(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
携帯通信端末が、電源がオフである電源オフ状態、又は正常に動作する正常動作状態にある場合において、操作検知手段によって使用者の所定の操作が検知され又は前記衝撃検出手段によって衝撃が検出されたときに、警報を発する警報手段をさらに備え、
前記自動通報手段は、前記警報手段によって警報が開始されると、前記通報先への通報を開始し、
前記警報手段は、警報を発している間に前記衝撃検出手段によって衝撃が検出された場合に警報を停止し、
前記表示手段は、前記警報手段が警報を発している間に前記衝撃検出手段によって衝撃が検出された場合に、携帯通信端末が故障したことを示す画面を前記通報停止画面として表示する、
請求項1又は2に記載の携帯通信端末。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付す。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る携帯通信端末10の構成例を示すブロック図である。
図1に示されるように、携帯通信端末10は、制御部11、無線送受信部12、操作部13、表示部14、記憶部15、測位受信部16、防犯起動部17、警報部18および衝撃検出部19を備える。
【0015】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)等から構成される。制御部11は、記憶部15から読み出した各種のプログラムを実行し、また、携帯通信端末10の各構成要素との間で信号を送受信することによって、携帯通信端末10の各構成要素を制御する。さらに、制御部11は、時計の機能を備え、現在時刻を取得することができる。
【0016】
無線送受信部12は、アンテナを備え、携帯通信端末10の通信動作を実現する。無線送受信部12は、移動通信網20(
図2参照)に接続して、例えば電子メールの送受信および自動通報を行う。
【0017】
操作部13は、入力キーおよびポインティングデバイス等から構成される。操作部13は、携帯通信端末10の使用者から、携帯通信端末10への指示等の入力を受けつけて、制御部11へ通知する。使用者が入力する指示等は、電源の投入・切断操作、電子メールの閲覧や編集等のモード切り替え、および電子メールの内容の入力等を含む。
【0018】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成される。表示部14は、通信内容や使用者の入力に供する情報等を、制御部11から取得して、使用者に対して提示する。
【0019】
記憶部15は、通報データ記憶部15aおよび自動通報フラグ15bを備え、不揮発メモリ等から構成される。また、記憶部15は、制御部11が実行するプログラムやアドレス帳等のデータを記憶する。
【0020】
通報データ記憶部15aは、自動通報の通報先およびこの通報先へ送信する通報メッセージを記憶する。通報データ記憶部15aは、例えば使用者が操作部を用いて入力したメールアドレスを制御部11から取得し、通報先として記憶する。また、通報データ記憶部15aは、工場出荷時等にあらかじめ通報メッセージを記憶する。この通報メッセージは、使用者が操作部13および制御部11を介して編集できる構成としてもよい。通報データ記憶部15aは、制御部11の指示に応じて、記憶する通報先および通報メッセージを制御部11へ通知する。
【0021】
図2は、携帯通信端末10による通信の一例を示す模式図である。
図2に示されるように、携帯通信端末10は、移動通信網20を介して、任意の通信端末21との間で通信を行う。また、携帯通信端末10は、移動通信網20を介して、通報データ記憶部15aにあらかじめ登録された通報先の通信端末22へ通報メッセージを含む電子メールを送信することにより、自動通報を行う。
【0022】
自動通報フラグ15bは、携帯通信端末10の状態が自動通報を行う状態であるかどうかを表す情報を、制御部11から取得して記憶する。携帯通信端末10の状態は、例えば、電源がオフの状態や電源がオンの状態を含む、後述の複数の状態のいずれかの状態である。また、自動通報フラグ15bは、携帯通信端末10が再起動された場合に、自動通報を行う状態であるかどうかを表す情報を制御部11へ通知する。ここで、携帯通信端末10が再起動された場合は、電池が取り外された後に装着される場合および電池の残存電力がなくなった後に充電された場合を含む。
【0023】
測位受信部16は、アンテナおよびGPS(Global Positioning System)モジュール等から構成される。測位受信部16は、制御部11の指示に応じてGPSを用いて測位情報を取得して、制御部11へ通知する。
【0024】
防犯起動部17および警報部18は、携帯通信端末10が周囲へ警報を発する機能を実現する。防犯起動部17は、例えば、プルタブとその着脱を検出する検出部とから構成される。この場合、防犯起動部17は、プルタブが引き抜かれたこと、すなわち緊急事態であることを制御部11へ通知する。警報部18は、ライトやスピーカ等から構成され、制御部11の指示に従って、発光やブザー音等による警報を発する。
【0025】
衝撃検出部19は、加速度センサや衝撃センサ等から構成され、異常な衝撃を検出した場合に、緊急事態であることを制御部11へ通知する。
【0026】
図3は、自動通報により送信される電子メールの一例を示す。
図3に示されるように、電子メール30は、通報データ記憶部15aに記憶される通報先31および通報メッセージ32、ならびに付加情報33を含む。付加情報33は、制御部11が緊急事態であることを判定した時刻および測位情報等を含む。電子メール30は、制御部11が測位受信部16および記憶部15等から取得した情報を組み合わせることによって作成される。
【0027】
以上の構成要素の協働により、携帯通信端末10は、例えば、電子メールの送受信、編集および閲覧、ならびに自動通報その他の動作を実現する。また、携帯通信端末10は、その状態にしたがった動作をする。具体的には、制御部11が、携帯通信端末10の状態を判定し、この状態にしたがって携帯通信端末10の各構成要素を制御する。さらに、携帯通信端末10は、その状態が複数の状態間を遷移することにより、防犯機能を発揮する。この状態遷移について、
図4を用いて説明する。
【0028】
図4は、携帯通信端末10の状態遷移を表す図である。図中の矢印は、状態が遷移することを表す。
図4に示されるように、携帯通信端末10の状態は、電源オフ状態Sf、正常動作状態Sc、防犯警報状態Saおよびバックグラウンド通報状態Sbのいずれかの状態である。電源オフ状態Sfは、携帯通信端末10の電源がオフの状態である。なお、電源オフ状態Sfであっても、携帯通信端末10の内部は省電力で動作しているので、電源をオンにする操作等の所定の操作は有効である。正常動作状態Scは、携帯通信端末10の電源がオンとなり、携帯通信端末10の機能が正常に動作する状態であって、例えば電子メールの送受信や閲覧が可能な状態である。防犯警報状態Saは、警報部18が警報を発し、制御部11が無線送受信部12を介して自動通報を発する状態である。バックグラウンド通報状態Sbは、警報部18が警報を停止し、表示部14が故障した場合と同様の表示をしながら、制御部11が無線送受信部12を介して自動通報を発する状態である。
【0029】
図5Aは、正常動作状態Scにおいて表示部14が表示するメニュー画面の一例を示す。これに対して、
図5Bは、バックグラウンド通報状態Sbにおける表示部14の表示の一例を示す。
図5Bに示されるように、携帯通信端末10は、意味不明な文字列を表示することによって、故障した場合と同様の表示をする。また、
図5C、
図5Dおよび
図5Eは、バックグラウンド通報状態Sbにおける表示の別の例を示す。携帯通信端末10は、
図5Cに示されるように、故障したことを明示的に伝達するメッセージを表示することで、故障した場合と同様の表示をしてもよい。また、携帯通信端末10は、
図5Dに示されるように、ノイズ画面を表示することで、故障した場合と同様の表示をしてもよい。さらに、携帯通信端末10は、
図5Eに示されるように、すべての表示動作を停止することで、故障した場合と同様の表示をしてもよい。
【0030】
図4に戻り、携帯通信端末10の状態は、所定のイベントがあった場合に複数の状態間を遷移する。具体的には、制御部11が、所定のイベントがあったと判定した場合には、携帯通信端末10の状態を遷移させる。また、制御部11は、所定のイベントがあったと判定した場合には、遷移後の状態が自動通報を行う状態であるかどうかを自動通報フラグ15bに記憶させる。
【0031】
ここで、所定のイベントは、電源投入操作En、電源切断操作Ef、防犯起動操作Ea、防犯停止操作Es、および、異常な衝撃の検出Eiである。電源投入操作Enは、使用者が操作部13を使用して携帯通信端末10の電源をオンにする操作である。また、電源切断操作Efは、使用者が操作部13を使用して携帯通信端末10の電源をオフにする操作である。また、防犯起動操作Eaは、使用者が防犯起動部17を用いて防犯機能、すなわち警報および自動通報を開始させる操作であって、例えばプルタグを引き抜く操作である。防犯停止操作Esは、例えば、使用者が暗証番号を入力すること、または、所定の内容を伴う電子メールを所定のアドレスからこの携帯通信端末10へ送信することである。制御部11は、この電子メールを受信したかどうかを判定することで、防犯停止操作Esの有無を判定する。また、異常な衝撃の検出Eiは、衝撃検出部19が異常な衝撃を検出することである。
【0032】
図4に示されるように、携帯通信端末10の状態は、電源オフ状態Sfから、電源投入操作Enがあった場合に、電源オンシーケンスに従って正常動作状態Scへ遷移する。電源オンシーケンスは、携帯通信端末10の電源をオンにするために必要なハードウェアおよびソフトウェアの動作手順である。また、携帯通信端末10の状態は、電源オフ状態Sfから、防犯起動操作Eaまたは異常な衝撃の検出Eiがあった場合は、防犯警報状態Saへ遷移する。具体的には、制御部11が、自動通報フラグ15bをオンにするとともに無線送受信部12を介して自動通報を開始し、さらに警報部18が警報を開始する。
【0033】
携帯通信端末10の状態は、正常動作状態Scから、電源切断操作Efがあった場合に、電源オフシーケンスに従って電源オフ状態Sfへ遷移する。電源オフシーケンスは、携帯通信端末10の電源をオフにするために必要なハードウェアおよびソフトウェアの動作手順である。また、携帯通信端末10の状態は、正常動作状態Scから、防犯起動操作Eaまたは異常な衝撃の検出Eiがあった場合は、防犯警報状態Saへ遷移する。具体的には、制御部11が、自動通報フラグ15bをオンにするとともに無線送受信部12を介して自動通報を開始し、さらに警報部18が警報を開始する。
【0034】
携帯通信端末10の状態は、防犯警報状態Saから、防犯停止操作Esがあった場合に、正常動作状態Scへ遷移する。具体的には、制御部11が、自動通報フラグをオフにするとともに自動通報を停止し、さらに警報部18が警報を停止する。また、携帯通信端末10の状態は、防犯警報状態Saから、異常な衝撃の検出Eiがあった場合に、バックグラウンド通報状態Sbへ遷移する。具体的には、制御部11が無線送受信部12を介した自動通報を継続しつつ、警報部18は警報を停止する。
【0035】
さらに携帯通信端末10の状態は、バックグラウンド通報状態Sbから、防犯停止操作Esがあった場合に、電源オフ状態Sfへ遷移する。具体的には、制御部11が自動通報フラグ15bをオフにするとともに自動通報を停止する。
【0036】
以上のように複数の状態間を遷移することにより、携帯通信端末10の警報および自動通報は、使用者の操作および周囲の状況に応じて起動および停止する。また、携帯通信端末10が自動通報を行う状態であるかどうかを、自動通報フラグ15bが記憶する。これにより、携帯通信端末10は、電池切れの場合や電池が取り外された場合であっても、再起動された後にその状態に応じた動作を継続できる。以下、電池の着脱があった場合の携帯通信端末10の動作例を、
図6を用いて説明する。
【0037】
図6は、携帯通信端末10の動作の一例として、携帯通信端末10に電池が装着された後に、自動通報が開始し、停止するまでの処理を示す。
【0038】
まず、携帯通信端末10に電池が装着されると、制御部11は、自動通報フラグ15bを参照して、携帯通信端末10が自動通報を行う状態であるかどうかを判定する(S101)。自動通報フラグがオフである場合(S101;No)、制御部11は、防犯起動操作Eaの有無を判定する(S102)。防犯起動操作Eaがない場合(S102;No)、制御部11は、異常な衝撃の検出Eiの有無を判定する(S103)。異常な衝撃の検出Eiがない場合(S103;No)、ステップS102に戻り、防犯起動操作Eaおよび異常な衝撃の検出Eiの有無を繰り返し判定する。
【0039】
異常な衝撃の検出Eiがある場合(S103;Yes)、または、ステップS102で防犯起動操作Eaがある場合(S102;Yes)、制御部11は携帯通信端末10の状態を防犯警報状態Saへ遷移させて、自動通報フラグをオンにする(S104)。また、制御部11は、警報部18に警報を発せさせる(S105)。
【0040】
その後、制御部11は、測位受信部16から測位情報を取得する(S106)。また、制御部11は、ステップS101で自動通報フラグがオンであった場合も(S101;Yes)、同様に測位情報を取得する(S106)。そして、制御部11は、この測位情報に現在時刻等の付加情報を付加した通報メッセージを送信することにより自動通報を行う(S107)。
【0041】
次に、制御部11は、防犯停止操作Esの有無を判定し(S108)、防犯停止操作Esがない場合は(S108;No)、一定時間待機した後に(S109)、測位情報の取得と自動通報を繰り返す。
【0042】
一方、防犯停止操作Esがある場合は(S108;Yes)、制御部11は携帯通信端末10の状態を電源オフ状態Sfへ遷移させ、自動通報フラグ15bをオフにする(S110)。次に、制御部11は、警報を停止させる(S111)。
【0043】
このように、本実施形態に係る携帯通信端末10によれば、加害者が破壊行為に至った場合であっても、携帯通信端末10は、異常な衝撃を検出して、その状態をバックグラウンド通報状態Sbへ遷移させる。バックグラウンド通報状態Sbの携帯通信端末10は、見かけ上は故障した場合と同様の表示をするため、携帯通信端末10に対するさらなる破壊行為を抑止できる。
【0044】
また、携帯通信端末10の状態が遷移した場合には、遷移後の状態が自動通報を行う状態であるかどうかを表す情報が、自動通報フラグ15bに記憶される。これにより、携帯通信端末10の電池が切れた場合や取り外された場合であっても、携帯通信端末10は、再起動された後に自動通報を継続することができる。
【0045】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について、上述の実施形態1との相違点を中心に説明する。なお、実施形態1に係る構成要素と同一の構成要素には各々同一の符号を付し、実施形態1と説明が重複する部分については、その説明を省略する。
【0046】
図7は、本実施形態に係る携帯通信端末10の構成例を示すブロック図である。携帯通信端末10が備える記憶部15は、通報データ記憶部15a、状態記憶部15cおよび状態遷移テーブル15dを含んで構成される。
【0047】
状態記憶部15cは、携帯通信端末10の状態が遷移した場合に、遷移後の状態に関する情報を制御部11から取得して記憶する。また、状態記憶部15cは、携帯通信端末10が再起動された場合等に、記憶する情報を制御部11へ通知する。
【0048】
状態遷移テーブル15dは、携帯通信端末10の各状態において所定のイベントがあった場合に、携帯通信端末10が遷移する先の状態と、遷移にともなう携帯通信端末10の動作とを記憶する。
【0049】
図8は、携帯通信端末10の状態遷移の一例を示す図である。図中の矢印は状態が遷移することを表す。
図8に示されるように、携帯通信端末10の状態は、電源オフ状態Sf、正常動作状態Sc、防犯警報状態Saおよびバックグラウンド通報状態Sbのいずれかである。本実施形態に係るバックグラウンド通報状態Sbは、警報部18が警報を停止し、表示部14が自動通報を停止した場合と同様の表示をしながら、制御部11が無線送受信部12を介して自動通報を発する状態である。
【0050】
バックグラウンド通報状態Sbは、さらに、似非電源オフ状態Sb1、似非正常動作状態Sb2、似非機能不全状態Sb3、似非低電圧状態Sb4を有する。似非電源オフ状態Sb1は、表示部14が電源オフ状態Sfと同様の表示をする状態である。似非正常動作状態Sb2は、携帯通信端末10が見かけ上は正常動作状態Scと同様の動作をする状態である。似非機能不全状態Sb3は、携帯通信端末10が見かけ上は故障した場合と同様の動作をする状態である。似非低電圧状態Sb4は、携帯通信端末10が見かけ上は低電圧モードと同様の動作をする状態である。低電圧モードは、携帯通信端末10の残存電力が少ない場合に、携帯通信端末の機能を制限して省電力を図るモードであって、例えば、表示部14が光量を少なくするモードである。
【0051】
制御部11は、所定のイベントがあったと判定した場合に、状態遷移テーブル15dを参照して、携帯通信端末10の状態を遷移させる。本実施形態に係る所定のイベントは、電源投入操作En、電源切断操作Ef、防犯起動操作Ea、防犯停止操作Es、防犯停止試行操作Et、警報時間終了Eoおよび異常な衝撃の検出Eiである。防犯停止試行操作Etは、制御部11が、防犯停止操作を知らない加害者が防犯機能の停止を試みたと判定する操作のことであって、例えば、操作部13のキーを連続して無作為に所定回数以上押下する操作等である。警報時間終了Eoは、例えば、防犯警報状態Saの携帯通信端末10が警報を発し始めてから所定時間以上経過したことである。
【0052】
図9は、状態遷移テーブル15dの一例を示す図であって、
図8に示される状態遷移と同一の状態遷移を表す。なお、携帯通信端末10の状態が遷移する場合には、遷移後の状態に関する情報が状態記憶部15cに記憶されるが、
図9におけるこの動作の記載は省略する。また、使用者は、操作部13と制御部11とを介して、状態遷移テーブルの内容を任意に編集することができる。以下、
図9に示される状態遷移テーブル15dに従って、携帯通信端末10の状態が複数の状態間を遷移する場合について説明する。
【0053】
携帯通信端末10の状態が電源オフ状態Sfから遷移する場合について説明する。電源投入操作Enがあったとき、携帯通信端末10は、電源オンシーケンスに従って動作し、その状態を正常動作状態Scへ遷移させる。防犯起動操作Eaがあったとき、携帯通信端末10は、見かけ上は電源がオフの表示を維持しつつ、端末の内部のみを電源オンシーケンスに従って起動し、その状態を似非電源オフ状態Sb1へ遷移させて自動通報を発する。異常な衝撃の検出Eiがあったとき、携帯通信端末10は、防犯起動操作Eaがあったときと同様に自動通報を開始して、その状態を似非電源オフ状態Sb1へ遷移させる。その他のイベントがあったとき、携帯通信端末10の状態は、遷移せずに電源オフ状態Sfにとどまる。
【0054】
携帯通信端末10の状態が正常動作状態Scから遷移する場合について説明する。電源切断操作Efがあったとき、携帯通信端末10は、電源オフシーケンスに従って動作し、その状態を電源オフ状態Sfへ遷移させる。防犯起動操作Eaがあったとき、携帯通信端末10は、警報および自動通報を開始して、その状態を防犯警報状態Saへ遷移させる。異常な衝撃の検出Eiがあったとき、携帯通信端末10は警報を発することなく、その状態を似非正常動作状態Sb2へ遷移させる。その他のイベントがあったとき、携帯通信端末10の状態は、遷移せずに正常動作状態Scにとどまる。
【0055】
携帯通信端末10の状態が防犯警報状態Saから遷移する場合について説明する。電源切断操作Efがあったとき、携帯通信端末10は、見かけ上は電源オフシーケンスと同じ表示を表示部14に表示して、その状態を似非電源オフ状態Sb1へ遷移させる。防犯停止試行操作Etがあったとき、携帯通信端末10の状態は、似非正常動作状態Sb2へ遷移する。具体的には、制御部11が自動通報を継続しつつ、警報部18が警報を停止する。防犯停止操作Esがあったとき、携帯通信端末10は、警報および自動通報を停止して、その状態を正常動作状態Scへ遷移させる。警報時間終了Eoがあったとき、携帯通信端末10の状態は、似非低電圧状態Sb4へ遷移する。具体的には、制御部11が自動通報を継続しつつ、警報部18が警報を停止する。異常な衝撃の検出Eiがあったとき、携帯通信端末10は、警報を停止して、その状態を似非機能不全状態Sb3へ遷移させる。その他のイベントがあったとき、携帯通信端末10の状態は、遷移せずに防犯警報状態Saにとどまる。
【0056】
携帯通信端末10の状態が似非電源オフ状態Sb1から遷移する場合について説明する。電源投入操作Enがあったとき、携帯通信端末10は、見かけ上は電源オンシーケンスと同様の表示をして、その状態を似非正常動作状態Sb2へ遷移させる。防犯停止操作Esがあったとき、携帯通信端末10は、電源オフシーケンスに従って、その状態を電源オフ状態Sfへ遷移させる。その他のイベントがあったとき、携帯通信端末10の状態は、遷移せずに似非電源オフ状態Sb1にとどまる。
【0057】
携帯通信端末10の状態が似非正常動作状態Sb2から遷移する場合について説明する。電源切断操作Efがあったとき、携帯通信端末10は、見かけ上は電源オフシーケンスと同様の表示をして、その状態を似非電源オフ状態Sb1へ遷移させる。防犯起動操作Eaがあったとき、携帯通信端末10は、自動通報を継続しつつ警報を発して、その状態を防犯警報状態Saへ遷移させる。防犯停止操作Esがあったとき、携帯通信端末10は、自動通報を停止して、その状態を正常動作状態Scへ遷移させる。異常な衝撃の検出Eiがあったとき、携帯通信端末10は、故障したときと同様の表示をして、その状態を似非機能不全状態Sb3へ遷移させる。その他のイベントがあったとき、携帯通信端末10の状態は、遷移せずに似非正常動作状態Sb2にとどまる。
【0058】
携帯通信端末10の状態が似非機能不全状態Sb3から遷移する場合について説明する。防犯停止操作Esがあったとき、携帯通信端末10は、自動通報を停止して、その状態を電源オフ状態Sfへ遷移させる。その他のイベントがあったとき、携帯通信端末10の状態は、遷移せずに似非機能不全状態Sb3にとどまる。
【0059】
携帯通信端末10の状態が似非低電圧状態Sb4から遷移する場合について説明する。防犯停止操作Esがあったとき、携帯通信端末10は、自動通報を停止して、その状態を電源オフ状態Sfへ遷移させる。異常な衝撃の検出Eiがあったとき、携帯通信端末10は、故障したときと同様の表示をして、その状態を似非機能不全状態Sb3へ遷移させる。その他のイベントがあったとき、携帯通信端末10の状態は、遷移せずに似非低電圧状態Sb4にとどまる。
【0060】
以上のように複数の状態間を遷移することにより、携帯通信端末10の警報および自動通報は、使用者の操作および周囲の状況に応じて起動および停止する。また、携帯通信端末10は、電池切れの場合や電池が取り外された場合であっても、状態記憶部15cが携帯通信端末10の状態を記憶するため、その状態に応じた動作を継続できる。以下、電池の着脱があった場合の携帯通信端末10の動作例を、
図10を用いて説明する。
【0061】
図10は、携帯通信端末10の動作の一例として、携帯通信端末10に電池が装着された後に、自動通報が開始し、停止するまでの処理を示す。
【0062】
まず、携帯通信端末10に電池が装着されると、制御部11は、状態記憶部15cを参照して、携帯通信端末の状態を読み込む(S201)。次に、制御部11は、読み込んだ状態がバックグラウンド通報状態Sbであるかどうかを判定する(S202)。バックグラウンド通報状態Sbでない場合(S202;No)、制御部11は、読み込んだ状態が防犯警報状態Saであるかどうかを判定する(S203)。ここで防犯警報状態Saでない場合、すなわち読み込んだ状態が電源オフ状態Sfまたは正常動作状態Scである場合(S203;No)、制御部11は、防犯起動操作Eaの有無を判定する(S204)。防犯起動操作Eaがない場合(S204;No)、制御部11は、異常な衝撃の検出Eiの有無を判定する(S205)。異常な衝撃の検出Eiがない場合(S205;No)、ステップS202に戻り、防犯起動操作Eaおよび異常な衝撃の検出Eiの有無を繰り返し判定する。
【0063】
異常な衝撃の検出Eiがある場合(S205;Yes)、または、ステップS204で防犯起動操作Eaがある場合(S204;Yes)、制御部11は携帯通信端末10の状態を防犯警報状態Saへ遷移させて、遷移後の状態を状態記憶部15cに記憶させる(S206)。
【0064】
次に、制御部11は、警報部18に警報を発せさせる(S207)。また、制御部11は、ステップS203で状態記憶部15cに記憶された状態が防犯警報状態Saである場合も(S203;Yes)、同様に警報を発せさせる(S207)。
【0065】
その後、制御部11は、測位受信部16から測位情報を取得する(S208)。また、制御部11は、ステップS202で状態記憶部15cに記憶された状態がバックグラウンド通報状態Sbである場合も(S202;Yes)、同様に測位情報を取得する(S208)。そして、制御部11は、この測位情報を用いて自動通報を行う(S209)。
【0066】
次に、制御部11は、防犯停止操作Esの有無を判定し(S210)、防犯停止操作Esがない場合は(S210;No)、一定時間待機した後に(S211)、測位情報の取得と自動通報を繰り返す。
【0067】
防犯停止操作Esがある場合は(S210;Yes)、制御部11は、携帯通信端末10の状態を電源オフ状態Sfへ遷移させ、遷移後の状態を状態記憶部15cに記憶させる(S212)。そして、制御部11は、警報部18に警報を停止させる(S213)。
【0068】
このように、本実施形態に係る携帯通信端末10によれば、加害者が破壊行為に至った場合であっても、携帯通信端末10は、異常な衝撃を検出して、その状態をバックグラウンド通報状態Sbへ遷移させる。バックグラウンド通報状態Sbの携帯通信端末10は、見かけ上は自動通報を停止した場合と同様の表示をするため、携帯通信端末10に対するさらなる破壊行為を抑止できる。
【0069】
また、バックグラウンド通報状態Sbの携帯通信端末10の状態は、見かけ上は自動通報を停止しながら、似非電源オフ状態Sb1、似非正常動作状態Sb2、似非機能不全状態Sb3および似非低電圧状態Sb4の状態間を遷移する。つまり、バックグラウンド通報状態Sbの携帯通信端末10は、見かけ上は、異常な衝撃による故障、電源切断操作Efにより電源がオフとなる表示、および、通信機能等が正常に動作する表示等を含む、通常時と同様の動作をする。これにより、加害者が、携帯通信端末10の破壊行為に至った場合、ならびに、警報を停止しようとする場合および通常と同様に携帯通信端末10を使用しようとする場合等の多様な状況に対応しながら、携帯通信端末10は自動通報を継続することができる。
【0070】
また、携帯通信端末10の状態が遷移した場合には、遷移後の状態に関する情報が状態記憶部15cに記憶される。これにより、携帯通信端末10の電池が切れた場合や取り外された場合であっても、携帯通信端末10は、再起動された後に、その状態に応じた動作を継続することができる。
【0071】
また、使用者が状態遷移テーブル15dの内容を編集できるように構成したため、使用者は、携帯通信端末10の動作を任意に変更できる。例えば、携帯通信端末10がいずれの状態であっても、異常な衝撃の検出Eiがあった場合には、常に似非機能不全状態Sb3へ遷移することと設定し直すことができる。
【0072】
以上、実施形態1および2について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0073】
例えば、上述の実施形態に係る携帯通信端末の測位受信部16を省いて構成してもよい。この場合、測位受信部16の測位機能に代えて、制御部11、無線送受信部12および移動通信網20が連携して実現する基地局測位をもって、携帯通信端末10は位置情報を取得してもよい。
【0074】
例えば、上述の実施形態に係る携帯通信端末の防犯起動部17を省いて構成してもよい。つまり、防犯起動操作Eaは、操作部13を用いて所定の操作をすることとしてもよい。また、防犯起動操作Eaは、無線送受信部12を介して制御部11が所定の信号を受信することとしてもよい。さらに、防犯起動操作Eaは、測位受信部16と制御部11の協働により、携帯通信端末の位置が所定の範囲にあることを検知することとしてもよい。
【0075】
例えば、上述の実施形態に係る携帯通信端末の警報部18を省いて構成し、防犯機能として自動通報機能のみを有する携帯通信端末としてもよい。つまり、防犯警報状態Saを、自動通報による防犯機能が動作していることを表示部14に表示しながら自動通報を行う状態としてもよい。
【0076】
例えば、上述の実施形態において、無線送受信部12は、移動通信網に接続する構成としたが、無線LAN、Bluetoothおよび赤外線通信等を介して、移動通信網以外の通信網に接続する構成としてもよい。
【0077】
例えば、上述の実施形態に係る異常な衝撃の検出Eiは、衝撃検出部19が異常な衝撃を検知することとしたが、制御部11が、衝撃検出部19から取得する加速度等の情報に基づいて、異常な衝撃であるかどうかを判定してもよい。
【0078】
例えば、上述の実施形態において、制御部11は、衝撃検出部19からの通知を単に状態遷移のきっかけとするのみであったが、衝撃検出部19が検出した衝撃に関連する情報を記憶部15に記憶させてもよい。この衝撃に関連する情報は、衝撃の強さ、衝撃を検出した時間、または、測位情報と結合して衝撃を検出した場所等の情報である。また、制御部11は、これらの情報を自動通報により送信するメッセージに付加してもよい。
【0079】
例えば、上述の実施形態において、自動通報として送信されるのは電子メールに限らず、SMS(Short Message Service)等を利用してメッセージを送信してもよい。また、携帯通信端末10が通話機能を備える場合には、音声メッセージを自動再生することにより自動通報を行ってもよい。
【0080】
例えば、上述の実施形態において、通報メッセージに付加される測位情報は単に経緯度を示すのみであったが、これに代えて、制御部11が所定のプログラムに従って測位情報から住所等の位置情報を割り出し、この位置情報を付加してもよい。また、制御部11は、測位受信部16が受信した測位情報を記憶部15に記憶させて、蓄積された測位情報等の履歴を通報メッセージに付加してもよい。
【0081】
例えば、上述の実施形態において、制御部11が一定時間毎に自動通報を繰り返す構成としたが、自動通報は一定時間毎になされなくてもよい。制御部11は、例えば電池の残量が多いときは10分毎に、電池の残量が少ないときは1時間毎に、それぞれ自動通報を行ってもよい。また、制御部11は、携帯通信端末が電波の届かない場所にあるときは、消費する電力を少なくするために1時間毎に自動通報を行い、電波が届く場所に移動してからは10分毎に自動通報を行ってもよい。この場合、電力消費を抑えられるので、自動通報を長時間継続できる。
【0082】
例えば、上述の実施形態に係る携帯通信端末が有する機能として、電子メールの送受信ならびに警報および自動通報のみを例として説明したが、通話、カメラ、テレビ、ナビゲーションおよび音楽・動画再生等の機能を実現する構成要素を追加してもよいし、メモ帳、スケジュール管理等のユーティリティソフトウェアおよびゲームその他のアプリケーションをプログラムとして記憶部15に記憶してもよい。
【0083】
上述の実施形態に係る携帯通信端末の機能は、専用のハードウェアによっても、また、通常のコンピュータシステムによっても実現することができる。
【0084】
例えば、上述の実施形態において携帯通信端末の記憶部15に記憶されているプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する装置を構成することができる。
【0085】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するようにしても良い。
【0086】
また、通信ネットワークを介してプログラムを転送しながら起動実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
【0087】
更に、プログラムの全部又は一部をサーバ装置上で実行させ、その処理に関する情報をコンピュータが通信ネットワークを介して送受信しながらプログラムを実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
【0088】
なお、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、コンピュータにダウンロード等しても良い。
【0089】
上述の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0090】
(付記1)
衝撃を検出する衝撃検出手段と、
緊急の場合に自動的に通報するための通報先を含む情報を記憶する通報データ記憶手段と、
緊急の場合に、前記通報先へ自動的に通報する自動通報手段と、
前記衝撃検出手段によって衝撃が検出された場合に、前記自動通報手段による通報を停止した状態のときに表示される画面と同じ画面を表示する表示手段と、
を備える携帯通信端末。
【0091】
(付記2)
前記表示手段は、故障したときに表示される画面と同じ画面を表示する、
付記1に記載の携帯通信端末。
【0092】
(付記3)
携帯通信端末の状態を記憶する状態記憶手段と、
携帯通信端末が再起動された場合に、前記状態記憶手段に記憶された状態に従って携帯通信端末を制御する制御手段と、
を備える付記1または2に記載の携帯通信端末。
【0093】
(付記4)
前記自動通報手段は、
前記衝撃検出手段によって衝撃が検出された緊急の場合に、前記通報先に対して自動的に通報する、
付記1乃至3のいずれかに記載の携帯通信端末。
【0094】
(付記5)
前記自動通報手段による通報を開始するための使用者の操作を検知する操作検知手段を備え、
前記自動通報手段は、
前記操作検知手段によって使用者の操作が検知された緊急の場合に、前記通報先に対して自動的に通報する、
付記1乃至3のいずれかに記載の携帯通信端末。
【0095】
(付記6)
衝撃を検出する衝撃検出ステップと、
緊急の場合に、あらかじめ登録した通報先へ自動的に通報する自動通報ステップと、
前記衝撃検出ステップによって衝撃が検出された場合に、前記自動通報ステップによる通報を停止した状態のときに表示される画面と同じ画面を表示する表示ステップと、
を備える防犯方法。
【0096】
(付記7)
コンピュータに、
衝撃を検出する衝撃検出ステップと、
緊急の場合に、あらかじめ登録した通報先へ自動的に通報する自動通報ステップと、
前記衝撃検出ステップによって衝撃が検出された場合に、前記自動通報ステップによる通報を停止した状態のときに表示される画面と同じ画面を表示する表示ステップと、
を実行させるプログラム。