【実施例】
【0028】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0029】
[実施例1]
[カチオン化グリセリルグルコシド混合物の調製例1]
グリセリルグルコシド水溶液(純度75%、商品名コスアルテ−2G;東洋精糖株式会社製)を200gに対して、カチオン化剤として、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液(純度90%、商品名SY−GTA80;阪本薬品工業株式会社製)を50g、水酸化ナトリウム水溶液(濃度3%)を50g添加して、十分撹拌した後、60℃の恒温槽に24時間放置した。その後、室温まで除熱し、1Nの塩酸で中和した。中和後の反応液から、未反応のカチオン化剤を除去するため、2−プロパノール(純度99.7%、特級試薬;関東化学株式会社製)にイオン交換水を加え、95%の2−プロパノール水溶液(洗浄液)を作製し、反応液に上記の洗浄液を等量入れ撹拌した後、遠心分離機(H−108M2;株式会社コクサン)を使用し、回転数3000rpmで、15分間、室温下で遠心分離した。遠心分離後の反応液は、上清部分をアスピレーターで除去した後、再び等量の洗浄液を入れ、以後、同様の作業を3回繰り返し、残留のカチオン化剤が無くなるまで、十分な洗浄をおこなった。その後、減圧乾燥して十分に残留した2−プロパノールを除去した後、最終精製品として、145gのカチオン化グリセリルグルコシドを得た。こうして淡黄色の透明の液体であるカチオン化グリセリルグルコシド混合物が得られた。このカチオン化グリセリルグルコシド混合物について、住化分析センター製 SUMIGRAPH NCH-22Fを用いて窒素含有量を元素分析したところ、1.72質量%であった。
【0030】
[実施例2]
[カチオン化グリセリルグルコシド混合物の調製例2]
グリセリルグルコシド水溶液(純度75%、商品名コスアルテ−2G;東洋精糖株式会社製)を200gに対して、カチオン化剤として、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液(純度90%、商品名SY−GTA80;阪本薬品工業株式会社製)を25g、水酸化ナトリウム水溶液(濃度3%)を50g添加して、十分撹拌した後、60℃の恒温槽に24時間放置した。その後、未反応のカチオン化剤を吸着するため、セルロースパウダー(日本製紙製;W-100)を20gおよび活性炭(日本エンバイロケミカルズ株式会社;粒状白鷺KL)を20g加え、60℃の恒温槽で、さらに10時間撹拌した。その後、室温まで除熱し、セルロースパウダーおよび活性炭を濾取によって除去した後、濾液を1Nの塩酸で中和した。中和後の脱塩は、マイクロアシライザー(アストム社;S3)を利用し、印加電圧を4.5Vとし、電流値が0.06Aから0.01Aになるまで脱塩した。脱塩後の溶液は、ロータリーエバポレータにて水を減圧残留し、最終精製品として、125gのカチオン化グリセリルグルコシドを得た。こうして淡黄色の透明の液体であるカチオン化グリセリルグルコシド混合物が得られた。このカチオン化グリセリルグルコシド混合物について、住化分析センター製 SUMIGRAPH NCH-22Fを用いて窒素含有量を元素分析したところ、0.68質量%であった。
【0031】
[実施例3]
[カチオン化グリセリルグルコシド混合物の添加による粘度上昇]
実施例1で合成したカチオン化グリセリルグルコシドをグリセリルグルコシド水溶液(純度75%、商品名コスアルテ−2G;東洋精糖株式会社製)に、重量比10wt%を添加した水溶液を作製し、ブルックフィールド式粘度計(米ブルックフィールド社製;RVT)にて、粘度測定をした(室温25℃)。また、対照として、グリセリルグルコシド水溶液およびグリセリン(純度99.0%;関東化学株式会社製)の粘度測定も合わせて行った。
表1 粘度比較
本実施例で合成したカチオン化グリセリルグルコシドは、添加量10wt%にも関わらず、グリセリルグルコシドの粘度を大幅に上昇させ、グリセリルグルコシドのカチオン化が確認された。
【0032】
以下に本発明を皮膚外用剤の具体例をもって詳述するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。なお、配合量はすべて質量%(実分)である。
[実施例4〜8及び比較例1〜5]
上記実施例1で得られたカチオン化グリセリルグルコシド混合物(以下、カチオン化GGと称する)を用いて、下記表1に示す組成のヘアシャンプーを調製した。なお、配合量はすべて質量%(実分)である。
これらの各種ヘアシャンプーを用いて下記評価基準に基づき、洗髪時の泡質やすすぎ時の使用感及び乾燥後の毛髪のツヤ、パサツキ改善効果などについて、20名のパネラーにより官能評価を行った。結果を表2の下段に示す。
【0033】
[洗髪時に関する官能評価]
泡立ちについての評価基準
◎:20名中、18名以上が泡立ちに優れると評価した。
○:20名中、11〜17名が泡立ちに優れると評価した。
△:20名中、5〜10名が泡立ちに優れると評価した。
×:20名中、4名以下が泡立ちに優れると評価した。
泡のきめ・コシについての評価基準
◎:20名中、18名以上が泡のきめ・コシに優れると評価した。
○:20名中、11〜17名が泡のきめ・コシに優れると評価した。
△:20名中、5〜10名が泡のきめ・コシに優れると評価した。
×:20名中、4名以下が泡のきめ・コシに優れると評価した。
指通りについての評価基準
◎:20名中、18名以上が指通りに優れると評価した。
○:20名中、11〜17名が指通りに優れると評価した。
△:20名中、5〜10名が指通りに優れると評価した。
×:20名中、4名以下が指通りに優れると評価した。
【0034】
[すすぎ時に関する官能評価]
指通りについての評価基準
◎:20名中、18名以上が指通りに優れると評価した。
○:20名中、11〜17名が指通りに優れると評価した。
△:20名中、5〜10名が指通りに優れると評価した。
×:20名中、4名以下が指通りに優れると評価した。
キシミ感に関する評価基準
◎:20名中、18名以上がすすぎ時キシミ感が無いと評価した。
○:20名中、11〜17名がすすぎ時キシミ感が無いと評価した。
△:20名中、5〜10名がすすぎ時キシミ感が無いと評価した。
×:20名中、4名以下がすすぎ時キシミ感が無いと評価した。
【0035】
[乾燥後に関する官能評価]
指通りについての評価基準
◎:20名中、18名以上が指通りに優れると評価した。
○:20名中、11〜17名が指通りに優れると評価した。
△:20名中、5〜10名が指通りに優れると評価した。
×:20名中、4名以下が指通りに優れると評価した。
櫛通りについての評価基準
◎:20名中、18名以上が櫛通りに優れると評価した。
○:20名中、11〜17名が櫛通りに優れると評価した。
△:20名中、5〜10名が櫛通りに優れると評価した。
×:20名中、4名以下が櫛通りに優れると評価した。
しなやかさについての評価基準
◎:20名中、18名以上がしなやかさを感じると評価した。
○:20名中、11〜17名がしなやかさを感じると評価した。
△:20名中、5〜10名がしなやかさを感じると評価した。
×:20名中、4名以下がしなやかさを感じると評価した。
【0036】
まとまり具合についての評価基準
◎:20名中、18名以上がまとまり具合が良いと評価した。
○:20名中、11〜17名がまとまり具合が良いと評価した。
△:20名中、5〜10名がまとまり具合が良いと評価した。
×:20名中、4名以下がまとまり具合が良いと評価した。
シットリ感についての評価基準
◎:20名中、18名以上がシットリ感とした仕上がりになると評価した。
○:20名中、11〜17名がシットリ感とした仕上がりになると評価した。
△:20名中、5〜10名がシットリ感とした仕上がりになると評価した。
×:20名中、4名以下がシットリ感とした仕上がりになると評価した。
ツヤについての評価基準
◎:20名中、18名以上が髪にツヤがあると評価した。
○:20名中、11〜17名が髪にツヤがあると評価した。
△:20名中、5〜10名が髪にツヤがあると評価した。
×:20名中、4名以下が髪にツヤがあると評価した。
【0037】
【0038】
さらに以下の皮膚外用剤を調製した。
[実施例9]ヘアシャンプー
<作り方・使用感>
(1)〜(13)の各成分を加熱して均一溶解した後、室温まで冷却して適当な容器に充填した。
得られたシャンプーは、洗髪中においては、豊かな泡立ち、滑らかさ及び指通りの良さを与え、更にすすぎ後においても指通り及び櫛通りは滑らかで、ブローがしやすいものであった。また、乾燥後においても、指通り及び櫛通りは滑らかで、しなやかなでこしのある仕上がり感が得られた。
【0039】
[実施例10]マイルドシャンプー
<作り方・使用感>
(1)〜(18)の各成分を加熱して均一溶解した後、室温まで冷却して適当な容器に充填した。
得られたシャンプーは、洗髪中においては、豊かな泡立ち、滑らかさ及び指通りの良さを与え、更にすすぎ後においても指通り及び櫛通りは滑らかで、ブローがしやすいものであった。また、乾燥後においても、指通り及び櫛通りは滑らかで、しなやかなでこしのある仕上がり感が得られた。
【0040】
[実施例11] ボディシャンプー
<作り方・使用感>
加熱して均一溶解させた(1)〜(4)に均一溶解させた(5)〜(7)を加えてケン化した後、(8)〜(13)の成分を加えて十分攪拌した後、室温まで冷却して適当な容器に充填した。
得られたボディシャンプーは、クリーミィな豊かな泡立ちにも拘らず、洗浄時の泡切れに優れていた。また、サッパリとした洗いあがり感にも関わらず、しっとりと潤いのある肌が得られた。
【0041】
[実施例12]ヘアリンス
<作り方・使用感>
加熱して均一溶解させた(9)〜(15)に均一溶解させた(1)〜(8)を加えて乳化した後、十分攪拌した後、室温まで冷却して適当な容器に充填した。
得られたリンスはすすぎ時において、滑らかな指通りを与え、乾燥後においては、良好なつやを与え、しなやかでしっとりとした感触を与えるものであった。
【0042】
[実施例13]エモリエントリンス
<作り方・使用感>
加熱して均一溶解させた(9)〜(16)に均一溶解させた(1)〜(8)を加えて乳化した後、十分攪拌した後、室温まで冷却して適当な容器に充填した。
得られたエモリエントリンスはすすぎ時において、滑らかな指通りを与え、乾燥後においては、良好なつやを与え、しなやかでしっとりとした感触を与えるものであった。
【0043】
[実施例14]ヘアトリートメント
<作り方・使用感>
加熱して均一溶解させた(8)〜(14)に均一溶解させた(1)〜(7)を加えて乳化した後、十分攪拌した後、室温まで冷却して適当な容器に充填した。
得られたヘアトリートメントスはすすぎ時において、滑らかな指通りを与え、乾燥後においては、良好なつやを与え、しなやかでしっとりとした感触を与えるものであった。
【0044】
[実施例15]コンディショニングヘアトリートメント
<作り方・使用感>
加熱して均一溶解させた(8)〜(11)に均一溶解させた(1)〜(7)を加えて乳化した後、十分攪拌した後、室温まで冷却して適当な容器に充填した。
得られたコンディショニングヘアトリートメントはすすぎ時において、滑らかな指通りを与え、乾燥後においては、良好なつやを与え、しなやかでしっとりとした感触を与えるものであった。
【0045】
[実施例16]ヘアセットローション
<作り方・使用感>
(1)〜(9)を加熱して均一溶解させた後、室温まで冷却して(10)の成分を添加して十分に攪拌した後、適当な容器に充填した。
得られたヘアセットローションは毛髪に良好なつやを与え、ベタツキ感も少なくと、滑らかな指通りで、しなやかでしっとりとした感触を与えるものであった。
【0046】
[実施例17]ヘアクリーム
<作り方・使用感>
加熱して均一溶解させた(11)〜(16)に均一溶解させた(1)〜(10)を加えて乳化した後、十分攪拌した後、室温まで冷却して適当な容器に充填した。
得られたヘアクリームは毛髪に良好なつやを与え、ベタツキ感も少なくと、滑らかな指通りで、しなやかでしっとりとした感触を与えるものであった。
【0047】
[実施例18] サンスクリーン
※1:微粒子酸化チタン分散体(大日本化成(株)製)
※2:微粒子酸化亜鉛分散体(大日本化成(株)製)
<作り方・使用感>
均一溶解させた(11)〜(15)に均一分散させた(1)〜(10)を加えて十分攪拌して乳化した後、適当な容器に充填した。
得られたサンスクリーンは、滑らかに塗布でき、ベタツキ感も少なくと、しなやかでしっとりとした感触を与えるものであった。