(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
検出方向に回転しながらレーザビームを断続的に放射するとともに、その放射されたレーザビームの反射光を受光し、前記レーザビームの放射時点から前記反射光の受光時点までの時間に基づいて、そのレーザビームを反射した対象物までの距離を測定するレーザレーダ装置から与えられる測距データを用いて前記対象物の前記検出方向についての長さを測定するターゲットサイズ測定装置であって、
前記測距データは、前記レーザビームの放射時点を基準とした経過時間および受光した前記反射光の受光量を対応付けた受光量データと、測定された前記対象物までの距離の値を示す距離データとを含み、
前記対象物からの反射光の受光量を利用して前記対象物の前記検出方向についての長さを測定するターゲット反射利用サイズ測定を実行し、
前記ターゲット反射利用測定では、
前記距離データが与えられた時点の前後において3回以上連続して前記受光量データが与えられている場合、
前記距離データが示す距離に位置する前記対象物に照射されたときの前記レーザビームの直径をビームサイズとして取得し、
連続する前記受光量データのうち、最初および最後に与えられたものを除いた前記受光量データのうち、いずれかが表す受光量を基準受光量として取得し、
連続する前記受光量データのそれぞれが表す受光量を比較受光量として取得し、
前記基準受光量に対する前記比較受光量の変化割合に基づいて、その比較受光量に対応する反射光の元になった前記レーザビームが前記対象物に照射された割合である照射割合を求め、
前記ビームサイズおよび前記照射割合に基づいて、前記対象物の前記検出方向についての長さを求めることを特徴とするターゲットサイズ測定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の方法は、ターゲットサイズの測定精度が低く、実際のターゲットのサイズと測定されるサイズとの差(測定誤差)が大きくなる場合がある。以下、
図15および
図16を参照しながら、従来の方法による測定の精度が低い理由について説明する。
図15に示すように、検出方向についての長さが同一のターゲット101のサイズを測定する場合でも、ターゲット101の位置(検出方向についての位置)が異なると連続測距点数が変化する。すなわち、
図15(a)の場合、連続測距点数が3点となるのに対し、
図15(b)の場合、連続測距点数が2点となる。従って、
図15の(a)および(b)では、実際のサイズが同じであるにも関わらず、測定されるターゲットサイズが互いに異なる結果となる。
【0007】
また、
図16に示すように、検出方向についての長さが同一であり、且つ検出方向についての位置も同一であるターゲット102a、102bのサイズを測定する場合でも、ターゲット表面の反射率が異なると連続測距点数が変化する。すなわち、
図16(a)に示すターゲット102aの表面が高い反射率(高反射)である場合、ターゲット102aに照射された3つのレーザビームによる反射光が良好に得られる。
【0008】
つまり、3つのレーザビームのターゲット102aへの照射率(照射割合)としては、中央のものが100%であり、両端のものが50%である。ターゲット102aの表面の反射率が例えば90%であるとすると、受光信号の波高値としては、放射されたレーザビームの波高値を基準として、中央のものが約90%となり、両端のものが約45%となる。前述した閾値が例えば30%に設定されていれば、それらの受光信号は全て閾値を超えるため、連続測距点数が3点となる。
【0009】
これに対し、
図16(b)に示すターゲット102bの表面が低い反射率(低反射)である場合、ターゲット102bに照射された3つのレーザビームうち、真ん中の1つによる反射光だけが良好に得られる。つまり、3つのレーザビームのターゲット102bへの照射率は、前述したターゲット102aへの照射率と同じである。しかし、ターゲット102bの表面の反射率が例えば40%であるとすると、受光信号の波高値としては、中央のものが約40%となり、両端のものが約20%となる。そのため、中央のレーザビームの反射光による受光信号だけが閾値を超えるため、連続測距点数が1点となる。従って、
図16の(a)および(b)でも、実際のサイズが同じであるにも関わらず、測定されるターゲットサイズが互いに異なる結果となる。
【0010】
このように、従来の方法では、ターゲットの位置やターゲット表面の反射率によって、ターゲットサイズの測定結果が大きく変化するために測定の精度が低く、その結果、測定誤差が大きくなる場合がある。さらに、ターゲットに照射されたときのレーザビームの直径は、ターゲットまでの距離が遠くなるほど大きくなる。そのため、従来の方法では、ターゲットまでの距離が遠くなるほど、上記測定誤差が大きくなる。従って、従来の方法においては、ターゲットまでの距離が非常に遠い場合などにおいて、例えば、ターゲットが人間および自動車のいずれであるのかを完全に判別できないといった状況が発生する可能性があり、実用性の点で問題があった。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、レーザビームを用いて対象物のサイズを測定する際における測定誤差を低減することができるターゲットサイズ測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の手段によれば、レーザレーダ装置から与えられる測距データを用いて対象物の検出方向についての長さ(以下、ターゲットサイズとも称す)を測定する。レーザレーダ装置は、検出方向に回転しながらレーザビームを放射するとともに、その放射されたレーザビームの反射光を受光し、レーザビームの放射時点から反射光の受光時点までの時間に基づいて、そのレーザビームを反射した対象物までの距離を測定するものである。測距データは、受光量データおよび距離データを含んでいる。受光量データは、レーザビームの放射時点を基準とした経過時間と、受光した反射光の受光量とを対応付けたものである。距離データは、測定された対象物までの距離の値を示すものである。
【0013】
そして、本手段では、対象物からの反射光の受光量を利用してターゲットサイズを測定するターゲット反射利用サイズ測定が実行される。ターゲット反射利用サイズ測定では、距離データが与えられた時点の前後において3回以上連続して受光量データが与えられている場合、距離データが示す距離に位置する対象物に照射されたときのレーザビームの直径がビームサイズとして取得される。対象物に照射されたときのレーザビームの直径は、いずれも既知の値である放射した時点(距離=0)におけるレーザビームの直径、測距可能な最大距離におけるレーザビームの直径および測定された対象物までの距離の値を用いた演算により求めることができる。あるいは、上記直径および距離を関係付けたマップなどを予め準備しておけば、そのマップを参照することにより、対象物に照射されたときのレーザビームの直径を求めることもできる。
【0014】
3つ以上の連続する受光量データのうち、最初および最後に与えられたものに対応する反射光の元になったレーザビームは、対象物に対して全て照射されているとは限らない。なぜなら、これらのレーザビームは、対象物の端部に照射されているからである。これに対し、3つ以上の連続する受光量データのうち、最初および最後に与えられたものを除いたものに対応する反射光の元になったレーザビームは、対象物に対して全て照射されていると考えられる。なぜなら、これらのレーザビームは、対象物の端部を除く中間の部分に照射されているからである。そのため、連続する受光量データのうち、最初および最後に与えられたものを除いた受光量データのうち、いずれかが表す受光量が基準受光量として取得される。この基準受光量は、レーザビームの全体が対象物に照射されている場合の反射光の受光量に相当する。
【0015】
なお、3つ以上の連続する受光量データのうち、最初および最後に与えられたものを除いた受光量データのうち、いずれかが表す受光量(任意の受光量)を基準受光量とする理由は、次のとおりである。すなわち、連続する受光量データが表す受光量は互いに同一ではない。なぜなら、それらに対応する反射光の元になったレーザビームの入射角(対象物に照射される際の角度)が互いに異なるためである。しかし、通常、一つの対象物に連続して照射される各レーザビームの入射角の違いは、数度〜10数度程度の範囲に収まる。入射角が数度〜10度異なることによる反射光のレベル(受光量)の違いは僅かである。従って、本手段では、3つ以上の連続する受光量データのうち、最初および最後に与えられたものを除いた受光量データのうち、任意の受光量が基準受光量として取得される。
【0016】
また、連続する受光量データのそれぞれが表す受光量が比較受光量として取得される。比較受光量は、レーザビームの全体が対象物に照射されている場合の反射光の受光量に相当する基準受光量に対し、レーザビームが対象物に照射されている割合に応じて変化する。本手段では、このような点に着目し、基準受光量に対する比較受光量の変化割合に基づいて、その比較受光量に対応する反射光の元になったレーザビームが対象物に照射された割合である照射割合が求められる。
【0017】
このようにして求められた照射割合と、取得されたビームサイズとに基づいて、ターゲットサイズが求められる。すなわち、ビームサイズおよび照射割合から、対応するレーザビームが対象物に照射されている部分の検出方向についての長さを求めることができる。従って、連続する受光量データのそれぞれに対応するレーザビームが対象物に照射されている部分の検出方向についての長さを求め、それらを全て加算すれば、ターゲットサイズを求めることができる。
【0018】
このようなターゲット反射利用測定により求められるターゲットサイズは、レーザビームが対象物に照射された照射割合に基づいて求められるものであるため、対象物の検出方向についての位置が変化したとしても概ね一定の値となる。また、同一の対象物からの反射光の受光量を用いて上記照射割合を求めているため、対象物の表面の反射率に関係なく、求められるターゲットサイズは概ね一定の値となる。つまり、本手段によれば、対象物の位置や対象物表面の反射率によって、ターゲットサイズの測定結果が変化することがないため、従来の連続測距点数を用いる方法に比べ、その測定の精度が極めて高い。そのため、本手段によれば、ターゲットサイズの測定誤差を低く抑えることができる。
【0019】
また、本手段によれば、対象物からの反射光の受光量を用いてターゲットサイズを測定しているため、対象物の周囲の環境(例えば、対象物の背面に壁面などの背面物があるか否かなど)に関わらず、つまりレーザレーダの設置場所を問わず、ターゲットサイズの測定を行うことができるという効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、ターゲットサイズ測定装置の複数の実施形態について説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について
図1〜
図12を参照しながら説明する。
図1に示すレーザレーダ装置1は、レーザビームを放射するレーザダイオードを含む発光部、対象物からの反射光を受光するフォトダイオードを含む受光部、それらを制御する制御部(いずれも図示せず)などを備えている。レーザレーダ装置1は、例えば180度の範囲で水平方向(検出方向)に高速回転しながらレーザビームLを断続的に放射し、その反射波を受光する。レーザレーダ装置1は、レーザビームLを放射した時点から反射光を受光した時点までの時間に基づいてターゲット2(対象物に相当)までの距離を測定する。
【0022】
ターゲット2までの距離の測定(測距)は、反射光を受光する受光部の出力信号(受光信号)のレベル(例えば波高値)が所定の閾値を超えている場合に行われる。また、上記反射光を受光した時点とは、受光した反射光に応じて変化する受光信号が波高値(ピーク値)に達した時点である。ターゲットサイズ測定装置3は、レーザレーダ装置1から与えられる測距データDa(詳細は後述する)を用いてターゲット2の水平方向(検出方向)についての長さ(以下、ターゲットサイズとも称す)を測定する。
【0023】
レーザレーダ装置1における光学条件は、実際の仕様に応じて適宜変更されるものであるが、ここでは、ターゲットサイズの測定方法に関する説明を分かり易くするため、次の(1)〜(3)のようになっているものとする。
(1)レーザビームの形状は真円である。
(2)回転角度分解能(レーザビームが放射される間隔)は0.25°である。
(3)ターゲットに到達した際(照射された際)におけるレーザビームのサイズ(直径)と、レーザビームの中心同士の間隔(走査分解能)とは一致している。
なお、走査分解能は、下記(1)式により表される。
走査分解能=ターゲットまでの距離×tan(回転角度分解能) …(1)
【0024】
続いて、上記構成によるターゲットサイズの測定方法について説明する。
なお、この場合、
図2に示すように、ターゲット2の背面側(レーザビームが照射される側とは反対側)に背面物4が存在するものとする。背面物4は、例えば壁面などであり、その位置は固定されている。測距データDaは、受光量データおよび距離データを含んでいる。受光量データは、レーザビームの放射時点を基準とした経過時間および受光した反射光の受光量(受光信号の積分値=面積)を対応付けたものである(
図3参照)。距離データは、測定されたターゲットまでの距離の値を示すものである。
【0025】
ターゲットサイズ測定装置3は、背面物4からの反射光が得られる場合、その反射光の受光量を利用してターゲットサイズを測定する背面反射利用測定を実行する。ターゲットサイズ測定装置3による背面反射利用測定は、次のように行われる。すなわち、ターゲットサイズ測定装置3は、受光量データを用いて、ターゲット2からの反射光が存在しないときにおける背面物4からの反射光の受光量を基準受光量として取得する。基準受光量の取得は、ターゲットサイズ測定装置3の起動直後に一度だけ行うようにしてもよいし、定期的(所定の間隔毎)に行い、基準受光量の値を常に更新するようにしてもよい。
【0026】
なお、ターゲット2からの反射光の受光量と、背面物4からの反射光の受光量とは、次のようにして切り分けることができる。背面物4およびターゲット2は、前述したとおりの位置関係にある。そのため、レーザレーダ装置1から背面物4までの距離は、レーザレーダ装置1からターゲット2までの距離に比べて必ず長くなる。従って、
図3に示すように、受光量データのうち、背面物4からの反射光を表す部分に対応する経過時間は、ターゲット2からの反射光を表す部分に対応する経過時間に比べて長い時間になる。本実施形態では、このような経過時間の違いに着目することにより、上記切り分けを行っている。
【0027】
そして、レーザレーダ装置1から距離データが与えられると、その距離データが示す距離に位置するターゲット2に照射されたときのレーザビームの直径がビームサイズとして取得される。ターゲット2に照射されたときのレーザビームの直径E[mm]は、下記(2)式により求めることができる。ただし、放射した時点(距離=0m)におけるレーザビームの直径をEminとし、測距可能な最大距離(例えば30m)をAmaxとし、測距可能な最大距離におけるレーザビームの直径をEmaxとし、測定されたターゲット2までの距離の値をAとする。なお、EminおよびEmaxは、レーザレーダ装置1の仕様に応じて定まる既知の値である。
E=Emin+((Emax−Emin)/Amax)×A …(2)
なお、上記(2)式に基づく演算により算出する方法に代えて、上記直径および距離を関係付けたマップなどを予め準備しておき、そのマップを参照することにより、ターゲットに照射されたときのレーザビームの直径Eを求めるようにしてもよい。
【0028】
距離データが与えられた時点の前後において連続して与えられた受光量データのそれぞれが表す受光量のうち、背面物4からの反射光に対応する受光量が比較受光量として取得される。なお、これら連続する受光量データに対応する反射光の元になったレーザビームは、距離が測定された同一のターゲット2に照射されていると考えられる。
【0029】
そして、基準受光量Xrに対する比較受光量Xcの変化の割合(変化割合)に基づいて、その比較受光量Xcに対応する反射光の元になったレーザビームがターゲット2に照射された割合(照射割合X)が求められる。具体的には、照射割合Xは、下記(3)式により求められる。なお、(3)式において、(Xc/Xr)の項が前述した変化割合に相当する。
X=(Xr−Xc)/Xr
=1−(Xc/Xr) …(3)
【0030】
例えば、レーザビームの全体がターゲット2に照射されている場合(照射割合X=1)、背面物4からの反射光は存在せず、比較受光量Xcはゼロになる(
図2および
図3の(b)参照)。そのため、上記(3)式から求められる照射割合Xは1(=1−0)となり、実際の照射割合に合致する。
【0031】
また、レーザビームの一部がターゲット2に照射されている場合(照射割合=N、0<N<1)、背面物4からの反射光の受光量である比較受光量Xcは、基準受光量Xrに対して、ターゲット2に照射された分だけ減少する。そのため、上記(3)式から求められる照射割合XはN(=1−((1−N)/1))となり、実際の照射割合に合致する。
【0032】
例えば、レーザビームの50%(=0.5)がターゲット2に照射されている場合(照射割合X=0.5)、背面物4からの反射光の受光量である比較受光量Xcは、基準受光量Xrの50%(=0.5)となる(
図2および
図3の(c)参照)。つまり、変化割合が0.5となるため、上記(3)式から求められる照射割合Xは0.5(=1−0.5)となり、実際の照射割合に合致する。
【0033】
また、レーザビームの30%(=0.3)がターゲット2に照射されている場合(照射割合X=0.3)、背面物4からの反射光の受光量である比較受光量Xcは、基準受光量Xrの70%(=0.7)となる(図示略)。つまり、変化割合が0.7となるため、上記(3)式から求められる照射割合Xは0.3(=1−0.7)となり、実際の照射割合に合致する。
【0034】
このように、本実施形態では、レーザビームがターゲット2に照射された割合に応じて変化する比較受光量Xcの基準受光量Xrに対する変化割合に基づいて、レーザビームがターゲット2に照射された照射割合Xを求めるようにしている。
【0035】
このようにして求められた照射割合Xと、取得されたビームサイズEとに基づいて、ターゲットサイズが求められる。すなわち、ビームサイズEと照射割合Xとを乗算した結果から、対応するレーザビームがターゲット2に照射されている部分の検出方向についての長さを求めることができる。
【0036】
例えば、ターゲット2が位置する距離(例えば30m)におけるビームサイズEが例えば13cmであるとすれば、
図3(b)の場合には、レーザビームがターゲット2に照射された部分の検出方向についての長さは、13cm(=13cm×1)となる。また、
図3(c)の場合には、レーザビームがターゲット2に照射された部分の検出方向についての長さは、6.5cm(=13cm×0.5)となる。従って、連続する受光量データのそれぞれに対応するレーザビームがターゲット2に照射されている部分の検出方向についての長さを求め、それらを全て加算することにより、ターゲットサイズが求められる。
【0037】
このような背面反射利用測定により測定されるターゲットサイズは、レーザビームがターゲット2に照射された照射割合Xに基づいて求められるものである。そのため、実際のターゲットサイズが同一であれば、ターゲット2の検出方向についての位置に関係なく概ね同一の測定結果が得られる。また、背面物4からの反射光の受光量である基準受光量Xrおよび比較受光量Xcを用いて照射割合Xを求めているため、実際のターゲットサイズが同一であれば、ターゲット2の表面の反射率に関係なく概ね同一の測定結果が得られる。つまり、本実施形態によれば、ターゲット2の位置やターゲット2表面の反射率によって、ターゲットサイズの測定結果が変化することがないため、従来の連続測距点数を用いる方法に比べ、その測定精度が極めて高い。そのため、本実施形態によれば、ターゲットサイズの測定誤差を低く抑えることができる。
【0038】
続いて、本実施形態によるターゲットサイズの測定方法と、従来の連続測距点数を用いる測定方法とを比較する。
従来の連続測距点数を用いる測定方法によれば、ターゲットサイズFは、距離値A、回転角度分解能B、連続測距点数C、走査分解能DおよびビームサイズE(
図4参照)を用いて、次のようにして求められる。まず、レーザレーダ装置1により測定されたターゲット2までの距離の値である距離値A、回転角度分解能Bおよび連続測距点数Cが取得される。回転角度分解能Bは、レーザレーダ装置1の仕様に応じて定まる固定の値(例えば、0.25°)である。そして、下記(4)式に基づいて、ターゲット2に到達した際におけるレーザビームの中心同士の間隔である走査分解能Dが算出される。
D=A×sin(B) …(4)
【0039】
続いて、下記(5)式に基づいてターゲットサイズFが算出される。ただし、ターゲット2に到達した際におけるレーザビームの直径であるビームサイズをEとしている。ビームサイズEは、本実施形態と同様の方法により取得することができる。
(C−1)×D−E < F < (C+1)×D+E (5)
【0040】
上記(5)式において、左辺は推定される最小のサイズ(推定最小サイズ)であり、右辺は推定される最大のサイズ(推定最大サイズ)である。なお、左辺がマイナスの値になった場合、最小のサイズをゼロとする。このように、従来の測定方法によるターゲットサイズの測定結果としては、推定最小サイズから推定最大サイズまでの幅のある値となる。従来の測定方法において、ターゲットサイズFの測定結果に幅を持たせる理由は、次のようなケースに対応するためである。
【0041】
<連続測距点数C=3点>
図5の(a)に示すターゲット21は、ターゲットサイズFがビームサイズEの5倍よりも若干短い。そのため、ターゲット21の位置によっては、ターゲット21には5つの連続するレーザビームが照射されるものの、そのうちの両端のレーザビームの一部分がターゲット21に照射されない(僅かに欠ける)場合がある(
図5の(a)参照)。このようなケースにおいて、ターゲット21の表面の反射率が低い場合には、ターゲット21に照射された5つのレーザビームうち、中間に位置する3つによる反射光だけが良好に得られるため、連続測距点数Cが3点となる。
【0042】
一方、
図5の(b)に示すターゲット22は、ターゲットサイズFがビームサイズEの1倍よりも若干長い。そのため、ターゲット22の位置によっては、ターゲット22には3つの連続するレーザビームが照射される場合がある(
図5の(b)参照)。なお、その場合、3つのレーザビームのうち両端のレーザビームは、その一部分だけがターゲット22に照射される(僅かにあたる)。このようなケースにおいて、ターゲット22の表面の反射率が高い場合には、ターゲット22に照射された3つのレーザビームによる反射光が全て良好に得られるため、連続測距点数Cが3点となる。
【0043】
このように、
図5の(a)および(b)のいずれにおいても連続測距点数Cが3点となる。従って、従来の測定方法では、連続測距点数Cが3点のときに求められるターゲットサイズFの推定最小サイズがビームサイズEの1倍の長さとなり、推定最大サイズがビームサイズEの5倍の長さとなるようにしている。
【0044】
<連続測距点数C=2点>
図6の(a)に示すターゲット23は、ターゲットサイズがビームサイズEの4倍よりも若干短い。そのため、ターゲット23の位置によっては、ターゲット23には4つの連続するレーザビームが照射されるものの、そのうちの両端のレーザビームの一部分がターゲット23に照射されない場合がある(
図6の(a)参照)。このようなケースにおいて、ターゲット23の表面の反射率が低い場合には、ターゲット23に照射された4つのレーザビームうち、中間に位置する2つによる反射光だけが良好に得られるため、連続測距点数Cが2点となる。
【0045】
一方、
図6の(b)に示すターゲット24は、ターゲットサイズがビームサイズEの1倍よりも短い。しかし、ターゲット24の位置によっては、ターゲット24には2つの連続するレーザビームが照射される場合がある(
図6の(b)参照)。なお、その場合、2つのレーザビームは、その一部分だけがターゲット24に照射される(僅かにあたる)。このようなケースにおいて、ターゲット24の表面の反射率が高い場合には、ターゲット24に照射された2つのレーザビームによる反射光が全て良好に得られるため、連続測距点数Cが2点となる。
【0046】
このように、
図6の(a)および(b)のいずれにおいても連続測距点数Cが2点となる。従って、従来の測定方法では、連続測距点数Cが2点のときに求められるターゲットサイズFの推定最小サイズがゼロ(ビームサイズEの0倍の長さ)となり、推定最大サイズがビームサイズEの4倍の長さとなるようにしている。
【0047】
<連続測距点数C=1点>
図7の(a)に示すターゲット25は、ターゲットサイズがビームサイズEの3倍よりも若干短い。そのため、ターゲット25の位置によっては、ターゲット25には3つの連続するレーザビームが照射されるものの、そのうちの両端のレーザビームの一部分がターゲット25に照射されない場合がある(
図7の(a)参照)。このようなケースにおいて、ターゲット25の表面の反射率が低い場合には、ターゲット25に照射された3つのレーザビームうち、中間に位置する1つによる反射光だけが良好に得られるため、連続測距点数Cが1点となる。
【0048】
一方、
図7の(b)に示すターゲット26は、ターゲットサイズがビームサイズEの1倍よりも短い。そのため、ターゲット26の位置によっては、ターゲット26には1つのレーザビームだけが照射される場合がある(
図7の(b)参照)。なお、その場合、レーザビームは、その一部分だけがターゲット26に照射される(僅かにあたる)。このようなケースにおいて、ターゲット26の表面の反射率が高い場合には、ターゲット26に照射された1つのレーザビームによる反射光が良好に得られるため、連続測距点数Cが1点となる。
【0049】
このように、
図7の(a)および(b)のいずれにおいても連続測距点数Cが1点となる。従って、従来の測定方法では、連続測距点数Cが1点のときに求められるターゲットサイズFの推定最小サイズがゼロ(ビームサイズEの0倍の長さ)となり、推定最大サイズがビームサイズEの3倍の長さとなるようにしている。
【0050】
このように、従来の測定方法では、連続測距点数Cが1点のときに推定されるターゲットサイズFには、ビームサイズEの3倍の長さに相当する幅が存在する。また、連続測距点数Cが2点および3点のときに推定されるターゲットサイズFには、ビームサイズEの4倍の長さに相当する幅が存在する。なお、連続測距点数Cが4点以上のときに推定されるターゲットサイズFには、2点および3点のときと同様に、ビームサイズEの4倍の長さに相当する幅が存在する。
【0051】
図8は、従来の測定方法による推定最大サイズ(MAX推定サイズ)および推定最小サイズ(MIN推定サイズ)の差とターゲットまでの距離との関係を示している。
図9は、従来の測定方法による推定最大サイズとターゲットまでの距離との関係を示している。
図10は、従来の測定方法による推定最小サイズとターゲットまでの距離との関係を示している。なお、
図8〜
図10には、連続測距点数Cが1点〜10点の場合を示している。
【0052】
図8〜
図10に示すように、従来の測定方法では、ターゲットまでの距離が遠くなるほど、推定最大サイズおよび推定最小サイズの差(測定結果の幅)が大きくなることが分かる。また、推定最大サイズおよび推定最小サイズの差と距離との関係は、連続測距点数が1点の場合と、2点以上の場合とによって異なることが分かる。
【0053】
続いて、ターゲットまでの距離が遠い場合(距離=30m=30000mm)、従来の測定方法により、そのターゲットが人間であるか自動車であるのか判別することが可能であるか否かを検証する。なお、この場合、検出方向についての長さは、人間が500mmであり、自動車が1000mmであると仮定する。また、ターゲットの表面の反射率については不明であるとする。
【0054】
図11および
図12によれば、ターゲットが人間である場合、連続測距点数Cが2点〜5点となる可能性がある。従って、ターゲットサイズFの推定最小サイズは0mm(連続測距点数Cが2点のときの推定最小サイズに相当)となり、推定最大サイズは915mm(連続測距点数Cが5点のときの推定最大サイズに相当)となる。また、ターゲットが自動車である場合、連続測距点数Cが6点〜9点となる可能性がある。従って、ターゲットサイズFの推定最小サイズは524mm(連続測距点数が6点のときの推定最小サイズに相当)となり、推定最大サイズは1438mm(連続測距点数が9点のときの推定最大サイズに相当)となる。
【0055】
このように、従来の測定方法では、30m先のターゲットが人間(実際のターゲットサイズ=500mm)である場合における測定結果(0〜915mm)と、自動車(実際のターゲットサイズ=1000mm)である場合における測定結果(524〜1438mm)とは、その一部が重複する結果となっている。従って、従来の測定方法では、測定精度が低いため、30m先のターゲットが人間であるか自動車であるのかを判別することはできない。
【0056】
これに対し、本実施形態の測定方法によれば、レーザビームがターゲットに照射した割合である照射割合に基づいてターゲットサイズが求められるため、従来の測定方法に比べ、ターゲットまでの距離に関わらず、その測定誤差が極めて高く、その測定誤差が低く抑えられる。そのため、例えば30m先のターゲットが人間であるか自動車であるのかを判別することが可能となる。
【0057】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について
図13および
図14を参照しながら説明する。
本実施形態のターゲットサイズ測定装置3は、背面物からの反射光が得られるか否か(背面物が存在するか否か)に関わらず、ターゲット2からの反射光の受光量を利用してターゲットサイズを測定するターゲット反射利用サイズ測定を実行する。
【0058】
ターゲットサイズ測定装置3によるターゲット反射利用測定は、次のように行われる。すなわち、ターゲットサイズ測定装置3は、距離データが与えられた時点の前後において3回以上連続して受光量データが与えられている場合、その距離データが示す距離に位置するターゲット2に照射されたときのレーザビームの直径がビームサイズとして取得される。なお、ビームサイズは、第1の実施形態と同様の方法により取得することができる。
【0059】
そして、3つ以上の連続する受光量データのうち、最初および最後に与えられたものに対応する反射光の元になったレーザビームは、ターゲット2に対して全て照射されているとは限らない。なぜなら、これらのレーザビームは、ターゲット2の端部に照射されているからである。これに対し、3つ以上の連続する受光量データのうち、最初および最後に与えられたものを除いたものに対応する反射光の元になったレーザビームは、ターゲット2に対して全て照射されていると考えられる。なぜなら、これらのレーザビームは、ターゲット2の端部を除く中間の部分に照射されているからである。そのため、連続する受光量データのうち、最初および最後に与えられたものを除いた受光量データのうち、任意の受光量が基準受光量として取得される。つまり、この基準受光量は、レーザビームの全体がターゲット2に照射されている場合の反射光の受光量に相当する。
【0060】
なお、3つ以上の連続する受光量データのうち、最初および最後に与えられたものを除いた受光量データのうち、いずれかが表す受光量(任意の受光量)を基準受光量とする理由は、次のとおりである。すなわち、連続する受光量データが表す受光量は互いに同一ではない。なぜなら、それらに対応する反射光の元になったレーザビームの入射角(ターゲット2に照射される際の角度)が互いに異なるためである。
【0061】
しかし、通常、一つのターゲット2に連続して照射される各レーザビームの入射角の違いは、数度〜10数度程度の範囲に収まる。入射角が数度〜10数度異なることによる反射光のレベル(受光量)の違いは僅かである。従って、連続する受光量データのうち、いずれが表す受光量を基準受光量とした場合であっても、後述する照射割合の算出結果は概ね同じ結果となる。従って、本実施形態では、3つ以上の連続する受光量データのうち、最初および最後に与えられたものを除いた受光量データのうち、任意の受光量を基準受光量として取得するようにしている。
【0062】
また、連続する受光量データのそれぞれが表す受光量が比較受光量として取得される。そして、基準受光量Yrに対する比較受光量Ycの変化の割合(変化割合)に基づいて、その比較受光量Ycに対応する反射光の元になったレーザビームがターゲット2に照射された割合(照射割合Y)が求められる。具体的には、照射割合Yは、下記(6)式により求められる。なお、(6)式における右辺が前述した変化割合に相当する。
Y=Yc/Yr …(6)
【0063】
例えば、レーザビームの全体がターゲット2に照射されている場合(照射割合Y=1)、ターゲット2からの反射光の受光量である比較受光量Ycは基準受光量Yrと同一の値を示す(
図13および
図14の(a)参照)。そのため、上記(6)式から求められる照射割合Yは1となり、実際の照射割合に合致する。
【0064】
また、レーザビームの一部がターゲット2に照射されている場合(照射割合=N、0<N<1)、ターゲット2からの反射光の受光量である比較受光量Ycは、基準受光量Yrに対して、レーザビームがターゲット2に照射されている割合に応じて変化する。そのため、上記(6)式から求められる照射割合YはN(=N/1)となり、実際の照射割合に合致する。
【0065】
例えば、レーザビームの50%(=0.5)がターゲット2に照射されている場合(照射割合Y=0.5)、ターゲット2からの反射光の受光量である比較受光量Ycは、基準受光量Yrの50%(=0.5)となる(図示略)。つまり、変化割合が0.5となるため、上記(6)式から求められる照射割合Yは0.5となり、実際の照射割合に合致する。
【0066】
また、レーザビームの30%(=0.3)がターゲット2に照射されている場合(照射割合Y=0.3)、ターゲット2からの反射光の受光量である比較受光量Ycは、基準受光量Yrの30%(=0.3)となる(
図13および
図14の(b)参照)。つまり、変化割合が0.3となるため、上記(6)式から求められる照射割合Yは0.3となり、実際の照射割合に合致する。
【0067】
このように、本実施形態では、レーザビームがターゲット2に照射された割合に応じて変化する比較受光量Ycの基準受光量Yrに対する変化割合に基づいて、レーザビームがターゲット2に照射された照射割合Yを求めるようにしている。
【0068】
このようにして求められた照射割合Yと、取得されたビームサイズEとに基づいて、ターゲットサイズが求められる。すなわち、ビームサイズEと照射割合Yとを乗算した結果から、対応するレーザビームがターゲット2に照射されている部分の検出方向についての長さを求めることができる。従って、連続する受光量データのそれぞれに対応するレーザビームがターゲット2に照射されている部分の検出方向についての長さを求め、それらを全て加算することにより、ターゲットサイズが求められる。
【0069】
このようなターゲット反射利用測定により測定されるターゲットサイズは、レーザビームがターゲット2に照射された照射割合Yに基づいて求められるものである。そのため、実際のターゲットサイズが同一であれば、ターゲット2の検出方向についての位置に関係なく概ね同一の測定結果が得られる。また、同一のターゲット2からの反射光の受光量である基準受光量Yrおよび比較受光量Ycを用いて照射割合Yを求めているため、実際のターゲットサイズが同一であれば、ターゲット2の表面の反射率に関係なく概ね同一の測定結果が得られる。つまり、本実施形態によれば、ターゲット2の位置やターゲット2表面の反射率によって、ターゲットサイズの測定結果が変化することがないため、従来の連続測距点数を用いる方法に比べ、その測定精度が極めて高い。そのため、本実施形態によれば、ターゲットサイズの測定誤差を低く抑えることができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、ターゲット2からの反射光の受光量を用いてターゲットサイズを測定しているため、ターゲット2の周囲の環境(例えば、ターゲット2の背面に壁面などの背面物が存在するか否かなど)に関わらず、つまりレーザレーダ装置1の設置場所を問わず、ターゲットサイズの測定を行うことができるという効果が得られる。
【0071】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
レーザレーダ装置1の検出方向(回転方向)は水平方向に限らずともよい。
レーザビームの形状が真円ではなく楕円である場合、ビームサイズEは、レーザビームの検出方向についての長さとすればよい。
【0072】
ビームサイズEと、レーザビームの中心同士の間隔(走査分解能D)とが一致しない場合(E<D)、ターゲットサイズFは、下記(7)式により求められる。ただし、上記各実施形態の測定方法により求められるターゲットサイズをF’とし、距離データが与えられた時点の前後において連続して与えられた受光量データの数をC’とする。
F=F’+(C’−1)×(D−E) …(7)
【0073】
ターゲットサイズ測定装置3は、背面反射利用測定およびターゲット反射利用測定の双方を実行可能に構成してもよい。その場合、ターゲットサイズ測定装置3は、背面物4からの反射光の有無を確認し、背面物4からの反射光が得られる場合には背面反射利用測定を実行し、背面物4からの反射光が得られない場合にはターゲット反射利用測定を実行するとよい。このようにすれば、背面物4が存在すれば、より測定精度の高い背面反射利用測定によりターゲットサイズを測定することができる上、背面物4が存在しない場合であっても、測定精度の高いターゲット反射利用測定によりターゲットサイズを測定することができる。
【0074】
なお、背面物4からの反射光が得られるか否かについては、次のように判断することができる。すなわち、背面物4が存在しない場合、受信信号は、ターゲット2からの反射光の成分だけを含むものであり、そのピーク(山)は1つしか存在しない。これに対し、背面物4が存在する場合、受信信号は、ターゲット2および背面物4の両方からの反射光の成分を含むものであり、そのピークは2つ(または3つ以上)存在する。従って、受信信号にピークが複数あるか否かにより、背面物4からの反射光が得られるか否かを判断することができる。
【0075】
第2の実施形態では、ターゲット反射利用測定において、3つ以上の連続する受光量データのうち、最初および最後に与えられたものを除いた受光量データのうち、任意の受光量を基準受光量として取得していたが、基準受光量として取得する受光量として次のような限定を加えてもよい。すなわち、連続する受光量データのうち、ターゲット2の水平方向についての中心部分に照射されたレーザビーム(例えば、連続数が奇数であれば丁度真ん中のものであり、偶数であれば真ん中の2つのいずれかのもの)の反射光の受光量を基準受光量として取得してもよい。このようにすれば、取得された基準受光量は、両端のそれぞれに照射されたレーザビームの反射光の受光量に対し、入射角による反射光のレベルの違いが均一化される(偏りが少なくなる)。従って、これらに基づいて求められる照射割合、ひいてはターゲットサイズの測定精度が向上する。
【0076】
あるいは、ターゲット反射利用測定が実行される際、距離データが与えられた時点の前後において4回以上連続して受光量データが与えられている場合、基準受光量を次のように取得してもよい。すなわち、連続する受光量データのうち、2番目に与えられたものを第1の基準受光量として取得し、最後より1つ前に与えられたものを第2の基準受光量として取得してもよい。そして、少なくとも、最初に与えられた受光量データに相当する比較受光量を用いた照射割合の演算に第1の基準受光量を用いるとともに、最後に与えられた受光量データに相当する比較受光量を用いた照射割合の演算に第2の基準受光量を用いる。このようにすれば、ターゲット2の表面の反射率が部位によって異なる(均一ではない)場合でも、その反射率の違いが、ターゲット2の両端に照射されたレーザビームの照射割合の演算結果、ひいてはターゲットサイズの測定精度に及ぼす影響を低減することができる。