【実施例】
【0028】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用ドアトリム10を意匠面側すなわち車室内側から見た概略正面図で、
図2は
図1におけるII−II矢視部分の拡大断面図、すなわち車両用ドアトリム10に設けられたアームレスト部品12の縦断面図である。また、
図3は、
図2における III部を更に拡大して示した断面図である。アームレスト部品12は重ね合わせ複合部品に相当し、ドアトリム本体14に設けられた開口16内に、そのドアトリム本体14の裏側(
図2における右側)から嵌め込まれているとともに、周縁部に設けられた複数の取付部18を介してドアトリム本体14に一体的に組み付けられている。
【0029】
上記アームレスト部品12は、三次元的に湾曲させられた板状の基材20と、その基材20の表面22に沿って略平行に重ね合わされるように配置された板状の表皮材24とから構成されている。表皮材24は第2部材で、軟質ポリ塩化ビニル等の比較的軟質の弾性変形可能な合成樹脂材料にて一体成形されており、表皮材24の裏面24rすなわち基材20側の面には、基材20の表面22に向かって突き出す多数の微小突起26が一体に点在形成されている。これ等の微小突起26により表皮材24と表面22との間に空間28が形成されるとともに、微小突起26の先端が表面22に密着する状態で、表皮材24の外周端末部30が基材20の外周縁部に巻き付けられて固定されている。外周端末部30は、アームレスト部品12がドアトリム本体14の開口16内に嵌め込まれることにより、その開口16により基材20の外周縁部に押圧され、その外周縁部に密着させられた状態に保持されるが、必要に応じて接着剤等の固定手段により基材20の外周縁部に固定するようにしても良い。基材20は第1部材に相当し、上記表皮材24よりも硬質のポリプロピレン等の合成樹脂材料にて一体成形されており、前記取付部18は基材20に一体に設けられている。微小突起26は突起に相当し、基材20の表面22は合わせ面に相当する。なお、表皮材24の表面すなわち微小突起26と反対側の意匠面に、織布や不織布等が積層して設けられても良い。
【0030】
図4は、上記表皮材24の裏面24rに設けられた多数の微小突起26を説明する図で、裏面24rに対して垂直方向から見た拡大平面図である。また、
図5は
図4における V−V 矢視部分の拡大縦断面図、
図6は
図4におけるVI−VI矢視部分の拡大縦断面図である。これ等の図から明らかなように、多数の微小突起26は同一形状で、平面視(
図4の状態)において長手形状(この実施例では長方形)を成しており、同一形状の多数の多角形の各辺がそれぞれ隣接する多角形の辺と重なる格子模様32を形成するように、その多角形の各辺を構成する位置に設けられている。本実施例では、微小突起26の平面視の形状は、四隅が丸められた長方形で、その長手方向が多角形の各辺と一致する姿勢で配置されている。また、格子模様32は、
図4に二点鎖線で示すように、多角形として一定の大きさの正六角形が連続して繰り返すハニカム模様で、微小突起26は、その正六角形の各辺の中央部分に一つずつ設けられている。
【0031】
上記微小突起26は、
図5、
図6から明らかなように、先端側へ向かうに従って断面積が小さくなる緩やかな先細形状を成している。また、
図5に示す長手方向と直角な幅方向の縦断面形状、および
図6に示す長手方向の縦断面形状は、何れも裏面24rに対して垂直な中立面に対して対称形状を成しており、先端周縁部(断面形状の両端部)には丸みが設けられている。この微小突起26について更に具体的に説明すると、格子模様32の正六角形の互いに平行な2辺の間隔であるピッチP、すなわちその2辺に設けられる微小突起26の中心距離は、4mm≦P≦7mmの範囲内で、本実施例では約5mmである。また、微小突起26の高さ寸法Hは、2mm≦H≦3.5mmの範囲内で、本実施例では約2.5mmである。微小突起26の幅寸法dは、1mm≦d≦2mmの範囲内で、本実施例では約1.2mmである。微小突起26の長さ寸法Lは、1.5mm≦L≦2.5mmの範囲内で幅寸法dよりも大きく、本実施例では約1.8mmである。微小突起26の幅方向両側の側壁の傾斜角度αは、2°≦α≦5°の範囲内で、本実施例では約3°である。微小突起26の長手方向の両端縁の傾斜角度βは、10°〜15°の範囲内で、本実施例では約13°である。微小突起26が設けられた表皮材24の板厚tは1mm≦t≦2mmの範囲内で、本実施例では約1.5mmである。これ等の寸法や角度は、表皮材24の材質などを考慮して、所定の触感(ソフト感など)が得られるように適宜定められる。
【0032】
このようなアームレスト部品12においては、表皮材24が指や手で押圧された場合、微小突起26の先端が基材20の表面22に押圧されて弾性変形させられることによりクッション性が付与され、所定の触感が得られる。本実施例では、多数の微小突起26が対称形状を成しているため、裏面24rに対して垂直方向から押圧荷重が加えられた場合、基本的には微小突起26が
図5、
図6における上下方向へ圧縮変形させられることによりクッション性が付与され、裏面24rに斜め方向から押圧荷重が加えられると、微小突起26は上下方向の圧縮変形に加えて長手方向と直角な方向(
図5における左右方向)へ撓み変形させられることによりクッション性が付与される。
【0033】
ところで、上記微小突起26は基材20の表面22に接触しているだけであるため、意匠面側が凹むように二次元的或いは三次元的に湾曲した湾曲形状部、例えば
図2における大湾曲部12aでは、基材20の表面22と微小突起26との間に隙間が生じ、表皮材24に弛みやしわが発生したり浮き上がりが生じたり、その弛みや浮き上がりに伴う位置ずれで異音が発生したりするなど、商品の品質を損なう恐れがあった。
図2の III部、すなわち
図3に示す部分は、大湾曲部12aに対応する。
【0034】
これに対し、本実施例のアームレスト部品12は、
図3に示すように上記大湾曲部12aにおける表皮材24および基材20にそれぞれ係合突起40および挿入穴42が設けられ、互いに係合させられることにより弛みや浮き上がり等が防止されるようになっている。
図7は、これ等の係合突起40および挿入穴42の一例で、挿入方向Aと直角な断面形状が互いに相違しており、表皮材24が相対的に基材20に接近させられて係合突起40が挿入穴42内に挿入される際に少なくとも一方が弾性変形させられることにより、その弾性変形に基づいて互いに係止される。具体的には、表皮材24の裏面24rに略垂直に立設された係合突起40は平板形状で、挿入方向Aと直角な断面が一直線状であるとともに、先端部分の形状が、一端部に片寄って突き出す三角形状を成している。基材20に設けられた挿入穴42は、略M字形状を成すように複数の屈曲部を備えており、その挿入穴42内に係合突起40が挿入される際には、
図8の(a) 〜(c) に示すように、係合突起40の挿入に伴って挿入穴42の屈曲形状に倣うように係合突起40が一端部側から徐々に弾性変形させられる。そして、その弾性変形に伴う復元力で係合突起40が挿入穴42に係止され、所定の抜け止め強度が得られる。
図8の係合突起40は、挿入穴42に嵌合されている部分の断面形状(変形状態)を表しており、(a) は挿入初期で、(b) は挿入中期、(c) は挿入が完全に終了した状態、すなわち
図3に示すように微小突起26が基材20の表面22に接触するまで組み合わされた状態である。係合突起40が設けられた表皮材24は一方の部材に相当し、挿入穴42が設けられた基材20は他方の部材に相当する。なお、
図7では、表皮材24の裏面24rに設けられている多数の微小突起26が省略されている。
図9、
図11〜
図14、
図16〜
図19も同様に微小突起26が省略されている。
【0035】
このように、本実施例のアームレスト部品12は、意匠面側が凹むように湾曲した大湾曲部12aの意匠面側に位置する表皮材24に係合突起40が設けられ、基材20に設けられた挿入穴42内に挿入されるとともに、その挿入穴42から抜け出さないようにその基材20に係止されるため、湾曲形状に拘らず表皮材24の弛みやしわの発生、浮き上がり等が防止されて商品品質が向上する。
【0036】
本実施例では、係合突起40および挿入穴42の断面形状が互いに相違しており、係合突起40が挿入穴42内に挿入される際に係合突起40が弾性変形させられることにより、その弾性変形に基づいて挿入穴42に係止されるようになっており、係合突起40を挿入穴42内に押し込むだけで係止できるため、表皮材24と基材20との組合せ作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0037】
また、挿入穴42の屈曲部の形状や個数を変更すれば、係合突起40の変形荷重すなわち抜け止め強度を適当に調整(チューニング)できるため、適切な係合状態が容易に得られる。
【0038】
また、多数の微小突起26が設けられる表皮材24に係合突起40が設けられ、硬質の基材20に挿入穴42が設けられるため、弾性変形可能な表皮材24に設けられた係合突起40を基材20に対して適切に係止することができる。また、硬質の基材20によって所定の剛性を確保しつつ、表皮材24に設けられた微小突起26の弾性変形により、その表皮材24を指や手で押した場合に優れた触感が得られる。
【0039】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0040】
図9および
図10は、それぞれ前記
図7および
図8に対応する図で、係合突起の別の例を説明する図である。すなわち、この係合突起50は平板形状で、挿入方向Aと直角な断面が一直線状である点は前記係合突起40と同じであるが、先端部分の形状が、中央が突き出す2等辺三角形状である点が相違する。この場合には、
図10の(a) 〜(c) に示すように、係合突起50の挿入に伴って挿入穴42の屈曲形状に倣うように係合突起50が先端中央部から徐々に弾性変形させられ、その弾性変形に伴う復元力で係合突起50が挿入穴42に係止されて所定の抜け止め強度が得られる。本実施例においても、実質的に前記実施例と同様の作用効果が得られる。
【0041】
図11は前記
図7に対応する斜視図で、係合突起および挿入穴の更に別の例を説明する図である。この係合突起52は円柱形状を成していて、表皮材24の裏面24rに略垂直に立設されている一方、基材20には、係合突起52よりも大径の挿入穴54が設けられているとともに、その挿入穴54に連続して係止穴56が設けられている。係止穴56は、複数の内向きの係止爪58を有する星型形状を成しており、その係止爪58の先端を結ぶ円の径寸法は係合突起52の径寸法より小さく、係合突起52を弾性変形させつつその外周面に食い込むように係止される。したがって、
図12の(a) に示すように、表皮材24を相対的に基材20に接近させて係合突起52を挿入穴54内に挿入した後、矢印Bで示すように撓み変形させて係止穴56内へ押し込むように移動させると、(b) に示すように係止爪58が係合突起52に食い込むように係止され、係合突起52が所定の抜け止め強度で抜け止めされる。
【0042】
本実施例においても、意匠面側が凹むように湾曲した大湾曲部12aの意匠面側に位置する表皮材24に係合突起52が設けられ、基材20に設けられた挿入穴54内に挿入されるとともに、その挿入穴54から抜け出さないようにその基材20に係止されるため、湾曲形状に拘らず表皮材24の弛みやしわの発生、浮き上がり等が防止されて商品品質が向上する。
【0043】
また、挿入穴54に連続して係止穴56が設けられ、係合突起52がその挿入穴54内に挿入された後に係止穴56内へ移動させられることにより、係止爪58が係合突起52に食い込むように係止されて抜け止めされるようになっており、挿入穴54内に挿入された係合突起52を係止穴56内へ移動させるだけで係止できるため、表皮材24と基材20との組合せ作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0044】
また、係止穴56に設けられる係止爪58の寸法や形状を変更すれば、係合突起52の抜け止め強度を適当に調整(チューニング)できるため、適切な係合状態が容易に得られる。
【0045】
図13および
図14は、それぞれ前記
図11および
図12に対応する図で、
図15は、
図14の(b) におけるXV−XV矢視部分の断面図であり、係合突起および挿入穴の更に別の例を説明する図である。この係合突起60は円柱形状を成していて、表皮材24の裏面24rに略垂直に立設されている一方、基材20には、係合突起60よりも大径の挿入穴62が設けられているとともに、表皮材24と反対側の裏面20rであって挿入穴62の近傍には係止部64が一体に設けられている。係止部64は、
図15から明らかなように、基材20の裏面20rに片持ち状に設けられて裏面20rとの間に係合突起60を挟んで係止するもので、係合突起60を径方向に潰すように弾性変形させながら横から挿入できるように、先端側程裏面20rから離間するように傾斜した差込み口66を備えている。したがって、
図14の(a) に示すように、表皮材24を相対的に基材20に接近させて係合突起60を挿入穴62内に挿入した後、挿入穴62から裏側(図の上方)へ突き出す先端部を矢印Bで示すように略90°曲げ変形させるとともに、矢印Cで示すように裏面20rに沿って旋回移動させることにより、(b) に示すように差込み口66から係止部64の内側に押し込んで係止する。このように係合突起60が折り曲げられて係止部64に係止されることにより、係合突起60が所定の抜け止め強度で抜け止めされる。
【0046】
本実施例においても、意匠面側が凹むように湾曲した大湾曲部12aの意匠面側に位置する表皮材24に係合突起60が設けられ、基材20に設けられた挿入穴62内に挿入されるとともに、その挿入穴62から抜け出さないようにその基材20に係止されるため、湾曲形状に拘らず表皮材24の弛みやしわの発生、浮き上がり等が防止されて商品品質が向上する。
【0047】
また、挿入穴62の近傍に係止部64が設けられ、係合突起60がその挿入穴62内に挿入された後に先端部が曲げ変形させられて係止部64に係止されるようになっており、挿入穴62内に挿入された係合突起60の先端部を曲げ変形させて係止部64に係止すれば良いため、表皮材24と基材20との組合せ作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0048】
図16および
図17は、それぞれ前記
図11および
図12に対応する図で、係合突起および挿入穴の更に別の例を説明する図である。この係合突起70はT字形状を成しており、表皮材24の裏面24rに略垂直に立設された円柱形状の軸部70aと、その軸部70aの先端に略直角に交差するように一体に設けられた円柱形状の頭部70bとを備えている。一方、基材20には、頭部70bの円柱形状の径寸法より大きい幅寸法の長方形の挿入穴72が設けられているとともに、表皮材24と反対側の裏面20rであって挿入穴72の両端部の近傍には一対の係止突起74が一体に立設されている。挿入穴72は、表皮材24が相対的に基材20に接近させられる際に頭部70bがその挿入穴72内に挿入されるように、係合突起70が自然状態の場合の頭部70bに対応して設けられる。したがって、
図17の(a) に示すように、表皮材24を相対的に基材20に接近させて係合突起70を挿入穴72内に挿入した後、挿入穴72から裏側(図の上方)へ突き出す頭部70bを矢印Bで示すように軸部70aの軸まわりに捩り変形させ、係止突起74を乗り越えさせると、(b) に示すように頭部70bの両端部が係止突起74に係止されて戻り変形が阻止される。これにより、頭部70bが挿入穴72から抜け出すことが防止され、係合突起70が所定の抜け止め強度で抜け止めされる。
【0049】
本実施例においても、意匠面側が凹むように湾曲した大湾曲部12aの意匠面側に位置する表皮材24に係合突起70が設けられ、基材20に設けられた挿入穴72内に挿入されるとともに、その挿入穴72から抜け出さないようにその基材20に係止されるため、湾曲形状に拘らず表皮材24の弛みやしわの発生、浮き上がり等が防止されて商品品質が向上する。
【0050】
また、係合突起70の先端に挿入方向Aにおいて非円形の頭部70bが設けられ、その頭部70bが挿入穴72内に挿入された後に捩り変形させられることにより、挿入穴72の近傍に設けられた係止突起74に係止されるようになっており、挿入穴72内に挿入された係合突起70を軸部70aの軸まわりに捩り変形させて頭部70bの両端部を係止突起74に係止すれば良いため、表皮材24と基材20との組合せ作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0051】
図18および
図19は、それぞれ前記
図11および
図12に対応する図で、係合突起および挿入穴の更に別の例を説明する図であり、
図20は
図19の(b) におけるXX−XX矢視部分の断面図である。この係合突起80は、表皮材24の裏面24rに略垂直に立設された段付き円柱形状を成しており、大径の台座部80aと、その台座部80aから軸方向へ突き出す突出先端部80bとを同心に一体に備えている。一方、基材20には、上記台座部80aよりも小径で且つ突出先端部80bよりも大径の挿入穴82が設けられている。そして、
図19の(a) に示すように、突出先端部80bが挿入穴82内に挿入されて裏側(図の上方)へ突き出し、且つ台座部80aが基材20に当接させられた状態で、(b) に示すようにインサート成形により突出先端部80bが露出している部分を含めてシール部材84が基材20の裏面20r側に一体的に設けられることにより、突出先端部80bがシール部材84を介して基材20に一体的に固定され、係合突起80が挿入穴82から抜け出すことが防止される。シール部材84は係止部材に相当するもので、表皮材24と同一の合成樹脂材料を用いて構成すれば、係合突起80に一体に融着させられ、係合突起80が基材20に一層強固に固定される。
【0052】
本実施例においても、意匠面側が凹むように湾曲した大湾曲部12aの意匠面側に位置する表皮材24に係合突起80が設けられ、基材20に設けられた挿入穴82内に挿入されるとともに、その挿入穴82から抜け出さないようにその基材20に係止されるため、湾曲形状に拘らず表皮材24の弛みやしわの発生、浮き上がり等が防止されて商品品質が向上する。
【0053】
また、係合突起80が台座部80aと突出先端部80bとを備えており、突出先端部80bが挿入穴82内に挿入されて台座部80aが基材20に当接させられた状態で、インサート成形によりシール部材84が基材20の裏面20r側に一体的に設けられることにより、その突出先端部80bがシール部材84を介して基材20に一体的に固定されるため、表皮材24と基材20との組合せ作業の自動化が容易に可能で生産効率を高めることができる。
【0054】
以上の各実施例は、何れもアームレスト部品12の大湾曲部12aに本発明が適用された場合であるが、比較的曲率が小さい小湾曲部12b(
図2参照)に対して本発明を適用することもできる。すなわち、小湾曲部12bにおいても、重力などで表皮材24が弛んだり浮き上がったりする恐れがあるため、
図21に示すように表皮材24に係合突起90を立設するとともに基材20に挿入穴92を設け、前記各実施例と同様に係合突起90が基材20に係止されるようにして、表皮材24の弛みやしわの発生、浮き上がり等が防止されるようにすることができる。
図21は、小湾曲部12bが設けられた
図2の XXI部を拡大して示す断面図である。
【0055】
図22のアームレスト部品12は、三次元的に湾曲させられた板状の基材102の表面に、多数の微小突起104を有するクッション部材106が設けられ、そのクッション部材106の微小突起104側に重ね合わされるように表皮材108が配設されている。基材102は、前記基材20と同様に比較的硬質の合成樹脂材料にて構成されている。クッション部材106は第2部材に相当し、前記表皮材24と同様に弾性変形可能な合成樹脂材料にて構成されているとともに、基材102の表面に密着するように二色成形或いは接着剤などで一体的に固着されている。微小突起104は、前記微小突起26と同様に構成されており、表皮材108の裏面108rとクッション部材106との間に空間110が形成されるように、表皮材108側へ向かって突き出すように突設され、先端が裏面108rに当接させられている。裏面108rは合わせ面に相当する。また、表皮材108は第1部材に相当し、本実施例では前記表皮材24と同様に比較的軟質の合成樹脂材料にて構成されている。そして、その表皮材108の裏面108rに係合突起112が設けられている一方、クッション部材106および基材102には挿入穴114が設けられており、前記各実施例と同様に係合突起112が挿入穴114内に挿入されるとともに、クッション部材106或いは基材102に係止されて抜け止めされることにより、表皮材108の弛みやしわの発生、浮き上がり等が防止される。この場合、前記係止部64や係止突起74、シール部材84によって係合突起112の抜け止めを行うには、例えば基材102に逃げ穴を設けて係止部64等をクッション部材106に設けることもできるが、係止部64等を基材102に設け、係合突起112をその基材102に係止するようにしても良い。要するに、係合突起112をクッション部材106に直接係止し、或いはクッション部材106に一体的に設けられた部材に係止して、所定の抜け止め強度が得られるようにすれば良い。
【0056】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。