(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1のボールでは、圧縮空気によって球体が硬く張っているので、その球体の外面に密着した表皮部材の表面が硬くなってしまう。このように表皮部材の表面が硬いボールを、サッカーボール、ハンドボール、ドッヂボール等の球技に使用すると、例えば、ボールが使用者の体に当たったりしたとき等に使用者への衝撃が強く、痛みを与えてしまうことがある。これに対して、使用圧力を落としてボールを柔らかくすることが考えられるが、こうすると、バウンドし難くなって球技に支障をきたす。
【0005】
また、上記ボールをハンドボール用とした場合には、使用者が手でボールを掴む際、ボールの表面が硬くて滑り易いため、滑り止めとして松脂等の粘着物をボールの表面や手に塗布する必要が生じる。粘着物を塗布すると、球技場の床や設備に粘着物が付着して汚れてしまうとともに、ボールを床にバウンドさせたときに不自然なバウンドとなってしまう。そこで、ボールの表面に均一な粘着機能を付加したり、また、掴みやすいように外径を小さくしたり、ボールの使用圧力を落として掴んだときに指が食い込むようにすることが考えられる。しかし、粘着膜を付加する場合には、粘着力の耐久性を確保するのが難しく、また、ボールの外径を小さくすると球技の規格等に不適合となってしまい、また、使用圧力を落とすと上述の如く球技に支障をきたすといった問題がある。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の表皮部材により覆われたボールにおいて、球技に支障をきたすことなく使用者への衝撃を緩和し、しかも、表面の粘着膜を不要にし、かつ、規格に適合した外径としながら、使用者に掴みやすくして良好な使用感を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
圧縮気体の注入される球体と、球体の外面全体
を覆う複数の表皮部材
と、弾性部材からなる支持部材と、上記球体及び表皮部材の間に配置される空気の閉じ込められた空間とを備えたボール
であって、各表皮部材
がボールの表面となる表面部と辺縁部をボールの内方へ向けて立ち上げられるように折り曲げてなる折り曲げ部とを有し、上記球体の外面全体を覆って隣り合
う表皮部材の折り曲げ部同士が
接着剤による接着又は縫い合わせにより一体化される一方、
上記支持部材が
各表皮部材における表面部の球体側及び折り曲げ部の表面部側並びに上記球体の外面に接触して配置され、この支持部材が表皮部材
と球体
の両方に
接着剤で接着され
、上記空気の閉じ込められた空間が各表皮部材の表面部と球体と支持部材とで囲まれかつ当該表面部の球体側と球体とを互いに離した状態に構成したことを特徴とするか、又は、
圧縮気体の注入される球体と、球体の外面全体
を覆う複数の表皮部材
と、弾性部材からなる支持部材と、上記球体及び表皮部材の間に配置される空気の閉じ込められた空間と、発泡材層とを備えたボール
であって、各表皮部材
がボールの表面となる表面部と辺縁部をボールの内方へ向けて立ち上げられるように折り曲げてなる折り曲げ部とを有し、これら各表皮部材の表面部の球体側と折り曲げ部の表面部側とに上記発泡材層が設けられて接着剤で接着され、上記球体の外面全体を覆って隣り合
う表皮部材の折り曲げ部同士が
接着剤による接着又は縫い合わせにより一体化される一方、
上記支持部材が
上記表皮部材の一体化され
た折り曲げ部よりも球体の外面に沿う方向に幅広に
構成され、この幅広な支持部材が
各表皮部材の折り曲げ部と球体との間に配置され
、この幅広な支持部材の両側部が
上記表皮部材の一体化され
た折り曲げ部よりも上記
発泡材層側に突出し
、当該幅広な支持部材が
各表皮部材の折り曲げ部と球体
とに接触
し、上記空気の閉じ込められた空間が上記発泡材層と球体と支持部材とで囲まれかつ当該発泡材層と球体とを互いに離した状態に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、弾性部材からなる支持部材が
球体の外面全体を覆う各表皮部材における表面部の球体側及び折り曲げ部の表面部側並びに球体の外面に接触して配置されかつ表皮部材と球体の両方に接着さ
れ、空気の閉じ込められた空間が各表皮部材の表面部と球体と支持部材とで囲まれかつ当該表面部の球体側と球体とを互いに離した状態に構成したか、又は、
球体の外面全体を覆う各表皮部材の表面部の球体側と折り曲げ部の表面部側とに発泡材層が設けられて接着剤で接着され、弾性部材からなる支持部材が
球体の外面全体を覆って隣り合
う表皮部材の一体化され
た折り曲げ部よりも球体の外面に沿う方向
に幅広に
構成され、この幅広な支持部材が
各表皮部材の折り曲げ部と球体との間に配置さ
れ、この幅広な支持部材
の両側部が
上記表皮部材の一体化され
た折り曲げ部よりも
発泡材層側に突出し
、当該幅広な支持部材が
各表皮部材の折り曲げ部と球体
とに接触
し、空気の閉じ込められた空間が上記発泡材層と球体と支持部材とで囲まれかつ当該発泡材層と球体とを互いに離した状態に構成したので、ボールを適正な使用圧力として球技に支障をきたすことなく、表面を柔らかくすることができる。これにより、ボールが使用者に当たった場合等に衝撃が緩和されて痛みを和らげることができる。さらに、ボールを掴む際には、
表皮部材の表面
部に指が容易に食い込むようになる。よって、粘着膜を付加することなく、しかも、規格に適合した外径としながら、使用者はボールを容易にかつ確実に掴むことができ、使用感を良好にすることができる。本発明にあっては、
空気の閉じ込められた空間の内部の圧力が球体の内部よりも低圧の大気圧と略同じ圧力に設定されれば、球体の内部よりも低圧な大気圧と略同じ圧力に設定された空間が表皮部材と圧縮空気の注入された球体との間に設けら
れ、球体が硬く張っていても表皮
部材の表面
部が硬くなることはない。本発明にあっては、表皮部材の
球体側を補強する布材からなる補強層が
当該表皮部材の球体側に設けられれば
、表皮
部材の表面部の強度
を確保することができる。本発明にあっては、
空気の閉じ込められた空間には発泡材層が設けられれば、発泡材層の硬さや反発力等の物性により、表皮
部材の表面
部の柔らかさを容易に調整できる。この
空気の閉じ込められた空間に発泡材層を設ける場合に、当該
空気の閉じ込められた空間の一部に又は全部に発泡材層を設けても適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るボール1の外観を示している。このボール1は、ハンドボール競技に使用されるものであり、外径や重量等は国際規格で定められた値に設定されている。ボール1は、圧縮気体としての圧縮空気が注入される球体2と、球体2の外面を覆うように配置された複数の正六角形状の第1表皮パネル3及び複数の正五角形状の第2表皮パネル4と、各第1及び第2表皮パネル3、4を球体2の外面から離した状態でそれぞれ弾性支持する第1及び第2支持部材5、6とを備えている。上記第1及び第2表皮パネル3、4が本発明の表皮部材である。
【0012】
上記球体2は、天然ラテックスゴムやブチルゴム等の空気非透過性を有する弾性材料で構成されている。尚、上記球体2の表面に対し、綿布やナイロン糸等を巻き付けて球体2とは別に補強層を設けるようにしてもよい。また、球体2には、図示しないが、圧縮空気を注入するための空気バルブが設けられている。
【0013】
上記第1及び第2表皮パネル3、4は、ボール1の表面部となる人工皮革10と、この人工皮革10の裏面に配置されたクッション層11と、このクッション層11の裏面に配置された布材層12とで構成されている。人工皮革10とクッション層11、クッション層11と布材層12は、それぞれ、ラテックスゴム糊等により接着されて一体化している。
【0014】
上記人工皮革10は、ポリウレタンやポリビニルアルコール等の樹脂材を材料として天然皮革を模して人工的に作られたものであり、この樹脂材の性質を利用して、引張力によって伸びる一方、その引張力を除くと縮んで元の形状に復元するように加工されている。
【0015】
上記クッション層11は、例えば、EPDM、天然ゴム、クロロプレンゴム等のゴム、または、例えば、ウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、酢酸ビニル等の合成樹脂からなり、弾力性を有している。また、布材層12は、1枚または複数枚の布材を積層して構成されている。布材層12を構成する布材は、綿布または綿とポリエステルの混紡布である。上記クッション層11及び布材層12は、上記人工皮革10と同様に伸縮するように加工されている。つまり、各第1及び第2表皮パネル3、4は、伸縮自在なストレッチ素材で構成されている。尚、第1及び第2表皮パネル3、4には、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の強度の高いフィルムよりなる強化層を設けてもよい。
【0016】
上記第1表皮パネル3の辺縁部には、ボール1の内方へ向けて折り曲げられた折り曲げ部3aが形成され、また、第2表皮パネル4にも同様に折り曲げ部4aが形成されている。第1及び第2表皮パネル3、4のうち、隣り合う表皮パネル3、4の折り曲げ部3a、4a同士が接着剤により接着されて一体化している。これにより、球体2の外面全体が第1及び第2表皮パネル3、4によって覆われることになる。
【0017】
上記第1及び第2支持部材5、6は、ポリエチレンフォーム等の弾性部材を、断面略矩形状となるように成形したものである。
図1に示すように、第1支持部材5は、平面視で第1表皮パネル3の外形状と相似な正六角形状の枠を形作るように配置されている。
図2に示すように、第1支持部材5の第1表皮パネル3側の端面は、該表皮パネル3裏面の周縁領域において折り曲げ部3aよりも内側に接着されている。また、第1支持部材5の球体2側の端面は、該球体2の外面に接着されている。つまり、第1表皮パネル3は、その周縁領域が第1支持部材5により支持されている。この状態で、第1表皮パネル3の中央領域は、球体2の外面からボール1の径方向に、第1支持部材5の形状に対応した寸法だけ離れている。第1表皮パネル3の折り曲げ部3aも第1支持部材5に接着されている。
【0018】
上記第1表皮パネル3の折り曲げ部3aは、球体2の外面からボール1の径方向に離れている。従って、第1表皮パネル3は、その中央領域だけでなく、周縁領域を含む全体が球体2の外面から離れた状態となっている。また、第1表皮パネル3の中央領域と球体2との間には、空気層Aが形成されている。この空気層Aは、球体2の内部とは区画されているので、球体2に注入された圧縮空気が空気層Aに流入することはなく、空気層Aは球体2の内部よりも低圧になっている。この空気層Aの内部の圧力は、大気圧と略同じとされている。
【0019】
上記第2支持部材6は、
図1に示すように、平面視で第2表皮パネル4の外形状と相似な正五角形状の枠を形作るように配置されている。
図2に示すように、第2支持部材6の第2表皮パネル4側の端面は、上記第1表皮パネル3と同様に、第2表皮パネル4裏面の周縁領域において折り曲げ部4aよりも内側に接着されている。また、第2支持部材6の球体2側の端面は、該球体2の外面に接着されている。また、第2表皮パネル4の折り曲げ部4aは、球体2の外面からボール1の径方向に離れており、従って、第2表皮パネル4も、その全体が球体2の外面から離れている。また、第2表皮パネル4と球体2との間にも、空気層Aが形成されている。
【0020】
上記のように構成されたボール1の球体2に圧縮空気を注入すると、球体2は硬く張ることになる。このとき、第1及び第2表皮パネル3、4が球体2の外面から離れていて、表皮パネル3、4と球体2との間に低圧空気が存在する空気層Aが設けられているので、球体2が硬く張っていても表皮パネル3、4の表面が硬くなることはない。しかも、第1及び第2表皮パネル3、4は球体2の外面に弾性支持されているので、
図3に示すように、バウンド時等のように外部からの押圧力を受けると容易に変形する。これにより、ボール1の使用圧力を落とすことなくハンドボール競技に適正な圧力としても、ボール1の表面を柔らかくすることが可能である。このボール1をバウンドさせた場合には、第1及び第2支持部材5、6が弾性変形することによって適正なバウンド量が得られる。
【0021】
上記ボール1の使用時に、例えば、使用者に当たることがあるが、ボール1の表面が上記の如く柔らかくなっているので、当たったときの衝撃が緩和され、使用者が感じる痛みが和らぐ。また、ボール1を掴む際には、ボール1の表面に指が容易に食い込むようになり、しっかりとかつ確実に掴むことが可能になる。
【0022】
以上説明したように、この実施形態に係るボール1によれば、第1及び第2表皮パネル3、4を球体2の外面から離した状態とし、該表皮パネル3、4を球体2の外面に弾性支持したので、ボール1を適正な使用圧力として球技に支障をきたすことなく、表面を柔らかくできる。これにより、ボールが使用者に当たったときの痛みを和らげることができるとともに、従来品のように松脂等の粘着物や粘着膜を付加することなく、しかも、規格に適合する外径としながら、使用者はボール1を容易にかつ確実に掴むことができ、使用感を良好にすることができる。
【0023】
このように、使用者がボール1を容易に掴むことができるため、ボール1のグリップ性が向上し、投球時の方向を正確にコントロールすることができる。これにより、高度な技術を駆使できるようになる。
【0024】
また、第1及び第2表皮パネル3、4の全体を球体2の外面から離したことで、ボール1の表面全体を柔らかくでき、使用感をより一層良好にすることができる。
【0025】
また、球体2と第1及び第2表皮パネル3、4との間に空気層Aを設けたことで、自然なバウンドを得ることができ、従来品との使用感の差を小さくすることができる。
【0026】
また、第1及び第2表皮パネル3、4をストレッチ素材で構成したので、外部から力を受けた表皮パネル3、4は容易に伸び、これにより、使用者に当たった場合の痛みをより一層和らげることができるとともに、掴みやすくすることができる。
【0027】
また、本発明のボール1を、使用者が片手で掴む機会の多いハンドボール競技用としているので、表面が柔らかなことによる掴みやすいという効果を顕著なものとすることができる。
【0028】
また、第1及び第2表皮パネル3、4と球体2とを離しているので、例えば、ボール1に植物のトゲが刺さった場合に、球体2まで達し難く、球体2からの空気漏れを抑制することもできる。
【0029】
尚、上記実施形態では、第1及び第2表皮パネル3、4の折り曲げ部3a、4aを球体2の外面から離しているが、これに限らず、
図4に示す変形例1のように、折り曲げ部3a、4aを球体2の外面に当接するまで延長して接着するようにしてもよい。これにより、表皮パネル3、4を球体2に強固に貼り付けることができ、ボール1の耐久性を向上させることができる。
【0030】
また、上記実施形態では、隣り合う表皮パネル3、4の折り曲げ部3a、4aを接着するようにしているが、これに限らず、
図5に示す変形例2のように、糸20を用いて縫い合わせるようにしてもよい。これにより、第1及び第2表皮パネル3、4を強固に一体化することができる。糸20としては、加熱により収縮する高収縮ポリエステル繊維、例えば、ソクラテックス(登録商標、帝人株式会社製)等の自己収縮繊維を使用でき、この場合には、両表皮パネル3、4を縫い合わせた後に糸20を加熱することで、縫い目を強く締め付けることができる。また、隣り合う表皮パネル3、4の折り曲げ部3a、4aを接着し、かつ、糸20により縫い合わせるようにしてもよい。
【0031】
また、
図6に示す変形例3のように、第1表皮パネル3の中央領域には、第1支持部材5の内側に対応する部位にのみ補強層30を設けるようにしてもよい。この補強層30は、綿布等の布材で構成されている。また、第2表皮パネル4にも同様に補強層30が設けられている。このように、第1及び第2表皮パネル3、4の中央領域に補強層30をそれぞれ設けることにより、第1及び第2支持部材5、6が接着されて補強された第1及び第2表皮パネルの周縁領域の強度と、それ以外の中央領域の強度とをバランスさせて表皮パネル3、4全体の強度を十分に確保することができ、ボール1の耐久性を向上させることができる。
【0032】
また、
図7に示す変形例4のように、第1及び第2表皮パネル3、4と、球体2の外面との間には、例えば、ポリウレタンフォーム等の弾性部材からなる発泡材層40を設けるようにしてもよい。このようにした場合、発泡材層40の硬さや反発力等の物性により、ボール1の表面の柔らかさを容易に調整できるとともに、バウンド量等も容易に調整できる。また、図示しないが、第1及び第2表皮パネル3、4と、球体2のと間には、空気が充填された小袋状の部材を設けるようにしてもよい。また、変形例4において、第1及び第2表皮パネル3、4と、球体2との間には、空気層と発泡材層の両方を設けるようにしてもよい。また、第1及び第2表皮パネル3、4と、球体2との間には、一部にのみ、発泡材層や弾性材層を設けるようにしてもよい。
【0033】
また、
図8に示す変形例5のように、第1及び第2表皮パネル3、4の折り曲げ部3a、4aと球体2との間に第1及び第2支持部材5、6をそれぞれ配置するようにしてもよい。この変形例では、第1表皮パネル3の折り曲げ部3aの端部が第1支持部材5に接着され、また、第2表皮パネル4の折り曲げ部4aの端部が第2支持部材6に接着されている。第1及び第2表皮パネル3、4の裏面には、発泡材層40がそれぞれ設けられている。この発泡材層40の厚みは、折り曲げ部3a、4aの折り曲げ高さと略同じに設定されており、球体2の表面と発泡材層40との間には空気層Aが設けられている。発泡材層40の一部と、第1及び第2支持部材5、6の一部とは重なっており、この重なった部分が接着されている。また、変形例5において、第1及び第2表皮パネル3、4と、球体2との間の全体に発泡材層を設けるようにしてもよい。
【0034】
また、表皮パネル3、4の形状は、正六角形状や正五角形状に限られるものではなく、任意の形状に設定することが可能である。
【0035】
また、表皮パネル3、4の構造は、3層構造に限られるものではなく、また、人工皮革の代わりに天然皮革を使用してもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、本発明をハンドボール競技用のボール1に適用した場合について説明したが、本発明は、例えば、サッカーボール、ドッヂボール等の球技に使用するボールに適用することもできる。本発明に係るボール1をサッカーボール競技に使用した場合には、例えば蹴球時に足の形に対応するようにボール1の表面形状が変化しやすいので、シュート、ドリブル、パス等において高度な技術を駆使しやすく、競技性能に優れる。
【0037】
また、第1及び第2表皮パネル3、4の補強層30は、省略してもよい。補強層30が設けられている場合には、第1及び第2表皮パネル3、4の伸び(柔らかさ)が失われる。
【0038】
また、球体2の表面に密着する補強層を別途設け、第1及び第2表皮パネル3、4に補強層を設けない場合には、球体2の表面が硬くなり、第1及び第2表皮パネル3、4の表面が柔らかくなる。
【0039】
また、球体2の表面に密着する補強層が無く、第1及び第2表皮パネル3、4に補強層を設ける場合には、球体2の表面が柔らかくなり、第1及び第2表皮パネル3、4の表面が硬くなる。
【0040】
また、上記実施形態では、球体2に空気を注入するようにしているが、これに限らず、球体2は中実であってもよい。例としては、スポンジ製の中実球体であって、上記したような中空ボールと同様のボール特性(リバウンド等)を有するものが挙げられるが、スポンジ製に限定されるものではなく、ゴムや各種樹脂製であってもよい。