(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特別な演出が、回転しているリールのうちの所定のリールについて、リール停止スイッチ操作時にリール停止制御を一時停止状態にする演出であることを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
前記特別な演出が、遊技者のリール停止操作で前記当選役に対応した図柄の組み合わせが停止するのをアシストする演出であることを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態に係るスロットマシン10の外観を
図1に示す。
図1は、本実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けてある。このフロントパネル20の略中央には、垂直方向に縦長矩形の3つの表示窓22L、22C及び22Rが形成してある。
【0028】
スロットマシン10の筐体の内部には、3個のリール40L、40C及び40Rが回転自在に設けてある。各リール40L、40C及び40Rは、それぞれリング形状となっており、その外周面には、図柄を印刷したリールテープが貼着してある。このリールテープには、例えば、21個の図柄が等間隔で描かれている。これら図柄の配列は、リール40L,40C及び40Rごとにそれぞれ異なっている。なお、各リールの具体的な図柄配置については、
図29を用いて追って詳細に説明する。
各リール40L、40C及び40Rは、上述した表示窓22L、22C及び22Rを介してそれぞれ視認可能となっている。リールが停止しているときには、1つの表示窓において、1本のリールの連続した3つの図柄が視認可能となる。このため、3つの表示窓22L、22C及び22Rの全てからは、合計9つの図柄が視認可能となる。
後述するように、各リール40L、40C及び40Rは、それぞれモータ(図示せず)により回転駆動され、各表示窓22L、22C及び22Rにおいて、各リール40L、40C及び40Rの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
【0029】
これらの3つの表示窓22L、22C及び22Rの前面には、5本の入賞ラインが定めてある。これら5本の入賞ラインは、水平の3本(中央L1、上下L2A、L2B)の入賞ラインと、斜めの2本(斜め右下がりL3A、斜め右上がりL3B)の入賞ラインとで構成してある。これら入賞ラインL1、L2A、L2B、L3A及びL3Bの左端部には、有効ライン表示部(ベット数表示手段)24a〜24eが設けてある。これら有効ライン表示部24a〜24eは、賭けの対象となった遊技媒体(本実施形態ではメダルを用いている。)の枚数により、有効となった入賞ライン(以下、有効ラインと称する)を表示する。なお、本実施形態では、各有効ライン表示部24a〜24eに、賭けの対象となった遊技媒体の枚数(ベット数)を、上から順に「3」、「2」、「1」、「2」、「3」のように表示してあり、入賞ラインとともにベット数をも表示する役割をもたせてある。
【0030】
上述したフロントパネル20の下方には、略水平の操作パネル部30が設けてある。この操作パネル部30の左側には、1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34及び3−ベットスイッチ36が配設してある。また、操作パネル部30の右側には、遊技媒体を投入することができる遊技媒体投入口38が設けてある。
遊技媒体投入口38から遊技媒体が投入されると、遊技媒体カウンタ(図示せず)が遊技媒体の枚数を計数する。この遊技媒体投入口38から規定枚数以上の遊技媒体が投入された場合には、規定以上の枚数をクレジット数として後述するRAM110に記憶するとともに、このクレジット数をクレジット数表示部53に表示するようになっている。
1−ベットスイッチ32は、クレジット数のうちの1枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。2−ベットスイッチ34は、クレジット数のうちの2枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。3−ベットスイッチ36は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。
【0031】
また、スロットマシン10の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けてある。なお、画像表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、遊技者が、画像情報や文字情報を遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。
【0032】
操作パネル部30の前面の左側には、スタートスイッチ(スタートレバー)50が傾動可能に設けてあり、また、操作パネル部30の前面の中央部には、3つのストップスイッチ52L、52C及び52Rが設けてある。ストップスイッチ52Lは左リール40Lに対応し、ストップスイッチ52Cは中リール40Cに対応し、ストップスイッチ52Rは右リール40Rに対応している。
遊技者が、スタートスイッチ50を傾動操作すると、上述した3つのリール40L、40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これらリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達すると、遊技者によるストップスイッチ52L、52C及び52Rの操作が有効となる。
遊技者が、ストップスイッチ52Lを押動操作すると左リール40Lが停止する。ストップスイッチ52Cを押動操作すると中リール40Cが停止する。ストップスイッチ52Rを押動操作すると右リール40Rが停止する。
各リール40L、40C又は40Rが停止したときは、それぞれの外周面に描かれた図柄が、上述した表示窓22L、C、R中に見える縦3つのコマの位置に停止するように停止制御している。
【0033】
スロットマシン10の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納した図示しないスピーカ(後述する
図4に示すスピーカ64に対応する)から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴60が設けてある。スロットマシン10の筐体の下方の中央部には、遊技媒体払出口62が設けてある。各リール40L、40C又は40Rが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが、所定の組み合わせ、すなわち、役を構成する図柄の組み合わせとなり、役に入賞したときには、この組み合わせに応じて予め定めた枚数の遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すようになっている。
上述したように、スロットマシン10における遊技は、停止させた複数のリール40L、40C又は40Rの図柄の組み合わせによって遊技結果が定まるというものである。また、この遊技は、スタートスイッチ50を遊技者が傾動操作するたびに行なわれ、複数のリール40L、40C又は40Rの回転開始から回転停止までの行程を1単位の遊技として、繰り返し行なうことができる。
【0034】
上述した役の種類には、例えば、当たり役、一般役、再遊技役等の種類がある。当たり役は、抽選で当たり役に当選し、その当たり役に応じた図柄が揃って入賞したときには、遊技を遊技者にとって有利に進行させる当たり遊技を行なうことができる役である。また、一般役は、抽選で一般役に当選し、その一般役に応じた図柄が揃って入賞すると、予め定めた数の遊技媒体を払い出す役である。また、再遊技役は、抽選で再遊技役に当選し、再遊技役に応じた図柄が揃って入賞したときに、遊技媒体を新たに投入することなく再遊技(リプレイとも称する)を行なうことができる役である。
【0035】
また、当たり役には、ビックボーナス役(以下、BB役と称する)がある。BB役は、当たり遊技の1つであるBB遊技に移行させる役であり、このBB遊技は、所定の役が高確率で当選する遊技を、予め定められた遊技媒体の払い出し数に達するまで、連続して行なうことができる。なお、複数のBB遊技を設定することも可能であり、例えば、所定の役の当選確率や終了枚数の設定が異なる複数のBB遊技を設けることもできる。
更に、当たり役として、ミドルボーナス役(以下、MB役と称する)やシングルボーナス(以下、SB役)を設定することもできる。MB役(「2種BB役」と称する場合がある)は、当たり遊技の1つであるMB遊技(「2種BB遊技」と称する場合がある)に移行させる役であり、このMB遊技は、役抽選の結果によらず、所定の図柄の組み合わせが停止したとき入賞処理が行なわれる遊技(CB遊技と称する場合がある))を、予め定められた遊技媒体の払い出し数に達するまで、連続して行なうことができる。SB役は、当たり遊技の1つであるSB遊技に移行させる役であり、このSB遊技は、1遊技だけ行なわれる当たり遊技である。
【0036】
<制御手段の説明>
スロットマシン10を制御する制御手段は、主制御回路100と副制御回路200から構成される。ここで、主制御回路100のブロック図を
図2に示し、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を
図3に示す。
上述したスタートスイッチ50は、主制御回路100のインターフェイス回路102に接続され、インターフェイス回路102は、入出力バス104に接続されている。スタートスイッチ50から発せられたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。入出力バス104は、中央処理回路(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。上述したリール回転開始信号は、「操作信号」の1つを構成する。
【0037】
また、上述したインターフェイス回路102には、ストップスイッチ52L、52C及び52R、並びに1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ36も接続されている。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。上述したストップスイッチ52L、52C又は52Rから発せられる信号も、操作信号を構成する。
上述した入出力バス104には、ROM(リード・オンリー・メモリ)108及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)110も接続されている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。また、RAM110は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
【0038】
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器112も接続されている。乱数発生器112は、一定の範囲の数値、例えば0〜65535(2の16乗)に含まれる乱数を発生させる。尚、CPU106の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。
入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続されている。モータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C及び40Rの各々を回転駆動するステッピングモータ80L、80C及び80Rが接続されている。ステッピングモータ80L、80C及び80Rの各々は、3つのリール40L、40C及び40Rの内部に設けられ、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトがリール40L、40C及び40Rの回転中心となるように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rに取り付けられている。
【0039】
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御及び停止制御を行なうとともに、回転速度の制御も行なう。
CPU106が、上述したように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rに対する制御をすることにより、リール40L、40C及び40Rの回転制御及び停止制御を行なうとともに、回転速度の制御を行なうことができる。
【0040】
リール40L、40C及び40Rの各々には、各リールの回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)が設けられており、回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続されている。リール40L、40C及び40Rの各々の回転角度位置を示す信号が回転角度位置センサから発せられたときには、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。CPU106は、供給された回転角度位置から図柄の番号を算出し、表示窓22L、22C及び22Rの各々に表示される図柄を特定する。
【0041】
更に、インターフェイス回路102には、接続線118も接続されている。この接続線118によって、主制御回路100は、後述する副制御回路200に電気的に接続される。この副制御回路200を示すブロック図を
図3に示す。
上述した接続線118は、副制御回路200のインターフェイス回路202に接続され、インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続されている。主制御回路100から副制御回路200に送信された信号は、インターフェイス回路202において所望の信号に変換された後、入出力バス204に供給される。入出力バス204は、中央処理回路(以下、CPUと称する)206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0042】
上述した入出力バス204には、ROM(リード・オンリー・メモリ)208及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)210も接続されている。ROM208は、後述するランプ駆動回路218や、表示駆動回路220や、スピーカ駆動回路222を制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。ROM208は、表示装置70に表示するための種々の画像データや、スピーカ64から発するための音声データも記憶する。
入出力バス204には、各表示ランプ124を駆動するためのランプ駆動回路218も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じて駆動指令をランプ駆動回路218に発し、駆動指令に応じて表示ランプ124を点灯駆動する。
【0043】
また、入出力バス204には、表示装置70を駆動する表示駆動回路220も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている画像データや文字データ等を読み出し、そのデータを表示駆動回路220に供給する。このようにすることにより、表示装置70には、様々な画像データや文字データが画像として表示される。
更に、入出力バス204には、スピーカ64を駆動するためのスピーカ駆動回路222も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている音声データを読み出し、そのデータをスピーカ駆動回路222に供給する。このようにすることにより、スピーカ64から所定の音声が発せられる。
【0044】
(機能ブロック図の説明)
次に、スロットマシン10の制御の機能ブロック図を
図4に示す。
制御回路として、主制御回路100と副制御回路200が電気的に接続され、主制御回路100には、操作手段300が電気的に接続され、また、リール40L、40C及び40Rの各々に設けられたモータ80L、80C及び80Rが電気的に接続されている。副制御回路200には、表示装置70、表示ランプ124、及びスピーカ64が電気的に接続されている。
3つのストップスイッチ52L、52C及び52Rから停止操作手段310が構成され、この停止操作手段310と、スタートスイッチ50と、ベットスイッチ32、34及び36とから操作手段300が構成される。この操作手段300は、スイッチに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
【0045】
<主制御回路100の説明>
主制御回路100は、役抽選手段410と、リール制御手段440と、入賞処理制御手段450と、再遊技制御手段460と、リプレイタイム制御手段470とを含む。
役抽選手段410は、役抽選処理によって、役(当たり役であるBB役、一般役、再遊技役等)の抽選を行なうものである。役抽選手段410は、例えば、役抽選用の乱数発生器112(ハード乱数等)と、この乱数発生器112が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段420と、乱数抽出手段420が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段430とを備えている。この役抽選手段410による制御処理は、役抽選処理サブルーチン(
図6〜
図7参照)及び抽選判定サブルーチン(
図8〜
図10参照)に示される。
【0046】
リール制御手段440は、スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、モータ80L、80C、80Rの制御を行なって、リール40L、40C、40Rを回転させ、そして、ストップスイッチ52L、52C、52Rから発信されたリール停止信号の受信または所定時間の経過によって、リール40L、40C、40Rを停止させるリール作動に関する制御を行なう。停止の制御においては、当選した役に対応して、停止図柄が揃うまたは揃わないようにするための図柄組み合わせ制御を行なう。また、リールの回転または停止制御を一時停止状態にするフリーズ演出を行うこともできる。このリール制御手段440による制御処理は、リール変動、停止サブルーチン(
図11参照)に示される。
入賞処理制御手段450は、役抽選処理で当たり役や一般役が当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、各々の役に対応した図柄が揃って入賞したと判別したときに、遊技が遊技者にとって有利に進行する当たり遊技や所定枚数の遊技媒体の払い出しを実施するための制御を行なう。
再遊技制御手段460は、抽選処理で再遊技役が当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、再遊技役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、遊技媒体を投入しないで、次の遊技を行なうための制御を行なう。
【0047】
リプレイタイム制御手段470は、所定の開始要件を満たしたときに、遊技の態様を、役抽選手段により再遊技役が当選する確率がより高い値に設定されたRT(リプレイタイム)作動状態に変更し、RT作動状態に変更後、所定の解除要件を満たしたときに、RT作動状態を解除する制御処理を行なう。なお、RT作動状態には、再遊技役の当選確率が、通常の遊技状態の当選確率と同じ、または通常の遊技状態の当選確率よりも低い場合もあり得る。この場合であっても、所定の遊技数を消化するまで他の遊技状態に移行できず、通常の遊技と異なる遊技状態が形成されることになる。
【0048】
<副制御回路200の説明>
副制御回路200には、画像制御手段510、音声制御手段520、ランプ制御手段530、及び演出制御手段540が設けられている。画像制御手段510は、演出制御手段540等から受信した画像データに基づいて、表示駆動回路220を制御して、表示装置70に所定の演出画像を表示することができる。なお、表示装置70、表示駆動回路220、画像制御手段510を含めて、画像表示手段と称する場合もある。
【0049】
また、ランプ制御手段520は、演出制御手段540等から受信したランプ点灯データに基づいて、ランプ駆動回路218を制御して、所定の表示ランプ124を点灯することができる。また、音声制御手段530は、演出制御手段540等から受信した音声データに基づいて、スピーカ駆動回路222を制御して、スピーカ64から所定の音声を発することができる。
また、演出制御手段540は、上述の画像制御手段510、ランプ制御手段520、及び音声制御手段530に演出データを含む制御信号を送信して、所定の演出を実施するための制御処理を行なう。
【0050】
(制御処理の説明)
以下に、上述した制御手段において行なわれる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
図5には、主制御回路100で行なわれる制御処理のメインルーチンを示す。
図6から
図17には、このメインルーチンで行なわれる制御処理である各サブルーチンを示す。
図6〜
図7には、役抽選手段410により行なわれる役抽選と、役抽選に引き続き行なわれるフラグオン処理を行なう役抽選処理サブルーチンを示し、
図8〜
図9には、役抽選処理サブルーチンの制御処理の一部である抽選判定サブルーチン(ケース1〜3)を示す。
図11には、リール制御手段440により、リールの回転、停止のための制御を行なうリール変動、停止サブルーチンを示す。
図12には、リール変動、停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理である入賞判定・フラググオフ処理サブルーチンを示す。
【0051】
図13には、入賞判定・フラググオフ処理サブルーチンの制御処理の一部であるBB遊技中処理サブルーチンを示し、
図14には、入賞判定・フラググオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示す。
図15には、役当選時処理サブルーチンの制御処理の一部であるBB判定処理サブルーチンを示し、
図16には、役当選時処理サブルーチンの制御処理の一部である再遊技役入賞処理サブルーチンを示し、
図17には、役当選時処理サブルーチンの制御処理の一部である一般役入賞処理サブルーチンを示す。
【0052】
なお、以下に説明する制御処理においては、スロットマシン10は予め起動されており、上述した主制御回路100や副制御回路200において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
【0053】
<メインルーチンの説明>
まず、メインルーチンの制御処理の説明を、
図5のフローチャートを用いながら説明する。このメインルーチンでは、遊技者が遊技媒体を投入して、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させて停止させるまでの1工程を1回とする遊技を、1回行なうときの制御処理を示す。
まず、パラメータNRPの値が、0より大きいか否かを判断する(ステップS10)。ここでNRPは、再遊技を行なうか否かを定めるパラメータであり、0より大きい場合には再遊技を行ない、0以下の場合には再遊技を行なわないように設定されている。また、
図13のステップSステップS512に示すように、役抽選で再遊技役に当選し、当選役に対応した図柄が停止して入賞したときに、NRPの値として1をインプットするようになっている。
【0054】
ステップS10の判断で、もし、NRPの値が0以下である(NO)と判別したときには、再遊技を行なわないと判断して、次に、遊技媒体が投入されたか否かを判断する(ステップS12)。この判断で、もし、遊技媒体が投入された(YES)と判別したときには、ステップS18へ進み、遊技媒体投入口38の下部に設置された遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数を、ベット数として検出する。ただし、規定枚数(本実施形態では3枚)を越える枚数の遊技媒体が投入されたときには、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット枚数としてRAM110に記憶する。
ステップS12の判断において、もし、遊技媒体が投入されていない(NO)と判断したときには、次に、クレジットされた遊技媒体が有るか否かを判断する(ステップS14)。この判断で、もし、クレジットされた遊技媒体はない(NO)と判別したときには、再びステップS12へ戻り、ステップS12とステップS14の判断処理を繰り返し実行する。
【0055】
また、ステップS14の判断で、もし、クレジットされた遊技媒体が有る(YES)と判別したときには、次に、ベット操作信号を受信したか否かを判断する(ステップS16)。このベット操作信号は、遊技者がベットスイッチ32、34または36の何れか1のスイッチを操作したときに発信される。この判断で、もし、ベット操作信号を受信していない(NO)と判別したときには、再びステップS12に戻り、ステップS12からステップS16までの判断処理を繰り返し実行する。ステップS16の判断で、もし、ベット信号を受信した(YES)と判別したときには、受信したベット操作信号からベット数を検出する(ステップS18)。そして、遊技媒体の投入またはクレジットされた遊技媒体の使用の何れの場合においても、検出したベット数を新たなベット数としてRAM110に記憶し、クレジットされた遊技媒体を使用する場合には、同時に、遊技媒体のクレジット数から、検出したベット数分の枚数だけ減じる処理を行なう(ステップS20)。そして、役抽選処理サブルーチン(ステップS24)へ進む。
【0056】
ステップS10の判断において、もし、NRPの値が0より大きく(YES)、再遊技状態にあると判別したときには、NRPの値に0をインプットして再遊技状態を解除し(ステップS22)、ステップS12からステップS20の処理を行なわない再遊技の制御処理を行なって、役抽選処理サブルーチン(ステップS24)へ進む。つまり、再遊技状態にあると判別したときには、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費することなく、遊技を行なうことができる。また、再遊技におけるベット数としては、本実施形態では、前の遊技におけるベット数と同じベット数を設定するような制御が行なわれるが、前の遊技のベット数と異なる値のベット数を設定する制御も可能である。
【0057】
ステップS24の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段410による役抽選が行なわれ、当選した役に応じて、BBフラグ、再遊技フラグ、一般役フラグをオンにするフラグオンの処理が行なわれる。このサブルーチンの詳細については、
図6〜
図10のフローチャートを用いて後述する。
役抽選処理サブルーチン(ステップS24)に引き続いて、この役抽選の結果に基づいて、リール40L、40C、40Rを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行なうリール変動、停止サブルーチン(ステップS26)が行なわれる。このリール変動、停止サブルーチンは、リール制御手段440によって行なわれ、このサブルーチンの詳細については、
図11のフローチャートを用いて後述する。
【0058】
次に、リール変動、停止サブルーチンによってリールが停止した後、入賞図柄判定を行なって、その判定結果に基づいて、フラグオフの処理を行ない、また、RT作動状態を設定するためのRT設定処理を行なう入賞判定・フラググオフ処理サブルーチン(ステップS28)が行なわれる。このサブルーチンの詳細については、
図12〜
図17のフローチャートを用いて後述する。
そして、役抽選、入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した当たり遊技に対応した所定枚数の遊技媒体を払い出す払い出し処理(ステップS30)が行なわれる。この払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すことも可能であるし、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。以上の制御処理によって1回分の遊技が終了する。このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の遊技を行なうことができる。
【0059】
<役抽選処理サブルーチン>
次にメインルーチンのステップS24で行なわれる役抽選処理サブルーチンについて、
図6〜
図10に示したフローチャートを用いながら詳細に説明する。
まず、スタートスイッチONの信号を受信したか否か判断する(ステップS40)。このスタートスイッチONの信号は、遊技者によるスタートスイッチ50の操作をしたときに操作手段300により発信される信号であり、この信号に基づいてリール制御手段440は、リールの回転を開始する制御を行なう(
図11のステップS144参照)。
【0060】
この判断で、もし、スタートスイッチONの信号を受信していない(NO)と判別したときには、このステップS40の判断処理を繰り返す。つまり、遊技者がスタートスイッチ50を操作するまで、遊技のスタートを待つ待機状態となっている。
ステップS40の判断で、もし、スタートスイッチONの信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、パラメータNBBの値が0より大きい値であるか否かを判断する(ステップS42)。この判断で、もし、NBBの値が0より大きい(YES)と判別したときには、ROM108に記憶されたBB作動時置数テーブル及び抽選回数を読み出し(ステップS44)、ステップS64へ進む。
【0061】
ここで置数テーブルとは、役抽選における当選確率に応じて置数が各役に割り振られたテーブルであり、各役にはデータ番号が付された置数が設定されている。後述するように、乱数抽出手段420が、乱数発生器112で発生させた乱数から1の乱数を取り出し、乱数判定手段430が、取り出された乱数がどの置数の領域に対応するか判別して、役の当選判定を行なう(ステップ64の抽選判定サブルーチン参照)。
ここで、本実施形態で用いるBB作動時置数テーブルの実施例を
図22に示す。
図22(a)では、発生させる乱数値に対応した置数が設定され、
図22(b)では、置数が、共通に用いられる基本定数(ベース置数)と役の当選確率に対応して定められる係数とを乗じた値で表され、置数テーブルのデータとして係数のみが記憶されている。
【0062】
図22(a)の場合の「発生させる乱数値に対応した置数」とは、置数テーブルの各役に設定された置数を乱数発生手段で発生させる乱数の総数で除した値が、各役の役抽選における当選確率となることを意味する。本実施形態では、乱数発生器112により0〜65535の計65536個の乱数を発生させるので、データ番号1の一般役1の当選確率は約1/82(=800/65536)となり、データ番号2の一般役2の当選確率は約1/2.2(=30000/65536)となり、データ番号3の一般役3の当選確率は約1/5(=13000/65536)となる。以上のように、BB作動時においては、役抽選における一般役2の当選確率が非常に高くなっており、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
なお、
図22(b)の置数が基本定数(ベース置数)と役の当選確率に対応して定められる係数とを乗じた値で表される場合については、
図20を用いて追って詳細に説明する。また、乱数判定手段420が、乱数抽出手段により取り出された乱数がどの役の置数の領域に対応するか判別する役の当選判定については、複数の判定方法が考えられ、その詳細な説明については、
図8〜
図10のフローチャートを用いて後述する。
【0063】
次に、ステップS42の判断で、もし、NBBの値が0以下である(NO)と判別したときには、次に、パラメータNRTの値が、0より大きいか否かを判断する(ステップS46)。ここでNRTは、遊技状態が、役抽選における再遊技役の当選確率が通常遊技に対して変動するRT作動状態であるか否か、及びRT作動状態が複数設定されている場合には、どのRT作動状態であるかを定めるパラメータである。なお、「再遊技役の当選確率が変動する」とは、RT作動状態における再遊技役の当選確率が、遊技状態の移行によって変動することを意味し、通常遊技より高く設定された場合だけでなく、RT作動状態における再遊技役の当選確率が、通常の遊技における当選確率と同じ、または通常の遊技における当選確率より低く設定された場合も含まれることを意味する。
【0064】
NRTは、初期状態では0に設定されており、RT作動状態の開始要件が満たされたとき、NRTに1〜6の値をインプットして、RT1〜RT6作動状態の設定を行なう。
具体的な各RT作動状態の開始要件及び解除要件を、
図18に示す模式図を用いて説明する。
図18は、通常(非BB・非RT)一般遊技、RT1〜RT6作動中、BB内部中、BB(BB1またはBB2)遊技中の各遊技状態をブロックで示し、ひとつの遊技状態から他の遊技状態への移行を矢印で示し、その移行の要件(開始要件、解除要件)を記載してある。
【0065】
図18を参照しながら、各RT1〜RT6の移行の態様を下記に説明する。
まず、非BB・非RT一般遊技中において、役抽選でBB1またはBB2役に当選し、BB1またはBB2フラグが設定された場合には、BB内部中となり、RT6作動状態に移行する(
図7のステップS73参照)。RT6作動状態(当選確率約1/11.9)は、再遊技役2の当選確率が高く設定された遊技者にとって有利な遊技状態になっている(
図19〜21参照)。
BB内部中において、リール停止操作でBB1またはBB2役に対応した図柄が有効ライン上に停止して入賞したとき、RT6作動状態が終了して(
図15のステップS610参照)、BB1またはBB2遊技を開始する。そして、BB1遊技が終了するとRT1作動状態に移行し(
図13のステップS316参照)、BB2遊技が終了するとRT2作動状態に移行する(
図13のステップS320参照)。
【0066】
RT1作動状態(当選確率約1/12.9:
図19〜21参照)において、役抽選で一般役1または一般役2に当選して、リール停止操作で当選した役に対応する図柄が有効ライン上に停止して入賞した場合には、RT3作動状態に移行する(
図17のステップS804参照)。また、RT1作動状態において、役抽選で一般役3に当選して、リール停止操作で当選した役に対応する図柄が有効ライン上に停止して入賞した場合には、RT4作動状態に移行する(
図17のステップS808参照)。また、一般役1〜3の何れも入賞せずに、RT1作動状態の遊技を60遊技消化した場合には、非BB・非RT一般遊技に戻る(
図6のステップS56、
図13のステップS318参照)。
【0067】
RT3作動状態(当選確率約1/13.1)では、RT3作動状態で100遊技を消化すると、非BB・非RT一般遊技(当選確率約1/13.1)に戻るが(
図6のステップS56、
図17のステップS806参照)、それ以外の解除要件は設定されていない。RT3作動状態における再遊技役の当選確率は非BB・非RT一般遊技中と同様であり(
図19〜21参照)、RT3作動状態へ移行すると、遊技者にとってあまり有利とはいえない遊技状態が相当期間継続されることになる。
【0068】
RT4作動状態(当選確率約1/10)は、再遊技役2の当選確率が高く設定された遊技者にとって有利な遊技状態になっている(
図19〜21参照)。RT4作動状態において、役抽選で再遊技役2のデータ番号6の置数領域で当選と判定されたとき(
図21参照)、RT4作動状態を解除して、非BB・非RT一般遊技に戻る(
図7のステップS86参照)。ここで、役抽選で再遊技役2のデータ番号6の置数領域で当選と判定された場合には、フリーズ演出を行なって、遊技者にとって有利なRT4作動状態の解除を、遊技者に報知するようになっている(
図7のステップS88、
図11のステップS132〜S140参照)。なお、更に詳細な説明は後述する。
【0069】
また、データ番号6の置数領域で当選せずに、RT4作動状態の遊技を40遊技消化した場合には、非BB・非RT一般遊技に戻る(
図6のステップS56、
図17のステップS810参照)。以上のように、RT1作動状態において、一般役1〜3のうちどの一般役が入賞するかによって、遊技の進行状況が異なってくる。
【0070】
BB2遊技が終了後に開始されるRT2作動状態(当選確率約1/12.6:
図19〜21参照)において、役抽選で再遊技2に当選して、リール停止操作で当選した役に対応する図柄が有効ライン上に停止して入賞した場合には、RT5作動状態に移行する(
図16のステップS708参照)。また、再遊技役2が入賞せずに、RT2作動状態の遊技を30遊技消化した場合には、非BB・非RT一般遊技に戻る(
図6のステップS56、
図13のステップS322参照)。
【0071】
RT5作動状態(当選確率約1/12.4:
図19〜21参照)では、RT5作動状態で40遊技を消化すると、非BB・非RT一般遊技に戻るが(
図6のステップS56、
図16のステップS710参照)、それ以外の解除要件は設定されていない。
以上のように、本実施形態では、利益状態の異なる様々な遊技状態に移行するので、役抽選に結果や遊技者のリール停止操作によって遊技の進行に変化がつき、遊技者の遊技に対する関心を高め、維持することが期待できる。
【0072】
フローチャートの説明に戻ると、ステップS46においてパラメータNRTの値が0より大きい(YES)と判別すると、次に、NRTの値が6であるか否か判断する(ステップS48)。この判断で、もし、NRTの値が6でない(NO)と判断したときには、ROM108に記憶されたNRTの値1〜5の対応したRT1〜RT5作動時分割抽選置数テーブル及びそのときの抽選回数を読み出す(ステップS50)。
【0073】
<分割抽選置数テーブルの説明>
ここで、RT作動または非RT一般遊技の分割抽選置数テーブルの実施例を
図20及び
図21に示す。分割抽選置数テーブルでは、1つの役に複数の置数を設定することができる。
図20、
図21の各々には、2種類の置数テーブルの実施例(a)及び(b)が示されている。(a)では、発生させる乱数値に対応した置数を設定し、(b)では、置数が共通に用いられる基本定数(ベース置数)と役の当選確率に対応して定められる係数とを乗じた値で表され、置数テーブルのデータとして係数のみが記憶されている。
上記のように、乱数の値に対応した置数とは、発生させる乱数が0〜65535の計65536個の乱数を発生させる場合であれば、各役に設定された置数を乱数の総数である65536で除した値が、各役の当選確率となるような置数である。
【0074】
役抽選においては、後述するよう乱数抽出手段420が、乱数発生器112で発生させた乱数から1の乱数を取り出し、乱数判定手段430が、取り出された乱数がどの置数の領域に対応するか判別して、役の当選判定を行なう(ステップ64の抽選判定サブルーチン参照)。なお、抽選判定の説明は、
図8〜10のフローチャートを用いて追って詳細に行なう。
【0075】
<<
図20に示す実施例の説明>>
図20に示すRT作動または非RT一般遊技の分割抽選置数テーブルにおいては、データ番号1〜3の一般役1〜3、データ番号4の再遊技役1、データ番号5〜6の再遊技役2、及びデータ番号7〜8のBB1〜BB2役が設定されており、抽選回数は8回となる。
図19には、比較例として、従来のRT作動または非RT一般遊技の置数テーブルの一例を示す。ここでは、データ番号1〜3の一般役1〜3、データ番号4の再遊技役1、データ番号5の再遊技役2、及びデータ番号6〜7のBB1〜BB2役が設定されており、抽選回数は7回となる。つまり、各役は1つの置数しか設定されないので、再遊技役2もデータ番号5の置数のみが設定されている。
【0076】
従来の置数テーブルでは、
図19に示すように、非RT一般遊技及びRT1〜RT6作動時の遊技で当選確率が変化する再遊技役2のデータ番号5の置数について、非RT一般遊技及びRT1〜RT6作動時の遊技の各遊技ごとに、乱数の値に対応した置数が設定されている。つまり、
図19に示すテーブルでは、非RT一般遊技及びRT1〜RT6作動時の遊技ごとに7個の置数を記憶する必要がある。
図19の従来の置数テーブルにおける再遊技役2の当選確率を、非RT一般遊技、RT1〜RT6作動時の遊技の順で計算すると、データ番号5の置数データを用いて、5000/65536、5100/65536、5200/65536、5000/65536、6500/65536、5300/65536、6000/65536となる。
【0077】
一方、
図20に示す分割抽選置数テーブルでは、非RT一般遊技及びRT1〜RT6作動時の遊技で当選確率が変化する再遊技役2において、データ番号5〜6の2つの置数が設定されている。再遊技役2について、非RT一般遊技及びRT1〜RT6作動時の遊技の各遊技状態のうち、最も低い非RT時一般遊技の当選確率(基準当選確率)に対応した共通置数がデータ番号5として記憶されている。
また、RT1〜RT6遊技の各遊技状態において、当選確率が基準当選確率よりも高い遊技状態における当選確率と基準当選確率との差分に対応した置数(遊技状態別差分置数)が、データ番号6として設定されている。このとき、当選確率が基準当選確率と同じ値の遊技状態の場合には、遊技状態別差分置数を記憶する必要がなく、遊技状態別差分置数のデータサイズはゼロとなる。
【0078】
図20(a)の実施例では、データ番号5に、基準当選確率に対応した共通置数として、非RT時一般遊技の当選確率に対応した置数5000が設定されている。また、データ番号6に、遊技状態別差分置数として、再遊技役2の当選確率が非RT一般遊技より高いRT1で100、RT2で200、RT4で1500、RT5で300、RT6で1000の置数が設定されている。なお、RT3では、再遊技役2の当選確率が非RT一般遊技と同じなので、遊技状態別差分置数が設定されていない。
図20(a)の分割抽選置数テーブルにおける再遊技役2の当選確率を、非RT一般遊技、RT1〜RT6遊技の順で計算すると、置数データ番号5及び6の置数データを用いて、5000/65536、(5000+100)/65536、(5000+200)/65536、5000/65536、(5000+1500)/65536、(5000+300)/65536、(5000+1000)/65536となる。
【0079】
再遊技役2における記憶すべき置数のデータサイズを算出すると、
図19に示す置数テーブルでは、データ番号5の乱数に対応した置数が各遊技状態ごとに記憶されているので、2バイト(十進法で256以上65535以下)×7=14バイトとなる。一方、
図20(a)に示す分割抽選置数テーブルでは、データ番号5及び6の置数において、2バイト×4+1バイト(十進法で255以下)×2=10バイトととなり、記憶する置数のデータサイズが従来に比べて小さくなる。
この理由は、設定すべき置数の数が減る(
図19の7個に対して
図20の6個)と共に、差分の置数の容量が2バイトから1バイトに減少することによる。
【0080】
図20(b)の実施例では、各遊技状態における当選確率は
図20(a)と同様であるが、ベース置数100に乗じる係数として、RT1で1、RT2で2、RT4で15、RT5で3、RT6で10が記憶され、RT3では、基準当選確率との差分に対応する係数が記憶されていない。
再遊技役2の当選確率を、非RT一般遊技、RT1〜RT6の順で計算すると、ベース置数、置数データ番号5及び6の置数データを用いて、50×100/65536、(50+1)×100/65536、(50+2)×100/65536、50×100/65536、(50+15)×100/65536、(50+3)×100/65536、(50+10)×100/65536となる。
再遊技役2の置数データの必要記憶容量を算出すると、データ番号5、6の置数データにおいて、1バイト×6=6バイトととなり、必要記憶容量が大幅に減少する。
【0081】
以上のように、本実施形態では、1つの役に、複数の置数を設定することができるので、置数を分割することにより、記憶すべきデータのサイズを小さくすることができる。更に、1つの役に設定された複数の置数の領域を用いて、多様な抽選処理を実現できる。これにより、記憶すべき抽選データのデータ容量を増やすことなく、多様な抽選処理を実現することができる。
【0082】
また、役抽選における再遊技役の当選確率が異なる複数の遊技状態が設定された場合であっても、各遊技状態で共通の共通置数と、遊技状態別差分置数とだけを記憶すればよいので、重複する共通置数の分だけ記憶容量を削減でき、上記と同様に、置数を分割することにより、個々のデータのサイズを小さくすることもできる。従って、役抽選における所定の役の当選確率が異なる複数の遊技状態が設定された場合であっても、遊技状態の数に比べて抽選データの情報量の増加を防いで、記憶手段の必要容量の増大を抑制することができる。
【0083】
更に、置数が、共通に用いられる基本定数と役の当選確率に対応して定められる係数とを乗じた値で表され、置数テーブルのデータとして係数のみを記憶することにより、記憶するデータのサイズを更に小さくすることができ、抽選データの情報量を更に削減して、記憶手段の必要容量の増大を効果的に抑制することができる。
【0084】
<<
図21に示す実施例の説明>>
図21に示すRT作動または非RT一般遊技の置数テーブルの実施例においては、データ番号1〜3の一般役1〜3、データ番号4の再遊技役1、データ番号5〜7の再遊技役2、及びデータ番号8〜9のBB1〜2役が設定されており、抽選回数は9回となる。特に、非RT一般遊技及びRT1〜RT6遊技で当選確率が変化する再遊技役2においては、上記の
図20では2つの置数が設定されているが、
図21の実施例においては3つの置数が設定されている。
【0085】
また、
図20(a)、(b)と同様に、
図21(a)の分割抽選置数テーブルでは、発生させる乱数値に対応した置数が設定され、
図21(b)の分割抽選置数テーブルでは、置数が共通に用いられる基本定数(ベース置数)と役の当選確率に対応して定められる係数とを乗じた値で表され、置数テーブルのデータとして係数のみが設定されている。
【0086】
図20と
図21の差異点にいついて更に詳細に述べれば、データ番号7において、
図20の分割抽選置数テーブルのデータ番号6の置数と同様に、RT1〜RT6遊技の各遊技状態において、基準当選確率(非RT一般遊技の当選確率)よりも高い遊技状態における当選確率と基準当選確率との差分に対応した遊技状態別差分置数が設定されている。
【0087】
一方、再遊技役2の当選確率が最も低い非RT時の当選確率に対応した共通置数について、
図20(a)、(b)の分割抽選置数テーブルでは、データ番号5に置数5000(または50)が設定されているが、
図21(a)、(b)に示す分割抽選置数テーブルでは、データ番号5として置数4000(または40)及びデータ番号6として置数1000(または10)に分けて設定されている。つまり、
図21の実施例では、再遊技役2に対応した共通置数を分割して、分割された置数の領域を用いて、フリーズ演出等の特別な演出を行なうか否かを定める抽選処理行なうようになっている。
【0088】
更に詳細に述べれば、
図21に示す実施例では、役抽選で取り出した乱数値が、データ番号6の置数の領域に対応すると判別したときには、RT4作動状態で遊技中であれば、RT4作動状態を解除し(
図7のステップS82〜S86参照)、更に、フリーズ演出を行なって(
図7のステップS88、
図11のステップS132〜S140参照)、RT4解除を遊技者に報知するようになっている。一方、役抽選で取り出した乱数値が、データ番号5の置数の領域内にあると判別したときには、そのような特別な制御処理は行なわず、再遊技役当選に関する制御処理(再遊技役フラグの設定等)のみを行なう。
【0089】
ここで、
図19に示すような従来の置数テーブルを用いて役抽選を行なう場合には、役の当選を定める以外の抽選はできないので、別途、フリーズ演出等を行なうための抽選処理を実施する必要がある。一方、本実施形態によれば、
図21に示す分割抽選置数テーブル(データ番号6の領域)を用いることにより、役抽選以外の抽選処理を別途行なう必要がないので、制御処理を複雑化することなく、フリーズ演出等の特別な演出を実現できる。更に、フリーズ演出等を行なうか否か定めるための抽選手段や抽選テーブルを必要としないので、記憶手段の必要容量の増大を抑制しながら、フリーズ演出等の特別な演出を実現できる。
【0090】
再遊技役2における置数の必要記憶容量を算出すると、
図21(a)に示す分割抽選置数テーブルでは、データ番号5、6の置数において、2バイト×5+1バイト(十進法で256以下)×2=12バイトととなり、
図21(b)に示す分割抽選置数テーブルでは、データ番号5、6の置数において、1バイト×7=7バイトとなる。
【0091】
その他の点については、
図21の分割抽選置数テーブルと
図20の分割抽選置数テーブルとの間で差異点はなく、更なる説明は省略する。
なお、以下のフローチャートにおいては、フリーズ演出を実施するか否かの抽選を含む
図21の分割抽選置数テーブルを読み出して抽選処理を行なう場合に基づいて、説明を行なう。
【0092】
<フローチャートの説明>
フローチャートの説明に戻り、ステップS50でNRTの値に対応したRT1〜RT5作動時の分割抽選置数テーブルを読み出した後、次に、RTKAISUの値に1を加える処理を行なう(ステップS52)。ここでRTKAISUは、RT1〜RT5作動状態での遊技回数を数えるためのカウンタである。RT1〜RT5作動状態を設定するときに、RTKAISUの値に1をインプットして(
図13のステップS318、S322、
図16のステップS710、
図17のステップS806、S810参照)、RT1〜RT5作動状態で遊技を行なうたびに、RTKAISUの値に1を加えていく処理を行なう。
【0093】
次に、RTKAISUの値がRTMAXより大きいか否かを判断する(ステップS54)。この判断で、もし、RTKAISUの値がRTMAX1〜5より大きい(YES)と判別したときには、NRTの値に0をインプットしてRT作動状態を解除し(ステップS56)、RTKAISUの値に0をインプットして(ステップS58)、ステップS64へ進む。なお、本実施形態では、RTMAXの値としてRT1で60、RT2で30、RT3で100、RT4で40、RT5で40が設定されている(
図13のステップS318、S322、
図16のステップS710、
図17のステップS806、S810参照)。
【0094】
ステップS48の判断で、もし、NRTの値が6である(YES)と判別したときには、RT6作動時の分割抽選置数テーブル、及びそのときの抽選回数を読み出して(ステップS60)、ステップS64へ進む。
RT6作動状態の遊技は、BBフラグが設定された内部中に行なわれ、BB役が入賞してBB遊技が開始されるときに終了する。よって、RT1〜RT5のような実施可能な最大遊技数は設定されていない。RT6作動時の分割抽選置数テーブルについては、
図20、
図21を用いて既に説明したので、ここでは省略する。
【0095】
ステップS46の判断処理に戻り、もし、NRTの値が0以下である(NO)と判別したときには、次に、ROM108に記憶された非BB・非RT一般遊技時分割抽選置数テーブル及びそのときの抽選回数を読み出して(ステップS62)、ステップS64へ進む。この非BB・非RT一般遊技時分割抽選置数テーブルについては、
図20、
図21の分割抽選置数テーブルの非RT一般遊技の場合として既に説明を行なっているので、更なる説明は省略する。
【0096】
以上のように、各遊技状態に応じた分割抽選置数テーブルを読み出した後、ステップS64に示す抽選判定サブルーチンを行なう(ステップS64)。この抽選判定サブルーチンでは、乱数発生器112により乱数を発生させ、乱数抽出手段420により1の乱数と取り出し、乱数判定手段430により、上記で読み出した分割抽選テーブルと取り出した乱数とを照らし合わせて、役の当選判定を行なう。本実施形態の抽選判定サブルーチンとして、
図8に示すような、取り出した乱数に置数データを加算して判定するケース1と、
図9に示すような、取り出した乱数から置数データを減算して判定するケース2と、
図10に示すような、乱数がどの置数データの領域に存在するか判別して判定するケー3がある。
【0097】
<抽選判定サブルーチンのケース1の説明>
始めに、取り出した乱数に置数データを加算して判定するケース1について、
図8に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
まず、乱数発生器112により0〜65535の65536個の乱数を発生させ、乱数抽出手段420によりその中から1の乱数を取り出す(ステップS100)。次に、取得した乱数の値を基準値の初期値としてインプットし(ステップS102)、カウンタnの値に初期値として1をインプットする(ステップS104)。
【0098】
次に、
図6のフローチャートで
図21(a)の分割抽選置数テーブルを読み出した場合には、基準値に、分割抽選置数テーブルのデータ番号がnの置数を加え(ステップS106)、計算結果を新たな基準値としてRAM110に記憶する(ステップS108)。また、
図21(b)の分割抽選置数テーブルを読み出した場合には、基準値に、分割抽選置数テーブルのデータ番号がnの係数にベース置数100を乗じた値を加え(ステップS106’)、計算結果を新たな基準値としてRAM110に記憶する(ステップS108)。
【0099】
そして、ステップS108で算出した基準値が、規定値より大きいか否か判断する(ステップS110)。なお、本実施形態では、0〜65535の乱数を発生する場合に対して、規定値は65535となる。
ステップS110の判断で、もし、基準値が規定値より大きい(YES)と判別したときには、データ番号がnの置数データに対応する役に当選したと判断して(ステップS112)、本サブルーチンを終了する。
【0100】
ステップS110の判断で、もし、基準値が規定値以下である(NO)と判別したときには、nの値に1を加える制御処理を行ない(ステップS114)、次にカウンタnの値が読み出した抽選回数(例えば、
図20の分割抽選置数テーブルでは8回)より大きいか否か、つまり既に抽選回数を終了したか否か判断する(ステップS116)。
この判断で、カウンタnの値が抽選回数以下である(NO)、つまり抽選回数終了に至っていないと判別したときには、ステップS106へ戻り、ステップS106〜S116の制御処理を繰り返す。つまり、取り出した乱数にデータ番号がn(n=1、2、3・・)の置数(または係数×ベース置数)を順に加算していき、その加算値(基準値)が規定値より大きくなったときに、最後に加えたデータ番号に対応する役に当選したと判断する。
【0101】
ステップS116の判断で、もし、カウンタnの値が抽選回数より大きい(YES)、つまり抽選回数終了に至った判別したときには、抽選結果ははずれであると判定して(ステップS118)、本サブルーチンを終了する。つまり、取り出した乱数に読み出した分割抽選置数テーブルに設定された役に対応する全ての置数データを加えても、その値(基準値)が規定値より大きくならない場合には、はずれと判定することになる。
なお、上記の分割抽選置数テーブルでは、はずれが設定されていないが、はずれを入賞時の払い出し枚数0の0枚役として、他の役と同様データ番号及び置数を有する役の1つとして設定することもできる。また、上記の分割抽選置数テーブルでは、1つの役が複数の置数を有する場合に、連続したデータ番号を有しているが、1つの役が離間したデータ番号を有することも可能である。
【0102】
<抽選判定サブルーチンのケース2の説明>
次に、取り出した乱数から置数データを減算して判定するケース2について、
図9に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
図9に示すケース2では、
図8に示すケース1に比べて、ステップS106の新たな基準値の演算及びステップS110の判断処理の内容が異なるが、その他の制御処理については同一である。
【0103】
図9において、まず、乱数発生器112により0〜65535の65536個の乱数を発生させ、乱数抽出手段420によりその中から1の乱数を取り出す(ステップS100)。次に、取得した乱数の値を基準値の初期値としてインプットし(ステップS102)、カウンタnの値に初期値として1をインプットする(ステップS104)。
次に、
図6のフローチャートで
図21(a)の分割抽選置数テーブルを読み出した場合には、基準値から、分割抽選置数テーブルのデータ番号がnの置数を減じて(ステップS106)、計算結果を新たな基準値としてRAM110に記憶する(ステップS108)。また、
図21(b)の分割抽選置数テーブルを読み出した場合には、基準値から、分割抽選置数テーブルのデータ番号がnの係数にベース置数100を乗じた値を減じて(ステップS106’)、計算結果を新たな基準値としてRAM110に記憶する(ステップS108)。
【0104】
そして、ステップS108で算出した基準値が、規定値より小さいか否か判断する(ステップS110)。なお、本実施形態では、0〜65535の乱数を発生する場合に対して、規定値は0となる。
ステップS110の判断で、もし、基準値が規定値より小さい(YES)と判別したときには、データ番号がnの置数に対応する役に当選したと判断して(ステップS112)、本サブルーチンを終了する。
【0105】
ステップS110の判断で、もし、基準値が規定値以上である(NO)と判別したときには、nの値に1を加える制御処理を行ない(ステップS114)、次にカウンタnの値が読み出した抽選回数(例えば、
図20の分割抽選置数テーブルでは8回)より大きいか否か、つまり既に抽選回数を終了したか否か判断する(ステップS116)。
この判断で、カウンタnの値が抽選回数以下である(NO)、抽選回数終了に至っていないと判別したときには、ステップS106へ戻り、ステップS106〜S116の制御処理を繰り返す。つまり、取り出した乱数からデータ番号がn(n=1、2、3・・)の置数(または係数×ベース置数)を順に減算していき、その減算値(基準値)が規定値より小さくなったときに、最後に減じたデータ番号に対応する役に当選したと判断する。
【0106】
ステップS116の判断で、もし、カウンタnの値が抽選回数より大きい(YES)、つまり抽選回数終了に至った判別したときには、抽選結果ははずれであると判定して(ステップS118)、本サブルーチンを終了する。つまり、取り出した乱数から読み出した分割抽選置数テーブルに設定された役に対応する全ての置数を減じても、その値(基準値)が規定値より小さくならない場合には、はずれと判定することになる。
なお、上記の分割抽選置数テーブルでは、はずれが設定されていないが、はずれを入賞の払い出し枚数0の0枚役として、他の役と同様に置数データ番号及び置数を有する役の1つとして設定することもできる。また、上記の分割抽選置数テーブルでは、1つの役が複数の置数を有する場合に、連続した置数データ番号を有しているが、1つの役が離間した置数データ番号を有することも可能である。
<抽選判定サブルーチンのケース3の説明>
次に、乱数がどの置数データの領域に存在するか判別することにより判定するケー3について、
図10に示すフローチャートを用いて詳細に説明する
【0107】
図10において、まず、乱数発生器112により0〜65535の65536個の乱数を発生させ、乱数抽出手段420によりその中から1の乱数を取り出す(ステップS100)。次に、カウンタnの値に初期値として1をインプットする(ステップS102)。そして、最小置数値K1の初期値として0をインプットする(ステップS104)。
【0108】
次に、
図6のフローチャートで
図21(a)の分割抽選置数テーブルを読み出した場合には、K1に、
図6のフローチャートで読み出した分割抽選置数テーブルのデータ番号がnの置数を加えて、計算結果を最大置数値K2としてRAM110に記憶する(ステップS106)。また、
図21(b)の分割抽選置数テーブルを読み出した場合には、K1に、
図6のフローチャートで読み出した分割抽選置数テーブルのデータ番号がnの係数にベース置数100を乗じた値を加えて、計算結果を最大置数値K2としてRAM110に記憶する(ステップS106’)。
【0109】
次に、取り出した乱数が、最小置数値K1以上であって、最大置数値K2より小さい範囲にあるか否か判断する(ステップS108)。この判断で、もし、取り出した乱数が、最小置数値K1以上であって、最大置数値K2より小さい範囲にある(YES)と判別したときには、データ番号がnの置数データに対応する役に当選したと判断して(ステップS110)、本サブルーチンを終了する。
【0110】
ステップS110の判断で、もし、取り出した乱数が、最小置数値K1以上であって、最大置数値K2より小さい範囲にない(NO)と判別したときには、nの値に1を加える制御処理を行ない(ステップS112)、新たな最小置数値K1の値として、最大置数値K2の値をインプトしてRAM110に記憶する(ステップS114)。
次にカウンタnの値が読み出した抽選回数(例えば、
図20の分割抽選置数テーブルでは8回)より大きいか否か、つまり既に抽選回数を終了したか否か判断する(ステップS116)。この判断で、カウンタnの値が抽選回数以下である(NO)、つまり抽選回数終了に至っていないと判別したときには、ステップS106へ戻り、ステップS106〜S116の制御処理を繰り返す。つまり、取り出した乱数が、データ番号がn(n=1、2、3・・)のどの領域に存在するか判定していき、領域内に乱数が存在すると判断されたデータ番号に対応する役に当選したと判断する。
【0111】
ステップS116の判断で、もし、カウンタnの値が抽選回数より大きい(YES)、つまり抽選回数終了に至った判別したときには、抽選結果ははずれであると判定して(ステップS118)、本サブルーチンを終了する。つまり、取り出した乱数が、読み出した分割抽選置数テーブルに設定された何れの役の置数の領域にも存在しない場合には、はずれと判定することになる。
なお、上記の分割抽選置数テーブルでは、はずれが設定されていないが、はずれを入賞の払い出し枚数0の0枚役として、他の役と同様に置数データ番号及び置数を有する役の1つとして設定することもできる。また、上記の分割抽選置数テーブルでは、1つの役が複数の置数を有する場合に、連続した置数データ番号を有しているが、1つの役が離間した置数データ番号を有することも可能である。
【0112】
<役抽選処理サブルーチンの説明(続き)>
再び役抽選処理サブルーチンの説明に戻り、
図6に引き続いて
図7に移り、抽選判定サブルーチンの結果、役抽選でBB役に当選したか否かを判断する(ステップS70)。この判断で、もし、BB役に当選した(YES)と判別したときには、BBフラグをオンにしてRAM110に記憶し(ステップS72)、NRTの値に6をインプットして(ステップS73)、ステップS94へ進む。ステップS73の制御処理により、次の遊技からRT6作動時の遊技を行なう。
【0113】
ステップS70の判断で、もし、BB役に当選していない(NO)と判別したときには、次に、再遊技役に当選したか否かを判断する(ステップS74)。この判断で、もし、役抽選によって再遊技役に当選した(YES)と判別したときには、次に、再遊技役1に当選したか否か判断する(ステップS76)。この判断で、もし、再遊技役1に当選した(YES)と判別したときには、再遊技1フラグをオンにして(ステップS78)、ステップS94へ進む。
【0114】
ステップS76の判断で、もし、再遊技役1に当選していない(NO)と判別したときには、再遊技役2に当選したと判断して、再遊技2フラグをオンにする(ステップS80)。次に、NRTの値が4であるか否か判断する(ステップS82)。この判断で、もし、NRTの値が4ではない(NO)と判別したときには、そのままステップS94へ進む。
【0115】
ステップS82の判断で、もし、NRTの値が4である(YES)と判別したときには、次に、
図21示す分割抽選置数テーブルにおけるデータ番号6の置数の領域で当選したか否か判断する(ステップS84)。この判断で、もし、データ番号6の置数の領域で当選していない(NO)と判別したときには、そのままステップS94へ進む。
ステップS84の判断で、もし、データ番号6の置数の領域で当選している(YES)と判別したときには、NRTの値に0をインプットして初期化する(ステップS86)。この制御処理により、RT4作動状態は解除される。次にパラメータFRZの値に1をインプットして(ステップS88)、ステップS94へ進む。
【0116】
ここで、FRZは、フリーズ演出を行なうか否かを定めるパラメータであり、FRZの値が0より大きいと判別されたとき、所定のフリーズ演出を行なうようになっている(
図11のステップS132〜S140参照)。
以上のように、RT4作動状態において、
図21示す分割抽選置数テーブルにおけるデータ番号6の置数の領域で当選した場合には、RT4作動状態を解除し、更にフリーズ演出を行なって、遊技者にRT4作動状態の解除を報知するようになっている。
【0117】
図19に示すような従来の置数テーブルを用いた役抽選では、役抽選とは別に、フリーズ演出を実施するか否かを定める抽選処理を行なう必要があるが、
図21に示すような分割抽選置数テーブルを用いることによって、役抽選において取り出した乱数を用いて、フリーズ演出を実施するか否かを定める抽選処理も同時に行なうことができる。従って、制御処理の複雑化や記憶手段の容量増大を抑制しながら、フリーズ演出のような特別な演出を実現することができる。
【0118】
ステップS74の判断で、もし、再遊技に当選していない(NO)と判別したときには、次に、役抽選で一般役に当選したか否かを判断する(ステップS90)。この判断で、もし、一般役に当選した(YES)と判別したときには、一般役フラグをオンにしてRAM110に記憶して(ステップS92)、ステップS94へ進む。
ステップS90の判断で、もし、一般役に当選していない(NO)と判別したときには、フラグオンの処理は行なわずに、そのままステップS94へ進む。
【0119】
以上のようにフラグオンに関する一連の処理を行なった後、ステップS94において、役抽選で当選した役に対応した図柄番号、制御図柄データをROM108から読み出して、後述するリール変動、停止サブルーチンに用いるため、このデータをRAM110に記憶し(ステップS94)、本サブルーチンを終了する。
【0120】
<リール変動、停止サブルーチンの説明>
次に、
図5のメインルーチンにおいて、上述の役抽選処理サブルーチン(ステップS24)が終了すると、次に、リール変動、停止サブルーチン(ステップS26)を行なう。
図11に示すフローチャートを用いて、リール変動、停止サブルーチンの詳細な説明を行なう。
まず、
図7のステップS94で記憶した図柄番号と制御図柄データを読み出す(ステップS130)。次に、パラメータFRZの値が0より大きいか否か判断する(ステップS132)。この判断で、もし、FRZの値が0より大きい(YES)と判別したときには、フリーズを開始して(ステップS134)、フリーズ時間が経過したか否か判断する(ステップS136)。この判断で、もし、フリーズ時間を経過していない(NO)と判別したときには、ステップS136の判断処理を繰り返す。つまり、フリーズ時間が経過するまで、待機状態になっている。なお、本実施形態では、フリーズ時間として、10秒を設定しているが、これに限られず、任意のフリーズ時間を設定することができる。
【0121】
ステップS136の判断で、もし、フリーズ時間が経過した(YES)と判別したときには、フリーズを終了して(ステップS138)、FRZの値に0をインプットして初期化する(ステップS140)。
ステップS132の判断で、もし、FRZの値が0以下である(NO)と判別したときには、そのままステップS142へ進む。
【0122】
ステップS142においては、予め定められた最短時間を経過したか否かの判断を行なう(ステップS142)。この判断で、もし、最短時間が経過していない(NO)と判別したときには、このステップS142の判断処理を繰り返し実行する。つまり、最短時間が経過するまで次の工程であるリールの回転開始を行なえないようなっている。この制御によって、一定時間に行なわれる遊技の回数を、所定の回数以内に抑える制御を行なっている。
なお、比較的長いフリーズ時間を設定した場合には、フリーズ時間経過後においては、最短時間は既に経過している可能性が高い。
【0123】
ステップS142の判断で、もし、最短時間が経過した(YES)と判別したときには、既にスタートスイッチONの信号を受信しているので(
図6のステップS40参照)、リール回転開始信号をモータ駆動回路114に送信して、モータ80L、80C、80Rの回転を開始させ、リール40L、40C、40Rを回転させる(ステップS144)。
次に、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する(ステップS146)。この判断で、もし、リールの回転がまだ定速回転になっていない(NO)と判別したときには、このステップS146の判断処理を繰り返す。つまり、リールの回転が定速回転に達するまでは、次の工程であるリールの停止制御が行なえないようになっている。
【0124】
ステップS146の判断で、もし、リールの回転が定速回転になっている(YES)と判断したときには、次に、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS148)。ここで、リール停止信号は、停止スイッチ52L、52C、52Rのうち、遊技者が何れか1つの停止スイッチを押動操作したときに、操作手段300によって発信される信号である。
ステップS148の判断で、もし、リール停止信号を受信した(YES)と判別したときには、リール制御手段440は、リール停止信号を発信した停止スイッチに対応するリールの図柄組み合わせ制御(停止制御)を行なう(ステップS150)。
【0125】
ここで、ステップS138、S140の制御処理を更に詳細に説明すれば、左リール用の停止スイッチ52Lが押動操作された場合には、リール制御手段440は、左リール40Lを回転させるモータ80LについてステップS140の停止制御を行なう。同様に、中リール用の停止スイッチ52Cが押動操作された場合には、中リール40Cを回転させるモータ80CについてステップS140の停止制御を行ない、右リール用の停止スイッチ52Rが押動操作された場合には、右リール40Rを回転させるモータ80RについてステップS140の停止制御を行なう。
【0126】
ステップS150の図柄組み合わせ制御(停止制御)は、ステップS130で読み出した図柄番号、制御図柄データに基づいて、リール停止信号を受信したときのコマを1コマ目として、最大5コマ目までリールを滑らして、その範囲内で、所定の図柄を有効ライン上に停止させる図柄組み合わせ制御(引き込み制御)、または停止させない図柄組み合わせ制御(蹴飛ばし制御)を行なうものである。
【0127】
ステップS148の判断において、もし、リール停止信号を受信していない(NO)と判別したときには、停止に関する制御を行なわずに、次にステップS152へ進む。ステップS152では、全てのリールは停止したか否かを判断する(ステップS152)。
この判断で、もし、全てのリールが停止してはいない(NO)と判別したときには、再びステップS148に戻り、ステップS148からステップS152の制御処理を繰り返す。以上により、全リールが停止するまで、リール停止信号を受信するごとに、対応するリールの図柄組み合わせ制御(停止制御)を行なう工程を繰り返す。
ステップS152の判断で、もし、全てのリールが停止している(YES)と判別したときには、本サブルーチンを終了する。
【0128】
以上のように、本実施形態では、FRZが0より大きい場合には、スタートスイッチを操作しても、フリーズ時間が経過するまでリールが回転を開始しないフリーズ演出を行なう。この演出によって、遊技者にRT4作動状態の解除を報知することができる。このフリーズ演出による報知内容は、RT作動状態の解除だけではなく、RT作動状態の開始の報知、所定の役の当選の報知、所定の図柄を停止させるまたは停止させないための報知、特別なリール停止順を要することの報知、内部中であることの報知を始めとする任意の内容を報知することができる。
【0129】
以上のように、本実施形態では,役抽選以外の抽選処理を行なうことなく、スタートスイッチ操作時にリールを回転させる制御を一時停止状態にするフリーズ演出を実施できるので、このような演出により、制御処理の複雑化や記憶手段の容量増大を抑制しながら、遊技者の遊技に対する関心を高めることが期待できる。
【0130】
<リール制御に関するその他の演出>
上記のフローチャートにおいては、スタートスイッチ操作に関するフリーズ演出を行なっているが、その他、リール停止操作に関するフリーズ制御を行なうこともできる。例えば、左、中、右リールの順にリール停止操作を行なう場合に、左、中リールは通常通りリール停止操作直後に停止するが、右リールでは、リール停止信号を受信した後、所定のフリーズ時間が経過するまで、リールの停止制御(図柄組み合わせ制御)を行なわないように制御することが考えられる。これにより、スタートスイッチと同様なフリーズ演出による報知を行なうことができる。
【0131】
本実施態様では、役抽選以外の抽選処理を行なうことなく、リール停止スイッチ操作時にリール停止制御を一時停止状態にするフリーズ演出を実施できるので、このような演出により、制御処理の複雑化や記憶手段の容量増大を抑制しながら、遊技者の遊技に対する関心を高めることが期待できる。
【0132】
<フラグオフ、RT設定処理サブルーチンの説明>
図5のメインルーチンにおいて、上述のリール変動、停止サブルーチン(ステップS26)が終了すると、次に、フラグオフ、RT設定処理サブルーチン(ステップ28)を行なう。
図12に示すフローチャートを用いて、フラグオフ、RT設定処理サブルーチンの詳細な説明を行なう。
【0133】
まず、遊技の状態がBB遊技中であるか否かを判断する(ステップS160)。この判断で、もし、BB遊技中である(YES)と判別したときには、BB遊技中処理サブルーチン(ステップS162)を行なって、本サブルーチンを終了する。BB遊技中処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。
ステップS160の判断で、もし、遊技の状態がBB遊技中ではない(NO)と判別したときには、次に、当選役があるか否かを判断する(ステップS164)。この判断で、もし、当選役がある(YES)と判別したときには、役当選時処理サブルーチン(ステップS166)を行なって、賞判定、フラグオフ処理サブルーチンを終了する。役当選時処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。ステップS164の判断で、もし、当選役がない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
以下に、ステップS162、S166に示されるサブルーチンの詳細な説明を行なう。
【0134】
<BB遊技中処理サブルーチンの説明>
次に、フラグオフ、RT設定処理サブルーチン(
図12参照)において、ステップS160でBB遊技中であると判別したときに実施するBB遊技中処理サブルーチン(ステップS162参照)の詳細な説明を、
図13に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、上述のリール変動、停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行ない(ステップS300)、入賞図柄判定の結果、何らかの役が入賞しているか否かを判断する(ステップS302)。この判断で、もし、入賞がない(NO)と判別したときには、一般役のフラグがオンになっていればフラグオフにして(ステップS304)、ステップS310へ進む。
【0135】
ステップS302の判断で、もし、入賞がある(YES)と判別したときには、払出枚数をカウントして、払出枚数のデータを更新し、更新したデータをRAM110に記憶する(ステップS306)。そして、一般役フラグをオフにして(ステップS308)、ステップS310へ進む。なお、このデータは、BB遊技の終了条件に用いられ、払出枚数が終了枚数に達したときには、BB遊技を終了する。
次に、BB遊技の終了条件が達成したか否かを判断する(ステップS310)。この判断で、もし、BB遊技の終了条件を達成してない(NO)と判別したときには、そのまま、本サブルーチンを終了する。また、ステップS310の判断で、もし、BB遊技の終了条件を達成している(YES)と判別したときには、NBBの値に0をインプットしてBB遊技状態を解除する(ステップS312)。
【0136】
次に、BB1遊技が終了したか否か判断する(ステップS314)。この判断で、もし、BB1遊技が終了した(YES)と判別したときには、NRTの値に1をインプットしてRT1作動状態を設定し(ステップS316)、RTKAISUの値として1をインプットし、RTMAXの値として60をインプットして(ステップS318)、本サブルーチンを終了する。
この制御処理により、次の遊技からRT1作動状態の遊技が行なわれ、RT3またはRT4作動状態への移行要件(一般役1〜3入賞)を達成することなく60遊技を消化した場合には、RT1作動状態を解除して、非BB・非RT一般遊技に戻る(
図18参照)。
【0137】
ステップS314の判断で、もし、BB1遊技が終了していない(NO)と判別したときには、BB2遊技が終了したと判断して、NRTの値に2をインプットしてRT2作動状態を設定し(ステップS320)、RTKAISUの値として1をインプットし、RTMAXの値として40をインプットして(ステップS322)、本サブルーチンを終了する。
この制御処理により、次の遊技からRT2作動状態の遊技が行なわれ、RT5へ作動状態の移行要件(再遊技役2入賞)を達成することなく30遊技を消化した場合には、RT2作動状態を解除して、非BB・非RT一般遊技に戻る(
図18参照)。
【0138】
<役当選時処理サブルーチンの説明>
次に、フラグオフ、RT設定処理サブルーチン(
図12参照)において、ステップS164で当選役ありと判別したときに実施する役当選時処理サブルーチン(ステップS166参照)の詳細な説明を、
図14に示すフローチャートを用いて説明する。
【0139】
まず、上述のリール変動、停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行なう(ステップS500)。入賞図柄判定の結果、何らかの役が入賞しているか否かを判断する(ステップS502)。この判断で、もし、入賞している(YES)と判別したときには、次に、BB役が入賞したのか否かの判断を行なう(ステップS504)。この判断で、もし、BB役が入賞した(YES)と判別したときには、BB判定処理サブルーチンを行なって(ステップS506)、本サブルーチンを終了する。このBB判定処理サブルーチンの説明は、
図15を用いて後述する。
【0140】
ステップS504の判断で、もし、BB役が入賞していない(NO)と判別したときには、次に、再遊技役が入賞したか否か判断する(ステップS508)。この判断で、もし、再遊技役が入賞した(YES)と判別したときには、次に、再遊技役入賞処理サブルーチンを行なって(ステップS510)、本サブルーチンを終了する。この再遊技役入賞処理サブルーチンの説明は、
図16を用いて後述する。
ステップS508の判断で、もし、再遊技役が入賞していない(NO)と判別したときには、一般役入賞処理サブルーチンを行なって(ステップS512)、本サブルーチンを終了する。この一般役入賞処理サブルーチンの説明は、
図17を用いて後述する。
【0141】
ステップS502の判断に戻って、もし、入賞がない(NO)と判別したときには、次に、BBフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS514)。この判断で、もし、BBフラグがオンになっている(YES)と判別したときには、BBフラグの持ち越し処理を行ない、他のフラグ(再遊技役、一般役)がオンになっていれば、そのフラグをオフにして(ステップS516)、本サブルーチンを終了する。
ステップS514の判断で、もし、BBフラグがオンになっていない(NO)と判別したときには、フラグオンになっているフラグ(再遊技役、一般役)をオフにして(ステップS518)、本サブルーチンを終了する。
【0142】
<BB判定処理サブルーチンの説明>
次に、
図14の役抽選時処理サブルーチンのステップS506の制御処理であるBB判定処理サブルーチンの詳細な説明を、
図15のフローチャートを用いて行なう。
図15において、まず、BB1役が入賞したか否か判断する(ステップS600)。この判断で、もし、BB1役が入賞した(YES)と判別したときには、NBBの値に1をインオプットし(ステップS602)、BB1フラグをオフにして(ステップS604)、ステップS610へ進む。この制御処理により、次遊技からBB1遊技が行なわれる(
図6のステップS42、44参照)。
【0143】
ステップS600の判断で、もし、BB1役が入賞していない(NO)と判別したときには、BB2役が入賞したと判断して、NBBの値に2をインオプットし(ステップS602)、BB2フラグをオフにして(ステップS608)、ステップS610へ進む。この制御処理により、次遊技からBB2遊技が行なわれる(
図6のステップS42、44参照)。
そして、ステップS610では、NRTの値に0をインプットして(ステップS610)、本サブルーチンを終了する。つまり、内部中の行なわれるRT6作動状態の遊技は、BB役が入賞したときに解除されるようになっている。
【0144】
<再遊技役入賞処理サブルーチンの説明>
次に、
図14の役抽選時処理サブルーチンのステップS510の制御処理である再遊技役入賞処理サブルーチンの詳細な説明を、
図16のフローチャートを用いて行なう。
図16において、まず、再遊技役1が入賞したか否か判断する(ステップS700)。この判断で、もし、再遊技役1が入賞した(YES)と判別したときには、NRPの値に1をインオプットして(ステップS702)、ステップS712へ進む。この制御処理により、次遊技では再遊技が行なわれる(
図5のステップS10、22参照)。
【0145】
ステップS700の判断で、もし、再遊技役1が入賞していない(NO)と判別したときには、再遊技役2が入賞したと判断して、NRPの値に2をインプットしてする。この制御処理により、次遊技では再遊技が行なわれる(
図5のステップS10、22参照)。
次に、RT2作動状態で遊技中であるか否か判断する(ステップS706)。この判断で、もし、RT2作動状態で遊技をしていない(NO)と判別したときには、そのままステップS712へ進む。
【0146】
ステップS706の判断で、もし、RT2作動状態で遊技をしている(YES)と判別したときには、NRTの値に5をインプットしてRT5作動状態を設定し(ステップS708)、RTKAISUの値として1をインプットし、RTMAXの値として40をインプットして(ステップS710)、ステップS712へ進む。
RT2作動状態において、再遊役2が入賞した場合には、次の遊技からRT5作動状態の遊技が行なわれ、RT5作動状態で40遊技を消化した場合には、RT5作動状態を解除して、非BB・非RT一般遊技に戻る(
図18参照)。
【0147】
ステップS712においては、再遊技1または2フラグをオフにして、BBフラグがオンであれば持ち越し処理を行なって(ステップS712)、本サブルーチンを終了する。
【0148】
<一般役入賞処理サブルーチンの説明>
次に、
図14の役抽選時処理サブルーチンのステップS512の制御処理である一般役入賞処理サブルーチンの詳細な説明を、
図17のフローチャートを用いて行なう。
図17において、まず、RT1作動状態であるか否か判断する(ステップS800)。この判断で、もし、RT1作動状態でない(NO)と判別したときには、そのままステップS812へ進む。ステップS800の判断で、もし、RT1作動状態である(YES)と判別したときには、次に、一般役3が入賞したか否か判断する(ステップS802)。
【0149】
この判断で、もし、一般役3が入賞していない(NO)と判別したときには、一般役1または2が入賞したと判断して、NRTの値に3をインプットしてRT3作動状態を設定し(ステップS804)、RTKAISUの値として1をインプットし、RTMAXの値として100をインプットして(ステップS806)、ステップS812へ進む。
【0150】
ステップS802の判断で、もし、一般役3が入賞した(YES)と判別したときには、NRTの値に4をインプットしてRT4作動状態を設定し(ステップS808)、RTKAISUの値として1をインプットし、RTMAXの値として40をインプットして(ステップS810)、ステップS812へ進む。
以上のように、RT1作動状態において、一般役1または2が入賞した場合には、次の遊技からRT3作動状態の遊技が行なわれ、RT3作動状態で100遊技を消化するまで、RT3作動状態が継続される。100遊技消化後には、非BB・非RT一般遊技に戻る(
図18参照)。
【0151】
また、RT1作動状態において、一般役3が入賞した場合には、次の遊技からRT4作動状態の遊技が行なわれ、
図21の分割抽選置数テーブルのデータ番号6の置数データで当選することなく、RT4作動状態で40遊技を消化した場合には、RT4作動状態を解除して、非BB・非RT一般遊技に戻る(
図18参照)。
ステップS812においては、一般役フラグをオフにして、BBフラグがオンであれば持ち越し処理を行なって(ステップS812)、本サブルーチンを終了する。
【0152】
<メインルーチンの説明(続き)>
以上のように、ステップS162、S166に示されるサブルーチンが終了して、
図12に示すフラグオフ、RT設定処理サブルーチンが終了する。ここで、
図5のメインルーチンに戻り、ステップS28のフラグオフ、RT設定処理サブルーチンを終了し、ステップS30の払い出し処理を終了して、本メインルーチンを終了する。これにより、図柄が変動してから停止するまでの1工程を1回とする遊技を行なうための制御処理が終了する。
【0153】
以上のように、上述の実施形態では、1つの役に複数の置数を設定することができるので、置数を分割することにより、個々のデータのサイズを小さくすることができ、更に、1つの役に複数の置数の領域が設けられるので、その領域を用いた様々な抽選処理が実現できる。これにより、記憶すべき抽選データのデータ容量を増やすことなく、多様な抽選処理を実現することができる。
【0154】
また、役抽選における再遊技役の当選確率が異なる複数の遊技状態が設定された場合であっても、遊技状態の数に比べて抽選データの情報量の増加を防いで、記憶手段の必要容量の増大を抑制することができる。
【0155】
また、置数が、共通に用いられる基本定数と役の当選確率に対応して定められる係数とを乗じた値で表され、置数テーブルのデータとして係数のみが記憶されることにより、記憶するデータのサイズを更に小さくすることができ、抽選データの情報量を小さくして、記憶手段の必要容量の増大を効果的に抑制することができる。
【0156】
更に、1つの役が有する複数の置数のうちの所定の領域を用いて、新たな抽選処理を行なうことなく、フリーズ演出等を行なうか否かを定める抽選処理を行なうことができるので、従来の別途フリーズ演出のための抽選処理を行っていた場合に比べて、フリーズ演出に関する抽選処理のための抽選手段や抽選データを備える必要がない。よって、従来に比べて、制御処理の複雑化や記憶手段の容量増大を抑制しながら、フリーズ演出等の特別な演出を実現できる。
【0157】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、複数の遊技状態における再遊技役2の当選確率のうち、最も低い当選確率である非RT一般遊技における当選確率を基準当選確率として、それに対応する置数を共通置数としているが、これに限られるものではなく、複数の遊技状態における任意の遊技状態の再遊技役2の当選確率を基準当選確率とすることができる。この場合には、遊技状態別差分置数は、プラスの値もマイナスの値もあり得る。
基準当選確率としては、最も多くの遊技状態で同じ値が設定されている再遊技役2の当選確率を、基準当選確率とすることが好ましい。この場合には、記憶すべき遊技状態別差分置数の数を減らすことができ、記憶すべき置数のデータ容量を効果的に削減することができる。
【0158】
上記の実施形態では、取り出された乱数が、1つの役に設定された複数の置数のうちの所定の置数の領域に対応すると判別されたとき、特別な演出として、リールのスタートスイッチの操作を一時停止状態にするフリーズ演出や、リールの停止スイッチの操作を一時停止状態にするフリーズ演出を行なうようになっているが、これに限られるものでない。
例えば、取り出された乱数が所定の置数の領域に対応すると判別されたとき、遊技者のリール停止制御を支援する所謂アシストタイム(AT)を行ない、更にアシストタイムが実施されている情報をホールホストコンピュータへ伝達するため、外部端子信号を発信することもできる。
ここで、アシストタイム(AT)の具体的な内容としては、例えば、役抽選で所定の役に当選したときに、当選役に対応した図柄を遊技者に報知して、リール停止操作で対応図柄を停止させる(または停止させない)ことをアシストする演出や、所定のリール停止順でリール停止操作をしたときに、当選役の対応図柄が停止する場合において、正しいリール停止順を遊技者に報知する演出等が考えられる。
【0159】
更に、取り出された乱数が所定の置数の領域に対応すると判別されたときに実施する特別な演出として、遊技媒体の受付を一時停止状態にするフリーズ演出を行なうことも可能である。具体的には、例えば、フリーズ演出時には、遊技媒体の投入口の下に設けられた可動式のブロッカが突出位置にきて、遊技媒体を投入できない状態にし、所定時間が経過するとブロッカが退避位置に戻って、通常の遊技媒体の投入が可能な状態に戻すことが考えられる。
【0160】
更に、特別な演出のその他の実施形態として、スタートスイッチの操作で回転させたリールの加速状態を通常と異なるようにした演出を行なうことも可能である。例えば、スタートスイッチの操作後、リールが急加速し、その後、リールの加速が穏やかになって定常回転に移るような演出や、急加速と穏加速を繰り返すような演出も考えられる。また、リールごとに異なる加速状態にする演出も考えられる。
【0161】
本発明に係るスロットマシンは、上述の実施形態には限られず、その他様々な実施形態が含まれる。