特許第5765917号(P5765917)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5765917-遊技球供給機構 図000002
  • 特許5765917-遊技球供給機構 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5765917
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】遊技球供給機構
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
   A63F7/02 326G
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-244481(P2010-244481)
(22)【出願日】2010年10月29日
(65)【公開番号】特開2012-95746(P2012-95746A)
(43)【公開日】2012年5月24日
【審査請求日】2013年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】591199431
【氏名又は名称】有限会社愛和ライト
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】三輪 稔
(72)【発明者】
【氏名】中野 幸二
【審査官】 森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−103005(JP,A)
【文献】 特開平04−122380(JP,A)
【文献】 特開2004−298264(JP,A)
【文献】 特開2008−295619(JP,A)
【文献】 特開2003−159473(JP,A)
【文献】 実開平06−000489(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の前面側で賞球用または貸球用の遊技球を排出する排出口と、
前記排出口から排出された前記遊技球を受け止めて貯留する若しくは導く椀状の球受皿と、
を備え、
前記球受皿は、前記遊技機の前面側で移動可能に構成されており、
前記排出口は、前記球受皿の移動可能な範囲の少なくとも一部の鉛直上方である供給位置へ移動可能に構成され
さらに、前記球受皿と前記遊技機が備える上皿とを連結し、前記球受け皿の位置に関わらず、前記球受皿から前記上皿へ前記遊技球を供給可能な供給手段を備えること
を特徴とする遊技球供給機構。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技球供給機構において、
前記遊技機に回動可能に取り付けられた回動部材を備え、
前記排出口は、前記回動部材に取り付けられて、前記回動部材の回動に伴って移動可能であること
を特徴とする遊技球供給機構。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技球供給機構において、
前記回動部材は、前記遊技機に上下方向を中心軸として回動可能に取り付けられ、
前記排出口は、前記回動部材に取り付けられて、前記回動部材の回動に伴って水平方向に移動可能であること
を特徴とする遊技球供給機構。
【請求項4】
請求項2または請求項3の何れか1項に記載の遊技球供給機構において、
前記回動部材は、途中から上方へ向けて折れ曲がるよう構成されていることを特徴とする遊技球供給機構。
【請求項5】
請求項4に記載の遊技球供給機構において、
前記排出口は、前記回動部材が折れ曲がっていない場合に遊技球を排出可能な状態となり、前記回動部材が折れ曲がっている場合に遊技球を排出不可能な状態となるよう構成されることを特徴とする遊技球供給機構。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技球供給機構において、
前記排出口は、前記供給位置にある場合に遊技球を排出可能な状態となり、前記供給位置以外にある場合に遊技球を排出不可能な状態となるよう構成されること
を特徴とする遊技球供給機構。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の遊技球供給機構において、
遊技者が操作可能な操作部を備え、
前記排出口は、前記操作部に対する遊技者の操作によって前記遊技球を排出可能な状態と排出不可能な状態とで切換可能に構成されていること
を特徴とする遊技球供給機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
遊技機には例えばパチンコ機のように遊技を実行するために或いは入賞などに対応する景品体として遊技球を使用するものがある。そうした遊技機には、投入用の遊技球や排出された遊技球を貯留するための球受皿が備えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−276381号公報(第2頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技機における新たな趣向が求められており、例えば、球受皿を遊技状況に応じて横方向に移動させることが考えられる。
しかし、上述のように球受皿を横方向に移動させると、投入用の遊技球や排出された遊技球を球受皿が受け止めることができなくなるおそれがある。
【0005】
なお、遊技球が球受皿から飛び出したりこぼれ落ちると、これに気を取られて遊技に集中できなかったり、こぼれた遊技球を回収しようとして近隣の遊技者に迷惑をかけることがある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、遊技球を受け止めて貯留するという球受皿の機能を確保しながら、球受皿を用いた新たな趣向を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る遊技球供給機構は、遊技機の前面側で賞球用または貸球用の遊技球を排出する排出口と、前記排出口から排出された前記遊技球を受け止めて貯留する若しくは導く椀状の球受皿と、を備え、前記球受皿は、前記遊技機の前面側で移動可能に構成されており、前記排出口は、前記球受皿の移動可能な範囲の少なくとも一部の鉛直上方である供給位置へ移動可能に構成され、さらに、前記球受皿と前記遊技機が備える上皿とを連結し、前記球受け皿の位置に関わらず、前記球受皿から前記上皿へ前記遊技球を供給可能な供給部材を備えることを特徴とする。
【0008】
このように構成された本発明の遊技球供給機構によれば、球受皿が遊技機の前面側で移動可能に構成されており、排出口が球受皿の移動可能な範囲の少なくとも一部の鉛直上方(供給位置)へ移動可能に構成され、さらに、球受皿と遊技機が備える上皿とを連結し、球受け皿の位置に関わらず、球受皿から上皿へ遊技球を供給可能な供給部材を備えているので、遊技球を受け止めて貯留するという球受皿としての基本機能を確保しながら、球受皿を遊技状況に応じて移動させることで、球受皿を用いた新たな趣向を提案することができる。
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項2に係る遊技球供給機構は、請求項1に記載の遊技球供給機構において、前記遊技機に回動可能に取り付けられた回動部材を備え、前記排出口は、前記回動部材に取り付けられて、前記回動部材の回動に伴って移動可能であることを特徴とする。
【0010】
このように構成された本発明の遊技球供給機構によれば、排出口を移動可能に構成するために上述のような回動部材を備えるだけでよいので、簡単な構成で排出口を移動可能にすることができる。
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項3に係る遊技球供給機構は、請求項2に記載の遊技球供給機構において、前記回動部材は、前記遊技機に上下方向を中心軸として回動可能に取り付けられ、前記排出口は、前記回動部材に取り付けられて、前記回動部材の回動に伴って水平方向に移動可能であることを特徴とする。
【0012】
このように構成された本発明の遊技球供給機構によれば、排出口が回動部材の回動に伴って水平方向に移動可能となり、移動によって排出口の高さが変化しない。例えば、球受皿が水平方向に移動可能に構成される場合に、球受皿から排出口までの遊技球の落下距離を一定とすることができる。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項4に係る遊技球供給機構は、請求項2または請求項3の何れか1項に記載の遊技球供給機構において、前記回動部材は、途中から上方へ向けて折れ曲がるよう構成されていることを特徴とする。
【0014】
このように構成された本発明の遊技球供給機構によれば、回動部材を途中から上方へ向けて折り曲げることで、回動部材および排出口が遊技の妨げになりにくくなる。
上記課題を解決するためになされた請求項5に係る遊技球供給機構は、請求項4に記載の遊技球供給機構において、前記排出口は、前記回動部材が折れ曲がっていない場合に遊技球を排出可能な状態となり、前記回動部材が折れ曲がっている場合に遊技球を排出不可能な状態となるよう構成されることを特徴とする。
【0015】
このように構成された本発明の遊技球供給機構によれば、回動部材が折れ曲がっていない場合には、排出口が遊技球を排出可能な状態となるので、排出口から排出された遊技球が球受皿に落下するようにできる。そして、回動部材が折れ曲がっている場合には、排出口が遊技球を排出不可能な状態となるので、誤って排出口から遊技球が排出されて球受皿以外に落下することがない。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項6に係る遊技球供給機構は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技球供給機構において、前記排出口は、前記供給位置にある場合に遊技球を排出可能な状態となり、前記供給位置以外の位置にある場合に遊技球を排出不可能な状態となるよう構成されることを特徴とする。
【0017】
このように構成された本発明の遊技球供給機構によれば、排出口が供給位置にある場合には遊技球を排出可能な状態となるので、排出口から排出された遊技球が球受皿に落下するようにできる。そして、排出口が供給位置以外にある場合には遊技球を排出不可能な状態となるので、誤って排出口から遊技球が排出されて球受皿以外に落下することがない。
【0018】
上記課題を解決するためになされた請求項7に係る遊技球供給機構は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の遊技球供給機構において、遊技者が操作可能な操作部を備え、前記排出口は、前記操作部に対する遊技者の操作によって前記遊技球を排出可能な状態と排出不可能な状態とで切換可能に構成されていることを特徴とする。
【0019】
このように構成された本発明の遊技球供給機構によれば、排出口が球受皿の鉛直上方に位置する場合には、遊技者が操作部を操作して、排出口を遊技球が排出可能な状態とすれば、排出口から排出された遊技球が球受皿に落下するようにできる。そして、排出口が球受皿の鉛直上方以外の位置にある場合には、遊技者が操作部を操作して、排出口を遊技球が排出不可能な状態とすることができ、誤って排出口から遊技球が排出されて球受皿以外に落下することがない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】遊技球供給機構の概略構成図(1)
図2】遊技球供給機構の概略構成図(2)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
[1.遊技機1の構成の説明]
図1に示すように、本実施形態の遊技機1は、遊技機1の外殻を構成して遊技機設置島に固定される外枠10と、扉状に開閉可能に外枠10に組付けられて遊技盤を保持する中枠20と、中枠20に保持された遊技盤の前側にて扉状に開閉可能に中枠20に組付けられて透明板を保持する前面扉枠30と、を備え、中枠20に保持される遊技盤と前面扉枠30に保持される透明板との間に形成される遊技領域に、遊技者の操作によって発射装置(図示省略)から発射される遊技球を転動させる構成になっている。
【0022】
そして、本実施形態の遊技機1は、本発明に係る遊技球供給機構40を備えている。以下に、遊技球供給機構40について詳細に説明する。
[2.遊技球供給機構40の構成の説明]
遊技球供給機構40は、球受皿41と、排出部42と、を備え、排出部42が排出した遊技球を球受皿41にて受け止めて貯留した後に当該遊技機1の内部(発射装置)に供給する機構である。以下に、遊技球供給機構40の各部について順に説明する。
【0023】
[2.1.球受皿41の構成の説明]
球受皿41は、椀状に形成されて、前面扉枠30に取り付けられており、上方から落下してきた遊技球を受け止めて貯留する若しくは導くことができる。なお、本実施形態では、球受皿41が取り付けられる位置は、前面扉枠30に取り付けられている上皿31の上方である。そして、球受皿41は、上皿31の上方にて、例えば水平方向に移動可能となっている。具体的には、前面扉枠30における上皿31の上方には、水平方向に延長する溝状のガイド溝32が形成されており、球受皿41に形成された突起(図示省略)がこの前面扉枠30のガイド溝32に差し込まれ、突起がガイド溝32に案内されることで球受皿41が水平方向に移動可能となっている。
【0024】
これは、遊技機の多様化によって上皿31が大型化したりその位置が一定ではなかったりして、既成の排出部では対応できなくなってきていることが背景にあり、上述のように球受皿41を移動可能にすることにより、上皿31のサイズや位置に関わらず、球受皿41から上皿31へ遊技球を供給可能となる。
【0025】
また、本実施形態では、左端まで移動した球受皿41の意匠と前面扉枠30の意匠とが一体となるよう意図されており(図2参照)、デザイン性が良い。
さらに、球受皿41と前面扉枠30の上皿31とは、例えば柔軟性を有する中空のチューブ41aや樋で連結されており、球受皿41の位置に関わらず、球受皿41から上皿31へ遊技球を供給することができる。
【0026】
[2.2.排出部42の構成の説明]
排出部42は、支持部材43と、アーム部材44と、排出部本体45と、を備える。以下、順に説明する。
【0027】
支持部材43は、円柱形状に形成された回転部43aのほぼ中央から半径方向に円柱形状の延出部43bが延出した形状を有する。そして、支持部材43は、回転部43aの両端を、上側の上側軸受43cおよび下側の下側軸受43dによってそれぞれ回転可能に支持されながら、当該遊技機1の向かって左側にある台間貸出機100に取り付けられている。このことにより、支持部材43においては、回転部43aが台間貸出機100の上下方向を中心として回転可能となっており、この回転部43aの回転に伴って延出部43bが遊技機1の横方向に回動するようになっている。
【0028】
また、支持部材43には、回転部43aの側面から延出部43bの先端までの貫通孔(図示省略)が形成されており、回転部43aが延出部43bの長手方向と遊技機1の前面とが平行となる状態まで回転した際に、回転部43aの側面側の開口(図示省略)と台間貸出機100側の開口とが連通するようになっている。なお、この支持部材43の貫通孔は、回転部43aと延出部43bとの連結部分から延出部43bの先端側へ行くに従って下方へ傾斜するよう形成されている。
【0029】
アーム部材44は、棒状に形成され、その一端が支持部材43の延出部43bの先端に取り付けられている。具体的には、アーム部材44は、支持部材43の延出部43bと同軸上に配置されるとともに、支持部材43の延出部43bに対して、遊技機1の横方向を中心として上方へ回動可能に取り付けられている。また、アーム部材44には、一方端から他方端までの貫通孔(図示省略)が形成されており、支持部材43の延出部43b側の開口と連通している。なお、このアーム部材44の貫通孔は、支持部材43側の開口から遠ざかるに従って下方へ傾斜するよう形成されている。
【0030】
なお、支持部材43およびアーム部材44が特許請求の範囲の回動部材に該当する。
排出部本体45は、3層構造の略円柱形状であり、これらの径寸法が下方に行くに従って小さくなるよう形成されている。そして、排出部本体45は、最上層の側面がアーム部材44の先端に取り付けられている。また、排出部本体45には、当該排出部本体45の最上層の側面から最下層の下面までの貫通孔(図示省略)が形成されており、当該排出部本体45の最上層の側面側の開口とアーム部材44の開口とが連通している。
【0031】
なお、排出部42の各部は、支持部材43の回転部43aが回転してアーム部材44と遊技機1の前面とが平行になった際に、排出部本体45がガイド溝32の最も右端に移動した球受皿41の上方(供給位置)になるよう設定されている。
【0032】
このように構成される排出部42においては、支持部材43の回転部43aが回転してアーム部材44と遊技機1の前面とが平行になった際に、排出部本体45がガイド溝32の最も右端に移動した球受皿41の上方に位置し、台間貸出機100の開口から排出された貸球用の遊技球が、互いに連通する支持部材43内部の貫通孔とアーム部材44内部の貫通孔と排出部本体45内部の貫通孔とを通過して排出部本体45の最下層の下面側の開口(排出口)46から排出される。なお、排出部本体45から排出された遊技球は、下方に位置する球受皿41に落下して貯留される。
【0033】
また、排出部42においては、支持部材43の回転部43aが回転してアーム部材44と遊技機1の前面とが平行ではない状態になった際には、台間貸出機100の開口と支持部材43の回転部43aの開口とが連通しない状態となって、台間貸出機100から遊技球が供給されなくなり、排出部本体45の排出口46から遊技球が排出されなくなる。
【0034】
また、排出部42においては、アーム部材44を支持部材43との連結部分から上方へ垂直になるまで回動させると、アーム部材44の貫通孔を遊技球が通過できなくなり、排出部本体45の排出口46から遊技球が排出されなくなる。
【0035】
また、排出部42においては、支持部材43の回転部43aが回転してアーム部材44と遊技機1の前面とが直交する状態から、アーム部材44を支持部材43との連結部分から上方へ垂直になるまで回動させると、排出部42が台間貸出機100の前方で折り畳まれた状態となり(図2参照)、遊技の妨げにならなくなるとともに、メンテナンス時の前面扉枠30の開閉の妨げにならなくなる。
【0036】
[3.実施形態の効果]
(1)このように本実施形態の遊技球供給機構40によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、球受皿41が遊技機1の前面側で水平方向に移動可能であり、排出部42においては、排出部本体45の排出口46が支持部材43の回転部43aの回転に伴って、横方向に回動可能である。そして、排出部42の排出口46が、支持部材43の回転部43aが回転してアーム部材44と遊技機1の前面とが平行になった際に、ガイド溝32の最も右端に移動した球受皿41の上方に位置するので、排出部42内部を通過して排出口46から排出された遊技球が、下方に位置する球受皿41に受け止められて貯留される。したがって、遊技球を受け止めて貯留するという球受皿41としての基本機能を確保しながら、球受皿41を遊技状況に応じて移動させることで、球受皿41を用いた新たな趣向を提案することができる。
【0037】
(2)また、本実施形態の遊技球供給機構40によれば、排出部本体45の排出口46が支持部材43の回転部43aの回転に伴って横方向に回動可能となっており、排出口46を横方向に移動可能に構成するために上述のような排出部42を備えるだけでよいので、簡単な構成で排出口46を横方向に移動可能にすることができる。
【0038】
(3)また、本実施形態の遊技球供給機構40によれば、排出部本体45の排出口46が支持部材43の回転部43aの回転に伴って横方向に回動可能となっているので、移動によって排出口46の高さが変化しない。例えば、本実施形態のように球受皿41が水平方向に移動可能に構成される場合に、球受皿41から排出口46までの遊技球の落下距離を一定とすることができる。
【0039】
(4)また、本実施形態の遊技球供給機構40によれば、アーム部材44が、支持部材43の延出部43bに対して、遊技機1の横方向を中心として上方へ回動可能に取り付けられており、排出部42が途中から上方へ向けて折り曲げ可能となっているので、排出部42を途中から上方へ向けて折り曲げることで、排出部42が遊技の妨げになりにくくなる。
【0040】
(5)また、本実施形態の遊技球供給機構40によれば、排出部42の排出口46が、排出部42が折れ曲がっていない場合に遊技球を排出口46から排出可能な状態となるので、排出口46から排出された遊技球が球受皿41に落下するようにでき、一方、排出部42が折れ曲がっている場合に遊技球を排出口46から排出不可能な状態となるので、誤って排出口46から遊技球が排出されて球受皿41以外に落下することがない。
【0041】
(6)また、本実施形態の遊技球供給機構40によれば、支持部材43の回転部43aが回転してアーム部材44と遊技機1の前面とが平行となった際には、遊技球を排出口46から排出可能な状態となるので、排出口46から排出された遊技球が球受皿41に落下するようにでき、一方、支持部材43の回転部43aが回転してアーム部材44と遊技機1の前面とが平行ではない状態になった際には、台間貸出機100の開口と支持部材43の回転部43aの開口とが連通しない状態となって、台間貸出機100から遊技球が供給されなくなり、排出口46から遊技球が排出されなくなるので、誤って排出口46から遊技球が排出されて球受皿41以外に落下することがない。
【0042】
(7)なお、遊技領域を広く取るために遊技盤の位置を下げた場合には、排出口の位置も下がることになるが、球受皿41の位置を移動可能に構成しておけば対応可能である。
[4.他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0043】
(1)上記実施形態では、球受皿41が遊技機1の前面側で水平方向に移動可能に構成されているが、これには限られず、球受皿41を、上下方向や前後方向、斜め方向に移動可能に構成してもよいし、これらを組み合わせて移動可能に構成してもよい。
【0044】
(2)上記実施形態では、球受皿41を上皿31とは別構成としているが、これには限られず、上皿31を横方向などに移動可能に構成して、排出口46から排出される遊技球を受け止めて貯留するようにしてもよい。この場合、上皿が特許請求の範囲の球受皿に該当する。
【0045】
(3)上記実施形態のアーム部材44を伸縮自在に構成してもよい。一例を挙げると、アーム部材44を、互いに径寸法が異なる円筒形状の円筒部材の一方を他方の内部に配置して伸縮自在に構成するといった具合である。
【0046】
(4)上記実施形態では、球受皿41と前面扉枠30の上皿31とが柔軟性を有する中空のチューブ41aで連結されており、球受皿41から上皿31へ遊技球を供給するようになっているが、これには限られず、球受皿41の下部に開閉可能な開口部を設定して、球受皿41に貯留される遊技球を開放中の開口部から下方の上皿31に落下させるようにしてもよい。
【0047】
(5)上記実施形態では、排出部42が台間貸出機100から供給される貸球用の遊技球を排出するように構成されているが、これには限られず、排出部42を外枠10に取り付けて、遊技機1の球タンク(図示省略)から供給される賞球用の遊技球を排出するようにしてもよい。
【0048】
(6)上記実施形態の排出部42の貫通孔を、操作部の操作に応じて開閉可能に構成して、操作部に対する遊技者の操作によって遊技球を排出可能な状態と排出不可能な状態とで切換可能に構成してもよい。
【0049】
このように構成すれば、排出口46が球受皿41の鉛直上方に位置する場合には、遊技者が操作部を操作して、排出口46を遊技球が排出可能な状態とすることにより、排出口46から排出された遊技球が球受皿41に落下するようにできる。そして、排出口46が球受皿の鉛直上方以外の位置にある場合には、遊技者が操作部を操作して、排出口46を遊技球が排出不可能な状態とすることができ、誤って排出口46から遊技球が排出されて球受皿41以外に落下することがない。
【符号の説明】
【0050】
1…遊技機、10…外枠、20…中枠、30…前面扉枠、31…上皿、32…ガイド溝、40…遊技球供給機構、41…球受皿、41a…チューブ、42…排出部、43…支持部材、43a…回転部、43b…延出部、43c…上側軸受、43d…下側軸受、44…アーム部材、45…排出部本体、46…排出口、100…台間貸出機
図1
図2