特許第5767023号(P5767023)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767023
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】ゴルフボール
(51)【国際特許分類】
   A63B 37/00 20060101AFI20150730BHJP
   A63B 45/02 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   A63B37/00 118
   A63B45/02
【請求項の数】15
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-123329(P2011-123329)
(22)【出願日】2011年6月1日
(65)【公開番号】特開2011-251124(P2011-251124A)
(43)【公開日】2011年12月15日
【審査請求日】2014年5月30日
(31)【優先権主張番号】12/792,139
(32)【優先日】2010年6月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592014104
【氏名又は名称】ブリヂストンスポーツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100118407
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 尚美
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100125036
【弁理士】
【氏名又は名称】深川 英里
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100154298
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100162330
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 幹規
(72)【発明者】
【氏名】中川 拓麻
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 克典
【審査官】 高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2002/0123395(US,A1)
【文献】 特開2002−336377(JP,A)
【文献】 特開2008−155049(JP,A)
【文献】 特開平10−175219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 37/00
A63B 45/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフボールであって、
前記ゴルフボールの表面に設けられた複数のディンプルと、
前記複数のディンプル間に存在し、前記ゴルフボールの中心をその中心とする球の球面の一部をその表面とする第1の陸部と、
前記第1の陸部と境界を接しており、又は前記第1の陸部及び前記複数のディンプルと境界を接しており、前記第1の陸部の球状の表面よりも曲率が小さい表面又は平面であり、前記第1の陸部の球状の表面よりも曲率が小さい表面は、前記ゴルフボールの外側に向かって湾曲した表面である第2の陸部と、
前記第2の陸部に実質的に配置された刻印と
を含むゴルフボール。
【請求項2】
前記刻印の一部が、前記第2の陸部からはみ出している請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項3】
前記刻印の面積の80%以上が、前記第2の陸部内にある請求項1又は2に記載のゴルフボール。
【請求項4】
前記第2の陸部の表面が平面である請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボール。
【請求項5】
前記第2の陸部が、3個以上の前記ディンプルにより囲まれている請求項1〜のいずれか一項に記載のゴルフボール。
【請求項6】
前記第2の陸部が、7個以下の前記ディンプルにより囲まれている請求項1〜のいずれか一項に記載のゴルフボール。
【請求項7】
前記複数のディンプルが、2以上の異なる大きさを有する請求項1〜のいずれか一項に記載のゴルフボール。
【請求項8】
前記第2の陸部の大きさが、前記複数のディンプルのうち、最も大きいディンプルより小さい請求項に記載のゴルフボール。
【請求項9】
前記第2の陸部の大きさが、前記複数のディンプルのうち、最も小さいディンプルより大きい請求項に記載のゴルフボール。
【請求項10】
前記刻印の最大長が、前記複数のディンプルのうち、最も大きいディンプルの最大長の1.2倍より小さい請求項に記載のゴルフボール。
【請求項11】
前記刻印を少なくとも2以上含む請求項1〜10のいずれか一項に記載のゴルフボール。
【請求項12】
前記刻印が1つ又は複数形成されており、前記1つ又は複数の刻印を囲むディンプルの数が、本ゴルフボールに形成されるディンプルの総数の30%以下である請求項1〜10のいずれか一項に記載のゴルフボール。
【請求項13】
前記第2の陸部の表面から前記刻印の底までの最深点が、0.05mm以上である請求項1〜12のいずれか一項に記載のゴルフボール。
【請求項14】
前記第2の陸部の表面から前記刻印の底までの最深点が、0.2mm以下である請求項1〜13のいずれか一項に記載のゴルフボール。
【請求項15】
前記刻印が、ゴルフまたはボールに関するシンボル又は単語を含む請求項1〜14のいずれか一項に記載のゴルフボール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刻印を有するゴルフボールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ゴルフボールの表面には、記号や数字、文字、模様などの印が表示されている。このような印をゴルフボールの表面に付ける方法としては、ボール表面にインキを印刷または転写する方法や、ボール表面を彫る方法がある。
【0003】
前者の方法は、ゴルフボールの表面に複数のディンプルが密度高く配置されているため、印刷不良が生じやすいという問題がある。後者の方法は、ロゴなどの複雑な形状を有する印を彫るのは難しいという問題がある。また、ボール表面を彫ると、凹部の縁が鋭く尖り、これがゴルフボールの空気力学的特性に悪影響を与え得るという問題がある。
【0004】
そこで、米国特許第7303492号明細書には、ディンプルの形状を、テキスト文字、キャラクター又はその他のシンボルにしたゴルフボールが記載されている。しかしながら、ディンプルでこのようなシンボルを構成すると、シンボル自体が非常に大きくなり、所望するシンボルをゴルフボール表面に表示しようとすると、ゴルフボールの空気力学的特性に与える影響が大き過ぎるという問題がある。
【0005】
また、米国特許第7273426号明細書および米国特許第7618332号明細書には、複数のディンプルおよびその間の陸部に、それら表面から深さが全体に実質上均等な窪みを形成して、この窪みによって、文字、図形等の模様を表示したゴルフボールが記載されている。この深さが実質上均等な刻印は、ゴルフボールのカバー層を、金型を用いて射出成形して成型する際に、ディンプルと同時に形成することが記載されている。
【0006】
通常、ゴルフボールのカバー層を金型成形すると、ゴルフボールの表面には、金型のサポートピン及びベントピン並びに継ぎ目に対応する箇所において、バリが発生することがある。このバリは、ゴルフボールの空気力学的特性を大きく損なう要因となるため、研磨により除去する必要がある。バリを除去するためにゴルフボールの表面を研磨すると、ゴルフボール表面に形成された刻印の深さが減少し、刻印の形状を崩す可能性があるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7303492号明細書
【特許文献2】米国特許第7273426号明細書
【特許文献3】米国特許第7618332号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、ゴルフボール表面を研磨した後も、その形状が維持される刻印であって、ゴルフボールの空気力学的特性に与える影響が小さい刻印を有するゴルフボールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るゴルフボールは、前記ゴルフボールの表面に設けられた複数のディンプルと、前記複数のディンプル間に存在し、前記ゴルフボールの中心をその中心とする球の球面の一部をその表面とする第1の陸部と、前記第1の陸部と境界を接しており、又は前記第1の陸部及び前記複数のディンプルと境界を接しており、前記第1の陸部の球状の表面よりも曲率が小さい表面を有する第2の陸部と、前記第2の陸部に実質的に配置された刻印とを含むものである。
【0010】
前記刻印の一部は、前記第2の陸部からはみ出していてもよい。前記刻印の面積の80%以上は、前記第2の陸部内にあることが好ましい。前記第2の陸部の表面は、平面にしてもよい。
【0011】
前記刻印の有無により、ボール初速72m/s、スピン量2800rpmの条件における抗力係数CD及び揚力係数CLの変化は、それぞれ0.005以内となることが好ましい。
【0012】
前記刻印は、ゴルフまたはボールに関するシンボル、単語、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。
【発明の効果】
【0013】
このように本発明によれば、ゴルフボールの陸部として、ゴルフボールの球面と同じ曲率の表面を有する第1の陸部と、この第1の陸部の表面よりも曲率が小さい表面を有する第2の陸部とを設け、この第2の陸部に刻印を配置することで、ゴルフボール表面を研磨した後も、刻印の形状を維持することができる。そのため、従来の刻印と比較して、小さな形状や複雑な形状を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係るゴルフボールの表面を示す平面図である。
図2図1に示すゴルフボールの線II−IIに沿った断面図である。
図3】本発明の別の実施の形態に係るゴルフボールの表面を示す平面図である。
図4図3に示すゴルフボールの線IV−IVに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。
【0016】
図1及び図2に示すように、ゴルフボール10の表面には、複数のディンプル12が形成されている。これら複数のディンプル12の間のゴルフボール表面は、本明細書において、通常、第1の陸部14と呼ばれる。第1の陸部14は、球状に湾曲した表面を有しており、この球状の表面は、ゴルフボール10の中心をその中心とする仮想球15の表面の一部である。ディンプル12の底面は、仮想球15の表面から窪んでおり、陸部14との境界線から、ディンプル12の深さが最も深い位置であるディンプル中心へと向かって、滑らかな曲面の形状を有している。
【0017】
本実施の形態では、図1及び図2に示すように、第1の陸部14の球面の一部を平面状に切り取ったような第2の陸部16が形成されている。すなわち、この第2の陸部16は、平らな表面を有しており、第1の陸部14と第2の陸部16との境界線は、円形となっている。そして、この第2の陸部16に、刻印18が形成されている。
【0018】
刻印18として、図1に、ブリヂストンスポーツ社のツアーステージ(登録商標)のロゴを示したが、刻印18は、これに限定されず、記号や、数字、文字、絵、ロゴなどの1つ又は複数のシンボルを含んでもよいし、英語や日本語などの1つ又は複数の単語を含んでもよい。これらシンボルおよび単語は、会社名や商品名、商標、人名、イメージキャラクターなどのゴルフまたはボールに関係するものでもよいし、ゴルフまたはボールとは直接的には関係ないものでもよい。刻印18そのものの面積は、下限として、0.2mm以上が好ましく、0.8mm以上がより好ましい。また、刻印18の面積は、上限として、50.3mm以下が好ましく、38.9mm以下がより好ましい。
【0019】
刻印18の一部は、図1に示すように、第2の陸部16からはみ出していてもよいし、刻印18全体が、第2の陸部16内に収まってもよい。好ましくは、刻印18の面積の80%以上が、第2の陸部16内にあるようにする。なお、刻印の面積とは、陸部の表面から窪んだ部分の面積をいう。例えば、図1及び図2に示すように、刻印16の輪郭線の内側全体が窪んでいる場合、この輪郭線で囲まれた面積が、刻印18の面積となる。より好ましくは、刻印18の面積の90%以上が、第2の陸部16内にあるようにする。
【0020】
図2には、刻印18の深さが一定の場合を示したが、これに限定されず、刻印18の深さは、刻印の場所によって変化させることができる。第2の陸部16の表面から刻印18の底までの最深点は、0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。一方、刻印の最深点は、深すぎると、ゴルフボールの空気力学的性能に与える影響が大きくなることから、0.2mm以下が好ましく、0.15mm以下がより好ましい。
【0021】
図1には、刻印18および第2の陸部16が、6個のディンプル12に囲まれている場合を示したが、これに限定されるものではない。刻印18および第2の陸部16は、3個以上のディンプル12に囲まれていることが好ましい。一方、刻印18および第2の陸部16は、7個以下のディンプル12に囲まれていることが好ましい。
【0022】
また、ゴルフボール10の表面に形成する全てのディンプル12は、同一の大きさを有してもよいし、2以上の異なる大きさを有してもよい。好ましくは3以上の異なる大きさを有するディンプルを配置することで、ゴルフボール10の表面全体に隙間なく均一に配置することができる。
【0023】
このように2以上の異なる大きさのディンプル12を形成した場合、第2の陸部16の大きさは、最も大きいディンプルより小さくすることが好ましい。第2の陸部16の面積は、下限として、0.2mm以上が好ましく、0.8mm以上がより好ましい。また、第2の陸部16の面積は、大き過ぎると空気力学的性能に悪影響を与えることから、上限として、50.3mm以下が好ましく、38.9mm以下がより好ましい。また、第2の陸部の大きさは、最も小さいディンプルより大きくすることが好ましい。刻印18の最大長は、最も大きいディンプルの最大長の1.2倍より小さくすることが好ましい。なお、刻印18の最大長とは、刻印18の輪郭上の2点を結ぶ距離が最大となる長さをいう。ディンプルの最大長は、ディンプルが円形の場合、その直径である。
【0024】
刻印18は、ゴルフボール10の全表面に1つだけ形成してもよいし、2つ以上形成してもよい。1つまたは複数の刻印18を囲むディンプル12の数は、ゴルフボール表面に形成されたディンプルの総数の30%以下とすることが好ましい。例えば、ディンプルの総数が272個の場合、刻印を囲むディンプルの数を82個以下にすることが好ましい。よって、例えば、1つの刻印を囲むディンプルの数を4個とする場合、刻印を6〜20個形成することができる。特に、1つまたは複数の刻印18を囲むディンプル12の数は、ディンプル総数の10%以下とすることがより好ましい。例えば、ディンプルの総数が272個の場合、刻印を囲むディンプルの数を27個以下にすることが好ましい。よって、例えば、1つの刻印を囲むディンプルの数を5個とする場合、刻印を1〜5個形成することができる。
【0025】
なお、ゴルフボール表面に形成されたディンプルの総数は、150個以上が好ましく、200個以上がより好ましく、250個以上が更に好ましく、300個以上がより更に好ましい。一方、ディンプルの総数は、500個以下が好ましく、400個以下がより好ましく、360個以下が更に好ましい。
【0026】
また、図1には、円形のディンプル12のみを示したが、これに限定されず、陸部とディンプルとの境界線が曲線部と直線部からなる非円形ディンプルを、円形ディンプルとともに又は単独で、形成してもよい。
【0027】
刻印18は、上述したように、ディンプルとほぼ同等か又はそれよりも小さく、且つ深さも浅いことから、刻印18がゴルフボール10の空気力学的特性に与える影響は小さい。好ましくは、刻印が無い場合のゴルフボールをボール初速72m/s、スピン量2800rpmの条件で打ち出した場合の抗力係数及び揚力係数をCD及びCLとすると、刻印が有る場合のゴルフボールを同条件で打ち出した場合の抗力係数CD及び揚力係数CLは、CD及びCLとの差が0.005以内となるようにすることができる。
【0028】
このような第2の陸部16及び刻印18は、ゴルフボールを製造する方法において、ゴルフボールのカバー層を形成する工程で、形成することができる。具体的には、カバー層は、金型内にカバー層用の材料を射出成形することによって形成する。このカバー層の金型は、第1の陸部の表面を形成するためのキャビティ壁面と、このキャビティ壁面から突出するディンプル形成用の凸部と、第2の陸部を形成するための平面部とを備えるようにする。また、第2の陸部形成用の平面部には、刻印を形成するための突起部を設ける。このような金型により、第2の陸部16の平らな表面に刻印18が入ったゴルフボールを成型することができる。
【0029】
この金型を用いてゴルフボールを成型した後、このゴルフボールの表面全体を、表面に形成されたバリ等を除去するために、研磨する。研磨方法は、従来の研磨方法を採用することができる。刻印18は、第1の陸部14の表面よりも低くなった第2の陸部16の表面に形成されているので、ゴルフボール表面を研磨しても、第2の陸部16表面が研磨されることを防ぐことができ、よって、刻印18の形状を維持することができる。
【0030】
また、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、図3及び図4に示す別の実施の形態であるゴルフボール20を含むものである。例えば、図1及び図2では、第2の陸部16の平面形状を円形にしたが、図3及び図4に示すように、ゴルフボール20では、第2の陸部26の表面は、第1の陸部24の球状の表面およびその周囲のディンプル22の縁部も切り取ったような表面にすることができる。すなわち、第2の陸部26は、第1の陸部24との境界とともに、ディンプル22の境界も有するようにすることができる。このように第2の陸部26を設計することで、所望する形状を有する刻印の全体を第2の陸部26の表面に配置するのが容易になる。
【0031】
また、図1及び図2では、第2の陸部16の表面は平面としたが、図4に示すように、第2の陸部26の表面は、ゴルフボールの外側に向かって湾曲した表面を有するようにすることができる。この湾曲した表面は、第1の陸部の球状の表面25よりも曲率を小さくする。このように湾曲した第2の陸部26の表面に刻印28を形成することで、ゴルフボール表面を研磨しても、第2の陸部26表面が研磨されることを防ぐことができ、よって、刻印28の形状を維持することができる。
【0032】
さらに、図1及び図2では、刻印18はその輪郭線の内側全体が第2の陸部16の表面から窪むように形成したが、図4に示すように、刻印28は、その輪郭部28aが、第2の陸部26の表面から窪むように形成することもできる。輪郭部28aで囲まれた領域28bは、第2の陸部26の表面と同じ曲率を有する湾曲した表面を有している。この場合、この刻印28の面積は、輪郭部28aの面積である。このような刻印にすることで、凹部分の面積を減少することができるので、ゴルフボールの空気力学的特性に与える影響を少なくすることができる。
【0033】
本発明のゴルフボールを成型するための金型の作製には、3DCAD又はCAMを使用し、反転用マスター型に、全表面形状を直接的に3次元で削りだす手法や、又は成型用金型のキャビティ部を直接3次元で削りだす手法を用いることができる。カバー層用の材料としては、これらに限定されないが、アイオノマー樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、熱硬化性ポリウレタンを使用することができる。ゴルフボールの構造は、ワンピースボールであっても、2ピース以上のマルチピースのゴルフボールであっても良い。
【0034】
本発明に係るゴルフボールの具体的な実施の形態について説明してきたが、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではなく、当業者にとって明らかな変更、修正は、全て本発明の技術的範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4