許文献1,2に開示されている。二次電池は、金属箔に負極用活物質を塗布した負極電極と金属箔に正極用活物質を塗布した正極電極との間を微多孔性フィルムからなるセパレータで絶縁し、層状とした電極組立体を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭56−24065号公報
【特許文献2】特開2011−181395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2に開示される電極組立体は、一対のセパレータに正極及び負極の何れか一方の電極を挟み込み、そのセパレータをジグザグ状に折り曲げるとともに、その折り曲げ間に他極を介在させたものである。このような電極組立体の製造は、複数枚の正極電極と複数枚の負極電極を交互に枚葉積層する場合に比して効率的とされている。しかしながら、近時においては、製造コストなどの観点からさらなる製造の効率化が求められている。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、製造の効率化を図り得る蓄電装置、及び電極組立体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の蓄電装置は、1以上の第1電極をシート状のセパレータで挟み、曲げ部と直線部とが交互に設けられるつづら折り状に折り畳まれた積層構造をなす電極シート体、及び該電極シート体における隣り合う直線部間にそれぞれ介在される前記第1電極とは異なる極性の複数の第2電極とを有する電極組立体と、前記電極組立体を収容するケースと、前記ケースに固定され、前記第1電極と電気的に接続される第1電極端子と、前記ケースに固定され、前記第2電極と電気的に接続される第2電極端子と、を備え、前記第1電極には、前記曲げ部の延びる方向と直交するとともに前記直線部に沿う前記第1電極の一辺に前記第1電極端子と電気的に接続される第1集電タブが突出して設けられ、前記第2電極には、前記第1電極の前記一辺と同じ側の一辺に前記第2電極端子と電気的に接続される第2集電タブが突出して設けられ、前記直線部の両側に配置される前記曲げ部間の中央を通り、前記曲げ部の延びる方向に沿って延びる仮想中央線を規定したときに、前記第1集電タブは、前記仮想中央線が通る位置に設けられ、前記第2集電タブは、各第2電極に設けられた第2集電タブ同士の少なくとも一部が積層方向に重なる一方で、前記第1集電タブとは積層方向に重ならない位置に設けられていることを要旨とする。
【0007】
また、請求項7に記載の発明は、1以上の第1電極をシート状のセパレータで挟み、曲げ部と直線部とが交互に設けられるつづら折り状に折り畳まれた積層構造をなす電極シート体、及び該電極シート体における隣り合う直線部間にそれぞれ介在される前記第1電極とは異なる極性の複数の第2電極とを有する電極組立体の製造方法であって、前記第1電極は、前記電極組立体を収容するケースに固定される第1電極端子と電気的に接続され、前記第1電極には、前記曲げ部の延びる方向と直交するとともに前記直線部に沿う前記第1電極の一辺に前記第1電極端子と電気的に接続される第1集電タブが突出して設けられ、前記第2電極は、前記ケースに固定される第2電極端子と電気的に接続され、前記第2電極には、前記第1電極の前記一辺と同じ側の一辺に前記第2電極端子と電気的に接続される第2集電タブが突出して設けられ、前記直線部の両側に配置される前記曲げ部間の中央を通り、前記曲げ部の延びる方向に沿って延びる仮想中央線を規定したときに、前記第1集電タブは、前記仮想中央線が通る位置に設けられ、前記第2集電タブは、各第2電極に設けられた第2集電タブ同士の少なくとも一部が積層方向に重なる一方で、前記第1集電タブとは積層方向に重ならない位置に設けられ、前記第1電極を前記セパレータに挟んで前記電極シート体を形成し、当該電極シート体をつづら折り状に折り畳むとともに、前記電極シート体における直線部間に前記第2電極を介在させることによって前記第1電極と前記第2電極とを交互に配置して層状とすることを要旨とする。
【0008】
これらの発明によれば、第1電極の第1集電タブは、直線部の両側に配置される曲げ部間の中央を通り、曲げ部の延びる方向に沿って延びる仮想中央線を規定したときに、仮想中央線が通る位置に設けられている。このため、第1電極をセパレータで挟んだ電極シート体を、つづら折り状に折り畳んだ場合、各第1電極の第1集電タブは、仮想中央線が通る位置で重なり合う。つまり、各第1電極の第1集電タブは、電極組立体の積層方向で重なり合う。したがって、第1電極を折り畳みの状態を考慮して配置することなく、電極シート体の製造が容易となる。つまり、電極組立体の製造の効率化を図ることができる。その結果、蓄電装置の製造の効率化を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蓄電装置において、前記電極シート体は、複数枚の第1電極を有しており、各第1電極は、前記直線部に配置されていることを要旨とする。これによれば、電極シート体に挟む第1電極を非連続のシート状とすることで、第1電極の製造が容易となる。また、第1電極を容易に配置することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の蓄電装置において、前記第1電極は、前記曲げ部の延びる方向と直交する方向における前記第1集電タブの中央が、前記第1電極の前記一辺の中央を通り前記曲げ部の延びる方向に沿って延びる仮想電極中央線と一致する位置に配置されていることを要旨とする。
【0011】
これによれば、第1集電タブの中央が仮想電極中央線と一致する位置に第1電極を配置したので、各第1電極の第1集電タブを確実に、仮想中央線上、すなわち電極組立体の積層方向で重なり合わすことができる。したがって、第1電極を折り畳みの状態を考慮して配置することなく、電極シート体の製造の効率化を図ることができる。つまり、電極組立体の製造の効率化を図ることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の蓄電装置において、前記電極シート体は、前記第1電極を挟むセパレータ同士を前記第1電極の周囲で接合する接合部を有することを特徴とする。これによれば、接合部によって第1電極をセパレータで包み込むことができ、第1電極の位置ずれを抑制できる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の蓄電装置において、前記第1電極は、正極電極であり、前記第2電極は、負極電極であることを要旨とする。これによれば、正極電極をセパレータで挟んだ電極シート体をつづら折り状に折り畳むことで、正極電極の位置決めを容易に行うことができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の蓄電装置において、前記蓄電装置は、二次電池であることを要旨とする。これによれば、二次電池の製造の効率化を図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、製造の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】二次電池の一部破断斜視図。
図2図1の1−1線断面図。
図3】(a)は、正極電極の正面図、(b)は、(a)の2−2線断面図。
図4】(a)は、負極電極の正面図、(b)は、(a)の3−3線断面図。
図5】(a)〜(c)は、つづら折り状に折り畳む概念を示す概念図。
図6】(a)〜(c)は、つづら折り状に折り畳む概念を示す概念図。
図7】別例の正極電極を示す正面図。
図8】別例の正極電極を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1図6にしたがって説明する。
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、ケース11に電極組立体12が収容されている。ケース11は、直方体状の本体部材13と、矩形平板状の蓋部材14とからなる。蓋部材14は、本体部材13に電極組立体12を挿入する挿入口13aを閉塞する。ケース11を構成する本体部材13と蓋部材14は、何れも金属製(例えば、ステンレスやアルミニウム)である。また、本実施形態の二次電池10は、その外観が角型をなす角型電池である。また、本実施形態の二次電池10は、リチウムイオン電池である。
【0018】
電極組立体12には、当該電極組立体12から電気を取り出すための第1電極端子としての正極端子15と第2電極端子としての負極端子16が電気的に接続されている。そして、正極端子15及び負極端子16には、ケース11から絶縁するためのリング状の絶縁リング17aがそれぞれ取り付けられている。正極端子15と負極端子16は、ケース11に固定されている。
【0019】
図1及び図2に示すように、電極組立体12は、第1電極としてのシート状の正極電極18と、第2電極としてのシート状の負極電極19と、正極電極18と負極電極19の間を絶縁するセパレータ20と、を有する。そして、電極組立体12は、正極電極18と負極電極19の間を絶縁するセパレータ20を介在させて層状をなす構造体とされる。また、電極組立体12は、複数枚の正極電極18と複数枚の負極電極19が交互に配置された層状をなす。セパレータ20は、微多孔性フィルムからなる。
【0020】
図3(a),(b)に示すように、正極電極18は、正極用金属箔(本実施形態ではアルミニウム箔)21と、その両面に正極用活物質を塗布してなる正極活物質層22a,22bを有する。また、正極電極18は、正極用活物質を塗布していない未塗工部23を有する。そして、正極電極18の一辺である縁部18aには、正極用金属箔21からなる第1集電タブとしての正極タブ24が突出するように設けられている。正極タブ24は、未塗工部23の一部である。また、正極タブ24は、正極端子15と電気的に接続される正極集電部となる。正極タブ24は、電極組立体12を構成する各正極電極18において同位置に同一形状で形成されている。本実施形態の正極電極18は、正極タブ24を除く領域が、図3(a)に示すように正極電極18を正面視した場合に長方形をなす矩形状に形成されている。
【0021】
図3(a)に示すように、正極タブ24は、その正極タブ24のタブ突出方向X1に直交する正極電極18のシート幅方向Y1の中央をタブ突出方向X1に沿って延びる仮想電極中央線としての正極仮想中央線L1上に配置されている。また、正極タブ24は、正極電極18のシート幅方向Y1に沿うタブ幅方向を「W1」とした時、そのタブ幅方向W1の中央をタブ突出方向X1に沿って延びる正タブ仮想中央線L2が、正極仮想中央線L1と一致するように配置されている。正極仮想中央線L1は、正極電極18のシート幅方向Y1の中央、及び正極タブ24のタブ幅方向W1の中央をそれぞれ通る仮想中央線である。これにより、正極タブ24は、正極仮想中央線L1が通る位置に設けられていることになる。なお、図3(a)に示すように、正極電極18は、タブ突出方向X1に沿う方向が、シート高さ方向Z1となる。
【0022】
一方、図4(a),(b)に示すように、負極電極19は、負極用金属箔(本実施形態では銅箔)25と、その両面に負極用活物質を塗布してなる負極活物質層26a,26bを有する。また、負極電極19は、負極用活物質を塗布していない未塗工部27を有する。そして、負極電極19の一辺である縁部19aには、負極用金属箔25からなる第2集電タブとしての負極タブ28が突出するように設けられている。負極タブ28は、未塗工部27の一部である。また、負極タブ28は、負極端子16と電気的に接続される負極集電部となる。負極タブ28は、電極組立体12を構成する各負極電極19において同位置に同一形状で形成されている。本実施形態の負極電極19は、負極タブ28を除く領域が、図4(a)に示すように負極電極19を正面視した場合に長方形をなす矩形状に形成されている。
【0023】
図4(a)に示すように、負極タブ28は、その負極タブ28のタブ突出方向X2に直交する負極電極19のシート幅方向Y2の中央をタブ突出方向X2に沿って延びる負極仮想中央線L3上には配置されていない。つまり、負極タブ28は、負極電極19のシート幅方向Y2に沿うタブ幅方向を「W2」とした時、そのタブ幅方向W2の中央をタブ突出方向X2に沿って延びる負タブ仮想中央線L4と、負極仮想中央線L3とが一致しないように配置されている。また、負極タブ28は、負極仮想中央線L3と負タブ仮想中央線L4におけるシート幅方向Y2に沿う離間距離Rが、タブ幅方向W2に沿う長さの2分の1の長さよりも大きくなるように配置されている。これにより、負極タブ28は、負極仮想中央線L3が通る位置に設けられていないことになる。また、負極タブ28は、図1に示すように、正極電極18と負極電極19を層状とした場合に正極タブ24とは積層方向に重ならない位置に設けられている。なお、図4(a)に示すように、負極電極19は、タブ突出方向X2に沿う方向が、シート高さ方向Z2となる。
【0024】
本実施形態において正極電極18は、図3(a)に示すシート幅方向Y1及びシート高さ方向Z1の両長さが、図4(a)に示す負極電極19のシート幅方向Y2及びシート高さ方向Z2の両長さよりも小さく形成されている。シート幅方向Y1及びシート幅方向Y2は、正極電極18及び負極電極19の積層方向に直交する面方向に沿う方向である。
【0025】
そして、正極電極18には、シート幅方向Y1及びシート高さ方向Z1によって定まる領域内に正極活物質層22a,22bが形成されている。同様に、負極電極19には、シート幅方向Y2及びシート高さ方向Z2によって定まる領域内に負極活物質層26a,26bが形成されている。正極電極18の正極活物質層22a,22bの領域と、負極電極19の負極活物質層26a,26bの領域を比較した場合は、負極活物質層26a,26bの領域の方が大きくなっている。つまり、負極電極19における負極用活物質の塗布領域は、正極電極18における正極用活物質の塗布領域に比して大きい。換言すれば、正極電極18における正極用活物質の塗布領域は、負極電極19における負極用活物質の塗布領域に比して小さい。そして、電極組立体12においては、正極電極18の正極活物質層22a,22bと負極電極19の負極活物質層26a,26bとが積層方向Hで重なる領域が、図1及び図2に示す活物質層の対向部29となる。対向部29は、電池の化学反応に寄与する部位である。なお、正極電極18における正極活物質層22aと正極活物質層22bは、同じ大きさの領域で形成されている。また、負極電極19における負極活物質層26aと負極活物質層26bは、同じ大きさの領域で形成されている。
【0026】
以下、本実施形態の電極組立体12の構成をさらに詳しく説明する。
図2に示すように、本実施形態の電極組立体12は、1以上の正極電極18をシート状のセパレータ20で挟み、つづら折り状に折り畳まれた積層構造をなす電極シート体としての正極シート体30を備えている。セパレータ20は、第1セパレータ20aと第2セパレータ20bからなる。そして、正極シート体30を構成する各正極電極18は、図5(a),(b)に示すように、両面の正極活物質層22a,22bが、対をなす第1セパレータ20aと第2セパレータ20bによって覆われる。また、図2に示すように、つづら折り状に折り畳まれた正極シート体30には、その折り畳み数に応じて、複数の直線部30aと複数の曲げ部30bとが交互に設けられる。つまり、正極シート体30は、図2に示すように、セパレータ20の第1端部K1に直線部30aが連設されるとともに、その直線部30aに曲げ部30bが連設され、さらにその曲げ部30bに次の直線部30aが連設されるというように、直線部30aと曲げ部30bを交互に生じさせて折り畳まれる。このように折り畳まれた正極シート体30は、曲げ部30bによって、その全体がジグザグ状又は蛇行状となる。なお、正極シート体30を構成するセパレータ20は、切れ目の無い連続したシートである。
【0027】
そして、電極組立体12では、つづら折り状に折り畳まれる正極シート体30において、一つの曲げ部30bに連設される一対の直線部30a間に負極電極19が介在される。これにより、正極シート体30に包装された正極電極18と一対の直線部30a間に介在された負極電極19とが対向する。つまり、電極組立体12では、直線部30aにおいて、正極電極18の正極活物質層22a,22bと負極電極19の負極活物質層26a,26bとが対向する対向部29が配置される。そして、電極組立体12は、正極シート体30と負極電極19により、正極電極18と負極電極19を交互に配置した層状をなす。つまり、本施形態の二次電池10は、つづら折り構造を有する積層型の電極組立体12を有することになる。
【0028】
なお、図2に示すように、電極組立体12の積層方向Hに直交する各直線部30aの長さは、正極電極18のシート幅方向Y1の長さ及び負極電極19のシート幅方向Y2の長さよりも長くなっている。また、本実施形態の電極組立体12は、図2に示すように、積層方向Hにおける最外層のそれぞれに負極電極19を設けている。これにより、正極シート体30において最も外側に配置される正極電極18が、最外層の負極電極19と対向することになる。正極シート体30において最も外側に配置される正極電極18とは、図2に示すように、正極シート体30の第1端部K1に連設する直線部30aに存在する正極電極18と、正極シート体30の第2端部K2に連設する直線部30aに存在する正極電極18である。
【0029】
そして、本実施形態の電極組立体12では、正極仮想中央線L1と正タブ仮想中央線L2とが一致するように正極タブ24を正極電極18に設けている。このため、正極タブは、図1に示す仮想中央線Fを通る位置に設けられる。この仮想中央線Fは、直線部30aの両側に配置される曲げ部30bの中央を通り、これら曲げ部30bの延びる方向(図1に符号「M」を付した矢印の方向)に沿って延びる線である。曲げ部30bの延びる方向は、図1に示すように、積層方向Hに直交し、正極電極18のシート高さ方向Z1及び負極電極19のシート高さ方向Z2のそれぞれに沿う方向である。
【0030】
また、本実施形態の電極組立体12では、図1に示すように、正極タブ24を設けた正極電極18の縁部18aが、曲げ部30bの延びる方向に直交する直線部30aに沿う。同様に、本実施形態の電極組立体12では、負極タブ28を設けた負極電極19の縁部19aが、曲げ部30bの延びる方向に直交する直線部30aに沿う。また、本実施形態において正極タブ24と負極タブ28は、同一方向に突出しており、正極タブ24を設けた正極電極18の縁部18aと負極タブ28を設けた負極電極の縁部19aは同じ側に位置する。
【0031】
以下、図5及び図6を用いて、つづら折り状に折り畳む概念を説明する。
図5(a)に示すように、まず、第1セパレータ20a上に、複数枚の正極電極18を所定間隔で配置する。各正極電極18は、各正極タブ24が同一方向を向くように配置する。図5(a)に示す一点鎖線は、折り畳むときの折り畳み線Jを示し、折り畳み線Jに沿って折り畳むことによって曲げ部30bが形成される。なお、つづら折り状に折り畳む場合、正極シート体30は、折り畳み線Jに沿って谷折りと山折りが交互に繰り返される。また、曲げ部30bの延びる方向は、折り畳み線Jに沿う方向でもある。
【0032】
そして、本実施形態において正極電極18は、図5(a)に示すように、折り畳み線Jでの折り畳みによって形成される曲げ部30b間に規定される仮想中央線Fに、正極仮想中央線L1及び正タブ仮想中央線L2が一致するように配置される。正極仮想中央線L1は、正極電極18の縁部18aの中央を通り曲げ部30bの延びる方向に沿って延びる線でもある。
【0033】
なお、図5(a)に示すように、セパレータ20の第1端部K1に最も近い位置に配置される正極電極18は、第1端部K1と当該第1端部K1に隣接する折り畳み線Jでの折り畳みによって形成される曲げ部30bの間の中央に配置される。また、図5(a)には図示していないが、セパレータ20の第2端部K2に最も近い位置に配置される正極電極18についても、第2端部K2と当該第2端部K2に隣接する折り畳み線Jでの折り畳みによって形成される曲げ部30bの間の中央に配置される。これらの正極電極18についても、その正極仮想中央線L1及び正タブ仮想中央線L2が仮想中央線Fと一致した状態で配置される。
【0034】
そして、上記のように配置される正極電極18は、図5(a),(b)に示すように、第1セパレータ20aと第2セパレータ20bにより、その両面が覆われる。なお、第1セパレータ20aと第2セパレータ20bは、図5(b)に示すように、接合部Sによって接合される。接合部Sは、正極電極18の正極タブ24側を除く周囲に形成される。正極電極18のシート幅方向Y1に沿う接合部Sは、折り畳み線J上に位置する。そして、接合部Sは、例えば、溶着によって形成される。これにより、一対の第1セパレータ20aと第2セパレータ20bで正極電極18を覆った正極シート体30が完成する。また、完成した正極シート体30は、接合部Sにより、各正極電極18の配置領域が区画される。なお、接合部Sは、図5(b),(c)のみに図示する。
【0035】
そして、電極組立体12は、上記のように構成した正極シート体30と負極電極19を用いて作り出される。すなわち、電極組立体12は、正極シート体30を折り畳むことと、正極電極18の対向位置に負極電極19を配置すること、を繰り返すことによって作り出される。
【0036】
図5(c)は、正極電極18の対向位置に負極電極19を配置した状態を示す。負極電極19は、負極タブ28が正極電極18の正極タブ24と同一方向を向くように配置する。また、負極電極19は、全ての負極電極19の負極タブ28が同一方向を向き、かつ正極電極18と負極電極19の積層方向Hで重なるように配置する。
【0037】
図6(a)は、正極シート体30を折り畳む状態を示す。また、図6(b)は、正極シート体30の折り畳みによって、負極電極19を正極シート体30で挟み込んだ状態を示す。これにより、負極電極19は、正極シート体30の折り畳みによって直線部30a間に介在される。また、正極シート体30を折り畳むと、隣り合う2枚の正極電極18は、負極電極19を挟んで対向し、かつ積層方向Hで重なり合う。つまり、図6(a)に符号[18x]と符号[18y]を付した隣り合う正極電極18x,18yは、負極電極19を挟んで対向し、かつ積層方向Hで重なり合う。
【0038】
本実施形態の正極電極18は、図3(a)を用いて説明したとおり、正極仮想中央線L1及び正タブ仮想中央線L2が仮想中央線Fと一致した状態で配置されている。このため、図6(b)に示すように、正極シート体30を折り畳んだ場合、正極シート体30が曲げ部30bの中央に配置されれば、正極電極18xと正極電極18yの各正極タブ24は、正極電極18と負極電極19の積層方向Hで重なることになる。つまり、各正極電極18の正極タブ24は、正極電極18のシート幅方向Y1に沿って大きくずれることなく、積層方向Hで重なり合う。
【0039】
図6(c)は、図6(b)の状態から、正極電極18の対向位置に負極電極19をさらに配置した状態を示す。そして、正極シート体30は、図6(a),(b)と同じ要領で、続いて折り畳まれる。なお、つづら折り状に折り畳む正極シート体30の折り畳み方向、すなわち山折りと谷折りは、交互に変化する。
【0040】
上記のように正極シート体30を折り畳むと、電極組立体12は、図1に示すように作り出される。つまり、電極組立体12を構成する各正極電極18の正極タブ24は、積層方向Hで重なり合う。また、電極組立体12を構成する各負極電極19の負極タブ28は、正極電極18の正極タブ24と同一方向に突出し、かつ正極タブ24とは重ならない位置で積層方向Hに重なり合う。
【0041】
以下、本実施形態の作用を説明する。
正極シート体30をつづら折り状に折り畳む場合、隣り合う正極電極18x,18yでは、正極シート体30を折り畳む前の正極電極18x,18yは全て同じ方向を向いているが、折り畳む際に正極電極18yの向きが反転することになる。例えば、図5(a)の状態において正極電極18x,18yは、正極活物質層22aが上側を向いている。この状態において正極シート体30を折り畳むと、正極電極18x,18yの正極活物質層22a同士が対向し合うことで正極電極18yの正極活物質層22bが上側を向き、正極電極18yの向きが反転することになる。
【0042】
このため、正極シート体30の製造時に正極電極18を同一姿勢で配置すると、例えば、正極タブ24を正極仮想中央線L1が通らない位置に設けている場合、折り畳んだ際に正極タブ24が積層方向Hで重ならない。しかし、本実施形態の正極電極18では、正極タブ24を正極仮想中央線L1が通る位置に設け、さらに正極電極18x,18yの正極仮想中央線L1が仮想中央線Fに重なっていることにより、正極シート体30の製造時に正極電極18を同一姿勢で配置しても、折り畳んだ際に正極タブ24が積層方向Hで重なることになる。
【0043】
例えば、正極電極18の正極タブ24の位置を、本実施形態の負極電極19の負極タブ28と同様とする場合を仮定する。この場合、正極電極18を同一姿勢で配置すると、折り返した際には、正極タブ24を正極仮想中央線L1が通らない位置に設けていることによって積層方向Hで重ならない。つまり、隣り合う正極電極18の正極タブ24は、正極電極18のシート幅方向Y1に沿って離間配置されることになる。したがって、本実施形態のように正極電極18の正極タブ24を正極仮想中央線L1が通る位置に設けることで、正極電極18を正極シート体30の折り畳みの状態を考慮して配置することなく、正極シート体30の製造が容易となる。つまり、電極組立体12の製造自体が容易となる。
【0044】
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)正極電極18の正極タブ24を正極仮想中央線L1が通る位置に形成している。このため、正極シート体30を、つづら折り状に折り畳んだ場合、正極電極18の正極タブ24は、仮想中央線Fが通る位置に配置される。つまり、各正極電極18の正極タブ24は、仮想中央線Fが通る位置において、電極組立体12の積層方向Hで重なり合う。したがって、正極電極18を折り畳みの状態を考慮して配置することなく、正極シート体30の製造が容易となる。つまり、電極組立体12の製造の効率化を図ることができる。その結果、二次電池10の製造の効率化を図ることができる。
【0045】
(2)また、負極電極19の負極タブ28は、電極組立体12において正極電極18の正極タブ24と重ならない位置に形成した。このため、正極電極18と負極電極19の短絡が抑制される。
【0046】
(3)また、負極電極19については、負極タブ28が重なるように正極シート体30の直線部30a間に介在させるので、電極組立体12の製造の効率化を図ることができる。つまり、電極組立体12を製造する際、正極タブ24同士、及び負極タブ28同士を重ね合わすことができるので、電極組立体12の製造の効率化を図ることができる。
【0047】
(4)正極シート体30を構成する正極電極18を非連続のシート状としているので、正極電極18の製造が容易となる。また、正極シート体30を製造する際に、正極電極18を容易に配置することができる。
【0048】
(5)正極電極18を、正極タブ24の中央が正極仮想中央線L1と一致するように配置したので、各正極電極18の正極タブ24を確実に、仮想中央線Fが通る位置において、電極組立体12の積層方向Hで重なり合わすことができる。したがって、正極電極18を折り畳みの状態を考慮して配置することなく、正極シート体30の製造が容易となる。つまり、電極組立体12の製造の効率化を図ることができる。
【0049】
(6)セパレータ20と正極電極18によって正極シート体30を形成し、その正極シート体30をつづら折り状に折り畳むことで、正極電極18の位置決めを容易に行うことができる。
【0050】
(7)電極組立体12において正極電極18の正極タブ24と負極電極19の負極タブ28を同一方向に突出させているので、相対向する方向に突出させる場合に比して電極組立体12の小型化を図ることができる。
【0051】
(8)また、正極タブ24は、正極電極18の縁部18aの全域には形成しておらず、一部に形成しているので、正極電極18と負極電極19を層状とした場合であっても、負極タブ28を正極タブ24と同一方向に突出させることができる。したがって、上記(7)の効果を奏し得る。
【0052】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
図7に示すように、正極シート体30を構成する場合の正極電極18を帯状に形成しても良い。この場合の正極電極18には、正極電極18が帯状に延びる方向に沿って所定間隔をおいて複数の正極タブ24が形成される。そして、正極タブ24の間隔は、実施形態と同様に、仮想中央線Fが通る位置に各正極タブ24が位置する間隔とされる。なお、正極電極18を帯状とする場合、正極シート体30を折り畳んだ際に形成される曲げ部30bにおいて、当該曲げ部30bに存在する正極に対向する負極が存在しない。このため、正極からのイオン移動を抑制するために曲げ部30bに、例えば粘着テープなどを貼り付けても良い。
【0053】
○ 正極電極18の正極タブ24は、正極仮想中央線L1が通る位置に設けられておれば良く、実施形態のように正極仮想中央線L1と正タブ仮想中央線L2とが一致していなくても良い。図8には、本別例の正極電極18の一例を示す。図8の正極電極18では、正極仮想中央線L1と正タブ仮想中央線L2が一致しない位置に正極タブ24が設けられている。一方、図8の正極電極18の正極タブ24は、正極仮想中央線L1が通る位置に設けられている。このような正極電極18を用いた正極シート体30を折り畳んだ場合、各正極電極18の正極タブ24は、実施形態に比して各正極タブ24が積層方向Hで重なり合う領域は減少するが、図8に斜線で示す領域において重なり合う。なお、図8の二点鎖線は、隣り合う正極電極18の正極タブ24の位置を示している。つまり、正極タブ24の重なり合いは、正極タブ24を正極仮想中央線L1が通る位置に設けることで成し得る。したがって、本別例の正極電極18であっても、正極電極18を折り畳みの状態を考慮して配置することなく、正極シート体30の製造の効率化を図ることができる。つまり、電極組立体12の製造の効率化を図ることができる。
【0054】
○ 正極シート体30を構成するセパレータ20を1枚のシートとしても良い。つまり、正極電極18の両面を覆うことが可能な大きさのセパレータ20を用意し、当該セパレータ20の折り曲げによって正極電極18の両面を覆うようにしても良い。このようなセパレータ20を用いることで、接合部Sの領域を減らすことができる。
【0055】
○ 正極電極18は、正極仮想中央線L1及び正タブ仮想中央線L2が仮想中央線Fと完全に一致するように配置されていなくても良く、正極仮想中央線L1及び正タブ仮想中央線L2が仮想中央線Fとほぼ一致するように配置されていても良い。つまり、正極電極18は、仮想中央線Fが正極タブ24を通るように配置されていれば良い。
【0056】
○ 実施形態では、正極電極18とセパレータ20によって正極シート体30を形成したが、負極電極19とセパレータ20によって負極シート体を形成しても良い。つまり、負極シート体をつづら折り状に折り畳み、その負極シート体における直線部間のそれぞれに正極電極18を介在させても良い。この場合の負極電極19の負極タブ28は、実施形態で説明した正極電極18の正極タブ24と同様の位置に設ける。一方、正極電極18の正極タブ24は、実施形態で説明した負極電極19の負極タブ28と同様の位置に設ける。本別例のような負極電極であっても、負極電極19を折り畳みの状態を考慮して配置することなく、負極シート体の製造が容易となる。つまり、電極組立体12の製造の効率化を図ることができる。なお、本別例における正極と負極の変更は、実施形態に限らず、上記で説明した各別例でも適用することができる。
【0057】
○ 正極電極18は、片面に活物質を塗布して正極活物質層が形成されていても良い。同様に、負極電極19は、片面に活物質を塗布して負極活物質層が形成されていても良い。なお、その場合には、正極電極18の正極活物質層と負極電極19の負極活物質層が対向するように配置する。
【0058】
○ 第1セパレータ20aと第2セパレータ20bの接合を、溶着に代えて、接着や係止などに変更しても良い。
○ セパレータ20は、セラミックでコーティングされたセパレータであっても良い。
【0059】
○ 実施形態において、正極電極18、及び負極電極19の形状を変更しても良い。例えば、正面視正方形に形成しても良い。
○ 実施形態の二次電池10は、リチウムイオン二次電池であったが、これに限らず、他の二次電池であっても良い。要は、正極活物質層と負極活物質層との間をイオンが移動するとともに電荷の授受を行うものであれば良い。
【0060】
○ 実施形態の二次電池10は、車両として自動車に搭載しても良いし、産業用車両に搭載しても良い。また、定置用の蓄電装置に適用しても良い。
○ 正極タブ24(正極集電部)と正極端子15の接続形態や、負極タブ28(負極集電部)と負極端子16の接続形態は、実施形態の構成に限らず、任意に変更しても良い。
【符号の説明】
【0061】
10…二次電池、12…電極組立体、18…正極電極、18a…縁部、19…負極電極、19a…縁部、20…セパレータ、20a…第1セパレータ、20b…第2セパレータ、21…正極用金属箔、22a,22b…正極活物質層、23…未塗工部、24…正極タブ、25…負極用金属箔、26a,26b…負極活物質層、27…未塗工部、28…負極タブ、30…正極シート体、30a…直線部、30b…曲げ部、L1…正極仮想中央線、F…仮想中央線、H…積層方向、S…接合部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8