【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るレンズ保持装置は、
レンズの外周に配置された第1コイルを備えるレンズホルダと、
前記第1コイルに対向する第1面を含む第1マグネット部分と、前記第1面に垂直な第2面を含み前記第1マグネット部分とは異なる磁区を構成する第2マグネット部分と、を有するマグネット部と、
前記レンズホルダと前記マグネット部とを、光軸方向へ相対移動可能に接続するスプリングと、
前記第2面に対向する第2コイルが備えられるベース部と、を有し、
前記第1マグネット部分と前記第2マグネット部分とは一体に繋がっており、
前記レンズホルダと、前記マグネット部と、前記スプリングとを有するレンズ保持ユニットを、前記ベース部に対し前記光軸方向と垂直な方向へ相対移動可能に保持してある。
【0008】
本発明の第1の観点に係るレンズ保持装置が有するマグネット部は、互いに垂直な第1面と第2面とを有し、第1面及び第2面に対向するように第1コイル及び第2コイルを配置する構成であるため、レンズの径方向に関して装置のサイズを小さくすることが可能であり、小型化の点で有利である。また、前記第1マグネット部分と前記第2マグネット部分とは一体に繋がっているが、互いに異なる磁区を構成しているため、組み立てが容易でありながら、第1コイル及び第2コイルの周辺に強い磁場を形成することが可能である。
【0009】
また、例えば、前記第1マグネット部分及び前記第2マグネット部分のうち少なくとも一方は、前記レンズの周方向に連続していても良い。
【0010】
前記第1マグネット部分及び前記第2マグネット部分のうち少なくとも一方が周方向に連続しているマグネット部は、全体が一体であるため組み立てが容易である。また、第1マグネット部分が周方向に連続することにより、駆動力を発生する方向とは逆方向に第1コイルを鎖交する磁場が発生することを防止し、第1コイルに電流を流した際の駆動力を向上させることができる。
【0011】
前記マグネット部は、前記スプリングを位置決めする位置決め部を有しても良い。
【0012】
マグネット部にスプリングを位置決めするための位置決め部が形成されていることにより、スプリングをマグネット部に対して直接位置決めすることが可能である。したがって、このようなレンズ保持装置は、スプリングを含むレンズ保持ユニットを精度良く組み立てることができる。
【0013】
また、例えば、本発明に係るレンズ保持装置は、前記第1コイルに対して前記レンズの入射側に配置される入射側スプリングと、前記第1コイルに対して前記レンズの出射側に配置される出射側スプリングと、を含む複数の前記スプリングを有しても良く、
前記マグネット部は、前記入射側スプリングを位置決めする入射側位置決め部と、前記出射側スプリングを位置決めする出射側位置決め部とを含む複数の前記位置決め部を有しても良い。
【0014】
マグネット部が入射側スプリングを位置決めする入射側位置決め部と、出射側スプリングを位置決めする出射側位置決め部とを有することにより、入射側スプリングと出射側スプリングとの相対配置に誤差が生じることを効果的に防止し、レンズホルダ及びレンズが傾いたり斜めに移動したりする問題を低減できる。
【0015】
また、例えば、前記入射側位置決め部と前記出射側位置決め部との前記光軸方向に沿う間隔は、前記レンズホルダの前記光軸方向に沿う長さと略等しくても良い。
【0016】
また、例えば、前記第2マグネット部分の前記第2面は、第2面凸部と、前記第2面凸部より前記第2コイルに対して離間するように前記光軸方向に凹んでいる第2面凹部とを有し、前記位置決め部の少なくとも一部は、前記第2面凹部に設けられていても良い。
【0017】
入射側位置決め部と出射側位置決め部との光軸方向に沿う間隔を、レンズホルダの光軸方向に沿う長さと略等しくすることにより、入射側及び出射側スプリングの形状を単純化し、レンズホルダをバランス良く支持することが可能である。さらに、光軸方向に凹んでいる第2面凹部に位置決め部を形成することにより、マグネット部の光軸方向の長さを短くできるため、レンズ保持装置の低背化に資する。
【0018】
また、本発明の第2の観点に係るレンズ保持装置は、
レンズの外周に配置された第1コイルを備えるレンズホルダと、
前記第1コイルに対向する第1面を含む第1マグネット部分と、前記第1面に垂直な第2面を含み前記第1部分とは異なる磁区を構成する第2マグネット部分と、を有するマグネット部と、
前記レンズホルダと前記マグネット部とを、光軸方向へ相対移動可能に接続するスプリングと、
前記第2面に対向して第2コイルが固定されるベース部と、を有し、
前記第2マグネット部分は、前記レンズの周方向に連続しており、
前記レンズホルダと、前記マグネット部と、前記スプリングとを有するレンズ保持ユニットを、前記ベース部に対し光軸と垂直な方向に相対移動可能に保持してある。
【0019】
本発明の第2の観点に係るレンズ保持装置が有するマグネット部は、第1の観点に係るレンズ保持装置と同様に、レンズの径方向に関して装置のサイズを小さくすることが可能であり、小型化の点で有利である。また、第2マグネットが周方向に連続しているため、部品数が少なく組み立てが容易である。
【0020】
また、例えば、前記第1マグネット部分及び前記第2マグネット部分は、樹脂を含んでも良い。
【0021】
このような第1マグネット部分及び第2マグネット部分により構成されるマグネット部は、金属やフェライト等の磁性材料のみから成る従来の磁石に比べて成形の自由度が高く、このようなマグネット部には、スプリングのための位置決め部を容易に形成することが可能である。
【0022】
また、例えば、前記第2マグネット部分は、前記マグネット部における前記光軸方向の端部に位置する第2端部と、前記第2端部と前記第1マグネット部分との間に位置しており、前記第2端部及び前記第1マグネット部分とは異なる磁区を構成する第2中間部と、を有しても良い。
【0023】
第2マグネット部分が第2中間部と第2端部とを有することにより、第2コイルの周辺に強い磁場を形成することが可能であり、第2コイルに電流を流した際の駆動力を向上させることができる。