特許第5765807号(P5765807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5765807-ナースコールシステム 図000002
  • 特許5765807-ナースコールシステム 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5765807
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】ナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
   A61G12/00 E
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-167395(P2011-167395)
(22)【出願日】2011年7月29日
(65)【公開番号】特開2013-27645(P2013-27645A)
(43)【公開日】2013年2月7日
【審査請求日】2014年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】591253593
【氏名又は名称】株式会社ケアコム
(72)【発明者】
【氏名】清水 紀明
(72)【発明者】
【氏名】武富 厚樹
【審査官】 増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−056119(JP,A)
【文献】 特開2006−325784(JP,A)
【文献】 特開2009−055274(JP,A)
【文献】 特開2004−320555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療従事者によって携帯され、自装置を識別するための携帯端末識別情報を含む報知信号を受信することにより報知を行う携帯端末と、
医療従事者によって携行され、自装置または医療従事者を識別するための識別情報を送信する識別情報発信装置と、
患者のベッドの近傍に設置され、その患者を担当する複数の担当医療従事者が携帯する携帯端末を呼び出すために操作されるスタッフ呼出操作部と、前記スタッフ呼出操作部が操作された場合に自装置を識別するための子機識別情報を含むスタッフ呼出信号を生成する子機制御部と、前記子機制御部にて生成されたスタッフ呼出信号を出力する子機インターフェースとを有するナースコール子機と、
前記スタッフ呼出操作部の近傍に設置され、前記識別情報発信装置から識別情報を読み取り、この識別情報および自装置を識別するための読取装置識別情報を含む読取信号を出力する読取装置と、
前記ナースコール子機からスタッフ呼出信号を入力するとともに前記読み取り装置から読取信号を入力するインターフェースと、前記子機識別情報とこの子機識別情報によって特定されるナースコール子機を使用する患者を担当する担当医療従事者が携行する識別情報発信装置の識別情報と前記担当医療従事者が携帯する前記携帯端末の前記携帯端末識別情報とを関連付けて予め記憶するとともに前記子機識別情報とこの子機識別情報によって特定されるナースコール子機の近傍に設置された読取装置の読取装置識別情報とを関連付けて予め記憶する記憶部と、前記インターフェースがスタッフ呼出信号を入力した場合に、前記記憶部を参照して、入力したスタッフ呼出信号に含まれる子機識別情報に関連付けて記憶されている読取装置識別情報のうち、前記インターフェースが入力した読取信号に含まれる読取装置識別情報と一致する読取信号を特定し、その読取信号に含まれる識別情報を抽出するとともに、入力したスタッフ呼出信号に含まれる子機識別情報に関連付けて記憶されている携帯端末識別情報のうち、抽出した識別情報に関連付けて記憶されている携帯端末識別情報を除く携帯端末識別情報を抽出して、前記インターフェースにより出力する制御部とを有するナースコール親機と、
前記ナースコール親機に接続され、前記制御部が抽出した携帯端末識別情報を含む報知信号を前記携帯端末に送信する無線装置と、
を備えたナースコールシステム。
【請求項2】
前記読取装置は、近傍の前記スタッフ呼出操作部が操作された場合に、前記識別情報発信装置から識別情報を読み取ろうとすることを特徴とする請求項1に記載のナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者や被介護者が看護師や介護師を呼び出すためのナースコールシステムに関し、特に患者の居る病室に駆け付けた看護師や介護師などが他の看護師や介護師の応援を要請することができるナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院や介護施設などでは、ナースコールシステムが用いられている。ナースコールシステムは、病院の患者が看護師のサポートを必要とする際、または介護施設の被介護者が介護師のサポートを必要とする際に、患者や被介護者(以下、患者と記載する)が呼出ボタンを押下することによって看護師や介護師(以下、医療従事者と記載する)を呼び出すことができるように成されたシステムである。
【0003】
多くのナースコールシステムは、病室のベッド近傍やトイレ、浴室などに設置されるナースコール子機と、ナースセンターに設置されるナースコール親機と、病室や介護室等の各部屋の入口付近に設置される廊下灯と、通話やデータの送受信に関する制御を行う制御機とを備えて構成されている。また、上述した構成に加えて、医療従事者が携帯する携帯端末(例えば、PHS(Personal Handy phone System)端末など)とPBX(Private Branch Exchange:電話交換機)とを備えたナースコールシステムも提供されている。ここで、ナースコール子機としては、呼出ボタンなどの呼出操作部を有するものがある。
【0004】
そして、このようなナースコールシステムは、患者がナースコール子機の呼出操作部を操作した場合に、ナースコール子機からナースコール親機へ呼出信号を出力し、呼出信号を入力したナースコール親機にて呼び出しの報知するように構成されている。
【0005】
ナースコール親機には、LED(light-emitting diode)などのランプと患者の名前などを表示する表示欄とを備えた選局部を患者の数に応じて組み合わせたボード形のものが知られている。ボード形のナースコール親機は、ナースセンターの壁面などに取り付けられ、ナースセンター内の医療従事者がボード形親機に表示された情報を閲覧することが可能である。ここで、ナースコール子機から出力された呼出信号を入力したナースコール親機では、呼出信号に含まれ、ナースコール子機を識別するための子機識別情報により呼び出しを行った患者(実際にはナースコール子機)を特定する。そして、特定されたナースコール子機を使用している患者の表示欄に対応する選局部のランプを点灯または点滅させることで呼び出しの報知を行っている。また、呼び出しの報知は、選局部のランプの点灯/点滅だけではなく、スピーカから出力される音声によっても行われる。
【0006】
ここで、ナースコール親機としては、上述したボード形のものだけではなく、卓上に設置される卓上形のものや、報知や各種情報をディスプレイ上に表示するPC(personal computer)形のものも知られている。
【0007】
このように、ナースコール親機にて呼び出しの報知が行われると、これに気付いた医療従事者が応答する必要がある。そのため、ナースコール親機には、呼び出しの報知に応答するためのハンドセットが設けられている。呼び出しの報知が行われている場合に、医療従事者がハンドセットをオフフックすると、呼び出しの報知が停止し、ナースコール親機とナースコール子機(またはナースコール子機が設置された病室)との間で通話路が形成される。ここで、ナースコール子機(または病室)には、通話用のスピーカやマイクが設けられているため、患者と医療従事者との間で通話が可能となる。また、携帯端末が使用可能である場合には、医療従事者は、携帯端末を操作して呼び出しに応答することができる。
【0008】
ところで、携帯端末を各医療従事者に携帯させることで、ナースコール子機の呼出操作部を操作した患者を担当する複数の担当医療従事者の携帯端末を呼び出すことが行われている(例えば、特許文献1など)。この特許文献1に記載の技術では、患者を他の患者と識別するための患者識別情報や、その患者が使用するナースコール子機を他の患者が使用するナースコール子機と識別するための子機識別情報と、担当医療従事者を他の医療従事者と識別するための医療従事者識別情報や、それらの担当医療従事者が携帯する携帯端末を他の医療従事者が携帯する携帯端末と識別するための携帯端末識別情報とを関連付けて記憶しておく。そして、ナースコール子機の呼出操作部が患者によって操作され、その患者を担当する複数の担当医療従事者の携帯する携帯端末が報知を行うと、複数の担当医療従事者のうちの何れかの担当医療従事者が携帯端末を操作して呼び出しに応答する。応答した担当医療従事者は、患者の居る病室に赴き、患者への看護行為を行う。
【0009】
ここで、患者の居る病室へ赴いた担当医療従事者が他の担当医療従事者の応援を必要とするケースが存在する。この場合、ナースコール子機の近傍の壁面などに設置されたスタッフ呼出操作部を担当医療従事者が操作することで、ナースコール子機を使用する患者を担当する担当医療従事者が携帯する携帯端末を呼び出す技術も知られている(例えば、特許文献2など)。
【0010】
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、ある担当医療従事者がスタッフ呼出操作部を操作した場合に、その担当医療従事者を含む全ての担当医療従事者が携帯する携帯端末が呼び出されてしまうので、スタッフ呼出操作部を操作した担当医療従事者の携帯する携帯端末も呼び出されてしまい、そのスタッフに過度の負担をかけてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−320555号公報
【特許文献2】特開2009−56119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、患者を担当する担当医療従事者がその患者を担当する他の担当医療従事者の応援を要請する際に、その担当医療従事者に過度の負担をかけることなく、他の担当医療従事者を呼び出すことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明では、患者の近傍に設置され、その患者を担当する担当医療従事者の応援を要請するためのスタッフ呼出操作部が操作された場合に、スタッフ呼出操作部の近傍に設置された読取装置が、医療従事者が携行している識別情報発信装置から識別情報を読み取るようにしている。そして、患者を担当する担当医療従事者のうち、識別情報によって特定される担当医療従事者を除いて呼び出しを行うようにしている。
【0014】
上記のように構成した本発明によれば、ある患者を担当する担当医療従事者がその患者を担当する担当医療従事者の応援を要請する際に、応援を要請した担当医療従事者自身が呼び出されないので、応援を要請した担当医療従事者に過度の負担がかからなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態によるナースコールシステムの構成例を示すブロック図である。
図2】本実施形態によるナースコールシステムの記憶部の記憶内容の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるナースコールシステムの構成例を示すブロック図である。同図において、1は携帯端末であり、各医療従事者により携帯され、後述するナースコール子機3からの呼び出しを報知し、それに医療従事者が応答するためのものである。2は識別情報発信装置であり、各医療従事者により携行され、この識別情報発信装置2を他の識別情報発信装置2と識別するための識別情報を送信する。ここで、識別情報発信装置2は、RFID(Radio Frequency IDentification)タグなどにより構成されており、後述する読取装置8に近付いた場合に、識別情報を送信する。
【0017】
3はナースコール子機であり、各患者のベッド近傍に設置されている。ここで、ナースコール子機3は、子機制御部4、呼出操作部5、スタッフ呼出操作部6、子機インターフェース7を備えて構成されている。
【0018】
読取装置8は、ナースコール子機3の近傍、特にスタッフ呼出操作部6の近傍に設置されており、所定の距離(例えば、1mなど)に近付いた識別情報発信装置2に電源を供給し、電源が供給された識別情報発信装置2から送信された識別情報を受信する。また、読取装置8は、識別情報発信装置2から識別情報を受信すると、この識別情報と、この読取装置8を他の読取装置と識別するための読取装置識別情報とを含む読取信号を生成して出力する。ここで、識別情報発信装置2がRFIDタグである場合には、読取装置8は、RFIDタグリーダにより構成される。
【0019】
なお、識別情報発信装置2および読取装置8は、読取装置8が識別情報発信装置2から識別情報を読み取ることができればどのような機器であっても良く、識別情報発信装置2が無線発信機であり、読取装置8が無線受信機であっても良い。また、携帯端末1と識別情報発信装置2とは、ともに医療従事者によって携行されることから、携帯端末1と識別情報発信装置2とを一体的に構成するようにしても良い。
【0020】
10はナースコール親機であり、医療従事者が常駐するナースステーションなどに設置され、医療従事者によって使用される。ここで、ナースコール親機10は、制御部11、インターフェース12、記憶部13、報知部14を備えて構成されている。
【0021】
次に、ナースコール子機3の各構成要素について説明する。子機制御部4は、ナースコール子機3の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPU(Central Processing Unit)などにより構成されている。呼出操作部5は、呼出ボタンなどにより構成されており、医療従事者を呼び出すために患者によって使用される。また、呼出操作部5が操作されると、子機制御部4は呼出信号を生成する。ここで、呼出信号は、ナースコール子機3を他のナースコール子機3と識別するための子機識別情報(例えば、ベッド番号など)を含む。
【0022】
スタッフ呼出操作部6は、患者の居るベッドの近傍の壁面などに設けられており、呼出ボタンなどにより構成されている。また、スタッフ呼出操作部6は、医療従事者により操作され、スタッフ呼出操作部6を操作した医療従事者が他の医療従事者の応援を要請する際に使用される。スタッフ呼出操作部6が操作されると、子機制御部4はスタッフ呼出信号を生成する。ここで、スタッフ呼出信号は、ナースコール子機3を他のナースコール子機3と識別するための子機識別情報を含む。また、呼出信号に含まれる子機識別情報とスタッフ呼出信号に含まれる子機識別情報とは同一である。
【0023】
子機インターフェース7は、ナースコール子機3とナースコール親機10とを接続して通信を行うためのものである。ここで、子機インターフェース7は、子機制御部4によって生成された呼出信号やスタッフ呼出信号を出力する。
【0024】
次に、ナースコール親機10の各構成要素について説明する。制御部11は、ナースコール親機10の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、CPUなどにより構成されている。また、制御部11は、ナースコール親機10に接続された各病室の読取装置8を制御する。
【0025】
インターフェース12は、ナースコール親機10とナースコール子機3、読取装置8および無線装置20とを接続して通信を行うためのものである。ここで、インターフェース12は、ナースコール子機3から出力された呼出信号やスタッフ呼出信号を入力する。また、インターフェース12は、読取装置8から出力された読取信号を入力する。また、インターフェース12は、後述する制御部11によって生成された報知信号を無線装置20へ出力する。
【0026】
記憶部13は、子機識別情報と、この子機識別情報によって特定されるナースコール子機3を使用する患者を担当する担当医療従事者が携行する識別情報発信装置2の識別情報と、この担当医療従事者が携帯する携帯端末1の携帯端末識別情報とを関連付けて予め記憶している。また、記憶部13は、子機識別情報と、この子機識別情報によって特定されるナースコール子機3の近傍に設置された読取装置8の読取装置識別情報とを関連付けて予め記憶している。
【0027】
例えば、図2(a)に示すように、子機識別情報「101−1」に対して、識別情報「001」および携帯端末識別情報「01」、識別情報「002」および携帯端末識別情報「02」、識別情報「003」および携帯端末識別情報「03」、識別情報「004」および携帯端末識別情報「04」が記憶部13に関連付けて記憶されている。同様に、子機識別情報「201−1」に対して、識別情報「005」および携帯端末識別情報「05」、識別情報「006」および携帯端末識別情報「06」、識別情報「007」および携帯端末識別情報「07」、識別情報「008」および携帯端末識別情報「08」が記憶部13に関連付けて記憶されている。
【0028】
また、図2(b)に示すように、子機識別情報「101−1」に対して読取装置識別情報「1011」が記憶部13に関連付けて記憶されている。また、子機識別情報「201−1」に対して読取装置識別情報「2011」が記憶部13に関連付けて記憶されている。
【0029】
報知部14は、スピーカーや表示ディスプレイ、ランプなどにより構成されており、ナースコール子機3の呼出操作部5が操作されて患者が医療従事者を呼び出したことを報知する。このように構成されたナースコール親機10では、インターフェース12が呼出信号を入力したと制御部11にて判断した場合、制御部11は報知部14を動作させる。また、制御部11は記憶部13を参照して、インターフェース12が入力した呼出信号に含まれる子機識別情報に関連付けて記憶されている全ての携帯端末識別情報を抽出する。そして、制御部11は、抽出した全ての携帯端末識別情報をインターフェース12により無線装置20へ出力する。
【0030】
一方、インターフェース12がスタッフ呼出信号を入力したと制御部11にて判断した場合、制御部11は記憶部13を参照して、インターフェースが入力したスタッフ呼出信号に含まれる子機識別情報に関連付けて記憶されている識別情報および携帯端末識別情報を抽出する(図2(a)参照)とともに、スタッフ呼出信号に含まれる子機識別情報に関連付けて記憶されている読取装置識別情報を抽出する(図2(b)参照)。また、インターフェース12が読取信号を入力したか否かを制御部11にて判定する。
【0031】
ここで、ナースコール子機3のスタッフ呼出操作部6が携帯端末1および識別情報発信装置2を携行する医療従事者によって操作された場合には、読取装置8が識別情報発信装置2から識別情報を読み取り、この識別情報および読取装置識別情報を含む読取信号を出力するため、インターフェース12は読取信号を入力することになる。また、ナースコール子機3を使用する患者を担当する担当医療従事者によってスタッフ呼出操作部6が操作された場合には、インターフェース12が入力した読取信号に含まれる読取装置識別情報は、抽出された読取装置識別情報の何れかと一致する。
【0032】
すると、制御部11は、一致した読取装置識別情報を含む読取信号から識別情報を取得し、記憶部13を参照して、識別情報に関連付けて記憶されている携帯端末識別情報を抽出する。そして、スタッフ呼出信号に含まれている子機識別情報に関連付けて記憶されている全ての携帯端末識別情報の中から抽出した携帯端末識別情報を除いてインターフェース12により無線装置20へ出力する。
【0033】
無線装置20は、ナースコール親機10から出力された携帯端末識別情報を入力し、それらの携帯端末識別情報を含む報知信号を生成して各携帯端末1へ送信する。ここで、無線装置20は、病院内の各所に設置された中継装置を備えており、その中継装置を介して報知信号を送信するため、携帯端末1が病院内のどの場所にあっても、報知信号を受信することが可能となる。
【0034】
このように構成されたナースコールシステムにおいて、例えば、子機識別情報「101−1」で特定されるナースコール子機3のスタッフ呼出操作部6が、携帯端末識別情報「01」で特定される携帯端末1および識別情報「001」で特定される識別情報発信装置2を携行する医療従事者により操作された場合、ナースコール子機3では、子機制御部4にて子機識別情報「101−1」を含むスタッフ呼出信号を生成し、子機インターフェース7にてナースコール親機10へ出力される。
【0035】
また、子機識別情報「101−1」で特定されるナースコール子機3の近傍に設置された読取装置識別情報「1011」で特定される読取装置8は、識別情報発信装置2から識別情報「001」を読み取り、この識別情報「001」および読取装置識別情報「1011」を含む読取信号をナースコール親機10へ出力する。
【0036】
ナースコール親機10のインターフェース12は、子機識別情報「101−1」を含むスタッフ呼出信号をナースコール子機3から入力するとともに、識別情報「001」および読取装置識別情報「1011」を含む読取信号を読取装置8から入力する。すると、制御部11は記憶部13を参照して(図(b))、子機識別情報「101−1」関連付けて記憶されている読取装置識別情報「1011」を抽出し、読取信号に含まれる読取装置識別情報「1011」と比較を行う。
【0037】
この場合、両者が一致するため、制御部11は、読取信号に含まれる識別情報「001」を抽出する。そして、制御部11は記憶部13を参照し(図(a))、入力したスタッフ呼出信号に含まれる子機識別情報「101−1」に関連付けて記憶されている識別情報「001」、「002」、「003」、「004」のうち、識別情報「001」を除く識別情報「002」に関連付けて記憶されている携帯端末識別情報「02」、識別情報「003」に関連付けて記憶されている携帯端末識別情報「03」、識別情報「004」に関連付けて記憶されている携帯端末識別情報「04」を無線装置20へ出力する。
【0038】
無線装置20は、携帯端末識別情報「02」、「03」、「04」を含む報知信号を生成して、各携帯端末1へ送信する。各携帯端末1では、自装置の携帯端末識別情報を含む報知信号を入力した場合に報知を行う。ここでは、携帯端末識別情報「02」、「03」、「04」の携帯端末識別情報により特定される携帯端末1が報知を行うことになる。そのため、スタッフ呼出操作部6を操作した医療従事者が携帯する携帯端末1は報知を行わないことになる。
【0039】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、患者の近傍に設置され、その患者を担当する担当医療従事者の応援を要請するためのスタッフ呼出操作部6が操作された場合に、スタッフ呼出操作部6の近傍に設置された読取装置8が、医療従事者が携行している識別情報発信装置2から識別情報を読み取るようにしている。そして、患者を担当する全ての担当医療従事者が携帯する携帯端末1のうち、読取装置8によって読み取られた識別情報に関連付けて記憶部13に記憶されている携帯端末識別情報によって特定される携帯端末1を除く携帯端末1に対して報知信号を送信するようにしている。
【0040】
これにより、ある患者を担当する担当医療従事者がその患者を担当する担当医療従事者の応援を要請する際にスタッフ呼出操作部6を操作しても、応援を要請した担当医療従事者自身が携帯する携帯端末1は報知を行わないので、応援を要請した担当医療従事者に過度の負担がかからなくなる。
【0041】
なお、前述した実施形態では、読取装置8は、所定の距離に近付いた識別情報発信装置2に電源を供給し、電源が供給された識別情報発信装置2から送信された識別情報を常に受信するようにしているが、これに限定されない。例えば、スタッフ呼出操作部6が操作された場合にのみ識別情報発信装置2へ電源を供給するようにしても良い。
【0042】
また、前述した実施形態では、識別情報発信装置2が発信する識別情報と携帯端末1の携帯端末識別情報とを別々に設定しているが、これに限定されない。例えば、識別情報発信装置2が発信する識別情報と携帯端末1の携帯端末識別情報とを同一のものとしても良い。
【0043】
また、前述した実施形態では、ナースコール子機3の子機識別情報と読取装置8の読取装置識別情報とを別々に設定しているが、これに限定されない。例えば、ナースコール子機3の子機識別情報と読取装置8の読取装置識別情報とを同一のものとしても良い。
【0044】
また、前述した実施形態では、ナースコール親機10の報知部14は、ナースコール子機3の呼出操作部5が操作された場合にのみ報知を行っていたが、これに限定されない。例えば、ナースコール子機3のスタッフ呼出操作部6が操作された場合にも、ナースコール親機10の報知部14が報知を行うようにしても良い。この場合、報知部14では、呼び出すべき担当医療従事者を特定して報知を行うことが好ましい。
【0045】
その他、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 携帯端末
2 識別情報発信装置
3 ナースコール子機
4 制御部
5 呼出操作部
6 スタッフ呼出操作部
7 子機インターフェース
8 読取装置
10 ナースコール親機
11 制御部
12 インターフェース
13 記憶部
14 報知部
20 無線装置
図1
図2