【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、請求項1に記載の接着テープによって解決される。この問題を解決するための代替案としての接着テープは、請求項4に記載されている。好ましい実施形態および変形形態は、それぞれの従属請求項の主題である。
【0015】
簡単に適用することができ、かつシリコーンによる手間のかかる封止と同様に優れた水/水蒸気の侵入からのラミネートのエッジの保護を保証する、接着テープを提案する。
【0016】
発泡接着テープはフレームに入れる際に発泡体が損傷する危険があるにもかかわらず、この接着テープが追加的に適切なバリアフィルムを含む場合には封止に適していることが分かった。相応に配置した場合、バリアフィルムは十分に保護されており、したがって一般的には、機械的影響を受けやすい発泡体が損傷してもバリアフィルムに支障が出ることはなく、したがって接着テープのバリア作用はその後も付与される。これに加え、すべての予測に反しこの接着テープは、復元力が明らかに上昇しているにもかかわらず、接着テープが浮き上がることなく、ラミネートの隅およびエッジの周りに楽に付けることができる。これは特に、バリアフィルムを含む側がラミネートのエッジに面しており、かつ発泡体を含む側がフレームに面している好ましい適用形態に当てはまる。
【0017】
それだけでなくバリアフィルムは、このバリアフィルムによって接着テープが全体的に、特に伸びに対しより寸法安定的に形成されるという利点を提供する。これは特に、バリアフィルムが好ましくは延伸フィルム、例えば金属被覆されたポリエステルフィルムまたは二軸もしくは好ましくは機械方向において一軸に延伸されたポリオレフィンフィルムから成る層である場合である。このことは、接着テープの適用を容易にするだけでなく、このような伸び過ぎ保護が、表面漏れ電流による損失をもより少なくする。その原因はおそらく、伸び過ぎ保護が接着テープの長さをより精密にすることにある。長過ぎることが回避されることで、接着テープの厚い重なり、したがってフレームの溝内に押し込む際の高過ぎる力を回避することができる。これに対し接着テープが僅かに短過ぎる場合も、モジュールのエッジのうち接着テープが互いに隣接する隅で流路が形成され、この流路内に雨水が流れ込み、そしてそこから水がEVA層内に侵入する可能性がある。このことは、雨水の伝導率の故に、EVA層および流路を介した太陽電池と金属フレーム間の表面漏れ電流を引き起こし、これによって電力損失が発生する。
【0018】
特に意外だったのは、体積抵抗の低いバリアフィルムが特殊なポリマー層の使用により、EVA層が既に湿気を吸収した場合でさえ、太陽電池と(接地された)メタルフレームの間の表面漏れ電流を著しく減少させ得ることである。この層が加水分解し得ないポリマーから成る場合は、水が比較的長く作用した後でさえ電気絶縁作用を保ち続ける。
【0019】
請求項1に記載の本発明による接着テープは、2つの外側の感圧接着層の間に発泡層およびバリアフィルムを有している。一方の接着層はラミネートのエッジ上に貼り付けるために用いられ、かつもう一方の接着層はフレーム上に貼り付けるために用いられる。この接着テープは、一方の接着層をラミネートのエッジ上に押し付け、次いでラミネート上面および/またはラミネート下面に折り返すことが好ましい。優れたバリア層および付着性が十分な接着剤の場合、接着層を通した水の拡散がバリアの弱点になることが分かった。このため好ましくは拡散断面をできるだけ小さく形成し、かつ拡散経路を特に長くすべきであり、つまり接着テープをできるだけ、ラミネートのエッジ上だけでなくガラスプレートおよび裏面上にも接着する。拡散断面を小さく形成するために、接着層の厚みは好ましくは100μm未満、特に好ましくは60μm未満である。
【0020】
簡単に作製できるように、接着テープのバリアフィルムと発泡層は、同じ幅を有することが好ましい。ただし特別な実施形態では、発泡層または好ましくはバリアフィルムが接着テープのエッジからはみ出していてもよい。
【0021】
好ましい更なる一実施形態では、発泡層は、好ましくは接着テープを適用した後に、ポリマー層内の発泡剤の活性化によって生じる。例えば熱供給によって活性化が起こるとすぐに、ポリマー層内で、したがって発泡層内で独立気泡が形成される。活性化は、フレーム内にラミネートを嵌め込む際の機械的負荷を回避するために、フレーム内にラミネートを嵌め込んだ後に行われることが好ましい。発泡によって、接着テープとフレームもしくはラミネートの間で特に優れた密封性が達成される。エッジが隣接している個所で、接着テープ細長片が僅かに短過ぎることにより小さな流路が形成された場合、この流路は発泡プロセスによって塞がれる。
【0022】
請求項4に記載の代替案としての一実施形態では、接着テープは追加的な発泡層または発泡可能なポリマー層を有しておらず、むしろ接着層自体の少なくとも1つが発泡層の機能を担うように形成されている。これは、接着層内に発泡剤が含まれており、この発泡剤が発泡した後に接着層内に独立気泡を含む接着層が生じることによって行われる。活性化は熱供給によって行われることが好ましい。
【0023】
発泡剤を含むポリマー層もしくは接着剤が、発泡後に少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%拡大した体積になる実施形態が好ましい。
【0024】
発泡層または発泡可能なポリマー層もしくは接着剤が、発泡後に約100μm〜約3000μmの範囲内の層厚を有する実施形態が好ましく適している。
【0025】
接着テープの両方の選択肢でも、前述の層に加えてまた更なる層を設けることができる。好ましい一実施形態では、発泡層へのバリアフィルムの結合が、更なる接着層によって行われる。接着剤と層の少なくとも1つとの間の付着をより良くするためには、コロナまたはプラズマのような物理的な前処理および/または化学的な付着仲介層が好ましい。
【0026】
さらに、接着層は一般的にライナー(例えばシリコーン剥離紙または剥離フィルム)によって覆われており、このライナーは適用前に取り外される。
【0027】
接着剤として、感圧接着剤も熱活性化可能な接着剤も使用することができる。この意味における感圧接着剤には、室温では粘着性でなく、または僅かしか粘着性でなく、しかし室温より上では粘着特性を有するような接着剤も含まれる。ただし特に、容易に適用できることが重要である場合は、23℃で既に粘着性であるような感圧接着剤が好ましい。熱活性化可能な接着剤は、特に、発泡剤の活性化のためだけに加熱が必要である場合に適している。さらに、1つの接着テープ内に含まれる接着層をそれぞれ完全に異なる構成にする、つまり異なる接着剤組成を含む、または異なる層厚などを有するようにすることができる。本発明の意味における接着テープとは、接着テープロールならびにその切片である。ライナーで覆われた切片は、市場では一般的にラベルとも呼ばれており、明らかにそれに含まれている。ただしロール形態の接着テープが好ましい。
【0028】
発泡剤としては特に、ポリマー層内、特に接着層内に含まれるマイクロバルーンが適している。マイクロバルーンを用いて発泡させた(自着)接着剤は以前から知られており、記載されている(DE102004037910A1(特許文献4))。このマイクロバルーンを用いて発泡させた(自着)接着剤は、発泡気泡のサイズ分布が一様な明確な気泡構造を特色とする。その際、空洞のない独立気泡性のマイクロ発泡が形成され、これにより埃および液体媒体に対して影響を受けやすい品物を、開放気泡性の変形形態に比べてより良く封止することが達成され得る。
【0029】
マイクロバルーンは特に、熱可塑性のポリマーシェルを備えた弾性中空球体である。この球体は、低沸点液体または液化ガスで満たされている。シェル材料としては特に、ポリアクリロニトリル、PVDC、PVC、またはポリアクリレートが使用される。低沸点液体としては特に、低級アルカン類の炭化水素、例えばイソブタンまたはイソペンタンが適しており、それらは液化ガスとして、圧力下でポリマーシェル内に内包されている。特に熱作用によってマイクロバルーンに作用を加えることで外側のポリマーシェルが軟化される。同時にシェル内にある液状の推進ガスが気体状態に移行する。その際、マイクロバルーンが非可逆的に拡大し、3次元に膨張する。この膨張は、内圧と外圧が釣り合うと終了する。ポリマーシェルが維持されたままであるので、これで独立気泡性発泡が達成される。
【0030】
このような発泡は、その柔軟で熱可塑性のポリマーシェルの故に、膨張不能でポリマーではないマイクロ中空球体(例えば中空ガラス球体のような)で満たされた発泡より高い適応性を有している。さらにこのような発泡は、例えば射出成形部材の場合に常例であるような製造公差に合わせるのにより良く適しており、かつその発泡性質の故に熱応力をもより良く相殺することができる。
【0031】
そのほかにも、ポリマーシェルに熱可塑性樹脂を選択することによって、発泡の機械的特性にさらに影響を及ぼすことができる。こうして例えば、発泡体がマトリクスより低い密度を有する場合でさえ、発泡体を、ポリマーマトリクスだけよりも高い凝集強度で作製することが可能である。こうして、粗面状の下地に対する適応性のような典型的な発泡特性を、感圧接着性発泡体のための高い凝集強度と組み合わせることができる。
【0032】
これに対し、古典的な化学的または物理的に発泡させた材料は、圧力下および温度下での非可逆的な崩壊に対する抵抗力がより低い。この場合は凝集強度もより低い。
【0033】
多数のタイプのマイクロバルーンを市場で入手することができ、例えばAkzo Nobel社製のExpancel DUタイプ(dry unexpanded)のようなタイプがあり、それらは、基本的にそのサイズ(未膨張状態での直径6μm〜45μm)およびその膨張に必要な開始温度(75℃〜220℃)で細分化されている。マイクロバルーンのタイプまたは発泡温度が、組成物のコンパウンド化に必要な温度プロフィルおよび機械パラメータに適合されている場合、組成物のコンパウンド化およびコーティングを、マイクロバルーンが加工の際に発泡せず、かつその使用のためのすべての膨張ポテンシャルが保たれ続けるように実施することができる。
【0034】
さらに、未膨張タイプのマイクロバルーンは、固体またはマイクロバルーンの割合が約40〜45重量%の水性分散液としても入手可能であり、さらに、例えば約65重量%のマイクロバルーン濃度で、エチルビニルアセテート中でポリマーに結合したマイクロバルーン(マスターバッチ)としても入手可能である。マイクロバルーン分散液もマスターバッチも、DUタイプのように接着剤の発泡に特に適している。
【0035】
マイクロバルーンによって発泡させたポリマーまたは接着剤のほかに、接着テープ内の発泡層の形で提供される別の発泡体も格別に適している。特に、放射線架橋した独立気泡性のEVA発泡体および特に例えばSekisui−Alveoによって提供されているようなポリエチレン発泡体が適している。さらに、ポリプロピレン、ポリウレタン、またはクロロプレンゴムから成る発泡体を用いることもできる。
【0036】
ソーラーモジュールにおける使用に特に適しているのは、体積当り重量が少なくとも50kg/m
3、好ましくは少なくとも67kg/m
3の発泡体である。さらに発泡体は500kg/m
3の体積当り重量をできるだけ超えるべきではない。発泡体の体積当り重量は最大200kg/m
3であることが特に好ましい。
【0037】
外層用の感圧接着剤としては、例えば、ポリイソブチレン、ブチルゴム、水素化スチレンブロックコポリマー、特殊ポリオレフィン、溶剤型およびホットメルト型アクリレートポリマーをベースとする感圧接着剤が適している。
【0038】
感圧接着剤は、化学的架橋によって、ならびに/あるいは電子照射および/またはUV照射によって架橋することができる。
【0039】
接着性付与剤として、粘着樹脂を使用することができる。適切な粘着樹脂は、ロジンまたはロジン誘導体をベースとする樹脂、ジシクロペンタジエン、脂肪族のいわゆるC5−炭化水素樹脂もしくは芳香族のいわゆるC9−炭化水素樹脂、α−ピネン、β−ピネンもしくはd−リモネンの重合体である。前述の粘着樹脂は、単独で使用することも、混合して使用することも可能である。少なくとも部分的に、ただし特に好ましくは完全に水素化された樹脂が好ましい。
【0040】
接着剤のための更なる添加剤として通常は以下のものを使用することができる。
・一次酸化防止剤、例えば立体障害性フェノール
・二次酸化防止剤、例えば亜リン酸塩またはチオエーテル
・プロセス安定化剤、例えばC−ラジカル補足剤
・光保護剤、例えばUV吸収剤または立体障害性アミン
・加工助剤
・末端ブロック強化樹脂、ならびに
・可塑剤、例えば液状ポリイソブチレン、鉱油、または液状樹脂。
【0041】
好ましい一実施形態では、少なくとも1つの接着剤が、ポリアクリレートまたはEVM(エチレンビニルアセテート・エラストマー)をベースとしており、これらは高い耐老化性、優れた入手可能性、および非常に高い貼り付き強度を特色としている。
【0042】
特に好ましいのは、密度が0.86〜0.89g/cm
3、好ましくは0.86〜0.88g/cm
3、特に好ましくは0.86〜0.87g/cm
3で、かつ晶子融点(Kristallitschmelzpunkt)が少なくとも90℃、好ましくは少なくとも115℃、特に好ましくは少なくとも135℃の部分結晶性ポリオレフィンから成る接着剤である。さらに部分結晶性ポリオレフィンは、好ましい一実施形態では少なくとも1つの粘着樹脂と組み合わされている。このような完全に新式の接着剤は、高い耐老化性、低いコスト、ならびにポリアクリレートのような従来の感圧接着剤に比べてかなり低い比体積抵抗率およびWVTR値を有している。樹脂量が多くなればなるほどまたは樹脂の軟化点が高くなるほど、WVTR値は低くなる。
【0043】
用いられるバリアフィルムは、影響を受けやすいラミネートのエッジを保護し得るように、水蒸気浸透が少ないことを特色とする。浸透とは、物質(浸透物)が固体を貫通する過程または固体中を動き回る過程と理解される。推進力は濃度勾配である。バリア作用を特徴づけるために、通常は水蒸気透過率WVTR(Water Vapor Transmission Rate)が指示される。その際、この率は、温度および分圧の固有の条件ならびに場合によっては相対湿度のような更なる測定条件の下で、平面状の物体を通り抜ける水蒸気の面積および時間当りの流量を示す。WVTR値が低いほど、当該の材料はカプセル化により良く適している。本発明の意味におけるバリアフィルムとは、37.8℃および相対湿度90%で測定したWVTRが5g/m
2d未満、好ましくは0.7g/m
2d未満、特に好ましくは0.01g/m
2d未満のバリアフィルムと理解される(d=day=24h)。
【0044】
バリアフィルムは、例えばポリオレフィン、VAの割合が20重量%未満のEVA、PVC、PVDC、ポリスチレン、ABS、ポリアクリロニトリル(例えばBarex(商標))、LCP、ETFEもしくはPVFのようなフッ素ポリマー、または有機−無機のゾル−ゲルから成り得る。20℃での比体積抵抗率が少なくとも10
16Ωcmのポリマー、特に湿気吸収および/または加水分解によらずに低い比体積抵抗率を得ることができるポリマーから成るフィルムが好ましい。したがってPETまたはPENのようなポリエステル、EVOH、ポリアミド、およびポリウレタンはあまり好ましくない。特に好ましいのは、エチレン、プロピレン、または1−ブテンのホモポリマー、コポリマー、またはターポリマーをベースとするフィルムである。なぜなら、それらは実際上水を吸収または透過せず、かつ加水分解されてより伝導率の高い物質になり得ず、したがって材料に起因して比体積抵抗率を有しているからである。コポリマーまたはターポリマーの場合、好ましいコモノマーは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン、または1−オクテンのようなα−オレフィンである。
【0045】
バリア作用は、充填剤、特にタルクのような小板状の充填剤を添加することによって改善することができる。なぜなら、これらの粒子は押出成形の際に整列させ得るからである。その際に形成された層構造は拡散経路の延長を生じさせる。これらの粒子自体は、ガラスのように気体に対して完全に不透過性である。透明性が必要な場合、そのような充填剤をナノスケールとすることができる。
【0046】
十分な浸透作用を、ただし接着テープの剛性を極端に大きくすることなく達成するために、厚さ0.5μm〜120μmのバリアフィルムを使用することが好ましい。
【0047】
例えば、特にポリエステルから成る少なくとも1つのプラスチックフィルムによって構成されたフィルム部分と、フィルム部分上に施された特にアルミニウムから成る金属層から構成された金属部分とから成るフィルムが適している。下の接着層を、金属層の露出側に施すことが好ましい。
【0048】
有利な一実施形態ではバリアフィルムが、アルミニウムのような金属フィルムから成るか、または金属蒸着フィルムとポリオレフィン層のようなプラスチックフィルムから成るラミネートもしくは押出しコーティングされたアセンブリから成る。その際、金属層は、バリア層として働き、腐食促進物質、例えば酸素、二酸化硫黄、二酸化炭素、および特に水または水蒸気を、保護すべき品物から遠ざける。
【0049】
バリアフィルムとして特に好ましいのは、金属被覆されたポリオレフィンフィルムまたはポリエステルフィルムである。本発明の第1の有利な実施形態では、金属層は厚さ10nm〜50μm、特に20nm〜25μmである。フィルム部分上への金属層の堆積は、例えば蒸着によって、つまりプラスチックフィルム上の被覆を、真空中での熱蒸着(純粋に熱的に、電子線によって電気的に、あるいは(場合によってはレーザ放射を用いて)陰極スパッタリングまたは金属線爆発によって)により生成することによって行う。
【0050】
さらに、3層以上のラミネートを使用することもできる。そのほかにも特別な用途では、金属層から成るコアの周りの対称的なラミネート構造物も有利であり得る。金属層がポリマー層の間に内包されているラミネート加工または押出コーティングは、金属の腐食が回避され、したがって好ましい。
【0051】
以下に、本発明の更なる詳細、目的、特徴、および利点を、一実施形態に基づきさらに詳しく説明する。