(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水性媒体100重量部中に、増粘剤としてのアラビアガム0.5〜30重量部、油脂としての高級脂肪酸のグリセライド0.05〜5重量部、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類から選択される少なくとも1種の乳化剤0.05〜7重量部を含み、前記油脂Oと前記乳化剤Eとの重量比O/Eが0.03〜80であることを特徴とする麺類のほぐれ改良剤。
前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類が、ポリソルベート60およびポリソルベート80から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の麺類のほぐれ改良剤。
前記麺類のほぐれ改良剤が、酢酸、酢酸ナトリウムおよびエタノールから選択される少なくとも1種をさらに含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の麺類のほぐれ改良剤。
水で1〜10倍に希釈した前記麺類のほぐれ改良剤を前記麺類に噴霧し、それが絡まるように麺類を混ぜ合わせて、麺類のほぐれ改良剤を麺類の表面に付着させる請求項5に記載の麺類のほぐれ改良方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の麺類のほぐれ改良剤は、水性媒体100重量部中に、増粘剤としてのアラビアガム0.5〜30重量部、油脂としての高級脂肪酸のグリセライド0.05〜5重量部、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類から選択される少なくとも1種の乳化剤0.05〜7重量部を含み、前記油脂Oと前記乳化剤Eとの重量比O/Eが0.03〜80であることを特徴とする。
【0014】
本発明においてほぐれ改良の対象となる麺類としては、例えば、中華麺、うどん、きしめん、素麺、冷や麦、そば、スパゲッティのように細長く成形した麺類、マカロニのように任意の形状に成形したものなどが挙げられる。そして、その形態は、生麺、茹で麺、蒸し麺、ロングライフ麺(LL麺)、即席麺、冷凍麺、乾麺などのいずれであってもよい。
【0015】
本発明の麺類のほぐれ改良剤における含有成分は、すべて食品衛生法に規定された食品素材もしくは食品添加物であり、ほとんど天然由来のものが用いられる。
【0016】
アラビアガムは、一般に食品添加物の増粘剤として規定されており、本発明ではこれらを用いることができる。
【0017】
油脂としての高級脂肪酸のグリセライドは、グリセロール1分子に3分子の脂肪酸がエステル結合したトリアシルグリセロールを主成分とする油脂である。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)およびリノレン酸(18:3)などが挙げられる。括弧内の表記は(炭素数:二重結合数)を示す。
【0018】
油脂としては、炭素数が6〜24である脂肪酸のグリセライドから選択される少なくとも1種であるのが好ましく、植物性油脂、動物性油脂のいずれであってもよいが、本発明においては常温で液状の脂肪油が好適に用いられること、入手し易いことなどから、植物性油脂が好ましい。
植物性油脂としては、例えば、大豆油、ヤシ油、落花生油、なたね油、パーム油、コーン油(トウモロコシ油)、米ぬか油、パーム核油、サフラワー油、ごま油、綿実油、アマニ油、ヒマワリ油、オリーブ油、ヒマシ油などが挙げられる。これらの中でも、麺類に余計な香りを付加し難いこと、入手し易いことなどから、大豆油、ヤシ油、落花生油およびコーン油から選択される少なくとも1種が好ましい。
【0019】
乳化剤は、一般に食品添加物の乳化剤として規定されているものの中から選択される。
本発明において用いられる乳化剤は、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類から選択される少なくとも1種である。
【0020】
グリセリンクエン酸脂肪酸エステルおよびグリセリン乳酸脂肪酸エステルは、グリセロールの3個の水酸基の1つに脂肪酸が付いたグリセリン脂肪酸エステル(モノグリセライドまたはモノグリ)に、それぞれクエン酸および乳酸が結合したものである。
ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンエステル)は、甘味料のソルビトールの脱水物のソルビタンと脂肪酸がエステル結合したもので、ソルビトールエステルおよびソルバイトエステルとの混合物である。
プロピレングリコール脂肪酸エステル(ピージーエステル)は、プロピレングリコールと脂肪酸がエステル結合したもので、エステル交換反応で製造されたものはモノエステルとジエステルの混合物である。
上記の脂肪酸は、炭素数8〜24であり、油脂の脂肪酸として例示したものが挙げられる。
【0021】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(ポリソルベート類)は、ソルビタン脂肪酸エステルにエチレンオキシドを反応させたもので、主となる脂肪酸およびそのソルビタンに対するモル比により4種類に分類される。
主となる脂肪酸がそれぞれラウリン酸、ステアリン酸およびオレイン酸で、ソルビタン1モルに対して脂肪酸が1モルでかつエチレンオキシドを約20分子縮合させたものを、ポリソルベート20(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、ポリソルベート60(モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン)およびポリソルベート80(オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)という。また、主となる脂肪酸がステアリン酸でソルビタン1モルに対して脂肪酸が3モルでかつエチレンオキシドを約20分子縮合させたものをポリソルベート65(トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン)という。これらの中でも、目詰まり防止の観点より親水性が高く、HLB値が高いポリソルベート60およびポリソルベート80が好ましい。
【0022】
本発明の麺類のほぐれ改良剤における含有成分の配合割合は、水性媒体100重量部中に、増粘剤0.5〜30重量部、油脂0.05〜5重量部、乳化剤0.05〜7重量部であり、油脂Oと乳化剤Eとの重量比O/Eが0.03〜80である。
各成分の配合割合が上記範囲の未満やそれを超える場合には、本発明の効果が十分に得られないことがあり、各成分については次のような傾向がある。
増粘剤の配合割合が0.5重量部未満では、ほぐれ効果が十分に得られないことがある。一方、増粘剤の配合割合が30重量部を超えると、高粘度となり作業性が低下することがある。
油脂の配合割合が0.05重量部未満では、低温で乳化剤が固化し、目詰まりすることがある。一方、油脂の配合割合が5重量部を超えると、油の酸化などによる風味に悪影響を及ぼすことがある。
乳化剤の配合割合が0.05重量部未満では、ほぐれ効果が十分に得られないことがある。一方、乳化剤の配合割合が7重量部を超えると、乳化剤自体の固化あるいは麺類の食感を軟化させることがある。
油脂Oと乳化剤Eとの重量比O/Eが0.03未満もしくは80を超えると、乳化のバランスが崩れ、乳化剤が固化あるいは風味に悪影響を及ぼすことがある。
【0023】
増粘剤の配合割合は、好ましくは1〜25重量部であり、より好ましくは3〜20重量部である。
油脂の配合割合は、好ましくは0.1〜4重量部であり、より好ましくは0.3〜3重量部である。
乳化剤の配合割合は、好ましくは0.1〜7重量部であり、より好ましくは0.5〜5重量部である。
油脂Oと乳化剤Eとの重量比O/Eは、好ましくは0.05〜70であり、より好ましくは0.1〜60である。
【0024】
本発明の麺類のほぐれ改良剤が、酢酸、酢酸ナトリウムおよびエタノールから選択される少なくとも1種をさらに含むのが好ましい。
エタノール、酢酸および酢酸ナトリウムは、広範囲の微生物に対して殺菌力を発揮し、本発明の麺類の改良剤の殺菌および防腐を目的とする保存料として機能する。
また、酢酸および酢酸ナトリウムは、pH調整剤としても機能する。
【0025】
本発明では、通常、食品に用いられるエタノール、例えば、70%水溶液が用いられる。なお、その配合割合は、エタノールとしての重量を示す。
エタノールの配合割合は、好ましくは水性媒体100重量部中にエタノールとして1〜7重量部、より好ましくは2〜6重量部である。
エタノールの配合割合が1重量部未満では、十分な防腐効果が得られず、またエタノールの配合割合が7重量部を超えると、経済性および風味の面であまり好ましくない。
【0026】
本発明では、通常、食品に用いられる酢酸、例えば、90%酢酸が用いられる。
酢酸の配合割合は、好ましくは水性媒体100重量部中に酢酸として0.03〜3重量部、より好ましくは0.1〜1.5重量部である。
酢酸の配合割合が0.03重量部未満では、十分な静菌・防腐効果が得られず、また酢酸の配合割合が3重量部を超えると、本発明のほぐれ改良剤で処理された麺類に酢酸臭が付着する点および経済性の面であまり好ましくない。
【0027】
本発明では、通常、食品に用いられる酢酸ナトリウム無水物が用いられる。
酢酸ナトリウムの配合割合は、好ましくは水性媒体100重量部中に酢酸ナトリウムとして0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜4重量部である。
酢酸ナトリウムの配合割合が0.1重量部未満では、十分な静菌・防腐効果が得られず、また酢酸ナトリウムの配合割合が5重量部を超えると、低温での沈殿析出などの製剤安定性が低下する点、麺類に酢酸臭が付着する点および経済性の面であまり好ましくない。
【0028】
また、本発明の麺類のほぐれ改良剤は、上記の成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の麺類の改良成分を含んでいてもよい。
【0029】
本発明の麺類のほぐれ改良剤は、例えば、水に所定量のアラビアガムの粉末を徐々に加えて溶解させ、得られた水溶液に所定量の乳化剤を加え、さらに所定量の油脂を徐々に加えて乳化させ、得られた乳化溶液に、必要に応じて所定量の酢酸、酢酸ナトリウムおよびエタノールから選択される少なくとも1種を加えて混合することにより得られる。
酢酸および酢酸ナトリウムは、水溶液の形態で乳化溶液に加えるのが好ましい。
【0030】
アラビアガムの溶解に際しては、液温30〜95℃程度に加熱し、例えば、撹拌混合装置、ホモミキサー、高圧ホモジナイザーなどの公知の装置を用いて混合溶液を攪拌するのが好ましい。
また、乳化剤および油脂を加えた後の乳化に際しては、液温20〜70℃程度に加熱し、例えば、ホモミキサーなどの公知の装置を用いて混合溶液を攪拌するのが好ましい。
エタノール、酢酸および酢酸ナトリウムから選択される少なくとも1種の混合に際しては、液温50℃以下に冷却し、例えば、撹拌混合装置、ホモミキサー、高圧ホモジナイザーなどの公知の装置を用いて乳化溶液を攪拌するのが好ましい。
上記の溶解、乳化および混合における条件は、製剤容量、装置の能力などに応じて適宜設定すればよい。
【0031】
麺類のほぐれ改良方法は、上記の麺類のほぐれ改良剤を麺類の表面に付着させて、麺類のほぐれを改良することを特徴とする。
麺類のほぐれ改良剤を麺類の表面に付着させる方法としては、例えば、水で1〜10倍に希釈した麺類のほぐれ改良剤を麺類に噴霧し、それが絡まるように麺類を混ぜ合わせる方法が挙げられるが、これに限定されない。
麺類に付着させるほぐれ改良剤の量は、麺類100重量部に対して0.1〜7重量部であるのが好ましく、より好ましくは0.1〜6重量部である。
ほぐれ改良剤の量が麺類100重量部に対して0.1重量部未満では、本発明の効果が十分に得られないことがある。一方、ほぐれ改良剤の量が7重量部を超えると、麺類に付着する水分量が多くなり、麺類のライフや食感面で好ましくないことがある。
【実施例】
【0032】
本発明を製剤例、実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの製剤例および実施例により限定されるものではない。
【0033】
製剤例においては、次の原料を使用した。
(A)増粘剤
アラビアガム(伊那食品工業株式会社製、製品名:アラビアガムA)
(B)油脂
大豆油(加藤製油株式会社製、製品名:大豆白絞油、C16−20)
ヤシ油(植田製油株式会社製、製品名:精製ヤシ油、C6−18)
落花生油(太田製油株式会社製、製品名:精製落花製油、C12−24)
コーン油(加藤製油株式会社製、製品名:コーンサラダ油、C16−24)
【0034】
(C)乳化剤
グリセリンクエン酸脂肪酸エステル(脂肪酸:炭素数16〜20、主として炭素数18、クエン酸モノグリセライド、理研ビタミン株式会社製、製品名:ポエムK−37V)
グリセリン乳酸脂肪酸エステル(乳酸モノステアリン酸グリセリン、太陽化学株式会社製、製品名:サンソフトNo.661AS)
ソルビタン脂肪酸エステル(脂肪酸:炭素数16〜20、主として炭素数18、理研ビタミン株式会社製、製品名:ポエムO−80V)
プロピレングリコール脂肪酸エステル(脂肪酸:炭素数16〜20、主として炭素数18、理研ビタミン株式会社製、製品名:リケマールPO−100V)
ポリソルベート60(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、花王株式会社製、製品名:エマゾールS−120V)
ポリソルベート80(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、花王株式会社製、製品名:エマゾールO−120V)
反応モノグリセライド(脂肪酸:炭素数16〜20、理研ビタミン株式会社製、製品名:ポエムOL−200V)
モノカプリン酸グリセリン脂肪酸エステル(脂肪酸:炭素数8〜12、主として炭素数10、理研ビタミン株式会社製、製品名:ポエムM−200)
モノラウリン酸グリセリン脂肪酸エステル(脂肪酸:炭素数10〜14、主として炭素数12、理研ビタミン株式会社製、製品名:ポエムM−300)
【0035】
(D)有機酸
酢酸(日和合精株式会社製、90%純良酢酸)
酢酸ナトリウム(南海化学工業株式会社製、無水物)
乳酸ナトリウム(キシダ化学株式会社製)
クエン酸(扶桑化学工業株式会社製、製品名:精製クエン酸(無水))
クエン酸ナトリウム(扶桑化学工業株式会社製、製品名:精製クエン酸ナトリウム)
【0036】
(E)その他
エタノール(57.2%水溶液、キリン協和フーズ株式会社製、製品名:メイオールW65)
水(大阪市水道水)
【0037】
(製剤例1)
容量1000ミリリットルのビーカーに、温度約60〜70℃に加温した水400g(80.00重量%)を入れ、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製、型式:ホモミキサーM型)を用いて回転数4000〜5000rpmで攪拌しながら、アラビアガム42.5g(8.50重量%)を約10分間かけて少量ずつ投入した。その後、混合溶液をさらに45分間攪拌してアラビアガムを完全に溶解させた。
次いで、得られた混合溶液に、乳化剤としてグリセリンクエン酸脂肪酸エステル25g(5.00重量%)を加え、上記のホモミキサーを用いて回転数5000〜6000rpmで2分間攪拌した後、油脂として大豆油7.5g(1.50重量%)を約3分間かけて少量ずつ投入した。その後、混合溶液をさらに回転数9000〜10000回転で10分間攪拌して乳化溶液を得た。
【0038】
次いで、得られた乳化溶液を、上記のホモミキサーを用いて回転数1000〜2000rpmで攪拌しながら、予め調整しておいたpH調整剤水溶液を投入し、さらに約5分間攪拌を継続して製剤例1のほぐれ改良剤(製剤No.1)500gを得た。
pH調整剤水溶液を、酢酸ナトリウム1.5g(0.30重量%)および酢酸4.72g(正味量4.25g、0.85重量%)を水19.25g(3.85重量%)に溶解させることにより得た。
【0039】
(製剤例2〜55)
表1〜3に記載の化合物をその配合量で用いること以外は製剤例1と同様にして、製剤例2〜55のほぐれ改良剤(製剤No.2〜55)を得た。
【0040】
(試験例1:麺類のほぐれ性評価)
製剤例1〜55で調製したほぐれ改良剤(製剤No.1〜55)を、製麺したうどんに付着させて、それらの麺のほぐれ性(ほぐれ適性)を評価した。
以下の試験例において、製剤No.1〜48および製剤No.49〜55を用いた試験を、それぞれ実施例1〜48および比較例1〜7とする。
【0041】
(冷やしうどん)
中力小麦粉100重量部と、それに対して予め調製しておいた食塩水41重量部(食塩3重量部+水道水38重量)とを縦型ミキサー(エスケーミキサー株式会社製、型式:SK−25)を用いて約15分間混練し、回転ローラー式製麺機で粗麺帯(厚さ:4.0mm)を製造した。
次いで、複合、圧延および12番角刃での切り出し工程を経て、総重量500gの生うどん生地を製造した。
得られた生うどん生地を、容量約5リットルの煮沸水中で約10分間茹で、氷水中での冷却、水洗、水切りを行い、冷やしうどんを得た。
【0042】
予め製剤例1〜55で調製したほぐれ改良剤(製剤No.1〜55)をそれぞれ表1〜3に記載の希釈倍率1〜6倍になるように水道水で希釈しておいた。
得られた冷やしうどん100重量部に対してほぐれ改良剤の付着量が4重量部になるように、スプレーボトルを用いてほぐれ改良剤を冷やしうどんにそれぞれ噴霧し、それらが適度に絡まるように冷やしうどんを混ぜ合わせた。
得られた冷やしうどんを、それぞれ80mm×70mm×高さ45mmのプラスチック製容器に入れて蓋をし、温度10℃の冷蔵庫に静置した。静置開始から24時間後および48時間後の冷やしうどんのほぐれ性を、熟練した6名のパネラーが箸を用いて、次の6段階の基準で官能評価した。それらの評価点の平均値(少数点第2位以下を切り捨て)をほぐれ性とした。
【0043】
評価点5:とてもほぐれ易い
4:ほぐれ易い
3:少しほぐれ易い
2:ほぐれ難い
1:かなりほぐれ難い
0:全くほぐれない
得られた結果を表1〜3に示す。
【0044】
(試験例2:ほぐれ改良剤の性状(温度40℃での安定性)評価)
製剤例1〜55で調製したほぐれ改良剤(製剤No.1〜55)のそれぞれ100gを、容量100ミリリットルの広口蓋付きポリエチレン製容器に入れて蓋をし、温度40℃の恒温室で1カ月静置した。静置開始から1ヶ月後の各製剤の性状(安定性)を目視観察し、次の6段階の基準で温度40℃での安定性を評価した。
【0045】
評価A:分離がなく、均一で分散良好な状態
B:乳化相と水相の2相に分離しているが、再分散が容易で可能な状態
C:乳化相と中間相と水相の3相に分離しているが、再分散が容易で可能な状態
D:分離はないが、再分散が困難な状態
E:乳化相と水相の2相に分離し、再分散が困難な状態
F:乳化相と中間相と水相の3相に分離し、再分散が困難な状態
得られた結果を表1〜3に示す。
【0046】
(試験例3:ほぐれ改良剤の性状(温度−3℃での安定性)評価)
製剤例1〜55で調製したほぐれ改良剤(製剤No.1〜55)のそれぞれ100gを、容量100ミリリットルの広口蓋付きポリエチレン製容器に入れて蓋をし、温度−3℃の恒温室で1カ月静置した。静置開始から1ヶ月後の各製剤の性状(安定性)を目視観察し、次の6段階の基準で温度−3℃での安定性を評価した。
【0047】
評価A:分離がなく、均一で分散良好な状態
B:乳化相と水相の2相に分離しているが、固化物が見られず、再分散が容易で可
能な状態
C:乳化相と中間相と水相の3相に分離しているが、固化物が見られず、再分散が
容易で可能な状態
D:分離はないが、固形物が見られるかもしくは再分散再溶解が困難な状態
E:乳化相と水相の2相に分離し、固化物が見られ、再分散再溶解が困難な状態
F:乳化相と中間相と水相の3相に分離し、固化物が見られ、再分散再溶解が困難な状態
得られた結果を表1〜3に示す。
【0048】
(試験例4:ほぐれ改良剤の洗浄性評価)
予め容量500ミリリットル調理用ステンレス製ボウル(外径195mm×高さ70mm)をデシケーター中に静置して恒量とした後、その重量を測定しておいた。
また、予め製剤例1〜55で調製したほぐれ改良剤(製剤No.1〜55)をそれぞれ水道水で希釈倍率1〜6倍に希釈しておいた。
スプレーボトルを用いて希釈製剤10gをそれぞれ秤量したボウルの底面に噴霧し、常温(25℃)で24時間放置し、希釈製剤の水分を揮散させ、ボウルの底面に製剤の塗膜を形成させた。その後、ボウルをデシケーター中に静置して恒量とした後、その重量を測定し、予め測定しておいたボウルのみの重量との差から塗膜重量A(g)を求めた。
【0049】
次いで、ボウルに水道水10ミリリットルを加え、常温(25℃)で2時間放置した後、ボウル内を洗浄することなく排水した。その後、再度ボウルをデシケーター中に静置して恒量とした後、その重量を測定し、予め測定しておいたボウルのみの重量との差から塗膜重量B(g)を求めた。さらに、次式により塗膜残留率(%)を求め、次の6段階の基準で洗浄性を評価した。
塗膜残留率(%)=B/A×100
【0050】
評価A:1%未満
B:1%以上2%未満
C:2%以上4%未満
D:4%以上6%未満
E:6%以上8%未満
F:8%以上
得られた結果を表1〜3に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
表1〜3の結果から、本発明の麺類のほぐれ改良剤は、麺類のほぐれ性、温度40℃および−3℃での安定性ならびに洗浄性において、すべて良好であることがわかる(実施例1〜48参照)。
一方、本発明の範囲から外れる麺類のほぐれ改良剤は、麺類のほぐれ性、温度40℃および−3℃での安定性ならびに洗浄性において、少なくとも1つに劣ることがわかる(比較例1〜7参照)。