(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5766429
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】発光素子及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/38 20100101AFI20150730BHJP
H01L 33/46 20100101ALI20150730BHJP
H01L 33/14 20100101ALI20150730BHJP
【FI】
H01L33/00 210
H01L33/00 310
H01L33/00 150
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2010-258828(P2010-258828)
(22)【出願日】2010年11月19日
(65)【公開番号】特開2011-139038(P2011-139038A)
(43)【公開日】2011年7月14日
【審査請求日】2013年11月14日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0135309
(32)【優先日】2009年12月31日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】徐 源 哲
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲炎▼ ▲欣▼
【審査官】
金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/106063(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/131735(WO,A1)
【文献】
特表2011−513957(JP,A)
【文献】
特開2011−054967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
それぞれ第1の導電型の上部半導体層、活性層、第2の導電型の下部半導体層、及び前記第2の導電型の前記下部半導体層と前記活性層とを貫通して前記第1の導電型の前記上部半導体層を露出させるホールを含む第1の発光セル、第2の発光セル、及び第3の発光セルと、
前記第1の発光セル及び前記第2の発光セルと前記基板との間に位置し、前記第1の発光セル及び前記第2の発光セルを互いに電気的に接続する第1のコネクタと、
前記第1の発光セル及び前記第3の発光セルと前記基板との間に位置し、前記第1の発光セル及び前記第3の発光セルを互いに電気的に接続する第2のコネクタと、を含み、
前記第1の発光セルの前記ホール、前記第2の発光セルの前記ホール、及び前記第3の発光セルの前記ホールは、それぞれ前記第1の発光セル、前記第2の発光セル、及び前記第3の発光セルの中央領域に位置し、
前記第1のコネクタは、前記第1の発光セルの前記第2の導電型の前記下部半導体層と、前記第2の発光セルの前記ホール内に露出された前記第1の導電型の前記上部半導体層とを電気的に接続し、
前記第2のコネクタは、前記第3の発光セルの前記第2の導電型の前記下部半導体層と、前記第1の発光セルの前記ホール内に露出された前記第1の導電型の前記上部半導体層とを電気的に接続し、
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとは同一層で形成され、互いにオーバーラップしないことを特徴とする発光素子。
【請求項2】
前記各発光セルを分離する分離溝と、
前記分離溝と前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタとの間に介在した絶縁層と
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記絶縁層は分布ブラッグ反射器を含むことを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記分離溝は、前記第1の導電型の前記上部半導体層、前記活性層及び前記第2の導電型の前記下部半導体層を貫通することを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
【請求項5】
前記各ホールの側壁を覆う絶縁層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項6】
前記絶縁層は分布ブラッグ反射器を含むことを特徴とする請求項5に記載の発光素子。
【請求項7】
前記各発光セルの第2の導電型の前記下部半導体層に接触するオーミックコンタクト層をさらに含み、
前記第1のコネクタは、前記第1の発光セルの前記オーミックコンタクト層に接続するとともに、前記第2の発光セルの前記オーミックコンタクト層から絶縁され、
前記第2のコネクタは、前記第3の発光セルの前記オーミックコンタクト層に接続するとともに、前記第1の発光セルの前記オーミックコンタクト層から絶縁されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項8】
前記第2の発光セルの前記オーミックコンタクト層と前記第1のコネクタとの間に介在した第1の絶縁層と、
前記第1の発光セルの前記オーミックコンタクト層と前記第2のコネクタとの間に介在した第2の絶縁層と、
をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の発光素子。
【請求項9】
前記オーミックコンタクト層と前記第2の導電型の下部半導体層との間に介在した分布ブラッグ反射器をさらに含み、
前記分布ブラッグ反射器は各スルーホールを有し、
前記オーミックコンタクト層は、前記各スルーホールを介して前記第2の導電型の下部半導体層に接続されることを特徴とする請求項7に記載の発光素子。
【請求項10】
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタと前記基板との間に介在した分離絶縁層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項11】
前記第1の発光セル、前記第2の発光セル、及び前記第3の発光セルは、前記ホールを複数含むことを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子及びその製造方法に関し、より詳細には、基板分離工程を適用した発光素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、n型半導体とp型半導体が互いに接合された構造を有する半導体素子であって、電子と正孔の再結合によって光を放出する。このような発光ダイオードは、表示素子及びバックライトに広く用いられている。また、発光ダイオードは、既存の電球又は蛍光灯に比べて消耗電力が小さく、寿命が長いので、白熱電球及び蛍光灯に取って代わり、一般の照明用途としてその使用領域を広げている。
【0003】
最近、発光ダイオードを交流電源に直接接続し、連続的に光を放出する交流用発光ダイオードが製品化されている。高電圧交流電源に直接接続して使用できる発光ダイオードは、例えば、特許文献1において「複数の発光素子を有する発光装置」(LIGHT―EMITTING DEVICE HAVING LIGHT―EMITTING ELEMENTS)という名称で酒井ら(SAKAI et.al.)によって開示されている。
【0004】
前記特許文献1によれば、各LEDがサファイア基板などの絶縁性基板上に2次元的に接続された直列LEDアレイが形成される。各LEDアレイが直列に接続されることによって、高電圧で駆動可能な発光素子が提供され得る。また、このような各LEDアレイが前記サファイア基板上で逆並列に接続され、交流電源によって駆動可能な単一チップ発光素子が提供される。
【0005】
交流用発光ダイオード(AC―LED)は、成長基板として使用された基板、例えば、サファイア基板上に各発光セルを形成するので、各発光セルの構造に制限が伴い、光抽出効率を向上させるのに限界がある。このような問題を解決するために、基板分離工程を適用してAC―LEDを製造する方法が、「熱伝導性基板を有する発光ダイオード及びそれを製造する方法」という名称で特許文献2に開示されている。
【0006】
図1から
図4は、従来技術に係る発光素子製造方法を説明するための断面図である。
【0007】
図1を参照すると、犠牲基板21上にバッファ層23、n型半導体層25、活性層27及びp型半導体層29を含む各半導体層が形成され、前記各半導体層上に第1の金属層31が形成され、前記犠牲基板21と別個の基板51上に第2の金属層53が形成される。第1の金属層31は反射金属層を含むことができる。前記第2の金属層53が前記第1の金属層31と接合され、前記基板51が各半導体層の上部にボンディングされる。
【0008】
図2を参照すると、前記基板51がボンディングされた後、レーザリフトオフ工程を使用して犠牲基板21が分離される。また、前記犠牲基板21が分離された後、残存するバッファ層23が除去され、n型半導体層25の表面が露出される。
【0009】
図3を参照すると、写真及びエッチング技術を使用して前記各半導体層25、27、29及び前記各金属層31、53がパターニングされ、互いに離隔した各金属パターン40及び前記各金属パターンの一部領域上に位置する各発光セル30が形成される。各発光セル30は、パターニングされたp型半導体層29a、活性層27a及びn型半導体層25aを含む。
【0010】
図4を参照すると、前記各発光セル30の上部面とそれに隣接した各金属パターン40を電気的に接続する各金属配線57が形成される。前記各金属配線57は、前記各発光セル30を接続し、各発光セルの直列アレイを形成する。前記各金属配線57を接続するために、n型半導体層25a上に電極パッド55が形成されてもよく、各金属パターン40上に電極パッドが形成されてもよい。このような各アレイは、二つ以上形成されてもよく、これら各アレイが逆並列に接続され、交流電源下で駆動可能な発光ダイオードが提供される。
【0011】
この従来技術によれば、基板51を多様に選択することができ、発光素子の熱放出性能を改善することができる。また、n型半導体層25aの表面を処理し、光抽出効率を向上させることができる。また、第1の金属層31aが反射金属層を含み、発光セル30から基板51側に進行する光を反射させるので、発光効率をより改善することができる。
【0012】
しかし、この従来技術においては、前記各半導体層25、27、29及び各金属層31、53をパターニングする間、金属物質のエッチング副産物が発光セル30の側壁にくっ付き、n型半導体層25aとp型半導体層29aとの間に電気的短絡を誘発するおそれがある。また、前記各半導体層25、27、29をエッチングする間に露出される第1の金属層31aの表面は、プラズマによって損傷されやすい。第1の金属層31aがAg又はAlなどの反射金属層を含む場合、このようなエッチング損傷がさらに悪化する。プラズマによる金属層31aの表面の損傷は、その上に形成される各配線57又は各電極パッドの接着力を低下させ、素子不良をもたらす。
【0013】
また、従来技術によれば、第1の金属層31が反射金属層を含むことができ、その結果、各発光セル30から基板側に進行する光を再び反射させる。しかし、各発光セル30間の空間では、反射金属層のエッチング損傷又は酸化のため光の反射を期待しにくい。さらに、各金属パターン40間の領域に基板51が露出されるので、光が基板51によって吸収されて損失するおそれがある。
【0014】
また、各配線57がn型半導体層25aの上部面、すなわち、光放出面上に接続されるので、活性層25aで発生した光が光放出面上の各配線57及び/又は各電極パッド55に吸収され、光損失が発生するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第2004/023568号
【特許文献2】韓国登録特許第10―0599012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、金属エッチング副産物による発光セル内の電気的短絡を防止できる高電圧駆動用発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0017】
本発明が解決しようとする他の課題は、各発光セル間の空間で基板側に進行する光の損失を減少させることができる発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0018】
本発明が解決しようとする更に他の課題は、光放出面から放出された光の損失を減少させ、発光効率を改善できる発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0019】
本発明が解決しようとする更に他の課題は、発光セル内での電流の分散を促進できる高電圧駆動用発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一実施形態に係る発光素子は、基板と、それぞれ第1の導電型の上部半導体層、活性層及び第2の導電型の下部半導体層を含むとともに、前記第2の導電型の下部半導体層及び活性層を貫通して前記第1の導電型の上部半導体層を露出させるホールを含む第1の発光セル、第2の発光セル、及び第3の発光セルと、前記第1及び第2の発光セルと前記基板との間に位置し、前記第1の発光セル及び第2の発光セルを互いに電気的に接続する第1のコネクタと、前記第1の発光セル及び前記第3の発光セルと前記基板との間に位置し、前記第1の発光セル及び前記第3の発光セルを互いに電気的に接続する第2のコネクタと、を含む。また、前記各ホールは、それぞれ前記第1、第2、及び第3の発光セルの中央領域に位置し、前記第1のコネクタは、前記第1の発光セルの前記第2の導電型の下部半導体層と、前記第2の発光セルの前記ホール内に露出された前記第1の導電型の上部半導体層とを電気的に接続し、前記第2のコネクタは、前記第3の発光セルの前記第2の導電型の前記下部半導体層と、前記第1の発光セルの前記ホール内に露出された前記第1の導電型の前記上部半導体層とを電気的に接続し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとは
同一層で形成され、互いにオーバーラップしない。
【0021】
前記コネクタが基板と各発光セルとの間に位置するので、各発光セルの光放出面から放出された光がコネクタによって損失するのを防止することができる。また、ホールが各発光セルの中央領域に位置するので、前記コネクタが中央領域の第1の導電型の上部半導体層に接続され、発光セルの広い領域にわたって電流を分散させることができる。
【0022】
さらに、前記第1及び第2の発光セルは、前記第1の導電型の上部半導体層を露出させるホールをそれぞれ一つずつ有することができるが、これに限定されず、複数のホールを有することもできる。
【0023】
前記発光素子は、前記各発光セルを分離する分離溝と、前記分離溝と前記
第1のコネクタ
及び第2のコネクタとの間に介在した絶縁層と、をさらに含むことができる。前記分離溝を形成するために各半導体層をエッチングする間、前記絶縁層によって前記コネクタが露出されるのを防止することができ、その結果、コネクタがエッチングによって損傷されるのを防止することができる。
【0024】
さらに、前記絶縁層は分布ブラッグ反射器(DBR、distributed Bragg reflector)を含むことができる。したがって、前記各発光セル間の領域で基板側に進行する光を反射させることができ、光効率をより向上させることができる。
【0025】
また、前記分離溝は、前記第1の導電型の上部半導体層、活性層及び第2の導電型の下部半導体層を貫通することができる。すなわち、前記分離溝は、前記第1の導電型の上部半導体層、活性層及び第2の導電型の下部半導体層を含む各半導体層をエッチングして形成され、その結果、各発光セルの形成工程が単純化される。
【0026】
一方、前記発光素子は、前記各ホールの側壁を覆う絶縁層をさらに含むことができる。前記絶縁層は、コネクタによって第1の導電型の上部半導体層と第2の導電型の下部半導体層が短絡されるのを防止する。さらに、この絶縁層は分布ブラッグ反射器を含むことができる。これによって、発光セル内で生成された光がホール内のコネクタに吸収されて損失されるのを防止することができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、前記発光素子は、前記各発光セルの第2の導電型の下部半導体層に接触するオーミックコンタクト層をさらに含むことができる。このとき、前記
第1のコネクタは、前記第1の発光セルの前記オーミックコンタクト層に接続するとともに、前記第2の発光セルの前記オーミックコンタクト層から絶縁され
、前記第2のコネクタは、前記第3の発光セルの前記オーミックコンタクト層に接続するとともに、前記第1の発光セルの前記オーミックコンタクト層から絶縁される。例えば、前記第2の発光セルの
前記オーミックコンタクト層と前記
第1のコネクタとの間に
第1の絶縁層が介在してもよく、
前記第1の発光セルの前記オーミックコンタクト層と前記第2のコネクタとの間に第2の絶縁層が介在してもよく、こ
れらの絶縁層によって前記コネクタがオーミックコンタクト層から絶縁されてもよい。
【0028】
また、分布ブラッグ反射器が前記オーミックコンタクト層と前記第2の導電型の下部半導体層との間に介在してもよい。このとき、前記分布ブラッグ反射器は各スルーホール(貫通ホール)を有してもよく、前記オーミックコンタクト層は、前記各スルーホールを介して前記第2の導電型の下部半導体層に接続されてもよい。
【0029】
一方、前記
第1のコネクタ
及び前記第2のコネクタと前記基板との間に分離絶縁層が介在してもよい。前記分離絶縁層は、ボンディング金属と前記コネクタを分離させ、電気的短絡を防止する。
【0030】
本発明の他の実施形態に係る発光素子は、基板と、第1の導電型の上部半導体層、活性層及び第2の導電型の下部半導体層を含むとともに、前記第2の導電型の下部半導体層及び活性層を貫通して前記第1の導電型の上部半導体層を露出させるホールを含む第1の発光セルと、前記ホールを介して前記第1の導電型の上部半導体層に電気的に接続された第1のコネクタと、前記第2の導電型の下部半導体層に電気的に接続された第2のコネクタと、を含む。前記ホールは前記発光セルの中央領域に位置し、前記第1のコネクタは、前記第2の導電型の下部半導体層から電気的に絶縁される。このような構成によって、前記第1のコネクタと第2のコネクタを各発光セルと基板との間に配置することとなり、光損失を防止するとともに、前記第2のコネクタが発光セルの中央領域に接続することによって、発光セル内の電流の分散を促進することができる。
【0031】
前記第1の発光セルは、前記第1の導電型の上部半導体層を露出させる複数のホールを含むことができる。
【0032】
一方、絶縁層が前記ホールの側壁に形成され得る。前記絶縁層は、第2のコネクタによって第1の導電型の上部半導体層と第2の導電型の下部半導体層が短絡されるのを防止する。さらに、前記絶縁層は分布ブラッグ反射器を含むことができ、その結果、第1の発光セル内で生成された光が第2のコネクタによって損失されるのを防止することができる。
【0033】
また、オーミックコンタクト層が前記第2の導電型の下部半導体層に接触することができる。また、前記第2のコネクタは前記オーミックコンタクト層に接続され得る。さらに、前記オーミックコンタクト層は反射金属層を含むことができ、その結果、第1の発光セル内で生成されて前記基板側に進行する光を上側に反射させることができる。
【0034】
さらに、前記第1のコネクタと前記オーミックコンタクト層との間に絶縁層が介在することができる。この絶縁層によって、前記オーミックコンタクト層と前記第1のコネクタが絶縁され得る。また、前記絶縁層は分布ブラッグ反射器を含むことができる。
【0035】
一方、前記発光素子は、第1の導電型の上部半導体層、活性層及び第2の導電型の下部半導体層を含む第2の発光セルをさらに含むことができ、前記第2のコネクタは、前記第2の発光セルの第1の導電型の上部半導体層に電気的に接続され得る。
【0036】
例えば、前記第2の発光セルは、前記第2の導電型の下部半導体層及び前記活性層を貫通して前記第1の導電型の上部半導体層を露出させるホールを含むことができ、前記第2のコネクタは、前記ホールを介して前記第2の発光セルの前記第1の導電型の上部半導体層に電気的に接続され得る。
【0037】
一方、前記第1及び第2の発光セルは、分離溝によって互いに分離され得、前記分離溝と前記第2のコネクタとの間に絶縁層が介在することができる。さらに、この絶縁層は分布ブラッグ反射器を含むことができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、金属エッチング副産物が発生するのを防止することができ、これにより発光セル内の電気的短絡を防止できる高電圧駆動用発光素子を提供される。また、分布ブラッグ反射器を含む絶縁層を採択することによって、基板側に向かう光を反射させることができ、発光効率が改善される。また、各発光セルを接続する各コネクタを発光素子の内部に埋め込むことによって、光放出面から放出される光が各コネクタによって損失されるのを防止することができる。さらに、各発光セルの各中央領域にホールを形成し、前記ホールを介してコネクタを第1の導電型の上部半導体層に接続することによって、各発光セル内での電流の分散を促進できる高電圧駆動用発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】従来技術に係る交流用発光素子製造方法を説明するための断面図である。
【
図2】従来技術に係る交流用発光素子製造方法を説明するための断面図である。
【
図3】従来技術に係る交流用発光素子製造方法を説明するための断面図である。
【
図4】従来技術に係る交流用発光素子製造方法を説明するための断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る発光素子を説明するための概略的な平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る発光素子を説明するための
図5のA―A線断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る発光素子製造方法を説明するための断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る発光素子製造方法を説明するための断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る発光素子製造方法を説明するための断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る発光素子製造方法を説明するための断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る発光素子製造方法を説明するための断面図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る発光素子製造方法を説明するための断面図である。
【
図13】本発明の他の実施形態に係る発光素子を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付の各図面を参照して本発明の各実施形態を詳細に説明する。次に紹介する各実施形態は、当業者に本発明の思想を十分に伝達するための例として提供されるものである。したがって、本発明は、以下で説明する各実施形態に限定されず、他の形態で具体化されることも可能である。そして、各図面において、構成要素の幅、長さ、厚さなどは、便宜のために誇張して表現している場合がある。明細書全般にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。
【0041】
図5は、本発明の一実施形態に係る発光素子を説明するための概略的な平面図で、
図6は、
図5のA―A線断面図である。
図5において、発光素子の内部に埋め込んだ各構成要素を点線で示した。
【0042】
図5及び
図6を参照すれば、前記発光素子は、基板151、第1及び第2の発光セルS1、S2、分離溝161及び各コネクタ135を含む。また、前記発光素子は、各ホール130a、オーミックコンタクト層131、絶縁層133、分離絶縁層137、接着層139及びボンディング金属141を含むことができ、さらに、保護絶縁層を含むことができる。
【0043】
前記基板151は、各化合物半導体層を成長させるための成長基板と区分され、既に成長させた各化合物半導体層に付着する基板である。前記基板151は、サファイア基板であってもよいが、これに限定されず、他の種類の絶縁性又は導電性の基板であってもよい。特に、各半導体層の成長基板としてサファイア基板を使用する場合、前記基板151は、成長基板と同一の熱膨張係数を有するサファイア基板であることが望ましい。
【0044】
前記各発光セルS1、S2は、各分離溝161によって分離される。前記各発光セルS1、S2は、それぞれ第1の導電型の上部半導体層125、活性層127及び第2の導電型の下部半導体層129を含む半導体スタック130を含む。前記活性層127は、前記上部及び下部半導体層125、129の間に介在する。一方、前記各発光セルS1、S2は、第2の導電型の下部半導体層129及び活性層127を貫通して第1の導電型の上部半導体層125を露出させる各ホール130aを有する。前記各ホール130aは、それぞれ前記各発光セルS1、S2の中央領域に位置する。前記各発光セルS1、S2は、それぞれ前記ホール130aを一つずつ有してもよいが、これに限定されず、複数のホール130aを有してもよい。
【0045】
前記活性層127、前記上部及び下部半導体層125、129は、III−N系列の化合物半導体、例えば、(Al、Ga、In)N半導体で形成され得る。前記上部及び下部半導体層125、129は、それぞれ単一層であってもよく、多重層であってもよい。例えば、前記上部及び/又は下部半導体層125、129は、接触層及びクラッド層を含むことができ、さらに、超格子層を含むことができる。また、前記活性層127は、単一量子井戸構造であってもよく、多重量子井戸構造であってもよい。望ましくは、前記第1の導電型はn型で、前記第2の導電型はp型である。抵抗が相対的に小さいn型半導体層で各上部半導体層125を形成することができ、各上部半導体層125を相対的に厚く形成することができる。したがって、前記上部半導体層125の上部面に粗面(R)を容易に形成し、粗面(R)は活性層127で発生した光の抽出効率を向上させる。
【0046】
一方、前記分離溝161は、第1の導電型の上部半導体層125、活性層127及び第2の導電型の下部半導体層129を貫通して形成され、その結果、前記分離溝161の内壁は半導体スタック130で形成される。分離溝161はいずれも同一の深さで形成されてもよく、これにより前記分離溝161を形成するためのエッチング工程の安定化を図ることができる。
【0047】
一方、前記各コネクタ135は、発光セルS1、S2と基板151との間に位置し、各発光セルS1、S2を電気的に接続する。一つの発光セルS1又はS2に二つのコネクタが接続され、二つのコネクタ135は、発光セルS1又はS2の第1の導電型の上部半導体層125と第2の導電型の下部半導体層129にそれぞれ電気的に接続される。また、各コネクタ135は、隣接した各発光セルを電気的に接続する。例えば、前記コネクタ135は、第1の発光セルS1の第2の導電型の下部半導体層129と、第2の発光セルS2の第1の導電型の上部半導体層125とを電気的に接続する。このとき、前記コネクタ135は、第2の発光セルのホール130aに露出された第1の導電型の上部半導体層125に電気的に接続され得る。
【0048】
このように、複数の発光セルが各コネクタ135によって互いに直列に接続され、各発光セルの直列アレイが提供され得るので、高電圧下で駆動可能な発光素子が提供され得る。また、複数の直列アレイが提供され得、これら各直列アレイが互いに逆並列に接続されることによって、交流電源下で駆動可能な交流用発光素子が提供され得る。
【0049】
一方、前記第2の導電型の下部半導体層129にオーミックコンタクト層131が接触することができる。オーミックコンタクト層131は、第2の導電型の下部半導体層129のほとんどの領域にわたって形成され、各発光セルS1、S2内での電流の分散を促進する。オーミックコンタクト層131は反射金属層を含んでもよく、これにより、各発光セルS1、S2で生成されて基板151側に進行する光を反射させることができる。このとき、前記第1の発光セルS1の第2の導電型の下部半導体層129に電気的に接続されるコネクタ135は、前記オーミックコンタクト層131に接続されてもよい。一方、前記コネクタ135は、第2の発光セルS2の第1の導電型の上部半導体層125に電気的に接続されるとともに、前記第2の導電型の下部半導体層129及び前記第2の発光セルS2のオーミックコンタクト層131から電気的に絶縁される。
【0050】
一方、絶縁層133が分離溝161とコネクタ135との間に介在し、コネクタ135が外部に露出されるのを防止する。したがって、前記分離溝161をエッチングによって形成する間、各コネクタ135がエッチングによって損傷されるのを防止することができる。
【0051】
一方、前記各ホール130aの側壁に絶縁層133が位置し、前記各コネクタ135によって上部半導体層125と下部半導体層127が短絡されるのを防止する。また、オーミックコンタクト層131とコネクタ135を絶縁させるために、これらの間に絶縁層133が介在する。
【0052】
本実施例において、各ホール130a内の絶縁層、エッチング防止用絶縁層及びオーミックコンタクト層131上の各絶縁層が単一の絶縁層133で形成され得、これら各絶縁層は分布ブラッグ反射器(DBR、distributed Bragg reflector)を含むことができる。他の各実施例において、前記各絶縁層は、互いに異なる工程によって形成されてもよい。
【0053】
一方、前記各発光セルS1、S2と基板151との間にボンディング金属141が介在することができる。前記ボンディング金属141は、基板151を各発光セルS1、S2上にボンディングするための金属材料であって、Au/Snで形成され得る。また、分離絶縁層137が各発光セルS1、S2とボンディング金属141との間に介在し、前記各コネクタ135をボンディング金属141から電気的に絶縁させることができる。一方、前記分離絶縁層137の下側には、ボンディング金属141の接着力を向上させるためにCr/Auなどの接着層139が形成されてもよい。
【0054】
一方、前記第1の導電型の上部半導体層125は粗面(R)を有することができる。また、保護絶縁層(図示せず)は、前記各発光セルS1、S2を覆い、各発光セルを保護することができる。また、前記保護絶縁層は、分離溝161を充填することができる。
【0055】
図7〜
図12は、本発明の一実施例に係る発光素子製造方法を説明するための断面図である。
【0056】
図7を参照すれば、犠牲基板121上に各化合物半導体層の半導体スタック130が形成される。犠牲基板121は、サファイア基板であってもよいが、これに限定されず、他の異種基板であってもよい。一方、各化合物半導体層は、第1の導電型の半導体層125及び第2の導電型の半導体層129と、これらの間に介在した活性層129とを含む。前記第1の導電型の半導体層125は犠牲基板121側に近く位置する。前記第1及び第2の導電型の半導体層125、129は、それぞれ単一層又は多重層で形成されてもよい。また、前記活性層127は、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造で形成されてもよい。
【0057】
前記各化合物半導体層は、III−N系列の化合物半導体で形成され得、有機金属気相成長法(MOCVD)又は分子線エピタキシー法(molecular beam epitaxy;MBE)などの工程によって犠牲基板121上に成長されてもよい。
【0058】
一方、各化合物半導体層を形成する前に、バッファ層(図示せず)が形成され得る。バッファ層は、犠牲基板121と各化合物半導体層の格子不整合を緩和するために採択され、窒化ガリウム又は窒化アルミニウムなどの窒化ガリウム系列の物質層であってもよい。
【0059】
前記半導体スタック130をパターニングし、前記第1の導電型の半導体層125を露出させる各ホール130aが形成される。前記各ホール130aは、発光セル領域の中央領域に形成され、各コネクタを第1の導電型の半導体層125に接続するために形成される。一方、前記各ホール130aの内壁には、活性層127及び第2の導電型の半導体層129の各側面が露出される。
【0060】
前記各ホール130aを形成するために、前記各化合物半導体層は写真及びエッチング工程を使用してパターニングされ得、このような工程は一般的にメサエッチング工程と類似している。しかし、メサエッチング工程では、一般的に各発光セルの第2の導電型の半導体層129を互いに孤立させるようにメッシュ形状で形成するが、本発明において、前記各ホール130aは互いに分離される。これによって、各ホール130aの面積を減少させることができるため、今後、分離絶縁層及びボンディング金属を平坦化させるのに有利であり、その結果、基板151を安定的に付着させることができる。
【0061】
図8を参照すれば、第2の導電型の半導体層129上にオーミックコンタクト層131が形成されてもよい。前記オーミックコンタクト層131は、第2の導電型の半導体層129にオーミック接触する。オーミックコンタクト層131は、各発光セル領域上に形成され、前記各ホール130aを露出させる各開口部を有する。前記オーミックコンタクト層131は反射金属層を含むことができ、さらに、前記反射金属層を保護するための障壁層を含むことができる。
【0062】
一方、前記各ホール130aの側壁を覆い、前記オーミックコンタクト層131の一部を覆う絶縁層133が形成される。また、前記絶縁層133は、各発光セル領域間の領域に位置する第2の導電型の半導体層129を覆う。各ホール130aの側壁を覆う絶縁層、オーミックコンタクト層131を覆う絶縁層及び各発光セル領域間に位置する絶縁層は、いずれも同一の工程によって同一の材質で形成され得るが、これに限定されず、それぞれ互いに異なる工程によって形成されてもよい。
【0063】
前記絶縁層133は、例えば、SiO
2、SiN、MgO、TaO、TiO
2、又はポリマーで形成されてもよく、分布ブラッグ反射器(DBR)を含んでもよい。
【0064】
図9を参照すれば、前記絶縁層133上に各コネクタ135が形成される。各コネクタ135は、それぞれホール130aに露出された第1の導電型の半導体層125と、隣接する発光セル領域の第2の導電型半導体層129とを電気的に接続する。第2の導電型の半導体層129に電気的に接続されるコネクタ135は、オーミックコンタクト層131に接続されてもよい。一方、各一部領域で、前記コネクタ135は、オーミックコンタクト層131及び第2の導電型半導体層129から絶縁される必要があり、このために、前記コネクタ135と前記オーミックコンタクト層131との間に絶縁層133が介在する。
【0065】
図10を参照すれば、前記各コネクタ135が形成された犠牲基板121のほぼ全面上に分離絶縁層137が形成される。分離絶縁層137は、各コネクタ135及び絶縁層133を覆う。前記分離絶縁層137は、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜などで形成されてもよい。また、前記分離絶縁層137は、SiO
2/TiO
2を周期的に形成した分布ブラッグ反射器であってもよい。前記分離絶縁層137上に接着層139が形成されてもよく、前記接着層139上にボンディング金属141が形成され、基板151がボンディングされてもよい。前記ボンディング金属141は、例えば、AuSn(80/20wt%)で形成されてもよい。前記基板151は、特別に限定されるものではないが、犠牲基板121と同一の熱膨張係数を有する基板、例えば、サファイア基板であってもよい。
【0066】
図11を参照すれば、引き続いて、前記犠牲基板121が除去され、前記第1の導電型の半導体層125が露出される。犠牲基板121は、レーザリフトオフ(LLO)技術又は他の機械的方法や化学的方法によって分離されてもよい。このとき、バッファ層も除去され、第1の導電型の半導体層125が露出される。
【0067】
図12を参照すれば、前記半導体スタック130を各発光セルS1、S2に分離する分離溝161が形成される。前記分離溝161は、絶縁層133が露出されるまで前記半導体スタック130をエッチングすることによって形成される。このとき、前記絶縁層133によって、前記各コネクタ135が露出されるのを防止することができる。前記分離溝161の側壁は半導体スタック130で構成され、分離溝内に第1の導電型の半導体層125、活性層127及び第2の導電型の半導体層129の各側面が露出される。一方、前記第1の導電型の半導体層125にPEC(光電化学)エッチングなどによって粗面(R)が形成されてもよい。
【0068】
一方、前記第1の導電型の半導体層125上に保護絶縁層(図示せず)及び各電極パッド(図示せず)が形成され、前記各発光セルS1、S2を含む発光素子単位で基板151が分離され、単一チップの発光素子が完成する。
【0069】
図13は、本発明の他の実施例に係る発光素子を説明するための断面図である。
【0070】
図13を参照すれば、本実施例に係る発光素子は、
図5及び
図6を参照して説明した発光素子とほぼ類似しているが、オーミックコンタクト層171を形成する前に分布ブラッグ反射器170が形成されるという点で差を有する。
【0071】
すなわち、オーミックコンタクト層171と第2の導電型の下部半導体層129との間に前記分布ブラッグ反射器170が介在する。また、前記分布ブラッグ反射器は、各ホール130a内の側壁を覆うことができ、分離溝161とコネクタ175との間に介在することができる。
【0072】
一方、前記分布ブラッグ反射器170は、前記オーミックコンタクト層171と前記第2の導電型の下部半導体層129との間に各スルーホール(貫通ホール)170aを有することができ、オーミックコンタクト層171は、各スルーホール170aを介して前記第2の導電型の下部半導体層129に接続され得る。
【0073】
前記オーミックコンタクト層171の各一部領域上に絶縁層173が形成され、オーミックコンタクト層171とコネクタ175を電気的に絶縁させる。
【0074】
本実施例によれば、各ホール130a内の側壁、オーミックコンタクト層171と第2の導電型の下部半導体層129との間の領域及び分離溝161とコネクタ175との間に分布ブラッグ反射器170が形成されることによって、各発光セルS1、S2内で生成された光の反射率を高めることができ、その結果、発光効率を向上させることができる。
【0075】
以上、本発明をいくつかの実施例を例に挙げて説明したが、本発明は、上述した各実施例に限定されず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で当業者によって多様に変形及び変更可能である。このような変形及び変更は、下記の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
125:第1の導電型の上部半導体層
127:活性層
129:第2の導電型の下部半導体層
130a:ホール
135:コネクタ
151:基板
S1:第1の発光セル
S2:第2の発光セル