特許第5766908号(P5766908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5766908特に光電子部品を貼り付けるための接着テープ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5766908
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】特に光電子部品を貼り付けるための接着テープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/02 20060101AFI20150730BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20150730BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20150730BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20150730BHJP
   H01L 51/42 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   C09J7/02 Z
   B32B5/18 101
   B32B27/32 Z
   B32B15/08 D
   H01L31/04 100
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2009-283543(P2009-283543)
(22)【出願日】2009年12月15日
(65)【公開番号】特開2010-144167(P2010-144167A)
(43)【公開日】2010年7月1日
【審査請求日】2012年11月5日
(31)【優先権主張番号】10 2008 062 131.5
(32)【優先日】2008年12月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509120403
【氏名又は名称】テーザ・ソシエタス・ヨーロピア
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】アクセル・ブルマイスター
(72)【発明者】
【氏名】ベルント・ブンデ
【審査官】 松波 由美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−235543(JP,A)
【文献】 特開2001−072951(JP,A)
【文献】 特開平01−202433(JP,A)
【文献】 実開昭53−155578(JP,U)
【文献】 特開昭59−136246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
B29D 9/00
B32B 1/00−35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、1つの発泡層および外側の2つの接着層を有し、
前記発泡層が、上の接着層と下の接着層の間に配置されている、光起電モジュールのフレーム内に光起電的ラミネートを貼り付けるための接着テープにおいて、
前記両接着層の間にさらにバリアフィルムが存在し、但し、前記バリアフィルムは、5g/md未満のWVTR値を有することを特徴とする、接着テープ。
【請求項2】
前記発泡層と前記バリアフィルムの間に、更なる接着層が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の接着テープ。
【請求項3】
前記発泡層が、発泡剤を含むポリマー層によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の接着テープ。
【請求項4】
外側の2つの接着層を有する接着テープであって、
少なくとも1つの接着層が、発泡剤を含むポリマー層によって構成されている、光起電モジュールのフレーム内に光起電的ラミネートを貼り付けるための接着テープにおいて、
前記両接着層の間にさらにバリアフィルムが存在し、但し、前記バリアフィルムは、5g/md未満のWVTR値を有することを特徴とする、接着テープ。
【請求項5】
前記ポリマー層が熱供給によって発泡可能であること、および/または
発泡剤を含む前記ポリマー層が、発泡後に少なくとも30%拡大した体積になることを特徴とする請求項3または4に記載の接着テープ。
【請求項6】
前記発泡層または発泡可能なポリマー層もしくは接着剤が、発泡後に100μm〜3000μmの範囲内の層厚になることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項7】
前記バリアフィルムが、0.5μm〜160μmの範囲内の層厚を有すること、および/または
前記バリアフィルムが、0.7g/md未満のWVTR値を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項8】
前記バリアフィルムが、金属層を有しており、
前記金属層が10nm〜50μmの範囲内の厚みを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項9】
前記バリアフィルムが多層状に形成されており、
前記バリアフィルムが第1および第2のポリマー層の間に金属層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項10】
前記バリアフィルムが、20℃での比体積抵抗率が少なくとも1016Ωcmのポリマー層を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項11】
前記バリアフィルムが、ポリオレフィンから成るポリマー層を有しており、
前記ポリマー層が延伸されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の接着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に、光電子部品、特に好ましくは請求項1の前提部に記載の光起電ラミネートを貼り付けるための接着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置および光電子装置は、商用製品においてますます頻繁に使用されており、または市場導入間近にある。光電子技術(時にはオプトロニクスまたはオプトトロニクスとも言う)の概念は、光学とマイクロエレクトロニクスの組合せから生じており、最も広い意味においては、電子的に生成されたデータおよび/またはエネルギーを光放出に変換することおよびその逆を可能にするすべての製品および方法を含んでいる。このような装置は、無機電子構造または有機電子構造、例えば有機半導体、有機金属半導体、またはポリマー半導体を含み、またはそれらの組合せも含んでいる。これらの装置および製品は、所望の用途に応じ頑丈にまたは可撓性に形成される。無機および/または有機の(光)電子機器の分野、とりわけ有機(光)電子機器の分野における(光)電子装置の十分な耐用期間および機能を実現するための技術的な課題として、その中に内包されたコンポーネントを浸透物に対して保護することが考えられる。浸透物とは、多数の低分子有機化合物または低分子無機化合物であり、特に水蒸気および酸素であり得る。
【0003】
無機および/または有機の(光)電子機器の分野における、多数の(光)電子装置は、特に水蒸気の影響を受けやすい。このため電子装置の耐用期間中はカプセル化による保護が不可欠である。というのは、そうしなければ、使用期間中ずっと性能が低下していくからである。したがって、例えば成分要素の酸化により、例えばエレクトロルミネセンス・ランプ(ELランプ)や有機発光ダイオード(OLED)などのような発光装置の場合は光力が、電気泳動ディスプレイ(EPディスプレイ)の場合はコントラストが、また太陽電池の場合は効率が、非常に短い期間内に激しく低下する可能性がある。
【0004】
したがって従来技術に基づく一般的に行われている手法では、浸透物、特に水蒸気を通り抜けさせない2つの基板の間に電子装置を据えることである。可撓性でない構成物向けには主にガラス基板または金属基板が使用され、これらの基板は、高い浸透バリアを提供する。これに対し可撓性の装置向けには、多層状に作製可能な透明または不透明なフィルムのような平面基板が用いられる。その際、様々なポリマーの組合せも、無機層および/または有機層も使用することができる。その際、様々な用途および様々な側面のために、例えばフィルム、織布、不織布、および紙、またはそれらの組合せのような非常に様々な基板が可能である。
【0005】
OLEDのような特に影響を受けやすい(光)電子部品の場合、優れた縁封止も達成するために、反応性接着剤が使用される。優れた接着剤は、特に酸素および水蒸気に対して低い浸透性を有し、装置上への十分な付着性を有し、かつ装置上をうまく流れ得る。装置への付着性が低い場合は、バリア作用を低下させ、この場合、それにより基板と接着剤の間の界面から酸素および水蒸気の侵入が可能になる。酸素の影響を受けやすい有機化合物を含む光電子部品とは違って、ソーラーモジュールの製造では、接着剤による縁封止、またはバリアフィルム付きの接着テープさえこれまでは必要ないと思われていたので、実施されていない。ラミネートは、縁をシリコーン封止剤または発泡接着テープによってアルミニウムフレーム内に貼り込むことで、ラミネートの側面エッジが(雨)水から十分に保護されているので、これまでは酸素に対するバリアは必要ないと想定されていた。
【0006】
OLEDのような(光)電子部品をカプセル化するために、これまではとりわけエポキシドをベースとした液体接着剤および付着剤が使用されてきた(WO98/21287A1(特許文献1);US4,051,195A(特許文献2);US4,552,604A(特許文献3))。これらは強い架橋によって低い浸透性を示す。その主要な使用分野は、硬い装置の縁の貼り付けである。硬化は熱またはUV放射によって行われる。
【0007】
特別な光電子部品は光起電モジュールである。光起電力技術とは、放射エネルギー、ことに太陽エネルギーを、太陽電池を用いて電気エネルギーに直接変換することと理解される。太陽電池には様々な実施形態があり、最も広く普及しているのは、単結晶電池(c−Si)または多結晶電池(mc−Si)としての厚層シリコン電池である。普及が広まりつつあるのは、アモルファスシリコン(a−Si)、GaAs(ガリウムヒ素)、CdTe(テルル化カドミウム)、CIS(銅、インジウム、セレニウム)、CIGS(銅、インジウム、ガリウム、セレニウム)から成る薄層電池ならびに有機太陽電池および有機色素電池である。
【0008】
太陽電池は、エネルギーを獲得するために、たいていは大きなソーラーモジュール、いわゆるPVモジュールへと接続される。そのために、太陽電池を前側および後ろ側で導体路によって直列に接続する。これにより個々の電池の電圧が足し合わされる。これに加え、太陽電池は通常はラミネートとして加工されており、特に、詳しくは上面と下面にバリア材料(ガラス、フィルムなど)を備えている。
【0009】
ソーラーモジュールの製造は、しばしば光学活性面を下向きにして行われる。その際、一般的には相応のガラスを洗浄し、準備のできた状態にしておく。ガラスは一般的に、厚みが3〜4mmで、350nm〜1150nmをできるだけ吸収しない、低鉄性の硬化させたホワイトガラスである。次いでこのガラス上に、裁断されたシートとしてのエチレンビニルアセテートフィルム(EVAフィルム)を置く。太陽電池をはんだリボンを用いて結合して幾つかの1列につながったもの(いわゆるストリング)とし、EVAフィルムの上側に配置する。それから、個々のストリングを互いに結合すべき、接続ソケットの場所まで延びている横断コネクタを配置し、はんだ付けする。続いて全体を、切断されたEVAフィルムおよびポリフッ化ビニルフィルム(例えばTedlar(商標))、またはEVAと、ポリエステルと、ポリフッ化ビニルとから成るアセンブリで順に覆っていく。次の生産ステップとして、モジュールのラミネート加工を約20mbarの低圧および約150℃で行う。ラミネート加工の際、それまで乳白色のEVAフィルムから、透明で3次元架橋され、もはや融解し得ないプラスチック層が形成され、このプラスチック層内には太陽電池が包埋されており、かつこのプラスチック層はガラス盤および裏面フィルムと固定的に結合されている。ラミネート加工の後、エッジをトリム加工し、接続ソケットを付け、フリーホイール・ダイオードを装着する。これによりラミネートが完成する。
【0010】
PVモジュールは、安定化の理由からフレーム、特にアルミニウムフレームを備えており、このフレームは、1つには組立てのために、およびもう1つには強過ぎる曲げによる破損からPVモジュールを保護するために役立つ。フレームと、通常はガラス、ポリマーフィルム、裏面フィルム、および太陽電池を含むラミネートとの間の結合は、例えば両面発泡接着テープの適用によって解決される。このテープを、通常はラミネートのエッジ上に貼り付け、任意でさらにラミネートの下面および/または上面にも折り返し、そこで押圧する。このようにして仕上げたラミネートを、次いで、非常に高い力でフレームの溝内に押し込む。影響を受けやすいラミネートは、既に述べたように、一般的に上面、つまり光学活性面がガラス層によって水蒸気または水に対して保護されており、かつ下面が、第2のガラス層またはバリア作用を有するフィルムもしくは複合フィルムによって保護されている。これに対しラミネートのエッジは、発泡接着テープでしか水の侵入に対して保護されていない。PVモジュール、特に追従型ムーバーモジュール、つまりモータによって太陽の位置に追従するモジュールのサイズが大きくなるにつれて、ラミネートをフレーム内に押し込むためにますます大きな力が必要になっている。ラミネートの隅に圧力がかかることが特に危険である。なぜならそこでは、接着テープを折り返した場合または重ねた場合に接着テープが2倍の厚みで存在しているからである。したがって押し込む際に接着テープが損傷する可能性があり、それによって発泡体内で亀裂が生じる可能性があり、この亀裂により他方では雨水がラミネートのエッジに達する可能性がある。水がラミネート内に入り込むと、ガラスとEVAの間の付着が悪化する可能性がある。EVAカプセル化フィルムを備えたモジュールの場合、モジュールの性能は時間が経つにつれて低下することが分かった。EVAフィルムの黄ばみまたは曇りのほかに、更なる原因としてセルコネクタのはんだ結合部の腐食および表面漏れ電流(Kriechstoeme)が問題になっている。湿気により、どうやら加水分解によってEVAから酢酸が遊離し、この酢酸が一方では腐食を引き起こし、もう一方では伝導率を著しく上昇させる。これにより特にラミネートのエッジとフレームの間で電気損失が生じ得るのである。
【0011】
フレームとラミネートの間の結合は、発泡接着テープで貼り付ける代わりに、フレームの溝内への架橋可能なシリコーンまたは液体接着剤の導入によって達成することができる。これは他方で、溢れ出すシリコーンまたは液体接着剤を、溶剤を用いて手間をかけて除去しなければならないという欠点を有している。それだけでなく、ラミネート裏面のバリアフィルムが損傷した場合に、フレームを修理作業のために取り外すことができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】WO98/21287A1
【特許文献2】US4,051,195A
【特許文献3】US4,552,604A
【特許文献4】DE102004037910A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって本発明は、PVモジュール用のラミネートのエッジを、ラミネートの貼り込みと同時に水から保護する可能性を提供するという問題を基礎とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、請求項1に記載の接着テープによって解決される。この問題を解決するための代替案としての接着テープは、請求項4に記載されている。好ましい実施形態および変形形態は、それぞれの従属請求項の主題である。
【0015】
簡単に適用することができ、かつシリコーンによる手間のかかる封止と同様に優れた水/水蒸気の侵入からのラミネートのエッジの保護を保証する、接着テープを提案する。
【0016】
発泡接着テープはフレームに入れる際に発泡体が損傷する危険があるにもかかわらず、この接着テープが追加的に適切なバリアフィルムを含む場合には封止に適していることが分かった。相応に配置した場合、バリアフィルムは十分に保護されており、したがって一般的には、機械的影響を受けやすい発泡体が損傷してもバリアフィルムに支障が出ることはなく、したがって接着テープのバリア作用はその後も付与される。これに加え、すべての予測に反しこの接着テープは、復元力が明らかに上昇しているにもかかわらず、接着テープが浮き上がることなく、ラミネートの隅およびエッジの周りに楽に付けることができる。これは特に、バリアフィルムを含む側がラミネートのエッジに面しており、かつ発泡体を含む側がフレームに面している好ましい適用形態に当てはまる。
【0017】
それだけでなくバリアフィルムは、このバリアフィルムによって接着テープが全体的に、特に伸びに対しより寸法安定的に形成されるという利点を提供する。これは特に、バリアフィルムが好ましくは延伸フィルム、例えば金属被覆されたポリエステルフィルムまたは二軸もしくは好ましくは機械方向において一軸に延伸されたポリオレフィンフィルムから成る層である場合である。このことは、接着テープの適用を容易にするだけでなく、このような伸び過ぎ保護が、表面漏れ電流による損失をもより少なくする。その原因はおそらく、伸び過ぎ保護が接着テープの長さをより精密にすることにある。長過ぎることが回避されることで、接着テープの厚い重なり、したがってフレームの溝内に押し込む際の高過ぎる力を回避することができる。これに対し接着テープが僅かに短過ぎる場合も、モジュールのエッジのうち接着テープが互いに隣接する隅で流路が形成され、この流路内に雨水が流れ込み、そしてそこから水がEVA層内に侵入する可能性がある。このことは、雨水の伝導率の故に、EVA層および流路を介した太陽電池と金属フレーム間の表面漏れ電流を引き起こし、これによって電力損失が発生する。
【0018】
特に意外だったのは、体積抵抗の低いバリアフィルムが特殊なポリマー層の使用により、EVA層が既に湿気を吸収した場合でさえ、太陽電池と(接地された)メタルフレームの間の表面漏れ電流を著しく減少させ得ることである。この層が加水分解し得ないポリマーから成る場合は、水が比較的長く作用した後でさえ電気絶縁作用を保ち続ける。
【0019】
請求項1に記載の本発明による接着テープは、2つの外側の感圧接着層の間に発泡層およびバリアフィルムを有している。一方の接着層はラミネートのエッジ上に貼り付けるために用いられ、かつもう一方の接着層はフレーム上に貼り付けるために用いられる。この接着テープは、一方の接着層をラミネートのエッジ上に押し付け、次いでラミネート上面および/またはラミネート下面に折り返すことが好ましい。優れたバリア層および付着性が十分な接着剤の場合、接着層を通した水の拡散がバリアの弱点になることが分かった。このため好ましくは拡散断面をできるだけ小さく形成し、かつ拡散経路を特に長くすべきであり、つまり接着テープをできるだけ、ラミネートのエッジ上だけでなくガラスプレートおよび裏面上にも接着する。拡散断面を小さく形成するために、接着層の厚みは好ましくは100μm未満、特に好ましくは60μm未満である。
【0020】
簡単に作製できるように、接着テープのバリアフィルムと発泡層は、同じ幅を有することが好ましい。ただし特別な実施形態では、発泡層または好ましくはバリアフィルムが接着テープのエッジからはみ出していてもよい。
【0021】
好ましい更なる一実施形態では、発泡層は、好ましくは接着テープを適用した後に、ポリマー層内の発泡剤の活性化によって生じる。例えば熱供給によって活性化が起こるとすぐに、ポリマー層内で、したがって発泡層内で独立気泡が形成される。活性化は、フレーム内にラミネートを嵌め込む際の機械的負荷を回避するために、フレーム内にラミネートを嵌め込んだ後に行われることが好ましい。発泡によって、接着テープとフレームもしくはラミネートの間で特に優れた密封性が達成される。エッジが隣接している個所で、接着テープ細長片が僅かに短過ぎることにより小さな流路が形成された場合、この流路は発泡プロセスによって塞がれる。
【0022】
請求項4に記載の代替案としての一実施形態では、接着テープは追加的な発泡層または発泡可能なポリマー層を有しておらず、むしろ接着層自体の少なくとも1つが発泡層の機能を担うように形成されている。これは、接着層内に発泡剤が含まれており、この発泡剤が発泡した後に接着層内に独立気泡を含む接着層が生じることによって行われる。活性化は熱供給によって行われることが好ましい。
【0023】
発泡剤を含むポリマー層もしくは接着剤が、発泡後に少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%拡大した体積になる実施形態が好ましい。
【0024】
発泡層または発泡可能なポリマー層もしくは接着剤が、発泡後に約100μm〜約3000μmの範囲内の層厚を有する実施形態が好ましく適している。
【0025】
接着テープの両方の選択肢でも、前述の層に加えてまた更なる層を設けることができる。好ましい一実施形態では、発泡層へのバリアフィルムの結合が、更なる接着層によって行われる。接着剤と層の少なくとも1つとの間の付着をより良くするためには、コロナまたはプラズマのような物理的な前処理および/または化学的な付着仲介層が好ましい。
【0026】
さらに、接着層は一般的にライナー(例えばシリコーン剥離紙または剥離フィルム)によって覆われており、このライナーは適用前に取り外される。
【0027】
接着剤として、感圧接着剤も熱活性化可能な接着剤も使用することができる。この意味における感圧接着剤には、室温では粘着性でなく、または僅かしか粘着性でなく、しかし室温より上では粘着特性を有するような接着剤も含まれる。ただし特に、容易に適用できることが重要である場合は、23℃で既に粘着性であるような感圧接着剤が好ましい。熱活性化可能な接着剤は、特に、発泡剤の活性化のためだけに加熱が必要である場合に適している。さらに、1つの接着テープ内に含まれる接着層をそれぞれ完全に異なる構成にする、つまり異なる接着剤組成を含む、または異なる層厚などを有するようにすることができる。本発明の意味における接着テープとは、接着テープロールならびにその切片である。ライナーで覆われた切片は、市場では一般的にラベルとも呼ばれており、明らかにそれに含まれている。ただしロール形態の接着テープが好ましい。
【0028】
発泡剤としては特に、ポリマー層内、特に接着層内に含まれるマイクロバルーンが適している。マイクロバルーンを用いて発泡させた(自着)接着剤は以前から知られており、記載されている(DE102004037910A1(特許文献4))。このマイクロバルーンを用いて発泡させた(自着)接着剤は、発泡気泡のサイズ分布が一様な明確な気泡構造を特色とする。その際、空洞のない独立気泡性のマイクロ発泡が形成され、これにより埃および液体媒体に対して影響を受けやすい品物を、開放気泡性の変形形態に比べてより良く封止することが達成され得る。
【0029】
マイクロバルーンは特に、熱可塑性のポリマーシェルを備えた弾性中空球体である。この球体は、低沸点液体または液化ガスで満たされている。シェル材料としては特に、ポリアクリロニトリル、PVDC、PVC、またはポリアクリレートが使用される。低沸点液体としては特に、低級アルカン類の炭化水素、例えばイソブタンまたはイソペンタンが適しており、それらは液化ガスとして、圧力下でポリマーシェル内に内包されている。特に熱作用によってマイクロバルーンに作用を加えることで外側のポリマーシェルが軟化される。同時にシェル内にある液状の推進ガスが気体状態に移行する。その際、マイクロバルーンが非可逆的に拡大し、3次元に膨張する。この膨張は、内圧と外圧が釣り合うと終了する。ポリマーシェルが維持されたままであるので、これで独立気泡性発泡が達成される。
【0030】
このような発泡は、その柔軟で熱可塑性のポリマーシェルの故に、膨張不能でポリマーではないマイクロ中空球体(例えば中空ガラス球体のような)で満たされた発泡より高い適応性を有している。さらにこのような発泡は、例えば射出成形部材の場合に常例であるような製造公差に合わせるのにより良く適しており、かつその発泡性質の故に熱応力をもより良く相殺することができる。
【0031】
そのほかにも、ポリマーシェルに熱可塑性樹脂を選択することによって、発泡の機械的特性にさらに影響を及ぼすことができる。こうして例えば、発泡体がマトリクスより低い密度を有する場合でさえ、発泡体を、ポリマーマトリクスだけよりも高い凝集強度で作製することが可能である。こうして、粗面状の下地に対する適応性のような典型的な発泡特性を、感圧接着性発泡体のための高い凝集強度と組み合わせることができる。
【0032】
これに対し、古典的な化学的または物理的に発泡させた材料は、圧力下および温度下での非可逆的な崩壊に対する抵抗力がより低い。この場合は凝集強度もより低い。
【0033】
多数のタイプのマイクロバルーンを市場で入手することができ、例えばAkzo Nobel社製のExpancel DUタイプ(dry unexpanded)のようなタイプがあり、それらは、基本的にそのサイズ(未膨張状態での直径6μm〜45μm)およびその膨張に必要な開始温度(75℃〜220℃)で細分化されている。マイクロバルーンのタイプまたは発泡温度が、組成物のコンパウンド化に必要な温度プロフィルおよび機械パラメータに適合されている場合、組成物のコンパウンド化およびコーティングを、マイクロバルーンが加工の際に発泡せず、かつその使用のためのすべての膨張ポテンシャルが保たれ続けるように実施することができる。
【0034】
さらに、未膨張タイプのマイクロバルーンは、固体またはマイクロバルーンの割合が約40〜45重量%の水性分散液としても入手可能であり、さらに、例えば約65重量%のマイクロバルーン濃度で、エチルビニルアセテート中でポリマーに結合したマイクロバルーン(マスターバッチ)としても入手可能である。マイクロバルーン分散液もマスターバッチも、DUタイプのように接着剤の発泡に特に適している。
【0035】
マイクロバルーンによって発泡させたポリマーまたは接着剤のほかに、接着テープ内の発泡層の形で提供される別の発泡体も格別に適している。特に、放射線架橋した独立気泡性のEVA発泡体および特に例えばSekisui−Alveoによって提供されているようなポリエチレン発泡体が適している。さらに、ポリプロピレン、ポリウレタン、またはクロロプレンゴムから成る発泡体を用いることもできる。
【0036】
ソーラーモジュールにおける使用に特に適しているのは、体積当り重量が少なくとも50kg/m、好ましくは少なくとも67kg/mの発泡体である。さらに発泡体は500kg/mの体積当り重量をできるだけ超えるべきではない。発泡体の体積当り重量は最大200kg/mであることが特に好ましい。
【0037】
外層用の感圧接着剤としては、例えば、ポリイソブチレン、ブチルゴム、水素化スチレンブロックコポリマー、特殊ポリオレフィン、溶剤型およびホットメルト型アクリレートポリマーをベースとする感圧接着剤が適している。
【0038】
感圧接着剤は、化学的架橋によって、ならびに/あるいは電子照射および/またはUV照射によって架橋することができる。
【0039】
接着性付与剤として、粘着樹脂を使用することができる。適切な粘着樹脂は、ロジンまたはロジン誘導体をベースとする樹脂、ジシクロペンタジエン、脂肪族のいわゆるC5−炭化水素樹脂もしくは芳香族のいわゆるC9−炭化水素樹脂、α−ピネン、β−ピネンもしくはd−リモネンの重合体である。前述の粘着樹脂は、単独で使用することも、混合して使用することも可能である。少なくとも部分的に、ただし特に好ましくは完全に水素化された樹脂が好ましい。
【0040】
接着剤のための更なる添加剤として通常は以下のものを使用することができる。
・一次酸化防止剤、例えば立体障害性フェノール
・二次酸化防止剤、例えば亜リン酸塩またはチオエーテル
・プロセス安定化剤、例えばC−ラジカル補足剤
・光保護剤、例えばUV吸収剤または立体障害性アミン
・加工助剤
・末端ブロック強化樹脂、ならびに
・可塑剤、例えば液状ポリイソブチレン、鉱油、または液状樹脂。
【0041】
好ましい一実施形態では、少なくとも1つの接着剤が、ポリアクリレートまたはEVM(エチレンビニルアセテート・エラストマー)をベースとしており、これらは高い耐老化性、優れた入手可能性、および非常に高い貼り付き強度を特色としている。
【0042】
特に好ましいのは、密度が0.86〜0.89g/cm、好ましくは0.86〜0.88g/cm、特に好ましくは0.86〜0.87g/cmで、かつ晶子融点(Kristallitschmelzpunkt)が少なくとも90℃、好ましくは少なくとも115℃、特に好ましくは少なくとも135℃の部分結晶性ポリオレフィンから成る接着剤である。さらに部分結晶性ポリオレフィンは、好ましい一実施形態では少なくとも1つの粘着樹脂と組み合わされている。このような完全に新式の接着剤は、高い耐老化性、低いコスト、ならびにポリアクリレートのような従来の感圧接着剤に比べてかなり低い比体積抵抗率およびWVTR値を有している。樹脂量が多くなればなるほどまたは樹脂の軟化点が高くなるほど、WVTR値は低くなる。
【0043】
用いられるバリアフィルムは、影響を受けやすいラミネートのエッジを保護し得るように、水蒸気浸透が少ないことを特色とする。浸透とは、物質(浸透物)が固体を貫通する過程または固体中を動き回る過程と理解される。推進力は濃度勾配である。バリア作用を特徴づけるために、通常は水蒸気透過率WVTR(Water Vapor Transmission Rate)が指示される。その際、この率は、温度および分圧の固有の条件ならびに場合によっては相対湿度のような更なる測定条件の下で、平面状の物体を通り抜ける水蒸気の面積および時間当りの流量を示す。WVTR値が低いほど、当該の材料はカプセル化により良く適している。本発明の意味におけるバリアフィルムとは、37.8℃および相対湿度90%で測定したWVTRが5g/md未満、好ましくは0.7g/md未満、特に好ましくは0.01g/md未満のバリアフィルムと理解される(d=day=24h)。
【0044】
バリアフィルムは、例えばポリオレフィン、VAの割合が20重量%未満のEVA、PVC、PVDC、ポリスチレン、ABS、ポリアクリロニトリル(例えばBarex(商標))、LCP、ETFEもしくはPVFのようなフッ素ポリマー、または有機−無機のゾル−ゲルから成り得る。20℃での比体積抵抗率が少なくとも1016Ωcmのポリマー、特に湿気吸収および/または加水分解によらずに低い比体積抵抗率を得ることができるポリマーから成るフィルムが好ましい。したがってPETまたはPENのようなポリエステル、EVOH、ポリアミド、およびポリウレタンはあまり好ましくない。特に好ましいのは、エチレン、プロピレン、または1−ブテンのホモポリマー、コポリマー、またはターポリマーをベースとするフィルムである。なぜなら、それらは実際上水を吸収または透過せず、かつ加水分解されてより伝導率の高い物質になり得ず、したがって材料に起因して比体積抵抗率を有しているからである。コポリマーまたはターポリマーの場合、好ましいコモノマーは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン、または1−オクテンのようなα−オレフィンである。
【0045】
バリア作用は、充填剤、特にタルクのような小板状の充填剤を添加することによって改善することができる。なぜなら、これらの粒子は押出成形の際に整列させ得るからである。その際に形成された層構造は拡散経路の延長を生じさせる。これらの粒子自体は、ガラスのように気体に対して完全に不透過性である。透明性が必要な場合、そのような充填剤をナノスケールとすることができる。
【0046】
十分な浸透作用を、ただし接着テープの剛性を極端に大きくすることなく達成するために、厚さ0.5μm〜120μmのバリアフィルムを使用することが好ましい。
【0047】
例えば、特にポリエステルから成る少なくとも1つのプラスチックフィルムによって構成されたフィルム部分と、フィルム部分上に施された特にアルミニウムから成る金属層から構成された金属部分とから成るフィルムが適している。下の接着層を、金属層の露出側に施すことが好ましい。
【0048】
有利な一実施形態ではバリアフィルムが、アルミニウムのような金属フィルムから成るか、または金属蒸着フィルムとポリオレフィン層のようなプラスチックフィルムから成るラミネートもしくは押出しコーティングされたアセンブリから成る。その際、金属層は、バリア層として働き、腐食促進物質、例えば酸素、二酸化硫黄、二酸化炭素、および特に水または水蒸気を、保護すべき品物から遠ざける。
【0049】
バリアフィルムとして特に好ましいのは、金属被覆されたポリオレフィンフィルムまたはポリエステルフィルムである。本発明の第1の有利な実施形態では、金属層は厚さ10nm〜50μm、特に20nm〜25μmである。フィルム部分上への金属層の堆積は、例えば蒸着によって、つまりプラスチックフィルム上の被覆を、真空中での熱蒸着(純粋に熱的に、電子線によって電気的に、あるいは(場合によってはレーザ放射を用いて)陰極スパッタリングまたは金属線爆発によって)により生成することによって行う。
【0050】
さらに、3層以上のラミネートを使用することもできる。そのほかにも特別な用途では、金属層から成るコアの周りの対称的なラミネート構造物も有利であり得る。金属層がポリマー層の間に内包されているラミネート加工または押出コーティングは、金属の腐食が回避され、したがって好ましい。
【0051】
以下に、本発明の更なる詳細、目的、特徴、および利点を、一実施形態に基づきさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】伝導率を決定するためのテストラミネートの概略図である。
図2】PVモジュールの縁貼り付けの概略図である。
図3】伝導率を決定するための測定構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
フラッシュガス法(Spuelgasmethode)による浸透測定
管、フィルム、および膜用の相応の測定セル内で、管、フィルム、および膜を、任意のガスならびにあらゆる種類の液体によりその透過性について検査することができる。ガス用の測定技術はすべて、テストすべき膜によって分割された中枢モジュールを含んでおり、すなわち「供給側」では測定セルが検査ガスで溢れており、残余の未浸透物は排出される。もう一方の側に到達したガス(浸透物)の量は、フラッシュガスによって検出器に案内され、そこで濃度が測定される。セルの上部および下部が、中心に配置された膜を取り囲んでいる。試料上に載っているOリングが境界面を封止している。この種のセルの大部分は、例えば特殊鋼のような金属から製造されている。
【0054】
伝導率測定
伝導率を測定するために、寸法195mm×50mmの下記の測定体を作製した。この測定体(ラミネート(1))は、厚さ4.2mmのガラス層(2)、2層の460μmのEVAフィルム(3、4)(Etimex Vistasolar FC486.10)を有しており、EVAフィルムの間に厚さ50μmで幅25mmのアルミニウムフィルム(5)があり、かつ裏面フィルムとして23μmのポリエステルフィルム(6)がある。アルミニウムフィルム(5)は、ラミネートの短い側で、EVAフィルム(4)および裏面フィルム(6)によって17mmの間隔をあけて案内された。つまりアルミニウムフィルム(5)は長いエッジに対して17mmの間隔にある。ラミネート(1)の厚みは5mmである。上述のラミネート(1)は以下のように作製された。
1)40℃で2.5分間、20mbarまで真空にする、
2)底面温度を3.5分以内で40℃から133℃まで上昇させ、同時にラミネータの上面をモジュール上に、780mbarに達するまで押し付ける、
3)780mbarに達すると、133℃および780mbarで架橋を13分間実施する、
4)ラミネートを約7分間で40℃まで冷却する。
【0055】
2mm厚のアルミニウムから成り、6mmの溝を有し、深さが10mmのアルミニウムU字体(図2)(略してフレーム(7))内で、19mm幅の検査する接着テープ(8)をエッジおよび上面および下面に備えたラミネート(1)を圧迫する。ラミネート(1)の、フレーム(7)によって保護されていないエッジは、シリコーン(Lugato社「Wie Gummi」Bad−Silikon)で封止する。測定体をフレーム(7)と共に、Alconox、White Plains、NY 10603から入手可能なLiqui Nox/蒸留水(1:500)から成る界面活性剤溶液(9)内に立て(図3)、2分後にテラオームメータ(メガオームメータ、絶縁抵抗計MD508)を使って500Vでの体積抵抗を測定する。
【0056】
例1(比較)
体積当り重量が67kg/mで厚さ1000μmのPE発泡体(Alveo)を備えた接着テープをコロナ処理し、その後、樹脂変性した接着剤(tesa 4957)を両面にそれぞれ50g/mで施し、それから測定する。
【0057】
水の浸透: 12g/m
伝導率測定: 短絡(抵抗 <0.1kΩ)
【0058】
この接着テープは、十分なバリア作用を有しておらず、水を継目内に拡散させる可能性があり、かつ導体(アルミニウムフィルム)をフレームと短絡させる可能性がある。
【0059】
例2(比較)
体積当り重量が67kg/mで厚さ1000μmのPE発泡体を備えた接着テープをコロナ処理し、その後、樹脂変性した接着剤(tesa 4957)を両面にそれぞれ50g/mで施す。さらにこの接着テープはラミネートのエッジに面した側に、23μmのポリエステルフィルムおよび前述の接着剤と同一の追加的な接着剤層を備える。以下の製品構造が得られる。
a)接着剤
b)発泡体
c)接着剤
d)ポリエステルフィルム
e)接着剤
この場合、接着剤e)がラミネートのエッジに面している。
【0060】
水の浸透: 10g/m
伝導率測定: 短絡(抵抗 <0.1kΩ)
【0061】
この接着テープは、十分なバリア作用を有しておらず、水をラミネートの継目内に拡散させる可能性があり、かつ導体(アルミニウムフィルム)をフレームと短絡させる可能性がある。
【0062】
例3(本発明による)
体積当り重量が67kg/mで厚さ1000μmのPE発泡体を備えた接着テープをコロナ処理し、そしてその後、樹脂変性した接着剤(tesa 4957)を両面にそれぞれ50g/mで施す。これに加えてラミネートのエッジに面した側で、厚さ20nmのアルミニウム層を蒸着させた23μmのポリエステルフィルム(Donmore Europe社、79111 Freiburg在)および前述のものと同じ追加の接着剤層を施す。以下の製品構造が得られる。すなわち
a)接着剤
b)発泡体
c)接着剤
d)ポリエステルフィルム、金属被覆
e)接着剤
接着剤e)がラミネートのエッジに面している。
【0063】
水の浸透: 1g/m
伝導率測定: 25MΩ
【0064】
この接着テープは、十分なバリア作用を有しており、水/水蒸気をラミネートの継目内に拡散させる可能性はなく、かつ導体(アルミニウムフィルム)をフレームと短絡させる可能性はない。
【0065】
例4(本発明による)
体積当り重量が67kg/mで厚さ1000μmのPE発泡体を備えた接着テープをコロナ処理し、その後、樹脂変性した接着剤(tesa 4957)を両面にそれぞれ50g/mで施す。これに加えてラミネートのエッジに面した側に、12μmのアルミニウムフィルムを備えた12μmのポリエステルフィルム(Alcan Packaging Singen GmbH社、78221 Singen在)および前述のものと同じ追加の接着剤層を施す。以下の製品構造が得られる。
a)接着剤
b)発泡体
c)接着剤
d)12μmのポリエステルフィルム/積層用接着剤/12μmのアルミニウムフィルム
e)接着剤
接着剤e)がラミネートのエッジに面している。
【0066】
水の浸透: 0.6g/m
伝導率測定: 225MOhm
【0067】
この接着テープは、十分なバリア作用を有しており、水/水蒸気をラミネートの継目内に拡散させる可能性はなく、かつ導体(アルミニウムフィルム)をフレームと短絡させる可能性はない。
【0068】
例5(本発明による)
この接着テープは例4に基づいて作製されており、感圧接着剤としてそれぞれ以下の組成の剤を用いている。
a)24重量部のNotio PN0040(プロピレン、ブテン−1、および4−メチルペンテン−1から成るコポリマー、メルトインデックス4g/10分、密度0.868g/cm、曲げ弾性率42MPa、晶子融点159℃、融解熱5.2J/g)
b)20重量部のOppanol B10(液状ポリイソブテン可塑剤、密度=0.93g/cm、M=40000g/mol)
c)54重量部のRegalite1100(完全に水素化したC9−炭化水素樹脂、融点100℃、多分散性1.4)および
d)2重量部のIrganox1076(フェノール系酸化防止剤)
【0069】
水の浸透: 0.1g/m
伝導率測定: 430MΩ
【0070】
この接着テープは、より優れたバリア作用を有しており、外にむきだしになっている接着剤エッジを通って水が拡散することに対するこの接着剤の組成の意義を強調している。

本発明は、特許請求の範囲に係る発明に関するものであるが、本願の開示は以下も包含するものである。
1.
少なくとも、1つの発泡層および外側の2つの接着層を有し、
前記発泡層が、上の接着層と下の接着層の間に配置されている接着テープにおいて、
前記両接着層の間にさらにバリアフィルムが存在していることを特徴とする接着テープ。
2.
前記発泡層と前記バリアフィルムの間に、特に前記発泡層と前記バリアフィルムの間に直接に、更なる接着層が配置されていることを特徴とする前記1に記載の接着テープ。
3.
前記発泡層が、発泡剤を含むポリマー層によって構成されていることを特徴とする前記1または2に記載の接着テープ。
4.
外側の2つの接着層を有する接着テープであって、
少なくとも1つの接着層が、発泡剤を含むポリマー層によって構成されている接着テープにおいて、
前記両接着層の間にさらにバリアフィルムが存在することを特徴とする接着テープ。
5.
前記ポリマー層が熱供給によって発泡可能であること、および/または
発泡剤を含む前記ポリマー層が、発泡後に少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%拡大した体積になることを特徴とする前記3または4に記載の接着テープ。
6.
前記発泡層または発泡可能なポリマー層もしくは接着剤が、発泡後に約100μm〜約3000μmの範囲内の層厚になることを特徴とする前記1〜5のいずれか一つに記載の接着テープ。
7.
前記バリアフィルムが、約0.5μm〜約160μmの範囲内の層厚を有すること、および/または
前記バリアフィルムが、5g/md未満、好ましくは0.7g/md未満、特に好ましくは0.01g/md未満のWVTR値を有することを特徴とする前記1〜6のいずれか一つに記載の接着テープ。
8.
前記バリアフィルムが、特にポリマーフィルムに加えて、特に金属蒸着の形の金属層を有しており、
好ましくは、前記金属層が約10nm〜約50μmの範囲内、特に好ましくは約20nm〜約25μmの範囲内の厚みを有することを特徴とする前記1〜7のいずれか一つに記載の接着テープ。
9.
前記バリアフィルムが多層状に形成されており、
好ましくは、前記バリアフィルムが第1および第2のポリマー層の間に金属層を有することを特徴とする前記1〜8のいずれか一つに記載の接着テープ。
10.
前記バリアフィルムが、20℃での比体積抵抗率が少なくとも1016Ωcmのポリマー層を有することを特徴とする前記1〜9のいずれか一つに記載の接着テープ。
11.
前記バリアフィルムが、ポリオレフィン、好ましくはエチレンまたはプロピレンのホモポリマー、コポリマー、またはターポリマーから成るポリマー層を有しており、
さらに好ましくは、前記ポリマー層が延伸されていることを特徴とする前記1〜10のいずれか一つに記載の接着テープ。
12.
光電子部品を貼り付けるための、特に光起電モジュールのフレーム内に光起電的ラミネートを貼り付けるための、前記1〜11のいずれか一つに記載の接着テープの使用。
【符号の説明】
【0071】
1 ラミネート
2 ガラス層
3、4 EVAフィルム
5 アルミニウムフィルム
6 ポリエステルフィルム
7 フレーム
8 接着テープ
9 界面活性剤溶液
図1
図2
図3