(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第n(nは1以上の整数)のフィルタとは異なる特性を有する第(n+1)のフィルタを、第nの差分画像に用いることで、第(n+1)のフィルタ画像を生成するフィルタ処理と、
前記第nの差分画像と、前記第(n+1)のフィルタ画像との差分に応じた第(n+1)差分画像を生成する差分処理と、
前記第(n+1)の差分画像に基づいて、第(n+1)の欠陥を検出する検出処理と、
を繰り返し行って、前記nを順次増加させていくことで、第(n+1)の欠陥を順次検出していく請求項5に記載の欠陥検査方法。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
【0024】
本実施の形態にかかる検査装置の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、検査装置の全体構成を模式的に示す斜視図である。検査装置は、光源10と、検出器11と、ステージ30と処理装置50とを備えている。また、
図1では、説明の明確化のため、XYZの3次元直交座標系を示している。なお、Z方向が鉛直方向であり、X方向、及びY方向が水平方向である。
【0025】
試料20の上には、光源10、及び検出器11が配置されている。光源10は、ライン状の照明光を照射する線状光源である。あるいは、光源10が面状の照明光を照射してもよい。光源10は、例えば、可視光、又は赤外光等の照明光を照射する。光源10は、斜め方向、すなわちZ軸から傾いた方向から試料20を照明する。照明光は、試料20の表面において、Y方向に沿ったライン状の領域を均一に照明する。試料20の表面において、照明光のY方向の長さは、試料20の検査領域の全体にわたっている。
【0026】
光源10からの照明光は、試料20の表面において、ライン状、又は面状の領域を照明する。そして、照明されたライン状の領域からの反射光が、検出器11で検出される。検出器11は、Y方向に受光画素が並んだラインセンサカメラである。従って、試料20の表面状態等に応じて反射率が変わるため、検出器11での受光量が変化する。
【0027】
検出器11の画素サイズは、例えば、数μm〜数十μm程度であり、試料20上での画素サイズも同程度となっている。なお、検出器11としては、InGaAs等のフォトダイオードが一列に配列されたラインセンサを用いることができる。検出器11と光源10はZ方向に対して傾いて配置されている。なお、XZ平面における光源10からの照明光の照明角度と、検出器11の角度は同じでもよく、異なっていてもよい。もちろん、光源10と検出器11の角度を可変にしてもよい。
【0028】
ステージ30には、検査対象の試料20が載置されている。試料20は、例えば、半導体ウェハ、TFT基板、マスク等の基板である。試料20の表面はZ方向と直交している。そして、ステージ30は、X方向に移動可能となっている。ステージ30をX方向に移動させながら、光源10で照明された領域からの反射光を検出器11が検出する。そして、検出器11によって検出された光の輝度に応じた検出データが処理装置50に入力される。さらに、処理装置50は、ステージ30の駆動を制御している。そして、処理装置50は、検出器11の検出した光の輝度変化を可視化する。こうすることで、試料20全面の反射画像を取得することができる。
【0029】
光源10が、Y方向において、試料20の全体を一度に照明している。すなわち、低倍率で、視野の広い光学系を用いている。このように、低倍率の光学系によって、高いスループットで検査することができるので、10〜150枚/hでの検査が可能になる。スループットが高いため、製造工程中におけるウェハの全数検査が可能になる。
【0030】
例えば、処理装置50は、レジストが塗布された半導体ウェハなどの反射画像を取得する。そして、反射画像に基づいて、レジストの塗布ムラ、又はパーティクルや異物等を検査する。膜厚ムラ、又はパーティクルや異物等が検出された場合、パターニング前にレジストを除去して、再度レジストを塗布する。こうすることで、半導体装置の生産性を向上することができる。
【0031】
光源10が、レジストが全面に塗布された半導体ウェハを照明する。すると、レジストの膜厚に応じて、検出器11での受光量が変化する。これにより、レジストの膜厚ムラを検査することができる。あるいは、レジスト上のパーティクルや異物によっても受光量が変化する。これによって、パーティクルや異物を検出できる。検査装置は、試料20である半導体ウェハのムラ検査(マクロ検査)を行う。膜厚の異常又はパーティクルや異物が検出された場合、レジストを除去して、再度レジストを塗布する。こうすることで、半導体ウェハのパターンを適切に形成することができる。
【0032】
ここで、処理装置50は、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、取得した反射画像に対して、処理を行う。そして、その処理結果に基づいて、欠陥を検出している。たとえば、反射画像のデータと、しきい値とを比較することで欠陥を検出する。たとえば、反射画像の輝度値が、上限値と下限値の間にある場合は正常とする。また、試料画像の輝度値が、上限値よりも大きい場合、又は下限値よりも小さい場合は、レジスト膜厚のエラー、又はパーティクルや異物とする。
【0033】
処理装置50の構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、処理装置50の構成を示すブロック図である。処理装置50は、第1の記憶部51と、第2の記憶部52と、第1のフィルタ画像生成部53と、第1の差分画像生成部54と、第2のフィルタ画像生成部55と、第2の差分画像生成部56と、プロファイルデータ生成部57と、比較部58を備えている。
【0034】
第1の記憶部51は、第1のFIRフィルタを記憶する。第2の記憶部52は、第2のFIRフィルタを記憶する。第1のフィルタ画像生成部53は、試料画像に対して、第1のFIRフィルタを用いて第1のフィルタ画像を生成する。第1の差分画像生成部54は、試料画像と、第1のフィルタ画像の差分に応じた第1の差分画像を生成する。
【0035】
第2のフィルタ画像生成部55は、第1の差分画像に対して、第2のFIRフィルタを用いて、第2のフィルタ画像を生成する。第2の差分画像生成部56は、第1の差分画像と第2のフィルタ画像との差分に応じた、第2の差分画像を生成する。
【0036】
プロファイルデータ生成部57は、試料画像から、X方向のプロファイルデータと、Y方向のプロファイルデータを生成する。比較部58は、第1のフィルタ画像、第1の差分画像、第2の差分画像、及びプロファイルデータのそれぞれをしきい値と比較する。これにより、処理装置50が欠陥を検出する。さらに、比較部58は、比較欠陥に応じて、欠陥の種別を分類する。すなわち、第1のフィルタ画像、第1の差分画像、第2の差分画像、及びプロファイルデータで検出された欠陥を異なる種別の欠陥とする。処理装置50は、予め記憶されている欠陥検査プログラムに基づく検査アルゴリズムによって、欠陥の種別を判別する。
【0037】
ここで、欠陥の種別について、
図3〜
図8を用いて説明する。
図3は、平均輝度ムラ、枠状ムラ、点状ムラ、縞状ムラ、傾斜状ムラが全て発生している試料20の画像を示している。なお、以下に示す各図の画像において、横方向、及び縦方向が、それぞれX方向、及びY方向となっている。
【0038】
図4は平均輝度ムラが発生した画像の一例を示す図である。平均輝度ムラでは、ウェハ全体にわたるレジストの塗布ムラによって生じる。平均輝度ムラでは、試料画像全体の輝度値が他の試料画像全体の輝度と異なってしまう。このような平均輝度ムラは、試料画像のデータの平均値を求めることで、抽出することができる。
【0039】
図5は枠状ムラが発生した画像の一例を示す図である。枠状ムラは、画素エリアに沿って発生するムラである。すなわち、矩形状の試料画像の端辺に沿って表れる。
図5では、点線枠に示すように、試料画像の上と左の2辺において枠状ムラが発生している。すなわち、枠状ムラは、試料画像の端部に発生するライン状の欠陥である。
【0040】
図6は、点状ムラが発生した画像の一例を示す図である。
図6では、点線枠に示すように点状ムラの欠陥が3つ発生している。点状ムラは、コントラストの高い微小なムラである。たとえば、試料20に付着した異物、レジストの塗布欠け等によって生じる。点状ムラは、画像の微小な領域において発生する欠陥である。
【0041】
図7は縞状ムラが発生した画像の一例を示す図である。縞状ムラは、レジストを塗布する際のはけムラ、ストリエーション等によって生じる。
図7では、点線枠に示すように、右下角から斜め左上に延びる縞状ムラが発生している。縞状ムラは、画像の一部の領域において発生するライン状の欠陥である。
【0042】
図8は、傾斜状ムラが発生した画像の一例を示す図である。傾斜状ムラはコントラストが低く、チップ全体にわたる塗布ムラである。たとえば、
図8では、矢印に示すように、右下角から左上角に向けて、徐々に輝度が高くなっている。傾斜状ムラは、画像全体の領域において発生する欠陥である。傾斜状ムラが発生した試料画像では、画像の一端から他端に向かって、なだらかに輝度が変化している。
【0043】
このような、5種類の欠陥が同時に発生しているダミー欠陥画像を
図9に示す。
図9は、150×120ピクセルのサイズを有する画像である。
図9は、シミュレーションによって、5種類の欠陥を意図的に発生させた画像である。すなわち、欠陥種別ごとのダミー画像と、ノイズを合成して、ダミー欠陥画像を作成している。
図9では、各ピクセルが8ビット、すなわち、256階調で示されている。
【0044】
図9に示したダミー欠陥画像を、検出器11で取得した試料画像Aとして、欠陥の種別を判別する。以下、欠陥の種別を判別するためのデータ処理について説明する。以下の説明では、
図9に示す試料画像Aに対して処理を行うことで、5種類の欠陥を判別している。なお、以下に図示した各画像では、説明の明確化のために、コントラストが強調されている。
【0045】
(FIRフィルタ)
まず、欠陥の種類を判別するために用いられるFIRフィルタについて、
図10、
図11を用いて説明する。
図10、
図11は、本実施の形態にかかるFIRフィルタを説明するための図である。試料画像Aの画像サイズに比べて、狭い領域の定数項を除去するFIRフィルタを作成する。そのため、
図10に示すように、定数項(0次)のみ0となっており、その他の項(−n次〜−1次、及び1次〜n次)は1となるスペクトルを用いる。
図10に示すスペクトルをフーリエ変換すると、
図11に示すFIRフィルタとなる。0次項のみ0とするFIRフィルタを用いることで、フィルタサイズより小さい領域で、微分値の大きい成分を抽出することできる。
図11に示すFIRフィルタを第1のFIRフィルタとする。第1の記憶部51は、第1のFIRフィルタを記憶している。
【0046】
ここでは、フィルタリングされる試料画像Aのサイズを150×120としている。第1のFIRフィルタのサイズは、25×3ピクセルとなっている。すなわち、第1のFIRフィルタは、X方向に25ピクセル、Y方向に3ピクセルのサイズを有する二次元フィルタである。第1のFIRフィルタは長手方向及び短手方向を有しており、方向性のあるフィルタである。第1のFIRフィルタでは、25×3の中心の1ピクセルのみ、約0.987で、その他のピクセルは約−0.013となっている。もちろん、画像のサイズ、及び第1のFIRフィルタのサイズは特に限定されるものではない。第1のFIRフィルタは、試料画像Aのサイズよりも小さい有限の大きさであればよい。
【0047】
第1のFIRフィルタが試料画像Aをフィルタリングする。第1のFIRフィルタを用いて生成された画像をフィルタ画像とする。具体的には、第1のFIRフィルタのそれぞれのピクセルについて、第1のFIRフィルタのデータと、対応するピクセルにおける画像のデータとの積を求める。そして、第1のFIRフィルタを構成する25×3の全ピクセルでの積の総和を求める。この総和がフィルタ画像の1ピクセルの値となる。そして、第1のFIRフィルタをX方向、及びY方向に移動させていくことで、二次元のフィルタ画像を求めることができる。
【0048】
(点状ムラの抽出)
点状ムラを抽出する処理について、
図12〜
図16を用いて説明する。点状ムラを欠陥として検出するために、第1のFIRフィルタを用いる。
図12に示すように、X方向を長手方向とする第1のFIRフィルタによって、試料画像Aをフィルタリングする。ここでX方向に第1のFIRフィルタを用いた時のフィルタ画像をフィルタ画像Bとする。
【0049】
次に、
図13に示すように、90°回転させた第1のFIRフィルタによって、試料画像Aをフィルタリングする。すなわち、Y方向に25ピクセル、X方向に3ピクセルのサイズを有する第1のFIRフィルタを、試料画像Aに適用する。Y方向に第1のFIRフィルタを用いることで生成されたフィルタ画像をフィルタ画像Cとする
【0050】
次に、X方向とY方向の間の斜め方向、すなわち、X軸から+45°傾いた方向と、X軸から−45°傾いた方向に、第1のFIRフィルタを用いる。
図14に示すように、X方向とY方向の間の斜め方向(+45°)に、第1のFIRフィルタを用いた後の画像をフィルタ画像Dとする。すなわち、X軸から45°傾いた方向を長手方向とする第1のFIRフィルタを試料画像Aに用いることで、フィルタ画像Dが生成される。
【0051】
図15に示すように、X方向とY方向の間の斜め方向(−45°)に、第1のFIRフィルタを用いた後の画像をフィルタ画像Eとする。すなわち、X軸から−45°傾いた方向を長手方向とする第1のFIRフィルタを試料画像Aに用いることで、フィルタ画像Eが生成される。なお、90°異なる方向に第1のFIRフィルタを用いることで、フィルタ画像Dとフィルタ画像Eとが生成される。
【0052】
このように、第1のFIRフィルタを様々な作用方向に用いて、試料画像Aをフィルタリングする。これにより、複数のフィルタ画像B〜Eが生成される。ここでは、X方向、Y方向、斜め方向において、第1のFIRフィルタを用いて、フィルタ画像B〜Eを生成する。すなわち、X方向と、Y方向と、X方向とY方向の間の2方向の計4方向に第1のFIRフィルタを用いている。よって、4つのフィルタ画像B〜Eが生成される。
【0053】
そして、処理装置50は、フィルタ画像B〜Eについて最小値フィルタを用いる。すなわち、150×120ピクセルのそれぞれにおいて、フィルタ画像B〜Eの中で最小値となる値を抽出する。こうすることで、4つのフィルタ画像B〜Eについて最小値フィルタを用いて生成したフィルタ画像をフィルタ画像Fとする。フィルタ画像Fは、
図16に示すようになる。
【0054】
なお、第1のフィルタ画像生成部53が、第1のFIRフィルタを用いて、フィルタ画像B〜Eを生成する。さらに、第1のフィルタ画像生成部53が最小値フィルタを用いて、第2のフィルタ画像Fを生成する。比較部58がフィルタ画像Fのデータを、しきい値と比較する。こうすることで、点状ムラを欠陥として検出することができる。フィルタ画像Fのデータが、上限値を越えた箇所、又は下限値を下回ったピクセルを欠陥として検出する。
【0055】
様々な方向に第1のFIRフィルタを用いることで複数のフィルタ画像を生成する。そして、複数のフィルタ画像に対して最小値フィルタを用いる。こうすることで、方向性に依存した縞状ムラや、傾斜状ムラから、方向性のない点状の欠陥を抽出することができる。よって、効率よく点状の欠陥を分類することができる。
【0056】
なお、上記の説明では、X方向(横方向)とY方向(縦方向)と直交する斜め2方向の4方向に、第1のFIRフィルタを用いたが、第1のFIRフィルタを用いる作用方向、及びその数は特に限定されるものではない。もちろん、試料画像Aのピクセルの配列方向に沿った第1のFIRフィルタを用いることが好ましい。
【0057】
(縞状ムラ抽出)
次に、縞状ムラを抽出する処理について、
図17を用いて説明する。
図17は、縞状ムラを抽出する処理を説明する図である。縞状ムラを抽出する場合、点状ムラを抽出した時に用いたフィルタ画像を用いることができる。縞状ムラを抽出する処理では、上記の試料画像Aとフィルタ画像Fを用いる。
図13に示すように、試料画像Aとフィルタ画像Fの差分を求める。ここで、試料画像Aとフィルタ画像Fの差分によって求めた画像を差分画像Gとする。試料画像Aからフィルタ画像Fを引くことで、点状のムラと、カメラノイズに代表される高周波のノイズ成分が除去される。
【0058】
試料画像Aとフィルタ画像Fとの差分に応じた差分画像Gに基づいて、縞状ムラを欠陥として検出する。差分画像Gのデータを、しきい値と比較することで縞状ムラを欠陥として検出することができる。すなわち、差分画像Gのデータが上限値を越えた箇所、又は下限値を下回ったピクセルが欠陥として検出される。第1の差分画像生成部54がフィルタ画像Fと、試料画像Aとに基づいて、差分画像Gを生成する。そして、比較部58が、差分画像Gとしきい値とを比較することで、縞状状ムラを検出することができる。
【0059】
なお、上記の処理ではフィルタ画像Fによって、差分画像Gを求めたが、フィルタ画像Fではなく、フィルタ画像B〜Eのいずれか1つを用いて差分画像Gを算出してもよい。例えば、フィルタ画像Fの代わりに、フィルタ画像Bを用いて、差分画像Gを算出してもよい。さらには、試料画像Aからフィルタ画像C、フィルタ画像D又はフィルタ画像Eを引いた値によって、差分画像Gを求めてもよい。さらには、フィルタ画像B〜Eのうちの、2枚のフィルタ画像、又は3枚のフィルタ画像に対して、最小値フィルタを適用したフィルタ画像を用いてもよい。すなわち、第1のFIRフィルタを用いて生成された1つ以上のフィルタ画像に基づいて、差分画像Gが生成されていればよい。
【0060】
(傾斜状ムラ)
傾斜状ムラを抽出する処理について、
図18を用いて説明する。傾斜状ムラを抽出するために、第1のFIRフィルタと異なる特性の第2のFIRフィルタが用いられる。ここでは、第2のFIRフィルタは、第1のFIRフィルタよりもサイズが大きくなっており、例えば、51×51ピクセルのサイズとなっている。すなわち、X方向、及びY方向に51ピクセルのサイズを有する第2のFIRフィルタが用いられている。第2のFIRフィルタは、51×51の中心の1ピクセルのみ約0.987で、その他のピクセルが約−0.013となっている。ここでは、方向性に依存しない、正方形のFIRフィルタを用いている。そして、第2のFIRフィルタを用いて、差分画像Gをフィルタリングする。この時のフィルタ画像をフィルタ画像Hとする。フィルタ画像Hは、
図18に示すようになる。第2のフィルタ画像生成部55が差分画像Gに基づいてフィルタ画像Hを生成する。なお、第1のFIRフィルタは、第2のFIRフィルタよりも高い周波数領域を通過する特性を有している。すなわち、第2のFIRフィルタは、第1のFIRフィルタよりも高い周波数成分を通過しない特性を有している。
【0061】
フィルタ画像Hは、ハイパスフィルタとなり、傾斜状ムラをフィルタリングして、縞状ムラを抽出する。そして、差分画像Gとフィルタ画像Hとの差分に応じた差分画像Iを算出する。これにより、差分画像Gの縞状ムラからフィルタ画像Hの縞状ムラが引かれ、傾斜状ムラのみを抽出することができる。第2の差分画像生成部56が差分画像Gとフィルタ画像Hとに基づいて、差分画像Iを生成する。
【0062】
そして、比較部58が、差分画像Iとしきい値とを比較することで、傾斜状ムラを検出することができる。このように、差分画像Gに対して、サイズの異なる第2のFIRフィルタを用いる。そして、差分を繰り返すことで、傾斜状ムラを検出することができる。
【0063】
(枠状ムラ)
次に、枠状ムラを抽出する処理について、
図20を用いて説明する。
図20は、枠状ムラを抽出するための処理を説明するための図である。枠状ムラを抽出するために、X方向、及びY方向におけるデータを合成して、Y方向、及びX方向のプロファイルデータを生成する。たとえば、試料画像AのX方向における位置が同じデータの平均値を求めることで、Y方向の1次元プロファイルデータが生成される。換言すると、縦1列のデータの総和に基づいて、横方向におけるプロファイルデータを求める。同様に、試料画像AのY方向における位置が同じデータの平均値を求めることで、X方向の1次元プロファイルデータが生成される。
【0064】
このように、X方向におけるデータの総和によって、Y方向のプロファイルデータを求めるとともに、Y方向にけるデータの総和によって、X方向のプロファイルデータを求める。そして、X方向、及びY方向におけるプロファイルデータに基づいて、枠状ムラを検出する。例えば、試料画像の外周部でデータが大きくなる枠状ムラが発生した場合、
図20に示すように、X方向における両端で輝度値が高くなる。同様に、試料画像の外周部でデータが大きくなる枠状ムラが発生した場合、
図20に示すように、Y方向における両端で輝度値が高くなる。よって、プロファイルデータをしきい値と比較することで、枠状ムラを検出することができる。
【0065】
プロファイルデータ生成部57が、X方向、及びY方向について、データを合成することで、Y方向、及びX方向の1次元プロファイルデータを生成する。そして、1次元プロファイルデータが上限値を超えていた場合、又は下限値を下回っていた場合、枠状ムラを検出する。このようにすることで、枠状ムラを簡便に検出することができる。もちろん、試料画像Aの全体のピクセルについて総和を求めずに、一部のピクセルについての総和を求めてもよい。すなわち、試料画像Aの第1の方向における一部のピクセルのデータを合成することで、第2の方向における1次元データを生成するようにしてもよい。
【0066】
上記した検査方法を用いることで、点状ムラ、枠状ムラ、縞状ムラ、傾斜状ムラのそれぞれを確実に判別することができる。例えば、異なる画像に基づいて検出された欠陥は、異なる種別と判別する。さらに、各画像をしきい値と比較することで、欠陥種別を分類しているため、より高感度の検査を行うことができる。すなわち、それぞれの画像に対して適したしきい値を設定することができる。これにより、感度を託するために、しきい値を厳しく設定したとしても、擬似欠陥と実欠陥の判別を確実に行うことができる。よって、高感度で正確に欠陥を検出することができる。もちろん、判別する順番は特に限定されるものでなはない。例えば、傾斜状ムラを最初に判別するような手順で検査してもよい。
【0067】
(シミュレーション結果)
上記の検査アルゴリズムのシミュレーション結果について説明する。ここでは、ノイズレベルを7.3階調(3sigma)とする試料画像Aを用いた。そして、枠状ムラの設定輝度を25階調、縞状ムラの設定輝度を23階調、点状ムラの設定輝度を40階調、傾斜状ムラの設定輝度を25階調として、ダミー欠陥画像を生成した。そして、ダミー欠陥画像を試料画像Aとして、処理装置50が上記の処理を行った。なお、設定輝度は、欠陥となるピクセルと、正常箇所となるピクセルの輝度の差である。
【0068】
その結果、枠状ムラについては、設定輝度レベルが25階調であったのに対して、検出レベルが19階調であり、擬似レベルが1階調であった。枠状ムラの検出結果については、
図21に示した。点状ムラについては、設定輝度レベルが40階調であるのに対して、検出レベルが37階調であり、擬似レベルが11階調であった。点状ムラの検出結果については、
図22に示した。
【0069】
縞状ムラについては、設定輝度レベルが23階調であるのに対して、検出レベルが15階調であり、擬似レベルが5階調であった。縞状ムラの検出結果については、
図23に示した傾斜状ムラについては、設定輝度レベルが25階調であるのに対して、検出レベルが23階調であり、擬似レベルが0階調であった。傾斜状ムラの検出結果については、
図24に示した。なお、検出レベルとは、欠陥を検出可能なしきい値のレベルであり、擬似レベルとは、擬似欠陥が発生してしまうしきい値のレベルを示している。すなわち、上記のフィルタ処理や差分処理が行われた後における、欠陥のピクセルと、正常箇所のピクセルとの輝度の差が検出レベルとなる。
【0070】
このように、いずれの種類の欠陥についても、擬似レベルに対して、検出レベルを高くすることができた。従って、しきい値のレベルを厳しく設定して、感度を高くしたとしても、擬似欠陥の検出を防ぐことができる。よって、高感度の欠陥検査を正確に行うことができる。さらに、欠陥の種類を判別することができる。また、別々の画像によって、欠陥を分類しているので、2以上の欠陥が重なったとしても、正確に検査することができる。
【0071】
なお、上記の検査方法は、パターン付きウェハについても適用することができる。パターン付きウェハの場合、ダイツーダイ処理を前処理として行えばよい。例えば、
図25に示すよう、同じパターンを有する2枚のウェハの試料画像A1、A2を取得する。そして試料画像A1と試料画像A2との差分を取って、差分画像A3を求める。そして、差分に応じた差分画像A3に対して、上記の処理を行う。こうすることで、パターン付きウェハであっても、欠陥種別を適切に判別することができる。もちろん、試料20は、半導体ウェハに限らず、フォトマスク、TFT基板、又はカラーフィルタ基板とすることが可能である。
【0072】
また、上記の説明では、フィルタ処理において、FIRフィルタを用いたが、FIRフィルタ以外のフィルタを用いてもよい。例えば、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタなどのデジタルフィルタを用いることができる。すなわち、所定の周波数帯を通過させるフィルタを用いることができる。もちろん、複数のフィルタを組み合わせてもよい。
【0073】
(検査方法1)
以下、
図26のフローチャートを用いて、一般化した検査手順を説明する。
図26では、FIRフィルタによるフィルタリング処理と、差分画像を取得するために差分を取る処理をNmax(Nmaxは2以上の整数)回繰り返す方法を示している。
【0074】
検出処理を開始すると、2つの画像に対して、ダイツーダイ処理を行って、欠陥を抽出する(ステップS101)。パターン付きウェハの場合、2つの画像を差分を求めることで試料画像Image_Originalが取得される。なお、パターン付きウェハではない場合、ステップS101は省略される。すなわち、検出器11で検出した画像が、そのまま試料画像Image_Originalとなる。
【0075】
次に、n=1(nは1以上の整数)とした後(ステップS102)、試料画像Image_Originalから、第1のフィルタ画像Image_FIR
1を生成する(ステップS103)。すなわち、第1のFIRフィルタによって、試料画像Image_Originalをフィルタリングする。このように、1回目のフィルタ処理によって、第1のフィルタ画像Image_FIR
1が生成される。なお、このステップS103では、
図12〜
図16に示したように、異なる作用方向の第1のFIRフィルタと、最小化フィルタとを用いて、第1のフィルタ画像Image_FIR
1を生成してもよい。もちろん、1つの作用方向にのみ第1のFIRフィルタを用いることで、第1のフィルタ画像Image_FIR
1を生成することも可能である。そして、第1のフィルタ画像Image_FIR
1に対して、欠陥強調処理を行う(ステップS104)。
【0076】
そして、ステップS104の欠陥強調処理が行われた後の画像Image_Calc0を用いて、欠陥検出を行う(ステップS105)。例えば、しきい値と画像データを比較することで、2値化を行う。この2値化データが欠陥の有無を示すものとなる。なお、ステップS104では、微分フィルタ等を用いた欠陥強調処理が行われる。なお、第1のFIRフィルタによるフィルタ処理が欠陥強調処理を兼ねる場合は、ステップS104の処理を省略してもよい。また、ステップS104とステップS105を省略することも可能である。
【0077】
次に、1回目の差分処理によって、第1の差分画像Image_Sub
1が生成される(ステップS106)。すなわち、試料画像Image_Originalと第1のフィルタ画像Image_FIR
1との差分を求めることで、第1の差分画像Image_Sub
1を取得することができる。そして、第1の差分画像Image_Sub
1に対して、欠陥強調処理を行った後(ステップS107)、欠陥検出を行う(ステップS108)。例えば、欠陥強調処理が行われた後の画像Image_Calc
1のデータをしきい値と比較することで、2値化を行う。この2値化データが欠陥の有無を示すものとなる。これにより、差分処理後の1番目の欠陥検出が行われる。ステップS107と、ステップS108は、ステップS105とステップS106と同様であるため、説明を省略する。なお、第1のFIRフィルタによりフィルタ処理が欠陥強調処理を兼ねる場合は、ステップS107の処理を省略してもよい。
【0078】
次に、nをインクリメントする(ステップS109)。ここでは、n=2となっているが、説明を一般化するために、nとして説明を行う。n回目のフィルタ処理によって、第nのフィルタ画像Image_FIR
nが生成される(ステップS110)。すなわち、第(n−1)の差分画像Image_Sub
nー1を第nのFIRフィルタによって、フィルタリングすることで、第nのフィルタ画像Image_FIR
nが生成される。第nのFIRフィルタは、第(n−1)のFIRフィルタと異なる特性を有している。ステップS110においても、ステップS103と同様に、第nのFIRフィルタを異なる作用方向に適用するとともに、最小値フィルタを用いた処理を行ってもよい。
【0079】
次に、n回目の差分処理を行うことで、第nの差分画像Image_Sub
nが生成される(ステップS111)。すなわち、第(n−1)の差分画像Image_Sub
n−1と第nのフィルタ画像Image_FIR
nとの差分を求めることで、第nの差分画像Image_Sub
nを取得することができる。
【0080】
そして、第nの差分画像Image_Sub
nに対して、欠陥強調処理を行った後(ステップS112)、欠陥検出を行う(ステップS113)。すなわち、欠陥強調処理が行われた後の画像Image_Calc
nのデータをしきい値と比較することで、2値化を行う。この2値化データが欠陥の有無を示すものとなる。これにより、差分処理後のn番目の欠陥検出が行われる。ステップS112と、ステップS113は、ステップS105とステップS106と同様であるため、説明を省略する。なお、第nのFIRフィルタによりフィルタ処理が欠陥強調処理を兼ねる場合は、ステップS112の処理を省略してもよい。
【0081】
そして、n=Nmaxであるか否かを判定する(ステップS114)。nがNmaxに達していない時(ステップS114のNO)、ステップS109に戻る。すなわち、nをインクリメントして(ステップS109)、ステップS110からの処理を行う。N=Nmaxに達するまで(ステップS114のYES)、ステップS109〜ステップS114の処理が繰り返される。このようにすることで、フィルタ処理と差分処理がNmax回繰り返し行われるようになる。すなわち、フィルタ処理と差分処理を繰り返し行い、nを1、2、3、・・・Nmaxと順次増加させていく。そして、差分処理後に、n番目の欠陥検出を行う。このようにすることで、様々なタイプの欠陥を検出し、分類することができる。
【0082】
ここで、フィルタ処理を2回以上行う場合、高い周波数を透過するフィルタを先に用いることが望ましい。すなわち、N番目のフィルタ処理のフィルタは、(N+1)番目のフィルタ処理のフィルタよりも高い周波数成分を通過させる特性を有している。このようにすることで、小さい欠陥から順番に検出することができる。すなわち、フィルタ処理と差分処理に繰り返し回数が多くなるほど、大きい欠陥が抽出されるようになる。
【0083】
(検査方法2)
図27を用いて、別の検査方法について説明する。
図27は別の検査方法を示すフローチャートである。
図27に示す検査方法では、差分画像をしきい値と比較せずに、フィルタ画像をしきい値と比較することで、欠陥検出を行っている。なお、上記の説明と重複する内容については、適宜省略する。
【0084】
検出処理を開始すると、2つの画像に対して、ダイツーダイ処理を行って、欠陥を抽出する(ステップS201)。これにより、パターン付きウェハの場合、2つの画像を差分を求めることで試料画像Image_Originalが取得される。なお、パターン付きウェハではない場合、ステップS101は省略される。すなわち、検出器11で検出した画像が、そのまま試料画像Image_Originalとなる。
【0085】
次に、n=1(nは1以上の整数)とした後(ステップS202)、試料画像Image_Originalから、第1のフィルタ画像Image_FIR
1を生成する(ステップS203)。すなわち、第1のFIRフィルタによって、試料画像Image_Originalをフィルタリングする。このように、1回目のフィルタ処理によって、第1のフィルタ画像Image_FIR
1が生成される。なお、このステップS103では、
図12〜
図16に示したように、異なる作用方向の第1のFIRフィルタと、最小化フィルタとを用いて、第1のフィルタ画像Image_FIR
1を生成してもよい。もちろん、1つの作用方向にのみ第1のFIRフィルタを用いることで、第1のフィルタ画像Image_FIR
1を生成することも可能である。そして、第1のフィルタ画像Image_FIR
1に対して、欠陥強調処理を行う(ステップS204)。
【0086】
そして、ステップS204の欠陥強調処理が行われた後の画像Image_Calc
1を用いて、欠陥検出を行う(ステップS205)。これにより、1番目の欠陥検出が行われる。例えば、しきい値と画像データを比較することで、欠陥を抽出することができる。なお、ステップS204では、微分フィルタ等を用いた欠陥強調処理が行われる。なお、第1のFIRフィルタによるフィルタ処理が欠陥強調処理を兼ねる場合は、ステップS204の処理を省略してもよい。
【0087】
次に、1回目の差分処理によって、第1の差分画像Image_Sub
1が生成される(ステップS206)。すなわち、試料画像Image_Originalと第1のフィルタ画像Image_FIR
1との差分を求めることで、第1の差分画像Image_Sub
1を取得することができる。次に、nをインクリメントする(ステップS207)。ここでは、n=2となっているが、説明を一般化するために、nとして説明を行う。n回目のフィルタ処理によって、第nのフィルタ画像Image_FIR
nが生成される(ステップS208)。すなわち、第(n−1)の差分画像Image_Sub
nー1を第nのFIRフィルタによって、フィルタリングすることで、第nのフィルタ画像Image_FIR
nが生成される。第nのFIRフィルタは、第(n−1)のFIRフィルタと異なる特性を有している。ステップS208においても、ステップS203と同様に、第nのFIRフィルタを異なる作用方向に適用するとともに、最小値フィルタを用いた処理を行ってもよい。
【0088】
そして、第nのフィルタ画像Image_FIR
nに対して、欠陥強調処理を行った後(ステップS209)、欠陥検出を行う(ステップS210)。これにより、n番目の欠陥検出が行われる。すなわち、欠陥強調処理が行われた第nのフィルタ画像Image_FIR
nのデータをしきい値と比較することで、欠陥が検出される。なお、第1のFIRフィルタによりフィルタ処理が欠陥強調処理を兼ねる場合は、ステップS209の処理を省略してもよい。
【0089】
そして、n=Nmaxであるか否かを判定する(ステップS212)。nがNmaxに達していない時(ステップS212のNO)、ステップS207に戻る。すなわち、nをインクリメントして(ステップS207)、ステップS208からの処理を行う。N=Nmaxに達するまで(ステップS212のYES)、ステップS207〜ステップS212の処理が繰り返される。このようにすることで、フィルタ処理と差分処理がNmax回繰り返し行われるようになる。すなわち、フィルタ処理と差分処理を繰り返し行い、nを1、2、3、・・・Nmaxと順次増加させていく。そして、フィルタ処理後に、n番目の欠陥検出を行う。このようにすることで、様々なタイプの欠陥を検出し、分類することができる。
【0090】
ここで、フィルタ処理を2回以上行う場合、高い周波数を透過するフィルタを先に用いることが望ましい。すなわち、N番目のフィルタ処理のフィルタは、(N+1)番目のフィルタ処理のフィルタよりも高い周波数成分を通過させる特性を有している。このようにすることで、小さい欠陥から順番に検出することができる。すなわち、フィルタ処理と差分処理に繰り返し回数が多くなるほど、大きい欠陥が抽出されるようになる。
【0091】
このように、
図27では、フィルタ処理と差分処理を繰り返し行い、差分画像及びフィルタ処理に基づいて、欠陥を検出している。すなわち、フィルタ画像をしきい値と比較することで、欠陥を検出することができる。このようにしても、欠陥を高感度で検出することができるとともに、欠陥の種別を適切に判別することができる。
【0092】
処理装置50における制御は、コンピュータプログラムによって実行されても良い。上述した制御プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0093】
また、コンピュータが上述の実施の形態の機能を実現するプログラムを実行することにより、上述の実施の形態の機能が実現される場合だけでなく、このプログラムが、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)もしくはアプリケーションソフトウェアと共同して、上述の実施の形態の機能を実現する場合も、本発明の実施の形態に含まれる。