(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】
<概要>
本発明の一実施の形態である電源設備ライフサイクル管理システムは、データセンターにおいて、運用担当者等が、分電盤や分岐版などの電源設備における耐久年数(ライフサイクル)の管理において、これらとはライフサイクルが異なるIT機器との間で、ライフサイクルの同期を合わせ、更新・入れ替えを行ったり計画したりすることが可能となるよう支援するシステムである。
【0019】
図12は、従来の電源設備とIT機器のライフサイクルの関係の例について概要を示した図である。
図12の例および以下に示す本発明の実施の形態では、電源設備(分電盤や分岐盤等)の耐久年数(ライフサイクル)を15年とし、IT機器のライフサイクルを7年としている。なお、ライフサイクルの年数はこれに限られないことは言うまでもなく、それぞれ異なる年数であってもよいし、電源設備の種類毎、IT機器の種類毎に異なるライフサイクルを設定してもよい。なお、ライフサイクルの年数は、例えば、電源設備やIT機器のメーカー等により指定されたものであってもよいし、データセンターの運用規約や基準等により合理的な値を独自に設定したものであってもよい。
【0020】
図12の例では、分岐盤およびこれに接続された分電盤が、それぞれ同じタイミングでライフサイクルである15年間使用可能となっており、16年目に交換作業のために1年間使用不可となった後に、17年目から再度交換後の設備により使用可能となることを示している。この状態で、分電盤に対してIT機器を接続・設置する場合、例えば、
図12におけるIT機器欄の上段に示すように、1年目から第1期の機器稼働を行い、ライフサイクルである7年の経過後に更新・入れ替え作業を1年間行なって、9年目から第2期の機器稼働を行うようにする。これにより、対象の電源設備の1回のライフサイクルに対して、通常、IT機器については2回のライフサイクルでこれを使用して電力の供給を受けることが可能となる。
【0021】
その後、例えば、IT機器について16年目から第3期の機器稼働を行いたいという場合には、上記の分岐盤・分電盤はライフサイクルの終了に伴う交換作業により使用できないため、他の電源設備を利用して構築することになる。
【0022】
一方で、例えば、
図12におけるIT機器欄の下段に示すように、第1期の機器稼働が電源設備の構築完了から数年後となった場合など、第2期のIT機器構築のタイミングが後にずれる(
図12の例では11年目から稼働を開始する)場合、当該第2期のライフサイクルの終了より前に電源設備のライフサイクルが終了してしまい、当該電源設備を使用して電力の供給を受けることができなくなってしまう。
【0023】
従って、第2期の構築・設置の時点で、当該電源設備を使用せずに他の電源設備を使用して構築するよう計画することが必要となる。仮にこのようなライフサイクルの管理がうまく機能せず、11年目から当該電源設備を使用して第2期の機器稼働を開始した場合、当該電源設備のライフサイクルの経過後も、電源設備の有効利用という観点からIT機器の第2期のライフサイクルが終了するまで使用を継続する場合が生じ得る。その結果、当該電源設備の使用期間が17年間となって耐久年数を超えてしまい、電源設備としての品質にリスクが生じることになる。
【0024】
そこで、本発明の一実施の形態である電源設備ライフサイクル管理システムは、電源設備のライフサイクルと、これに接続されて当該電源設備を使用するIT機器のライフサイクルとの関係を把握してユーザに対して視覚的に容易に理解可能な形式で出力するとともに、電源設備のライフサイクルの残量が所定の長さよりも短くなる場合は、当該電源設備についての利用を終了する、もしくは新たなIT機器の割り当てを行わないようユーザに対して通知する。これにより、大量の電源設備とIT機器を有するデータセンター等の環境において、運用担当者等のユーザが、電源設備とIT機器とのライフサイクルの同期を合わせて管理することが容易となるよう支援することができる。
【0025】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態である電源設備ライフサイクル管理システムの構成例について概要を示した図である。
図1において、データセンター1は、設備2として、上述したような分岐盤や分電盤等の電源設備の他に、図示しない配線や、物理セキュリティ設備、空調設備などを有する。また、システム3として、例えば、ラックに収納されたサーバ機器やネットワーク機器等の複数のIT機器を有する。各ラックおよびラックに収納されたIT機器は、コンセントおよび電源タップ等を介して設備2が有する電源設備(分電盤)に接続され、電力の供給を受ける。
【0026】
設備2の各設備の稼働状況や稼働実績に係る情報は、各種の公知の手法により測定・集計され、例えば、設備管理データベース(DB)21に記録される。設備管理DB21には、例えば、電源設備に係る情報としてUPS(Uninterruptible Power Supply)や分岐盤、分電盤等の各設備について一定時間の消費電力を集計した情報が含まれ、これに基づいて、各設備単位での消費電力を集計した情報を得ることができる。また、各電源設備についての定格容量等のスペックに関する情報や、フロア上の配置場所の情報、導入年月やライフサイクル等の設置情報などからなる管理情報も含まれる。
【0027】
一方、システム3の各IT機器の構成に係る情報は、構成管理データベース(DB)31に記録される。これらの情報は、システム構築やメンテナンスの際などに最新の情報に更新され、これに基づいて、例えば、各情報処理システムがどの顧客のものであり、どのラックを使用しているか、各ラックにはどのようなIT機器が収納されているかという情報に加えて、各IT機器がどの分電盤(以下では単に「電源」と記載する場合がある)に接続しているかという使用電源の情報を含む構成情報を得ることができる。
【0028】
電力使用状況算出システム4は、例えば、PC(Personal Computer)などの情報処理装置によって構成され、構成管理DB31から取得した、各機器の使用電源の情報を含む構成情報と、設備管理DB21から取得した、各電源単位での単位時間あたりの消費電力を集計した情報とに基づいて、ラック単位での電力使用量を集計して算出するシステムである。当該システムで電力使用量を算出する前提として、電源とラックとの接続がN:1(N≧1)の関係になるように構成されているものとする。これにより、各ラックについて使用する電源での電力使用量を合算することで、各ラックでの電力使用量を得ることが可能である。なお、各ラックでの電力使用量を直接測定することが可能な場合は、これにより得られた情報を使用してもよい。
【0029】
電源設備ライフサイクル管理システム5は、例えば、PCなどの情報処理装置によって構成され、ソフトウェアによって実装されたライフサイクル判定部51を有する。なお、
図1の例では、電源設備ライフサイクル管理システム5を、上記の電力使用状況算出システム4とは別個のシステムとして記載しているが、同一のサーバ等の筐体上に両システムの機能を併存させる構成とすることも可能である。
【0030】
ライフサイクル判定部51は、例えば、ユーザ等から指定されたタイミングで、指定された電源設備についての現在の利用状況の情報に加えて、当該電源設備の耐久年数(ライフサイクル)と、これを利用するIT機器のシステムライフサイクルとの同期を判定し、当該電源設備のライフサイクルにおける将来の利用可否に係る情報を算出してライフサイクル情報6として出力する。
【0031】
なお、電源設備を指定する手段としては、例えば、管理者等のユーザが対象の電源設備の識別情報(例えばIDや名称、場所等)を直接入力やリストからの選択等の手段により指定する構成としてもよいし、コンピュータルームのフロアレイアウトが模式的に表された画面上で対象の電源設備の場所を選択するような直感的なインタフェースとすることも可能である。また、ライフサイクル情報6の出力についても、ファイルや印刷等の形式でデータを直接出力してもよいし、後述の
図11に示すようなグラフ等に加工して画面上に表示するようにしてもよい。
【0032】
ライフサイクル判定部51への入力となる各種情報は、例えば、構成管理DB31から取得するIT機器構成情報52や、電力使用状況算出システム4から出力されるラック使用電力53、設備管理DB21から取得する電源設備構成情報54などである。IT機器構成情報52は、例えば、各ラックにどのようなIT機器が収納されており、どの電源に接続されているか等の構成情報や、各ラックがどのフロアレイアウト上のどのエリアに設置されているかといった配置情報、導入・撤去の年月やライフサイクル等の稼働情報などを含む。ラック使用電力53は、例えば、各ラックについての電力使用量の情報を含む。電源設備構成情報54は、例えば、各分岐盤にどの分電盤が接続されているか等の電源設備の構成情報や、各電源設備についての定格容量等のスペック、ライフサイクル等の管理情報を含む。
【0033】
<処理の内容>
以下では、本実施の形態の電源設備ライフサイクル管理システム5における電源設備のライフサイクルを判定する処理の内容について、具体例に基づいて説明する。
図2は、電源設備のライフサイクルを判定する処理の例について概要を示した図である。
図2の上段の図は、データセンターのフロアにおける電源設備や空調設備、ラック等の配置(フロアレイアウト)を模式的に示した図であり、ユーザは、例えば、このようなフロアレイアウトをグラフィカルに表示した画面上で、ライフサイクルを判定する対象の電源設備を指定する。
図2の例では、分岐盤“PC−01”を指定したことを示している。なお、複数の分岐盤を指定したり、分電盤の単位で指定したりすることも可能である。
【0034】
図2の中段の表は、電源設備構成情報54のデータ構成の一部と具体的なデータの例を示している。ここでは、分岐盤や分電盤などの電源設備毎に、データセンター1への導入年月、定格容量や、予定される耐久年数(ライフサイクル:LS)などの各項目についての情報を有している。
図2の例では、指定された“PC−01”の分岐盤に対して、“PC−01−01”、“PC−01−02”、“PC−01−03”の3つの分電盤が接続される階層構造を有していることを示している。なお、これらの分岐盤、分電盤を含む電源設備についての予定ライフサイクルの値(
図2の例では15年)は、例えば、ユーザが上記のように対象の電源設備を指定した際に、運用の実績等に応じて設定した値を適宜入力して更新するようにしてもよい。
【0035】
一方、
図2の下段の表は、IT機器構成情報52データ構成の一部と具体的なデータの例を示している。ここでは、顧客が有する情報処理システムが利用するラック(もしくはサーバ機器)毎に、定格電流や、接続する電源(分電盤)などの構成情報に加えて、データセンター1への導入年月および撤去年月、予定されるライフサイクルなどの管理情報を有している。
図2の例では、指定された“PC−01”の分岐盤に接続される“PC−01−01〜03”の3種類の分電盤に接続される各ラックについて管理情報等を保持していることを示している。なお、上記の電源設備構成情報54と同様に、各ラック(IT機器)についての予定ライフサイクルの値(
図2の例では例えば7年)は、例えば、ユーザが上記のように対象の電源設備を指定した際に、運用の実績等に応じて設定した値を適宜入力して更新するようにしてもよい。
【0036】
図3〜
図5は、電源設備のライフサイクルを判定する処理においてグラフ作成用テーブルを作成する処理の例について概要を示した図である。以降の各図において、IT機器構成情報52および電源設備構成情報54の各表は、便宜上、ライフサイクル判定の対象となる“PC−01”の分岐盤およびこれに接続される“PC−01〜03”の3種類の分電盤に係るデータのみ表示するものとする。
【0037】
図3では、ライフサイクル判定部51により、上段の電源設備構成情報54および下段のIT機器構成情報52に基づいて、ライフサイクル情報6の一つである中段のグラフ作成用テーブル6aを作成する処理の例について示している。グラフ作成用テーブル6aは、電源設備とIT機器とのライフサイクルの関係をグラフ上に視覚的に示すための情報を保持するテーブルであり、電源設備毎にそのライフサイクルの情報と、接続されるIT機器(ラック)のライフサイクルの情報とを有する。IT機器のライフサイクルが複数ある場合は、そのサイクル毎に第1期、第2期、…第n期として、それぞれ個別に管理する。
【0038】
まず、ライフサイクル判定部51は、電源設備構成情報54における電源設備の構成情報に基づいて、グラフ作成用テーブル6a上に対象となる電源設備(
図3の例ではユーザにより指定された“PC−01”の分岐盤およびこれに接続される“PC−01〜03”の3種類の分電盤)についてのエントリを作成する。その後、IT機器が直接接続する電源設備である各分電盤について、ライフサイクル情報を設定する。例えば、
図3では、“PC−01−01”の分電盤についてライフサイクル情報を設定する場合の例を示している。
【0039】
グラフ作成用テーブル6aの分電盤ライフサイクルの項目については、電源設備構成情報54の対応する分電盤のエントリにおける導入年月および予定ライフサイクルの各項目の値に基づいて、ライフサイクルの開始年月と終了年月の値を設定する。ここでは、開始年月については、電源設備構成情報54の導入年月の値を設定し、終了年月については、開始年月から電源設備構成情報54の予定ライフサイクルの年数が経過する期間の末月を設定する(
図3の例では、2003年1月から15年の期間の末月である2017年12月)。
【0040】
一方、IT機器ライフサイクルの項目については、IT機器構成情報52の対応する分電盤のエントリにおける導入年月、撤去年月および予定ライフサイクルの各項目の値に基づいて、ライフサイクルの開始年月と終了年月の値を設定する。ここでは、開始年月については、IT機器構成情報52の導入年月の値を設定し、終了年月については、IT機器構成情報52の撤去年月の値を設定する。撤去年月の項目に値が設定されていない場合については、開始年月からIT機器構成情報52の予定ライフサイクルの年数が経過する期間の末月を設定する(
図3の例では、第2期について、2010年6月から7年の期間の末月である2017年5月)。対象の分電盤について、
図3の例に示すように2つ以上のエントリがある場合は、導入年月の早い順に第1期、第2期、…、第n期として複数回のサイクルについて値を設定する。
【0041】
図4の例では、“PC−01−02”の分電盤についてライフサイクル情報を設定する場合の例を示しており、上記と同様の処理によってグラフ作成用テーブル6aの分電盤ライフサイクルとIT機器ライフサイクル(第1期、第2期)の値を設定する。
図4の例では、IT機器構成情報52の撤去年月の項目にいずれも値が設定されていない、すなわち、2つのIT機器が現在いずれも当該分電盤に接続されて稼働中であることを示している。このように、ある分電盤について、接続されるIT機器のライフサイクルは重なり合う(同時期に並行して接続されて稼働している)場合があり得る。
【0042】
また、
図5の例では、“PC−01−03”の分電盤についてライフサイクル情報を設定する場合の例を示しており、上記と同様の処理によってグラフ作成用テーブル6aの分電盤ライフサイクルとIT機器ライフサイクルの値を設定する。ここでは、上述の
図3、
図4の例と異なり、IT機器構成情報52にエントリが1つしかないため、グラフ作成用テーブル6aのIT機器ライフサイクルでは第1期のみの設定となる。以上の
図3〜
図5に示したような処理により、各電源設備についてグラフ作成用テーブル6aを作成する。
【0043】
図6〜
図10は、電源設備のライフサイクルを判定する処理において利用状況テーブルを作成する処理の例について概要を示した図である。
図6では、ライフサイクル判定部51により、上段の電源設備構成情報54および下段のIT機器構成情報52に基づいて、ライフサイクル情報6の一つである中段の利用状況テーブル6bを作成する処理の例について示している。利用状況テーブル6bは、各電源設備の現在のライフサイクルにおける利用状況および将来における利用可否に係る情報を保持するテーブルであり、さらに、参照情報として、対象の電源設備により供給される電力の使用量/使用率の状況についても保持する。
【0044】
まず、ライフサイクル判定部51は、電源設備構成情報54における電源設備の構成情報に基づいて、利用状況テーブル6b上に対象となる電源設備(
図3の例では“PC−01”の分岐盤および“PC−01〜03”の3種類の分電盤)についてのエントリを作成する。その後、各分電盤について、現在のライフサイクルにおける利用状況、およびIT機器の新規割り当ての可否を判定してその内容を設定する。例えば、
図6では、“PC−01−01”の分電盤について利用状況と新規割り当て可否の情報を設定する場合の例を示している。
【0045】
当該分電盤の現在のライフサイクルにおける利用状況については、例えば、IT機器構成情報52の対応する分電盤のエントリのうち、最新のサイクル(期)について、図示するように撤去年月が設定されていない(すなわち、現在利用中である)場合は、利用状況テーブル6bの利用状況の項目を“利用中”に設定する。
【0046】
また、新規割り当ての可否については、電源設備構成情報54における対応する分電盤のエントリの導入年月および予定ライフサイクルの各項目の値に基づいて判定する。本実施の形態では、例えば、対象の分電盤の現在のライフサイクル全体の期間のうち、現時点からライフサイクル終了までの残存期間を算出して所定の長さより短いか否かを判定し、短い場合には新規割り当てを“不可”として設定し、所定の長さ以上であれば“可”として設定するものとする。
【0047】
本実施の形態では、残存期間における上記の所定の長さを分電盤のライフサイクル全体の期間の1/2としている(すなわち、残存期間が半分以上残っていれば“可”とする)。この判定条件は、分電盤のライフサイクルを15年とし、IT機器のライフサイクルを7年としていることから、新たにIT機器を割り当てるには、分電盤のライフサイクルは余裕分を見て1/2以上(7.5年以上)は残存している必要があると考えられるためである。従って、分電盤やIT機器のライフサイクルの長さによって残存期間の条件は異なり得る。なお、判定基準はこのようなものに限らず、他の要素も考慮して適宜設定することが可能である。
【0048】
図6の例では、現時点(例えば2012年5月とする)において、2003年1月から開始した現在のライフサイクルの残存期間が1/2未満となってしまうため、利用状況テーブル6bにおける新規割り当てを“不可”として設定している。
【0049】
図7では、“PC−01−02”の分電盤について利用状況と新規割り当て可否の情報を設定する場合の例を示しており、上記の
図6の例において示したものと同様の処理によって利用状況テーブル6bの利用状況と新規割り当て可否の情報を設定する。ここで、
図7の例の電源設備構成情報54では、対象の分電盤について、2008年1月から開始した現在のライフサイクルの残存期間が1/2以上となるため、利用状況テーブル6bにおける新規割り当てを“可”として設定している。
【0050】
また、
図8では、“PC−01−03”の分電盤について利用状況と新規割り当て可否の情報を設定する場合の例を示している。当該分電盤の現在のライフサイクルにおける利用状況については、上述の
図6、
図7の例と異なり、IT機器構成情報52の対応する分電盤のエントリについて、図示するように撤去年月が設定されている。
【0051】
この場合、本実施の形態では、例えば、対象の分電盤の現在のライフサイクル全体の期間のうち、IT機器の撤去時点からライフサイクル終了までの残存期間を算出して所定の長さより短いか否かを判定し、短い場合には利用状況を“利用終了”として設定する。このとき、当該分電盤については利用を終了するため、新規割り当ての可否については判定しない。なお本実施の形態では、残存期間における上記の所定の長さを、新規割り当ての可否の判定の場合と同様に、分電盤のライフサイクル全体の期間の1/2としているが、これに限らず、他の要素を考慮して判定条件を適宜設定することが可能である。
【0052】
図9は、各分電盤における電力使用量および使用率を算出する処理の例を示している。ここでは“PC−01−01”の分電盤について実際の電力使用量(実使用量)と使用率を算出する場合の例を示している。実使用量については、まず、図の下段のIT機器構成情報52における対応する分電盤のエントリから、当該分電盤に接続されており、かつ現在稼働中である(撤去されていない)ラックを特定する(
図9の例では“3N1−1−68”のみ該当)。さらに、各ラックについての電力使用量の情報を含むラック使用電力53の表から、対象のラックについての実際の電力使用量(≒発熱量)の情報を取得する(
図9の例では3A)。なお、対象のラックが複数ある場合は、それぞれの電力使用量を合算する。
【0053】
また、図の上段の電源設備構成情報54における対応する分電盤のエントリから定格容量の情報(
図9の例では100A)を取得し、これによって上記の実使用量(3A)を除算することにより使用率(%)を算出する(3A/100A=3%)。算出した実使用量と使用率の情報はそれぞれ利用状況テーブル6bに設定する。“PC−01−02”の分電盤についても同様に、実使用量と使用率を算出して設定する(“PC−01−03”の分電盤については、“利用終了”の状態であるため算出は不要である)。なお、“PC−01−02”の分電盤については、対象のラックが“5N1−1−2”と“3N1−1−67”の2つになるため、これらの電力使用量を合算する(2A+3A=5A)。
【0054】
図10は、各分電盤における定格容量の使用量および使用率を算出する処理の例を示している。ここでは、
図9の例と同様に、“PC−01−01”の分電盤について定格容量の使用量(定格使用量)と使用率を算出する場合の例を示している。定格使用量については、まず、図の下段のIT機器構成情報52における対応する分電盤のエントリから、定格電流の情報を取得する(
図10の例では5A)。なお、対象のラックが複数ある場合は、それぞれの定格電流を合算する。
【0055】
また、図の上段の電源設備構成情報54における対応する分電盤のエントリから定格容量の情報(
図10の例では100A)を取得し、これによって上記の定格使用量(5A)を除算することにより使用率(%)を算出する(5A/100A=5%)。算出した定格使用量と使用率の情報はそれぞれ利用状況テーブル6bに設定する。“PC−01−02”の分電盤についても同様に、定格使用量と使用率を算出して設定する。なお、“PC−01−02”の分電盤については、対象のラックが“5N1−1−2”と“3N1−1−67”の2つになるため、これらの定格使用量を合算する(4A+6A=10A)。以上の
図6〜
図10に示したような処理により、各電源設備について利用状況テーブル6bを作成する。
【0056】
なお、本実施の形態では、各電源設備について実使用量と使用率、および定格使用量と使用率をそれぞれ算出して利用状況テーブル6bに設定するものとしているが、これらの情報全てを算出しなければならないものではなく、また、これらの情報以外の電力使用状況に係る他の情報を算出して設定するものであってもよい。
【0057】
図11は、上述した処理により作成されたグラフ作成用テーブル6aおよび利用状況テーブル6bに基づいて、各電源設備のライフサイクルの判定状況を表示する処理の例について概要を示した図である。
図11の中段に示す表示例のように、図の上段のグラフ作成用テーブル6aに保持する各電源設備(分電盤)を単位として、分電盤のライフサイクルと、当該分電盤を利用するIT機器のライフサイクルとを視覚的に理解しやすいように帯状のグラフ等で表示する。また、図の下段の利用状況テーブル6bにおける対応する分電盤のエントリから、利用状況や新規割り当ての可否、および電力や定格容量の使用量/使用率の情報を取得して、グラフと合わせて表示する。
【0058】
図11の中段に示す表示例では、例えば、“PC−01−01”の分電盤について、点線で示された現時点(2012年5月)においてIT機器の第2期のライフサイクルが稼働中であり、分電盤のライフサイクルは2017年12月に終了して、その後更新工事が予定されていることが示されている。また、当該分電盤については、利用状況が“利用中”であり、IT機器の新規割り当てが“不可”であることを示している。また、参照情報として実際の電力使用量/使用率と定格容量の使用量/使用率の情報が合わせて表示されており、ユーザはこれらの情報を視覚的に容易に把握することが可能となる。例えば、各電源設備のライフサイクルの同期を合わせる管理の際に、電力使用量が所定のレベルを超えないようにIT機器を割り当てるよう合わせて管理することが容易となる。
【0059】
以上に説明したように、本発明の一実施の形態である電源設備ライフサイクル管理システム5によれば、電源設備のライフサイクルと、これを使用するIT機器のライフサイクルとの関係を把握してユーザに対して視覚的に容易に理解可能な形式で出力するとともに、電源設備のライフサイクルの残量が所定の条件よりも少なくなる場合は、当該電源設備についての利用を終了する、もしくは新たなIT機器の割り当てを行わないようユーザに対して通知する。これにより、大量の電源設備とIT機器を有するデータセンター1等の環境において、運用担当者等のユーザが、電源設備とIT機器とのライフサイクルの同期を合わせて管理することが容易となるよう支援することができる。
【0060】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。