(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5766413
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】集積キャリアを備えるドアモジュール
(51)【国際特許分類】
B60J 5/04 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
B60J5/04 P
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2010-153653(P2010-153653)
(22)【出願日】2010年7月6日
(65)【公開番号】特開2012-16962(P2012-16962A)
(43)【公開日】2012年1月26日
【審査請求日】2013年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】508072408
【氏名又は名称】ブローゼ ファールツォイクタイレ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニ コマンディートゲゼルシャフト ハルシュタット
【氏名又は名称原語表記】Brose Fahrzeugteile GmbH & Co. KG, Hallstadt
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(72)【発明者】
【氏名】クリーゼ・オラフ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】オオヤマ・ヤスオ
(72)【発明者】
【氏名】シュタムベルガー・ヴェルナー
【審査官】
岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−081537(JP,A)
【文献】
特表2002−527289(JP,A)
【文献】
実開昭59−148870(JP,U)
【文献】
特開2004−132089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 1/17
B60J 5/04
E05F 11/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ドアの機能構成品を保持する集積キャリアと、前記集積キャリアに設けられて前記集積キャリア上の調節方向に沿って被調節部材をガイドする少なくとも1つのガイド部とを備えた車両ドアのドアモジュールにおいて、
前記少なくとも1つのガイド部(21,22)が、その少なくとも一部において、前記集積キャリア(2)の剛体部(20)に対し前記調節方向(W)に対して直交する方向に、曲げ可能で、かつ、移動可能に形成され、
前記少なくとも1つのガイド部(21,22)が、前記集積キャリア(2)の前記剛体部(20)との一体品として形成され、
前記集積キャリア(2)は延在平面上を延び、
前記剛体部(20)と前記少なくとも1つのガイド部(21,22)が、前記延在平面上で互いに隣接していることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項2】
請求項1において、前記ガイド部(21,22)が、その少なくとも一部において、前記集積キャリア(2)の前記剛体部(20)に対して前記集積キャリア(2)の延在平面にほぼ直交する方向(Y)に移動可能で、かつ/または前記剛体部(20)に対して回動可能であることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項3】
請求項1または2において、前記少なくとも1つのガイド部(21,22)が、その一部において、少なくとも1つの開口部(210,220;210’,220’;210’’,210a’’〜210c’’,220’’,220a’’〜220c’’;210’’’,210a’’’,220’’’,220a’’’;210’’’’;210’’’’’)によって前記集積キャリア(2)の前記剛体部(20)から切り離されていることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項4】
請求項3において、前記少なくとも1つの開口部(210,220,210’,220’;210’’,210a’’〜210c’’,220’’,220a’’〜220c’’;210’’’,210a’’’,220’’’,220a’’’;210’’’’;210’’’’’)が、スロット形状で形成されていることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項5】
請求項3または4において、前記ガイド部(21,22)が、前記集積キャリア(2)の前記剛体部(20)に少なくとも1つの連結部(211a,211b,221a,221b;211aa,211ab,211ba,211bb,221aa,221ab,221ba,221bb;203)を介して連結されていることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか一項において、前記少なくとも1つのガイド部(21,22)が、前記集積キャリアの縦方向(Z)に沿って延び、前記集積キャリア(2)の前記剛体部(20)に上方の連結部および/または下方の連結部(211a,211b,221a,221b;211aa,211ab,211ba,211bb,221aa,221ab,221ba,221bb;203)によって連結し、その一部において、前記少なくとも1つの開口部(210,220;210’,220’;210’’,210a’’〜210c’’,220’’,220a’’〜220c’’;210’’’,210a’’’,220’’’,220a’’’;210’’’’;210’’’’’)によって前記集積キャリア(2)の前記剛体部(20)から切り離されていることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項7】
請求項3から6のいずれか一項において、前記少なくとも1つのガイド部(21,22)が、第1端部において前記集積キャリア(2)の前記剛体部(20)に連結部(211a,211b,221a,221b;211aa,211ab,211ba,211bb,221aa,221ab,221ba,221bb)を介して連結され、前記第1端部と反対側の第2端部において、前記集積キャリア(2)の前記剛体部(20)から切り離されていることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項8】
車両ドアの機能構成品を保持する集積キャリアと、前記集積キャリアに設けられて前記集積キャリア上の調節方向に沿って被調節部材をガイドする少なくとも1つのガイド部とを備えた車両ドアのドアモジュールにおいて、
前記少なくとも1つのガイド部(21,22)が、その少なくとも一部において、前記集積キャリア(2)の剛体部(20)に対し前記調節方向(W)に対して直交する方向に、曲げ可能で、かつ、移動可能に形成され、
前記少なくとも1つのガイド部(21,22)が、複数の開口部(210a’’〜210c’’,220a’’,220c’’)によって前記集積キャリア(2)の前記剛体部(20)から切り離され、前記少なくとも1つのガイド部(21,22)と前記剛体部(20)とが部分的に曲げ可能に連結されていることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項において、前記少なくとも1つのガイド部(21,22)が、前記調節方向(W)に沿った曲率半径(R,RA,RB)を有し、この曲率半径(R,RA,RB)が前記集積キャリア(2)の前記剛体部(20)の曲率半径(R)と異なることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項10】
請求項9において、前記集積キャリア(2)の前記剛体部(20)と前記少なくとも1つのガイド部(21,22)とが互いに異なる曲率半径(R,RA,RB)を有するように、前記集積キャリア(2)が予め形成されていることを特徴とする、車両ドアのモジュール。
【請求項11】
車両ドアの機能構成品を保持する集積キャリアと、前記集積キャリアに設けられて前記集積キャリア上の調節方向に沿って被調節部材をガイドする少なくとも1つのガイド部とを備えた車両ドアのドアモジュールにおいて、
前記少なくとも1つのガイド部(21,22)が、その少なくとも一部において、前記集積キャリア(2)の剛体部(20)に対し前記調節方向(W)に対して直交する方向に、曲げ可能で、かつ、移動可能に形成され、
前記少なくとも1つのガイド部(21,22)が、前記調節方向(W)に沿った曲率半径(R,RA,RB)を有し、この曲率半径(R,RA,RB)が前記集積キャリア(2)の前記剛体部(20)の曲率半径(R)と異なり、
前記集積キャリア(2)の前記少なくとも1つのガイド部(21,22)と前記剛体部(20)との間にアダプタ片(4,4’,4’’)が配置され、前記アダプタ片(4,4’,4’’)が、前記少なくとも1つのガイド部(21,22)の前記曲率半径(R,RA,RB)および/または前記剛体部(20)に対する前記少なくとも1つのガイド部(21,22)のオフセット(V)を設定することを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか一項において、前記少なくとも1つのガイド部(21,22)の前記曲率半径(R,RA,RB)、および前記剛体部(20)に対する前記少なくとも1つのガイド部(21,22)のオフセット(V)が、前記集積キャリアが固定される、当該車両ドア(1)のドアインナパネル(12)によって設定されることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか一項において、前記少なくとも1つのガイド部(21,22)に、前記曲率半径(R,RA,RB)を設定する張力手段(27)が設けられていることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項において、前記少なくとも1つのガイド部(21,22)に形成部品(5)が配置され、前記形成部品(5)に沿って前記被調節部材(150)がガイドされることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項において、前記集積キャリア(2)が2つのガイド部(21,22)を備え、これら2つのガイド部(21,22)のそれぞれに沿って、前記被調節部材(150)を前記調節方向(W)に沿ってガイドするキャリア(31,32)がガイドされることを特徴とする、車両ドアのドアモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の車両ドア用のドアモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のドアモジュールは、車両ドアの機能構成品を保持する集積キャリア(aggregate carrier)と、前記集積キャリアに設けられて前記集積キャリアの被調節部材を調節方向に沿ってガイドする少なくとも1つのガイド部とを備える。
【0003】
一般的なドアモジュールは、ウィンドウリフトユニット、ラウドスピーカー、サイドエアバッグ、ドアロックアセンブリなどの機能構成品が設置された集積キャリアを使用する。このようなユニットは、部品の予備取付が済んでいるので、予め試験できるだけでなく、車両ドアに簡単に装着することができる。ウィンドウリフトユニットの一部として本明細書で説明する集積キャリアは、ガイドレールの形態の少なくとも1つのガイド部を備え、このガイド部に沿ってウィンドウガラス(この例における被調節部材)がガイドされ、このガイド部を介してウィンドウガラスが前記集積キャリアに移動可能に連結されている。
【0004】
プラスチック製のキャリアプレートからなる集積キャリアがガイドレールからなるガイド部に一体成形された、車両ドアのドアモジュールが知られている(例えば、特許文献1)。このプラスチック製のキャリアプレートに、車両ドアのウィンドウガラスを移動させる駆動ユニットが配置され、この駆動ユニットは、キャリアを介してガイドレールに接続されている。
【0005】
上述のようなドアモジュールは、車両に応じた形状で利用される。一般的に、各車種およびそのバリエーションごとに車両ドアは組立が異なり、構造設計や形状も異なるので、ドアモジュールの形状、特に、集積キャリアの形状は、各車種およびそのバリエーションに合ったものでなければならない。例えば、異なる車両ドアには、異なる曲率半径および異なるピッチ角(これらにより、ウィンドウガラスが車両ドア内にほぼ鉛直方向に収納されるのか、傾いた方向で収納されるのかが決まる)を有するウィンドウガラスが使用され、それに合った集積キャリア、詳細には、集積キャリアに設けられるガイド部が必要となる。なぜなら、集積キャリアに設けられるガイド部は、集積キャリア上での曲率半径および角度構成が、被調節部材であるウィンドウガラスに適合していなければならないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許発明第199 44 965号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、異なる条件下においても実質的な構造上の変更を必要とせず、簡単かつ安価に製造できる集積キャリアを備える車両ドアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、請求項1に記載された構成を有する装置によって達成される。
【0009】
本発明では、少なくとも1つのガイド部が、その少なくとも一部において、集積キャリアの剛体部に対し調節方向に直交する方向に曲げ可能で、かつ、移動可能に形成されている。
【0010】
本発明は、集積キャリアを、少なくとも1つのガイド部と剛体部とに分けるという発想に基づいている。このガイド部に沿って、例えばウィンドウガラスのような被調節部材がガイドされる。ガイド部を曲げ可能に構成し、このガイド部を集積キャリアの剛体部に移動可能に連結することにより、集積キャリアの内部に可撓性を与えることができる。この可撓性により、ガイド部を被調節部材に対して柔軟に適合させることができる。ガイド部は、その少なくとも一部において可撓性を有しており、かつ、その少なくとも一部において剛体部と移動可能に連結しているので、被調節部材に適合させることができ、特に、被調節部材の曲率半径に合致させることができる。
【0011】
本発明のドアモジュールにより、異なる車種およびその様々なバリエーションに対して汎用的に使用可能なドアモジュールを提供することができる。このドアモジュールでは、集積キャリアを車両ドアに連結する際、集積キャリアの剛体部に対し曲げ可能に形成された少なくとも1つのガイド部を、被調節部材(特に、ウィンドウガラス)に対して柔軟に適合させることができるので、種々の異なる条件に対応することができる。
【0012】
好ましくは、前記少なくとも1つのガイド部が前記集積キャリアの前記剛体部に設けられ、その少なくとも一部において、前記集積キャリアの前記剛体部に対し前記集積キャリアの延在平面にほぼ直交する方向に移動可能、および/または前記剛体部の周りに回動可能である。この構成は、集積キャリアの前記剛体部と一体的に形成されたガイド部によって実現可能であり、例えば、前記少なくとも1つのガイド部が、その一部において、少なくとも1つの凹部または開口部によって前記集積キャリアの前記剛体部から切り離された構成によって実現可能である。
【0013】
ガイド部を切り離す開口部により、集積キャリアの剛体部から切り離された領域において、ガイド部が剛体部に対し移動することができる。特に、ガイド部は、凹部または開口部により、集積キャリアの平らに延在する剛体部に対し垂直に移動することができるので、被調節部材の形状および曲率半径によって決まる、被調節部材の移動経路に柔軟に適合させることができる。
【0014】
ガイド部と剛体部との間に設けられる前記少なくとも1つの開口部は、例えば、貫通したスロット(溝)状で形成され、ガイド部を、その一部において、剛体部から切り離している。ガイド部が剛体部から切り離されていない領域では、ガイド部は、少なくとも1つの連結部を介して集積キャリアの剛体部に連結している。この少なくとも1つの連結部も、曲げ可能に形成してもよい。
【0015】
好ましくは、前記少なくとも1つのガイド部は、前記集積キャリアにおいて車両の鉛直方向にほぼ一致する縦方向に沿って延びている。本発明において、前記少なくとも1つのガイド部は、前記集積キャリアの前記剛体部に上方の連結部および/または下方の連結部によって連結していてもよく、また、その一部において、前記少なくとも1つの開口部によって前記集積キャリアの前記剛体部から切り離されていてもよい。
【0016】
第1の変形例において、ガイド部は、上方の連結部と下方の連結部とによって剛体部に連結しており、中央に位置する開口部によって剛体部から切り離されている。このような開口部により、上端部と下端部の両方で剛体部に連結したガイド部は、その中央領域において剛体部に対し移動可能である。この場合、剛体部に対する可撓性は、ガイド部のほぼ中央において最大となる。
【0017】
第2の変形例において、前記少なくとも1つのガイド部は、第1端部において前記集積キャリアの前記剛体部に連結部によって連結しているが、当該第1端部と反対側の第2端部では、前記集積キャリアの前記剛体部から切り離されている。この場合、ガイド部は、一方の端部のみで集積キャリアの剛体部に連結すると共に、その上端部では縦方向に沿って切り離されているので、これにより、集積キャリアの剛体部に対し可撓性を有する。ガイド部は、第2端部では剛体部に連結せずに切り離されているので、その切り離された第2端部の領域において最大の可撓性を有する。
【0018】
上述の第2の変形例に対応する実施形態では、ガイド部は、上方領域において切り離されているので、その上方領域において最大の可撓性を有する。被調節部材をウィンドウガラスとした場合、この構成は、ガイド部の上方領域をガイドされる際に、ウィンドウガラスが従来どおりその側方をドアフレームおよびドアフレームの天井部によってガイドされるので有利である。他方、ガイド部の下方領域をガイドされる際のウィンドウガラスは、ガイド部の上方領域よりも可撓性が小さい領域に存在することになるので、ガイド部および集積キャリアに確実に保持される。
【0019】
第3の変形例において、前記少なくとも1つのガイド部は、複数の開口部によって前記集積キャリアの前記剛体部から切り離され、これにより、少なくとも1つのガイド部と前記剛体部とが部分的に曲げ可能に連結されている。すなわち、互いに独立した複数の開口部が設けられている。これら複数の開口部は、互いに長さが異なっていてもよい。複数の異なる開口部を設けることにより、ガイドレールと剛体部との連結部の慣性モーメントを、正確に適合させることができ、かつ、それをガイド部の縦方向に沿って変化させることができる。このように変化する慣性モーメントにより、ガイド部と剛体部との間の連結部は、変化する可撓性を有する可撓連結部となり、ガイド部における剛体部に強固に連結されている側の端部と切り離された端部との間の遷移領域において、被調節部材の移動経路に適合させることができる。
【0020】
集積キャリアのガイド部と剛体部とが、少なくとも一部において、移動可能かつ曲げ可能に連結されていることにより、ガイド部の曲率半径を被調節部材に合わせて調節することができ、その結果、様々な車両および車種に対して適用可能な、汎用的なドアモジュールとすることができる。本発明において、ガイド部の曲率半径は、集積キャリアの剛体部の曲率半径よりも小さくされるが、場合によっては、それよりも大きくてもよい。また、集積キャリアは、そのようなガイド部が形成された状態で製造され、且つその状態で供給されてもよい。また、集積キャリアを、曲率および曲率半径が均一な、例えばプラスチックまたは金属から形成された一体品として形成した後、これを特定の被調節部材の条件に合わせて調節してもよい。
【0021】
ガイド部を特定の被調節部材に適合させるために、ガイド部と剛体部との間の開口部の領域に、これらとは別体のアダプタ片を配置してもよい。本発明において、アダプタ片は、例えば、剛体部に対してガイド部を圧縮することにより、ガイド部の曲率半径および/または剛体部に対するオフセットを設定するものであってもよい。アダプタ片は、例えばプラスチック製で、開口部内に挿入されてガイド部を圧縮して曲げることにより、ガイド部の曲率半径および/またはガイド部のオフセットを所望に設定するものであってもよい。
【0022】
集積キャリアを車両ドアのドアインナパネルに固定することによって、集積キャリアのガイド部の曲率半径および剛体部に対するガイド部のオフセットを設定するようにしてもよい。この場合、固定部が設けられたドアインナパネルは、例えば、これにガイド部を固定する際にガイド部が圧縮されることにより、ガイド部の曲率半径および剛体部に対するオフセットを設定することができる。このようにして、ガイド部の曲率半径を、集積キャリアの剛体部に対して適合させることができる。
【0023】
上記の構成に加えて、または変形例として、ガイド部の曲率半径を縦方向に沿って調節するために、張力手段をガイド部の両端部の間に設けて、少なくとも一部において曲げ可能であるガイド部に張力を与えて、ガイド部を曲げてもよい。
【0024】
例えば、被調節部材をガイド部に接続するキャリアなどにより、被調節部材をガイド部に沿って確実にスライドガイド(摺動案内)するために、例えばプラスチック製の押出品として形成される形成部品を設け、ガイド部に接着状態で配置してもよい。形成部品を用いて開口部を埋めることにより、被調節部材を、開口部を渡るようにしてガイド部に沿ってガイドすることができる。
【0025】
有利な一実施形態において、集積キャリアは、2つのガイド部を備えており、これら2つのガイド部のそれぞれに沿って、被調節部材をガイドするキャリアがガイドされる。キャリアは、被調節部材をガイド部に接続する役割を有し、例えば、スライドガイド(摺動案内)可能なプラスチック製の部品として形成されたものであってもよい。2つのガイド部を利用することにより、ウィンドウガラスの形態の被調節部材をこれら2つのガイド部に沿って所望にガイドする、2経路式のケーブル型ウィンドウリフタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】外縁部に形成されて一部が切り離されたガイド部を備えた集積キャリアを示す概略図である。
【
図2】外縁部に形成されて一部が切り離されたガイド部を備えた集積キャリアの変形例を示す概略図である。
【
図3】内部に形成されて一部が切り離されたガイド部を備えた集積キャリアの他の変形例を示す概略図である。
【
図4】内部に形成されて一部が切り離されたガイド部を備えた集積キャリアのさらなる他の変形例を示す概略図である。
【
図5】集積キャリアが配置された車両ドアを示す図である。
【
図6A】ガイド部が設けられた集積キャリアを示す図である。
【
図6B】ガイド部が設けられた集積キャリアを示す他の図である。
【
図6C】ガイド部が設けられた集積キャリアを示すさらなる他の図である。
【
図6D】ガイド部が設けられた集積キャリアを示すさらなる他の図である。
【
図7A】ある曲率半径で車両ドアに設けられたウィンドウガラスを示す概略図である。
【
図7B】
図7Aのウィンドウガラスとは異なる曲率半径で車両ドアに設けられたウィンドウガラスを示す概略図である。
【
図8A】あるピッチ角のウィンドウガラスを示す概略図である。
【
図8B】
図8Aのウィンドウガラスとは異なるピッチ角のウィンドウガラスを示す概略図である。
【
図9】一部が切り離されたガイド部を備えた集積キャリアを示す図である。
【
図10】一部が切り離されたガイド部を備えた集積キャリアの変形例を示す図である。
【
図11A】一部が切り離されたガイド部を備えた集積キャリアの他の変形例を示す図である。
【
図12A】一部が切り離されたガイド部を備えた集積キャリアのさらなる他の変形例を示す正面図である。
【
図13A】
図12Aおよび
図12Bの変形例の他の実施形態であって、曲率半径が小さいガイド部を備えた形態を示す正面図である。
【
図14A】
図12Aおよび
図12Bの変形例のさらなる他の実施形態であって、曲率半径が小さく、かつ、集積キャリアの剛体部に対してオフセットしているガイド部を備えた形態を示す正面図である。
【
図16A】曲率半径を調整するためにガイド部に配置されたアダプタ片を示す斜視図である。
【
図17A】曲率半径、およびガイド部と集積キャリアの剛体部との間のオフセットを調整するためにガイド部に配置されたアダプタ片の変形例を示す斜視図である。
【
図17C】同アダプタ片の変形例を示す断面図である。
【
図18】ドアインナパネルに設置される集積キャリアを示す概略図である。
【
図19】ドアインナパネルに設置され、ドアインナパネルに固定される際に曲折するガイド部を備える集積キャリアを示す概略図である。
【
図20A】曲率半径を調節するためにガイド部に設けられた張力手段の緊張状態を示す図である。
【
図20B】同張力手段の緊張を解除された状態を示す図である。
【
図21】ガイド部が一端部において可動のアーム部によって集積キャリアの剛体部に連結された集積キャリアを示す図である。
【
図22A】中央部が途切れ、形成部品によって橋渡しされているガイド部を備えた集積キャリアを示す、一部を断面とした正面図である。
【
図22B】同集積キャリアを示す一部を断面とした側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の根底をなす構成を、図面に示された実施形態を参照しながら、以下でより詳しく説明する。
【0028】
図5に、ドアアウタパネル11とドアインナパネル12とを有し、前側のサイドドアとして車両に装着される車両ドア1を示す。この車両ドアは、上方にドアフレーム14を有する。このドアフレーム14は、ドアアウターパネル11およびドアインナパネル12で形成されたドアボディから延出し、ウィンドウ開口15を取り囲んでいる。横方向から車両ドア1が衝突された際にその衝突力を受けて吸収する衝突バリア13が、車両ドア1の外方に向かって配設されている。
【0029】
ドアインナパネル12の開口空間120には、車両ドア1の機能構成品、特に、ウィンドウリフトユニット、ドアロックアセンブリ、サイドエアバッグなどを保持および/または収容する役割を果たす集積キャリア2が設置される。集積キャリア2は、金属製であってもよいし、プラスチック製であってもよい。
【0030】
図6A〜
図6Dは、集積キャリア2を示す図である。図示の実施形態において、集積キャリア2は、ウィンドウリフタの構成品として、駆動ユニット23、偏向部(deflection)251〜254、キャリア31,32、およびガイド部21,22を備える。ガイド部21,22は、キャリア31,32をガイドするガイドレールの役割を果たし、かつ、集積キャリア2との一体品として一体的に形成されている。ガイド部の数は、1つであってもよい。前記ウィンドウリフタは、被調節部材であるウィンドウガラスを調節してウィンドウ開口15を閉じる2経路式のケーブル型ウィンドウリフタとして形成されている。よって、少なくとも1つのガイド部が集積キャリア2に設けられて、被調節部材を集積キャリア2の調節方向Wに沿ってガイドするようになっていればよい。駆動ユニット23は、集積キャリア2の、車両ドア1のウェットエリアNに面する側に設けられたケーブルドラム230(
図6Aおよび
図6Bを参照)を含む。ケーブルドラム230は、車両ドア1のドライスペースTに設けられたモータ駆動部231(
図6Cおよび
図6D)によって駆動される。
【0031】
駆動ユニット23は、牽引手段24を介してキャリア31,32に接続されており、かつ、キャリア31,32を介してウィンドウガラスに接続されている。牽引手段24は、駆動ユニット23のケーブルドラム230から、ガイド部21の近傍に位置する上方の偏向部251に向かって延び、そこから下方の偏向部252に、そこからさらにガイド部22の近傍に位置する上方の偏向部253に、そして、下方の偏向部254を通って駆動ユニット23へと戻ることにより、ケーブルの閉じたループを形成する。ウィンドウリフタの動作時には、モータ駆動部231の駆動によってケーブルドラム230が回転運動を生じ、これにより、牽引手段24の一端がケーブルドラム230に巻き取られると同時に他端がケーブルドラム230から巻き出される。これによって牽引手段24は変位し、調節力が牽引手段24を介してキャリア31,32に伝達される。牽引手段24を移動させることにより、キャリア31,32が調節方向Wに沿って移動し、これらキャリア31,32を介してウィンドウガラスも調節方向Wに沿って移動する。
【0032】
集積キャリア2は、集積キャリア2の上方領域に位置する固定部200と、下方領域に位置して固定部も兼ねる偏向部252,254とを介して、ドアインナパネル12に連結することができる。この目的のため、固定部200には固定ボルト201が挿入され、偏向部252,254の固定部には固定ボルト202が挿入されており、これにより、ドアインナパネル12と係合している。
【0033】
ウィンドウガラスは、異なる車種およびバリエーションに応じて、様々な形状に形成される。
図7Aおよび
図7Bに示すように、ウィンドウガラス150は、例えば、車両ドア1の形状に応じて、特定の曲率半径R1,R2を有する。曲率半径R1,R2は、車両ドア1毎に異なる。ウィンドウガラス150の曲率半径R1,R2、つまり、これらの曲率半径R1,R2で定義される円弧は、ドアアウタパネル11およびドアインナパネル12で形成されたドア内部空間からウィンドウガラス150を出し入れする際にウィンドウガラス150が駆動される移動経路Fを形成する。
【0034】
図8Aおよび
図8Bに概略的に示すように、ウィンドウガラス150が異なれば、さらに、移動経路Fの方向を決めるピッチ角β1,β2も異なる。ピッチ角β1,β2により、例えば、ウィンドウガラス150が、車両ドア1内にほぼ鉛直方向に収まるように駆動されるのか、それとも車両ドア内に傾いた方向で収まるように駆動されるのかが決まる。
【0035】
ウィンドウガラス150の曲率半径R1,R2およびピッチ角β1,β2に応じて、集積キャリア2のガイド部21,22も設計され、ガイド部21,22の曲率半径および角度配置(angular alignment)は、ウィンドウガラス150の曲率半径R1,R2およびピッチ角β1,β2に適合されている。
【0036】
異なる車種および様々なバリエーションに対して汎用品として低コストで使用することができるガイド部21,22を備えた集積キャリア2を提供するために、本発明では、ガイド部21,22の少なくとも一部が、集積キャリア2の剛体部20に対して調節方向Wに直交する方向に曲げ可能で、かつ、移動可能に形成されている(特に、その少なくとも一部が、集積キャリア2の延在平面にほぼ直交するY方向に移動可能である)。換言すると、ガイド部21,22は、剛体部20に対して調節方向Wに直交する方向に可撓性を有している。
【0037】
図1に、本発明にかかる集積キャリア2の第1の例を概略的に示し、
図9に、その詳細な実施形態を示す。集積キャリア2は2つのガイド部21,22を備えている。これら2つのガイド部21,22は、集積キャリア2上の側部にほぼ垂直に設けられており(特に、集積キャリア2の縦方向であるZ方向に沿って延びており)、前述のとおり、ウィンドウガラス150を調節する2つのキャリア31,32をガイドする役割を有する。ガイド部21,22は、それぞれ、下方の連結部211bおよび上方の連結部211a、下方の連結部221bおよび上方の連結部221aによって集積キャリア2の剛体部20に連結されており、かつ、それぞれ、集積キャリア2の剛体部20から凹部または貫通したスロット(溝)状の開口部210,220によって切り離され、ガイド部21,22が曲げ自在に連結されている。つまり、ガイド部21,22は、その切り離された領域において、集積キャリア2の剛体部20に対し移動可能である。
【0038】
集積キャリア2は、任意の形状、例えば、
図1に示すように、ほぼ直方形の形状であってもよいし、あるいは、
図9に示すように、例えば、集積キャリア2にキャリアプレートを設け、キャリアプレートをウィンドウリフタが設置されるのに適した形状としてもよい。また、集積キャリア2は、ウィンドウリフタのみを保持するものであってもよいが、それに加えて車両ドアの他の機能構成品も保持するものであってもよい。
【0039】
図9の集積キャリア2は、構成品が配置されていない状態で図示されている。固定部250は、それぞれ偏向部251〜254を集積キャリア2に配置するために設けられている。集積キャリア2は、固定部200および下方の固定部250を介して、ドアインナパネル12に連結される。
【0040】
ガイド部21,22には、ウィンドウガラス150をキャリア31,32に固定する作業を行うための組立用開口部26が設けられている。
【0041】
集積キャリア2は、プラスチック製または金属製であってもよく、例えば、スチールパネル(鋼板)で構成され、ガイド部21,22が剛体部20とともに、集積キャリア2の一体品として形成されている。
【0042】
ガイド部21,22は、その一部において集積キャリア2の剛体部20から切り離されることにより曲げ可能、特に、車両の横方向に相当するY方向に曲げ可能である。ガイド部21,22は、それぞれ、連結部211a,211b、連結部221a,221bで上方と下方の両側が連結されているので、その中央領域において曲げ量(可撓性)が最大となる。詳細には、ガイド部21,22は、その中央において、集積キャリア2の剛体部20に対して直交する方向に比較的大きい距離を移動することができる。ガイド部21,22は、その可撓性により、ウィンドウガラス150の移動経路Fに適応することができ、かつ、ウィンドウガラス150の形状に応じて柔軟にその経路を形成することができる。
【0043】
開口部210,220の長さは、互いに異なるように選択されてもよい。特に、開口部210,220を過度に下方に延ばさずに短く設定することにより、下方の連結部211b、221bを幅広として、ガイド部21,22をその下方領域において強固にするという有利な構成とすることもできる。2つの側のうちの各側に位置するガイド部21,22について、それぞれに対応する開口部210,220の長さを互いに異なるものとすることにより、異なる可撓性のガイド部21,22を形成してもよい。
【0044】
集積キャリア2は、ウィンドウガラス150のピッチ角β1,β2に適合するようにドアインナパネル12に設置される。これにより、異なるピッチ角β1,β2にも、対応できる。この場合、ガイド部21,22の配置は、ピッチ角β1,β2により決まる移動方向によって規定される。
【0045】
図2に、集積キャリア2の第2の変形例を概略的に示し、
図10に、その詳細な実施形態を示す。本実施形態におけるガイド部21,22は、
図1または
図9の例と異なり、それぞれ第1端部において集積キャリア2の剛体部20に下方の連結部211b,221bのみで連結している。各ガイド部21,22は、前記第1端部とは反対側の第2端部において、単一の開口部210’,220’により集積キャリア2の剛体部20から切り離されている。つまり、スロット形状の開口部210’,220’は、各ガイド部21,22の縦方向に沿って連結部211b,221bの上方において、集積キャリア2の上縁まで延びている。
【0046】
開口部210’,220’によってガイド部21,22の上端部を完全に切り離すことにより、ガイド部21,22、特に、ガイド部21,22の上端部に、可撓性を与えることができる。ガイド部21,22は、その上端部において集積キャリア2の剛体部20に対し比較的大きい距離で移動可能であるので、特に、その上方領域において、ウィンドウガラス150の移動経路Fに適合可能である。
【0047】
図3および
図4に概略的に示す実施形態では、平らに延びる集積キャリア2の内部にガイド部21,22が設けられ、ガイド部21,22は、それぞれの両側において、2つの開口部210a,210b、開口部220a,220bによって切り離されている。
【0048】
図3において、集積キャリア2の左側に位置するガイド部21は、このガイド部21を取り囲む剛体部20から、開口部210a,210bによって切り離されており、かつ、剛体部20に対し、ガイド部21の上方の連結部211aa,211abおよび下方の連結部211ba,211bbで連結している。同図において、集積キャリア2の右側に位置するガイド部22は、ガイド部22を取り囲む剛体部20から、開口部220a,220bによって切り離されており、かつ、剛体部20に対し、ガイド部21の上方の連結部221aa,221abおよび下方の連結部221ba,221bbで連結している。
【0049】
これに対し、
図4の実施形態におけるガイド部21は、剛体部20から、集積キャリア2の上縁部に向かって延びる開口部210’a,210’bによって切り離されている。ガイド部21は、剛体部20に対し、ガイド部21の下方の連結部211ba,211bbのみで連結している。同じく、
図4の実施形態におけるガイド部22は、剛体部20から、集積キャリア2の上縁部に向かって延びる開口部220’a,220’bによって切り離されている。ガイド部22は、剛体部20に対し、ガイド部22の下方の連結部221ba,221bbのみで連結している。
【0050】
図11A〜
図11Cに示す集積キャリア2の他の変形例でも、集積キャリア2には、ガイド部21,22の上端部を切り離す開口部210’’,220’’が設けられている。しかしながら、
図10の実施形態とは異なり、上方の開口部210’’,220’’と下方の連結部211b,221bとの間に、スロットの形態の複数の開口部210a’’〜210c’’,220a’’〜220c’’がさらに設けられている。これら複数の開口部210a’’〜210c’’,220a’’〜220c’’は、互いに異なる長さを有し、ガイド部21,22を、その下方領域において、集積キャリア2の剛体部20から部分的に切り離している。
【0051】
複数の開口部210a’’〜210c’’,220a’’〜220c’’を設けることにより、ガイド部21,22と剛体部20との連結部の慣性モーメントを、ガイド部21,22の下方領域において変化させることができ、かつ、ガイド部21,22の可撓性を、その下方領域において当該ガイド部21,22の縦方向に沿って変化するように調整することができる。ガイド部21,22は、その上方領域、すなわち、その切り離された上端部において、主に曲げ方向M1周りに曲げ可能であり、下方の開口部210a’’〜210c’’,220a’’〜220c’’の領域では、主に曲げ方向M2に沿って可撓性を有する。ガイド部21,22の可撓性は、その下方領域において小さくなるが、開口部210a’’〜210c’’,220a’’〜220c’’を調整することによって所望に調節することができる。このような可撓性により、ガイド部21,22をウィンドウガラス150の移動経路Fに適合させることができる。
【0052】
図11Bおよび
図11Cに示すように、キャリア31はガイド部21の周りを取り囲む。
図11Cに示すように、ガイド部21は、剛体部20に対して曲げ可能であり、ウィンドウガラス150の移動経路Fに適合させることができる。このようにして、キャリア31の移動経路FをY方向に偏移させ、かつ、その角度位置をウィンドウガラス150の角度位置に合致した状態を維持することができる。
【0053】
図12Aおよび
図12Bに、集積キャリア2のさらなる他の変形例を示す。
図12Aおよび
図12Bの変形例では、ガイド部21,22の上端部が開口部210’’’,220’’’によって切り離されているが、これらの開口部210’’’,220’’’は、集積キャリア2の上縁にまで延びておらず、ガイド部21,22の上端部において曲折した後、集積キャリア2の剛体部20から完全に切り離された開口部210a’’’,220a’’’に通じている。
【0054】
図12Aおよび
図12Bの変形例におけるガイド部21は、
図12Bに示すように、集積キャリア2(の全体)の曲率半径Rにほぼ相当する曲率半径Rを有する。
【0055】
図13Aおよび
図13Bに示すさらなる他の変形例におけるガイド部21は、
図12Aおよび
図12Bの変形例とは異なり、集積キャリア2の剛体部20の曲率半径Rよりも小さい曲率半径RAを有する。反対側のガイド部22も、これと同一の小さい曲率半径RAを有していてもよい。また、ガイド部22を、その曲率半径がガイド部21の曲率半径とは異なるように、ガイド部21の曲率半径よりも小さい曲率半径、またはガイド部21の曲率半径よりも大きい曲率半径を有するように形成してもよい。
【0056】
図14Aおよび
図14Bに、
図12Aおよび
図12Bの変形例の他の実施形態を示す。本実施形態において、ガイド部の曲率半径RBは、集積キャリア2の剛体部20の曲率半径Rよりも小さくても、これと同一でも、さらには、これよりも大きくてもよい。本実施形態では、開口部210a’’’の領域において、ガイド部21の上端部と剛体部20との間にオフセットVが設けられている。
【0057】
図12〜
図14の各実施形態の比較図を、
図15A〜
図15Cにそれぞれ示す。
図12Aおよび
図12Bの実施形態では、ガイド部21は剛体部20と同一の曲率半径Rを有する(
図15Aを参照)。
図13Aおよび
図13Bの実施形態では、ガイド部21を圧縮して当該ガイド部21の上端部と剛体部20との間に距離Sを設けることにより、ガイド部21の曲率半径RAが小さく設定されている(
図15Bを参照)。
図14Aおよび
図14Bの実施形態では、ガイド部21の上端部には、剛体部20に対してオフセットVが設けられており、ガイド部21の曲率半径RBは、剛体部20の曲率半径Rよりも小さくても、これと同一でも、さらには、これよりも大きくてもよい。
【0058】
図12〜
図14の実施形態の集積キャリア2のガイド部21,22は、特定の曲率半径R,RA,RBを有する状態で予め製造されて供給される。この構成に加えて、または変形例として、
図16A、
図16B、および
図17A〜
図17Cに示すように、アダプタ片4,4’,4’’を用いることにより、(距離Sの設定で)ガイド部21,22の曲率半径R,RA,RBを調整したり、オフセットVを調整したりしてもよい。
【0059】
図16Aおよび
図16Bの実施形態では、アダプタ片4がガイド部21の上端部における開口部210a’’’に挿入されることにより、ガイド部21が集積キャリア2の剛体部20に対して圧縮される。これにより、ガイド部21の曲率半径R,RA,RBが小さくなって、所望のサイズに調整できる。
【0060】
図17A、
図17Bおよび
図17Cの例では、アダプタ片4’,4’’は、さらに、集積キャリア2のガイド部21と剛体部20との間のオフセットVを設定するのに使用される。
図17Bの実施形態において、アダプタ片4’は、ガイド部21の縁部と剛体部20の縁部とを取り囲むように延びて、開口部210a’’内に接着状態で挿入されている。他方、
図17Cの実施形態では、アダプタ片4’’は剛体部20に対し当接している。このアダプタ片4’’に、ガイド部21ががたつかないようにするための振動防止要素41を設けてもよい。振動防止要素41は、例えば、ゴム、発泡体等である。
【0061】
アダプタ片4,4’,4’’に代えて、集積キャリア2およびガイド部21,22をドアインナパネル12に固定することによって、曲率半径R,RA,RBを調整するようにしてもよい。
図18および
図19に、この状態を概略的に示す。
【0062】
図18では、ガイド部21が固定ボルト212,213を用いてドアインナパネル12の固定部121,122に固定されている。固定部121,122の高さH1,H2を選択し、かつ、ドアインナパネル12における固定部121,122が形成される部分を角度α1,α2だけ傾けることにより、ガイド部21の曲率半径R,RA,RBが決まる。
【0063】
この場合、
図19に示すように、固定部121,122間の距離Bにより、ガイド部21をドアインナパネル12に固定する際にガイド部21が圧縮されて、曲率半径R,RA,RBが減少するか否かが決まる。固定部121,122間の距離Bがガイド部21の固定ボルト212,213間の距離Aよりも小さければ、ボルト挿通孔である固定部121,122に固定ボルト212,213を挿入するとガイド部21は圧縮されて変形し、それによりガイド部21の曲率半径R,RA,RBが減少する。すなわち、固定部121,122間の距離Bを適宜設定することにより、ガイド部21の曲率半径R,RA,RBを、ウィンドウガラス150の曲率半径R1,R2に所望に適合させることができる。
【0064】
この構成に加えて、または変形例として、
図20Aおよび
図20Bに示すように、曲率半径R,RA,RBを設定するために、例えば、ケーブルの形態の張力手段27を、ガイド部21に設けてもよい。張力手段27は、ガイド部21の両端部間に緊張状態で固定され、その緊張状態でガイド部21の曲率半径R,RA,RBを設定する。
図20Aに、緊張状態の張力手段27が示されており、
図20Bに、緊張を解除された状態の張力手段27が示されている。
【0065】
図21の実施形態では、ガイド部21は、集積キャリア2の剛体部20から開口部210’’’’により切り離され、剛体部20に下方の連結部211bおよび上方のアーム部203によって連結されている。ガイド部21の上端部では、連結ボルト214がアーム部203に設けられた長孔204に挿通されている。これにより、ガイド部21の上端部は、剛体部20に対しY方向に固定されると同時に、アーム部203に対し縦方向であるZ方向に動くことができる。このようにして、ガイド部21の移動可能とすることができる。
【0066】
図22A〜
図22Cに示す実施形態では、ガイド部21は2つの部分領域21a,21bを有しており、これら部分領域21a,21bは、それぞれ集積キャリア2の剛体部20に連結部211a,211bによって連結している。部分領域21a,21bは、剛体部20から開口部210’’’’’によって切り離されており、かつ、互いの対向する端部同士が連結されていない。つまり、ガイド部21はその中央が閉じられていない。このガイド部21に沿ってキャリア31をスライドガイド(摺動案内)するために、押出プラスチック形材の形成部品5が設けられ、ガイド部21の部分領域21a,21bの外縁部に嵌め込まれている。このように、形成部品5をガイド部21,22に設置し、被調節部材が形成部品5に沿ってガイドされるようにしてもよい。形成部品5は、その中央に、ガイド部21の部分領域21a,21b間を互いに接着状態で連結する接続部51を有する。
【0067】
形成部品5をガイド部21の部分領域21a,21bに移動可能に設置して、形成部品5に対してガイド部21の部分領域21a,21bをZ方向に変位させることによって、部分領域21a,21bをY方向に沿って移動Uさせることができる(
図22Bを参照)。
【0068】
本発明は、これまでに説明した実施形態に限定されない。これらの実施形態とは全く異なる形態にも、本発明は適用できる。一例として、集積キャリアのガイド部と剛体部との間の可撓性は、他の手段、例えば、他の種類または他の形状の開口部によって得ることもできる。さらに、ガイド部を切欠してフリーとする開口部は、その一部の長さだけを変化させると同時に、他の切り離されていない領域によって集積キャリアのガイド部と剛体部とを強固に連結することも可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 車両ドア
11 ドアアウタパネル
12 ドアインナパネル
120 開口空間
121,122 固定部
13 衝突バリア
14 ドアフレーム
15 ウィンドウ開口
150 ウィンドウガラス
2 集積キャリア
20 剛体部
200 固定部
201,201 固定ボルト
203 アーム部
204 長孔
21,22 ガイド部
21a,21b 部分領域
210,220 開口部
210’,220’ 開口部
210’’,220’’ 開口部
210a’’,210b’’, 210c’’,220a’’,220b’’,220c’’
開口部
210’’’,220’’’ 開口部
210a’’’,220a’’’ 開口部
210’’’’ 開口部
210’’’’’ 開口部
211a,211b,221a,221b 連結部
212,213 固定ボルト
214 連結ボルト
23 駆動ユニット
230 ケーブルドラム
231 モータ駆動部
24 牽引手段
250 固定部
251〜254 偏向部
26 組立用開口部
27 張力手段
31,32 キャリア
4,4’,4’’ アダプタ片
41 振動防止要素
5 形成部品
51 接続部
α1,α2 角度
β1,β2 ピッチ角
A,B 距離
F 移動経路
H1,H2 高さ
N ウェットスペース
M1,M2 曲げ方向
R,RA,RB 半径
R1,R2 曲率半径
S 距離
T ドライスペース
V オフセット
W 調節方向