特許第5766979号(P5766979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5766979
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
   H01R13/52 301E
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-47208(P2011-47208)
(22)【出願日】2011年3月4日
(65)【公開番号】特開2012-185961(P2012-185961A)
(43)【公開日】2012年9月27日
【審査請求日】2014年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100108017
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100166110
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 裕二
(72)【発明者】
【氏名】森 茂生
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−055809(JP,A)
【文献】 米国特許第05567174(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40−13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子金具と、前記端子金具を収容する端子収容室が設けられたハウジングと、前記ハウジングの端部に取り付けられて前記端子金具が前記端子収容室から抜けることを防止するリアホルダと、前記端子収容室内に圧入されたゴム栓と、前記端子収容室内に収容された合成樹脂製のスペーサと、を備え、
前記端子金具には、相手方の端子金具と接続される電気接触部と、電線が接続された電線接続部と、が設けられ、
前記端子収容室には、前記電線接続部と該電線接続部に接続された電線の端部と該電線の外周に取り付けられた前記ゴム栓と前記スペーサとを収容した第1収容部と、該第1収容部に連なる第2収容部と、前記第1収容部と前記第2収容部との間に形成された段差面と、が設けられ、
前記電線接続部には、外周面から突出し、前記段差面に当接可能なフランジ部が設けられ、
前記スペーサが前記フランジ部と前記ゴム栓との間に配置されているコネクタにおいて、
前記スペーサには、内側に前記電線接続部及び前記電線を位置付ける断面切り欠き円状の本体部と、該本体部の内表面から突出し、互いに相対する少なくとも一対の突起とが設けられ、
前記少なくとも一対の突起間の間隔が前記電線の直径よりも小さく形成されており、
前記電線接続部及び前記電線の直径部分が、前記少なくとも一対の突起間の間隔が拡げられた状態で該突起間を通され、前記本体部の内側に位置付けられて組み立てられている
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記フランジ部の外周面に取り付けられて、当該フランジ部の外周面と前記第1収容部の内面との間を水密に保つパッキンをさらに備えている
ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などに配索されるワイヤハーネスを構成するコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車には多種多様な電子機器が搭載されている。これら多種多様な電子機器に電力や制御信号などを伝えるため、前記自動車にはワイヤハーネスが配索されている。このワイヤハーネスは、複数の電線と、コネクタとを備えている(特許文献1を参照。)。また、図4は従来のコネクタの断面図である。図5図4に示されたコネクタの分解図である。図6図4に示されたコネクタの端子金具等を示す斜視図である。
【0003】
図4〜6に示すように、上記コネクタ301は、複数の端子金具302と、複数の端子金具302をそれぞれ収容する端子収容室314が複数設けられた合成樹脂製のハウジング303と、ハウジング303の端部に取り付けられて端子金具302が端子収容室314から抜けることを防止するリアホルダ304と、各端子収容室314内にそれぞれ圧入された複数のゴム栓305と、各端子収容室314内にそれぞれ収容された複数のスペーサ306と、各端子金具302にそれぞれ取り付けられた複数のパッキン307と、を備えている。また、図4及び図5においては、端子金具302、ゴム栓305、スペーサ306、パッキン307を1つずつのみ示し、他を省略している。
【0004】
上記端子金具302は、導電性の金属で構成されている。端子金具302には、図示しない相手方のコネクタの端子金具と接続される円筒状の電気接触部311と、電線308の芯線309が接続された円筒状の電線接続部310と、が設けられている。また、電線接続部310には、外周面から突出し、端子収容室314に設けられた段差面317に当接可能な環状のフランジ部312が設けられている。また、電気接触部311と電線接続部310とフランジ部312とは同軸に配置されている。
【0005】
上記電気接触部311は、内外径が拡縮(拡大、縮小すること)自在となるように弾性変形自在に形成されており、内側に相手方のコネクタの端子金具が挿入されて弾性変形することにより、当該相手方のコネクタの端子金具と電気的に接続される。
【0006】
上記電線接続部310は、内側に電線308の芯線309が挿入されて内外径が縮小するように塑性変形されることにより、即ちかしめられることにより、電線308の芯線309と電気的に接続される。また、上記フランジ部312は、電線接続部310の電気接触部311寄りの端に設けられている。また、フランジ部312の外周面には、その全周に亘って凹溝313が設けられている。
【0007】
上記各端子収容室314は、直線状に延在した空間である。各端子収容室314には、電線接続部310と該電線接続部310に接続された電線308の端部と該電線308の外周に取り付けられたゴム栓305とスペーサ306とを収容した第1収容部315と、該第1収容部315に連なる第2収容部316と、第1収容部315と第2収容部316との間に形成された段差面317と、が設けられている。第1収容部315及び第2収容部316は、その断面形状が円形に形成されている。また、第2収容部316は、その内径が第1収容部315の内径よりも小さく形成されている。また、前述した構成のハウジング303の図4中左側の端部には、図示しない相手方のコネクタのハウジングが嵌合する。
【0008】
上記リアホルダ304は、ハウジング303における相手方のコネクタから離れた側の端部に取り付けられる。このリアホルダ304には、端子金具302に取り付けられた電線308を内側に通す通し孔318が複数設けられている。
【0009】
上記ゴム栓305は、ゴムなどの弾性変形自在な合成樹脂により環状に形成されたパッキン319と、パッキン319よりも硬質で弾性変形し難い合成樹脂で構成された埋設部材320と、で構成されている。このゴム栓305は、内側に電線308を通した状態で第1収容部315内に圧入され、電線308の外周面と第1収容部315の内面との間を水密に保つ。
【0010】
上記スペーサ306は、断面切り欠き円状の筒状に形成されている。このスペーサ306は、内側に電線接続部310及び電線308を位置付け、フランジ部312とゴム栓305との間に配置された状態で、第1収容部315内に収容されている。また、スペーサ306の切り欠きの幅は、電線接続部310及び電線308の直径よりも大きく形成されている。
【0011】
上記パッキン307は、ゴムなどの弾性変形自在な合成樹脂で環状に形成されており、凹溝313内に収容される格好でフランジ部312に取り付けられている。このパッキン307は、フランジ部312の外周面と第1収容部315の内面との間を水密に保つ。
【0012】
前述した構成のコネクタ301は、以下のように組み立てられる。まず、端子金具302にパッキン307を取り付け、電線308をゴム栓305の内側に通す。そして、電線接続部310内に電線308の芯線309を挿入し、電線接続部310をかしめて端子金具302に電線308を取り付ける。そして、フランジ部312とゴム栓305の間にスペーサ306を挟んだ状態で、これら端子金具302、パッキン307、スペーサ306、ゴム栓305、電線308を端子収容室314内に挿入する。そして、リアホルダ304をハウジング303に取り付けて前述したコネクタ301が得られる。こうして組み立てられたコネクタ301は、相手方のコネクタなどと嵌合するなどして、自動車に配索されるワイヤハーネスを構成する。
【0013】
このようなコネクタ301は、端子収容室314の段差面317に当接可能なフランジ部312と、フランジ部312とゴム栓305との間に配置されたスペーサ306とによって、端子金具302に係止する係止アームをハウジング303に設けずとも端子金具302をハウジング303に固定することができ、そのために、ハウジング303を小型化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2010−55809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上述した従来のコネクタ301においては、以下に示す問題があった。即ち、コネクタ301は、スペーサ306が断面切り欠き円状に形成されていることから、ハウジング303へ各部品を組み付ける際にスペーサ306がフランジ部312とゴム栓305の間から脱落し易く、組み立て作業性が悪いという問題があった。
【0016】
したがって、本発明は、ハウジングへ各部品を組み付ける際に前記部品が脱落することを防止できる組み立て作業性の良いコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために請求項1に記載された発明は、端子金具と、前記端子金具を収容する端子収容室が設けられたハウジングと、前記ハウジングの端部に取り付けられて前記端子金具が前記端子収容室から抜けることを防止するリアホルダと、前記端子収容室内に圧入されたゴム栓と、前記端子収容室内に収容された合成樹脂製のスペーサと、を備え、前記端子金具には、相手方の端子金具と接続される電気接触部と、電線が接続された電線接続部と、が設けられ、前記端子収容室には、前記電線接続部と該電線接続部に接続された電線の端部と該電線の外周に取り付けられた前記ゴム栓と前記スペーサとを収容した第1収容部と、該第1収容部に連なる第2収容部と、前記第1収容部と前記第2収容部との間に形成された段差面と、が設けられ、前記電線接続部には、外周面から突出し、前記段差面に当接可能なフランジ部が設けられ、前記スペーサが前記フランジ部と前記ゴム栓との間に配置されているコネクタにおいて、前記スペーサには、内側に前記電線接続部及び前記電線を位置付ける断面切り欠き円状の本体部と、該本体部の内表面から突出し、互いに相対する少なくとも一対の突起とが設けられ、前記少なくとも一対の突起間の間隔が前記電線の直径よりも小さく形成されており、前記電線接続部及び前記電線の直径部分が、前記少なくとも一対の突起間の間隔が拡げられた状態で該突起間を通され、前記本体部の内側に位置付けられて組み立てられていることを特徴とするコネクタである。
【0018】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記フランジ部の外周面に取り付けられて、当該フランジ部の外周面と前記第1収容部の内面との間を水密に保つパッキンをさらに備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載された発明によれば、前記スペーサには、内側に前記電線接続部及び前記電線を位置付ける断面切り欠き円状の本体部と、該本体部の内表面から突出し、互いに相対する少なくとも一対の突起とが設けられ、前記少なくとも一対の突起間の間隔が前記電線の直径よりも小さく形成されており、前記電線接続部及び前記電線の直径部分が、前記少なくとも一対の突起間の間隔が拡げられた状態で該突起間を通され、前記本体部の内側に位置付けられて組み立てられているので、従来品においてハウジングへ各部品を組み付ける際に脱落し易かったスペーサを脱落し難くすることができる。よって、ハウジングへ各部品を組み付ける際に前記部品が脱落することを防止できる組み立て作業性の良いコネクタを提供することができる。
【0020】
請求項2に記載された発明によれば、前記フランジ部の外周面に取り付けられて、当該フランジ部の外周面と前記第1収容部の内面との間を水密に保つパッキンをさらに備えているので、組み立て作業性が良く、防水性の高いコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施の形態にかかるコネクタの断面図である。
図2図1に示されたコネクタの分解図である。
図3図1に示されたコネクタの端子金具等を示す斜視図である。
図4】従来のコネクタの断面図である。
図5図4に示されたコネクタの分解図である。
図6図4に示されたコネクタの端子金具等を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施の形態にかかるコネクタを、図1〜3を参照して説明する。
【0023】
図1及び図2に示すように、コネクタ1は、複数の端子金具2と、複数の端子金具2をそれぞれ収容する端子収容室14が複数設けられた合成樹脂製のハウジング3と、ハウジング3の端部に取り付けられて端子金具2が端子収容室14から抜けることを防止するリアホルダ4と、各端子収容室14内にそれぞれ圧入された複数のゴム栓5と、各端子収容室14内にそれぞれ収容された合成樹脂製の複数のスペーサ6と、各端子金具2にそれぞれ取り付けられた複数のパッキン7と、を備えている。また、図1及び図2においては、端子金具2、ゴム栓5、スペーサ6、パッキン7を1つずつのみ示し、他を省略している。
【0024】
上記端子金具2は、導電性の金属で構成されている。端子金具2には、図示しない相手方のコネクタの端子金具と接続される円筒状の電気接触部11と、電線8の芯線9が接続された円筒状の電線接続部10と、が設けられている。また、電線接続部10には、外周面から突出し、端子収容室14に設けられた段差面17に当接可能な環状のフランジ部12が設けられている。また、電気接触部11と電線接続部10とフランジ部12とは同軸に配置されている。また、前記電線8は、芯線9と絶縁被覆とを備えた断面円形の丸電線である。
【0025】
上記電気接触部11は、内外径が拡縮(拡大、縮小すること)自在となるように弾性変形自在に形成されており、内側に相手方のコネクタの端子金具が挿入されて弾性変形することにより、当該相手方のコネクタの端子金具と電気的に接続される。
【0026】
上記電線接続部10は、内側に電線8の芯線9が挿入されて内外径が縮小するように塑性変形されることにより、即ちかしめられることにより、電線8の芯線9と電気的に接続される。また、上記フランジ部12は、電線接続部10の電気接触部11寄りの端に設けられている。また、フランジ部12の外周面には、その全周に亘って凹溝13が設けられている。
【0027】
上記各端子収容室14は、直線状に延在した空間である。各端子収容室14には、電線接続部10と該電線接続部10に接続された電線8の端部と該電線8の外周に取り付けられたゴム栓5とスペーサ6とを収容した第1収容部15と、該第1収容部15に連なり、電気接触部11を収容した第2収容部16と、第1収容部15と第2収容部16との間に形成された段差面17と、が設けられている。第1収容部15及び第2収容部16は、その断面形状が円形に形成されている。また、第2収容部16は、その内径が第1収容部15の内径及びフランジ部12の外径よりも小さく形成されている。また、前述した構成のハウジング3の図1中左側の端部には、図示しない相手方のコネクタのハウジングが嵌合する。
【0028】
上記リアホルダ4は、ハウジング3における相手方のコネクタから離れた側の端部に取り付けられる。このリアホルダ4には、端子金具2に取り付けられた電線8を内側に通す通し孔18が複数設けられている。
【0029】
上記ゴム栓5は、図1に示すように、ゴムなどの弾性変形自在な合成樹脂により環状に形成されたパッキン19と、パッキン19よりも硬質で弾性変形し難い合成樹脂で構成された埋設部材20と、で構成されている。このゴム栓5は、内側に電線8を通した状態で第1収容部15内に圧入され、電線8の外周面と第1収容部15の内面との間を水密に保つ。
【0030】
上記スペーサ6には、内側に電線接続部10及び電線8を位置付ける断面切り欠き円状の本体部21と、該本体部21の内表面から突出し、互いに相対する二対の突起23とが設けられている。前記「断面切り欠き円状」とは、リングの一部を切り欠いた格好の断面形状、即ち断面C字形状、を言う。その切り欠きに符号22を付す。即ち、本体部21は、円筒に切り欠き22が設けられた形状に形成されている。この切り欠き22は、前記円筒の軸方向に延びているとともに前記円筒の全域に亘って延びている。二対の突起23は、切り欠き22の近傍に設けられている。即ち、二対の突起23は、本体部21の直径よりも切り欠き22寄りの位置に設けられている。また、図3に示すように、本体部21が撓んでいない状態で、切り欠き22の幅K1は、電線接続部10及び電線8の直径よりも大きく形成されており、二対の突起23間の間隔K2は、電線接続部10及び電線8の直径よりも小さく形成されている。
【0031】
また、図3に示す電線接続部10及び電線8は、切り欠き22及び二対の突起23間を通されて本体部21の内側に位置付けられている。また、電線接続部10及び電線8は、二対の突起23の間隔が押し拡げられた状態で該二対の突起23間を通される。即ち、スペーサ6は、電線接続部10及び電線8が二対の突起23間を通過する際、二対の突起23間の間隔が拡がるように弾性変形し、電線接続部10及び電線8が二対の突起23間を通過した後、弾性変形前の状態に復元して、電線接続部10及び電線8が本体部21の外側に移動することを防止する。即ち、コネクタ1は、電線接続部10及び電線8の直径部分が、二対の突起23間の間隔が拡げられた状態で該二対の突起23間を通され、本体部21の内側に位置付けられて組み立てられている。
【0032】
このようなスペーサ6は、第1収容部15内において、フランジ部12とゴム栓5との間に配置されている。この状態で本体部21の内側には電線接続部10及び電線8の端部が位置付けられており、本体部21の両端部はフランジ部12とゴム栓5とにそれぞれ当接している。また、この状態でフランジ部12は段差面17に当接しており、ゴム栓5はリアホルダ4に当接している。
【0033】
本発明のコネクタ1は、このようにフランジ部12が段差面17に当接し、かつ、ゴム栓5がリアホルダ4に当接していることが望ましいが、各部品の公差範囲内における寸法バラツキによりフランジ部12と段差面17との間、及び、ゴム栓5とリアホルダ4との間にわずかな隙間が生じていても良い。
【0034】
本発明のコネクタ1は、端子収容室14の段差面17に当接可能なフランジ部12とスペーサ6とによって、端子金具2に係止する係止アームをハウジング3に設けずとも端子金具2をハウジング3に固定することができる。このような構成により、ハウジング3を小型化することができる。
【0035】
上記パッキン7は、ゴムなどの弾性変形自在な合成樹脂で環状に形成されており、凹溝13内に収容される格好でフランジ部12に取り付けられている。このパッキン7は、フランジ部12の外周面と第1収容部15の内面との間を水密に保つ。
【0036】
前述した構成のコネクタ1は、以下のように組み立てられる。まず、端子金具2にパッキン7を取り付け、電線8をゴム栓5の内側に通す。そして、電線接続部10内に電線8の芯線9を挿入し、電線接続部10をかしめて端子金具2に電線8を取り付ける。そして、スペーサ6を電線接続部10及び電線8の外周に取り付け、本体部21の両端部がフランジ部12とゴム栓5とにそれぞれ当接するようにゴム栓5をフランジ部12側にずらす。この時の状態を図3に示す。そして、これら端子金具2、パッキン7、スペーサ6、ゴム栓5、電線8を端子収容室14内に挿入する。そして、リアホルダ4をハウジング3に取り付けて前述したコネクタ1が得られる。こうして組み立てられたコネクタ1は、相手方のコネクタなどと嵌合するなどして、自動車に配索されるワイヤハーネスを構成する。
【0037】
このようなコネクタ1は、スペーサ6に二対の突起23が設けられているので、ハウジング3へ各部品を組み付ける際にスペーサ6がフランジ部12とゴム栓5との間から脱落することを防止でき、容易に組み立てることができる。さらに、コネクタ1は、ゴム栓5及びパッキン7によって、電線8の端部を防水することができ、また、端子金具2をハウジング3に固定することができる。
【0038】
また、前述した実施形態では、スペーサ6に二対の突起23が設けられていたが、本発明では、スペーサに少なくとも一対の突起が設けられていれば良い。
【0039】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 コネクタ
2 端子金具
3 ハウジング
4 リアホルダ
5 ゴム栓
6 スペーサ
8 電線
10 電線接続部
11 電気接触部
12 フランジ部
14 端子収容室
15 第1収容部
16 第2収容部
17 段差面
21 本体部
23 突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6