【実施例】
【0016】
図1は本発明の一実施例を示す巻紙輪転印刷機の同期制御装置の概略構成図、
図2は親機駆動制御装置のブロック図、
図3A及び
図3Bは子機駆動制御装置のブロック図、
図4A乃至
図4Cは親機駆動制御装置の動作フロー図、
図5A及び
図5Bは子機駆動制御装置の動作フロー図、
図6A及び
図6Bは子機駆動制御装置の動作フロー図である。
【0017】
図1に示すように、第1の巻紙輪転印刷機としてのウェブ輪転印刷機からなる親機Aにおいては、給紙部1及びインフィード部2から連続的に供給されるウェブW1は、先ず第1(1色目の)印刷ユニット3〜第4(4色目の)印刷ユニット6を通過する際に各種の印刷が施され、次いで乾燥機7を通過する際に加熱されて乾燥させられ、引き続きクーリング部8を通過する際に冷却させられ、その後ドラッグ部9を通過する際にテンション制御又は方向の変更が行なわれた後、折機10により所定の形状に断裁され折り畳まれることになる。
【0018】
前記第1〜第4印刷ユニット3〜6や折機10は機械軸(ラインシャフト)11を介して親機の原動モータ(第1の駆動モータ)13に駆動されるようになっている。この親機の原動モータ13には当該親機の原動モータ13の回転速度を検出する親機の原動モータ用ロータリ・エンコーダ14が付設されている。また、親機の原動モータ13は親機駆動制御装置(制御装置)12により駆動制御され、この親機駆動制御装置12に前記親機の原動モータ用ロータリ・エンコーダ14の検出信号が入力される。
【0019】
一方、第2の巻紙輪転印刷機としてのウェブ輪転印刷機からなる子機Bにおいては、給紙部101及びインフィード部102から連続的に供給されるウェブW2は、先ず第1(1色目の)印刷ユニット103〜第4(4色目の)印刷ユニット106を通過する際に各種の印刷が施され、次いで乾燥機107を通過する際に加熱されて乾燥させられ、引き続きクーリング部108を通過する際に冷却させられ、その後ドラッグ部109を通過する際にテンション制御又は方向の変更が行なわれた後、折機110により所定の形状に断裁され折り畳まれることになる。
【0020】
前記第1〜第4印刷ユニット103〜106や折機110は機械軸(ラインシャフト)111を介して子機の原動モータ(第2の駆動モータ)113に駆動されるようになっている。子機の原動モータ113には当該子機の原動モータ113の回転速度を検出する子機の原動モータ用ロータリ・エンコーダ114が付設されている。また、子機の原動モータ113は子機駆動制御装置(制御装置)112により駆動制御され、この子機駆動制御装置112に前記子機の原動モータ用ロータリ・エンコーダ114の検出信号が入力される。
【0021】
そして、本実施例では、親機駆動制御装置12と子機駆動制御装置112が接続されて親機Aと子機Bとが同期制御(運転)されるようになっている。即ち、親機Aと子機Bの双方にて印刷されたウェブW1,W2をともに親機Aの折機10に導いて折り畳むようになっている。
【0022】
また、本実施例では、前記同期制御(運転)に先立って、親機Aと子機Bの原点合わせの際に、子機Bにおけるクーリング部108のクーリング・ローラ(案内ローラ)108a及びドラッグ部109のドラッグ・ローラ(案内ローラ)109aの引き率(テンション)制御を利用して、親機Aと子機BのウェブW1,W2の速度を同じにするようになっている。
【0023】
即ち、クーリング部108のクーリング・ローラ108aは機械軸111を介して子機の原動モータ113に駆動されると共に、ハーモニック・ドライブ(登録商標)等の差動装置115を介して子機のクーリング・ローラ差動駆動用モータ(第3の駆動モータ)116に駆動される。この子機のクーリング・ローラ差動駆動用モータ116には当該子機のクーリング・ローラ差動駆動用モータ116の回転速度を検出する子機のクーリング・ローラ差動駆動用モータ用ロータリ・エンコーダ117が付設されている。この子機のクーリング・ローラ差動駆動用モータ用ロータリ・エンコーダ117の検出信号が子機駆動制御装置112に入力される。
【0024】
一方、ドラッグ部109のドラッグ・ローラ109aは機械軸111を介して子機の原動モータ113に駆動されると共に、ハーモニック・ドライブ(登録商標)等の差動装置118を介して子機のドラッグ・ローラ差動駆動用モータ(第3の駆動モータ)119に駆動される。この子機のドラッグ・ローラ差動駆動用モータ119には当該子機のドラッグ・ローラ差動駆動用モータ119の回転速度を検出する子機のドラッグ・ローラ差動駆動用モータ用ロータリ・エンコーダ120が付設されている。この子機のドラッグ・ローラ差動駆動用モータ用ロータリ・エンコーダ120の検出信号が子機駆動制御装置112に入力される。
【0025】
尚、クーリング部108のクーリング・ローラ108a及びドラッグ部109のドラッグ・ローラ109aの引き率(テンション)制御は、本出願人による特許文献1等で既に公知であるので、詳しい説明は特許文献1を参照してここでの説明は省略する。また、ハーモニック・ドライブ(登録商標)は、ウェーブ・ジェネレータ、フレクスプライン、サーキュラ・スプラインからなる公知のもので、詳しい説明は特許文献2を参照してここでの説明は省略する。
【0026】
前記親機駆動制御装置12は、
図2に示すように、CPU20とROM21とRAM22との他に、各入出力装置23〜26、内部クロック・カウンタ27及びインタフェース28がBUS(母線)で接続されてなる。
【0027】
また、BUSには、印刷速度記憶用メモリM1、子機駆動制御装置に回転速度及び子機の仮想の現在の回転位相を送信する時間間隔記憶用メモリM2、親機の現在の回転位相検出用カウンタのカウント値記憶用メモリM3、親機の現在の回転位相記憶用メモリM4、子機の回転位相の補正値記憶用メモリM5、子機の仮想の現在の回転位相記憶用メモリM6及び緩動速度記憶用メモリM7が接続される。
【0028】
入出力装置23には、印刷開始スイッチ29、印刷終了スイッチ30、キーボートや各種スイッチ及びボタン等の入力装置31、CRTやランプ等の表示器32及び出力装置(フロッピー・ディスク(登録商標)ドライブ、プリンタ等)33が接続される。
【0029】
入出力装置24には、印刷速度設定器34が接続される。
【0030】
入出力装置25には、D/A変換器35及び親機の原動モータ・ドライバ36を介して親機の原動モータ13が接続される。
【0031】
入出力装置26には、親機の現在の回転位相検出用カウンタ37を介して親機の原動モータ13に付設された親機の原動モータ用ロータリ・エンコーダ14が接続される。親機の原動モータ用ロータリ・エンコーダ14が発生するクロック・パルスは親機の原動モータ・ドライバ36にも入力される。そして、親機の原動モータ用ロータリ・エンコーダ14が発生するゼロ・パルスで親機の現在の回転位相検出用カウンタ37がリセットされる。
【0032】
インタフェース28には、親機の第1印刷ユニット3〜親機の第4印刷ユニット6と子機駆動制御装置112が接続される。
【0033】
前記子機駆動制御装置112は、
図3A及び
図3Bに示すように、CPU40とROM41とRAM42との他に、各入出力装置43〜48及びインタフェース49がBUS(母線)で接続されてなる。
【0034】
また、BUSには、緩動速度記憶用メモリM10、子機の仮想の現在の回転位相記憶用メモリM11、子機の現在の回転位相検出用カウンタのカウント値記憶用メモリM12、子機の現在の回転位相記憶用メモリM13、子機の現在の回転位相の差記憶用メモリM14、子機の現在の回転位相の差の許容値記憶用メモリM15、子機の現在の回転位相の差−補正速度変換テーブル記憶用メモリM16、補正速度記憶用メモリM17、回転速度記憶用メモリM18、印刷速度記憶用メモリM19及び子機の現在の回転位相の差の絶対値記憶用メモリM20が接続される。
【0035】
入出力装置43には、D/A変換器50及び子機の原動モータ・ドライバ51を介して子機の原動モータ113が接続される。
【0036】
入出力装置44には、子機の現在の回転位相検出用カウンタ52を介して子機の原動モータ113に付設された子機の原動モータ用ロータリ・エンコーダ114が接続される。子機の原動モータ用ロータリ・エンコーダ114が発生するクロック・パルスは子機の原動モータ・ドライバ51にも入力される。そして、子機の原動モータ用ロータリ・エンコーダ114が発生するゼロ・パルスで子機の現在の回転位相検出用カウンタ52がリセットされる。
【0037】
入出力装置45には、D/A変換器53及び子機のクーリング・ローラ差動駆動用モータ・ドライバ54を介して子機のクーリング・ローラ差動駆動用モータ116が接続される。前記子機のクーリング・ローラ差動駆動用モータ・ドライバ54には子機のクーリング・ローラ差動駆動用モータ116に付設された子機のクーリング・ローラ差動駆動用モータ用ロータリ・エンコーダ117が発生するクロック・パルスが入力される。
【0038】
入出力装置46は子機のクーリング・ローラ差動駆動用モータ・ドライバ54に接続され、当該子機のクーリング・ローラ差動駆動用モータ・ドライバ54に対して正転/逆転信号を出力するようになっている。
【0039】
入出力装置47には、D/A変換器55及び子機のドラッグ・ローラ差動駆動用モータ・ドライバ56を介して子機のドラッグ・ローラ差動駆動用モータ119が接続される。前記子機のドラッグ・ローラ差動駆動用モータ・ドライバ56には子機のドラッグ・ローラ差動駆動用モータ119に付設された子機のドラッグ・ローラ差動駆動用モータ用ロータリ・エンコーダ120が発生するクロック・パルスが入力される。
【0040】
入出力装置48は子機のドラッグ・ローラ差動駆動用モータ・ドライバ56に接続され、当該子機のドラッグ・ローラ差動駆動用モータ・ドライバ56に対して正転/逆転信号を出力するようになっている。
【0041】
インタフェース49には、子機の第1印刷ユニット103〜子機の第4印刷ユニット106と親機駆動制御装置12が接続される。
【0042】
このように構成されるため、親機Aと子機Bの同期制御にあたって、先ず、親機駆動制御装置12は、
図4A乃至
図4Cに示す動作フローにしたがって動作する。
【0043】
即ち、ステップP1で印刷開始スイッチ29がONされたか否かを判断し、可であればステップP2で子機駆動制御装置112に原点合わせ開始信号を送信する一方、否であればステップP3で印刷速度設定器34に印刷速度が入力されたか否かを判断する。このステップP3で可であれば印刷速度設定器34より印刷速度を読み込み、メモリM1に記憶してステップP1に戻る一方、否であれば直にステップP1に戻る。
【0044】
次に、ステップP5で内部クロック・カウンタ27にリセット信号を出力した後、ステップP6で内部クロック・カウンタ27へのリセット信号出力を停止する。
【0045】
次に、ステップP7で内部クロック・カウンタ27のカウント値を読み込んだ後、ステップP8で子機駆動制御装置に回転速度及び子機の仮想の現在の回転位相を送信する時間間隔をメモリM2から読み込む。
【0046】
次に、ステップP9で内部クロック・カウンタのカウント値=子機駆動制御装置に回転速度及び子機の仮想の現在の回転位相を送信する時間間隔か否かを判断し、可であればステップP10で親機Aの現在の回転位相検出用カウンタ37よりカウント値を読み込み、メモリM3に記憶する。
【0047】
次に、ステップP11で親機Aの現在の回転位相検出用カウンタ37のカウント値より、親機Aの現在の回転位相を演算してメモリM4に記憶した後、ステップP12で子機Bの回転位相の補正値をメモリM5から読み込む。
【0048】
次に、ステップP13で親機Aの現在の回転位相に子機Bの回転位相の補正値を加算し、子機Bの仮想の現在の回転位相を演算してメモリM6に記憶した後、ステップP14で緩動速度をメモリM7から読み込む。
【0049】
次に、ステップP15で子機駆動制御装置112に緩動速度及び子機Bの仮想の現在の回転位相を送信した後、ステップP16で緩動速度をメモリM7から読み込む。次いで、ステップP17で親機Aの原動モータ・ドライバ36に
D/A変換器35を介して緩動速度を出力してステップP5に戻る。
【0050】
以上の動作フローによって、親機Aと子機Bの原点合わせが実施される。
【0051】
次に、前記ステップP9で否であれば、ステップP18で子機駆動制御装置112より原点合わせ完了信号が送信されたか否かを判断し、可であればステップP19で子機駆動制御装置112に印刷開始信号を送信する一方、否であればステップP7に戻る。
【0052】
次に、ステップP20で親機Aの第1〜第4印刷ユニット3〜6に印刷開始信号(胴入れ信号)を出力した後、ステップP21で内部クロック・カウンタ27にリセット信号を出力する。
【0053】
次に、ステップP22で内部クロック・カウンタ27へのリセット信号出力を停止した後、ステップP23で内部クロック・カウンタ27のカウント値を読み込む。
【0054】
次に、ステップP24で子機駆動制御装置に回転速度及び子機の仮想の現在の回転位相を送信する時間間隔をメモリM2から読み込んだ後、ステップP25で内部クロック・カウンタのカウント値=子機駆動制御装置に回転速度及び子機の仮想の現在の回転位相を送信する時間間隔か否かを判断する。
【0055】
次に、前記ステップP25で可であれば、ステップP26で親機Aの現在の回転位相検出用カウンタ37よりカウント値を読み込み、メモリM3に記憶した後、ステップP27で親機Aの現在の回転位相検出用カウンタ37のカウント値より親機Aの現在の回転位相を演算してメモリM4に記憶する。
【0056】
次に、ステップP28で子機Bの回転位相の補正値をメモリM5から読み込んだ後、ステップP29で親機Aの現在の回転位相に子機Bの回転位相の補正値を加算し、子機Bの仮想の現在の回転位相を演算してメモリM6に記憶する。
【0057】
次に、ステップP30で印刷速度をメモリM1から読み込んだ後、ステップP31で子機駆動制御装置112に、印刷速度及び子機Bの仮想の現在の回転位相を送信する。
【0058】
次に、ステップP32で印刷速度をメモリM1から読み込んだ後、ステップP33で親機Aの原動モータ・ドライバ36にD/A変換器35を介して印刷速度を出力してステップP21に戻る。
【0059】
次に、前記ステップP25で否であれば、ステップP34で印刷終了スイッチ30がONされたか否かを判断し、可であればステップP35で子機駆動制御装置112に印刷終了信号を送信する一方、否であればステップP23に戻る。
【0060】
次に、ステップP36で親機Aの第1〜第4印刷ユニット3〜6に印刷終了信号(胴抜き信号)を出力した後、ステップP37で親機Aの原動モータ・ドライバ36に停止信号を出力する。以後、これを繰り返す。
【0061】
以上の動作フローによって、親機Aと子機Bの同期運転(制御)が実施される。
【0062】
次に、子機駆動制御装置112は、
図5A,
図5B及び
図6A,
図6Bに示す動作フローにしたがって動作する。
【0063】
即ち、ステップP1で親機駆動制御装置12より原点合わせ開始信号が送信され、ステップP2で親機駆動制御装置12より緩動速度及び子機Bの仮想の現在の回転位相が送信されると、ステップP3で親機駆動制御装置12より緩動速度及び子機Bの仮想の現在の回転位相を受信してメモリM10及びメモリM11に記憶する。
【0064】
次に、ステップP4で子機Bの現在の回転位相検出用カウンタ52よりカウント値を読み込んでメモリM12に記憶した後、ステップP5で子機Bの現在の回転位相検出用カウンタ52のカウント値より子機Bの現在の回転位相を演算してメモリM13に記憶する。
【0065】
次に、ステップP6で子機Bの仮想の現在の回転位相より子機Bの現在の回転位相を減算し、子機Bの現在の回転位相の差を演算してメモリM14に記憶した後、ステップP7で子機の現在の回転位相の差<0か否かを判断する。
【0066】
次に、前記ステップP7で可であれば、ステップP8で子機Bの現在の回転位相の差に360°加算し、求めた値を子機Bの現在の回転位相の差記憶用メモリM14に上書きする一方、否であれば後述するステップP10に移行する。
【0067】
次に、ステップP9で子機Bの現在の回転位相の差をメモリM14から読み込んだ後、前述したステップP10で子機Bの現在の回転位相の差の許容値をメモリM15から読み込む。
【0068】
次に、ステップP11で子機の現在の回転位相の差>子機の現在の回転位相の差の許容値か否かを判断し、可であればステップP12で子機の現在の回転位相の差−補正速度変換テーブルをメモリM16から読み込む。
【0069】
次に、ステップP13で子機Bの現在の回転位相の差をメモリM14から読み込んだ後、ステップP14で子機の現在の回転位相の差−補正速度変換テーブルを用いて、子機Bの現在の回転位相の差より補正速度を求め、メモリM17に記憶する。
【0070】
次に、ステップP15で緩動速度をメモリM10から読み込んだ後、ステップP16で緩動速度に補正速度を加算し、回転速度を演算してメモリM18に記憶する。
【0071】
次に、ステップP17で子機Bの原動モータ・ドライバ51にD/A変換器50を介して回転速度を出力した後、ステップP18で補正速度をメモリM17から読み込む。
【0072】
次に、ステップP19で子機Bのクーリング・ローラ差動駆動用モータ・ドライバ54に逆転信号及びD/A変換器53を介して補正速度を出力した後、ステップP20で子機Bのドラッグ・ローラ差動駆動用モータ・ドライバ56に逆転信号及びD/A変換器55を介して補正速度を出力してステップP2に戻る。
【0073】
次に、前記ステップP11で否であれば、ステップP21で緩動速度をメモリM10から読み込んだ後、ステップP22で子機Bの原動モータ・ドライバ51にD/A変換器50を介して緩動速度を出力する。
【0074】
次に、ステップP23で親機駆動制御装置12に原点合わせ完了信号を送信した後、ステップP24で親機駆動制御装置12より印刷開始信号が送信されると、ステップP25で子機Bの第1〜第4印刷ユニット103〜106に印刷開始信号(胴入れ信号)を出力する。
【0075】
以上の動作フローによって、親機Aと子機Bの原点合わせが実施される。
【0076】
次に、ステップP26で親機駆動制御装置12より印刷速度及び子機Bの仮想の現在の回転位相が送信されたか否かを判断し、可であればステップP27で親機駆動制御装置12より印刷速度及び子機Bの仮想の現在の回転位相を受信してメモリM19及びメモリM11に記憶する一方、否であればステップP28で親機駆動制御装置12より印刷終了信号が送信されたか否かを判断する。
【0077】
次に、前記ステップP28で可であれば、ステップP29で子機Bの第1〜第4印刷ユニット103〜106に印刷終了信号(胴抜き信号)を出力した後、ステップP30で子機Bの原動モータ・ドライバ51に停止信号を出力する一方、否であればステップP26に戻る。
【0078】
次に、ステップP31で子機Bの現在の回転位相検出用カウンタ52よりカウント値を読み込んでメモリM12に記憶した後、ステップP32で子機Bの現在の回転位相検出用カウンタ52のカウント値より、子機Bの現在の回転位相を演算してメモリM13に記憶する。
【0079】
次に、ステップP33で子機Bの仮想の現在の回転位相より子機Bの現在の回転位相を減算し、子機Bの現在の回転位相の差を演算してメモリM14に記憶した後、ステップP34で子機Bの現在の回転位相の差より、子機Bの現在の回転位相の差の絶対値を演算してメモリM20に記憶する。
【0080】
次に、ステップP35で子機Bの現在の回転位相の差の許容値をメモリM15から読み込んだ後、ステップP36で子機の現在の回転位相の差の絶対値>子機の現在の回転位相の差の許容値か否かを判断する。
【0081】
次に、前記ステップ36で可であれば、ステップP37で子機の現在の回転位相の差−補正速度変換テーブルをメモリM16から読み込んだ後、ステップP38で子機Bの現在の回転位相の差をメモリM14から読み込む。
【0082】
次に、ステップP39で子機の現在の回転位相の差−補正速度変換テーブルを用いて、子機Bの現在の回転位相の差より補正速度を求め、メモリM17に記憶した後、ステップP40で印刷速度をメモリM19から読み込む。
【0083】
次に、ステップP41で印刷速度に補正速度を加算し、回転速度を演算してメモリM18に記憶した後、ステップP42で子機Bの原動モータ・ドライバ51にD/A変換器50を介して回転速度を出力してステップP26に戻る。
【0084】
次に、前記ステップP36で否であれば、ステップP43で印刷速度をメモリM19から読み込んだ後、ステップP44で子機Bの原動モータ・ドライバ51にD/A変換器50を介して印刷速度を出力してステップP26に戻る。以後、これを繰り返す。
【0085】
以上の動作フローによって、親機Aと子機Bの同期運転(制御)が実施される。
【0086】
このようにして本実施例では、親機Aと子機Bの原点合わせの際に、子機Bと親機Aの速度差に応じた速度で、子機Bのクーリング部108のクーリング・ローラ108a及びドラッグ部109のドラッグ・ローラ109aの駆動系に設けられた引き率調整(テンション調整)用のクーリング・ローラ差動駆動用モータ116及びドラッグ・ローラ差動駆動用モータ119を駆動し、ハーモニック・ドライブ(登録商標)等の差動装置115及び118を介して親機Aの折機10に入る子機側のウェブW2の速度を親機側のウェブW1の速度と同じにするようにしたので、子機B側のウェブ弛みの発生が無くなり、親機Aと子機Bにおける立ち上げ準備時間が減少されるので、ヤレ紙や紙切れの発生が抑制される。
【0087】
また、従前から装備される、子機Bのクーリング部108のクーリング・ローラ108a及びドラッグ部109のドラッグ・ローラ109aの駆動系に設けられた引き率調整(テンション調整)用のハーモニック・ドライブ(登録商標)等の差動装置115及び118とクーリング・ローラ差動駆動用モータ116及びドラッグ・ローラ差動駆動用モータ119を利用しているので、装置新設によるコストアップは招来しない。勿論、子機Bのクーリング部108以降の搬送経路に、クーリング・ローラ108a及びドラッグ・ローラ109aとは別に案内ローラを設けて本実施例と同様に機能させても良いことは言うまでもない。
【0088】
また、本実施例では、クーリング・ローラ108a及びドラッグ・ローラ109aの両方を速度差に応じて駆動するようにしたが、一方のローラからウェブW2を脱状態にし、他方のローラのみを送度差に応じて駆動するようにしても良いことは言うまでもない。
【0089】
尚、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種変更が可能であることは言うまでもない。