【実施例1】
【0022】
図3は本発明による制御弁の一実施例を示す縦断面図である。尚、
図3において、
図1と共通部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0023】
図3に示されるように、制御弁10Aの軸受け50は、従来のものよりも弁軸20の軸方向の長さが長く形成されている。ここで、軸受け50の具体的な構成について説明する。
【0024】
図4は本発明による制御弁の軸受け構造を拡大して示す縦断面図である。
図4に示されるように、軸受け50は、3つのブッシュ51〜53を弁軸20の軸方向に同軸的に結合されており、各第1〜第3ブッシュ51〜53をボルト55により締結した構成である。各ブッシュ51〜53は、軸方向の端面に形成された凹部と突部とが嵌合することで位置合わせが行える。第1ブッシュ51及び第3ブッシュ53は、上部軸受け部材61、下部軸受け部材63を保持する軸受け保持部材であり、第2ブッシュは内周側シール部材111,112を保持するシール保持部材である。
【0025】
第1ブッシュ51は、中央に弁軸20が挿通される貫通穴57が設けられ、貫通穴57の内周側に上部軸受け部材61が装着される軸受け保持段部71が設けられている。また、第1ブッシュ51の外周には、上部本体26の上端開口28の周縁部に当接するストッパとしての鍔部81と、外周側シール部材82が装着されるシール保持段部83とが設けられている。尚、上部軸受け部材61は、軸受け保持段部71及び第2ブッシュ52の上端により形成された溝に保持される。
【0026】
そして、第1ブッシュ51の上面には、下方に貫通するボルト挿通孔91が形成されている。また、第1ブッシュ51の下面には、第2ブッシュ52の上端が嵌合する円形凹部101と、円形凹部101の周囲を囲むように突出する環状凸部102とを有する。また、外周側シール部材82は、シール保持段部83と第1ブッシュ51の環状凸部102により形成された溝に保持される。
【0027】
第2ブッシュ52は、上端が第1ブッシュ51の円形凹部101、環状凸部102に嵌合するように形成され、下端が第3ブッシュ53の円形凹部122、環状凸部124に嵌合するように形成されており、第1ブッシュ51と第3ブッシュ53との間に挿入される。
【0028】
また、第2ブッシュ52は、中央に弁軸20が挿通される貫通穴58が設けられ、両端部の外周面に上部本体26の上端開口28との隙間をシールする内周側シール部材111,112が装着されるシール部材保持溝72、73が形成されている。さらに、貫通穴58の内周面には、連通孔40に連通された潤滑剤供給溝74と、潤滑剤供給溝74の上下位置に形成されたシール部材保持溝72、73とが設けられている。
【0029】
さらに、第2ブッシュ52の上下端面には、ボルト55が螺入されるネジ孔92、93が設けられている。潤滑剤供給溝74には、潤滑剤(グリース)が充填されており、弁軸20の外周面に油膜を形成して内周側シール部材111,112によるシール性を高めている。
【0030】
第3ブッシュ53は、前述した第1ブッシュ51と同様な構成であり、中央に弁軸20が挿通される貫通穴59が設けられ、貫通穴59の内周側に下部軸受け部材63が装着される軸受け保持段部77が設けられている。また、第3ブッシュ53の外周には、外周側シール部材84が装着されるシール保持溝85が設けられている。下部軸受け部材63は、軸受け保持段部77と第2ブッシュ52に下面との間に形成される溝に保持される。
【0031】
そして、第3ブッシュ53の下面には、上方に貫通するボルト55が挿通されるボルト挿通孔94が形成されている。また、第3ブッシュ53の下面には、第2ブッシュ52の下端が嵌合する円形凹部122と、円形凹部122の周囲を囲むように突出する環状凸部124とを有する。
【0032】
本実施例では、上記上部軸受け部材61、下部軸受け部材63及び内周側シール部材111,112が弁軸20の外周に接触する構成であり、各ブッシュ51〜53の貫通穴57〜59の内周面は、弁軸20の外周面に接触しないように微小の隙間を介して非接触となるように形成されている。
【0033】
このように、軸受け50は、各ブッシュ51〜53が分割可能に結合される構成であるので、組立て前に上部軸受け部材61、下部軸受け部材63、外周側シール部材82、外周側シール部材84、内周側シール部材111,112を予め装着した状態のものを用意し、その後、各ブッシュ51〜53を同軸的に組み合わせ、ボルト55をボルト挿通孔91、94から各ネジ孔92、93に螺入させて締結する。これにより、各ブッシュ51〜53からなる軸受け50は、一体化され、一部品からなるものと同様に交換作業を容易に行える。尚、各ブッシュ51〜53を同軸的に組み合わせことで貫通穴57〜59は、上下方向に連通され、弁軸20の挿通が可能になる。
【0034】
また、内周側シール部材111,112と上部軸受け部材61、下部軸受け部材63との軸方向の離間距離L2が従来の離間距離Laよりも大きく(L2>La)設定されており、弁軸20の上部軸受け部材61、下部軸受け部材63との摺接部分が内周側シール部材111,112に達しないように調整できる。これにより、軸受け50の耐久性を高めることが可能になる。
【0035】
また、上部軸受け部材61、下部軸受け部材63の軸方向長さを長くすることにより、上部軸受け部材61、下部軸受け部材63との摺動抵抗や圧力増大による片寄り動作が軽減されて圧力制御時の弁軸20の動作が安定してスムーズになる。
【0036】
尚、制御弁10Aにおいて、二次圧力は下流側でのガス使用量によって変動するが、通常ガス使用量が時間帯によって段階的に変化するため、圧力制御時の弁軸20及び弁体18の変位量も比較的小さい。従って、内周側シール部材111,112と上部軸受け部材61、下部軸受け部材63との軸方向の離間距離L2としては、通常の弁体変位量に相当する距離であれば良いので、ダイヤフラム27の最大変位量(L1)の近傍であれば良く、L1以上に設定しなくても良い。すなわち、離間距離L2は、L1>L2>Laであれば良い。
【0037】
尚、
図4において、上部軸受け部材61、下部軸受け部材63と内周側シール部材111,112との配置を入れ替えた構成としても良いのは、言うまでもない。この場合、内周側シール部材111,112が軸受け50の両端近傍に配され、上部軸受け部材61、下部軸受け部材63が軸受け50の中心付近に配されることになるが、弁軸20に対する安定性を考慮すると、上部軸受け部材61と下部軸受け部材63との離間距離(間隔)をできるだけ大きくとることが望ましい。
【0038】
また、本実施例において、各ブッシュ51〜53を締結する締結手段として、上記ボルト55の代わりに第2ブッシュ52の上端が第1ブッシュ51の円形凹部101に直接螺合し、下端が第3ブッシュ53の円形凹部122に直接螺合するように構成しても良い。
〔変形例1〕
図5は軸受けの変形例1を拡大して示す縦断面図である。尚、
図5において、
図4と共通部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0039】
図5に示されるように、変形例1の軸受け50Aは、各ブッシュ51A〜53Aが分割可能に結合される構成であり、第1ブッシュ51A及び第3ブッシュ53Aに保持された上部軸受け部材61、下部軸受け部材63と内周側シール部材111,112との離間距離L3をダイヤフラム27の最大変位量以上に設定してある(L3>L1)。すなわち、上部軸受け部材61、下部軸受け部材63を保持する軸受け保持部71A、77Aの軸方向の延在長さを従来のものよりも長くすることで上部軸受け部材61、下部軸受け部材63と内周側シール部材111,112との離間距離L3をダイヤフラム27の最大変位量(L1)以上に設定している。
【0040】
これにより、二次圧力の圧力変動が増大してダイヤフラム27が開弁方向及び閉弁方向の最大変位量まで変位した場合でも、弁軸20の上部軸受け部材61、下部軸受け部材63との摺接部分が内周側シール部材111,112まで達することがなく、弁軸20の摩耗部分が内周側シール部材111,112に達することによる漏れを確実に防止できる。よって、軸受け50Aの各部品の材質は同じまま上部軸受け部材61、下部軸受け部材63の取付位置を軸方向に変更することで内周側シール部材111,112のシール性を高めることが可能になる。これにより、弁軸20の軸受け50Aの耐久性を高めることが可能になる。
【0041】
本変形例1では、上記実施例と同様に、上部軸受け部材61、下部軸受け部材63及び内周側シール部材111,112が弁軸20の外周に接触する構成であり、各ブッシュ51A〜53Aの貫通穴57A〜59Aの内周面は、弁軸20の外周面に接触しないように微小の隙間を介して非接触となるように形成されている。
【0042】
尚、ダイヤフラム27の最大変位する確率が低いことを考慮すれば、第1ブッシュ51A及び第3ブッシュ53Aに保持された上部軸受け部材61、下部軸受け部材63と内周側シール部材111,112との離間距離L3をダイヤフラム27の最大変位量近傍としても、弁軸20の摩耗部分が内周側シール部材111,112に達することによる漏れを防止できるのは勿論である。
【0043】
また、変形例1において、各ブッシュ51〜53を締結する締結手段として、上記ボルト55の代わりに第2ブッシュ52の上端が第1ブッシュ51の円形凹部101に直接螺合し、下端が第3ブッシュ53の円形凹部122に直接螺合するように構成しても良い。
〔変形例2〕
図6は軸受けの変形例2を拡大して示す縦断面図である。尚、
図6において、
図4、
図5と共通部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0044】
図6に示されるように、変形例2の軸受け50Bでは、各ブッシュ51B〜53Bが分割可能に結合される構成であり、ブッシュ51Bの内周において、内周側シール部材111,112と上部軸受け部材61、下部軸受け部材63との間にダストシール部材131、132を保持するダストシール保持段部134,136が形成されている。ダストシール部材131、132は、ダストシール保持段部134,136及びブッシュ51B、51Cの端部との間に形成された溝に保持される。
【0045】
ダストシール部材131、132は、弁軸20の軸方向の変位に伴って上部軸受け部材61、下部軸受け部材63を摺接した際に発生する摩耗粉などのダストが内周側シール部材111,112に付着しないように弁軸20の外周面からダストを除去するものである。
【0046】
尚、ダストシール部材131、132としては、例えば断面形状が円形に形成されたOリングでも良いし、または断面形状がV字状またはU字状に形成されたリップシール部材でも良いし、または摺動抵抗を軽減するため4フッ化エチレンからなるシール部材を用いても良い。
【0047】
変形例2では、軸受け50Bの内周にダストシール部材131、132を設けることにより、上部軸受け部材61、下部軸受け部材63で発生する磨耗粉やダストの侵入を遮断して内周側シール部材111,112が摩耗粉により損傷することを防止できる。よって、軸受け50Bの耐久性を高めることが可能になる。さらに、変形例2の様に、ダストシール部材131、132にOリングを使用すれば、二重シール構造となるので、ダストシール部材131、132によるシール性が低下した場合でも内周側シール部材111,112により弁軸20の外周面からの漏れをより確実に確保できる。
【0048】
また、軸受け50Bの内周において、ダストシール部材131、132は、内周側シール部材111,112と近接した位置に同軸的に配されている。しかし、軸受け50Bは各ブッシュ51B〜53Bが分割可能に結合される構成であるので、ダストシール部材131、132及び内周側シール部材111,112の装着、交換作業が容易に行える。
【0049】
本変形例2では、上記実施例及び変形例1と同様に、上部軸受け部材61、下部軸受け部材63及び内周側シール部材111,112が弁軸20の外周に接触する構成であり、各ブッシュ51B〜53Bの貫通穴57B〜59Bの内周面は、弁軸20の外周面に接触しないように微小の隙間を介して非接触となるように形成されている。
【0050】
また、変形例2において、各ブッシュ51B〜53Bを締結する締結手段として、上記ボルト55の代わりに第2ブッシュ52の上端が第1ブッシュ51の円形凹部101に直接螺合し、下端が第3ブッシュ53の円形凹部122に直接螺合するように構成しても良い。