特許第5766472号(P5766472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5766472フレキシブルディスプレイ装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5766472
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】フレキシブルディスプレイ装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/10 20060101AFI20150730BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20150730BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20150730BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   H05B33/10
   H05B33/04
   H05B33/02
   H05B33/14 A
【請求項の数】23
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-49979(P2011-49979)
(22)【出願日】2011年3月8日
(65)【公開番号】特開2011-187446(P2011-187446A)
(43)【公開日】2011年9月22日
【審査請求日】2014年2月19日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0021017
(32)【優先日】2010年3月9日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】朴 容煥
(72)【発明者】
【氏名】李 在燮
(72)【発明者】
【氏名】金 武鎭
(72)【発明者】
【氏名】表 瑩信
(72)【発明者】
【氏名】▲セオ▼ 祥準
(72)【発明者】
【氏名】閔 勳基
(72)【発明者】
【氏名】陳 東彦
【審査官】 素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−142168(JP,A)
【文献】 特開2009−037798(JP,A)
【文献】 特開2008−084819(JP,A)
【文献】 特開2006−171454(JP,A)
【文献】 特開2003−109773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
H05B 33/10
H05B 33/02
H05B 33/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の陥没部が形成された第1基板を提供する段階と、
前記それぞれの陥没部内に第1プラスチックフィルムを形成する段階と、
前記それぞれの第1プラスチックフィルム上に薄膜トランジスタを形成する段階と、
前記それぞれの薄膜トランジスタ上に前記薄膜トランジスタと電気的に連結されるディスプレイ素子を形成する段階と、
前記ディスプレイ素子の上部を封止する段階と、
前記第1基板をカットする段階と、
前記第1基板を前記第1プラスチックフィルムから分離させる段階と、を含むフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1基板をカットする段階は、
前記第1基板上で前記プラスチックフィルムが形成されていない領域をカットすることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1基板をカットする段階は、
前記それぞれの陥没部のフレームに沿って前記第1基板をカットすることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1基板をカットする段階は、
前記第1基板をパネル別にカットすることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項5】
前記それぞれの陥没部内に別々にディスプレイパネルが形成されることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項6】
前記それぞれの陥没部内に第1プラスチックフィルムを形成する段階は、
前記第1基板上に全体的に前記第1プラスチックフィルムを形成する段階と、
前記第1プラスチックフィルムのうち、前記第1基板の上面より突き出た部分を除去する段階と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項7】
前記それぞれの陥没部内に第1プラスチックフィルムを形成する段階は、
ノズルプリンティングまたはインクジェットプリンティング法で前記それぞれの陥没部に前記第1プラスチックフィルムを充填することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1基板を前記第1プラスチックフィルムから分離させる段階は、
前記第1基板にレーザーを照射して行われることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1プラスチックフィルムは、ポリイミドまたはポリカーボネートのうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項10】
前記それぞれの陥没部内に第1プラスチックフィルムを形成する段階の後、
前記第1基板及び第1プラスチックフィルム上に第1バリア層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項11】
前記ディスプレイ素子は、有機発光素子を含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項12】
前記ディスプレイ素子の上部を封止する段階は、
薄膜封止法で行われることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項13】
前記ディスプレイ素子の上部を封止する段階は、
複数の第2陥没部が形成された第2基板を提供し、前記それぞれの第2陥没部内に第2プラスチックフィルムを形成し、封止部材を形成する段階と、
前記封止部材を前記ディスプレイ素子の上部に結合する段階と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項14】
前記封止部材は、前記ディスプレイ素子と別途に製造され、前記ディスプレイ素子と結合することを特徴とする請求項13に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項15】
前記封止部材を形成する段階は、
前記第2基板及び第2プラスチックフィルム上に第2バリア層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項16】
前記第2バリア層を形成する段階は、
80℃〜400℃間の高温蒸着工程を通じて前記第2バリア層を形成することを特徴とする請求項15に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2バリア層は、光硬化性物質を含み、前記光硬化性物質が光硬化されつつ、前記封止部材が前記ディスプレイ素子の上部に結合することを特徴とする請求項15に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項18】
前記第2バリア層は、粘着性物質を含み、前記粘着性の第2バリア層により前記封止部材が前記ディスプレイ素子の上部に結合することを特徴とする請求項15に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1基板をカットする段階は、
前記第1基板と前記第2基板とを同時にカットすることを特徴とする請求項13に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1基板を前記第1プラスチックフィルムから分離させる段階の後、
前記第2基板を前記第2プラスチックフィルムから分離させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項21】
前記第2基板を前記第2プラスチックフィルムから分離させる段階は、
前記第2基板にレーザーを照射して行われることを特徴とする請求項20に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項22】
複数の陥没部が形成された第1基板を提供する段階と、
前記それぞれの陥没部内に第1プラスチックフィルムを形成する段階と、
前記それぞれの第1プラスチックフィルム上に薄膜トランジスタを形成する段階と、
前記それぞれの薄膜トランジスタ上に前記薄膜トランジスタと電気的に連結されるディスプレイ素子を形成する段階と、
前記ディスプレイ素子の上部を封止する段階と、
レーザーを照射して前記第1プラスチックフィルム、その上部に形成された前記薄膜トランジスタ及びディスプレイ素子を前記第1基板からパネル別に分離させる段階と、を含むフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【請求項23】
前記それぞれの陥没部内に別々にディスプレイパネルが形成されることを特徴とする請求項22に記載のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルディスプレイ装置の製造方法に係り、さらに詳細には、薄膜トランジスタなどを備えたディスプレイ部のカットが容易なフレキシブルディスプレイ装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)を備えた液晶ディスプレイ装置(liquid crystal display device)及び有機発光ディスプレイ装置(organic light emitting display device)は、現在デジタルカメラやビデオカメラまたは携帯情報端末機(PDA)や携帯電話などのモバイル機器用のディスプレイとしてその市場を拡大している。
【0003】
このようなモバイル機器用としては、軽薄で、容易には割れない特性が要求される。軽薄に製作するために、製造時に薄いガラス材基板を使用する方法以外に、既存のガラス材基板を使用して製作した後、このガラス材基板を機械的または化学的方法で薄くする方法が導入された。しかし、このような工程は複雑でかつ割れやすくて、実用化には問題点があった。
【0004】
また、このようなモバイル機器は、携帯しやすく、多様な形状のディスプレイ装置に適用されるために、曲面具現が可能なフレキシブルな特性が要求される。しかし、既存のガラス材基板は、フレキシブル特性を具現し難い問題点があった。
【0005】
このような問題点を解決するために、低温多結晶シリコン薄膜トランジスタをプラスチック材基板上に形成しようとする試みがあった。プラスチックは、0.2mm程度の厚さで形成しても割れにくく、また比重がガラスより小さくて、既存のガラス材基板と比較した時、重量を1/5以下に軽減させることができ、曲面具現が可能であるという長所がある。
【0006】
しかし、このようなプラスチック材基板上に薄膜トランジスタとディスプレイ素子とを形成する過程で、プラスチック材基板を薄く製作する場合、基板上に薄膜トランジスタとディスプレイ素子とを順次に形成する過程で、プラスチック材基板のフレキシブルな特性のために、基板が基板上に形成された荷重を支え難く、ハンドリングしにくいという問題点があった。
【0007】
これを解決するために、ガラス材基板上にプラスチック材基板を薄く形成し、その上に薄膜トランジスタとディスプレイ素子とを含むディスプレイ部を形成した後、プラスチック材基板からガラス材基板を分離させる方法が研究されている。この場合、一般的に大面積の基板上に複数のディスプレイ部を形成した後、これをパネル単位でカットする方法が用いられる。ところが、この場合、ガラス材基板とプラスチック材基板との二枚の基板をカットせねばならないために、基板のカットが容易ではないという問題点が存在した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記問題点を含んだ多様な問題点を解決するためのものであって、ディスプレイ部のパネル別カット工程を容易に行えるフレキシブルディスプレイ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数の陥没部が形成された第1基板を提供する段階と、前記それぞれの陥没部内に第1プラスチックフィルムを形成する段階と、前記それぞれの第1プラスチックフィルム上に薄膜トランジスタを形成する段階と、前記それぞれの薄膜トランジスタ上に前記薄膜トランジスタと電気的に連結されるディスプレイ素子を形成する段階と、前記ディスプレイ素子の上部を封止(encapsulation)する段階と、前記第1基板をカットする段階と、前記第1基板を前記第1プラスチックフィルムから分離させる段階と、を含むフレキシブルディスプレイ装置の製造方法を提供する。
【0010】
本発明において、前記第1基板をカットする段階は、前記第1基板上で前記プラスチックフィルムが形成されていない領域をカットしうる。
【0011】
本発明において、前記第1基板をカットする段階は、前記それぞれの陥没部のフレームに沿って前記第1基板をカットしうる。
【0012】
本発明において、前記第1基板をカットする段階は、前記第1基板をパネル別にカットしうる。
【0013】
本発明において、前記それぞれの陥没部内に別々にディスプレイパネルが形成されうる。
【0014】
本発明において、前記それぞれの陥没部内に第1プラスチックフィルムを形成する段階は、前記第1基板上に全体的に前記第1プラスチックフィルムを形成する段階と、前記第1プラスチックフィルムのうち、前記第1基板の上部表面より突き出た部分を除去する段階と、を含むことができる。
【0015】
本発明において、前記それぞれの陥没部内に第1プラスチックフィルムを形成する段階は、ノズルプリンティングまたはインクジェットプリンティング法で前記それぞれの陥没部に前記第1プラスチックフィルムを充填しうる。
【0016】
本発明において、前記第1基板を前記第1プラスチックフィルムから分離させる段階は、前記第1基板にレーザーを照射して行える。
【0017】
本発明において、前記第1プラスチックフィルムは、ポリイミドまたはポリカーボネートのうち、少なくとも1つを含むことができる。
【0018】
本発明において、前記それぞれの陥没部内に第1プラスチックフィルムを形成する段階の後、前記第1基板及び第1プラスチックフィルム上に第1バリア層を形成する段階をさらに含むことができる。
【0019】
本発明において、前記ディスプレイ素子は、有機発光素子(OLED:organic light emitting diode)を含むことができる。
【0020】
本発明において、前記ディスプレイ素子の上部を封止(encapsulation)する段階は、薄膜封止(thin film encapsulation)方法で行える。
【0021】
本発明において、前記ディスプレイ素子の上部を封止する段階は、複数の第2陥没部が形成された第2基板を提供し、前記それぞれの第2陥没部内に第2プラスチックフィルムを形成して、封止部材を形成する段階と、前記封止部材を前記ディスプレイ素子の上部に結合する段階と、を含むことができる。
【0022】
ここで、前記封止部材は、前記ディスプレイ素子と別途に製造されて、前記ディスプレイ素子と結合されうる。
【0023】
ここで、前記封止部材を形成する段階は、前記第2基板及び第2プラスチックフィルム上に第2バリア層を形成する段階をさらに含むことができる。
【0024】
ここで、前記第2バリア層を形成する段階は、80℃〜400℃の高温蒸着工程を通じて前記第2バリア層を形成しうる。
【0025】
ここで、前記第2バリア層は、光硬化性物質を含み、前記光硬化性物質が光硬化されつつ、前記封止部材が前記ディスプレイ素子の上部に結合しうる。
【0026】
ここで、前記第2バリア層は、粘着性物質を含み、前記粘着性の第2バリア層により前記封止部材が前記ディスプレイ素子の上部に結合しうる。
【0027】
ここで、前記第1基板をカットする段階は、前記第1基板と前記第2基板とを同時にカットしうる。
【0028】
ここで、前記第1基板を前記第1プラスチックフィルムから分離させる段階の後、前記第2基板を前記第2プラスチックフィルムから分離させる段階をさらに含むことができる。
【0029】
ここで、前記第2基板を前記第2プラスチックフィルムから分離させる段階は、前記第2基板にレーザーを照射して行える。
【0030】
他の側面による本発明は、複数の陥没部が形成された第1基板を提供する段階と、前記それぞれの陥没部内に第1プラスチックフィルムを形成する段階と、前記それぞれの第1プラスチックフィルム上に薄膜トランジスタを形成する段階と、前記それぞれの薄膜トランジスタ上に前記薄膜トランジスタと電気的に連結されるディスプレイ素子を形成する段階と、前記ディスプレイ素子の上部を封止する段階と、レーザーを照射して前記第1プラスチックフィルム、その上部に形成された前記薄膜トランジスタ及びディスプレイ素子を前記第1基板からパネル別に分離させる段階と、を含むフレキシブルディスプレイ装置の製造方法を提供する。
【0031】
本発明において、前記それぞれの陥没部内に別々にディスプレイパネルが形成されうる。
【発明の効果】
【0032】
本発明のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法によれば、ディスプレイ部のパネル別カット工程を容易に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
図2A】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
図2B】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
図3】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
図4】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
図5】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
図6】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
図7】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
図8】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
図9】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
図10】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
図11】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
図12】本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明すれば、次の通りである。
【0035】
図1ないし図12は、本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置であって、有機発光ディスプレイ装置の製造工程を概略的に示す断面図である。
【0036】
まず、図1に図示されたように、複数の陥没部101aが形成された第1基板101を提供する。
【0037】
ところで、ディスプレイ装置の製作時に、一枚の基板上に複数枚のパネルが同時に形成されているために、封止工程が完了した後、プラスチックフィルムから基板を分離する前にそれぞれのパネルを分離するためのカット工程が必要となる。このような工程において、既存のガラス基板のカット時に使用するダイアモンドホイール(diamond wheel)のみを利用してカットする場合、基板上に高分子で形成されたプラスチックフィルムがコーティングされた状態であるために、プラスチックフィルムが裂けたり、TFTまたは配線などが破損したりする問題が発生した。これを解決するために、レーザーを利用して1次でプラスチックフィルムをカットし、さらにダイアモンドホイールを利用して基板を2次カットする方案が提示された。しかし、このような工程を進行するためには、既存に使われていないレーザー設備がさらに必要であるために、コスト高の原因となりうる。
【0038】
このような問題点を解決するために、本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置の製造方法では、第1基板101に各パネル領域別に陥没部101aを形成した後、前記陥没部101aにプラスチックフィルム、薄膜トランジスタ及びディスプレイ素子を形成することによって、カット領域にはプラスチックフィルムが形成されず、これによってプラスチックフィルムがカットされないことを特徴としている。
【0039】
ここで、第1基板101は、後述する分離段階でレーザービームが通過される透光性基板であることが望ましい。また、その機械的強度が十分であって、その上部に多様な素子または層が形成される場合であっても、変形のない材質で形成されたものを利用することが望ましい。本実施例では、このような材質としてガラス材基板を使用したが、前記の特性を持つ材質ならば、ガラス材基板に限らず、多様な種類の第1基板101が利用されうることはいうまでもない。
【0040】
次いで、図2A及び図2Bに示されたように、第1基板101の前記複数の陥没部101aに第1プラスチックフィルム111を形成する。この場合、次の2種の方法を例示することができる。
【0041】
まず、図2Aに示されたように、スピンコーティング方式またはスロットダイ(slot die)方式などを使用して、前記第1基板101上の全体に第1プラスチックフィルム111を形成した後、第1基板101の上面より突き出ている部分を除去する方法を使用して、第1基板101の陥没部101aに第1プラスチックフィルム111を形成する。
【0042】
または図2Bに示されたように、ノズルプリンティングまたはインクジェットプリンティングのようなドロップ方式で、第1基板101の陥没部101aが形成された領域にのみ第1プラスチックフィルム111を充填することで、第1基板101の陥没部101aに第1プラスチックフィルム111を形成することもできる。
【0043】
このような方法によって、図3に示されたように、第1基板101の陥没部101aが第1プラスチックフィルム111で充填される。
【0044】
ここで、第1プラスチックフィルム111は、従来のガラス材基板に比べて比重が小さくて軽く、割れ難く、曲面具現が可能な特性を有したプラスチック材で形成されうる。前記第1プラスチックフィルム111は、厚さが薄いほど軽くて薄膜ディスプレイの実現に有利であるが、後述する分離段階で第1基板101を分離した後にも、第1プラスチックフィルム111は、プラスチックフィルム上に形成された層と素子とによる荷重を維持できる程度の厚さを確保せねばならない。このような第1プラスチックフィルム111の厚さは5〜100μm程度が望ましいが、これは、5μm以下の厚さで第1基板101を分離する場合、第1プラスチックフィルム111のみでその上に形成された層と素子の形状を安定して維持し難く、100μm以上の厚さは、本発明による薄型の有機発光素子の具現に適さないからである。
【0045】
ここで、前記第1プラスチックフィルム111は、ポリイミドまたはポリカーボネートで形成されうる。ポリイミドは、機械的強度が優秀で最大工程可能温度が約450℃であって、他の高分子材料に比べて耐熱性が優れている。従って、ポリイミド基板上に薄膜トランジスタ及び有機発光素子を形成する工程で、一定の加熱過程を経ても、各素子と層との荷重による反りが生じず、フレキシブルディスプレイ基板の役割を安定して行える。
【0046】
次いで、図4に示されたように、第1基板101の第1プラスチックフィルム111の上部に第1バリア層112を形成した後、第1バリア層112の上部に薄膜トランジスタ(TFT:thin film transitor)を形成する。図4では、薄膜トランジスタの一例としてトップゲート(top gate)方式の薄膜トランジスタが備えられた場合を示している。しかし、ボトムゲート(bottom gate)方式など他の構造の薄膜トランジスタが備えられうることはいうまでもない。以下では、便宜上、図4に示された形の薄膜トランジスタ(TFT)が備えられた場合について説明する。
【0047】
まず、第1プラスチックフィルム111の上部には、第1バリア層112が形成される。第1バリア層112は、SiO、SiN、SiON、AlO、AlONなどの無機物からなり、またはアクリルまたはポリイミドなどの有機物からなりうる。または、有機物と無機物とが交互に積層されることもある。この第1バリア層112は、酸素と水分とを遮断する役割を行うと同時に、第1プラスチックフィルム111から発生する水分または不純物の拡散を防止するか、結晶化時に熱の伝達速度を調節することによって、半導体の結晶化がよくなされるような役割を果たす。
【0048】
一方、図4に示されたように、トップゲート型薄膜トランジスタが備えられる場合、第1バリア層112上に半導体層121、ゲート絶縁膜113、ゲート電極122、層間絶縁膜114、コンタクトホール124、ソース電極とドレイン電極123a、123b、及び保護膜115(図5)が順次に形成される。
【0049】
半導体層121は、ポリシリコンで形成され、この場合、所定領域が不純物でドーピングされうる。もちろん半導体層121は、ポリシリコンではないアモルファスシリコンで形成され、さらにペンタセンのような多様な有機半導体物質で形成されこともある。
【0050】
半導体層121がポリシリコンで形成される場合、アモルファスシリコンを形成し、これを結晶化させてポリシリコンに変化させる。このような結晶化方法としては、RTA(Rapid Thermal Annealing)工程、SPC法(Solid Phase Crystallzation)、ELA法(Excimer Laser Annealing)、MIC(Metal Induced Crystallization)、MILC法(Metal Induced Lateral Crystallization)またはSLS法(Sequential Lateral Solidification)など多様な方法が適用されうる。本発明によるプラスチックフィルムを使用するためには、高温の加熱工程が要求されない方法を利用することが望ましい。従来の半導体を活性化させる過程では、高温の工程が持続されることによって、基板の温度が400〜500℃まで上昇し、それによってプラスチックフィルムを使用できない問題があった。しかしながら、最近では、プラスチックフィルムの耐熱性が向上して、低温ポリシリコン(LTPS:low temperature poly−silicon)工程を300℃以上でも実施可能となった。そして、本実施例のように、プラスチックフィルム、望ましくは、ポリイミド基板を使用して薄膜トランジスタを形成可能となった。
【0051】
半導体層121とゲート電極122との間を絶縁するために、その間にゲート絶縁膜113が形成される。このゲート絶縁膜113は、シリコンオキシドまたはシリコンナイトライドのような絶縁性物質で形成され、もちろんそれ以外にも絶縁性有機物などで形成されうる。
【0052】
ゲート電極122は、多様な導電性物質で形成されうる。例えば、Mg、Al、Ni、Cr、Mo、W、MoWまたはAuなどの物質で形成され、この場合にも、単一層だけではなく、複数層の形で形成することができるなど多様な変形が可能である。
【0053】
層間絶縁膜114は、シリコンオキシドまたはシリコンナイトライドのような絶縁性物質で形成され、もちろんそれ以外にも、絶縁性有機物で形成されうる。前記層間絶縁膜114とゲート絶縁膜113とを選択的に除去して、ソース及びドレイン領域が露出されるコンタクトホール124を形成しうる。そして、前記コンタクトホール124が埋め込まれるように層間絶縁膜114上に前述したゲート電極122用の物質で、単一層または複数層の形状にソース及びドレイン電極123a、123bを形成する。
【0054】
ソース及びドレイン電極123a、123bの上部には、保護膜(パッシベーション層及び/または平坦化膜)115(図5)が備えられて、下部の薄膜トランジスタを保護して平坦化させる。この保護膜(図5の115参照)は、多様な形で構成されうるが、BCB(benzocyclobutene)またはアクリルのような有機物、またはSiNのような無機物で形成され、単層で形成されるか、二重あるいは多重層で構成されうるなど多様な変形が可能である。
【0055】
次いで、薄膜トランジスタ(TFT)の上部にディスプレイ素子が形成される。本明細書では、ディスプレイ素子として有機発光素子(OLED)を例示しているが、本発明の思想は、これに限定されず、多様なディスプレイ素子が本発明に適用されうる。
【0056】
薄膜トランジスタ(TFT)の上部に有機発光素子(OLED)を形成するために、まず、図5に示されたように、ソース電極またはドレイン電極の一電極にコンタクトホール130を形成して第1電極131と電気的に連結させるようにする。
【0057】
ここで、第1電極131は、後で有機発光素子に備えられる電極のうち、一電極として機能するものであって、多様な導電性物質で形成されうる。この第1電極131は、後で形成される有機発光素子によって透明電極として形成されても、反射型電極として形成されても良い。透明電極として使われる時には、ITO、IZO、ZnOまたはInで備えられ、反射型電極として使われる時には、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr及びこれらの化合物で反射膜を形成した後、その上にITO、IZO、ZnOまたはInを形成しうる。
【0058】
次いで、図6に示されたように、第1電極131上に第1電極131の少なくとも一部が露出されるように絶縁性物質でパターニングされた画素定義膜116を形成し、次いで、図7に示されたように、第1電極131の露出された部分に発光層を含む中間層132を形成し、この中間層132を中心に、第1電極131に対向する第2電極133を形成することによって有機発光素子(OLED)を製造しうる。
【0059】
図7において、中間層132は、各副画素、すなわちパターニングされた各第1電極131にのみ対応すべく、パターニングされたものとして図示されているが、これは副画素の構成を説明するために、便宜上、そのように図示したものであって、中間層132は、隣接した副画素の中間層132と一体に形成されうることはいうまでもない。また中間層132のうち、一部の層は、各副画素別に形成され、他の層は、隣接した副画素の中間層132と一体に形成されうるなどその多様な変形が可能である。
【0060】
中間層132は、低分子または高分子有機物で形成されうる。低分子有機物を使用する場合、正孔注入層(HIL:hole injection layer)、正孔輸送層(HTL:hole transport layer)、有機発光層(EML:emissive layer)、電子輸送層(ETL:electron transport layer)、電子注入層(EIL:electron injection layer)などが単一あるいは複合構造で積層されて形成され、使用可能な有機材料も銅フタロシアニン(CuPc:copper phthalocyanine)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(N,N’−Di(naphthalene−1−yl)−N,N’−diphenyl−benzidine:NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(tris−8−hydroxyquinoline aluminum)(Alq3)などをはじめとして、多様に適用可能である。これら低分子有機物は、マスクを利用した真空蒸着などの方法で形成されうる。
【0061】
高分子有機物の場合には、概して正孔輸送層(HTL)及び発光層(EML)で備えられた構造を有し、この際、前記正孔輸送層としてPEDOTを使用し、発光層としてPPV(Poly−Phenylenevinylene)系及びポリフルオレン(Polyfluorene)系など高分子有機物質を使用し、これをスクリーン印刷やインクジェット印刷法で形成しうる。
【0062】
第2電極133も第1電極131と同様に、透明電極または反射型電極として備えられうるが、透明電極として使われる時は、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Mg及びこれらの化合物からなる層と、この層上にITO、IZO、ZnOまたはInなどの透明電極形成用物質で形成された補助電極やバス電極ラインを具備しうる。そして、反射型電極として使われる時は、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Mg及びこれらの化合物を全面蒸着して形成する。
【0063】
次いで、前記ディスプレイ素子、詳細には、有機発光素子(OLED)を封止する。このように、有機発光素子を封止するために、一般的な薄膜封止方法を使用しうる。このような薄膜封止方法は、公知の技術であるために、本明細書ではこれについての詳細な説明は省略する。
【0064】
または、図8に示されたように、別途の封止部材150を備えることもある。
【0065】
詳細には、本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置の製造方法では、封止部材150を別途に製造し、この封止部材150を有機発光素子(OLED)の上部に結合した後、封止部材150の第2基板151を分離しうる。
【0066】
すなわち、一般的な薄膜封止方法によると、有機発光素子(OLED)製造工程の最後の工程として封止工程が有機発光素子(OLED)上に直接行われるので、有機発光素子(OLED)の劣化を避けるため、工程温度が80℃を超えられず、及び無機膜蒸着時に有機発光素子(OLED)を直接劣化させるプラズマも考慮する必要がとりわけある。
【0067】
このような問題点を解決するために、本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置の製造方法は、基板、プラスチックフィルム及びバリア層で構成された封止部材を別途に形成し、封止部材を有機発光素子(OLED)に結合した状態で基板を分離させる方法を適用することによって、有機発光素子(OLED)の封止が容易になることを一特徴とする。
【0068】
ここで、本発明の一実施例によるフレキシブルディスプレイ装置の封止部材150を提供するために、第2基板151上に第2プラスチックフィルム152及び第2バリア層153を順次に形成する。これをさらに詳細に説明すれば、次の通りである。
【0069】
まず、図2A及び図2Bで記述したように、複数の陥没部が形成された第2基板151を提供した後、第2基板151の前記複数の陥没部に第2プラスチックフィルム152を形成する。そして、第2基板151の第2プラスチックフィルム152上に第2バリア層153を形成する。このように、第2基板151の陥没部に第2プラスチックフィルム151を形成する方法については、図2で詳細に説明したので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0070】
ここで、第2基板151としては前述した第1基板101と同じガラス材基板を使用しうる。また、第2プラスチックフィルム152として、前述した第1プラスチックフィルム111のように、従来のガラス材基板に比べて比重が小さくて軽く、割れ難く、曲面具現が可能な特性を有したプラスチック材で形成しうる。ここで、第2プラスチックフィルム152の厚さは、10〜100μm程度が望ましい。ここで、前記第2プラスチックフィルム152は、ポリイミドまたはポリカーボネートなどで形成しうる。
【0071】
第2バリア層153は、SiO、SiN、SiON、AlO、AlONなどの無機物からなり、またはアクリルまたはポリイミドなどの有機物からなりうる。または有機物と無機物とが交互に積層されうる。この第2バリア層153は、酸素と水分とを遮断する役割を行うと同時に、第2プラスチックフィルム152から発生する水分または不純物の拡散を防止するか、結晶化時に熱の伝達速度を調節することによって、半導体の結晶化がよくなされるような役割を果たす。
【0072】
ここで、前記第2バリア層153は、概略80℃〜400℃でなされる高温蒸着工程によって形成されうる。この方法において、封止部材150を別途に製作して有機発光素子(OLED)に結合させることによって、封止部材150は高温蒸着工程で形成可能な第2バリア層153を含ませることができる。そして、このように封止部材150に第2バリア層153が備えられることによって、有機発光素子(OLED)がさらに安定して保護される効果が得られる。
【0073】
次いで、図9に示されたように、有機発光素子(OLED)の上部に封止部材150を配置した後、これらを合着する。有機発光素子(OLED)と封止部材(150)とを合着するために、第1基板101と第2基板151とを分離(ablation)するのに使われるレーザービーム(図11のL参照)が活用されうる。または、有機発光素子(OLED)と封止部材(150)とを合着するための他の方法として、第2バリア層153に所定の粘着性を有する材料を添加し、有機発光素子(OLED)の上部に封止部材150を配置した後、こられを圧着することによって、有機発光素子(OLED)と封止部材150とを結合することもできる。
【0074】
次いで、図10に示されたように、パネル別にカット工程を行う。この際、カット工程は基板101、151のうち、プラスチックフィルム111、152が形成されていない領域で行われる。すなわち、第1基板101の各パネル領域別に陥没部101aを形成した後、前記陥没部101aにプラスチックフィルム、薄膜トランジスタ及びディスプレイ素子を形成したので、陥没部101aのエッジ部に沿ってカットを行えば、ダイアモンドホイールを用いてガラス材質の基板101、151をカットする方法でそれぞれのパネルが分離される。
【0075】
最後に、図11に示されたように、レーザービームLを照射して第1基板101及び第2基板151を分離させることによって、図12に示されたように、第1プラスチックフィルム111上に薄膜トランジスタ(TFT)及び有機発光素子(OLED)が備えられたフレキシブルディスプレイ装置が得られる。すなわち、第1基板101及び第2基板151を分離させるために、レーザービームLを照射するところ、このようなレーザービームLとしては、光干渉性(coherenent)の100nmないし350nmの波長を有する光として、AF、Kr、XeなどとハロゲンガスF、HClなどとを組合わせたXeCl、KrF、ArFなどを使用しうる。
【0076】
一方、図面にはパネル別にカット工程を行った後、レーザービームLを照射して第1基板101及び第2基板151を分離させると示されているが、本発明の思想は、これに限定されない。言い換えれば、パネル単位で第1プラスチックフィルム111及び第2プラスチックフィルム152が形成されるために、第1プラスチックフィルム111及び第2プラスチックフィルム152にレーザーを照射すると、第1プラスチックフィルム111及び第2プラスチックフィルム152が第1基板101及び第2基板151から分離されるように形成することによって、別途のカット工程なしにも、各パネルが基板から分離されうる。
【0077】
本発明によって、一回のカット工程だけで基板をパネル別にカット可能となって、工程が簡単となり製造収率が向上する効果が得られる。また、有機発光素子(OLED)に直接封止工程を行わなくても良いために、無機膜の蒸着時にプラズマにより有機発光素子(OLED)が劣化する危険性が低下した。また、高温でも耐えられるプラスチックフィルム上に無機膜を形成することが可能となった。また、基板を分離させた後には、プラスチックフィルムが外部に露出されるために、別途の保護フィルムを備える必要性がなくなった。さらに、前述したようになされた本発明のフレキシブルディスプレイ装置の製造方法によれば、薄く、軽く、衝撃に強く、また曲面の具現が可能なフレキシブル特性に優れた有機発光ディスプレイ装置を製造しうる。
【符号の説明】
【0078】
101 第1基板
101a 陥没部
111 第1プラスチックフィルム
112 第1バリア層
113 ゲート絶縁膜
114 層間絶縁膜
115 保護膜
116 画素定義膜
121 半導体層
122 ゲート電極
123a、123b ソース電極とドレイン電極
124 コンタクトホール
130 コンタクトホール
131 第1電極
132 中間層
133 第2電極
150 封止部材
151 第2基板
152 第2プラスチックフィルム
153 第2バリア層
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12