(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1制御手段は、前記通知データを受け取った場合に前記識別データの読み出しを試み、前記通知データを受け取っていなくても、ユーザにより所定の操作が行われた場合に前記識別データの読み出しを試みる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
前記記憶手段は、前記第2の無線通信により所定のデータのやり取りが行われたときにデータの読み書きが可能となる第1の領域と、前記やり取りが行われなくてもデータの読み書きが可能な第2の領域とを有し、前記第2の領域に前記識別データを記憶する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記無線通信装置は、前記発信制御手段の制御により発信されたユーザ特定データに基づいて特定されるユーザの決済を行い、前記決済の内容を示す決済データを前記識別データとともに発信し、
前記記憶手段は、前記第2通信手段によって受信された前記決済データ及び前記識別データを前記第2の領域に記憶し、
前記第1制御手段は、前記記憶手段から前記識別データ及び前記決済データを読み出し、前記識別データに対応付けられ、且つ、前記決済データに応じた前記コンテンツを取得する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
第1制御手段と、第1の無線通信を行う第1通信手段を備えた第1無線通信ユニットと、第2制御手段と、前記第1の無線通信よりも通信範囲が狭い第2の無線通信を行う第2通信手段と、当該第2通信手段によって受信された、コンテンツに対応付けられた識別データを記憶する記憶手段と、前記第2通信手段及び前記記憶手段を制御する第2制御手段とを有する第2無線通信ユニットとを備える情報処理装置が、
前記第1制御手段または前記第1無線通信ユニットが作動しているか否かにかかわらず、前記第2無線通信ユニットにより、前記第2の無線通信を行う機能を有する無線通信装置に対してユーザに関する処理を行わせるためのデータを送信し、且つ、前記無線通信装置から送信された前記処理が完了したことを示す通知に含まれる前記識別データを受信する第1ステップと、
前記情報処理装置が、前記第2制御手段により、前記第1ステップにおいて前記識別データが受信されると当該識別データを前記記憶手段に記憶させる第2ステップと、
前記情報処理装置が、前記第2制御手段により、前記第2制御手段から前記第1制御手段に対し、前記記憶手段に前記識別データが記憶されたことを表す通知データを出力する第3ステップと、
前記情報処理装置が、前記第1制御手段により、前記第3ステップにおいて出力された通知データを前記第1制御手段が受け取ったか否かにかかわらず、前記記憶手段からの前記識別データの読み出しを試みる第4ステップと、
前記情報処理装置が、前記第1制御手段により、前記第4ステップにおいて前記識別データが読み出せたときに、前記識別データに対応付けられたコンテンツをコンテンツ記憶装置から前記第1通信手段を用いて取得する第5ステップと
を有することを特徴とする情報処理方法。
第1制御手段と、第1の無線通信を行う第1通信手段を備えた第1無線通信ユニットと、第2制御手段と、前記第1の無線通信よりも通信範囲が狭い第2の無線通信を行う第2通信手段と、当該第2通信手段によって受信された、コンテンツに対応付けられた識別データを記憶する記憶手段と、前記第2通信手段及び前記記憶手段を制御する第2制御手段とを有する第2無線通信ユニットとを備える情報処理装置に、
前記第1制御手段または前記第1無線通信ユニットが作動しているか否かにかかわらず、前記第2無線通信ユニットにより、前記第2の無線通信を行う機能を有する無線通信装置に対してユーザに関する処理を行わせるためのデータを送信し、且つ、前記無線通信装置から送信された前記処理が完了したことを示す通知に含まれる前記識別データを受信する第1ステップと、
前記第2制御手段により、前記第1ステップにおいて前記識別データが受信されると当該識別データを前記記憶手段に記憶させる第2ステップと、
前記情報処理装置が、前記第2制御手段により、前記第2制御手段から前記第1制御手段に対し、前記記憶手段に前記識別データが記憶されたことを表す通知データを出力する第3ステップと、
前記第1制御手段により、前記第3ステップにおいて出力された通知データを前記第1制御手段が受け取ったか否かにかかわらず、前記記憶手段からの前記識別データの読み出しを試みる第4ステップと、
前記第1制御手段により、前記第4ステップにおいて前記識別データが読み出せたときに、前記識別データに対応付けられたコンテンツをコンテンツ記憶装置から前記第1通信手段を用いて取得する第5ステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、NFC対応デバイスという情報処理装置が、インストールファイルというコンテンツをWiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)やLTE(Long Term Evolution)などに準拠した第1の無線通信を行って取得し、Target識別子というデータを、NFC(狭域無線通信)に準拠した無線通信、すなわち、第1の無線通信よりも通信範囲が狭い第2の無線通信を行って取得している。このような第1及び第2の無線通信を行う情報処理装置をユーザが用いる場合、例えば通信範囲が狭い第2の無線通信を行う無線通信装置が設置された店舗をユーザが訪れてデータ(特許文献1ではTarget識別子)を取得することを契機として、通信範囲が広い第1の無線通信を行うことで情報処理装置が所在する場所にかかわらずコンテンツ(特許文献1ではインストールファイル)を取得するという使い方が考えられる。
【0005】
ところで、特許文献1の技術では、第2の無線通信により取得したデータ(Target識別子)に基づいて検索及びダウンロードが行われることで、コンテンツ(インストールファイル)が取得されるが、この技術では、データを取得したあとの動作(検索及びダウンロード)が確実に行われることを前提としており、これらの動作が行われなかったときのことが想定されていない。例えば、NFC対応デバイスにおいては、NFC通信ユニットに非接触で電力が供給されるため、デバイスの電源がオフになっていてもNFC通信ユニットが作動する。しかし、デバイスの電源がオフになっているときには、検索やダウンロードを制御するCPUが作動しないため、コンテンツの取得も行われない。また、デバイスの電源がオンとなっているときでも、NFC通信ユニットがTarget識別子を受信したあとに何らかのエラーが生じて、NFC通信ユニットからCPUへの信号伝達が不調になってコンテンツが取得されないことがある。
そこで、本発明は、通信範囲が狭い第2の無線通信を契機として、通信範囲が広い第1の無線通信でコンテンツを取得する場合に、その取得の確実性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、本発明は、第1制御手段と、第1の無線通信を行う第1通信手段を備えた第1無線通信ユニットと、前記第1の無線通信よりも通信範囲が狭い第2の無線通信を行う第2通信手段と、当該第2通信手段によって受信された、コンテンツに対応付けられた識別データを記憶する記憶手段と
、前記第2通信手段及び前記記憶手段を制御する第2制御手段とを有する第2無線通信ユニットとを備え、前記第1制御手段または前記第1無線通信ユニットが作動しているか否かにかかわらず、前記第2無線通信ユニットは、前記第2の無線通信を行う機能を有する無線通信装置に対してユーザに関する処理を行わせるためのデータを送信し、且つ、前記無線通信装置から送信された当該処理が完了したことを示す通知に含まれる前記識別データを受信し、前記第2制御手段は、
前記識別データが受信されると当該識別データを前記記憶手段に記憶させ、当該記憶手段に
当該識別データが記憶されたことを表す通知データを前記第1制御手段へ出力し、前記第1制御手段は、前記通知データを受け取ったか否かにかかわらず、前記記憶手段からの前記識別データの読み出しを試みて、当該識別データが読み出せたときに、当該識別データにより識別されるコンテンツをコンテンツ記憶装置から前記第1無線通信ユニットを用いて取得することを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0007】
また、前記第2無線通信ユニットは、前記第1制御手段または前記第1無線通信ユニットが作動しない状態でも作動してもよい。
さらに、前記第1制御手段は、前記通知データを受け取った場合に前記識別データの読み出しを試み、前記通知データを受け取っていなくても、ユーザにより所定の操作が行われた場合に前記識別データの読み出しを試みてもよい。
【0008】
また、前記第1制御手段は、所定のプログラムの機能により前記記憶手段から前記識別データを読み出して前記コンテンツの取得を行い、当該プログラムを起動させる操作を前記所定の操作としてもよい。
【0009】
また、前記記憶手段は、前記第2の無線通信により所定のデータのやり取りが行われたときにデータの読み書きが可能となる第1の領域と、当該やり取りが行われなくてもデータの読み書きが可能な第2の領域とを有し、当該第2の領域に前記識別データを記憶してもよい。
さらに、前記記憶手段は、前記第1の領域にユーザを特定するためのユーザ特定データを記憶し、前記無線通信装置と前記所定のデータのやり取りが行われたときに、前記第1の領域に記憶されている前記ユーザ特定データを読み出して、前記第2通信手段を制御して前記ユーザ特定データを前記無線通信装置に発信させる発信制御手段を備えてもよい。
【0010】
また、前記無線通信装置は、前記発信制御手段の制御により発信されたユーザ特定データに基づいて特定されるユーザの決済を行い、前記決済の内容を示す決済データを前記識別データとともに発信し、前記記憶手段は、前記第2通信手段によって受信された前記決済データ及び前記識別データを前記第2の領域に記憶し、前記第1制御手段は、前記記憶手段から前記識別データ及び前記決済データを読み出し、前記識別データに対応付けられ、且つ、前記決済データに応じた前記コンテンツを取得してもよい。
【0011】
本発明は、第1制御手段と、第1の無線通信を行う第1通信手段を備えた第1無線通信ユニットと、第2制御手段と、前記第1の無線通信よりも通信範囲が狭い第2の無線通信を行う第2通信手段と、当該第2通信手段によって受信された、コンテンツに対応付けられた識別データを記憶する記憶手段と
、前記第2通信手段及び前記記憶手段を制御する第2制御手段とを有する第2無線通信ユニットとを備える情報処理装置が、前記第1制御手段または前記第1無線通信ユニットが作動しているか否かにかかわらず、
前記第2無線通信ユニットにより、前記第2の無線通信を行う機能を有する無線通信装置に対してユーザに関する処理を行わせるためのデータを送信し、且つ、前記無線通信装置から送信された前記処理が完了したことを示す通知に含まれ
る前記識別データを受信する第1ステップと、前記情報処理装置が、
前記第2制御手段により、前記第1ステップにおいて
前記識別データが受信されると当該識別データを
前記記憶手段に記憶
させる第2ステップと、前記情報処理装置が、
前記第2制御手段により、前記第2制御手段から前記第1制御手段に対し、前記記憶手段に前記識別データが記憶されたことを表す通知データを出力する第3ステップと、前記情報処理装置が、
前記第1制御手段により、前記第3ステップにおいて出力された通知データを前記第1制御手段が受け取ったか否かにかかわらず、前記記憶手段からの前記識別データの読み出しを試みる第4ステップと、前記情報処理装置が、
前記第1制御手段により、前記第4ステップにおいて前記識別データが読み出せたときに、前記識別データに対応付けられたコンテンツをコンテンツ記憶装置から前記第1通信手段を用いて取得する第5ステップとを有することを特徴とする情報処理方法を提供する。
また、本発明は、第1制御手段と、第1の無線通信を行う第1通信手段を備えた第1無線通信ユニットと、第2制御手段と、前記第1の無線通信よりも通信範囲が狭い第2の無線通信を行う第2通信手段と、当該第2通信手段によって受信された、コンテンツに対応付けられた識別データを記憶する記憶手段と
、前記第2通信手段及び前記記憶手段を制御する第2制御手段とを有する第2無線通信ユニットとを備える情報処理装置
のコンピュータに、前記第1制御手段または前記第1無線通信ユニットが作動しているか否かにかかわらず、
前記第2無線通信ユニットにより、前記第2の無線通信を行う機能を有する無線通信装置に対してユーザに関する処理を行わせるためのデータを送信し、且つ、前記無線通信装置から送信された前記処理が完了したことを示す通知に含まれ
る前記識別データを受信する第1ステップと、
前記第2制御手段により、前記第1ステップにおいて
前記識別データが受信されると当該識別データを
前記記憶手段に記憶
させる第2ステップと、前記情報処理装置が、
前記第2制御手段により、前記第2制御手段から前記第1制御手段に対し、前記記憶手段に前記識別データが記憶されたことを表す通知データを出力する第3ステップと、
前記第1制御手段により、前記第3ステップにおいて出力された通知データを前記第1制御手段が受け取ったか否かにかかわらず、前記記憶手段からの前記識別データの読み出しを試みる第4ステップと、
前記第1制御手段により、前記第4ステップにおいて前記識別データが読み出せたときに、前記識別データに対応付けられたコンテンツをコンテンツ記憶装置から前記第1通信手段を用いて取得する第5ステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通信範囲が狭い第2の無線通信を契機として、通信範囲が広い第1の無線通信でコンテンツを取得する場合に、その取得の確実性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態]
本発明の実施の形態の一つである情報処理システムについて以下に説明する。
[構成]
図1は、情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。情報処理システム1は、ユーザが商品やサービスなどを購入した場合に、その決済を行うとともに、購入を行ったユーザにクーポンなどのコンテンツを提供するための情報処理を行うシステムである。情報処理システム1では、決済及びコンテンツの提供を行うために、2種類の無線通信が行われる。
【0015】
第1の無線通信は、通信範囲(通信可能な範囲)が比較的広い無線通信であり、本実施形態においては、移動体通信である。以下では、第1の無線通信を「広域無線通信」という。情報処理システム1では、コンテンツの提供において広域無線通信が用いられる。
第2の無線通信は、広域無線通信よりも通信範囲が狭い無線通信であり、本実施形態においては、非接触型IC(Integrated Circuit)カードの規格のうち、近接型の規格(通信距離が10cm以内の無線通信の規格。NFCともいう。)に準拠した無線通信である。以下では、第2の無線通信を「狭域無線通信」といい、装置同士の距離が10cm以下になることを近接するという。本実施形態では、第2の無線通信は、広域無線通信に比べて通信速度も遅い無線通信である。情報処理システム1では、前述した決済において狭域無線通信が用いられる。
【0016】
情報処理システム1は、情報処理装置10と、リーダライタ20と、サーバ装置30と、ネットワーク2と、レジスタ端末3とを備えている。
レジスタ端末3及びリーダライタ20は、店舗4に設置されている。店舗4は、ユーザが購入する商品やサービスが提供される場所である。レジスタ端末3には、リーダライタ20が接続されている。レジスタ端末3は、ユーザが購入した商品やサービスなどの金額(以下「購入金額」という。)とその購入が行われた日時(以下「購入日時」という。)とを示す購入データをリーダライタ20に供給する。
【0017】
リーダライタ20は、供給された購入データに基づいて先払いまたは後払いの決済を行う機能を有する装置である。リーダライタ20は、本実施形態では、クレジットカードによる後払いの決済を行う。また、リーダライタ20は、狭域無線通信を行う機能を有する無線通信装置である。リーダライタ20は、決済を行うユーザを特定するためのデータ(以下「ユーザ特定データ」という。)を狭域無線通信で受信して、受信したユーザ特定データに基づいて特定されるユーザの決済を行う。ユーザ特定データは、例えば、この決済を利用するためにユーザが登録している情報(会員番号など)や、第2無線通信ユニット50の製造番号などである。詳細には、リーダライタ20は、ユーザ特定データにより特定されるユーザの与信や利用停止の有無などを、図示せぬクレジットカード会社のシステムに照会したりそのシステムから提供されて自装置で保持している与信や利用停止の対象を示す情報に照らし合わせたりして、購入データが示す購入金額の決済に問題がないことを確認して決済を行う。以上のとおりリーダライタ20が行う決済の処理を以下では「決済処理」という。
【0018】
情報処理装置10は、情報を処理する機能を有するコンピュータであり、本実施形態ではスマートフォンである。情報処理装置10は、狭域無線通信及び広域無線通信を行う機能を有している。例えば、情報処理装置10は、前述したユーザ特定データを記憶しており、そのユーザ特定データを狭域無線通信でリーダライタ20に送信する。また、情報処理装置10は、ネットワーク2を介して広域無線通信(本実施形態では移動体通信)を行う。ネットワーク2は、移動体通信網及びインターネット等を含み、装置間のデータのやり取りを媒介する。ネットワーク2には、サーバ装置30が接続されている。
【0019】
サーバ装置30は、コンテンツ(例えばクーポン)を記憶するコンテンツ記憶装置である。サーバ装置30は、記憶しているコンテンツをネットワーク2を介して情報処理装置10に送信することで、情報処理装置10を使用するユーザにコンテンツを提供する。サーバ装置30は、決済が行われた店舗に応じたコンテンツを提供する。サーバ装置30は、例えば、文具店で決済が行われた場合には、その文具店で販売している文房具の割引のクーポンをコンテンツとして提供し、飲食店で決済が行われた場合には、その飲食店に次回以降来店したときに利用できる割引のクーポンをコンテンツとして提供する。
【0020】
図2は、サーバ装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ装置30は、制御装置31と、記憶装置32と、通信装置33とを備える。制御装置31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びリアルタイムクロックを備えている。CPUは、RAMをワークエリアとし
て用いてROMや記憶装置32に記憶されたプログラムを実行することによって記憶装置32及び通信装置33の動作を制御する。リアルタイムクロックは、現在の日時を算出する機能を有している。記憶装置32は、ハードディスク等を備え、制御装置31が制御に用いるデータやプログラムなどを記憶している。通信装置33は、ネットワーク2を介して通信を行うための通信回路を備え、ネットワーク2を介して例えば情報処理装置10とデータをやり取りする。
【0021】
図3は、リーダライタ20のハードウェア構成の一例を示す図である。リーダライタ20は、制御装置21と、記憶装置22と、第1通信装置23と、インターフェース24と、表示装置25と、第2通信装置26を備える。制御装置21は、CPU、ROM、RAM及びリアルタイムクロックを備えている。CPUは、RAMをワークエリアとして用いてROMや記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することによって記憶装置22及び第1通信装置23の動作を制御する。リアルタイムクロックは、現在の日時を算出する機能を有している。記憶装置22は、フラッシュメモリ及びハードディスク等を備え、制御装置21が制御に用いるデータやプログラムなどを記憶している。
【0022】
第1通信装置23は、狭域無線通信を行うための通信手段(アンテナ及び通信回路)を備え、例えば情報処理装置10と狭域無線通信を行ってデータをやり取りする。インターフェース24は、レジスタ端末3とデータをやり取りするためのインターフェースである。表示装置25は、表示面を有し、例えばレジスタ端末3から供給されてくる購入データが示す購入金額を表示面に表示する。第2通信装置26は、クレジット会社のシステムと通信を行うための回路を備え、例えば上述したユーザ特定データや購入データをこのシステムに送信する。
【0023】
図4は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、制御装置11と、記憶装置12と、電源13と、UI(User Interface)装置14と、第1無線通信ユニット40と、第2無線通信ユニット50とを備えるコンピュータである。制御装置11は、CPU、ROM、RAM及びリアルタイムクロックを備えた制御手段である。CPUは、RAMをワークエリアとして用いてROM及び記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することによって、情報処理装置10が備える各装置の動作を制御する。リアルタイムクロックは、現在の日時を算出する機能を有している。記憶装置12は、フラッシュメモリ及びハードディスク等を備え、制御装置11が制御に用いるデータやプログラムなどを記憶している。
【0024】
電源13は、例えばバッテリーを有し、情報処理装置10が備える各装置に電力を供給する。電源13は、スイッチが入れられた状態(オン)とスイッチが切られた状態(オフ)とが切り替えられるようになっており、オンのときには全ての装置に電力を供給し、オフのときには第2無線通信ユニット50に電力を供給する。つまり、第2無線通信ユニット50は、電源13がオフになっていても作動するようになっている。反対に、第2無線通信ユニット50以外の各装置、すなわち制御装置11、記憶装置12、UI装置14及び第1無線通信ユニット40(以下、これらをまとめて「本体」という。)は、電源がオフになっていると電力が供給されずに作動しない。
【0025】
UI装置14は、表示面と表示面に重ねられたタッチパネルとを備え、ユーザからの操作を受け付けるとともに画像を表示する。また、UI装置14は、電源13のオンとオフとを切り替えるスイッチを備える。
第1無線通信ユニット40は、広域無線通信(本実施形態では移動体通信)を行う第1通信装置41を備える通信ユニットである。第1通信装置41は、アンテナ及び通信回路を備え、ネットワーク2と広域無線通信を行う通信手段である。第1通信装置41は、ネットワーク2を介して例えばサーバ装置30とデータをやり取りする。
【0026】
第2無線通信ユニット50は、狭域無線通信(本実施形態では近接型の規格に準拠した無線通信)を行う非接触型ICチップであり、例えばモバイルFeliCa(登録商標)ICチップである。第2無線通信ユニット50は、制御装置51と、記憶装置52と、第2通信装置53とを備える。制御装置51は、CPU、ROM及びRAMを備えている。CPUは、RAMをワークエリアとして用いてROMに記憶されたプログラムを実行することによって、第2無線通信ユニット50が備える各装置の動作を制御する。
【0027】
記憶装置52は、例えば不揮発性メモリを備え、制御装置51が制御に用いるデータを記憶する記憶手段である。記憶装置52は、データを記憶する領域として、2種類の領域を有している。第1の領域は、外部装置からオンラインでアクセスすることが可能な領域であり(モバイルFeliCaICチップであれば共通領域)、以下では「オンライン領域」という。第2の領域は、外部装置からオンラインではアクセスできない領域であり(モバイルFeliCaICチップであればフリー領域)、以下では「オフライン領域」という。オンライン領域は、オフライン領域に比べてセキュリティが高い領域であり、例えば、上述したユーザ特定データが記憶されている。一方、オフライン領域は、オンライン領域に比べて、セキュリティは低いが、制御装置51によるデータへのアクセスが容易に行えるようになっている。オフライン領域に記憶されるデータについては後述する。
【0028】
第2通信装置53は、アンテナ54及び通信回路55を備える通信手段である。アンテナ54は、例えばリーダライタ20から発せられた電波を受けたり、リーダライタ20が受信可能な電波を発したりする装置である。また、アンテナ54は、リーダライタ20から発せられた電波によって電磁誘導方式で電力を発生させ、第2無線通信ユニット50が備える各装置に電力を供給する。第2無線通信ユニット50は、アンテナ54が発生させた電力と、前述したように電源13から供給される電力とによって作動するいわゆるセミアクティブ型のユニットである。
【0029】
通信回路55は、狭域無線通信を行うための回路であり、アンテナ54を介して狭域無線通信でデータを送受信する。また、通信回路55は、受信したデータを制御装置51に供給する。アンテナ54及び通信回路55は、広域無線通信を行う第1通信装置41よりも通信範囲が狭い無線通信(すなわち狭域無線通信)を行う通信手段である。第1通信装置41は、本発明に係る「第1通信手段」の一例であり、第2通信装置53は、本発明に係る「第2通信手段」の一例である。
【0030】
情報処理装置10は、以上のハードウェア構成に基づき、クーポンなどのコンテンツを取得する取得処理を行う。記憶装置12には、取得処理を行うためのプログラムが記憶されている。制御装置11がそのプログラムを実行して
図4に示す各装置を制御することで、以下に述べる機能が実現される。
図5は、情報処理装置10が実現する機能構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、発信制御部101と、通知部102と、制御部103とを備える。
【0031】
発信制御部101は、リーダライタ20からの要求に基づいて、記憶装置52のオンライン領域に記憶されているユーザ特定データを読み出して、読み出したユーザ特定データを、第2通信装置53を用いてリーダライタ20に発信する発信制御手段である。発信制御部101は、制御装置51が実現する機能である。
リーダライタ20は、第2通信装置53と無線通信を行う機能を有する無線通信装置であり、ユーザ特定データを要求することを表す電波(以下「データ要求電波」という。)を発信している。
【0032】
情報処理装置10がリーダライタ20に近接し(両装置の距離が10cm以下になり)、アンテナ54がデータ要求電波を受信すると、アンテナ54が受信したデータ要求電波を表す信号を制御装置51に供給する。制御装置51は、この信号が供給されると、記憶装置52のオンライン領域からユーザ特定データを読み出し、読み出したユーザ特定データを、通信回路55を用いて発信する。発信制御部101は、このようにして上記の発信を行う。発信制御部101が発信したユーザ特定データは、リーダライタ20により受信され、リーダライタ20は、受信したユーザ特定データに基づいて特定されるユーザの決済を行う。
【0033】
通知部102は、第2通信手段によってコンテンツを識別する識別データが受信されて記憶装置52に記憶されると、その識別データが記憶されたことを制御部103へ通知する通知手段である。識別データは、例えば、店舗に割り当てられたID(Identifier)(以下「店舗ID」という。)である。通知部102は、制御装置51が実現する機能であり、次のようにして通知を行う。リーダライタ20は、上述した決済処理を行ったあと、決済が完了したことを通知するデータ(以下「決済完了通知」という。)を発信する。決済完了通知は、決済を行った購入金額及び購入日時と、リーダライタ20が設置されている店舗の店舗IDとを示すデータである。つまり、決済完了通知は、決済の内容(購入金額及び購入日時)を示す決済データであるとともに、店舗IDを示す識別データでもある。第2通信装置53が決済完了通知を受信すると、制御装置51がその決済完了通知を記憶装置52のオフライン領域に記憶させる。これにより、記憶装置52は、第2通信装置53によって受信された識別データ及び決済データをオフライン領域に記憶する。
【0034】
リーダライタ20は、決済完了通知を発信するとともに、決済が完了したことを通知する通知データを発信する。通知データは、例えば、決済が完了したことを意味するものとして予め決められた符号である。第2通信装置53は、通知データを受信すると、受信した通知データを制御装置51に供給し、制御装置51は、供給された通知データを制御装置11へ供給する。この通知データは、リーダライタ20から決済完了通知とともに発信されるため、決済完了通知に含まれる識別データが記憶装置52に記憶されるときに制御装置11に供給されることになる。また、制御装置11は、次に述べるように、制御部103の機能を実現する装置である。つまり、制御装置51は、通知データを制御装置11に供給することで、識別データが記憶装置52に記憶されたことを制御部103へ通知することになる。
【0035】
制御部103は、コンテンツ記憶装置であるサーバ装置30から第1無線通信ユニット40を用いてコンテンツを取得する制御手段である。制御部103は、制御装置11及び記憶装置12が協働して実現する機能である。制御装置11は、上述したように、サーバ装置30が提供する店舗に応じたコンテンツを取得する。制御装置11は、店舗に応じたコンテンツを識別する識別データを用いてそのような取得を行う。識別データは、例えばリーダライタ20が店舗に設置されるときにリーダライタ20の記憶装置22に記憶される。リーダライタ20は、前述したとおり、第1通信装置23を用いて識別データ(決済完了通知)を発信する。
【0036】
情報処理装置10がリーダライタ20に近接しているときにリーダライタ20が狭域無線通信で識別データを発信すると、第2通信装置53がその識別データを受信する。第2通信装置53が受信した識別データを第2無線通信ユニットの制御装置51に供給すると、制御装置51が識別データを記憶装置52のオフライン領域に記憶させる。これらの各装置は、前述したとおり電源13がオフになっていても電力が供給されて作動する。このため、識別データは、電源13がオフであっても記憶装置52のオフライン領域に記憶される。制御装置11は、こうして記憶された識別データを記憶装置52のオフライン領域から読み出し、読み出した識別データにより識別されるコンテンツをサーバ装置30から取得する。
【0037】
詳細には、制御装置11は、次のようにコンテンツを取得する。制御装置11は、読み出した識別データをサーバ装置30に送信する。詳細には、記憶装置12が、サーバ装置30のアクセス先(例えばURL(Uniform Resource Locator))を記憶しており、制御装置11は、読み出した識別データをそのアクセス先に送信する。なお、このアクセス先は、URLに限らず、サーバ装置30のIPアドレスやサーバ装置30が用いる電子メールのアドレスなどであってもよい。要は、サーバ装置30が識別データを受け取って以降の処理に用いることができるアクセス先であればよい。
【0038】
サーバ装置30は、識別データとコンテンツとを対応付けたテーブル(以下「コンテンツテーブル」という。)を記憶している。コンテンツテーブルは、本実施形態では、識別データ、すなわち店舗IDと、その店舗IDが割り当てられた店舗が提供するクーポン(つまりコンテンツ)とを対応付けている。サーバ装置30は、受信した識別データにコンテンツテーブルで対応付けられているコンテンツを抽出する。サーバ装置30は、抽出したコンテンツを、識別データにより識別されるコンテンツとして、識別データを送信してきた装置、すなわち情報処理装置10に送信する。第1無線通信ユニット40は、送信した識別データへの応答で送信されてきたコンテンツを受信すると、受信したコンテンツを制御装置11に供給する。制御装置11は、供給されたコンテンツを記憶装置12に記憶させる。制御部103は、このようにして、サーバ装置30から送信されてくるコンテンツを取得する。
【0039】
制御部103は、記憶装置52に識別データが記憶されているか否かにかかわらず所定の条件が満たされると、記憶装置52からの識別データの読み出しを試みて、識別データが読み出せたときに、上記のとおりコンテンツを取得する。本実施形態では、所定の条件は、制御部103が通知部102からの通知を受け取った第1の場合と、ユーザにより所定の操作が行われた第2の場合とに満たされる。ここで、制御装置11が通知部102からの通知を受け取る場合と受け取らない場合について説明する。制御装置11は、制御装置51から供給されてきた通知データを受け取ることで、通知部102からの通知を受け取る。例えば、電源13がオフになっている場合は、制御装置11が作動していないため、制御装置11は、制御装置51から供給されてきた通知データを受け取ることができない。また、電源13がオンになっていても、何らかのエラーが生じて制御装置51から制御装置11への信号伝達が不調になった場合にも、制御装置11は、通知データを受け取ることができない。これらの場合には、通知部102による通知は行われたが、制御装置11がその通知を受け取っていない状態となる。
【0040】
制御部103が第1の場合に記憶装置52からの識別データの読み出しを試みると、通知部102から通知されたように記憶装置52に識別データが記憶されているので、制御部103が記憶装置52から識別データを読み出すことになる。制御部103は、所定のプログラムの機能により識別データの読み出しの試み及び読み出しを行う。所定のプログラムは、本実施形態では、決済の結果を確認するためのプログラム(以下「決済プログラム」という。)であり、記憶装置52のオフライン領域(識別データが記憶されている領域)からデータを読み出す機能を実現するプログラムでもある。制御部103は、こうして読み出した識別データにより識別されるコンテンツの取得を行う。
【0041】
制御部103は、第1の場合となっていない状態、すなわち、通知部102からの通知を受け取っていない状態であっても、第2の場合、すなわち、ユーザにより所定の操作が行われた場合に識別データの読み出しを試みる。所定の操作とは、本実施形態では、決済プログラムを起動させる操作である。制御部103は、第2の場合には、起動された決済プログラムの機能により記憶装置52からの識別データの読み出しを試みて識別データが読み出せたときに、その識別データにより識別されるコンテンツの取得を行う。このように、制御部103は、記憶装置52から識別データを読み出す機能を実現するプログラム(本実施形態では決済プログラム)を起動させる操作を、前述した所定の操作とする。
【0042】
制御部103は、識別データが読み出せなかった場合には、コンテンツの取得を行わない。識別データが読み出せない場合とは、例えば、識別データが記憶装置52に記憶される前に決済プログラムを起動させる操作が行われた場合である。なお、制御部103は、記憶装置52から識別データを読み出すことができたときにそれ以降の動作を行うが、以下では、特に言及しなければ、識別データが読み出すことができた場合を説明しているものとする。制御部103は、以上のとおりコンテンツの取得を行い、取得したコンテンツをUI装置14に供給する。UI装置14は、供給されたコンテンツを表示面に表示する。
【0043】
[動作]
情報処理装置10は、以上の構成に基づき上述した取得処理を行う。以下では、取得処理において情報処理システム1が備える各装置が行う動作について、
図6を参照して説明する。
図6は、取得処理における各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
図6では、情報処理装置10が行う動作を、第2無線通信ユニット50が行う動作と、本体(第2無線通信ユニット50以外の装置)が行う動作とに分けて示している。
図6に示す例では、ユーザが店舗で商品を購入し、店員がレジスタ端末3を操作してその商品の金額を入力することを契機に取得処理が開始される。なお、情報処理装置10の電源13がオンになっている場合とオフになっている場合とで、情報処理装置10の動作は異なったものになる。以下では、電源13がオンになっている場合についてまず説明する。
【0044】
リーダライタ20は、レジスタ端末3から供給される購入データ(購入金額と購入日時とを示すデータ)を取得する(ステップS11)。購入データを取得すると、リーダライタ20は、上述したデータ要求電波(ユーザ特定データを要求することを表す電波)を発信する(ステップS12)。このとき、リーダライタ20は、購入金額を表示装置25に表示してもよい。ここで、ユーザが情報処理装置10をリーダライタ20にかざすことで、第2無線通信ユニット50が、データ要求電波を受信し、記憶装置52のオンライン領域からのユーザ特定データの読み出しを行う(ステップS13)。次に、第2無線通信ユニット50は、読み出したユーザ特定データをリーダライタ20に送信する(ステップS14)。ステップS13及びS14は、発信制御部101が行う動作である。リーダライタ20は、購入データ及び送信されてきたユーザ特定データを例えばクレジット会社のシステムに送信し、そのユーザが名義人となっているクレジットカードでの決済の処理を行う(ステップS15)。
【0045】
次に、リーダライタ20は、上記のとおり識別データを含む決済完了通知を情報処理装置10に狭域無線通信で送信する(ステップS16)。情報処理装置10の第2無線通信ユニット50は、受信した決済完了通知を記憶する(ステップS17)。詳細には、第2無線通信ユニット50は、記憶装置52のオフライン領域に決済完了通知を記憶する。これにより、第2無線通信ユニット50は、識別データを記憶する。
【0046】
続いて、リーダライタ20は、識別データを送信したことを通知する通知データを情報処理装置10に狭域無線通信で送信する(ステップS18)。情報処理装置10の第2無線通信ユニット50は、通知データを受信すると、受信した通知データを本体(詳細には制御装置11)へ供給する(ステップS19)。ステップS19は、通知部102が行う動作である。情報処理装置10の本体は、供給された通知データを受け取ると(すなわち通知部102からの通知を受け取ると)、上述した決済プログラム(決済の結果を確認するためのプログラム)を起動する(ステップS20)。情報処理装置10の本体は、決済プログラムを起動すると、その機能により、第2無線通信ユニット50の記憶装置52のオフライン領域に記憶されている識別データの読み出しを試みる(ステップS21)。
図6の例では、情報処理装置10の本体は、この試みを行うことにより、ステップS17で記憶された識別データを読み出す(ステップS22)。
【0047】
そして、情報処理装置10の本体は、コンテンツを取得することについてユーザが同意するか否かを確認するための画像を表示して、ユーザが行った操作に応じてユーザがコンテンツの取得に同意したか否かを判断する(ステップS23)。
図7は、ユーザの同意を確認するための画像の一例を示す図である。
図7では、情報処理装置10の表示面が示されている。この例では、表示面に「コンテンツをダウンロードしてもよろしいですか?」という文字列と、「同意する」という文字列を含むボタンの画像とが表示されている。例えばユーザがこのボタンをタップすると、情報処理装置10はユーザが同意したと判断し、ユーザがボタン以外の場所をタップすると、情報処理装置10はユーザが同意しなかったと判断する。情報処理装置10の本体は、ユーザが同意しなかったと判断した場合には(ステップS23:NO)、取得処理を終了する。
【0048】
情報処理装置10の本体は、ユーザが同意したと判断した場合には(ステップS23:YES)、サーバ装置30にアクセスするためのプログラム(以下「アクセスプログラム」という。)を起動する(ステップS24)。本実施形態では、アクセスプログラムはブラウザのプログラムである。情報処理装置10の本体は、アクセスプログラムを起動すると、予め記憶しておいたサーバ装置30のアクセス先(例えばURL)に識別データを送信する(ステップS25)。
【0049】
サーバ装置30は、識別データ、すなわち店舗IDを受信すると、その店舗IDにより識別される(対応する)コンテンツを抽出する(ステップS26)。サーバ装置30は、抽出したコンテンツを、情報処理装置10に送信する(ステップS27)。情報処理装置10の本体は、サーバ装置30から送信されてきたコンテンツを受信する(取得する)と、コンテンツを管理するためのプログラム(以下「コンテンツプログラム」という。)を実行し(ステップS28)、コンテンツプログラムの機能によりコンテンツを表示する(
ステップS29)。ステップS20からS25までとS28とは、制御部103が行う動作である。
図8は、表示されたコンテンツの一例を示す図である。
図8では、情報処理装置10の表示面に「イタリア料理店C」という店舗名と「お会計から10%割引」、「2時間飲み放題」及び「ワンドリンクサービス」というクーポンの内容とがコンテンツとして表示されている。
【0050】
以上が電源がオンになっている場合の各装置の動作である。次に、電源がオフになっている場合の各装置の動作について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、取得処理における各装置の動作の別の一例を示すシーケンス図である。この例では、まず、
図6に示すステップS11からS18までの動作が行われる(ただし、
図9では、ステップS11からS14までの図示を省略している)。第2無線通信ユニット50は、上述したように、電源13がオフになっていても電源13から電力が供給されるため、第2無線通信ユニット50が行うステップS13、S14及びS17の動作は、
図6に示す例と同様に行われる。ステップS18の次に、第2無線通信ユニット50が通知データを制御装置11へ供給するが(ステップS19の動作)、電源13がオフになっているために制御装置11が作動せず、制御装置11による通知データの受け取りが行われない。つまり、この例では、制御部103が通知部102からの通知を受け取っていない状態になる。
【0051】
図9の例では、ステップS18の動作が行われたあと、ユーザが情報処理装置10の電源をオンにして決済プログラムを起動する操作を行ったものとする(ステップS31)。ステップS31の動作を行ったあとは、電源13から本体にも電力が供給されて、ステップS20からステップS29までの動作が行われる。
図9の例では、情報処理装置10の本体は、ステップS21において識別データの読み出しを試みて、ステップS17で記憶された識別データを読み出す。
【0052】
なお、ステップS11からS18までの動作が過去に1度も行われていない状態、すなわち、記憶装置52に識別データが1つも記憶されていない状態でステップS31の動作が行われた場合、情報処理装置10の本体は、ステップS21において識別データの読み出しを試みるが、識別データを読み出せないため、ステップS23以降の動作を行わず取得処理を終了することになる。
【0053】
また、ステップS11からS18までの動作が2回行われてからステップS31の動作が行われた場合、情報処理装置10の本体は、ステップS21において記憶装置52のオフライン領域から2つの識別データを読み出し、その2つの識別データによりそれぞれ識別される2つのコンテンツを取得する。この例では、記憶装置52のオフライン領域には2つの識別データが記憶可能となっている。なお、オフライン領域に記憶可能な識別データの数は1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
【0054】
また、オフライン領域に記憶可能な数以上の識別データを第2通信装置53が受信した場合には、制御装置51は、あとから受信した識別データを上書きしてもよいし、破棄してもよい。あとから受信した識別データを破棄する場合には、制御部103は、記憶装置52から識別データを読み出したときに、その識別データを記憶装置52から削除する。これにより、記憶装置52には、制御部103により読み出されていない識別データだけが記憶されていることになる。
【0055】
本実施形態では、制御部103が通知部102からの通知を受け取ったことが契機の1つとなってコンテンツが取得される。通知部102による通知は、第2無線通信ユニット50がリーダライタ20と狭域無線通信を行わったときに行われる。一方、コンテンツの取得は、第1無線通信ユニット40を用いて広域無線通信で行われる。つまり、情報処理装置10は、通信範囲が狭い狭域無線通信を行う無線通信装置(リーダライタ20)が設置された店舗をユーザが訪れて狭域無線通信を行うことを契機として、通信範囲が広い広域無線通信を行うことで自装置が所在する場所にかかわらずコンテンツを取得するものである。
【0056】
また、本実施形態では、記憶装置52に識別データが記憶されているか否かにかかわらず、所定の条件が満たされた場合、すなわち、第1の場合または第2の場合にコンテンツが取得される。具体的には、第1の場合、すなわち、制御部103が通知部102からの通知を受け取った場合に、例えば
図7に示す動作が行われてコンテンツが取得される(「第1の取得」という)。また、制御部103が通知部102からの通知を受け取っていない状態であっても、第2の場合、すなわち、ユーザにより所定の操作が行われた場合に、例えば
図9に示す動作が行われてコンテンツが取得される(「第2の取得」という)。制御部103は、上述したように、例えば、電源13がオフになっていたり、何らかのエラーが生じて制御装置51から制御装置11への信号伝達が不調になって制御装置11が通知データを受け取れなかったりという事情によって、通知部102からの通知を受け取れない場合がある。第2の取得は、このような場合に行われる。
【0057】
また、第1及び第2の場合のどちらの場合であっても、記憶装置52に記憶された識別データにより識別されるコンテンツ、すなわち、同じ店舗IDに対応するコンテンツが取得される。このような本実施形態によれば、上記のような事情により制御部103が通知部102からの通知を受け取れない場合であっても、制御部103がその通知を受け取った場合と同様に、識別データにより識別されるコンテンツを取得することができる。つまり、通信範囲が狭い第1の無線通信(狭域無線通信)を契機として、通信範囲が広い第2の無線通信(広域無線通信)でコンテンツを取得する場合に、第2の取得を行わない構成に比べて、その取得の確実性を高めることができる。
【0058】
また、本実施形態では、決済プログラムを起動させる操作が所定の操作として行われた場合に、コンテンツが取得される。そのため、ユーザは、コンテンツを取得することを目的として決済プログラムを起動したときに加え、決済を行うことを目的として決済プログラムを起動したときにもコンテンツを取得することになる。このように、コンテンツの取得以外の目的で用いられるプログラムの起動の操作を所定の操作とすることで、コンテンツの取得だけを目的とした操作を所定の操作とする場合に比べて、ユーザが早いタイミングでコンテンツを取得することができる。
また、本実施形態では、電源13がオフになっていても、つまり情報処理装置10の本体に電力が供給されていなくても、第2無線通信ユニット50には電力が供給されるため、識別データを記憶装置52に記憶させることができ、電源13がオンになったあと、そうして記憶させた識別データを用いてコンテンツを取得することができる。
【0059】
また、本実施形態では、記憶装置52が、オンライン領域及びオフライン領域という2種類の領域を有し、そのうちのセキュリティが高い方のオンライン領域にユーザ特定データを記憶している。ユーザ特定データは、決済の認証に用いられる情報であり、これが漏洩すると、ユーザ以外の者の決済に利用されるおそれがある。本実施形態では、このユーザ特定データをオンライン領域に記憶させることで、オフライン領域に記憶させる場合に比べて、ユーザ特定データが漏洩する可能性を小さくすることができる。
一方、本実施形態では、記憶装置52が、オフライン領域に識別データを記憶している。オフライン領域は、上述したとおり、オンライン領域に比べて制御装置51によるデータへのアクセスが容易に行える領域である。従って、本実施形態によれば、オンライン領域に識別データが記憶される場合に比べて、制御部103が識別データの読み出し及びコンテンツの取得を容易に行うことができる。
【0060】
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、上述した各実施形態及び以下に示す各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
【0061】
[変形例1]
制御部103は、実施形態では、決済が行われた店舗に応じたコンテンツを取得したが、これに限らず、例えば、店舗及び決済の内容の両方に応じたコンテンツを取得してもよい。この場合、制御部103は、記憶装置52のオフライン領域に記憶されている識別データ及び決済データ、すなわち決済完了通知を読み出し、読み出した決済完了通知を、第1無線通信ユニット40を用いてサーバ装置30に送信する。サーバ装置30は、識別データ(例えば店舗ID)及び決済データ(購入金額または購入日時)とコンテンツとを対応付けたコンテンツテーブルを記憶しておく。
【0062】
図10は、コンテンツテーブルの一例を示す表である。
図10では、「店舗ID」及び「購入金額」に対応付けられた「コンテンツ」が示されている。例えば、店舗IDが「001」である場合、購入金額が「1000円未満」であれば「50円引きクーポン」、「1000円以上5000円未満」であれば「10%割引クーポン」、「5000円以上」であれば「20%割引クーポン」というコンテンツがそれぞれ対応付けられている。サーバ装置30は、受信した決済完了通知が示す店舗ID及び決済の内容に対応するコンテンツを抽出し、抽出したコンテンツを情報処理装置10に送信する。
【0063】
制御部103は、例えば、店舗IDが「001」の店舗で3000円の決済がなされた場合、10%割引クーポンをサーバ装置30から取得することになる。このように、制御部103は、記憶装置52から識別データ及び決済データを読み出し、読み出した識別データにより識別され、且つ、読み出した決済データに応じたコンテンツを取得する。
【0064】
制御部103は、他にも、例えば購入日時に応じたコンテンツを取得してもよい。この場合、サーバ装置30は、識別データ及び購入日時とコンテンツとを対応付けたコンテンツテーブルを記憶しておく。
図11は、コンテンツテーブルの一例を示す表である。
図11では、「店舗ID」及び「購入日時」に対応付けられた「コンテンツ」が示されている。例えば、店舗IDが「002」である場合、購入日時が「午前中」であれば「生鮮食品10%割引クーポン」、「年末年始、ゴールデンウィーク、お盆」であれば「特定商品20%割引クーポン」、「月末日」であれば「全商品10%割引クーポン」というコンテンツがそれぞれ対応付けられている。
【0065】
サーバ装置30は、受信した決済完了通知が示す店舗ID及び購入日時を含む時期に対応するコンテンツを抽出し、抽出したコンテンツを情報処理装置10に送信する。制御部103は、例えば、店舗IDが「002」の店舗で午前10時に決済がなされた場合、生鮮食品10%割引クーポンをサーバ装置30から取得することになる。
【0066】
他にも、制御部103は、決済の回数に応じたコンテンツを取得してもよい。まず、制御部103が、決済完了通知とともに自装置を識別するデータ(例えば装置ID)をサーバ装置30に送信し、サーバ装置30が、受信した決済完了通知及び装置IDを蓄積しておく。そして、或る装置IDにより識別される情報処理装置10が同じ店舗で決められた回数以上決済を行った場合に、サーバ装置30が、その回数に応じたコンテンツをその情報処理装置10に提供してもよい。この場合、サーバ装置30は、決済回数とコンテンツとを対応付けたコンテンツテーブルを記憶しておく。
【0067】
図12は、コンテンツテーブルの一例を示す表である。
図12では、「3回」という「決済回数」に「5%割引クーポン」という「コンテンツ」が対応付けられている。同様に、「5回」には「10%割引クーポン」が対応付けられ、「10回」には「20%割引クーポン」が対応付けられている。サーバ装置30は、情報処理装置10から送信されてきた決済完了通知及び装置IDから、その装置IDにより識別される情報処理装置10が同じ店舗で決済した回数を算出し、算出した回数にコンテンツテーブルで対応付けられているコンテンツを抽出してその情報処理装置10に送信する。これにより、制御部103は、例えば同じ店舗で5回目の決済を行った場合には10%割引クーポンを取得することになる。
【0068】
図10、
図11及び
図12の例で述べたいずれの場合も、制御部103は、記憶装置52から識別データ及び決済データ(上記の例では決済完了通知)を読み出し、その識別データにより識別され、且つ、その決済データに応じたコンテンツを取得する。これにより、店舗及び決済の内容に応じたコンテンツをユーザに提供することができる。
なお、本変形例では、決済データも、上記のとおりコンテンツを識別するデータとして用いられている。従って、情報処理装置10は、決済データが示す購入金額や購入日時も、識別データとして扱ってもよい。
【0069】
[変形例2]
制御部103は、実施形態では、上述した2つの場合(通知を受け取った場合及び所定の操作が行われた場合)に満たされる条件を所定の条件として用いたが、他の条件を用いてもよい。制御部103は、例えば、繰り返し訪れるようなタイミング(以下「繰り返しタイミング」という。)が決められており、繰り返しタイミングが訪れた場合(「第3の場合」という)に満たされる条件を、所定の条件として用いてもよい。繰り返しタイミングとは、例えば、決められた日時(平日は○時で休日は△時など)や決められた時間の間隔(24時間毎など)で訪れる日時などである。繰り返しタイミングは、時間、分及び秒まで詳細に決められていてもよいし、1時から2時までの間でランダムに決められた時刻というように、幅を持たせて決められていてもよい。要するに、繰り返しタイミングは、1度または限られた回数だけで終わるものではなく、繰り返し訪れるように決められているものであればよい。本変形例でも、所定の条件は、記憶装置52に識別データが記憶されているか否かにかかわらず満たされることになる。
【0070】
図13は、本変形例の取得処理における各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
図13の例では、まず、
図6に示すステップS11からS17までの動作が行われる(なお、S11からS14までは図示を省略している)。この例では、ステップS18の動作(通知データの供給)が行われないものとする。次に、情報処理装置10の電源をオンにする操作が行われ、電源13が各装置に電力を供給する(ステップS41)。なお、
図13の例では、ステップS41の動作がステップS17のあとに行われているが、これよりも前に行われてもよい。
【0071】
続いて、情報処理装置10の本体は、繰り返しタイミングが訪れたか否かを判断する(ステップS42)。情報処理装置10の本体は、繰り返しタイミングが訪れていない(NO)と判断した場合には、繰り返しタイミングが訪れた(YES)と判断するまで、ステップS42の動作を繰り返す。情報処理装置10の本体は、ステップS42でYESと判断した場合には、
図6に示すステップS20からS29までの動作が行われる。ステップS42は、制御部103が行う動作である。
図13の例では、ステップS21で識別データの読み出しが試みられたときに識別データが記憶装置52に記憶されているため、読み出しが行われてコンテンツも取得される。
【0072】
本変形例では、繰り返しタイミングが訪れた場合(第3の場合)に、コンテンツが取得される(「第3の取得」という)。これにより、例えば、記憶装置52が識別データを記憶したときに電源がオフであったとしても、繰り返しタイミングが訪れた場合には所定の条件が満たされ、識別データの読み出しが試みられる。また、その際、例えば何らかのエラーが生じて識別データの読み出しが失敗しても、次の繰り返しタイミングが訪れた場合に所定の条件が満たされ、再び識別データの読み出しが試みられる。これにより、狭域無線通信を契機として広域無線通信でコンテンツを取得する場合に、第3の取得を行わない構成に比べて、その取得の確実性を高めることができる。
【0073】
[変形例3]
制御部103は、第1、第2及び第3の場合のいずれの場合でも満たされる条件や、それらのうちのいずれかの場合でのみ満たされる条件を所定の条件として用いてもよい。また、制御部103は、第1及び第3の場合に満たされる条件や第2及び第3の場合に満たされる条件を所定の条件として用いてもよい。(なお、第1及び第2の場合に満たされる条件については実施形態で説明した。)例えば、所定の条件が第1の場合にのみ満たされるとする。その場合、記憶装置52が複数の識別データを記憶するものであれば、例えば通知部102からの通知を制御部103が受け取ることができなくてコンテンツが取得されなくても、次に通知部102からの通知を制御部103が受け取ったときに、制御部103が今回記憶された識別データとともに前回記憶された識別データを読み出して2回分のコンテンツを取得することができる。これにより、狭域無線通信を契機として広域無線通信でコンテンツを取得する場合に、第1の取得を行わない構成に比べて、その取得の確実性を高めることができる。
【0074】
また、所定の条件が第2の場合にのみ満たされるとする。この場合、例えば、記憶装置52が識別データを記憶したときに電源がオフであったとしても、第2の場合、すなわち、ユーザにより所定の操作が行われた場合には、所定の条件が満たされて識別データの読み出しが試みられる。これにより、狭域無線通信を契機として広域無線通信でコンテンツを取得する場合に、第2の取得を行わない構成に比べて、その取得の確実性を高めることができる。
【0075】
[変形例4]
制御部103は、実施形態及び上記の変形例では、
図6等に示すステップS23でユーザの同意の有無を確認したが、この確認を行わなくてもよい。
なお、制御部103は、
図6等に示す例のように、所定の条件が満たされてからこの確認を行うのではなく、例えばコンテンツプログラムやOS(オペレーションシステム)の設定などで、コンテンツの取得を必ず行うか否かを予め決められるようにしておいてもよい。これにより、同意の確認の操作が不要になる分、その操作を行う場合に比べて、所定の条件が満たされてからコンテンツが取得されるまでの時間を短くすることができる。
【0076】
[変形例5]
制御部103は、ユーザ特定データ(会員番号や自装置の製造番号など)を用いてコンテンツの取得を行ってもよい。例えば、コンテンツが各ユーザに1度しか(または限られた回数しか)提供されないように限定されているもの(「限定コンテンツ」という。例えばくじ引きのくじなど。)である場合に、制御部103は、識別データとともにユーザ特定データ読み出し、読み出したこれらのデータをサーバ装置30に送信する。サーバ装置30は、送信されてきたユーザ特定データに応答して限定コンテンツを過去に送信したことがあるか否かを判断し、否と判断した場合には、限定コンテンツを抽出して情報処理装置10に送信し、過去に送信したことがあると判断した場合には、限定コンテンツを送信しない。なお、本変形例で用いられるユーザ特定データは、決済に用いられるものと同じでも異なっていてもよい。
【0077】
[変形例6]
第2無線通信ユニット50は、実施形態では、非接触型ICカードの規格のうち、近接型の規格に準拠した狭域無線通信を行う第2通信装置53を備えるユニットであったが、これに限らない。第2無線通信ユニット50は、例えば、密着型、近傍型及び遠隔型のいずれかの規格に準拠した狭域無線通信を行う通信装置を備えていてもよい。また、第2無線通信ユニット50は、非接触型ICカードの規格ではない他の規格に準拠した狭域無線通信を行う無線装置を備えていてもよく、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)タグであってもよい。これらの狭域無線通信は、近距離無線通信とも呼ばれている(狭義では、近接型の規格に準拠したものだけを近距離無線通信と呼ぶ場合もある)。要するに、第2無線通信ユニットは、上述した広域無線通信よりも通信範囲が狭い狭域無線通信(近距離無線通信はその一例)を行う通信装置と、記憶装置52とを備え、且つ、通知部102の機能を実現するものであればよい。
【0078】
[変形例7]
情報処理装置10は、実施形態では、リーダライタ20と狭域無線通信を行ったが、これに限らない。情報処理装置10は、狭域無線通信を行う装置であれば、例えば携帯電話やスマートフォン、タブレット端末などと狭域無線通信を行ってもよい。その場合、情報処理装置10は、それらの装置と狭域無線通信を行うことを契機にコンテンツを取得する。
【0079】
[変形例8]
制御部103は、実施形態では、決済が行われた店舗で用いるクーポンをコンテンツとして取得したが、これに限らない。制御部103が取得するコンテンツは、決済が行われた店舗以外(例えば同じチェーン店)でも用いることができるクーポンであってもよいし、クーポンではなく特売の宣伝や商品の広告などであってもよい。要するに、制御部103は、識別データにより識別されるコンテンツを取得するものであればよい。
【0080】
[変形例9]
通知部102は、実施形態では、リーダライタ20から通知データを受信したときに制御部103への通知を行ったが、これに限らない。通知部102は、例えば、
図6に示すステップS16において第2通信装置53が決済完了通知を受信したときに通知を行ってもよい。上述したとおり、第2通信装置53が決済完了通知を受信すると、記憶装置52が決済完了通知をオフライン領域に記憶する。従って、この場合も、通知部102は、識別データが記憶されたことの通知を行うことになる。
【0081】
また、通知部102は、ステップS12においてデータ要求電波を受信したときに上記の通知を行ってもよい。この場合も、そのあとにステップS13からS17までの動作が行われれば、識別データが記憶装置52に記憶されることになるから、通知部102は、識別データが記憶されたことを制御部103へ通知することになる。要するに、通知部102は、第2通信装置53によって識別データが受信されて記憶装置52に記憶されると、その識別データが記憶されたことを制御部103へ通知するものであればよい。
【0082】
[変形例10]
通知部102は、実施形態では、店舗での決済が行われた場合に通知を行ったが、これに限らない。通知部102は、例えば、バスや電車の運賃の決済や自動販売機での決済などが行われた場合に通知を行ってもよい。
また、通知部102は、決済が行われた場合ではなく、決済以外の目的で狭域無線通信が行われた場合に通知を行ってもよい。例えば、建物や敷地における入出(入場及び出場)の管理を行うために第2無線通信ユニット50との狭域無線通信が利用される場合である。この場合、建物や敷地の入り口にリーダライタ20のような無線通信装置が設置され、その無線通信装置が情報処理装置10との狭域無線通信によりユーザ特定データを受信してユーザを特定し、入場または出場を許可する。このとき、無線通信装置が、入場または出場を許可したことを示すデータとともに、コンテンツを識別する識別データを発信することで、実施形態と同様のコンテンツの取得が行われる。
【0083】
[変形例11]
制御部103は、実施形態では、決済プログラムの機能により識別データを記憶装置52から読み出したが、これに限らない。制御部103は、例えば、上記の変形例のように狭域無線通信により入出の管理が行われる場合であれば、この管理を行うためのプログラムの機能により識別データの読み出しを行ってもよいし、識別データの読み出しを行うための専用のプログラムの機能によりこの読み出しを行ってもよい。いずれの場合も、制御部103は、記憶装置52のオフライン領域に記憶されているデータを読み出す機能を実現するプログラムを実行し、そのプログラムの機能により識別データを読み出すものであればよい。
【0084】
[変形例12]
制御部103は、実施形態では、ブラウザをアクセスプログラムとして実行してコンテンツを取得したが、これに限らない。制御部103は、例えば、電子メールのプログラムをアクセスプログラムとして実行して所定のメールアドレスにメールを送信し、その返信で送られてくるコンテンツを取得してもよいし、コンテンツを取得するための専用のプログラムをアクセスプログラムとして実行してその機能によりコンテンツを取得してもよい。要するに、制御部103は、いかなる方法でもよいので、記憶装置52から読み出した識別データにより識別されるコンテンツを取得するものであればよい。
【0085】
[変形例13]
制御部103は、実施形態では、決済プログラムを起動させる操作を所定の操作としたが、これに限らない。制御部103は、例えば、上述したアクセスプログラム(サーバ装置30にアクセスするためのプログラム)を起動させる操作を所定の操作としてもよいし、コンテンツプログラム(コンテンツを管理するためのプログラム)を起動させる操作を所定の操作としてもよい。いずれの場合も、制御部103は、これらの操作が行われると、アクセスプログラムまたはコンテンツプログラムを起動するとともに、決済プログラムや上記の変形例で述べた識別データの読み出しを行うための専用のプログラムなどを起動し、識別データの読み出しを試みて識別データが読み出せたときに、コンテンツを取得する。
【0086】
制御部103は、他にも、例えば電源13をオンにする操作を所定の操作としてもよいし、コンテンツを取得するための操作子を表す画像を表示させておき、その操作子を選択する操作を所定の操作としてもよい。このように、制御部103は、どのような操作でもよいので、予め定められた操作(すなわち所定の操作)が通知部102からの通知を制御部103が受け取っていない状態で行われた場合に、記憶装置52からの識別データの読み出しを試みて識別データが読み出せたときに、コンテンツの取得を行うものであればよい。
【0087】
[変形例14]
識別データは、実施形態では、店舗IDであったが、これに限らない。識別データは、例えば、店舗の電話番号、リーダライタ20やレジスタ端末3の製造番号、店舗が所属するチェーン店に割り当てられた番号などであってもよい。また、識別データは、複数のコンテンツの各々に割り当てられた番号や記号などであってもよい。また、識別データは、URLを示すデータであってもよい。この場合、制御部103は、識別データが示すURLにアクセスする。サーバ装置30は、このURLにアクセスしてきた装置に対して、このURLにより特定されるリソースをコンテンツとして送信する。この場合に、リーダライタ20が、自装置が設置されている店舗に割り当てられたURLを識別データとして発信し、サーバ装置30がそのURLにより特定されるリソースとしてその店舗に対応するコンテンツを送信することで、店舗に応じたコンテンツを提供することもできる。また、上記の変形例で述べたように、購入金額や購入日時が識別データであってもよい。いずれの場合も、識別データは、コンテンツを識別するものであればよい。
【0088】
[変形例15]
第2無線通信ユニット50は、実施形態では、電源13がオフのとき(スイッチが切られている状態)でも電源13から電力が供給されるセミアクティブ型のICチップであったが、これに限らない。第2無線通信ユニット50は、例えば、電源13がオフのときには電力が供給されないものであってもよい。この場合、電源13がオフになっているときには識別データが記憶装置52に記憶されず、通知部102による通知も行われない。そのような構成でも、電源13がオンになっていて(スイッチが入れられていて)、記憶装置52が識別データを記憶して通知部102が制御装置11へ通知データを供給しようとしたときに、例えば何らかのエラーが生じて制御装置51から制御装置11への信号伝達が不調になる場合がある。この場合、制御装置11が通知データを受け取れず、制御部103が通知を受け取れないことになるが、情報処理装置10では、上述した第2の取得が行われてコンテンツがユーザに提供される。
【0089】
従って、本変形例においても、実施形態と同様に、通信範囲が狭い第1の無線通信(狭域無線通信)を契機として、通信範囲が広い第2の無線通信(広域無線通信)でコンテンツを取得する場合に、第2の取得を行わない構成に比べて、その取得の確実性を高めることができる。
また、第2無線通信ユニット50は、オンかオフかにかかわらず電源13から電力が供給されず、アンテナ54で発生した電力で作動するいわゆるパッシブ型のICチップであってもよい。この場合、電源13が有するバッテリーが完全に放電したり外されたりした場合でも、記憶装置52が識別データを記憶するため、第2の取得を行うことができる。
【0090】
[変形例16]
記憶装置52は、実施形態では、オンライン領域及びオフライン領域を有していたが、これに限らず、オフライン領域のみを有していてもよい。その場合、記憶装置52がユーザ特定データをオフライン領域に記憶して、制御装置51が
図6に示すステップS14において記憶装置52のオフライン領域に記憶されているユーザ特定データを発信する。なお、記憶装置52は、オンライン領域及びオフライン領域の両方を有している場合に、ユーザ特定データをオフライン領域に記憶してもよい。
【0091】
[変形例17]
制御部103は、コンテンツの取得に失敗した場合に、そのコンテンツを識別する識別データを記憶しておいてもよい。この場合、詳細には、制御部103を実現する装置の1つである本体の記憶装置12が識別データを記憶する。そして、制御部103は、例えば、次に制御部103が通知部102からの通知を受け取った場合や、次に所定の操作が行われた場合などに、記憶装置52から読み出した識別データとともに、記憶しておいた識別データをサーバ装置30に送信し、両方の識別データによりそれぞれ識別されるコンテンツを取得する。例えば、ネットワーク2を介した通信におけるエラーや、サーバ装置30がメンテナンス等で一時的に停止しているといった事情で、コンテンツが取得できない場合がある。本変形例によれば、このような場合でも、取得できなかったコンテンツを次の機会に取得することができる。
【0092】
[変形例18]
本発明は、情報処理装置や情報処理システムの他にも、情報処理装置が実施する処理を実現するための情報処理方法としても捉えられるものである。ここでいう処理とは、例えば、
図6、
図9及び
図13に示す取得処理である。これらの図に示すステップS19、S20、S21、S31及びS42が本発明に係る「第1ステップ」の例であり、ステップS22、S23、S24、S25及びS27が本発明に係る「第2ステップ」の例である。また、本発明は、情報処理装置のようなコンピュータを、
図5に示す各手段として機能させるためのプログラムとしても捉えられるものである。このプログラムは、それを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されたり、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、それをインストールして利用可能にするなどの形態でも提供されたりするものであってもよい。