特許第5766872号(P5766872)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5766872ミキサセンサおよびミキサセンサを使用するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5766872
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】ミキサセンサおよびミキサセンサを使用するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/14 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
   G01N11/14 A
【請求項の数】24
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-508767(P2014-508767)
(86)(22)【出願日】2012年5月1日
(65)【公表番号】特表2014-513303(P2014-513303A)
(43)【公表日】2014年5月29日
(86)【国際出願番号】EP2012057954
(87)【国際公開番号】WO2012152616
(87)【国際公開日】20121115
【審査請求日】2013年12月11日
(31)【優先権主張番号】61/483,092
(32)【優先日】2011年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599132904
【氏名又は名称】ネステク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114270
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】オザダリ, フェルハン
(72)【発明者】
【氏名】ミシュラ, ダルメンドラ クマール
(72)【発明者】
【氏名】スライマン, ラビハ
【審査官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−164445(JP,A)
【文献】 特公昭51−017073(JP,B1)
【文献】 特開昭61−153544(JP,A)
【文献】 特開平07−331860(JP,A)
【文献】 実開昭60−155939(JP,U)
【文献】 独国特許出願公開第102007030988(DE,A1)
【文献】 特開2002−052331(JP,A)
【文献】 特開平08−112520(JP,A)
【文献】 実開昭58−057947(JP,U)
【文献】 実開昭57−086449(JP,U)
【文献】 特開昭63−317745(JP,A)
【文献】 特開2000−028508(JP,A)
【文献】 特開平11−295205(JP,A)
【文献】 特表2008−514463(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0132782(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0060423(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 11/14
G01N 19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料のレオロジー的性質を測定するための装置であって、
レオメータおよび粘度計のうちの一方に装着するように構成されかつ配置された駆動ヘッド装着部と、
少なくとも3つのブレードを備えるシャフトであって、前記複数のブレードが前記シャフトの軸線を中心に放射状に離間され、前記駆動ヘッド装着部が前記駆動ヘッド装着部内に前記シャフトの上端部を受容するように構成され、前記複数のブレードのそれぞれが水平から20°〜80°回転され、前記複数のブレードが垂直方向に0.635cm3.175cmだけ互いに離間される、シャフトと、
前記シャフトの端部を受容するように構成されたベースであって、Oリングシールを受け入れるように構成された少なくとも1つのOリング溝をさらに含み、前記シャフトの下端部を受容するように構成されたベースと
を備える装置。
【請求項2】
前記シャフト、前記ベース、および前記駆動ヘッド装着部のうちの少なくとも1つが、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、およびそれらを組み合わせたものからなる群から選択された材料から製造される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記選択された材料がコバルトクロムである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数のブレードが断続的ならせん状に配置され、かつ放射状に45°〜135°で互いに離間される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のブレードのそれぞれが実質的に三角形の形状にされる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ベースと結合するように構成された粒子スクリーンを更に備え、前記粒子スクリーンが、前記ベースを受容するように構成された開放中央部分を含み、前記粒子スクリーンが2.54cm7.62cmの直径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記粒子スクリーンが実質的に円の形状であり、前記開放中央部分と周縁部との間に複数の穴をさらに含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記粒子スクリーンが、前記粒子スクリーンと一体に形成されるかまたは前記粒子スクリーンの前記穴に摩擦嵌合する複数のペグに載る、請求項に記載の装置。
【請求項9】
温度プローブをさらに備え、前記温度プローブが、前記粒子スクリーンの前記穴のうちの少なくとも1つを貫通して延びるように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも3つのブレードが、
それぞれが3つのセクションを備え前記シャフトに装着された少なくとも2つの湾曲ブレード、および
前記シャフトに装着された少なくとも2つの線形ブレード
である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記3つのセクションのそれぞれが空間で隔てられる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記3つのセクションのそれぞれが等しい長さである、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記線形ブレードが表面スクレーパブレードである、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記線形ブレードのそれぞれが前記線形ブレードの上端部および下端部で前記シャフトに装着される、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記線形ブレードのそれぞれが3.81cm8.89cmの長さを有する、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記線形ブレードのそれぞれが、前記線形ブレードの2つの異なる平行部分を形成する階段状の形を備え、前記線形ブレードの第1の平行部分が0.254cm0.508cmの長さを有し、前記線形ブレードの第2の平行部分が0.508cm1.524cmの長さを有する、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも3つのブレードを備えるシャフトが第1の対のブレード、第2の対のブレード、および逆円錐体を備え、前記第1の対のブレードのそれぞれが実質的に垂直に向けられ、前記第2の対のブレードのそれぞれが水平面に対して鋭角で向けられ、前記第1の対のブレードのそれぞれが10mm〜15mmの幅を有し、前記円錐体が前記シャフトと15°〜45°の角度をなす、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の対のブレードのそれぞれおよび前記第2の対のブレードのそれぞれが、前記シャフトの軸線を中心に放射状に離間される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の対のブレードのそれぞれおよび前記第2の対のブレードのそれぞれが、放射状に180°で互いに離間される、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の対のブレードは、前記第1のブレードの下側面が前記第2のブレードの上側面と同じ垂直高さになるように垂直方向に互いに離間される、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の対のブレードおよび前記第2の対のブレードが個別に、長方形、正方形、および長方形と正方形の組合せからなる群から選択された形状を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の対のブレードが前記シャフトの下部分に配置される、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記第2の対のブレードが実質的に同じ水平面内に配置される、請求項17に記載の装置。
【請求項24】
前記逆円錐体が前記シャフトの上部分に配置される、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は一般に、材料のレオロジー的性質(rheological properties)を特性化するための装置およびこの装置を使用するための方法に関する。より詳細には、本発明は、粒子を含む流体を様々な処理条件でレオロジー特性化(rheological characterization)するためのミキサセンサを対象とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
[0002]材料のレオロジー特性(rheological characteristics)を試験するための様々なタイプのレオロジー試験機器が研究所や製造プラントなどで広く利用できるようになっている。材料のレオロジー的性質を試験するための装置は当技術分野で容易に利用できるが、これらの装置は、レオロジー特性化を必要とするすべての流体でいつも使用できるとは限らない。例えば、既知の装置は、無菌処理システムなどの高温環境にさらされる流体を特性化する際の使用に適していない可能性がある。加えて、知られている装置は、微粒子を含む流体での使用に適していない可能性がある。実際、市販されているほとんどの装置では、流体中にある微粒子をレオロジー特性化の前に濾過するかまたはその他の方法で除去する必要がある。このように、特性化のために残される試料の唯一の部分が流体部分であり、これにより、処理パイプラインシステム内の試料の実際の処理条件を反映することができない、試料の精度の低いレオロジー測定値を与える可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]本開示は、材料のレオロジー的性質の測定に使用する装置およびこの装置を使用するための方法を提供する。一般的な実施形態では、材料のレオロジー的性質を測定するための装置が提供される。装置は、断続的ならせん状に配置された少なくとも3つのブレードを備えるシャフトと、シャフトの端部を受容するように構成されたベースとを具備する。
【0004】
[0004]一実施形態では、シャフトは約2インチ(5.1cm)〜約6インチ(15.2cm)の長さを有する。シャフトは約4インチ(10.2cm)の長さを有することもできる。シャフトは、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、またはそれらを組み合わせたものからなる群から選択された材料から製造されうる。一実施形態では、材料はコバルトクロムである。
【0005】
[0005]一実施形態では、ベースはシャフトの下端部を受容するように構成される。ベースは、Oリングシールを受け入れるように構成された少なくとも1つのOリング溝をさらに含むことができる。一実施形態では、ベースは、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、またはそれらを組み合わせたものからなる群から選択された材料から製造される。一実施形態では、材料はコバルトクロムである。
【0006】
[0006]一実施形態では、装置は駆動ヘッド装着部を具備する。駆動ヘッド装着部は、レオメータおよび粘度計のうちの一方に装着するように構成されかつ配置される。駆動ヘッド装着部は、駆動ヘッド装着部内にシャフトの上端部を受容するように構成されうる。駆動ヘッド装着部は、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、またはそれらを組み合わせたものからなる群から選択された材料から製造されうる。一実施形態では、材料はコバルトクロムである。
【0007】
[0007]一実施形態では、複数のブレードはシャフトの軸線を中心に放射状に離間される。複数のブレードは放射状に約45°〜約135°で互いに離間されうる。一実施形態では、複数のブレードは、シャフトの軸線を中心にかつシャフトの周囲に沿って放射状に約90°で互いに離間される。
【0008】
[0008]一実施形態では、複数のブレードは垂直方向に約0.25インチ(0.65cm)〜約1.25インチ(3.2cm)だけ互いに離間される。複数のブレードは垂直方向に約0.75インチ(1.9cm)だけ互いに離間されてもよい。一実施形態では、複数のブレードは、放射状に約90°で互いに離間されかつ垂直方向に約0.75インチ(1.9cm)だけ互いに離間される。
【0009】
[0009]一実施形態では、複数のブレードのそれぞれが水平から約20°〜約80°回転される。複数のブレードのそれぞれは水平から約45°回転されてもよい。
【0010】
[0010]一実施形態では、複数のブレードのそれぞれは実質的に三角形の形状にされる。
【0011】
[0011]一実施形態では、ベースはさらに粒子スクリーンと結合するように構成される。粒子スクリーンはベースを受容するように構成された開放中央部分を含むことができる。粒子スクリーンは実質的に円の形状とすることができ、開放中央部分と周縁部との間に複数の穴を含むことができる。粒子スクリーンは約1インチ(2.5cm)〜約3インチ(7.6cm)の直径を有することができる。一実施形態では、粒子スクリーンは約1.5インチ(3.8cm)の直径を有する。粒子スクリーンは、粒子スクリーンと一体に形成されるかまたは粒子スクリーンの穴に摩擦嵌合する複数のペグに載ることもできる。
【0012】
[0012]一実施形態では、装置は温度プローブを具備する。温度プローブは、粒子スクリーンの穴のうちの少なくとも1つを貫通して延びるように構成されうる。
【0013】
[0013]別の実施形態では、材料のレオロジー的性質を測定するための装置が提供される。装置は、シャフトと、それぞれが3つのセクションを備えシャフトに装着された少なくとも2つの湾曲ブレードと、シャフトに装着された少なくとも2つの線形ブレードとを具備する。
【0014】
[0014]一実施形態では、シャフトは約2インチ(5.1cm)〜約6インチ(15.2cm)の長さを有する。シャフトは約4インチ(10.2cm)の長さを有することもできる。シャフトは、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、またはそれらを組み合わせたものからなる群から選択された材料から製造されうる。一実施形態では、材料はコバルトクロムである。
【0015】
[0015]一実施形態では、ベースはシャフトの下端部を受容するように構成される。ベースは、Oリングシールを受け入れるように構成された少なくとも1つのOリング溝をさらに含むことができる。一実施形態では、ベースは、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、またはそれらを組み合わせたものからなる群から選択された材料から製造される。一実施形態では、材料はコバルトクロムである。
【0016】
[0016]一実施形態では、装置は駆動ヘッド装着部を具備する。駆動ヘッド装着部は、レオメータおよび粘度計のうちの一方に装着するように構成されかつ配置される。駆動ヘッド装着部は、駆動ヘッド装着部内にシャフトの上端部を受容するように構成されうる。駆動ヘッド装着部は、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、またはそれらを組み合わせたものからなる群から選択された材料から製造されうる。一実施形態では、材料はコバルトクロムである。
【0017】
[0017]一実施形態では、ベースはさらに粒子スクリーンと結合するように構成される。粒子スクリーンはベースを受容するように構成された開放中央部分を含むことができる。粒子スクリーンは実質的に円の形状とすることができ、開放中央部分と周縁部との間に複数の穴を含むことができる。粒子スクリーンは約1インチ(2.5cm)〜約3インチ(7.6cm)の直径を有することができる。一実施形態では、粒子スクリーンは約1.5インチ(3.8cm)の直径を有する。粒子スクリーンは、粒子スクリーンと一体に形成されるかまたは粒子スクリーンの穴に摩擦嵌合する複数のペグに載ることもできる。
【0018】
[0018]一実施形態では、装置は温度プローブを具備する。温度プローブは、粒子スクリーンの穴のうちの少なくとも1つを貫通して延びるように構成されうる。一実施形態では、湾曲ブレードのそれぞれは約1インチ(2.5cm)〜約4インチ(10.2cm)の全長を有する。
【0019】
[0019]一実施形態では、湾曲ブレードのそれぞれは約2.7インチ(6.9cm)の全長を有する。3つのセクションのそれぞれは空間で隔てられてもよい。3つのセクションのそれぞれは等しい長さとすることができる。各湾曲ブレードは約30°〜約80°の角度空間を占めることができる。一実施形態では、各湾曲ブレードは約75°の角度空間を占める。少なくとも2つの湾曲ブレードは、シャフトの軸線を中心に放射状に約180°で互いに離間されうる。
【0020】
[0020]一実施形態では、線形ブレードは表面スクレーパブレードである。線形ブレードのそれぞれは線形ブレードの上端部および下端部でシャフトに装着されうる。線形ブレードのそれぞれは約1.5インチ(3.8cm)〜約3.5インチ(8.9cm)の長さを有する。一実施形態では、線形ブレードのそれぞれは約2.3インチ(5.8cm)の長さを有する。線形ブレードは、線形ブレードの2つの異なる平行部分を形成する階段状の形を有することができる。線形ブレードの第1の平行部分は約0.1インチ(0.25cm)〜約0.2インチ(0.5cm)の長さを有することができる。一実施形態では、線形ブレードの第1の平行部分は約0.15インチ(0.4cm)の長さを有する。線形ブレードの第2の平行部分は約0.2インチ(0.5cm)〜約0.6インチ(1.5cm)の長さを有する。一実施形態では、線形ブレードの第2の平行部分は約0.4インチ(1.0cm)の長さを有する。少なくとも2つの線形ブレードは、シャフトの軸線を中心に放射状に約180°で互いに離間されうる。
【0021】
[0021]さらに別の実施形態では、材料のレオロジー的性質を測定するための装置が提供される。装置は、第1の対のブレード、第2の対のブレード、および逆円錐体を備えるシャフトを具備し、第1の対のブレードのそれぞれは実質的に垂直に向けられ、第2の対のブレードのそれぞれは水平面に対して鋭角で向けられる。
【0022】
[0022]一実施形態では、シャフトは約2インチ(5.1cm)〜約6インチ(15.2cm)の長さを有する。シャフトは約4インチ(10.2cm)の長さとすることもできる。シャフトは、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、またはそれらを組み合わせたものからなる群から選択された材料から製造されうる。一実施形態では、材料はコバルトクロムである。
【0023】
[0023]一実施形態では、ベースはシャフトの下端部を受容するように構成される。ベースは、Oリングシールを受け入れるように構成された少なくとも1つのOリング溝をさらに含むことができる。一実施形態では、ベースは、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、またはそれらを組み合わせたものからなる群から選択された材料から製造される。一実施形態では、材料はコバルトクロムである。
【0024】
[0024]一実施形態では、装置は駆動ヘッド装着部を具備する。駆動ヘッド装着部は、レオメータおよび粘度計のうちの一方に装着するように構成されかつ配置される。駆動ヘッド装着部は、駆動ヘッド装着部内にシャフトの上端部を受容するように構成されうる。駆動ヘッド装着部は、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、またはそれらを組み合わせたものからなる群から選択された材料から製造されうる。一実施形態では、材料はコバルトクロムである。
【0025】
[0025]一実施形態では、ベースはさらに粒子スクリーンと結合するように構成される。粒子スクリーンはベースを受容するように構成された開放中央部分を含むことができる。粒子スクリーンは実質的に円の形状とすることができ、開放中央部分と周縁部との間に複数の穴を含むことができる。粒子スクリーンは約1インチ(2.5cm)〜約3インチ(7.6cm)の直径を有することができる。一実施形態では、粒子スクリーンは約1.5インチ(3.8cm)の直径を有する。粒子スクリーンは、粒子スクリーンと一体に形成されるかまたは粒子スクリーンの穴に摩擦嵌合する複数のペグに載ることもできる。
【0026】
[0026]一実施形態では、装置は温度プローブを具備する。温度プローブは、粒子スクリーンの穴のうちの少なくとも1つを貫通して延びるように構成されうる。一実施形態では、湾曲ブレードのそれぞれは約1インチ(2.5cm)〜約4インチ(10.2cm)の全長を有する。
【0027】
[0027]一実施形態では、第1の対のブレードはシャフトの軸線を中心に放射状に離間される。第1の対のブレードは放射状に約180°で互いに離間されうる。第1の対のブレードは、第1のブレードの下側面が第2のブレードの上側面と同じ垂直高さになるように、垂直方向に互いに離間される。第1の対のブレードは、放射状に約180°で互いに離間されるとともに、第1のブレードの下側面が第2のブレードの上側面と同じ垂直高さになるように垂直方向に互いに離間される。第1の対のブレードは、長方形、正方形、または長方形と正方形の組合せからなる群から選択された形状を備える。第1の対のブレードのそれぞれは約10mm〜15mmの幅を有することができる。一実施形態では、第1の対のブレードのそれぞれは約13mmの幅を有する。第1の対のブレードのそれぞれは約10mm〜20mmの高さを有することができる。一実施形態では、第1の対のブレードのそれぞれは約15mmの高さを有する。一実施形態では、第1の対のブレードはシャフトの下部分に配置される。
【0028】
[0028]一実施形態では、第2の対のブレードはシャフトの軸線を中心に放射状に離間される。第2の対のブレードは放射状に約180°で互いに離間されうる。第2の対のブレードは実質的に同じ水平面内に配置されうる。一実施形態では、第2の対のブレードは、放射状に180°で互いに離間され、かつ実質的に同じ水平面内に配置される。第2の対のブレードのそれぞれは垂直から約15°回転されうる。一実施形態では、第2の対のブレードのそれぞれは水平から約45°回転される。第2の対のブレードは、長方形、正方形、または長方形と正方形の組合せからなる群から選択された形状を含む。第2の対のブレードのそれぞれは約10mm〜20mmの高さを有することができる。一実施形態では、第2の対のブレードのそれぞれは約15mmの高さを有する。第2の対のブレードのそれぞれは約10mm〜約15mmの幅を有することができる。一実施形態では、第2の対のブレードのそれぞれは約13.5mmの幅を有する。一実施形態では、第2の対のブレードはシャフトの中間部分に配置される。
【0029】
[0029]一実施形態では、第1の対のブレードは、第2の対のブレードからシャフトに沿って約5mm〜約15mmの距離だけ隔てられる。第1の対のブレードは、第2の対のブレードからシャフトに沿って約10mmの距離だけ隔てられてもよい。
【0030】
[0030]円錐体の底面は約20mm〜約40mmの直径を有する。
【0031】
[0031]一実施形態では、円錐体の底面は約30mmの直径を有することができる。一実施形態では、円錐体はシャフトと約15°〜約45°の角度をなす。円錐体はシャフトと約30°または31°の角度をなすことができる。一実施形態では、逆円錐体はシャフトの上部分に配置される。
【0032】
[0032]さらに別の実施形態では、材料のレオロジー的性質を測定するためのシステムが提供される。システムは、静止測定カップおよびインペラ駆動ヘッドを備えるデバイスと、インペラ駆動ヘッドに装着されたインペラとを具備する。インペラは、断続的ならせん状に配置された少なくとも3つのブレードを備えるシャフトと、シャフトの端部を受容するように構成されたベースとを具備する。
【0033】
[0033]一実施形態では、デバイスはレオメータおよび粘度計のうちの一方である。
【0034】
[0034]一実施形態では、システムは静止測定カップ内に入れられた流体を含む。流体は微粒子を含むことができる。
【0035】
[0035]一実施形態では、静止測定カップは静止測定カップの底に静止粒子スクリーンを具備する。静止測定カップは一体の温度プローブも具備することができる。一実施形態では、温度プローブは粒子スクリーンと結合するように構成される。
【0036】
[0036]別の実施形態では、材料のレオロジー的性質を測定するためのシステムが提供される。システムは、静止測定カップおよびインペラ駆動ヘッドを備えるデバイスと、インペラ駆動ヘッドに装着されたインペラとを具備する。インペラは、シャフトと、それぞれが3つのセクションを備えシャフトに装着された少なくとも2つの湾曲ブレードと、シャフトに装着された少なくとも2つの線形ブレードとを具備する。
【0037】
[0037]一実施形態では、デバイスはレオメータおよび粘度計のうちの一方である。
【0038】
[0038]一実施形態では、システムは静止測定カップ内に入れられた流体を含む。流体は微粒子を含むことができる。
【0039】
[0039]一実施形態では、静止測定カップは静止測定カップの底に静止粒子スクリーンを具備する。静止測定カップは一体の温度プローブも具備することができる。一実施形態では、温度プローブは粒子スクリーンと結合するように構成される。
【0040】
[0040]さらに別の実施形態では、材料のレオロジー的性質を測定するためのシステムが提供される。システムは、静止測定カップおよびインペラ駆動ヘッドを備えるデバイスと、インペラ駆動ヘッドに装着されたインペラとを具備する。インペラは、第1の対のブレード、第2の対のブレード、および逆円錐体を備えるシャフトを具備し、第1の対のブレードのそれぞれは実質的に垂直に向けられ、第2の対のブレードのそれぞれは水平面に対して鋭角で向けられる。
【0041】
[0041]一実施形態では、デバイスはレオメータおよび粘度計のうちの一方である。
【0042】
[0042]一実施形態では、システムは静止測定カップ内に入れられた流体を含む。流体は微粒子を含むことができる。
【0043】
[0043]一実施形態では、静止測定カップは静止測定カップの底に静止粒子スクリーンを具備する。静止測定カップは一体の温度プローブも具備することができる。一実施形態では、温度プローブは粒子スクリーンと結合するように構成される。
【0044】
[0044]別の実施形態では、材料のレオロジー的性質を測定するための方法が提供される。方法は、材料で満たされた静止円筒および回転可能なセンサ駆動ヘッドを備えるデバイスを準備すること、回転可能なセンサ駆動ヘッドにセンサを装着すること、静止円筒内にセンサを挿入すること、およびセンサを回転させることを含む。センサは、断続的ならせん状に配置された少なくとも3つのブレードを備えるシャフトとシャフトの端部を受容するように構成されたベースとを具備する。
【0045】
[0045]一実施形態では、デバイスはレオメータおよび粘度計のうちの一方である。
【0046】
[0046]一実施形態では、材料は流体である。流体は微粒子を含むことができる。
【0047】
[0047]一実施形態では、方法は、流体の温度を温度プローブで感知することを含む。
【0048】
[0048]一実施形態では、方法は、静止円筒の底に静止粒子スクリーンを置くことを含む。方法は、温度プローブを粒子スクリーンと結合させることをさらに含むことができる。
【0049】
[0049]一実施形態では、方法は、センサを異なる角速度で回転させることを含む。
【0050】
[0050]別の実施形態では、材料のレオロジー的性質を測定する方法が提供される。方法は、材料で満たされた静止円筒および回転可能なセンサ駆動ヘッドを備えるデバイスを準備すること、回転可能なセンサ駆動ヘッドにセンサを装着すること、静止円筒内にセンサを挿入すること、およびセンサを回転させることを含む。センサは、シャフトと、それぞれが3つのセクションを備えシャフトに装着された少なくとも2つの湾曲ブレードと、シャフトに装着された少なくとも2つの線形ブレードとを具備する。
【0051】
[0051]一実施形態では、デバイスはレオメータおよび粘度計のうちの一方である。
【0052】
[0052]一実施形態では、材料は流体である。流体は微粒子を含むことができる。
【0053】
[0053]一実施形態では、方法は、流体の温度を温度プローブで感知することを含む。
【0054】
[0054]一実施形態では、方法は、静止円筒の底に静止粒子スクリーンを置くことを含む。方法は、温度プローブを粒子スクリーンと結合させることをさらに含むことができる。
【0055】
[0055]一実施形態では、方法は、センサを異なる角速度で回転させることを含む。
【0056】
[0056]さらに別の実施形態では、材料のレオロジー的性質を測定するための方法が提供される。方法は、材料で満たされた静止円筒および回転可能なセンサ駆動ヘッドを備えるデバイスを準備すること、回転可能なセンサ駆動ヘッドにセンサを装着すること、静止円筒内にセンサを挿入すること、およびセンサを回転させることを含む。センサは、第1の対のブレード、第2の対のブレード、および逆円錐体を備えるシャフトを具備し、第1の対のブレードのそれぞれは実質的に垂直に向けられ、第2の対のブレードのそれぞれは水平面に対して鋭角で向けられる。
【0057】
[0057]一実施形態では、デバイスはレオメータおよび粘度計のうちの一方である。
【0058】
[0058]一実施形態では、材料は流体である。流体は微粒子を含むことができる。
【0059】
[0059]一実施形態では、方法は、流体の温度を温度プローブで感知することを含む。
【0060】
[0060]一実施形態では、方法は、静止円筒の底に静止粒子スクリーンを置くことを含む。方法は、温度プローブを粒子スクリーンと結合させることをさらに含むことができる。
【0061】
[0061]一実施形態では、方法は、センサを異なる角速度で回転させることを含む。
【0062】
[0062]本開示の一利点は、改良されたミキサセンサを提供することである。
【0063】
[0063]本開示の別の利点は、実際の処理条件を厳密にシミュレートするレオロジー測定を可能にするミキサセンサを提供することである。
【0064】
[0064]本開示のさらに別の利点は、微粒子を含む流体のレオロジー的性質を正確に特性化することができるミキサセンサを提供することである。
【0065】
[0065]本開示のさらに別の利点は、レオロジー特性化中に試料流体中の微粒子が沈降しないようにするのに役立つミキサセンサを提供することである。
【0066】
[0066]本開示の別の利点は、異なるレオメータ駆動ヘッドに装着されうる交換可能なミキサセンサを提供することである。
【0067】
[0067]本開示のさらに別の利点は、同じレオメータ駆動ヘッドに装着されうる異なるミキサセンサを提供することである。
【0068】
[0068]本開示の別の利点は、広範囲の温度および広範囲のずり速度にわたる条件で使用されるように構成されたミキサセンサを提供することである。
【0069】
[0069]付加的な特徴および利点が本明細書に記述されており、下記の「詳細な説明」から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1】本開示の一実施形態によるミキサセンサの斜視図である。
図2】本開示の一実施形態による粒子スクリーンの上面図である。
図3】本開示の一実施形態によるミキサセンサおよび粒子スクリーンの斜視図である。
図4】本開示の一実施形態によるミキサセンサの斜視図である。
図5】本開示の一実施形態による、図4のミキサセンサの上面図である。
図6】本開示の一実施形態によるミキサセンサの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
[0076]本開示および添付の特許請求の範囲で用いられているように、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上特段に明確に示していない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つのポリペプチド(a polypeptide)」は2つ以上のポリペプチドの混合物などを含む。
【0072】
[0077]本明細書で用いられているように、「約(about)」はある数値範囲内の数を意味すると理解される。さらに、本明細書におけるすべての数値範囲は、その範囲内のすべての整数、全体または小数部を含むと理解されるべきである。
【0073】
[0078]レオロジーは、主として液体状態の物体の流動を対象とする研究であるが、軟質固体または固体が加えられた力に応じて弾性的に変形するのではなく塑性流動で応動する条件下での軟質固体または固体としての材料の流動をも対象とする。物質の流動は一般に、単一の粘度値によって特性化されることはできないが、特定温度での粘度の測定値は材料の性質に関する貴重な情報を提供することができる。レオロジー研究は一般にレオメータを使用して行われ、レオメータは、流体に特定の応力場または変形を加え、得られた変形または応力を監視する。これらの機器は、定常流動または振動流動、ならびにずりと伸長の両方で動作することができる。
【0074】
[0079]一般に測定される材料のレオロジー的性質は材料のずり粘度である。ずり粘度は単に粘度と呼ばれることが多く、加えられたずり応力に対する材料の反応を表す。言い換えると、ずり応力は、流体の表面上に横または水平方向に作用される「応力」(単位面積当たりの力)と人が流体中を下方へ移動するときの流体の速度の変化(「速度勾配」)との比である。体積粘度またはバルク粘度は圧縮に対する反作用を表し、流体中の音響の特性化に不可欠である。
【0075】
[0080]粘度、および、例えば密度や実積率などのその他の複雑な流体特性は、製造プロセス中の化学的または物理的変化の指標として有用となりうるだけでなく、処理機器の設計および運転に特に不可欠でもある。しかしながら、粘度の評価は、粒子、繊維、細菌などを含む水性懸濁液などの非均質系を処理するときに得るのは容易でない、というのは、粘度の評価はしばしば非ニュートン性を呈するからである。当技術分野で知られるように、ニュートン流体は、流体の移動をもたらすのに必要なずり応力(τ)と有効ずり速度
【数1】

との間の直接的な線形関係を呈する流体である。これらの流体の見掛け粘度は、ずり速度
【数2】

の影響を受けず、一定のままである。これらの原理に従って挙動しない流体は非ニュートン流体と呼ばれ、非ニュートン流体の2つの例が、ずり粘稠化流体およびずり流動化流体である。
【0076】
[0081]ずり粘稠化流体またはずり流動化流体は、
【数3】

に線形関係を有することができる。ただし、
【数4】

はずり速度であり、ηは見掛け粘度であり、Kはコンシステンシー指数であり、nはべき乗則指数である。このような線形関係を呈するずり粘稠化流体およびずり流動化流体は、べき乗則流体と呼ばれる。ニュートン流体もべき乗則流体であるが、非ニュートン流体ははるかに複雑である、というのは、非ニュートン流体は一環境ではべき乗則流体として挙動することができるが、別の環境ではそうではないからである。
【0077】
[0082]非ニュートン流体の見掛け粘度(η)は、測定が行われるときの有効ずり速度
【数5】

に依存し、見掛け粘度(η)は、
【数6】

を用いて計算されうる。ニュートン流体のべき乗則指数(n)は1であり、コンシステンシー指数(K)の値は、これらの流体に対する動的粘度(μ)と呼ばれる見掛け粘度(η)を与える。
【0078】
[0083]上述したように、非均質系または複合系のレオロジー的性質を特性化しようとするとき、いくつかの困難が起こりうる。このような困難は通常、例えば、粒子沈降、相分離、材料構造の破壊などに関係している。このような問題に直面する、微粒子を含む流体の例として、いくつかのタイプの食品がある。例えば、ベビーフードの粘度は、ベビーフードがスプーン上に留まることができるくらい粘稠でなければならないが、幼児が食品を飲み込むのが困難なほどには粘稠でないことを考慮すると、特に重要である。しかしながら、ほとんどのベビーフードは懸濁液(例えば、果物のピューレ)であるので、従来の微小ギャップ粘度計は、相分離およびその後の壁での滑り、あるいはギャップ中の粒子または粒子凝集体によって生じる誤差のせいで、ベビーフードのレオロジー特性化には適さない可能性がある。
【0079】
[0084]実際、大抵の市販のレオメータおよびレオメータの関連センサは、均質流体試料(例えば、微粒子を含まない流体試料)向けに設計されている。しかしながら、微粒子を含む流体試料を扱う場合、流体試料のレオロジー的性質を測定する前に、微粒子は濾過されるかまたはその他の方法で除去されなければならない。流体試料から微粒子を濾過して除くことにより、測定のために残っている試料の唯一の部分が流体部分となる。試料の流体部分だけを測定すると、試料のレオロジー測定の精度が低下し、実際の処理条件を模倣しないことがある。
【0080】
[0085]したがって、i)離散微粒子を含み、ii)非常に低い温度から非常に高い温度までの温度範囲にあり(例えば、100°Cを超える温度などの無菌処理条件にあり)、かつiii)典型的な処理パイプライン内に見られる様々なずり速度をカバーする食品試料用のレオロジー測定データが、レオロジーデータ測定値のより正確なエンジニアリング計算に必要である。したがって、本開示のミキサセンサは、実物大の生産状況を厳密に模倣する実験室条件で多相的な(例えば非均質な)製品のレオロジー的性質を予測するように設計される。しかしながら、当業者であれば、相分離または沈降の問題が起こる状況で特に有用となりうる、本開示のミキサセンサが粒子を含まない流体のレオロジー的性質を特性化するためにも使用されうることを即座に理解するであろう。
【0081】
[0086]製品のレオロジー特性化のための理想的な幾何学センサは、クエット(Couette)としても知られている同心円筒システムを有する回転レオメータを使用して得られる。クエット粘度計は、恒温槽内に保持された静止カップの中で回転する円筒でなる。静止カップと内部の回転円筒との間の空間は測定されるべき流体で満たされる。内円筒が均一角速度(Ω)で回転すると、円筒と静止カップとの間の流体は、流体に抗力がかかるために内円筒より低い速度で移動する。これらの抗力は粘度計によって測定されうる。別法として、外側カップが回転し、一方内円筒が静止することができる。クエットは、明確なずり速度を見せるとともに、絶対レオロジーデータが得られるようにする。
【0082】
[0087]対照的に、ミキサレオメトリーを用いて絶対レオロジーデータを得るのは、複雑な流動パターンのために困難となりうる。しかしながら、ミキサレオメトリーデータは、微小ギャップを有する同心円筒システムによって決定されることができない流体に対して、流体のレオロジー特性を良く表す。このような流体は、上述したように、例えば、典型的には沈降の問題、滑り、相分離、および時間依存性をもたらす微粒子を含む流体を含むことができる。これらのタイプの流体のレオロジー特性化を必要とし、従来の回転粘度計を使用することができないときに、ミキサ粘度計を使用できることが多い。
【0083】
[0088]SteffeおよびDaubertの「Bioprocessing Pipelines: Rheology and Analysis」(2006)に記述されているように、個々のミキサ粘度計がそれぞれ、レオロジー特性化に使用する前に特性化されなければならない。分析は通常、無次元数と既知のレオロジー的性質を有する標準流体とを用いて実現される。個々のミキサ粘度計をそれぞれ特性化する方法は当技術分野で知られており、「Bioprocessing Pipelines」に開示されている。これらの方法では、ニュートン流体の粘度(μ)が次式であるものとする。
【0084】
[0089]
【数7】
【0085】
[0090]上式で、k”はミキサ係数として定義される定数:
【数8】

であり、Aは無次元定数であり、dはインペラの直径である。既知の粘度を有するニュートン流体は、システムの関数であるk”とトルクとインペラの角速度と粘度とを決定するために使用される。
【0086】
[0091]ミキサ粘度計内のべき乗則流体を評価するには、見掛け粘度(η)が平均ずり速度の関数として定義される。
【0087】
[0092]
【数9】
【0088】
[0093]平均ずり速度
【数10】

は、ミキサ粘度計の定数(k’)と角速度(Ω)との積である。この値を決定するには、ニュートン粘度および見掛け粘度が同じずり速度で等しいというマッチング粘度(matching viscosity)の仮定が適用されなければならない。この仮定を用いると、平均ずり速度は次式になる。
【0089】
[0094]
【数11】
【0090】
[0095]次いで、ミキサ係数(k”)およびミキサ粘度計定数(k’)は以下のプロセスで求めることができる。最初に、従来の回転粘度計を使用して、選ばれたニュートン流体の選択された温度での粘度データを得る。試料のニュートン流体の例としては、はちみつ、コーンシロップ、シリコーン油などとすることができる。次に、同じ試料のニュートン流体を使用して、ミキサ粘度計でトルク対角速度の実験データを得る。
【数12】

を用いて、トルク(x軸)に対して粘度と角速度の積(y軸)をプロットする。次いで、k”を式の傾きとして決定する。
【0091】
[0096]次に、従来の粘度計内で試験されうるべき乗則流体(例えば非ニュートン流体)を得るとともに、これらの材料の適切な温度でのコンシステンシー係数(K)および流動挙動指数(n)を決定する。べき乗則流体の例としては、グアーゴムおよびメチルセルロースの水溶液がある。
【0092】
[0097]べき乗則流体を使用して、ミキサ粘度計でトルク対角速度の実験データを収集する。このデータと先に求められたk”と上記の平均ずり速度の式とを用いて、平均ずり速度をそれぞれの角速度で決定する。
【0093】
[0098]先に生成された、平均ずり速度対角速度のデータセットをとって、ミキサ粘度計定数(k’)を次式の傾きとして決定する。
【0094】
[0099]
【数13】
【0095】
[00100]上述したプロセスは、試験される各特定幾何形状の組合せ(例えば、インペラ(例えばミキサセンサ)とインペラのそれぞれのカップとの各組合せ)に特有の係数定数(k”)およびミキサ粘度計定数(k’)の値を提供する。したがって、この方法を使用して、既知のカップ構成で利用されるいかなる新しいインペラも、係数定数(k”)およびミキサ粘度計定数(k’)のインペラ自体の固有値を決定するために、特性化が必要である。
【0096】
[00101]したがって、本開示のインペラ/ミキサセンサは、静止円筒カップ内で回転する複雑な幾何形状を有するミキサセンサを具備するミキサタイプのレオメータで使用するために設計されうる。本開示のミキサセンサは、ミキサタイプのレオメータの使用に関して論じられるが、当技術分野の技術者なら、ミキサセンサはこのような構成に限定されるものではなく、本開示のミキサセンサを使用することができる任意の粘度計またはレオメータで使用されうることを理解するであろう。例えば、本開示のミキサセンサは、任意のHaakeレオメータまたは同様のタイプのレオメータで使用されうる。上述したクエット粘度計と同様に、ミキサセンサと静止カップとの間の空間は測定されるべき流体で満たされる。
【0097】
[00102]知られているミキサセンサには、パドルブレンダやリボンブレンダなどのインペラ駆動ミキサが含まれる。パドルブレンダは一般にU字形の水平トラフを有し、インペラシャフトがトラフの端から端まで延びており、パドルブレードまたはプラウブレードが装着されている。パドルブレンダのブレードは一般に、リボンブレンダのブレードより速い速度で動作するとともに、非常に短い混合時間を提供することができる。パドルブレンダは一般に、異なるサイズ、形状、および密度の材料をブレンドするときに良い選択肢であり、バッチプロセスにも連続プロセスにも使用することができる。加えて、パトルブレンダのブレードは、砕けやすい材料または特大の材料を混合するなどの低ずり混合用途に使用されうる。
【0098】
[00103]パドルブレンダと同じように、リボンブレンダはU字形の水平トラフを有し、インペラのシャフトがトラフの端から端まで延びており、シャフトには長いリボンブレードが取り付けられている。シャフトが回転するとき、リボンブレードは混合物を空気にさらして流動床を形成する。リボンブレードは通常、容器の外側付近にある粉末が一方の方向に動かされ、容器の中間にある粉末が逆の方向に動かされるように構成される。リボンブレンダは一般に、粉末または粒状原材料のように、同じような形、サイズ、およびかさ密度の材料をブレンドするときに使用される。
【0099】
[00104]しかしながら、当技術分野で既知のパドルブレンダおよびリボンブレンダにはいくつかの欠点がある。例えば、ブレンダは、無菌処理条件で使用される高温にあまり適していない可能性があり、あるいは、広範なずり速度で使用するために、または微粒子を含む流体で使用するために構成されていない可能性がある。したがって、本開示のミキサセンサは、微粒子を含む流体のレオロジー特性を決定するために、広範な温度でかつ広範なずり速度でミキサ粘度測定に使用されるように設計される。ミキサセンサは、粘度計駆動ヘッドを有する1つの一体片として製造されうるか、または粘度計駆動ヘッドに装着されるように構成されうる。
【0100】
[00105]本開示のミキサセンサは、材料のレオロジー的性質のより正確で精密な測定を可能にするカスタムマイズされた幾何形状を含む。例えば、本開示のミキサセンサは、微粒子を含みかつ処理パイプラインシステムを貫流する流体の特性を精密に決定することができる。微粒子を含む流体のレオロジー特性を測定することにより、測定は、流体の微粒子を濾過して除いた後で測定される流体に特有ではない、実際の処理条件をより厳密に模倣する。加えて、本開示のミキサセンサは、非常に低い温度から非常に高い温度までのずっと広い温度範囲にわたって、これらの精密なレオロジー測定を決定することができる。本開示のミキサセンサは、無菌温度で、または100℃より高い温度で精密なレオロジー特性を決定することができる。さらに、本開示のミキサセンサは、非常に広範なずり速度にわたってレオロジー測定を決定することができる。
【0101】
[00106]高温測定に関して、本開示のミキサセンサは、従来技術のミキサセンサに比べてはるかに大きい温度範囲にわたって精密なレオロジー測定値を決定することができる。例えば、一実施形態では、本開示のミキサセンサは、無菌温度でのレオロジー測定に使用されうる。加えて、ミキサセンサは、100℃より高い温度でのレオロジー測定に使用されうる。一実施形態では、ミキサセンサはステンレス鋼を使用して製造され、これにより、少なくとも部分的にはミキサセンサを高温で使用することが可能になる。別の実施形態では、ミキサセンサは、具体的には、例えばHaake RS-600などの高温レオメータで使用されるように設計される。
【0102】
[00107]実験は、各ミキサセンサを特性化して上述した方法に従って各ミキサセンサの定数値k’およびk”を決定するように行うことができる。k’およびk”の値は、幾何学的に固有のものであり、上述したような確立されたミキサ粘度測定手順を用いて各ミキサセンサに対して一度計算することが要求されるだけである。k’値およびk”値が決定されると、これらの値は、レオメータのソフトウェア内のプログラムに組み込むことができ、それにより、レオメータで試験される任意試料の粘度を直接計算することが可能になる。このようにして、例えば、ミキサセンサおよび駆動ヘッドはレオメータ内のコントローラに装着され、コントローラは、上述した式を含む対応するサブルーチン内のすべての計算を実行することができる。
【0103】
[00108]図1に示されているように、本開示のミキサセンサ10は、駆動ヘッド装着部14およびベース部分16に装着されたシャフト12を具備する。シャフト12は、シャフト12に沿って放射状にかつ垂直方向に離間された複数のパネルまたはブレード18を具備する。ブレード18は、実質的に円筒形状のシャフト12の軸線を中心にかつシャフト12の周囲に沿って放射状に離間される。らせん状ミキサセンサ10は、上述したように、流体のレオロジー的性質を決定するために粘度計またはレオメータで使用されるように設計される。
【0104】
[00109]シャフト12は約2インチ(5.1cm)〜約6インチ(15.2cm)の長さを有することができる。一実施形態では、シャフト12は約4インチ(10.2cm)の長さを有する。しかしながら、シャフト12の全長は、シャフト12の一部分が駆動ヘッド装着部14および/またはベース部分16の中に延びうるので、目に見えない可能性がある。シャフト12の可視部分の長さは約1インチ(2.5cm)〜約5インチ(12.7cm)とすることができる。一実施形態では、シャフト12の可視部分の長さは約3.5インチ(8.9cm)である。図1によって示されているように、ミキサセンサ10が完全に組み立てられたときに肉眼では見えないシャフト12の一部分は、駆動ヘッド装着部14内のねじ穴(図示せず)に隣接する第1のねじ部と、ベース部分16内のねじ穴(図示せず)に隣接する第2のねじ部とを含む。これらのねじ部により、シャフト12を駆動ヘッド装着部14およびベース部分16内に着脱可能にねじ込むことが可能になり、それにより、多くのミキサセンサを同じレオメータ/粘度計で使用することが可能になる。このように、駆動ヘッド装着部14は特定のレオメータでの使用に適してもよい。
【0105】
[00110]シャフト12は、使用するときに高トルクおよび高ずり速度に耐えられるほど丈夫な任意の材料から製造されうる。このような材料は、例えば、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、およびその他の類似金属を含むことができる。同様に、駆動ヘッド装着部14およびベース部分16もまた、これらの材料または類似材料から製造されうる。しかしながら、当業者であれば、ミキサセンサ10はこれらの材料だけの使用に限定されるものではなく、多くの材料がこの種の用途での使用に望ましい性質を有することを理解するであろう。
【0106】
[00111]シャフト12は、シャフト12に沿って互いに離間された複数のブレード18を具備する。複数のブレード18は、試験されている試料流体中の粒子が浮遊したままでいるようにするために、特定の間隔で放射状にかつ/または垂直方向に互いに離間されうる。ブレード18は、シャフト12の回転中に同時に回転し試料流体の粒子を持ち上げ、その後、粒子は、ミキサセンサ10がその中で回転している円筒のシリンダ壁を落ちることができる。このようにして、ミキサセンサ10は、特に大粒子(例えば、トウモロコシ、エンドウ、サルサ、トマトソース、ミートソースなど)のほかに、いかなるサイズの粒子の移動も促進する。
【0107】
[00112]図1に示されているように、一実施形態では、隣り合うブレード18は放射状に約90°で互いに離間されうる。隣り合うブレード18は放射状に約45°〜約135°で互いに離間されてもよい。隣り合うブレード18は、シャフト12の中心と第1のブレード18の交点と、シャフト12の中心と第2のブレード18の交点との間で測定されるように、垂直方向に互いに離間されてもよい。例えば、隣り合うブレード18は、シャフト12に沿って約0.25インチ(0.65cm)〜約1.25インチ(3.2cm)離間されうる。一実施形態では、隣り合うブレード18は0.75インチ(1.9cm)だけ離間される。
【0108】
[00113]複数のブレード18のそれぞれは、水平に対して、シャフト12上の他のブレード18と同じまたは異なる角度に向けられうる。例えば、複数のブレード18のそれぞれは、それぞれのブレード18の中心と交差する水平面に対して約20°〜約80°の角度に向けられうる。一実施形態では、複数のブレード18のそれぞれは、図1に示されているように、それぞれのブレード18の中心と交差する水平面に対して約45°の角度に向けられうる。このようにして、図1の複数のブレード18は、シャフト12の一部に巻き付く断続的ならせん状のスクリューを形成する。
【0109】
[00114]あるいは、当業者であれば、複数のブレード18のそれぞれは、それぞれのブレード18の中心と交差する水平面に対して異なる角度に向けられうることを理解するであろう。当業者であれば、上記の角度は、ブレード18がフロントスラッシュ形状をなすように形成される必要はないが、バックスラッシュ形状をなすように反対方向に傾斜されうることも理解するであろう。したがって、当業者であれば、複数の異なる構成が、複数のブレード18が水平からオフセットされる角度に関して可能であることを理解するであろう。
【0110】
[00115]図1に示されているように、ブレード18は三角形の頂点が除去されたほぼ三角形の形状にされる。ブレード18は、頂点が除去されたところでほぼ円筒形のシャフト12の形状に合致するような形状にされ、ブレード18は、溶接されるかまたはその他の方法でシャフト12に装着されうる。図1に示されているように、ブレード18が実質的に三角形の形状にされる一実施形態では、ブレード18のシャフト12とは反対側の平らな端部は約0.3インチ(0.8cm)〜約1インチ(2.5cm)の長さを有することができる。一実施形態では、ブレード18のシャフト12とは反対側の平らな端部は約0.6インチ(1.5cm)の長さを有する。当業者であれば、ブレード18がシャフト12の回転中に流体中の微粒子を混合する/浮遊させるのに適した形状およびサイズを有しうることを理解するであろう。
【0111】
[00116]駆動ヘッド装着部14は、本願に例示されているように、特定のレオメータと結合するように構成されうる。したがって、一実施形態では、駆動ヘッド装着部14はレオメータの磁性部分と結合する磁性部分を有することができる。一実施形態では、レオメータはHaake RS600である。駆動ヘッド装着部14は、レオメータと適切に結合するために必要な任意の形状を有することができる。駆動ヘッド装着部14は約0.5インチ(1.3cm)〜約2インチ(5.1cm)の長さを有することができる。一実施形態では、駆動ヘッド装着部14は約1インチ(2.5cm)の長さを有する。しかしながら、当業者であれば、駆動ヘッド装着部14は、本開示のミキサセンサを他のレオメータおよび/または粘度計に適合させるように再設計されうることを理解するであろう。先に述べたように、シャフト12はねじ部により駆動ヘッド装着部14に装着されうる。
【0112】
[00117]同様に、やはり先に述べたように、シャフト12はねじ部によりベース部16に装着されうる。ベース部16は、シャフト12の一部分をベース部16内に受け入れかつ回転中にシャフト12を安定化するのに役立つ実質的に円筒状のベースとすることができる。ベース部分16は、ベース部分16の最上部が一番下のブレード18の下部と接触しない限り、任意の高さを有することができる。このようにして、ベース部分16の上面と一番下のブレード18の下部との間に空間が存在するべきである。同様に、ベース部分16は、ミキサセンサ10が十分なレオロジーデータを記録できるようにする任意の直径を有することができる。このようにして、ベース部16は、ミキサセンサ10がその中で回転する円筒より小さい直径を有するべきである。一実施形態では、ベース部分16は約0.25インチ(0.65cm)〜約0.75インチ(1.9cm)の直径を有することができる。一実施形態では、ベース部分16は約0.5インチ(1.3cm)の直径を有する。
【0113】
[00118]ベース部16は、図2に示されているように、粒子スクリーン20と結合するように構成されうる。粒子スクリーン20は、レオロジー測定が行われる時間中に試料流体中の粒子が沈降しないようにするのを助けるとともに、レオロジー測定が行われた後でデバイスの容易な清掃を可能にするために設けられる。このようにして、粒子スクリーン20は、試験が終了した後で試料流体から沈降する粒子を収集することができる。ミキサセンサ10がその中で回転する円筒から粒子スクリーン20を取り除くことにより、試料流体の粥状食物の大部分が、清掃用に粒子スクリーン20により円筒から容易に持ち上げられうる。
【0114】
[00119]粒子スクリーン20は、ベース部分16と結合するように構成された中心切欠き部22と、いくらかの流体は通過できるが、流体中を浮遊する微粒子は通過できない粒子スクリーン20から切り抜かれた複数の内側同心円24および複数の外側同心円26とを含む。粒子スクリーン20は約1インチ(2.5cm)〜約3インチ(7.6cm)の直径を有することができる。一実施形態では、粒子スクリーン20は約1.5インチ(3.8cm)の直径を有する。粒子スクリーン20の中心切欠き部分22は、ベース部分16の直径よりわずかに大きい直径を有することができる。粒子スクリーン20の中心切欠き部分22は約0.3インチ(0.8cm)〜約0.8インチ(2.0cm)の直径を有することができる。一実施形態では、中心切欠き部分22は約0.55インチ(1.4cm)または0.6インチ(1.5cm)の直径を有する。内側同心円上円24および外側同心円上円26は約0.1インチ(0.25cm)〜約0.2インチ(0.5cm)の直径を有することができる。一実施形態では、内側同心円上円24および外側同心円上円26は約0.15インチ(0.4cm)の直径を有する。
【0115】
[00120]内側同心円上円24は、粒子スクリーン20の中心軸線を中心として均等に放射状に互いに離間されうる。加えて、内側同心円上円24は、内側同心円上円24相互間に任意の角度θを作るように放射状に離間されうる。例えば、図2に示されているように、粒子スクリーン20の中心軸線から内側同心円上円24の中心を通って引かれた線は、粒子スクリーン20の中心軸線から隣接する内側同心円上円24の中心を通って引かれた線と角度θを作る。同様に、外側同心円上円26は、粒子スクリーン20の中心軸線を中心として均等に放射状に互いに離間されうる。加えて、外側同心円上円26は、外側同心円上円26相互間に任意の角度θを形成するように放射状に離間されうる。例えば、図2に示されているように、粒子スクリーン20の中心軸線から外側同心円上円26の中心を通って引かれた線は、粒子スクリーン20の中心軸線から隣接する外側同心円上円26の中心を通って引かれた線と角度θを作る。
【0116】
[00121]粒子スクリーン20の中心切欠き部分22は、中心切欠き部分22の直径がベース部分16の直径よりわずかに大きくなるように、ベース部分16を受け入れるように構成される。このようにして、粒子スクリーン20は、ミキサセンサ10がその中で回転するレオメータの円筒の中に置くことができるが、粒子スクリーン20はミキサセンサ10とともには回転しない。言い換えると、粒子スクリーン20は、ベース部分16がシャフト12とともに回転する間、ミキサセンサ10がその中で回転する円筒の底に静止して着座する。
【0117】
[00122]粒子スクリーン20は、図3に示されているように円筒28の底に着座することができ、ミキサセンサ10は、円筒28の中で同じ高さを有する複数のペグ30の上で回転する。粒子スクリーン20は任意の数のペグ30を具備することができる。一実施形態では、粒子スクリーン20は約2個〜約4個のペグ30を具備する。一実施形態では、粒子スクリーン20は3個のペグ30を具備する。
【0118】
[00123]ペグ30は、粒子スクリーン20と一体に形成されうるか、あるいは複数の内側切欠き同心円上円24のいずれかまたは複数の外側切欠き同心円上円26のいずれかに摩擦嵌合されうる。図2に示されているように、ペグ30は複数の外側切欠き同心円上円26に摩擦嵌合されうる。
【0119】
[00124]ペグ30は、回転前または回転中にブレード18の任意の部分と接触するように粒子スクリーン20の上面を貫通して延びるべきではない。この種の接触は、ミキサセンサ10が回転し始めるときに、ミキサセンサ10および/またはミキサセンサ10が装着されるレオメータに深刻な損傷を引き起こす可能性がある。加えて、ペグ30は、粒子スクリーン20をベース部分16より高く上げることになるような高さを有するべきではない。この場合も、ミキサセンサ10が回転しているときに粒子スクリーン20の任意の部分がブレード18の任意の部分に接触したとしても、このような接触は、ミキサセンサ10とミキサセンサ10が装着されたレオメータとのうちの一方または両方に大きな損傷を引き起こしうるであろう。
【0120】
[00125]粒子スクリーン20とブレード18との間のいかなるタイプの破壊的接触をも防止するために、ベース部分16は、粒子スクリーン20の上面36に接触するOリング34と結合するように構成されかつ配置された任意の数のOリング溝32を含むことができる。例えば、図3では、ベース部分16は、ベース部分16の周囲に亘る1つのOリング溝32を含むとともに、Oリング溝32内に着座する1つのOリング34を具備する。Oリング34が、使用のために組み立てられたときに粒子スクリーン20の上面36に着座するため、Oリング34は、ミキサセンサ10の回転中の高ずり速度のせいで粒子スクリーン20が上昇するのを妨げる。当業者であれば、Oリング溝32は、粒子スクリーン20の所望の高さに応じてベース部分16の任意の場所に配置されうることを理解するであろう。同様に、粒子スクリーン20の所望の高さは、測定されるべき流体中の粒子のサイズに依存することができる。したがって、ベース部分16は、2つの異なる高さを有する少なくとも2つの異なる粒子スクリーン20の使用を可能にするために、Oリング溝32およびOリング34が配置される少なくとも2つの異なる高さ位置を有して製造されうる。
【0121】
[00126]上述してきたように、粒子スクリーン20は、微粒子の沈降を回避するという利点と、ミキサセンサの上下ロータを変えずに異なる粒子径を有する異なる製品試料を収容するようにミキサセンサを変更する能力を与えるという利点とを提供することが当業者には明らかである。
【0122】
[00127]図3は、試験されている試料流体の温度を監視するために使用されうる温度プローブ38も示している。一実施形態では、温度プローブ38は、ミキサセンサ10がその中で回転する円筒28と一体形成される。したがって、粒子スクリーン20は、温度プローブ38を受け入れる切欠き部分を粒子スクリーン20に設けるように特別に設計されうる。この場合も、温度プローブ38は、温度プローブ38が回転したときにミキサセンサ10に損傷を与えるように一番下のブレード18の下部分に接触するほど高くされるべきではない。
【0123】
[00128]図4は、円筒50内の本開示の別のタイプのミキサセンサ40を示し、ミキサセンサ40は、少なくとも1つの湾曲ブレード44と少なくとも1つの線形ブレード46とに連結されたシャフト42を具備する。線形ブレード46は表面スクレーパブレードとすることができる。ミキサセンサ40は、上述したように、流体のレオロジー的性質を決定するために粘度計またはレオメータで使用されるように設計される。ミキサセンサ40は、任意のサイズの粒子、特に長い粒子(例えば、ニンジンのすりおろし、グリーンビーンズなど)の動きを促進するために使用されうる。
【0124】
[00129]シャフト42は約2インチ(5.1cm)〜約6インチ(15.2cm)の長さを有することができる。一実施形態では、シャフト42は約4インチ(10.2cm)の長さを有する。しかしながら、シャフト42の全長は、ミキサセンサ10と同様に、シャフト42の一部分が駆動ヘッド装着部(図示せず)および/またはベース部分(図示せず)の中に延びうるので、目に見えない可能性がある。さらにミキサセンサ10と同様に、シャフト42は、駆動ヘッド装着部内のねじ穴(図示せず)に隣接する第1のねじ部と、ベース部分内のねじ穴(図示せず)に隣接する第2のねじ部とを含むことができる。これらのねじ部により、シャフト42を駆動ヘッド装着部およびベース部分内に着脱可能にねじ込むことが可能になり、それにより、多くのミキサセンサを同じレオメータ/粘度計で使用することが可能になる。駆動ヘッド装着部およびベース部は図4には示されていないが、当業者であれば、両方ともミキサセンサ40で使用されうることを理解するであろう。
【0125】
[00130]シャフト42は、使用時に高トルクおよび高ずり速度に耐えられるほど丈夫な任意の材料から製造されうる。このような材料は、例えば、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、およびその他の類似金属を含むことができる。同様に、駆動ヘッド装着部およびベース部分もまた、これらの材料から製造されうる。しかしながら、当業者であれば、ミキサセンサ40はこれらの材料だけの使用に限定されるものではなく、多くの材料がこの種の用途での使用に望ましい性質を有することを理解するであろう。
【0126】
[00131]図4および図5は、2つの湾曲ブレード44および2つの線形ブレード46を具備するミキサセンサ40を示す。しかしながら、当業者であれば、ミキサセンサ40は多かれ少なかれタイプ別のブレードを有することができることを理解するであろう。図4に示されているように、湾曲ブレード44は、垂直方向に、各セクションの間に狭い空間を有する3つのセクション44a、44b、44cに分けられる。湾曲ブレード44の各セクション44a、44b、44cは、少なくとも1つの実質的に水平のバー48でシャフト42に装着される。水平バー48は、高トルク値、高ずり速度、高応力などに耐えるように構成されるべきであり、シャフト42から湾曲ブレード44まで約0.25インチ(0.65cm)〜約0.75インチ(1.9cm)の長さとすることができる。一実施形態では、水平バー48は、シャフト42から湾曲ブレード44まで約0.5インチ(1.3cm)の長さとすることができる。
【0127】
[00132]湾曲ブレード44は約1インチ(2.5cm)〜約4インチ(10.2cm)の全長を有することができる。一実施形態では、湾曲ブレード44は約2.7インチ(6.9cm)の全長を有することができる。湾曲ブレード44の各セクション44a、44b、44cは同じ長さまたは異なる長さを有することができる。例えば、一実施形態では、セクション44a、44b、44cのそれぞれは、セクション44a、44b、44cの間の約0.2インチ(0.5cm)の空間とともに、約0.76インチ(1.9cm)の長さを有することができる。複数の個々のセクションに分けられた湾曲ブレード44を設けると、レオロジー特性が改善され、試料流体中の微粒子が、ミキサセンサ40がその中で回転する円筒50の底に沈降しないようにするのに役立つ。
【0128】
[00133]図4および図5によって示されているよう、湾曲ブレード44は、リボン状の形をなすようにシャフト42の一部分のまわりで曲がっている。各湾曲ブレード44は、図5によって示されているように、約30°〜約80°の角度空間θを占めることができる。一実施形態では、各湾曲ブレードは約75°の角度空間θを占める。
【0129】
[00134]湾曲ブレード44とは異なり、線形ブレード46は、シャフト42の一部分のまわりに曲げられてはおらず、ブレードの長さに沿って一定幅を有する実質的に垂直方向のブレードである。線形ブレード46は、ブレードの長さに沿って一定形状を有するべきである、というのは、線形ブレード46は混合およびレオロジー特性化に役立つように使用されるだけでなく、試料流体の粒子が円筒50の内壁52に蓄積しないようにするためにも使用されうるからである。このようにして、実質的に、線形ブレード46の全長および全幅は、ミキサセンサ40が円筒50内で回転するときに内壁52から材料をこすり落とすために、円筒50の内壁52に実質的に隣接して位置する。
【0130】
[00135]線形ブレード46は内壁52にそれほど近接しておりかつ内壁52に蓄積した材料にさらされうるので、線形ブレード46は、少なくとも1つの硬質で丈夫な水平バー54でシャフト42に連結されるべきである。一実施形態では、線形ブレード46は、シャフト42に線形ブレード46の上部分にある第1の水平バー54と線形ブレード46の下部分にある第2の水平バー54とで連結される。水平バー54は約0.05インチ(0.1cm)〜0.2インチ(0.5cm)の幅を有することができる。一実施形態では、水平バー54は約0.1インチ(0.25cm)の幅を有する。水平バー54をさらに強くするために、バー54の幅は、水平バー54の外側部分から水平バー54がシャフト42に装着されている水平バー54の内側部分まで移動するにつれて漸増することができる。この幅の増大は、合計で約0.1インチ(0.25cm)〜約0.3インチ(0.8cm)となりうる。一実施形態では、幅の増大は約0.2インチ(0.5cm)である。
【0131】
[00136]円筒50の内壁52の表面をこするほど近接するためには、水平バー54は、シャフト42から反対方向に、ミキサセンサ40がその中で回転する円筒50の半径よりわずかに短い長さで延びていなければならない。別法として、水平バー54は、実質的に円筒50の全直径に亘って延びる1つの一体バーとすることができる。この構成では、水平バー54は、水平バー54の各端部に線形ブレード46を有することができる。さらに、円筒50は約1.0インチ(2.5cm)〜約2.0インチ(5.1cm)の直径を有することができるので、水平バー54は円筒50の直径よりわずかに短い全長を有するべきである。一実施形態では、円筒50は約1.5インチ(3.8cm)の長さを有する。したがって、一実施形態では、水平バー54は約1.45インチ(3.68cm)〜1.49インチ(3.78cm)の直径を有する。もちろん、線形ブレード46が、シャフト42にそれぞれ装着されている個々の水平バー54に装着される一実施形態では、水平バー54は、前述したように、円筒50の半径よりわずかに短い長さを有する。
【0132】
[00137]線形ブレード46は湾曲ブレード44より短い長さを有することができる。例えば、線形ブレード46は約1.5インチ(3.8cm)〜約3.5インチ(8.9cm)の長さを有することができる。一実施形態では、線形ブレード46は約2.3インチ(5.8cm)の長さを有する。図5はさらに、線形ブレード46は、水平バー54に装着された第1の部分46aと、第1の部分46aに装着されるかまたは第1の部分46aと一体に形成された第2の部分46bとを具備するように設計されうることを示している。このようにして、線形ブレード46は、表面擦過を改善するために線形ブレード46のより広い面積が円筒50の内壁52に隣接して回転できるようにする階段状の形状を有することができる。第1の部分46aは約0.1インチ(0.25cm)〜約0.2インチ(0.5cm)の長さを有することができる。一実施形態では、第1の部分46aは約0.15インチ(0.4cm)の長さを有する。第2の部分46bは約0.2インチ(0.5cm)〜約0.6インチ(1.5cm)の長さを有することができる。一実施形態では、第2の部分46bは約0.4インチ(1.0cm)の長さを有する。
【0133】
[00138]図5に示されているように、湾曲ブレード44は、第1の湾曲ブレード44が第2の湾曲ブレード44から約180°で隔てられるように、実質的に互いに反対側にあることができる。加えて、湾曲ブレード44は両方とも回転方向と同じ方向に向けられうる。言い換えると、第1の湾曲ブレード44の最上セクション44aが、第1の湾曲ブレード44の最下セクション44cの前方の設定基準点を通ることができる。同様に、第2の湾曲ブレード44(第1の湾曲ブレード44の反対側にある)の最上セクション44aが、第2の湾曲ブレード44の最下セクション44cの前方の設定基準点を通ることができる。このようにして、第1の湾曲ブレード44および第2の湾曲ブレード44は同様の形状を有することができかつ同様の方向に向けられうる。
【0134】
[00139]同様に、線形ブレード46は、第1の線形ブレード46が第2の線形ブレード46から約180°で隔てられるように、実質的に互いに反対側にあることができる。加えて、線形ブレード46は両方とも回転方向と同じ方向に向けられうる。言い換えると、図5に示されているように、線形ブレード46は、第1の部分46aが第2の部分46bの前方で回転するように、水平バー54に相対する方向に装着されうる。このようにして、第1および第2の線形ブレード46は、同様の形状を有することができかつ同様の方向に向けられうる。
【0135】
[00140]図6に示されているように、本開示の別のミキサセンサ60は、ミキサセンサ10と同様に、駆動ヘッド装着部64およびベース部分66に装着されたシャフト62を具備する。シャフト62は、第1の組のブレード68、第2の組のブレード70、および固体円錐体72を具備する。各組のブレード68、70は、シャフト62に沿って放射状にかつ垂直方向に離間されうる。前述のミキサセンサと同様に、ミキサセンサ60は、上述したように、流体のレオロジー的性質を決定するために粘度計またはレオメータで使用されるように設計される。
【0136】
[00141]シャフト62は約2インチ(5.1cm)〜約6インチ(15.2cm)の長さを有することができる。一実施形態では、シャフト62は約4インチ(10.2cm)の長さを有する。しかしながら、シャフト62の全長は、シャフト62の一部が駆動ヘッド装着部64および/またはベース部分66の中に延びうるので、目に見えない可能性がある。シャフト62の可視部分の長さは約1インチ(2.5cm)〜約5インチ(12.7cm)とすることができる。一実施形態では、シャフト62の可視部分の長さは約3.5インチ(8.9cm)である。図6によって示されているように、ミキサセンサ60が完全に組み立てられたときに肉眼では見えないシャフト62の一部分は、駆動ヘッド装着部64内のねじ穴(図示せず)に隣接する第1のねじ部と、ベース部分66内のねじ穴(図示せず)に隣接する第2のねじ部とを含む。これらのねじ部により、シャフト62を駆動ヘッド装着部64およびベース部分66内に着脱可能にねじ込むことが可能になり、それにより、多くのミキサセンサを同じレオメータ/粘度計で使用することが可能になる。このようにして、駆動ヘッド装着部64は、例えば特定のレオメータと結合するように製造されるので、駆動ヘッド装着部64は、レオメータに測定自由度を与えるために、複数の異なるタイプのミキサセンサに装着されうる。
【0137】
[00142]シャフト62は、使用時に高トルクおよび高ずり速度に耐えられるほど丈夫な任意の材料から製造されうる。このような材料は、例えば、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、クロム、コバルトクロム、およびその他の類似金属を含むことができる。同様に、駆動ヘッド装着部64およびベース部分66もまた、これらの材料から製造されうる。しかしながら、当業者であれば、ミキサセンサ60はこれらの材料だけの使用に限定されるものではなく、多くの材料がこの種の用途での使用に望ましい性質を有することを理解するであろう。
【0138】
[00143]シャフト62は、シャフト62に沿って互いに離間された複数のブレード68、70を具備する。複数のブレード68、70は、試験されている試料流体中の粒子が試料流体中に浮遊したままでいるようにするために、特定の間隔で放射状にかつ/または垂直方向に互いに離間されうる。ブレード68、70は、シャフト62の回転中に同時に回転し試料流体の粒子を持ち上げ、その後、粒子は、ミキサセンサ60がその中で回転している円筒(図示せず)のシリンダ壁を落ちることができる。このようにして、ミキサセンサ60は、どんなサイズの粒子の移動も促進するが、でんぷんベースの試料流体を特性化する場合に特に有益である。
【0139】
[00144]図6に示されているように、第1の対のブレード68は、ベース部分66の上面と一番下のブレード68の最も下の部分との間の狭い空間を許容して、シャフト62の下部の方に配置されうる。空間は約1mm〜2mm、または約1.5mmとすることができる。第1の対のブレード68は、シャフト62の中心軸線を中心にかつシャフト62の周囲に沿って180°で互いに隔てることができ、同じ水平高さにあってもよく、または異なる高さにあってもよい。図6に示されているように、シャフト62の左側に付いているブレード68はシャフト62の右側に付いているブレード68より低い。一実施形態では、シャフト62の右側に付いているブレード68の下部はシャフト62の左側に付いているブレード68の上部と同じ高さにある。
【0140】
[00145]第1の対のブレード68のそれぞれは、同じまたは異なる寸法を有することができる。例えば、第1の対のブレード68のそれぞれは約10〜15mmの幅および約10〜20mmの高さを有することができる。一実施形態では、第1の対のブレード68のそれぞれは約13mmの幅および約15mmの高さを有する。第1の対のブレード68のそれぞれの幅は、ブレード68とミキサセンサ60がその中で回転する円筒の内壁との間に空間を残すようにされるべきである。ブレード68と円筒との間の空間は少なくとも約4〜5mm、または約4.5mmであるべきである。
【0141】
[00146]やはり図6に示されているように、第2の対のブレード70は、シャフト62の中央の方にかつ第1の対のブレード68の上方に配置されうる。シャフト62は、第1の組のブレード68と第2の組のブレード70との間に、ブレードがシャフト62上に配置されていない領域または空間を有するべきである。第1の組のブレード68と第2の組のブレード70との間の空間の長さは約5mm〜約15mmとすることができる。一実施形態では、第1の組のブレード68と第2の組のブレード70との間の空間の長さは約10mmである。
【0142】
[00147]第2の対のブレード70は、シャフト62の中心軸線を中心にかつシャフト62の周囲に沿って180°で互いに隔てることができ、同じ高さにあってもよく、または異なる高さにあってもよい。図6に示されているように、シャフト62の前側に付いているブレード70はシャフト62の後側に付いているブレード70と同じ高さにある。言い換えると、ブレード68は紙面と同じ面内にあるものとして図示されているが、ブレード70は、紙面と垂直な面内に紙面の内外へ延びている。やはり図6に明瞭に示されているように、第2の対のブレード70のそれぞれは垂直から反時計方向にわずかに回転される。例えば、第2の対のブレード70のそれぞれは、垂直から反時計方向に約5°〜約45°回転されうる。一実施形態では、第2の対のブレード70のそれぞれは、垂直から反時計方向に約10°〜約30°回転されうる。一実施形態では、第2の対のブレード70のそれぞれは垂直から反時計方向に約15°回転されうる。ブレード70は垂直から時計方向に回転されることもできる。
【0143】
[00148]しかしながら、第2の対のブレード70のそれぞれの回転に先立って、ブレード70は約10mm〜約20mmの高さを有することができる。一実施形態では、第2の対のブレード70のそれぞれは、底側から上側まで約15mmの高さを有する。第2の対のブレード70のそれぞれは、約10mm〜15mmの幅を有することもできる。一実施形態では、第2の対のブレード70のそれぞれは約13.5mmの幅を有することができる。
【0144】
[00149]シャフト62の上部分に、ミキサセンサ60は逆円錐体72を具備する。円錐体72は、試料流体中に存在する粒子を試料流体中に浮遊した状態に保つ助けになるように、かつ、試料流体中に存在する粒子が、ミキサセンサ60で使用される粒子スクリーン(図示せず)に、またはミキサセンサ60がその中で回転する円筒(図示せず)の床上に沈降するのを妨げるように設計される。円錐体72は逆さになっているので、円錐体72の底面は、円錐体72の頂点より高い、シャフト62上の位置に配置されており、円錐体72の頂点は、切り落とされていて円錐体72を円錐台形状にしている。しかしながら、説明を簡単にするために、シャフト62上の円錐切頭体は円錐体72と称される。
【0145】
[00150]円錐体72の底面は、ミキサセンサ60がその中で回転する円筒内にはまる任意の直径を有することができる。例えば、円錐体72の底面は約20mm〜約40mmの直径を有することができる。一実施形態では、円錐体72の底面は約30mmの直径を有することができる。加えて、頂点から測定すると、図6に示されているように、円錐体72はシャフト62と円錐体72の外側面とで角度θを作る。θは約15°〜約45°とすることができる。一実施形態では、θは約30°または31°とすることができる。ブレード68とブレード70との間のシャフト62上の空間と同様に、ブレード70の最も上の部分と逆円錐体72の最も下の部分との間のシャフト62上に空間が存在することができる。この空間のシャフト62に沿った長さは、約5mm〜約15mmとすることができる。一実施形態では、この空間のシャフト62に沿った長さは約10mmとすることができる。図6には示されていないが、ミキサセンサ60は、上述した粒子スクリーン20と同様の粒子スクリーンとともに円筒内で使用されうる。
【0146】
[00151]方法
[00152]本開示のミキサセンサを使用するためのシステムおよび方法も提供される。例えば、本開示は、材料のレオロジー的性質を測定するためのシステムを提供する。システムは、静止測定カップおよびインペラ駆動ヘッドを備えるデバイスと、インペラ駆動ヘッドに装着されたインペラとを具備する。インペラは、断続的ならせん状に配置された少なくとも3つのブレードを備えるシャフトと、シャフトの端部を受容するように構成されたベースとを具備する。
【0147】
[00153]材料のレオロジー的性質を測定するための別のシステムも提供される。システムは、静止測定カップおよびインペラ駆動ヘッドを備えるデバイスと、インペラ駆動ヘッドに装着されたインペラとを具備する。インペラは、シャフトと、それぞれが3つのセクションを備えシャフトに装着された少なくとも2つの湾曲ブレードと、シャフトに装着された少なくとも2つの線形ブレードとを具備する。
【0148】
[00154]材料のレオロジー的性質を測定するためのさらに別のシステムは、静止測定カップおよびインペラ駆動ヘッドを備えるデバイスと、インペラ駆動ヘッドに装着されたインペラとを具備する。インペラは、第1の対のブレード、第2の対のブレード、および逆円錐体を備えるシャフトを具備し、第1の対のブレードのそれぞれは実質的に垂直に向けられ、第2の対のブレードのそれぞれは水平面に対して鋭角で向けられる。
【0149】
[00155]材料のレオロジー的性質を測定する方法も提供される。方法の一例は、材料で満たされた静止円筒および回転可能なセンサ駆動ヘッドを備えるデバイスを準備すること、回転可能なセンサ駆動ヘッドにセンサを装着すること、静止円筒内にセンサを挿入すること、およびセンサを回転させることを含む。センサは、断続的ならせん状に配置された少なくとも3つのブレードを備えるシャフトと、シャフトの端部を受容するように構成されたベースとを具備する。
【0150】
[00156]材料のレオロジー的性質を測定する方法の別の実施例は、材料で満たされた静止円筒および回転可能なセンサ駆動ヘッドを備えるデバイスを準備すること、回転可能なセンサ駆動ヘッドにセンサを装着すること、静止円筒内にセンサを挿入すること、およびセンサを回転させることを含む。センサは、シャフトと、それぞれが3つのセクションを備えシャフトに装着された少なくとも2つの湾曲ブレードと、シャフトに装着された少なくとも2つの線形ブレードとを具備する。
【0151】
[00157]材料のレオロジー的性質を測定するさらに別の方法は、材料で満たされた静止円筒および回転可能なセンサ駆動ヘッドを備えるデバイスを準備すること、回転可能なセンサ駆動ヘッドにセンサを装着すること、静止円筒内にセンサを挿入すること、およびセンサを回転させることを含む。センサは、第1の対のブレード、第2の対のブレード、および逆円錐体を備えるシャフトを具備し、第1の対のブレードのそれぞれは実質的に垂直に向けられ、第2の対のブレードのそれぞれは水平面に対して鋭角で向けられる。
【0152】
[00158]本明細書に記述されている現時点で好ましい諸実施形態に対する様々な変更および修正が当業者に明らかになることが理解されるべきである。このような変更および修正は、本開示の主題の精神および範囲から逸脱することなくかつ本開示の所期の利点を減らすことなくなされうる。したがって、このような変更および修正は、添付の特許請求の範囲で網羅されるものとする。
図1
図2
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図5
図6