【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば上記目的は、
ドアパネル1の裏面に沿って配置されるハンドルベース2と、
一端がハンドルベース2に連結されて初期回転位置から作動回転位置まで回転操作自在で、ドアパネル1に開設された導入開口3からドア体内に進入する操作脚4を他端に備えた操作ハンドル5と、
枠状に形成されて前記導入開口3の周縁に配置されるガスケット6とを有し、
前記ガスケット6の枠片には
、前記操作ハンドル5の初期回転位置側ストローク終端を決定するハンドルストッパ部7と、
枠片の側縁に撓み変形可能に張り出し、自由端縁部がドアパネル1表面に当接してドアパネル1表面との間にシール縁を形成する可撓性リップ片8とが設けられ
、
かつ、前記ハンドルストッパ部7は、ガスケット6の表裏両方向に膨隆して形成され、導入開口3を貫通してハンドルベース2により支承される一端と操作ハンドル5に当接する他端とを有してガスケット6に一体に設けられる車両のドアハンドル装置を提供することにより達成される。
【0007】
ハンドルベース2に連結される操作ハンドル5は、ドアパネル1に開設された導入開口3からパネル体内に挿入される操作脚4を有し、ドアパネル1表面には、導入開口3を囲むようにガスケット6が配置される。ガスケット6にはハンドルストッパ部7が形成され、上記操作ハンドル5の初期回転位置側のストローク終端位置を規制する。
【0008】
ガスケット6にハンドルストッパ部7を一体形成する本発明において、ストッパ設定に格別の部品を要しないために、部品点数の低減、およびこれに伴なう装着工数の低減が図られる。また、ハンドルストッパ部7は、下端部が導入開口3を貫通してハンドルベース2に支承されるために、操作ハンドル5がハンドルストッパ部7に衝接した際の衝突音がドアパネル1に伝播することがない。ハンドルベース2は、薄板状のドアパネル1に比して共振能が低いために、衝突音が拡大することがなく、静粛性を高めることが可能になる。
【0009】
さらに、ガスケット6には撓み変形可能に片持状に張り出す可撓性リップ片8が設けられ、この可撓性リップ片8の自由端縁部をドアパネル1の表面に当接させることによって当該箇所にシール縁が形成され、防水等が必要な箇所へのシールド性能も確保される。
【0010】
ガスケット6はその性質上、全体としてシート状に形成され、上記ハンドルストッパ部7において受けた衝撃の伝達能は低いと考えられるが、
前記ガスケット6の枠片は、シール縁を除きドアパネル1表面に対して適宜間隔浮揚した位置に配置される車両のドアハンドル装置を構成した場合には、衝撃音等のドアパネル1への伝播を完全に遮断することが可能になる。
【0011】
また、上記ハンドルストッパは、操作ハンドル5が初期回転位置にあるときに操作ハンドル5の対応部が当接可能であることを条件に種々の変形が可能であり、例えば、表面をガスケット6の一般面と同一面、あるいは一般面に比して奥まった位置に設定することができる。また、下端がハンドルベース2に支承されていれば、ハンドルストッパの厚さ方向寸法は問わないが、厚さ方向寸法を大きくした場合には、ハンドルストッパ部7自体の吸音、衝撃吸収能が期待できるために、より静粛性を高めることが可能になる。
【0012】
この場合、
前記ハンドルストッパ部7はストッパ面9がドアパネル1表面から適宜高さに突出するブロック状に形成されるとともに、
操作ハンドル5には、ストッパ面9との当接部を備えてハンドルストッパ部7を収容するストッパ凹部10が形成される車両のドアハンドル装置を構成することによって、小スペース内に厚いハンドルストッパ部7を配置することが可能になる上に、操作ハンドル5のストッパ凹部10内へのハンドルストッパ部7の嵌合部位にシール性能を期待することもできる。
【0013】
ガスケット6の脱落を防止するための連結手段の形状、位置、連結対象は適宜決定可能であるが、
前記ガスケット6は、前記ハンドルストッパ部7のハンドルベース2への支承部に形成される弾性係止脚11をハンドルベース2に弾発係止して脱離規制される車両のドアハンドル装置を構成することができる。
【0014】
このような構成の下、弾性係止脚11をハンドルベース2に連結することによって、ハンドルストッパ部7への衝撃が弾性係止脚11を伝ってドアパネル1に伝播することを防止することができる上に、導入開口3を貫通するハンドルストッパ部7の一部に弾性係止脚11を形成することにより、新たなシール考慮必要部の発生を防止できる。
【0015】
ドアハンドル装置は、上記導入開口3の周縁全域が操作脚4の基端部により覆われる場合以外に、ハンドルベース2をドアパネル1に固定する固定部材12により一部を覆うようなものであってもよく、
この場合、ドアハンドル装置は、
前記ガスケット6の後端部は、ハンドルベース2の後端部をドアパネル1に固定する固定部材12の押圧頭部13とドアパネル1表面間に介装されて圧縮されるとともに、
前端縁全長にわたって可撓性リップ片8が配置され、
可撓性リップ片8が形成される枠片とガスケット6の押圧頭部13による被押圧部を除くほぼ全域に下端部がハンドルベース2に形成された嵌合凹部14に嵌合するハンドルストッパ部7を形成して構成される。
なお、本発明によれば、
ドアパネル1の裏面に沿って配置されるハンドルベース2と、
一端がハンドルベース2に連結されて初期回転位置から作動回転位置まで回転操作自在で、ドアパネル1に開設された導入開口3からドア体内に進入する操作脚4を他端に備えた操作ハンドル5と、
枠状に形成されて前記導入開口3の周縁に配置されるガスケット6とを有し、
前記ガスケット6の枠片には、一端が導入開口3を貫通してハンドルベース2により支承され、前記ハンドルベース2の初期回転位置側ストローク終端を決定するハンドルストッパ部7と、
枠片の側縁に撓み変形可能に張り出し、自由端縁部がドアパネル1表面に当接してドアパネル1表面との間にシール縁を形成する可撓性リップ片8とが設けられる車両のドアハンドル装置を提供することも可能である。