(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5766520
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】直付け式太陽電池パネルおよびその太陽電池パネルの取り付け施工方法
(51)【国際特許分類】
E04D 13/18 20140101AFI20150730BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20150730BHJP
H02S 20/22 20140101ALI20150730BHJP
【FI】
E04D13/18ETD
E04F13/08 Z
H02S20/22
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-131840(P2011-131840)
(22)【出願日】2011年6月14日
(65)【公開番号】特開2013-2067(P2013-2067A)
(43)【公開日】2013年1月7日
【審査請求日】2014年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000200323
【氏名又は名称】JFE鋼板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】特許業務法人銀座マロニエ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080687
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 順三
(74)【代理人】
【識別番号】100077126
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 盛夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107227
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 史朗
(72)【発明者】
【氏名】太田 克也
(72)【発明者】
【氏名】大岸 英夫
【審査官】
五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−274658(JP,A)
【文献】
特開2006−140420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
E04F 13/08
H02S 20/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光を入射させる入射面を有し、電力の発電に寄与する太陽電池モジュールと、この太陽電池モジュールをその前面にて固定、保持するベースとを備えた太陽電池パネルであって、
前記ベースに、前記太陽電池モジュールの入射面を残して該ベースを取り囲み、かつ、該太陽電池モジュールをベースと共に取り付け施工面に対して直接取り付ける金属製のシースを設け、
前記金属製のシースは、立ち上がり壁部を有し、前記ベースの配置領域を形成する溝型断面をなすシース本体と、このシース本体の立ち上がり壁部の先端に一体連結し、端面を相互に向かい合わせにした対向姿勢でもって、前記シース本体と協働して前記ベースを挟持する一対のフランジとからなることを特徴とする直付け式太陽電池パネル。
【請求項2】
前記シース本体は、前記太陽電池パネルを、取り付け施工面に固定保持するブラケットを有することを特徴とする請求項1に記載した直付け式太陽電池パネル。
【請求項3】
前記シース本体は、その背面に、取り付け施工面に当接して該シース本体を支持すると共に、複数の凹部と凸部を交互に配列した波形形状の補強部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載した直付け式太陽電池パネル。
【請求項4】
前記各凸部は、一方から他方に向けて順次に変更された突出高さと、一定の角度で傾斜させた頂壁を有することを特徴とする請求項3に記載した直付け式太陽電池パネル。
【請求項5】
前記凸部は、その内側に、太陽電池パネルのケーブルを載置、収納する起立壁を有することを特徴とする請求項3または4に記載した直付け式太陽電池パネル。
【請求項6】
前記ベースが、粘着性の合成樹脂またはゴム体からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載した直付け式太陽電池パネル。
【請求項7】
前記フランジは、その先端部を内向きに折り返した折り返し片を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載した直付け式太陽電池パネル。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1に記載した直付け式太陽電池パネルを、取り付け施工面に固定、保持する方法において、
前記金属製のシースに直接または前記金属製のシースに設けたブラケットに締結手段を通すと共に、該締結手段を前記取り付け施工面にねじ込むことによって前記太陽電池パネルを、該取り付け施工面に直に固定、保持することを特徴とする直付け式太陽電池パネルの取り付け施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り付け施工面に対して太陽電池パネルを直接設置するのに適した直付け式太陽電池パネルと、その太陽電池パネルの取り付け施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、太陽光を利用して電力を発生させることが可能であり、その発電に際しては地球温暖化を招く二酸化炭素の排出もないため、現在のところ、クリーンエネルギー源を利用できる電力供給手段として最も期待されているものの一つになっている。
【0003】
上記太陽電池は、太陽光を取り入れる太陽電池モジュールを、板状のベースに配置、固定保持してパネル化を図り、これを、取り付け器具を介して建築構造物の屋根や屋上あるいは壁部に設置して使用するのが普通である。
【0004】
この点に関する先行技術として、例えば、特許文献1には、太陽電池ユニットを、太陽電池と、太陽電池が乗るパネル基板と、太陽電池をパネル基板上に固定する太陽電池固定手段とによって構成されものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001―214584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示の太陽電池ユニットは、前記パネル基板に、樋部と通気部を設け、前記固定手段に、軒側押え部材および棟側押え部材を設け、太陽電池の軒側端部を、太陽電池固定手段の棟側押え部により固定してパネル基板上に載置する一方、設置時に棟側に位置する該太陽電池固定手段の軒側押え部により、その軒側の太陽電池の棟側端部を軒側のパネル基板を押えつけて固定するようにしたものであって、これによれば、太陽電池の、とくに屋上への施工が容易になるとされていた。
【0007】
ところで、上記特許文献1に開示されているような従来の太陽電池パネルにおいては、該パネルを設置、固定するための器具が、多数の部品から構成されており、その取り扱いが容易でなく、効率的な取り付け施工を行うのが難しいという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、現場における取り扱いが容易であり、かつ、複雑な取り付け器具を要することなしに施工面への取り付けを可能とする直付け式太陽電池パネルを提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述したような従来の課題を解決するためになされたものである。
すなわち、本発明は、太陽光を入射させる入射面を有し、電力の発電に寄与する太陽電池モジュールと、この太陽電池モジュールをその前面にて固定、保持するベースとを備えた太陽電池パネルであって、前記ベースに、前記太陽電池モジュールの入射面を残して該ベースを取り囲み、かつ、該太陽電池モジュールをベースと共に取り付け施工面に対して直接取り付ける金属製のシースを設け
、前記金属製のシースは、立ち上がり壁部を有し、前記ベースの配置領域を形成する溝型断面をなすシース本体と、このシース本体の立ち上がり壁部の先端に一体連結し、端面を相互に向かい合わせにした対向姿勢でもって、前記シース本体と協働して前記ベースを挟持する一対のフランジとからなることを特徴とする直付け式太陽電池パネルである。
【0010】
また、本発明は、上記の構成に加え、
1)前記シース本体に、前記太陽電池パネルを、取り付け施工面に固定保持するブラケットを設けること、
2)前記シース本体に、その背面に、
取り付け施工面に当接して該シース本体を支持すると共に、複数の凹部と凸部を交互に配列した波形形状の補強部材を設けること、
3)前記各凸部を、一方から他方に向けて順次に変更された突出高さと、
一定の角度で傾斜させた頂壁(傾斜頭部
)を有するもので構成すること、
4)前記凸部の内側に、太陽電池パネルのケーブルを載置、収納する起立壁を設けること、
5)前記ベースを、粘着性の合成樹脂またはゴム体にて構成すること、
6)前記フランジに、その先端部を内向きに折り返した折り返し片を設けること、が課題解決のための具体的手段として好ましい。
【0011】
さらに、本発明は、上記の構成からなる太陽電池パネルの取り付け方法において、前記金属製のシースに直接または前記金属製のシースに設けたブラケットに締結手段を通すと共に、該締結手段を、前記取り付け施工面にねじ込むことによって前記太陽電池パネルを該取り付け施工面に直に固定、保持することを特徴とする直付け式太陽電池パネルの取り付け施工方法である。
【発明の効果】
【0012】
上記の構成からなる本発明によれば、太陽電池モジュールを固定、保持するベースを、金属製のシースによって覆うと共に、該シースを介して太陽電池パネルをボルト等の締結手段を介して直接施工面に取り付けるようにしたため、太陽電池パネルの取り付けが簡単に行える。
【0013】
また、本発明によれば、太陽電池パネルを取り付けるための専用の取り付け器具が必要ないため、現場における取り扱いが容易であり、しかも、コストの軽減も可能となる。
【0014】
また、本発明に係る太陽電池パネルによれば、前記金属製のシースを、前記ベースの配置領域を形成するシース本体と、このシース本体につながる一対のフランジとを備え
たフランジ付きの溝型断面を有する部材で構成したため簡単な形状でありながら、ベースの固定、保持が確実になる。
【0015】
さらに、上記の構成からなる本発明によれば、前記シース本体にブラケットを設け、このブラケットを利用して太陽電池パネルを直付け固定するようにしたため、部品点数の増大を招く専用の取り付け器具が不要となる。
【0016】
また、上記の構成からなる本発明によれば、前記シース本体の背面に、施工面に当接して該シール本体を支持すると共に、複数の凹部と凸部を交互に配列した波形形状の補強部材を設けることにより、シース自体の曲げ剛性を大幅に高めることができる。これにより、止め付け箇所を減らすことが可能となり、施工性が向上する。
【0017】
しかも、本発明に係る太陽電池パネルによれば、補強部材を設けることにより、金属製のシースを薄肉にしてその軽量化を図ることが可能となる。
【0018】
また、本発明に係る太陽電池パネルによれば、補強部材の凸部を、一方から他方に向けて順次に変更された突出高さにすると共に、その頭部に傾斜を設けることにより、太陽電池パネルを、所定の角度に保持することができ、雨だれ、粉塵等の付着による影響が受け難くなり、しかも太陽光の入射量の増大により効率的な発電が可能となる。
【0019】
なお、本発明に係る太陽電池パネルによれば、凸部の内側に起立壁を設け、この起立壁の内側に太陽電池パネルのケーブルを収納するようにしたため、該ケーブルが直接、風雨あるいは太陽光に曝されることがなく、経時劣化を回避し得る。
【0020】
また、本発明に係る太陽電池パネルによれば、ベースを、粘着性の合成樹脂またはゴム体にて構成するようにしたため、太陽電池モジュールの全面を、ベースに密着させることができ、該太陽電池モジュールの確実な固定、保持が可能となる。
【0021】
とくに、上記の構成からなる本発明によれば、フランジの先端部を内向きに折り返した折り返し片を設けることにより、重量増しを伴うことなしにその部位の強度を改善することができる。また、フランジの端面(切断端面)が表面に出ることがないため、シースを金属部材で構成したとしても、耐食性に影響を与えることがない。
【0022】
また、本発明の太陽電池パネルによれば、太陽電池モジュールの表面が、該フランジの
表面よりも内側に位置しているため、施工時に誤って太陽電池モジュールの表面を損傷するのを防止することができる。
【0023】
本発明に係る太陽電池パネルの取り付け施工方法によれば、前記金属製のシースに直接または前記金属製のシースに設けたブラケットに締結手段を通すと共に、該締結手段を前記取り付け施工面にねじ込むことによって前記太陽電池パネルを、該取り付け施工面に直に固定、保持することが可能であり、取り付け作業にかかる時間が短時間で済む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に従う太陽電池パネルの実施の形態を示した図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【
図2】
図1に示した太陽電池パネルの外観斜視図である。
【
図3】
図1に示した太陽電池パネルの製造要領を示した図である。
【
図4】本発明に従う太陽電池パネルの他の実施の形態を示した図であり(a)はその側面図、(b)は正面図である。
【
図5】本発明に従う太陽電池パネルのさらに他の実施の形態を示した図であり、(a)はその側面図、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1(a)(b)は、本発明に従う太陽電池パネルの実施の形態を模式的に示した図であり、(a)はその側面図、(b)はその正面図である。
【0026】
図1(a)(b)における符号1は、太陽光を入射させる入射面Mを有し、電力の発電に寄与する太陽電池モジュールである。
【0027】
太陽電池モジュール1は、例えば、表面から順に、アモルファスシリコン層(青色層)、シリコンゲルマニウム層(緑色層)、微結晶シリコン層(赤色層)を積層した3層のセルで構成することができるものであって、この場合、紫外線から赤外線まで、波長が異なる光を、スペクトル分割方式により高効率で吸収することが可能になる。
【0028】
上記構成の太陽電池モジュール1においては、アモルファスシリコン層の上にはエチレン・四フッ化エチレン共重合(ETFE)フィルムが配置され、微結晶シリコン層の下には、バックフィルムおよびステンレス箔が配置されるが、太陽電池モジュール1は、上記のものには限定されない。
【0029】
また、図における符号2は、太陽電池モジュール1を固定保持するためのベースである。ベース2としては、粘着性の合成樹脂、弾性ゴム体、アスファルト等が適用される。
【0030】
また、図における符号3は、太陽電池モジュール1の入射面Mを残してベース2を覆い隠す金属製のシースである。この金属製のシース3は、スチール製の塗装鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、銅板等を適用することができるものであり、ベース2の配置領域を形成する溝型断面(U字断面)からなるシース本体3aと、このシース本体3aの立ち上がり壁部3a
1、3a
2の先端部に一体連結する一対のフランジ3bから構成されている。
【0031】
フランジ3bは、その端面を相互に向い合せにした
対向姿勢となるようにシース本体3aの壁面と平行に設けられており、シース本体3aと協働して該ベース2を挟持している。
【0032】
また、符号4は、フランジ3bの先端部を内向きに折り返して2枚重ねにした折り返し片(
図1a)の拡大図参照)、5は、フランジ3bにおいてベース2の耳部2aおよびシース本体3aを貫くように形成された貫通孔(またはねじ孔でもよい)である。
【0033】
上記の折り返し片4は、重量増しを伴うことなしにその部位の強度を高めると共に、フランジ3bの端面を外部に表出させないようにするためのものであって、とくにシース3の耐食性の改善に寄与する。
【0034】
また、折り返し片4を設けることにより、太陽電池モジュール1の前面が、フランジ3bの外表面よりも寸法t(
図1(a)拡大図参照)だけ内側に位置することとなり、取り付け施工の際等、太陽電池モジュール1の損傷を避けることができる。
【0035】
上記の構成からなる太陽電池パネルは、シース3によってベース2の剛性が確保されている。そして、貫通孔5にねじ(ドリルねじ、タッピンねじ)の如き締結手段
Nを通すと共に、取り付け施工面Tに該締結手段Nをねじ込むことにより、直に固定保持することができる。従って、取り付け器具を別途に用意する必要がなく、簡単な作業のもとで太陽電池パネル
の取り付けが可能となる。
【0036】
なお、貫通孔5は、施工現場において形成してもよい。これにより、太陽電池パネルを設置すべき施工面の状況に合わせた対応が可能となる。
【0037】
タッピンねじを用いてフランジ3b、ベース2およびシース本体3aを貫くように該ねじをねじ込んでいくことにより、太陽電池パネルを、取り付け施工面に固定することも可能である。
【0038】
図2は、上掲
図1(a)(b)に示した太陽電池パネルの取り付け施工状況の一例を示した外観斜視図であり、太陽電池パネルのシース3を、ドリルねじ、タッピンねじ等のねじNで壁や屋根等の取り付け施工面Tに直接取り付けた例を示したものである。
【0039】
本発明に従う太陽電池パネルは、取り付け施工が簡単であるばかりでなく、例えば、ロール成形法を適用することによって製造することが可能であり、効率的な製造も可能である。
【0040】
ロール成形法を適用して太陽電池パネルを製造するには、まず、
図3に示すように、所定の幅寸法、長さに切り出した薄板材Sにつき、その幅端部に折り返し部4を形成する。そして、該板材S
がU字状断面となるように成形したのち、その凹部に太陽電池モジュール1を備えたベース2を配置し、さらに、該板材Sの立ち上がり部分を、ベース2の上端面を基点にして内側に折り込めばよい。
【0041】
図4(a)(b)は、本発明に従う太陽電池パネルの他の実施の形態を示した図である。
図4(a)(b)における符号6は、シース3と一体になる例で示したブラケット、7は、シース本体3aの背面に配置され、シース自体を補強する補強部材である。
【0042】
上記ブラケット6は、取り付け施工面に当接する当接板6aと、この当接板6aにつながる脚部6bから構成されており、ここでは、L字断面をなすもの例として示してある。
【0043】
また、補強部材7は、台形状の凹部7aと台形状の凸部7bを交互に配列した波形形状を有しており、凹部7aの底壁7a
1を取り付け施工面に当接させ、凸部7bの頂壁7b
1をシース本体3aの背面に当接させて該シース本体3aを支持する。
【0044】
さらに、図における符号8は、補強部材7の凸部7bの内側に一体的に設けられた起立壁である。この起立壁8は、凸部7bの端部で折り曲げられると共に、その先端部を2枚重ねにした折り曲げ片からなるものを例として示してある。
【0045】
起立壁8の内側に、太陽電池パネルのケーブル9を載置、収納しておくことにより、該ケーブル9が風雨あるいは太陽光に曝されるのを防ぐことができ、該ケーブル9の経時的な劣化を回避することが可能となる。
【0046】
上掲
図4(a)(b)に示した太陽電池パネルは、ブラケット6の当接板6aを取り付け施工面に当てがい、該当接板6aを通してドリルねじ、タッピンねじ等の締結手段をねじ込むことにより該取り付け施工面に直に取り付けることができる。
【0047】
ブラケット6については、シース3をロール成形する際に、該シース3と共に成形することが可能(単一の板材で製造することができる)であり、係る構造の太陽電池パネルにおいても効率的な製造が可能となる。
【0048】
この実施の形態で示した補強部材7については、シース3とは別体物となるが、該補強部材7は、予めシース3の背面に接着固定しておいてもよいし、施工現場で接着固定することも可能であり、この点についてはとくに限定されることはない。
【0049】
さらに、
図5(a)(b)に、本発明に従う太陽電池パネルのさらに他の実施の形態を示す。この例は、ブラケット6のうちの一方(
図5の上方のブラケット)について当接板6aのみを設けたものである。
【0050】
係る構成の太陽電池パネルは、取り付け施工面に対して角度を付与することを可能とするものであって、発電効率の改善を図ることができると共に、太陽電池モジュール1における雨だれや粉塵等の付着を回避することが可能になる。
【0051】
とくに、
図5(a)(b)に示したような構成になる太陽電池パネルにおいては、補強部材7の凸部7bの突出高さhを、当接板6aのみを設けたブラケット6から離れる向きに順次高くしていくと共に、凸部7bの頂壁7b
1を一定の角度で傾斜させることによってシース本体3aを確実に支持することができる。
【0052】
角度を付与した太陽電池パネルにおいても、ブラケット6の当接板6aを施工面に当てがい、該当接板6aを通してドリルねじ、タッピンねじ等の締結手段
Nをねじ込むことにより直に太陽電池パネルを取り付けることができ、
取り付け器具を別途に用意することなしに簡便な固定が可能となる。
【0053】
金属製のシース3については、両側面が開放されたフランジ付きの溝型断面をなすものを例として示したが、該両側面には、その部位を閉塞する壁部を設けることも可能であり、この点についてはとくに限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によれば、太陽電池パネルを、金属製のシースを利用して直に取り付け施工面に固定保持することができるので、効率的な取り付け施工が可能となる。
【0055】
また、本発明によれば、太陽電池パネルを取り付けるための専用の器具が不要(部品点数の削減)であり、コストの軽減を図ることができる。
【符号の説明】
【0056】
1 太陽電池モジュール
2 ベース
2a 耳部
3 金属製のシース
3a シース本体
3b フランジ
4 折り返し片
5 貫通孔
6 ブラケット
6a 当接板
6b 脚部
7 補強部材
7a 凹部
7b 凸部
8 台座
9 ケーブル