特許第5767126号(P5767126)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767126
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/24 20060101AFI20150730BHJP
   B60S 1/34 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   B60S1/24
   B60S1/34 B
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-10352(P2012-10352)
(22)【出願日】2012年1月20日
(65)【公開番号】特開2013-139243(P2013-139243A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2014年8月25日
(31)【優先権主張番号】特願2011-267250(P2011-267250)
(32)【優先日】2011年12月6日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000101352
【氏名又は名称】アスモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】疋田 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】田邊 剛史
(72)【発明者】
【氏名】小林 昌樹
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−016107(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0261191(US,A1)
【文献】 特開平07−047930(JP,A)
【文献】 特開昭61−027742(JP,A)
【文献】 特開昭53−026035(JP,A)
【文献】 実開昭58−157756(JP,U)
【文献】 特開2007−302038(JP,A)
【文献】 米国特許第05369837(US,A)
【文献】 特開2003−112609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00 − 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力軸を180°より大きく360°未満の角度範囲で往復回動させる駆動源と、
前記出力軸と一体回動可能に設けられるとともに該出力軸の軸中心からずれた位置に設けられて該出力軸の回動によって円弧運動する円弧運動部と、
前記出力軸の軸中心からずれたピボット軸中心で回動可能に設けられ、前記円弧運動部と係合するとともに、前記円弧運動部が円弧運動するとその係合位置がスライドしながら該円弧運動部に付勢されて前記出力軸よりも小さい角度範囲で往復回動し、被駆動部材を一体的に往復回動させるためのレバー部材と
を備え
前記出力軸、前記円弧運動部、及び前記レバー部材が単一のケース内に収容されたことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
出力軸を180°より大きく360°未満の角度範囲で往復回動させる駆動源と、
前記出力軸と一体回動可能に設けられるとともに該出力軸の軸中心からずれた位置に設けられて該出力軸の回動によって円弧運動する円弧運動部と、
前記出力軸の軸中心からずれたピボット軸中心で回動可能に設けられ、前記円弧運動部と係合するとともに、前記円弧運動部が円弧運動するとその係合位置がスライドしながら該円弧運動部に付勢されて前記出力軸よりも小さい角度範囲で往復回動し、被駆動部材を一体的に往復回動させるためのレバー部材と
を備え、
前記駆動源はモータ本体とウォームギヤとからなり、前記出力軸は前記ウォームギヤのウォームホイールであることを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項に記載の駆動装置において、
前記円弧運動部は、前記ウォームホイールの一端面に設けられたことを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項又はに記載の駆動装置において、
前記ピボット軸は、その軸方向に前記ウォームギヤが重なるように配置されたことを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項乃至のいずれか1項に記載の駆動装置において、
前記ウォームギヤを収容するギヤハウジングには、前記レバー部材の前記円弧運動部による往復回動範囲を越える位置でのそれ以上の回動を規制するためのストッパ部が設けられたことを特徴とする駆動装置。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の駆動装置において、
前記レバー部材には、その軸方向から見て略長方形の収容部が形成され、
前記円弧運動部は、前記収容部内で長手方向にスライド可能に設けられるべく前記収容部の長手方向に延びる平行な内面と面で摺接可能な平行平坦面を有したことを特徴とする駆動装置。
【請求項7】
出力軸を180°より大きく360°未満の角度範囲で往復回動させる駆動源と、
前記出力軸と一体回動可能に設けられるとともに該出力軸の軸中心からずれた位置に設けられて該出力軸の回動によって円弧運動する円弧運動部と、
前記出力軸の軸中心からずれたピボット軸中心で回動可能に設けられ、前記円弧運動部と係合するとともに、前記円弧運動部が円弧運動するとその係合位置がスライドしながら該円弧運動部に付勢されて前記出力軸よりも小さい角度範囲で往復回動し、被駆動部材を一体的に往復回動させるためのレバー部材と
を備え、
前記被駆動部材は、ワイパであり、
前記レバー部材は、前記ワイパの一部を構成する基端側の部材であるアームヘッドであって、
前記アームヘッドには、前記ワイパの長手方向に沿って延びる収容部が形成され、
前記円弧運動部は、前記収容部内で前記長手方向にスライド可能に設けられたことを特徴とする駆動装置。
【請求項8】
請求項7に記載の駆動装置において、
前記円弧運動部と一体的にスライドして前記円弧運動部の前記収容部内での位置に関わらず前記収容部の開口を閉塞する可動閉塞部材を備えたことを特徴とする駆動装置。
【請求項9】
出力軸を180°より大きく360°未満の角度範囲で往復回動させる駆動源と、
前記出力軸と一体回動可能に設けられるとともに該出力軸の軸中心からずれた位置に設けられて該出力軸の回動によって円弧運動する円弧運動部と、
前記出力軸の軸中心からずれたピボット軸中心で回動可能に設けられ、前記円弧運動部と係合するとともに、前記円弧運動部が円弧運動するとその係合位置がスライドしながら該円弧運動部に付勢されて前記出力軸よりも小さい角度範囲で往復回動し、被駆動部材を一体的に往復回動させるためのレバー部材と
を備え、
前記出力軸を180°より大きく360°未満の予め設定された角度範囲で往復回動させるべく前記出力軸の回動角度を検出可能なセンサを備え、
前記レバー部材には、その軸方向から見て略長方形の収容部が形成され、
前記円弧運動部は、前記収容部内で長手方向にスライド可能に設けられ、
前記収容部の長手方向端部は、前記センサによる予め設定された角度範囲での前記出力軸の往復回動を越える位置でのそれ以上の回動を規制可能な位置に形成されたことを特徴とする駆動装置。
【請求項10】
出力軸を180°より大きく360°未満の角度範囲で往復回動させる駆動源と、
前記出力軸と一体回動可能に設けられるとともに該出力軸の軸中心からずれた位置に設けられて該出力軸の回動によって円弧運動する円弧運動部と、
前記出力軸の軸中心からずれたピボット軸中心で回動可能に設けられ、前記円弧運動部と係合するとともに、前記円弧運動部が円弧運動するとその係合位置がスライドしながら該円弧運動部に付勢されて前記出力軸よりも小さい角度範囲で往復回動し、被駆動部材を一体的に往復回動させるためのレバー部材と
を備え、
前記レバー部材には、その軸方向から見て略長方形の収容部が形成され、
前記円弧運動部は、前記収容部内で長手方向にスライド可能に設けられるべく前記収容部の長手方向に延びる平行な内面と摺接可能に設けられ、
前記レバー部材は、前記収容部を構成する部分のみが樹脂製とされるとともに、その他の部分が金属製とされ、
前記円弧運動部は、金属製とされたことを特徴とする駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパ装置等の駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動装置の1つであるワイパ装置としては、駆動源であるモータ本体の出力軸にワイパを直接固定するダイレクト式のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。又、ワイパ装置としては、四節リンク機構を用い、出力軸を1回転させることでワイパを例えば90°や110°等の角度範囲で1往復回動(揺動)させるものがある(例えば、特許文献2参照)。このような四節リンク機構を用いたワイパ装置では、ダイレクト式のものに比べて、出力軸からワイパまでの間(四節リンク機構)で高トルク化を図ることができるので、ワイパを所定のトルクで回動させるために必要となる駆動源(特許文献1では、モータ本体とウォームギヤ)が発生するトルク(出力軸のトルク)を小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−120551号公報
【特許文献2】特開2008−35629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年ではワイパ装置の車両への搭載性を向上させるため等、駆動装置における駆動源の更なる小型化が要求されている。具体的には、駆動源がモータ本体である場合そのモータ本体の小型化や、駆動源がモータ本体と減速ギヤよりなる場合そのモータ本体と減速ギヤの内の少なくとも一方の小型化が要求されている。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、駆動源の小型化を図ることができ、ひいては搭載性の向上を図ることができる駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、出力軸を180°より大きく360°未満の角度範囲で往復回動させる駆動源と、前記出力軸と一体回動可能に設けられるとともに該出力軸の軸中心からずれた位置に設けられて該出力軸の回動によって円弧運動する円弧運動部と、前記出力軸の軸中心からずれたピボット軸中心で回動可能に設けられ、前記円弧運動部と係合するとともに、前記円弧運動部が円弧運動するとその係合位置がスライドしながら該円弧運動部に付勢されて前記出力軸よりも小さい角度範囲で往復回動し、被駆動部材を一体的に往復回動させるためのレバー部材とを備え、前記出力軸、前記円弧運動部、及び前記レバー部材が単一のケース内に収容されたことを要旨とする。
【0007】
請求項1に記載の発明及び以下に示す請求項2,7,9,10に記載の発明の構成によれば、出力軸を180°より大きな角度範囲で回動させて被駆動部材を片道分(例えば90°)回動させることができる。よって、出力軸を1回転させることで被駆動部材を1往復回動させる、つまり出力軸を180°回動させることで被駆動部材を片道分(例えば90°)回動させる従来の四節リンク機構を備えたものに比べて、出力軸から被駆動部材までの間で高トルク化を図ることができる(図4参照)。これにより、被駆動部材を所定のトルクで回動させるために必要となる駆動源が発生するトルクを小さくすることができ(図5参照)、駆動源の小型化を図ることができる。具体的には、例えば、モータ本体を小型化したり、モータ本体の回転軸から出力軸までの減速ギヤを小型化することができる。
【0008】
請求項1に記載の発明の構成によれば、出力軸、円弧運動部、及びレバー部材が単一のケース内に収容されるため、各部材の駆動(回動や円弧運動やスライド)が異物によって阻害されることを簡単な構成(単一のケース)で防止することができる。
【0009】
請求項に記載の発明では、出力軸を180°より大きく360°未満の角度範囲で往復回動させる駆動源と、前記出力軸と一体回動可能に設けられるとともに該出力軸の軸中心からずれた位置に設けられて該出力軸の回動によって円弧運動する円弧運動部と、前記出力軸の軸中心からずれたピボット軸中心で回動可能に設けられ、前記円弧運動部と係合するとともに、前記円弧運動部が円弧運動するとその係合位置がスライドしながら該円弧運動部に付勢されて前記出力軸よりも小さい角度範囲で往復回動し、被駆動部材を一体的に往復回動させるためのレバー部材とを備え、前記駆動源はモータ本体とウォームギヤとからなり、前記出力軸は前記ウォームギヤのウォームホイールであることを要旨とする。
【0010】
同構成によれば、前記駆動源はモータ本体とウォームギヤとからなり、前記出力軸は前記ウォームギヤのウォームホイールであるため、ウォームギヤを備えていないものに比べて、(被駆動部材を所定のトルクで回動させるために必要となる)モータ本体が発生するトルクを小さくすることができる。
【0011】
請求項に記載の発明では、請求項に記載の駆動装置において、前記円弧運動部は、前記ウォームホイールの一端面に設けられたことを要旨とする。
同構成によれば、円弧運動部は、ウォームホイールの一端面に設けられるため、例えば、ウォームホイールの軸中心からずれた位置まで別部材のレバーを設け、そのレバーの先端に円弧運動部を設ける場合に比べて、簡単な構成とすることができたり、円弧運動部の剛性を容易に高くすることができる。
【0012】
請求項に記載の発明では、請求項又はに記載の駆動装置において、前記ピボット軸は、その軸方向に前記ウォームギヤが重なるように配置されたことを要旨とする。
同構成によれば、ピボット軸は、その軸方向に前記ウォームギヤが重なるように配置されるため、重ならないように配置した場合に比べて、ピボット軸の軸方向から見た駆動装置の小型化(投影面積の縮小)を図ることが可能となる。
【0013】
請求項に記載の発明では、請求項乃至のいずれか1項に記載の駆動装置において、前記ウォームギヤを収容するギヤハウジングには、前記レバー部材の前記円弧運動部による往復回動範囲を越える位置でのそれ以上の回動を規制するためのストッパ部が設けられたことを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、ウォームギヤを収容するギヤハウジングには、レバー部材の円弧運動部による往復回動範囲を越える位置でのそれ以上の回動を規制するためのストッパ部が設けられるため、例えば、被駆動部材側からの外力によって、レバー部材が円弧運動部による往復回動範囲を越える位置まで回動するとストッパ部にてそれ以上の回動が規制される。これにより、簡単な構成で、例えば、円弧運動部に強大な力が加わることを避けることができる。
【0015】
請求項7に記載の発明では、出力軸を180°より大きく360°未満の角度範囲で往復回動させる駆動源と、前記出力軸と一体回動可能に設けられるとともに該出力軸の軸中心からずれた位置に設けられて該出力軸の回動によって円弧運動する円弧運動部と、前記出力軸の軸中心からずれたピボット軸中心で回動可能に設けられ、前記円弧運動部と係合するとともに、前記円弧運動部が円弧運動するとその係合位置がスライドしながら該円弧運動部に付勢されて前記出力軸よりも小さい角度範囲で往復回動し、被駆動部材を一体的に往復回動させるためのレバー部材とを備え、前記被駆動部材は、ワイパであり、前記レバー部材は、前記ワイパの一部を構成する基端側の部材であるアームヘッドであって、前記アームヘッドには、前記ワイパの長手方向に沿って延びる収容部が形成され、前記円弧運動部は、前記収容部内で前記長手方向にスライド可能に設けられたことを要旨とする。
【0016】
同構成によれば、レバー部材はアームヘッドであって、アームヘッドにはワイパの長手方向に沿って延びる収容部が形成され、円弧運動部は、前記収容部内で長手方向にスライド可能に設けられるため、レバー部材及び円弧運動部を車両外部に設けながら小型化を図ることができるとともに、見栄えの悪化を抑えることができる。又、例えば、レバー部材及び円弧運動部を車両内部側に配置する構成に比べて、車両内部側に配置する部材を小さくすることができるため、車両内部の搭載スペースを小さくすることができ搭載性を向上させることができる。
【0017】
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の駆動装置において、前記円弧運動部と一体的にスライドして前記円弧運動部の前記収容部内での位置に関わらず前記収容部の開口を閉塞する可動閉塞部材を備えたことを要旨とする。
【0018】
同構成によれば、円弧運動部と一体的にスライドして円弧運動部の収容部内での位置に関わらず収容部の開口を閉塞する可動閉塞部材を備えるため、例えば、収容部内に異物が侵入することが防止され、ひいては円弧運動部のスライドが異物によって阻害されるといったことが防止される。
【0019】
請求項に記載の発明では、請求項1乃至のいずれか1項に記載の駆動装置において、前記レバー部材には、その軸方向から見て略長方形の収容部が形成され、前記円弧運動部は、前記収容部内で長手方向にスライド可能に設けられるべく前記収容部の長手方向に延びる平行な内面と面で摺接可能な平行平坦面を有したことを要旨とする。
【0020】
同構成によれば、円弧運動部は、レバー部材における収容部の長手方向に延びる平行な内面と面で摺接可能な平行平坦面を有するため、円弧運動部とレバー部材との摺接面の面圧を低くすることができ(局部的に大きな面圧となることを回避でき)、例えば局部的な大きな面圧により摺接面が変形してしまうことを抑えることができる。
【0021】
請求項に記載の発明では、出力軸を180°より大きく360°未満の角度範囲で往復回動させる駆動源と、前記出力軸と一体回動可能に設けられるとともに該出力軸の軸中心からずれた位置に設けられて該出力軸の回動によって円弧運動する円弧運動部と、前記出力軸の軸中心からずれたピボット軸中心で回動可能に設けられ、前記円弧運動部と係合するとともに、前記円弧運動部が円弧運動するとその係合位置がスライドしながら該円弧運動部に付勢されて前記出力軸よりも小さい角度範囲で往復回動し、被駆動部材を一体的に往復回動させるためのレバー部材とを備え、前記出力軸を180°より大きく360°未満の予め設定された角度範囲で往復回動させるべく前記出力軸の回動角度を検出可能なセンサを備え、前記レバー部材には、その軸方向から見て略長方形の収容部が形成され、前記円弧運動部は、前記収容部内で長手方向にスライド可能に設けられ、前記収容部の長手方向端部は、前記センサによる予め設定された角度範囲での前記出力軸の往復回動を越える位置でのそれ以上の回動を規制可能な位置に形成されたことを要旨とする。
【0022】
同構成によれば、収容部の長手方向端部は、センサによる予め設定された角度範囲での出力軸の往復回動を越える位置でのそれ以上の回動を規制可能な位置に形成されるため、例えば、センサが壊れた状態でも、出力軸が予め設定された角度範囲を越える位置まで回動すると収容部の長手方向端部にて(機械的に)それ以上の回動が規制される。これにより、簡単な構成で、予め設定された動作と大きく異なる動作をしてしまうことを避けることができる。
【0023】
請求項1に記載の発明では、出力軸を180°より大きく360°未満の角度範囲で往復回動させる駆動源と、前記出力軸と一体回動可能に設けられるとともに該出力軸の軸中心からずれた位置に設けられて該出力軸の回動によって円弧運動する円弧運動部と、前記出力軸の軸中心からずれたピボット軸中心で回動可能に設けられ、前記円弧運動部と係合するとともに、前記円弧運動部が円弧運動するとその係合位置がスライドしながら該円弧運動部に付勢されて前記出力軸よりも小さい角度範囲で往復回動し、被駆動部材を一体的に往復回動させるためのレバー部材とを備え、前記レバー部材には、その軸方向から見て略長方形の収容部が形成され、前記円弧運動部は、前記収容部内で長手方向にスライド可能に設けられるべく前記収容部の長手方向に延びる平行な内面と摺接可能に設けられ、前記レバー部材は、前記収容部を構成する部分のみが樹脂製とされるとともに、その他の部分が金属製とされ、前記円弧運動部は、金属製とされたことを要旨とする。
【0024】
同構成によれば、レバー部材は、収容部を構成する部分のみが樹脂製とされるとともに、その他の部分が金属製とされ、円弧運動部は、金属製とされるため、レバー部材の剛性(耐荷重性)を保ちながら、摺動時の摩擦力を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、駆動源の小型化を図ることができ、ひいては搭載性の向上を図ることができる駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本実施の形態におけるワイパ装置の一部分解斜視図。
図2】本実施の形態におけるワイパ装置の分解斜視図。
図3】本実施の形態におけるワイパ装置の動作を説明するための模式図。
図4】ワイパ回動角−ワイパ回動軸トルク特性図。
図5】出力軸回動角−駆動源必要トルク率特性図。
図6】出力軸回動角−トルク増幅率特性図
図7】別例におけるワイパ装置の分解斜視図。
図8】別例におけるワイパ装置の一部平面図。
図9】別例におけるウォームホイールと導体パターンを説明するための底面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の駆動装置をワイパ装置1に具体化した一実施の形態を図1図5に従って説明する。
図1及び図2に示すように、ワイパ装置1は、駆動源としてのモータ本体2と、クランクアーム3と、スライド部材4と、ピボット軸5(図2参照)と、被駆動部材としてのワイパ6とを備える。
【0028】
モータ本体2は、そのモータハウジング2aが図示しない車両ボディ等に固定される基台7の裏面(車両内部側の面)に固定され、その出力軸2bが基台7を貫通して基台7の表面側(車両外部側)に突出するように設けられている。モータ本体2は、例えばモータハウジング2a内部に出力軸2bの回転角度検出センサを備え、操作スイッチの操作等に基づいて、出力軸を270°の角度範囲で往復回動させる。そして、出力軸2bの先端部にはクランクアーム3が一体回転可能に固定されている。
【0029】
クランクアーム3は、図2に示すように、出力軸2bの軸直交方向に延び、その先端部に出力軸2bの軸線L1と平行な軸線L2(図3中、L2a,L2b)に沿って延びる筒状部3aを有する。そして、筒状部3aには、スライド部材4が(前記軸線L2を軸中心として)回転可能に支持される。
【0030】
スライド部材4は、筒状部3aに挿入されて回転可能に支持される軸部4aと、筒状部3aから突出した軸部4aの上端に形成され前記軸線L2と直交する軸線に沿って貫通した筒状の円弧運動部4bとを有する。この円弧運動部4bは、出力軸2bの回動によって円弧運動することになる(図3参照)。
【0031】
一方、前記基台7において、前記出力軸2bの軸線L1(軸中心)からずれた位置には、該軸線L1と平行な軸線L3に沿って延びるピボット軸5が固定されている。尚、本実施形態のピボット軸5は、図3に示すように、出力軸2bに対する円弧運動部4bの回動範囲の中央位置とは180°反対側の位置であって、出力軸2bから円弧運動部4bの回動半径の1.414倍だけ離間した位置に配置されている。言い換えると、本実施形態のピボット軸5(軸線L3)は、図3に示すように、出力軸2b(軸線L1)と回動両終端位置の円弧運動部4b(軸線L2a,L2b)と共に正方形の四隅を形成する位置に配置されている。そして、このピボット軸5には、ワイパ6の基端側が回動可能に支持される。
【0032】
詳しくは、ワイパ6は、ワイパアーム11と、該ワイパアーム11の先端に連結される図示しないワイパブレードとから構成されている。又、ワイパアーム11は、基端側がピボット軸5に支持されるレバー部材としてのアームヘッド12と、アームヘッド12の先端に連結されるリテーナ13とを備える。
【0033】
アームヘッド12は、アームヘッド本体14と、上側カバー15と、下側カバー16とを備える。アームヘッド本体14は、長尺状に形成され、その基端部における下部には、前記ピボット軸5に外嵌されることでアームヘッド本体14をピボット軸5に対して回転可能とする支持筒部14aが形成されている。
【0034】
又、アームヘッド本体14の長手方向中央部には、上下方向(前記軸線L1〜L3に沿った方向)に貫通するとともにワイパ6の長手方向に沿って延びる収容孔14bが形成されている。又、アームヘッド本体14の基端部における上部には、前記収容孔14bと壁14cで隔てられた凹部14dが形成されている。又、アームヘッド本体14における収容孔14bの内側面となる前記壁14cには、収容孔14bと前記凹部14dとが連通するように前記長手方向に貫通する支持貫通孔14eが形成されている。又、アームヘッド本体14における収容孔14bの他方の(前記壁14cと対向する)内側面には、前記長手方向(前記貫通孔14eの貫通方向)に沿って凹設された支持凹部14fが形成されている。又、前記壁14cにおいて、前記支持貫通孔14eの下方には、後述する長尺板状の可動閉塞部材17の長手方向に沿った移動を許容するための許容貫通孔14gが形成されている。
【0035】
そして、アームヘッド本体14の上部には、前記収容孔14bの上部及び凹部14dを閉塞するように上側カバー15が固定される。又、アームヘッド本体14の下部には、下側カバー16が固定される。この下側カバー16には、収容孔14bと対応した位置に長孔16aが形成されている。本実施形態では、前記収容孔14bの内側面と前記上側カバー15と長孔16aとによって、該長孔16aを開口とする収容部18がアームヘッド12に形成されることになる。尚、図1は、上側カバー15が固定されていない状態を図示しているが、図1では、上側カバー15にて閉塞されていない状態の収容部18に符号を付している。又、前記下側カバー16の上面には、図2に示すように、前記許容貫通孔14gと共に後述する板状の可動閉塞部材17の長手方向に沿った移動を許容するための許容凹部16bが形成されている。
【0036】
そして、前記スライド部材4の円弧運動部4bは、図1に示すように、前記収容部18内に収容されるとともに、前記支持貫通孔14eと前記支持凹部14fとに両端が支持されたスライド軸19に外嵌されることで、前記収容部18内で長手方向にスライド可能に設けられる。
【0037】
又、スライド部材4の軸部4aは、前記許容凹部16b及び許容貫通孔14gによって長手方向に沿った移動が許容された長尺板状の可動閉塞部材17の中央孔17aに挿入されて前記クランクアーム3の筒状部3aに挿入される。これにより、可動閉塞部材17は、円弧運動部4bと一体的にスライドして円弧運動部4bの前記収容部18内での位置に関わらず収容部18の開口(即ち前記長孔16a)を閉塞するようになっている。
【0038】
次に、上記のように構成されたワイパ装置の作用について説明する。
例えば、操作スイッチの操作等に基づいてモータ本体2が駆動されると、出力軸2bが270°の角度範囲で往復回動され、その出力軸2bの回動によって円弧運動部4bが(往復)円弧運動する。すると、円弧運動部4bは、収容孔14b内でスライド軸19(長手方向)に沿ってスライドしながら、スライド軸19を介してアームヘッド12を(回動方向に)付勢する。
【0039】
具体的には、例えば、図3に示すように、円弧運動部4bが一方の回動終端位置(図3中、時計回り方向の終端位置であって基準位置)にある状態から回動範囲の中央位置にある状態まで135°回動(円弧運動)するときは、スライド軸19の基端から先端までスライドしながら、アームヘッド12を45°回動させる。又、更に、円弧運動部4bが回動範囲の中央位置にある状態から他方の回動終端位置(図3中、反時計回り方向の終端位置)にある状態まで135°回動(円弧運動)するときは、スライド軸19の先端から基端までスライドしながら、アームヘッド12を更に45°回動させる。このような動作が往復で行われて、アームヘッド12と共にワイパ6が90°の角度範囲で往復回動されて払拭動作が行われる。
【0040】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)出力軸2bを180°より大きな270°の角度範囲で回動させてワイパ6を片道分(本実施形態では90°)回動させることができる。よって、出力軸を1回転させることでワイパを1往復回動させる、つまり出力軸を180°回動させることでワイパを片道分(90°)回動させる従来の四節リンク機構を備えたものに比べて、出力軸2bからワイパ6までの間で高トルク化を図ることができる(図4参照)。尚、図4は、ワイパ回動角−ワイパ回動軸トルク特性図であって、出力軸を10Nmで回動させる共通の駆動源を用いて、従来の四節リンク機構を備えたもののワイパ回動軸トルクを示す特性X1と、本実施形態のワイパ回動軸トルクを示す特性X2とを示すものであり、本実施形態の方が最低のトルクが大きくなっていることがわかる。これにより、ワイパ6を所定のトルクで回動させるために必要となる駆動源(本実施形態ではモータ本体2)が発生するトルクを小さくすることができ(図5参照)、駆動源(モータ本体2)の小型化を図ることができる。尚、図5は、出力軸回動角−駆動源必要トルク率特性図であって、ワイパ6を所定のトルクで回動させるために従来のダイレクト式のもの(特性Y1参照)では1.0のトルクを発生する駆動源が必要であるのに対して、従来の四節リンク機構を備えたもの(特性Y2参照)では、最大で約0.7のトルクを発生する駆動源であればよいことがわかる。そして更に、本実施形態(特性Y3参照)では、最大で約0.4(ダイレクト式のものの約4割)のトルクを発生する駆動源であればよいことがわかる。このことは、リンク機構による高トルク化の効果を示す図6(出力軸回動角−トルク増幅率特性図)から容易に理解できる。すなわち、従来のダイレクト式のもの(特性Z1参照)はリンク機構が無いためトルクの増幅率は1.0であり、従来の四節リンク機構を備えたもの(特性Z2参照)は1.4倍、本実施形態(特性Z3参照)では2.4倍に増幅されるため、出力軸の必要トルク(駆動源の必要トルク)が小さくできる。
【0041】
又、ワイパ6が回動範囲の中央位置にある状態では、ワイパ6に落雪等の外力が掛かった場合、支点となるピボット軸5の位置から作用点となる円弧運動部4bとアームヘッド12(スライド軸19)との係合位置が遠くなることから、出力軸2b側に掛かる力が小さくなる。よって、例えば、上記のような外力を想定した場合の外力に対する機構の保護が容易となる。言い換えれば、ワイパアーム(詳しくはピボット軸5周りに)外力が作用した場合、図5に示すように、従来のダイレクト式のもの(特性Y1)は外力がそのまま出力軸側に掛かるのに対して、リンク機構がある場合、すなわち、従来の四節リンク機構を備えたもの(特性Y2)では、約0.7倍となり、さらに、本実施形態(特性Y3)では、最大で約0.4倍(ダイレクト式のものの約4割)に緩和されるため、その分、例えば駆動源の減速機構等を小型化できる。
【0042】
(2)アームヘッド12にはワイパ6の長手方向に沿って延びる収容部18が形成され、円弧運動部4bは、収容部18内で長手方向にスライド可能に設けられるため、円弧運動部4b等を車両外部に設けながら小型化を図ることができるとともに、見栄えの悪化を抑えることができる。又、例えば、円弧運動部4b等を車両内部側に配置する構成に比べて、車両内部側に配置する部材を小さくすることができるため、車両内部の搭載スペースを小さくすることができ搭載性を向上させることができる。
【0043】
(3)円弧運動部4bと一体的にスライドして円弧運動部4bの収容部18内での位置に関わらず収容部18の開口(即ち長孔16a)を閉塞する可動閉塞部材17を備えるため、例えば、収容部18内に異物が侵入することが防止され、ひいては円弧運動部4bのスライドが異物によって阻害されるといったことが防止される。
【0044】
上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、円弧運動部4bがアームヘッド12の収容部18内に収容される構成としたが、これに限定されず、例えば、図7図9に示すように、変更してもよい。
【0045】
この例(図7図9参照)では、駆動源は、モータ本体31と減速ギヤとしてのウォームギヤGであるウォーム32及びウォームホイール33とからなる。詳しくは、ウォームギヤGを構成するウォーム32及びウォームホイール33は、モータ本体31に固定されるケースとしてのギヤハウジング34及びカバー35(図7参照)内において、回転可能に支持されている。そして、モータ本体31が回転駆動する回転軸31aにはウォーム32が一体回転するように設けられ、該ウォーム32には出力軸としてのウォームホイール33が噛合されている。この例のワイパ装置は、ウォームホイール33を270°の予め設定された角度範囲で往復回動させるべくウォームホイール33の回動角度を検出可能なセンサを備える。このセンサは、ウォームホイール33の裏面(他端面であって、ギヤハウジング34側の面)に設けた導体パターンD(図9参照)と、ギヤハウジング34に設けられ導体パターンDに摺接するコンタクトピン34a(図7参照)とから構成されている。即ち、モータ本体31は、前記導体パターンDとコンタクトピン34aとによって、ウォームホイール33の回動角度を検出しつつウォームホイール33を270°の角度範囲で往復回動させる。尚、この例のコンタクトピン34aは、ウォームホイール33の径方向にずれた位置であって、図9に2点鎖線で示す3つの円R1〜R3にそれぞれ沿って摺接するように配置されている。又、導体パターンDは、円R1と対応した部分の環状部D1と、円R1の外側の円R2と対応し環状部D1の外側から部分的に膨出し270°で停止させることを可能とする停止範囲部D2と、円R1の内側の円R3と対応し環状部D1の内側から部分的に膨出しワイパ6の下反転位置であることを区別可能とする下反転区別部D3とを有する。又、ウォームホイール33の表面(一端面)側において、その軸中心からずれた位置にはウォームホイール33の回動によって円弧運動する円弧運動部36が表面(一端面)から突出しつつ自身の軸中心で回転可能に組み付けられている。この例の円弧運動部36は、軸方向から見て四角形に形成されている。尚、この例の円弧運動部36は金属製であり、円弧運動部36の前記カバー35と対向する先端側には、該カバー35の内面に摺接してコンタクトピン34aの接触によるばね圧を受け止める樹脂製のサポート部材36aが設けられている。
【0046】
又、図7に示すように、カバー35において、前記ウォームホイール33の軸中心からずれた位置には、支持筒部35aが形成され、該支持筒部35aにはピボット軸37が挿通されて回転可能に支持されている。このピボット軸37は、図8に示すように、その軸方向にウォームギヤG(この例ではウォームホイール33)が重なるように配置されている。言い換えると、ピボット軸37は、その軸方向から見たウォームギヤG(ウォーム32及びウォームホイール33)の輪郭範囲内にピボット軸37の少なくとも一部が収まるように配置されている。そして、ピボット軸37において前記ギヤハウジング34内に配置される下端には、レバー部材38が固定されている。レバー部材38は、ピボット軸37から径方向の一方に延びる長尺板状に形成されている。又、レバー部材38には、その長手方向に延びる収容部としてのスライド許容孔38aが形成されている。尚、この例のスライド許容孔38aは、前記円弧運動部36が収容された状態で該円弧運動部36の長手方向のスライドを許容すべく略長方形に形成されている。言い換えると、前記円弧運動部36は、スライド許容孔38a内で長手方向にスライド可能に設けられるべくスライド許容孔38aの長手方向に延びる平行な内面38b(図8参照)と面で摺接可能な平行平坦面36bを有した形状であって軸方向から見て四角形に形成されている。又、スライド許容孔38aの長手方向端部(内面)38cは、前記センサ(導体パターンDとコンタクトピン34a)による予め設定された角度範囲(270°)でのウォームホイール33の往復回動を越える位置でのそれ以上の回動を規制可能な位置に形成されている。即ち、スライド許容孔38aの長手方向端部38cは、ウォームホイール33が270°の範囲を越える位置(例えば、+3°の位置)まで回動すると円弧運動部36と衝突しそれ以上の回動を規制する。
【0047】
又、この例においても、ウォームホイール33が270°の角度範囲で往復回動されると、レバー部材38が90°の角度範囲で往復回動するように(図3と同じ動作が行われるように)設定されている。又、ギヤハウジング34には、図8に示すように、レバー部材38の円弧運動部36による往復回動範囲(実線と2点鎖線で示す90°の範囲)を越える位置でのそれ以上の回動を規制するためのストッパ部34b,34cが形成されている。即ち、ギヤハウジング34には、レバー部材38が前記90°の範囲を越える位置(例えば、+2°の位置)まで回動すると該レバー部材38と衝突しそれ以上の回動を規制するように設定された内壁であるストッパ部34b,34cが形成されている。
【0048】
又、レバー部材38は、円弧運動部36が滑らかに摺動するように前記スライド許容孔38aを構成する部分のみが樹脂製とされ、その他の部分が金属製とされている。そして、ピボット軸37において前記ギヤハウジング34外に配置される上端には、図示しないワイパ(アームヘッド)が固定されることになる。
【0049】
このようにしても、上記実施形態の効果(1)と同様の効果を得ることができ、例えば、駆動源を構成するモータ本体31と減速ギヤGの内のウォームホイール33の径を小さくして小型化を図ることができる。
【0050】
又、このようにすると、出力軸としてのウォームホイール33、円弧運動部36、及びレバー部材38が単一のケース(ギヤハウジング34及びカバー35)内に収容されるため、各部材の駆動(回動や円弧運動やスライド)が異物によって阻害されることを簡単な構成(単一のケース)で防止することができる。
【0051】
又、駆動源はモータ本体31とウォームギヤGとからなり、出力軸はウォームギヤGのウォームホイール33であるため、ウォームギヤGを備えていないものに比べて、(ワイパを所定のトルクで回動させるために必要となる)モータ本体31が発生するトルクを小さくすることができる。
【0052】
又、円弧運動部36は、ウォームホイール33の一端面に(突出して)設けられるため、例えば、ウォームホイールの軸中心からずれた位置まで別部材のレバーを設け、そのレバーの先端に円弧運動部を設ける場合に比べて、簡単な構成とすることができたり、円弧運動部36の剛性を容易に高くすることができる。
【0053】
又、導体パターンDをウォームホイール33の他端面(裏面)に設けたことで、センサを簡単な構成(導体パターンDとコンタクトピン34a)としながら、ウォームホイール33の一端面に円弧運動部36を設けることができる。
【0054】
又、ピボット軸37は、その軸方向にウォームギヤG(この例ではウォームホイール33)が重なるように配置されるため、重ならないように配置した場合に比べて、ピボット軸37の軸方向から見たワイパ装置の小型化(投影面積の縮小)を図ることが可能となる。
【0055】
又、ウォームギヤGを収容するギヤハウジング34には、レバー部材38の円弧運動部36による往復回動範囲(実線と2点鎖線で示す90°の範囲)を越える位置でのそれ以上の回動を規制するためのストッパ部34b,34cが形成される。よって、例えば、ワイパ側からの外力によって、レバー部材38が円弧運動部36による往復回動範囲(90°)を越える位置(例えば、+2°の位置)まで回動するとストッパ部34b,34cにてそれ以上の回動が規制される。これにより、簡単な構成で、例えば、円弧運動部36に強大な力が加わることを避けることができる。
【0056】
又、円弧運動部36は、レバー部材38におけるスライド許容孔38aの長手方向に延びる平行な内面38bと面で摺接可能な平行平坦面36bを有した形状であって軸方向から見て四角形に形成される。よって、円弧運動部36とレバー部材38との摺接面の面圧を低くすることができ(局部的に大きな面圧となることを回避でき)、例えば局部的な大きな面圧により摺接面が変形してしまうことを抑えることができる。
【0057】
又、レバー部材38は、スライド許容孔38aを構成する部分のみが樹脂製とされるとともに、その他の部分が金属製とされ、円弧運動部36は、金属製とされるため、レバー部材38の剛性(耐荷重性)を保ちながら、摺動時の摩擦力を小さくすることができる。
【0058】
又、スライド許容孔38aの長手方向端部38cは、センサ(導体パターンDとコンタクトピン34a)による予め設定された角度範囲(270°)でのウォームホイール33の往復回動を越える位置でのそれ以上の回動を規制可能な位置に形成されている。よって、例えば、センサが壊れた状態でも、ウォームホイール33が予め設定された角度範囲(270°)を越える位置(例えば、+3°の位置)まで回動するとスライド許容孔38aの長手方向端部38cにて(機械的に)それ以上の回動が規制される。これにより、簡単な構成で、予め設定された動作と大きく異なる動作をしてしまうことを避けることができる。
【0059】
・上記実施形態では、円弧運動部4bと一体的にスライドして収容部18の開口(即ち長孔16a)を閉塞する可動閉塞部材17を備えるとしたが、これに限定されず、例えば、円弧運動部4b(スライド部材4)のスライドを撓むことで許容しつつも開口(即ち長孔16a)を閉塞するゴム材等からなる閉塞部材に変更してもよい。
【0060】
・上記実施形態では、出力軸2b(ウォームホイール33)を270°の角度範囲で往復回動させるワイパ装置1としたが、出力軸2b(ウォームホイール33)を180°より大きく360°未満の他の角度範囲で往復回動させるワイパ装置に具体化してもよい。又、上記実施形態では、ワイパ6を90°の角度範囲で往復回動させるワイパ装置1としたが、ワイパ6を他の角度範囲(例えば110°)の角度範囲で往復回動させるワイパ装置に具体化してもよい。
【0061】
・上記実施形態では、ワイパ装置に具体化したが、他の被駆動部材を往復回動させる他の駆動装置に具体化してもよい。例えば、トラック等の大型車両の助手席外側から延びてミラーが設けられるミラーレバー部材を被駆動部材とし、そのミラーレバー部材を往復回動させることで車体から大きく突出した使用状態(往回動状態)と折り畳み状態(復回動状態)とに駆動するミラー駆動装置に具体化してもよい。このようにしても、ミラー駆動装置において、駆動源の小型化を図ることができ、ひいては搭載性の向上を図ることができる。
【0062】
上記実施の形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)前記出力軸を180°より大きく360°未満の予め設定された角度範囲で往復回動させるべく前記出力軸の回動角度を検出可能なセンサを備え、前記センサは、前記ウォームホイールの他端面に設けた導体パターンと、該導体パターンに摺接するコンタクトピンとから構成したことを特徴とする。
【0063】
同構成によれば、導体パターンをウォームホイールの他端面に設けたことで、センサを簡単な構成(導体パターンとコンタクトピン)としながら、ウォームホイールの一端面に円弧運動部を設けることができる。
【0064】
(ロ)前記駆動源が前記出力軸を270°の角度範囲で往復回動させると、前記レバー部材が90°の角度範囲で往復回動するように設定されたことを特徴とする。
【0065】
同構成によれば、図4に示すように、出力軸から被駆動部材までの間で高トルク化を図ることができ、図5に示すように、駆動源が発生するトルクを小さくすることができる。
(ハ)駆動装置は、被駆動部材としてのワイパを往復回動させる。
【0066】
同構成によれば、ワイパ装置において、駆動源の小型化を図ることができ、ひいては搭載性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0067】
2…モータ本体(駆動源)、2b…出力軸、4b,36…円弧運動部、5,37…ピボット軸、6…ワイパ(被駆動部材)、12…アームヘッド(レバー部材)、17…可動閉塞部材、18…収容部、31…駆動源の一部を構成するモータ本体、33…ウォームホイール(出力軸)、34…ケースの一部を構成するギヤハウジング、34a…センサの一部を構成するコンタクトピン、34b,34c…ストッパ部、35…ケースの一部を構成するカバー、36b…平行平坦面、38…レバー部材、38a…スライド許容孔(収容部)、38b…内面、38c…長手方向端部、D…センサの一部を構成する導体パターン、G…駆動源の一部を構成する減速ギヤとしてのウォームギヤ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9