特許第5767008号(P5767008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767008
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】車両のドアハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 77/38 20140101AFI20150730BHJP
   E05B 79/06 20140101ALI20150730BHJP
【FI】
   E05B77/38
   E05B79/06 C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-95797(P2011-95797)
(22)【出願日】2011年4月22日
(65)【公開番号】特開2012-225116(P2012-225116A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2014年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
(74)【代理人】
【識別番号】100128864
【弁理士】
【氏名又は名称】川岡 秀男
(72)【発明者】
【氏名】工藤 修一
(72)【発明者】
【氏名】市川 慎治
(72)【発明者】
【氏名】吉田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】辻 浩司
【審査官】 川島 陵司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−248496(JP,A)
【文献】 実開平7−29233(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 77/38
E05B 79/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアパネルの裏面に沿って配置されるハンドルベースと、
一端がハンドルベースに連結されて初期回転位置から作動回転位置まで回転操作自在で、ドアパネルに開設された導入開口からドア体内に進入する操作脚を他端に備えた操作ハンドルと、
枠状に形成されて前記導入開口の周縁に配置されるガスケットとを有し、
前記ガスケットの枠片には、前記操作ハンドルの初期回転位置側ストローク終端を決定するハンドルストッパ部と、
枠片の側縁に撓み変形可能に張り出し、自由端縁部がドアパネル表面に当接してドアパネル表面との間にシール縁を形成する可撓性リップ片とが設けられ
かつ、前記ハンドルストッパ部は、ガスケットの表裏両方向に膨隆して形成され、導入開口を貫通してハンドルベースにより支承される一端と操作ハンドルに当接する他端とを有してガスケットに一体に設けられる車両のドアハンドル装置。
【請求項2】
前記ガスケットの枠片は、シール縁を除きドアパネル表面に対して適宜間隔浮揚した位置に配置される請求項1記載の車両のドアハンドル装置。
【請求項3】
前記ハンドルストッパ部はストッパ面がドアパネル表面から適宜高さに突出するブロック状に形成されるとともに、
操作ハンドルには、ストッパ面との当接部を備えてハンドルストッパ部を収容するストッパ凹部が形成される請求項1または2記載の車両のドアハンドル装置。
【請求項4】
前記ガスケットは、前記ハンドルストッパ部のハンドルベースへの支承部に形成される弾性係止脚をハンドルベースに弾発係止して脱離規制される請求項3記載の車両のドアハンドル装置。
【請求項5】
前記ガスケットの後端部は、ハンドルベースの後端部をドアパネルに固定する固定部材の押圧頭部とドアパネル表面間に介装されて圧縮されるとともに、前端縁全長にわたって可撓性リップ片が配置され、
可撓性リップ片が形成される枠片とガスケットの押圧頭部による被押圧部を除くほぼ全域に、下端部がハンドルベースに形成された嵌合凹部に嵌合するハンドルストッパ部が形成される請求項1、2、3または4記載の車両のドアハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドアハンドル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
初期回転位置への復帰時における衝突音の発生を防止したハンドル装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来例において、ベース部材(ハンドルベース)に連結されるハンドル(操作ハンドル)にはハンドルベースの案内壁間を移動するガイドアーム部が突設される。案内壁の下端間を連結する連結板部にはクッション部材が固定され、操作ハンドルを初期回転位置に復帰させた際にガイドアーム部の下端に当接し、衝撃音の発生を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-121363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来例は、ガイドアーム部の移動方向に長い案内壁の先端間を一般に金型の抜き方向に対してアンダーカット部分を構成する連結板部により連結する必要があるために、成形金型の構造がきわめて複雑になるという問題がある上に、別途クッションを要し、部品点数の増加、部品組付けの作業工程の増加を惹起する。
【0005】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、簡単な構成で操作ハンドルの復帰時の衝突音を軽減できる車両のドアハンドル装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば上記目的は、
ドアパネル1の裏面に沿って配置されるハンドルベース2と、
一端がハンドルベース2に連結されて初期回転位置から作動回転位置まで回転操作自在で、ドアパネル1に開設された導入開口3からドア体内に進入する操作脚4を他端に備えた操作ハンドル5と、
枠状に形成されて前記導入開口3の周縁に配置されるガスケット6とを有し、
前記ガスケット6の枠片には、前記操作ハンドル5の初期回転位置側ストローク終端を決定するハンドルストッパ部7と、
枠片の側縁に撓み変形可能に張り出し、自由端縁部がドアパネル1表面に当接してドアパネル1表面との間にシール縁を形成する可撓性リップ片8とが設けられ
かつ、前記ハンドルストッパ部7は、ガスケット6の表裏両方向に膨隆して形成され、導入開口3を貫通してハンドルベース2により支承される一端と操作ハンドル5に当接する他端とを有してガスケット6に一体に設けられる車両のドアハンドル装置を提供することにより達成される。
【0007】
ハンドルベース2に連結される操作ハンドル5は、ドアパネル1に開設された導入開口3からパネル体内に挿入される操作脚4を有し、ドアパネル1表面には、導入開口3を囲むようにガスケット6が配置される。ガスケット6にはハンドルストッパ部7が形成され、上記操作ハンドル5の初期回転位置側のストローク終端位置を規制する。
【0008】
ガスケット6にハンドルストッパ部7を一体形成する本発明において、ストッパ設定に格別の部品を要しないために、部品点数の低減、およびこれに伴なう装着工数の低減が図られる。また、ハンドルストッパ部7は、下端部が導入開口3を貫通してハンドルベース2に支承されるために、操作ハンドル5がハンドルストッパ部7に衝接した際の衝突音がドアパネル1に伝播することがない。ハンドルベース2は、薄板状のドアパネル1に比して共振能が低いために、衝突音が拡大することがなく、静粛性を高めることが可能になる。
【0009】
さらに、ガスケット6には撓み変形可能に片持状に張り出す可撓性リップ片8が設けられ、この可撓性リップ片8の自由端縁部をドアパネル1の表面に当接させることによって当該箇所にシール縁が形成され、防水等が必要な箇所へのシールド性能も確保される。
【0010】
ガスケット6はその性質上、全体としてシート状に形成され、上記ハンドルストッパ部7において受けた衝撃の伝達能は低いと考えられるが、
前記ガスケット6の枠片は、シール縁を除きドアパネル1表面に対して適宜間隔浮揚した位置に配置される車両のドアハンドル装置を構成した場合には、衝撃音等のドアパネル1への伝播を完全に遮断することが可能になる。
【0011】
また、上記ハンドルストッパは、操作ハンドル5が初期回転位置にあるときに操作ハンドル5の対応部が当接可能であることを条件に種々の変形が可能であり、例えば、表面をガスケット6の一般面と同一面、あるいは一般面に比して奥まった位置に設定することができる。また、下端がハンドルベース2に支承されていれば、ハンドルストッパの厚さ方向寸法は問わないが、厚さ方向寸法を大きくした場合には、ハンドルストッパ部7自体の吸音、衝撃吸収能が期待できるために、より静粛性を高めることが可能になる。
【0012】
この場合、
前記ハンドルストッパ部7はストッパ面9がドアパネル1表面から適宜高さに突出するブロック状に形成されるとともに、
操作ハンドル5には、ストッパ面9との当接部を備えてハンドルストッパ部7を収容するストッパ凹部10が形成される車両のドアハンドル装置を構成することによって、小スペース内に厚いハンドルストッパ部7を配置することが可能になる上に、操作ハンドル5のストッパ凹部10内へのハンドルストッパ部7の嵌合部位にシール性能を期待することもできる。
【0013】
ガスケット6の脱落を防止するための連結手段の形状、位置、連結対象は適宜決定可能であるが、
前記ガスケット6は、前記ハンドルストッパ部7のハンドルベース2への支承部に形成される弾性係止脚11をハンドルベース2に弾発係止して脱離規制される車両のドアハンドル装置を構成することができる。
【0014】
このような構成の下、弾性係止脚11をハンドルベース2に連結することによって、ハンドルストッパ部7への衝撃が弾性係止脚11を伝ってドアパネル1に伝播することを防止することができる上に、導入開口3を貫通するハンドルストッパ部7の一部に弾性係止脚11を形成することにより、新たなシール考慮必要部の発生を防止できる。
【0015】
ドアハンドル装置は、上記導入開口3の周縁全域が操作脚4の基端部により覆われる場合以外に、ハンドルベース2をドアパネル1に固定する固定部材12により一部を覆うようなものであってもよく、
この場合、ドアハンドル装置は、
前記ガスケット6の後端部は、ハンドルベース2の後端部をドアパネル1に固定する固定部材12の押圧頭部13とドアパネル1表面間に介装されて圧縮されるとともに、前端縁全長にわたって可撓性リップ片8が配置され、
可撓性リップ片8が形成される枠片とガスケット6の押圧頭部13による被押圧部を除くほぼ全域に下端部がハンドルベース2に形成された嵌合凹部14に嵌合するハンドルストッパ部7を形成して構成される。
なお、本発明によれば、
ドアパネル1の裏面に沿って配置されるハンドルベース2と、
一端がハンドルベース2に連結されて初期回転位置から作動回転位置まで回転操作自在で、ドアパネル1に開設された導入開口3からドア体内に進入する操作脚4を他端に備えた操作ハンドル5と、
枠状に形成されて前記導入開口3の周縁に配置されるガスケット6とを有し、
前記ガスケット6の枠片には、一端が導入開口3を貫通してハンドルベース2により支承され、前記ハンドルベース2の初期回転位置側ストローク終端を決定するハンドルストッパ部7と、
枠片の側縁に撓み変形可能に張り出し、自由端縁部がドアパネル1表面に当接してドアパネル1表面との間にシール縁を形成する可撓性リップ片8とが設けられる車両のドアハンドル装置を提供することも可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構成で操作ハンドルの復帰時の衝突音のドアパネルへの伝播を防止することが可能になるために衝突音の軽減、ドアパネルの振動等を効果的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ハンドル装置を示す図で、(a)は上半分にドアパネルを取り除いた状態を示し、下半分にドアパネルへの装着状態を示した正面図、(b)は(a)の1B-1B線断面図である。
図2】ハンドル装置の動作を示す図で、(a)は初期状態を示す縦断面図、(b)は作動状態を示す縦断面図である。
図3】ハンドル装置のドアパネルへの固定操作を示す分解斜視図である。
図4】ガスケットを示す図で、(a)は表面側から見た斜視図、(b)は裏面側から見た斜視図、(c)は平面図、(d)は(c)の4D-4D線断面図、(e)は裏面図、(f)は(e)の4F-4F線断面図である。
図5】ハンドルベースを示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)の5B-5B線断面図、(c)は(a)の5C-5C線断面図である。
図6】ガスケットの装着状態を示す要部拡大図で、(a)は断面図、(b)は(a)の6B部拡大図、(c)は(a)の6C-6C線断面図、(d)は(c)の6D部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1から3に示すように、車両のドアハンドル装置は、ドアパネル1の裏面に沿って配置されるハンドルベース2の一端部に操作ハンドル5を回転自在に連結して形成される。この実施の形態において、ハンドル装置は、図1(a)において左側を車両前方に向けた姿勢で装着され、以下、本明細書において、車両への取付姿勢を基準に車長方向を「前後」、車幅方向を「表裏」とする。
【0019】
操作ハンドル5は、ドアパネル1表面に凹設される手掛け凹部1aに対応する握り部5aの前端部にヒンジ脚5bを、後端部に操作脚4を有しており、図3に示すように、ヒンジ脚5bをドアパネル1に開設された前部導入開口3Aから、操作脚4をドアパネル1の後部導入開口3Bからドア体内に挿入した後、操作ハンドル5全体を前方にスライドさせて装着される。図5(a)に示すように、ハンドルベース2には、操作ハンドル5のヒンジ脚5b、および操作脚4を受容するための前後方開口部2a、2bが開設される。
【0020】
ハンドルベース2への装着状態において、操作ハンドル5を図2(a)に示す初期回転位置から前端部を回転中心として図2(b)に示す作動回転位置まで回転操作すると操作脚4が引き出し方向に移動し、該操作脚4に形成された係止段部4aに作動アーム15aを係止させてハンドルベース2に装着されたレバー15が作動アーム15aに操作力を受けて回転駆動され、これに伴って該レバー15に連結されたケーブル装置16を介してドア体内に配置された図外のドアロック装置を作動させる。
【0021】
レバー15は回転中心15a周りに巻装されるトーションスプリング17により初期回転位置側に付勢されており、この付勢力を操作ハンドル5に伝達することにより、操作ハンドル5に対して初期回転位置側への付勢力を付与している。
【0022】
また、この実施の形態において、ハンドルベース2には、レバー15と同軸上にカウンタウエイト18が装着され、車両に側面衝突力が負荷された際に操作ハンドル5に発生する慣性力を打ち消して操作ハンドル5の不用意なドア開操作を防いでいる。
【0023】
図3に示すように、上記前後部導入開口3周縁の隙間を防ぐために、ドアパネル1表面と操作ハンドル5との境界部には、合成樹脂製のガスケット6が装着される。図4に示すように、2個のガスケット6のうち、後部導入開口3B側に配置されるガスケット6は、導入開口3Bの前後辺縁に沿う横片と、これら横片間を結ぶ縦片とを有し、中央部の開口3aを囲むほぼ矩形枠形状に形成されており、前方の横片、および縦片の前端部は残余の部分に比して薄肉に形成される。図4(f)に示すように、薄肉部と残余の厚肉部とは表面が同一面(一般面)で、図4(e)に示すように、裏面方向に板厚の変化が現れるように形成される。
【0024】
このガスケット6は、後部係止片6a、ハンドルストッパ部7、および弾性係止脚11を有する。後部係止片6aは後方横片の中央部裏面に配置され、自由端を後方に向けて断面L字形状に形成される。
【0025】
ハンドルストッパ部7は、縦片の薄肉部の幅方向中心側半分領域を表裏両方向に膨隆させて適宜の厚さを有するブロック状に形成され、表面側への膨隆部の表面がストッパ面9として利用される。また、裏面側への膨隆部は支承部として使用され、支承部の一部に弾性係止脚11が形成される。
【0026】
弾性係止脚11は、膨隆部の前後方向中央部における内側辺縁部をさらに裏面側に延長するとともに、自由端に外側に突出する係止突起11aを設けて形成される。
【0027】
さらに、ガスケット6の前方の横片は全長にわたって可撓性リップ片8として使用される。図4(f)に示すように、可撓性リップ片8は、自由端縁裏面が厚肉部の裏面の高さとほぼ一致する高さまで裏面側に折り曲げて形成される。この実施の形態において、横片全長にわたって均等な可撓性を付与し、全長を可撓性リップ片8として機能させるために、開口3aの前方辺縁に連続する直線上に配置される横片と縦片の境界に上記折り曲げの境界を位置させ、かつ、折り曲げ境界を曲率面ではなく、直線的な変化点として形成することにより、境界部、および開口の前方辺縁が可及的に均一な折り曲げ代として機能するように配慮される。
【0028】
図5に上記ガスケット6を支承するハンドルベース2を示す。上述したように、ハンドルベース2には、レバー15等が装着されるが、理解を容易にするために、図5はレバー15等の装着部品を取り除いたものを示す。
【0029】
図5に示すように、ハンドルベース2の表面には、上記ガスケット6の支承部に対応する位置に嵌合凹部14が形成される。嵌合凹部14の一部には、上記ガスケット6の弾性係止脚11に対応して脚貫通孔14aが開設されるとともに、その下端部に弾性係止脚11の係止突起11aが係止可能な被係止部14bが形成され、ガスケット6は、図1に示すように、後部係止片6aを後部導入開口3Bの前端縁に係止させるとともに、図6に示すように、弾性係止脚11をハンドルベース2の被係止部14bに弾発係止してドアパネル1上に保持される。
【0030】
以上のハンドルベース2を使用したハンドル装置は、上述したように、予めドアパネル1に仮止めされたハンドルベース2に操作ハンドル5を連結して取り付けられ、ハンドル装置の後端部は、固定部材12をハンドルベース2に連結して行われる。
【0031】
固定部材12は、ハンドルベース2のドアパネル1への固定に加え、操作ハンドル5の後方へのスライド移動を規制することにより操作ハンドル5の脱落を防止する機能を有しており、図1に示すように、ドアパネル1の後部導入開口3Bの周縁を覆う大きさでドアパネル1外部に露出する押圧頭部13と、押圧頭部13の裏面から突出する軸部12aとを備える。固定部材12の固定は、ハンドルベース2に開設される後方開口部2b内に軸部12aを挿入した後、該軸部12aをハンドルベース2にねじ止めして行われる。
【0032】
軸部12aのねじ止め操作により固定部材12は車幅方向に向かう斜め後方に引き込まれ、押圧頭部13とハンドルベース2の表面によりドアパネル1の後部導入開口3Bの周縁部を挟み付け、結果、ハンドルベース2がドアパネル1に脱離不能に固定される。
【0033】
上記ガスケット6の肉厚部は、上記固定部材12の押圧頭部13の裏面にほぼ対応しており、固定部材12を固定した状態で、ガスケット6の肉厚部は、図6(b)に示すように、ドアパネル1と押圧頭部13との間に強く挟まれ、固定部材12とドアパネル1との間の隙間を完全に閉塞する。
【0034】
肉厚部が完全に固定された状態で、薄肉部に形成されるハンドルストッパ部7の支承部はハンドルベース2の嵌合凹部14に嵌合し、さらに、ガスケット6の一般面より表面側に突出するハンドルストッパ部7のストッパ面9は、操作ハンドル5の操作脚4基端部に凹設されるストッパ凹部10の天井壁に当接して操作ハンドル5の初期回転位置側のストローク終端を決定する。
【0035】
一方、ガスケット6の薄肉部は、図6(d)に示すように、パネル表面から微少高さ浮揚した高さに位置するとともに、可撓性リップ片8は図6(b)に示すように、先端がドアパネル1の表面に接してシール縁を構成する。
【0036】
この状態で、操作ハンドル5が操作された後、操作力が解除されて操作ハンドル5が付勢力によって初期回転位置側に回転した際には、操作ハンドル5のストッパ凹部10がガスケット6のストッパ面9に衝接して初期回転位置に停止する。図6に示すように、ハンドルストッパはドアパネル1の後部導入開口3を貫通して直接支承部がハンドルベース2の嵌合凹部14に支承され、かつ、薄肉部はドアパネル1表面から浮揚してドアパネル1に直接接触していないために、衝撃音等は、ドアパネル1に伝播することはなく、音の増幅、ドアパネル1の振動を引き起こすことがない。
【0037】
この場合、ガスケット6をやや柔軟な合成樹脂材により形成すると、衝撃の吸収能も期待できるために、より衝撃音の伝播等を防止できる。
【0038】
さらに、上述したように、固定部材12を固定した状態で可撓性リップ片8はドアパネル1表面に当接してシール縁を構成し、当該部位からの浸水が防止される。
【符号の説明】
【0039】
1 ドアパネル
2 ハンドルベース
3 導入開口
4 操作脚
5 操作ハンドル
6 ガスケット
7 ハンドルストッパ部
8 可撓性リップ片
9 ストッパ面
10 ストッパ凹部
11 弾性係止脚
12 固定部材
13 押圧頭部
14 嵌合凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6