(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クレーン制御手段が、前記ズレ量検出手段にて検出される前記ズレ量が前記修正判定値とその修正判定値よりも大きな設定許容値との間の場合には、前記物品修正処理を実行し、かつ、前記ズレ量検出手段にて検出される前記ズレ量が前記設定許容値以上の場合には、前記物品修正処理に代えて、警報手段を作動させる警報処理を実行するように構成されている請求項2記載のスタッカークレーン。
【背景技術】
【0002】
かかるスタッカークレーンは、物品を載置状態で収納する収納部が縦横に並設された物品保管棚及び物品入出庫部に沿って走行するように設置されて、物品入出庫部に搬入された物品を収納部に収納する入庫作業や、収納部に収納した物品を物品入出庫部に出庫する出庫作業を行うことになる。
ちなみに、スタッカークレーンは、収納部に収納されている物品を、別の収納部に移し替える移替え作業を行うこともある。
【0003】
そして、収納部に対して物品を移載するときには、走行台車の走行と昇降台の昇降とによって、移載対象とする収納部に対応する物品移載位置に物品移載装置を位置させた状態で、物品載置体の出退及び昇降台の昇降により、収納部に載置されている物品を取出す掬い処理、及び、物品載置体に載置した物品を収納部に収納する降ろし処理を行うことになる。
【0004】
また、物品入出庫部に対して物品を移載する際には、物品入出庫部に対応する物品移載位置に物品移載装置を位置させた状態で、物品載置体の出退及び昇降台の昇降により、物品入出庫部に載置されている物品を取出す掬い処理、及び、物品載置体に載置した物品を物品入出庫部に受け渡す降ろし処理を行うことになる。
【0005】
ちなみに、走行台車の走行作動、昇降台の昇降作動、及び、物品載置体の出退作動を制御するクレーン制御部が装備されて、このクレーン制御部によって、上述の掬い処理や降ろし処理が自動的に行われることになる。
【0006】
つまり、クレーン制御部は、収納部に対して降ろし処理を行うときには、収納部における物品載置面よりも高い降ろし用基準高さにて物品載置体を収納部内に突出させ、次に、収納部における物品載置面よりも低い降ろし用目標高さに物品載置体を下降させ、その後、物品載置体を引退させるように制御し、かつ、収納部に対して掬い処理を行うときには、収納部における物品載置面よりも低い掬い用基準高さにて物品載置体を突出させ、次に、収納部における物品載置面よりも高い掬い用目標高さに物品載置体を上昇させ、その後、物品載置体を引退させるように制御することになる。
【0007】
そして、収納部に対する降ろし処理と同様に、物品入出庫部に対する降ろし処理が行われることになり、収納部に対する掬い処理と同様に、物品入出庫部に対する掬い処理が行われることになる。
尚、一般には、降ろし用基準高さと掬い用目標高さとは、同じ高さに設定され、また、降ろし用目標高さと掬い用基準高さとは、同じ高さに設定されることになる。
【0008】
かかるスタッカークレーンの従来例として、引退位置の物品載置体に載置した物品の底部を押圧移動させて、物品載置体に対する設定適正状態に物品を位置決めする複数の昇降体が、物品の底部の周囲に並ぶ状態で昇降台に装備されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
つまり、複数の昇降体は、上方ほど外方側に位置する傾斜面を備えて、物品載置体に載置した物品よりも下方に位置する状態から上方に向けて移動されるに伴って、傾斜面にて物品を押圧移動させることによって、物品載置体に対する設定適正状態に物品を位置決めすることになる。
【0010】
したがって、収納部に収納されている物品を別の収納部に移し替える移替え作業を繰り返し行った場合や、地震が発生した場合等において、掬い処理によって物品載置体に載置した物品が設定適正状態からずれていることがあっても、複数の昇降体によって、物品を物品載置体に対する設定適正状態に位置決めできるため、その後、降ろし処理によって、収納部や荷受台に対して物品を移載することを、適切に行えるものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来のスタッカークレーンにおいては、複数の昇降体を昇降台に対して昇降させて、物品載置体に対する設定適正状態に物品を位置決めするものであるため、複数の昇降体を装備する構成が高価となるものであった。
【0013】
つまり、複数の昇降体を昇降自在に装備するには、複数の昇降体を昇降自在に支持することに加えて、複数の昇降体を昇降駆動する駆動装置を装備することになるため、複数の昇降体を装備する構成が高価となるものであった。
【0014】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、安価な構成にて、物品載置体に対する設定適正状態に物品を位置決めすることができるスタッカークレーンを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のスタッカークレーンは、走行台車から立設した昇降マストに沿って昇降自在な昇降台に、物品載置体を出退自在に備えた物品移載装置が装備されたものであって、その第1特徴構成は、
前記昇降台を昇降範囲の最下降側に設定した物品修正位置に下降させるに伴って、引退位置の前記物品載置体に載置した物品を受止め案内して、前記物品載置体に対する設定適正状態に物品を位置決めする位置決め手段が、前記走行台車又は前記昇降マストに支持される状態で装備されている点を特徴とする。
【0016】
すなわち、昇降台を昇降範囲の最下降側に設定した物品修正位置に下降させると、位置決め手段が、引退位置の物品載置体に載置した物品を受止め案内して、物品載置体に対する設定適正状態に物品を位置決めすることになる。
【0017】
このように、物品が昇降台の下降によって下降されることを利用して、昇降台の下降に伴って下降してくる物品を位置決め手段にて受止め案内して、物品載置体に対する設定適正状態に物品を位置決めするものであるから、位置決め手段は走行台車又は昇降マストに固定状態で支持すればよく、位置決め手段を装備する構成は安価な構成となる。
【0018】
要するに、本願発明の第1特徴構成によれば、安価な構成にて、物品載置体に対する設定適正状態に物品を位置決めすることができるスタッカークレーンを提供できる。
【0019】
本発明のスタッカークレーンの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記引退位置の前記物品載置体に載置した物品の前記設定適正状態からのズレ量を検出するズレ量検出手段が設けられ、
クレーン制御手段が、前記ズレ量検出手段にて検出される前記ズレ量が修正判定値を超える場合には、前記昇降台を前記物品修正位置に下降させる物品修正処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0020】
すなわち、引退位置の物品載置体に載置した物品の設定適正状態からのズレ量が、ズレ量検出手段にて検出されることになり、そして、検出されるズレ量が修正判定値を超える場合には、クレーン制御手段が、昇降台を物品修正位置に下降させる物品修正処理を実行することになる。
【0021】
つまり、修正判定値として、降ろし処理において、収納部や入出庫部に対して物品を適正通り移載することができない虞がある程度にまで、ズレ量が生じていることを判別できる値に設定することにより、検出されるズレ量が修正判定値を超える場合には、クレーン制御手段にて、昇降台を物品修正位置に下降させる物品修正処理を行わせることにより、
降ろし処理によって、収納部や入出庫部に対して物品を移載することを適正通り行わせることができる。
【0022】
しかも、検出されるズレ量が修正判定値を超える場合には、クレーン制御手段が物品修正処理を行うものであるから、検出されるズレ量が修正判定値を超えない場合には、物品修正処理が実行されないものとなるから、物品の搬送作業の効率が低下することを抑制できる。
【0023】
つまり、掬い処理を行うことによって、引退位置の物品載置体に物品が載置された状態になるごとに、クレーン制御手段にて物品修正処理を実行させるようにすることが考えられるが、この場合、ズレ量が修正判定値を超えないときにも、物品修正処理が行われて、その物品修正処理のために、降ろし処理によって、収納部や入出庫部に対して物品を移載することが遅延する虞がある。
【0024】
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、降ろし処理によって、収納部や入出庫部に対して物品を移載することを適正通り行わせることができ、しかも、物品の搬送作業の効率が低下することを抑制できるスタッカークレーンを提供できる。
【0025】
本発明のスタッカークレーンの第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記クレーン制御手段が、前記ズレ量検出手段にて検出される前記ズレ量が前記修正判定値とその修正判定値よりも大きな設定許容値との間の場合には、前記物品修正処理を実行し、かつ、前記ズレ量検出手段にて検出される前記ズレ量が前記設定許容値以上の場合には、前記物品修正処理に代えて、警報手段を作動させる警報処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0026】
すなわち、ズレ量検出手段にて検出されるズレ量が修正判定値とその修正判定値よりも大きな設定許容値との間の場合には、物品修正処理が実行されるものの、ズレ量検出手段にて検出されるズレ量が設定許容値以上の場合には、物品修正処理に代えて、警報手段を作動させる警報処理が実行される。
【0027】
つまり、設定許容値として、物品修正処理を実行しても、位置決め手段にて適正通りの位置決めを行うことができない虞がある程度にまで、ズレ量が生じていることを判別できる値に設定することにより、検出されるズレ量が設定許容値以上の場合には、物品修正処理を実行させずに、警報処理によって警報手段を作動させて、位置決め手段にて適正通りの位置決めを行うことができない虞がある程度にまで、ズレ量が生じていることを作業者に報知するのである。
【0028】
したがって、位置決め手段にて適正通りの位置決めを行うことができない虞がある程度にまで、ズレ量が生じている場合には、物品修正処理が実行されないため、このような場合においても、物品修正処理を実行させて、物品を損傷する等の不都合が発生することを抑制できることになる。
【0029】
ちなみに、警報手段の作動によって、位置決め手段にて適正通りの位置決めを行うことができない虞がある程度にまで、ズレ量が生じていることを認識した作業者は、人為作業によって物品載置体に載置した物品のズレ量が設定許容値未満となるように、物品載置体に載置した物品を移動させ、その後、クレーン制御手段にて物品修正処理を実行させるようにすることになる。
【0030】
尚、物品が軽量である場合等においては、警報手段の作動によって、位置決め手段にて適正通りの位置決めを行うことができない虞がある程度にまで、ズレ量が生じていることを報知されたときに、人為作業によって、物品載置体に載置した物品を設定適正状態に移動させるようにしてもよい。
【0031】
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、上記第2特徴構成による作用効果に加えて、位置決め手段にて適正通りの位置決めを行うことができない虞がある程度にまで、ズレ量が生じている場合に、物品を損傷する等の不都合が発生することを抑制できるスタッカークレーンを提供できる。
【0032】
本発明のスタッカークレーンの第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴のいずれかに加えて、
前記位置決め手段が、回転ローラによって物品の底部を受止め案内するように構成されている点を特徴とする。
【0033】
すなわち、昇降台の下降に伴って下降してくる物品を、位置決め手段の回転ローラにて物品の底部を受止め案内することにより、物品載置体に対する設定適正状態に物品が位置決めされる。
【0034】
そして、回転ローラにて物品の底部を受止め案内する場合においては、物品の底部が回転ローラにて摺動することが少なくなるため、固定状態の傾斜面にて物品の底部を受止め案内する場合に較べて、物品の損傷を抑制した状態で物品を物品載置体に対する設定適正状態に位置決めできるものとなる。
【0035】
要するに、本発明の第4特徴によれば、上記第1〜第3特徴構成による作用効果に加えて、物品の損傷を抑制した状態で物品を物品載置体に対する設定適正状態に位置決めできるスタッカークレーンを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品Bを収納する収納部Sを備える一対の物品保管棚1が、物品Bを出し入れする前面を対向させた状態で、間隔を隔てて左右に並ぶ形態で設置され、一対の物品保管棚1の間を、物品搬送用空間2として、その物品搬送用空間2の内部に、スタッカークレーンKが装備され、また、一対の物品保管棚1の横側脇には、物品入出庫部としての荷受台3が装備されている。
物品保管棚1には、
図1及び
図2に示すように、収納部Sが棚横幅方向並びに棚上下幅方向に沿って並ぶ状態で装備されている。
【0038】
図1及び
図2に示すように、物品搬送用空間2の床面には、物品保管棚1の棚横幅方向の全範囲および荷受台3の設置箇所にわたる状態で走行レール5が設置され、物品搬送用空間2の天井部には、物品保管棚1の棚横幅方向の全範囲および荷受台3の設置箇所にわたる状態でガイドレール6が設置されている。
そして、スタッカークレーンKが、上部をガイドレール6にて案内されながら走行レール5上を棚横幅方向Xに沿って走行するように設けられている。
【0039】
スタッカークレーンKは、
図2に示すように、走行レール5に沿って走行自在な走行台車7、及び、その走行台車7に立設された昇降マスト8に沿って昇降自在な昇降台9を備え、昇降台9に、収納部Sに対して物品Bを移載する物品移載装置Fが装備されている。
ちなみに、スタッカークレーンKの昇降マスト8は、走行台車7の前端部と後端部の夫々に1つずつ設置される状態で前後一対設けられ、そして、昇降マスト8の上端部同士を連結する上部フレーム8Aが設けられて、この上部フレーム8Aが、ガイドレール6にて案内されるようになっている。
【0040】
図2に示すように、スタッカークレーンKの昇降台9は、走行台車7に立設した前後一対の昇降マスト8にて昇降自在に案内支持されて、その前後両側に連結した昇降用ワイヤ10にて吊下げ支持されている。
昇降用ワイヤ10は、走行台車7の一端に装備した巻き取りドラム11から繰り出されるものであって、上部フレーム8Aや一方の昇降マスト8の上部及び下部に設けた案内プーリ12に案内される状態で架設されている。
【0041】
そして、昇降駆動手段としての昇降用電動モータ13(
図2参照)にて、巻き取りドラム11が正逆に回転駆動されることにより、昇降台9が昇降移動されるように構成されている。
【0042】
図2に示すように、スタッカークレーンKの走行台車7には、走行レール5の長手方向に間隔を隔てて前後一対の走行輪7Aが配置されている。
そして、走行用電動モータ14にて、前後一対の走行輪7Aのうちの前方側の走行輪7Aを正逆に回転駆動することにより、走行台車7を走行レール5に沿って走行させて、スタッカークレーンKを物品保管棚1の棚横幅方向に沿って移動させるように構成されている。
【0043】
物品移載装置Fは、
図3及び
図4に示すように、昇降台9に固定された基枠15A、その基枠15Aに対してスライド移動する中間枠15B、及び、その中間枠15Bに対してスライド移動する先端枠15Cを備えるものであって、出退用電動モータ16(
図7参照)によって出退駆動されるように構成されている。
つまり、先端枠15Cが、
図3に示すように、物品搬送用空間2内に引退する引退位置と、
図1に示すように、収納部S内に突出する突出位置とに出退駆動自在で、かつ、昇降台9の昇降により昇降駆動自在な物品載置体として機能するように構成されている。
【0044】
そして、物品移載装置Fが、先端枠15Cの出退作動及び昇降作動により、収納部Sに収納した物品Bを取出す掬い処理及び先端枠15Cに載置した物品Bを収納部Sに収納する降ろし処理を行うように構成されている。
【0045】
つまり、スタッカークレーンKは、荷受台3に入庫された物品Bを収納部Sに収納する入庫作業や、収納部Sに収納されている物品Bを荷受台3に出庫する出庫作業を行うことになり、そして、物品移載装置Fが、入庫作業を行うときに、上記降ろし処理を行い、また、出庫作業を行うときに、上記掬い処理を行うことになる。
尚、スタッカークレーンKの物品移載装置Fは、入庫作業において荷受台3から物品Bを取出すときにも、上記掬い処理と同様に先端枠15Cを作動させ、出庫作業において荷受台3に物品Bを降ろすときにも、上記降ろし処理と同様に先端枠15Cを作動させることになる。
【0046】
また、
図7に示すように、物品移載装置Fには、リミットスイッチ等にて構成されて、先端枠15Cが引退位置に位置することを検出する引退位置検出センサ17、及び、ロータリエンコーダ等にて構成されて、引退位置からの突出量を検出する突出位置検出センサ18が装備されている。
【0047】
図1及び
図2に示すように、物品保管棚1に装備した収納部Sが、物品Bを載置状態で収納するように構成されている。
つまり、物品保管棚1は、棚前後方向に間隔を隔てる前後一対の柱1aからなる柱組を、棚横幅方向に沿って並設し、柱組の夫々に物品Bを載置する腕木20を棚上下幅方向に並べて設けて、腕木20にて物品Bを載置する収納部Sを、棚横幅方向に隣接して並ぶ柱組の間に、棚上下幅方向に並ぶ状態で形成するように構成されている。
【0048】
ちなみに、物品Bは、パレットPの上部に、コンテナや段ボール箱等を積層状態で載置するものである。
【0049】
図2に示すように、走行台車7には、物品保管棚1の棚上下幅方向における昇降台9の移動位置を、棚上下幅方向における基準上下位置から昇降台9までの距離として検出するための上下方向用レーザー測距センサ21が装備されている。
本実施形態においては、基準上下位置は、棚上下幅方向における上下方向用レーザー測距センサ21の設置位置に定められている。
【0050】
上下方向用レーザー測距センサ21は、棚上下幅方向に沿って測距用のレーザー光を投射し、昇降台9に装備した上下方向用反射体22にて反射された光を受光して、レーザー光を投射してから受光するまでの時間に基づいて、基準上下位置から昇降台9までの距離を検出するように構成されている。
【0051】
図1及び
図2に示すように、物品保管棚1の棚横幅方向における走行台車7の走行位置を、棚横幅方向における基準横位置から走行台車7までの距離として検出するための横方向用レーザー測距センサ23が、走行台車7に装備されている。
本実施形態においては、基準横位置は、走行レール5の一端部に定められて、その基準横位置には、横方向用反射体24が装備されている。
【0052】
横方向用レーザー測距センサ23は、棚横幅方向に沿って測距用のレーザー光を投射し、基準横位置に設置した横方向用反射体24にて反射された光を受光して、レーザー光を投射してから受光するまでの時間に基づいて、基準横位置から走行台車7までの距離を検出するように構成されている。
【0053】
そして、スタッカークレーンK及び物品移載装置Fの作動を制御するクレーン制御手段としてのクレーン制御部KC(
図7参照)が、横方向用レーザー測距センサ23及び上下方向用レーザー測距センサ21の検出情報に基づいて、複数の収納部Sの夫々並びに荷受台3に対して設定した目標移載位置に物品移載装置Fを位置させるべく、走行用電動モータ14及び昇降用電動モータ13の作動を制御し、また、掬い処理及び降ろし処理を実行する際に、引退位置検出センサ17及び突出位置検出センサ18の検出情報に基づいて、複数の収納部Sの夫々に対して設定した目標突出位置に先端枠15Cを突出させるべく、出退用電動モータ16の作動を制御することになる。
【0054】
ちなみに、クレーン制御部KCは、上下方向用レーザー測距センサ21の検出情報に基づいて、掬い処理において昇降台9を目標移載位置としての掬い用基準高さから掬い用目標高さに上昇させることや、降ろし処理において昇降台9を目標移載位置としての降ろし用基準高さから降ろし用目標高さに下降させることを行うことになる。
【0055】
つまり、クレーン制御部KCは、降ろし処理を行うときには、左右一対の腕木20よりも高い降ろし用基準高さにて先端枠15Cを突出位置に突出させ、次に、左右一対の腕木20の上面よりも低い降ろし用目標高さに先端枠15Cを下降させ、その後、先端枠15Cを引退位置に引退させるように制御し、また、掬い処理を行うときには、左右一対の腕木20の上面よりも低い掬い用基準高さにて先端枠15Cを突出位置に突出させ、次に、左右一対の腕木20よりも高い掬い用目標高さに先端枠15Cを上昇させ、その後、先端枠15Cを引退位置に引退させるように制御することになる。
尚、降ろし用基準高さと掬い用目標高さとは同じ高さであり、掬い用基準高さと降ろし用目標高さとは同じ高さである。
【0056】
尚、クレーン制御部KCとしては、スタッカークレーンKに搭載されて、スタッカークレーンKに装備した各種の機器類を制御する構成や、地上側に設置されて、スタッカークレーンKに装備した各種の機器類に対して制御指令を指令する構成等、種々の形態を採用することができるものである。
ちなみに、スタッカークレーンKは、自動運転する状態と手動運転する状態とに切換えられるものであって、手動運転する状態においては、走行指令等の各種の操作情報を指令する手動操作部E(
図7参照)からの指令情報がクレーン制御部KCに指令されるように構成されている。
【0057】
スタッカークレーンKは、上記の通り構成されるものであるが、本実施形態においては、引退位置の先端枠15Cに載置した物品Bを設定適正状態に位置決めできるように構成されており、以下、その構成について説明する。
【0058】
図3及び
図4に示すように、昇降台9を昇降範囲の最下降側に設定した物品修正位置Qに下降させるに伴って、引退位置の先端枠15Cに載置した物品BにおけるパレットPを受止め案内して、先端枠15Cに対する設定適正状態に物品Bを位置決めする位置決め手段Gが、走行台車7に支持される状態で装備されている。
尚、本実施形態においては、物品修正位置Qは、昇降台9の昇降範囲の最下降位置に設定されている。
【0059】
ちなみに、位置決め手段Gは、走行台車7に代えて、昇降マスト8に支持してもよく、また、走行台車7及び昇降マスト8の両者に支持する形態で設けてもよい。
【0060】
位置決め手段Gは、走行台車7に取付けた支持枠25に、物品BにおけるパレットPの外周部に対応する位置に位置させる状態で回転ローラRを装備して、回転ローラRによって物品Bの底部のパレットPを受止め案内するように構成されている。
【0061】
すなわち、回転ローラRとして、
図3に示すように、パレットPの4つの角部の夫々に対応させて、スタッカークレーンKの前後幅方向に沿う軸心回りで回転する第1回転ローラ26、及び、スタッカークレーンKの横幅方向に沿う軸心回りで回転する第2回転ローラ27が装備されている。
【0062】
したがって、本実施形態の位置決め手段Gは、先端枠15Cに対する物品BのスタッカークレーンKの前後幅方向に沿う位置、及び、先端枠15Cに対する物品BのスタッカークレーンKの横幅方向に沿う位置が適正位置となり、加えて、先端枠15Cに対する物品Bの平面視での姿勢(傾き)が適正姿勢(傾き)になるように、物品Bを位置決めするように構成されている。
【0063】
引退位置の先端枠15Cに載置した物品Bの設定適正状態からのズレ量を検出するズレ量検出手段Jが設けられている。
本実施形態のズレ量検出手段Jは、ズレ量として、スタッカークレーンKの前後幅方向に沿う方向における物品Bの位置ズレ量(以下、前後ズレ量と呼称)、及び、スタッカークレーンKの横幅方向に沿う方向における物品Bの位置ズレ量(以下、横ズレ量と呼称)を検出し、加えて、平面視での適正姿勢(傾き)に対する物品Bのズレ量(以下、傾きズレ量と呼称)を検出するように構成されている。
【0064】
すなわち、
図3及び
図4に示すように、昇降台9の側壁部9Aに、スタッカークレーンKの横幅方向に間隔を隔てて一対の測距センサ28が装備されている。
これら測距センサ28は、引退位置の先端枠15Cに載置された物品BのパレットPの側面に対して検出作用して、昇降台9の側壁部9AからパレットPの側面までの距離を検出するように構成され、そして、これら測距センサ28の検出情報がクレーン制御部KCに入力されている。
尚、測距センサ28としては、レーザー式の測距センサや超音波式の測距センサを用いることができる。
【0065】
そして、クレーン制御部KCが、一対の測距センサ28の検出値の差と一対の測距センサ28の設置間隔とに基づいて、平面視における物品Bの姿勢(傾き)を演算して、その演算値と設定基準値との差から傾きズレ量を求めるように構成されている。
また、クレーン制御部KCが、スタッカークレーンKの前後幅方向に沿う方向における物品Bの位置として、一対の測距センサ28の検出値の平均値を求めて、その平均値と設定基準値との差から前後ズレ量を求めるように構成されている。
【0066】
また、
図3及び
図4に示すように、光軸を上方に向けた状態で昇降台9に装備されて、物品Bの底面に対して検出作用する物品検出センサ29が設けられている。
この物品検出センサ29は、掬い処理によって、突出位置の先端枠15Cが引退位置に引退作動するに伴って、物品Bを検出しない非検出状態から物品Bを検出する検出状態になり、この物品検出センサ29の検出情報がクレーン制御部KCに入力されている。
【0067】
そして、クレーン制御部KCが、物品検出センサ29が非検出状態から検出状態に変化した時点から、引退位置検出センサ17が引退位置を検出するまでの間における突出位置検出センサ18の検出値に基づいて、スタッカークレーンKの前後幅方向に沿う方向における物品Bの位置を求めて、横ズレ量を求めるように構成されている。
【0068】
つまり、物品検出センサ29が非検出状態から検出状態に変化した時点から、引退位置検出センサ17が引退位置を検出するまでの間における突出位置検出センサ18の検出値が設定適正値であるときには、スタッカークレーンKの横幅方向に沿う方向における物品Bの位置が適正であると判別できるから、検出値と設定適正値との差に基づいて、横ズレ量を求めるように構成されている。
【0069】
ちなみに、物品検出センサ29としては、先端枠15Cを左方側に突出した場合において検出作用する左方側の物品検出センサ29と、先端枠15Cを右方側に突出した場合において検出作用する右方側の物品検出センサ29とが装備されることになる。
尚、物品検出センサ29は、反射型の光電スイッチ等を用いることができる。
【0070】
したがって、本実施形態においては、測距センサ28、物品検出センサ29、引退位置検出センサ17、突出位置検出センサ18、及び、クレーン制御部KCにて、ズレ量検出手段Jが構成されることになる。
【0071】
クレーン制御部KCは、検出されるズレ量が修正判定値を超える場合には、昇降台9を物品修正位置Qに下降させる物品修正処理を実行するように構成され、かつ、検出されるズレ量が修正判定値とその修正判定値よりも大きな設定許容値との間の場合には、物品修正処理を実行し、かつ、検出されるズレ量が設定許容値以上の場合には、物品修正処理に代えて、警報ブザー等の警報手段30を作動させる警報処理を実行するように構成されている。
【0072】
すなわち、本実施形態においては、ズレ量として、前後ズレ量、横ズレ量、及び、傾きズレ量が検出されるものであるから、それらのズレ量の夫々について、修正判定値及び設定許容値が設定されることになる。
そして、クレーン制御部KCは、掬い処理を実行するごとに、前後ズレ量、横ズレ量、及び、傾きズレ量を求めて、それらのズレ量のうちのいずれかが、修正判定値を超える場合には、物品修正処理を実行することになるが、それらのズレ量のうちのいずれかが、設定許容値以上の場合には、物品修正処理を実行せずに、警報処理を実行することになる。
【0073】
警報処理が実行されると、作業者は、例えば、人為作業によって先端枠15Cに載置した物品Bのズレ量が設定許容値未満となるように、先端枠15Cに載置した物品Bを移動させ、その後、手動操作部Eにて、物品修正処理を実行させる指令をクレーン制御部KCに指令することになる。
【0074】
以上の通り、本実施形態においては、位置決め手段Gが備えられて、ズレ量検出手段Jの検出結果に基づいて、クレーン制御部KCが物品修正処理を実行するものであるから、
掬い処理を行ったときに先端枠15Cに載置される物品Bが設定適正状態から大きくずれていても、物品Bを設定適正状態に修正できるため、その後の降ろし処理において、物品Bを適正通り移載することができる。
【0075】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、物品載置体としての先端枠15Cに対する物品Bの設定適正状態として、スタッカークレーンKの前後幅方向に沿う方向における物品Bの位置が適正であり、スタッカークレーンKの横幅方向に沿う方向における物品Bの位置が適正であり、かつ、平面視での物品Bの姿勢(傾き)が適正姿勢(傾き)である状態が、設定適正状態であるとする場合を例示したが、設定適正状態は、これに限定されるものではない。
【0076】
例えば、一般に、降ろし処理や掬い処理によって、スタッカークレーンKの横幅方向に沿う方向における物品Bの位置が変化し易いものであるから、設定適正状態が、スタッカークレーンKの横幅方向に沿う方向における物品Bの位置が適正である状態として、位置決め手段Gにて、スタッカークレーンKの横幅方向に沿う方向における物品Bの位置を位置決めするように構成して実施してもよい。
【0077】
(2)上記実施形態においては、ズレ量検出手段Jが、ズレ量検出のためのセンサとして、測距センサ28、物品検出センサ29、引退位置検出センサ17、及び、突出位置検出センサ18を備える場合を例示したが、例えば、物品Bを上方から撮像する撮像手段を装備して、その撮像情報を解析してズレ量を検出するようにする等、ズレ量検出手段Jの具体構成は各種変更できる。
【0078】
(3)上記実施形態においては、位置決め手段Gが、回転ローラRによって物品Bの底部を受止め案内するように構成される場合を例示したが、下方側ほど内方側に位置する傾斜案内面にて、物品Bの底部を受止め案内するように構成する等、位置決め手段Gの具体構成は各種変更できる。
【0079】
(4)上記実施形態においては、物品修正位置Qが、昇降台9の昇降範囲の最下降位置に設定され場合を例示したが、昇降台9の昇降範囲の最下降位置よりも少し上方側となる位置を、物品修正位置Qと設定してもよく、要は、物品修正位置Qを昇降台9の昇降範囲の最下降側に設定すればよい。