【実施例】
【0024】
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
【0025】
実験例1 炭酸飲料の調製(レモン味)
表1の処方に基づいて炭酸飲料(レモン味)を調製した。具体的には水に、各種デキストリンを溶解した後、甘味料、クエン酸、クエン酸三ナトリウム及び香料を添加し、イオン交換水にて20部まで加水し、濃縮シロップを調製した。調製した濃縮シロップに炭酸水80部を加え容器に充填後、殺菌して炭酸飲料を調製した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
注1)スクラロース24%、アセスルファムカリウム18%及び食品素材58%含有製剤
(砂糖の200倍の甘味度を有する)
【0029】
得られた炭酸飲料について、パネラー3名で、(1)コク味増強効果、(2)清涼感、キレ、(3)フレーバーリリース、及び(4)甘味の後引き改善効果を評価した。結果を表3に示す。
(1)コク味増強効果:コク味増強効果が高いものを5、効果がないものを1として5段階で評価した。
(2)清涼感やキレが良好なものを5、清涼感がない、キレが悪いものを1として5段階で評価した。
(3)フレーバーリリースが良好なものを5、悪いものを1として5段階で評価した。
(4)甘味の後引き改善効果が高いものを5、高甘味度甘味料特有の甘味の後引きを感じるものを1として5段階で評価した。
【0030】
【表3】
【0031】
馬鈴薯由来でDEが3.5であるデキストリンを用いた実施例1〜4の炭酸飲料は、糖類含量が0%(無糖)にも関わらず、糖類含量が9.3%と高い比較例1の飲料と遜色ないコク味を有する上、炭酸飲料特有の清涼感、キレや、良好なフレーバーリリースを有していた。加えて、実施例1〜4の炭酸飲料は、高甘味度甘味料特有の甘味の後引きも改善された飲料であった。特に、馬鈴薯由来であり、DEが3.5であるデキストリンの添加量が0.03%及び0.05%である実施例1及び2の炭酸飲料は、他のデキストリンを添加した比較例2〜7よりも低添加量にも関わらず、比較例2〜7のいずれの炭酸飲料よりも高いコク味増強効果を有している上、炭酸飲料特有の清涼感、キレやフレーバーリリースが損なわれることもなく、全てを兼ね備えた炭酸飲料であった。
一方、DEが2以上5未満のデキストリンであっても、コーン由来のデキストリン(比較例3)や、先行文献に開示された各種デキストリンを用いた場合は、コク味の増強効果が不十分である上、炭酸飲料特有の清涼感やキレ、フレーバーリリースも失われ、薄い味の炭酸飲料となってしまった。更には従来のデキストリンを用いた場合は、高甘味度甘味料の甘味の後引きを改善することもできなかった(比較例2〜7)。
【0032】
実験例2 炭酸飲料の調製(ラムネ飲料)
表4の処方に基づいて炭酸飲料(ラムネ飲料)を調製した。具体的には水に、各種デキストリンを溶解した後、果糖ぶどう糖液糖、高甘味度甘味料製剤、クエン酸、クエン酸三ナトリウム及び香料を添加し、水にて20部まで加水し、濃縮シロップを調製した。調製した濃縮シロップに炭酸水80部を加え容器に充填後、殺菌して炭酸飲料を調製した(糖類含量3.75%)。
得られた炭酸飲料について、実験例1と同様にパネラー3名で、(1)コク味増強効果、(2)清涼感、キレ、(3)フレーバーリリース、及び(4)甘味の後引き改善効果を評価した。結果を表5に示す。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
実験例3 炭酸飲料の調製(コーラ)
表6の処方に基づいて炭酸飲料(コーラ)を調製した。具体的には水に、各種デキストリンを溶解した後、果糖ぶどう糖液糖、高甘味度甘味料製剤、リン酸、クエン酸三ナトリウム、色素及び香料を添加し、イオン交換水にて20部まで加水し、濃縮シロップを調製した。調製した濃縮シロップに炭酸水80部を加え容器に充填後、殺菌して炭酸飲料を調製した(糖類含量3.75%)。
得られた炭酸飲料について、実験例1と同様にパネラー3名で、(1)コク味増強効果、(2)清涼感、キレ、(3)フレーバーリリース、及び(4)甘味の後引き改善効果を評価した。結果を表7に示す。
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
馬鈴薯由来でDE4.5のデキストリンを使用した実施例7及び8の炭酸飲料は、十分がコク味増強効果を有する上、炭酸飲料特有の清涼感やキレを損なうこともなく、良好な清涼感、キレやフレーバーリリースを有する飲料であった。特に、実施例7の炭酸飲料は、比較例11のデキストリンの1/10の添加量にも関わらず、顕著なコク味増強効果を奏する上、極めて優れたフレーバーリリースや、炭酸飲料特有の清涼感、キレに優れた飲料であった。また、本発明のデキストリンを使用した実施例7及び8の炭酸飲料は、高甘味度甘味料特有の甘味の後引きも改善された飲料であった。
【0039】
実験例4 炭酸含有アルコール飲料の調製(レモンチューハイ)
表8の処方に基づいて、炭酸含有アルコール飲料(レモンチューハイ)を調製した。具体的には水に、各種デキストリンを溶解した後、濃縮還元レモン透明果汁、各種甘味料、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、香料及び焼酎を添加し、イオン交換水にて32部まで加水した。更に、炭酸水68部を加え、容器に充填後、殺菌して、炭酸含有アルコール飲料(レモンチューハイ)を調製した。
【0040】
【表8】
【0041】
【表9】
【0042】
得られた炭酸含有アルコール飲料について、実験例1と同様にパネラー3名で、(1)コク味増強効果、(2)清涼感、キレ、(3)フレーバーリリース、及び(4)甘味の後引き改善効果を評価した。結果を表10に示す。
【0043】
【表10】
【0044】
馬鈴薯由来でDEが3.5であるデキストリンを用いた実施例9〜12の炭酸含有アルコール飲料は、糖類含量が0%(無糖)にも関わらず、糖類含量が2.8%と高い比較例12の飲料と遜色ないコク味を有する上、良好な清涼感、キレや、フレーバーリリースを有していた。加えて、実施例9〜12のアルコール飲料は、高甘味度甘味料特有の甘味の後引きも改善された飲料であった。
一方、DEが2以上5未満のデキストリンであっても、コーン由来のデキストリン(比較例15)や、先行文献に開示された各種デキストリンを用いた場合は、コク味の増強効果が不十分である上、アルコール飲料の清涼感やキレ、フレーバーリリースも失われ、薄い味の炭酸含有アルコール飲料となってしまった。更には従来のデキストリンを用いた場合は、高甘味度甘味料の甘味の後引きを改善することもできなかった(比較例13〜18)。
【0045】
実験例5 アルコール飲料の調製(アルコール入り酸乳飲料(カクテル))
表11の処方に基づいてアルコール飲料(アルコール入り酸乳飲料)を調製した。
具体的には水に、脱脂粉乳、酸乳飲料用安定剤、エリスリトール及び各種デキストリンを溶解した後、高甘味度甘味料製剤、クエン酸及びクエン酸三ナトリウムを添加し、イオン交換水にて90部まで加水した。更に、ウォッカを10部加え、容器に充填後、殺菌してアルコール飲料(アルコール入り酸乳飲料)を調製した(糖類含量1.5%)。
【0046】
得られたアルコール飲料について、実験例1と同様にパネラー3名で、(1)コク味増強効果、(2)清涼感、キレ、(3)フレーバーリリース、及び(4)甘味の後引き改善効果を評価した。結果を表12に示す。
【0047】
【表11】
【0048】
【表12】
【0049】
実験例6 アルコール飲料の調製(アルコール入り酸乳飲料(カクテル))
表13の処方に基づいてアルコール飲料(アルコール入り酸乳飲料)を調製した。
具体的には水に、脱脂粉乳、酸乳飲料用安定剤及び各種デキストリンを溶解した後、高甘味度甘味料製剤、クエン酸、果糖ぶどう糖液糖、果汁、香料、着色料及び焼酎を添加し、イオン交換水にて100部まで加水し、容器に充填後、殺菌し、アルコール飲料(アルコール入り酸乳飲料)を調製した(糖類含量2.25%)。
【0050】
【表13】
【0051】
得られたアルコール飲料について、実験例1と同様にパネラー3名で、(1)コク味増強効果、(2)清涼感、キレ、(3)フレーバーリリース、及び(4)甘味の後引き改善効果を評価した。結果を表14に示す。
【0052】
【表14】
【0053】
馬鈴薯由来でDE4.5のデキストリンを使用した実施例14及び15のアルコール飲料は、デキストリンの添加量が0.005%(実施例14)及び0.05%(実施例15)と極めて低添加量にも関わらず、十分なコク味増強効果を有する上、良好な清涼感、キレやフレーバーリリースを有する飲料であった。また、本発明のデキストリンを使用した実施例14及び15のアルコール飲料は、高甘味度甘味料特有の甘味の後引きも顕著に改善された飲料であった。