(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
軽度認知機能障害、記憶障害、アミロイド神経障害またはアルツハイマー病の処置用医薬であって、請求項1〜11の何れか1項に記載された化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬。
β−アミロイド形成および/または凝集に関係する神経障害または血管障害を処置する医薬の製造における、請求項1〜11の何れか1項に記載された化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
処置を必要とする対象において、β−アミロイド形成および/または凝集に関係する神経障害または血管障害の処置用医薬であって、請求項1〜11の何れか1項に記載された化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬。
治療有効量の請求項1〜11の何れか1項に記載された化合物またはその薬学的に許容される塩、および、同時または連続投与するための第2薬物を含む薬学的組み合わせ剤。
【実施例】
【0190】
実施例1: フラン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−フェニル]−アミド塩酸塩
【化10】
【0191】
a) 2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオニトリル
1−(3−ブロモ−フェニル)−エタノン(10g, 50mmol)、NH
4Cl(6.4g, 100mmol)およびKCN(6.5g, 100mmol)の混合物を、アンモニア(200ml)に溶解した。溶液を室温で3日間撹拌した。混合物をジエチルエーテル(3×300ml)で抽出した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮し、表題化合物を得た(未反応の出発物質を幾らか含む)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.84 (s, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.28 (m, 1H), 1.75 (s, 3H)。
【0192】
b) 2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオン酸塩酸塩
2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオニトリル(10g, 44mmol)を、濃塩酸(100ml)に室温で加えた。混合物を一夜還流し、真空で濃縮し、粗生成物を得た。これをEtOAcで洗浄し、純粋な表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CD
3OD): 7.62 (m, 2H), 7.48 (m, 2H), 1.82 (s, 3H)。
【0193】
c) 2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロパン−1−オール
NaBH
4(38g, 1.125mol)を、室温で、乾燥THF中の2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオン酸塩酸塩(105g, 375mmol)のスラリーに加えた。0℃で、BF
3−O(C
2H
5)
2(158g, 1.125mol)を滴下した。混合物を室温まで温め、3日間撹拌し、1M NaOH水溶液でクエンチし、真空で濃縮してTHFを除去し、EtOAc(3×300ml)で抽出した。有機相を、1M NaOH水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮し、表題化合物を得た。これをさらに精製することなく次の反応工程に用いた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.61 (s, 1H), 7.35 (m, 2H), 7.21 (m, 1H), 3.58 (q, 2H), 1.42 (s, 3H)。
【0194】
d) N−[1−(3−ブロモ−フェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド
塩化 2−クロロアセチル(2.24g, 19.8mmol)を、0℃で、2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロパン−1−オール(3.8g, 16.5mmol)、K
2CO
3(4.55g, 33mmol)およびジクロロメタン(40ml)の懸濁液に滴下した。混合物を約3時間かけて室温まで温め、1N 塩酸で、そして塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空で蒸発させ、粗製の表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.43 (m, 2H), 7.23 (m, 2H), 4.10 - 4.03 (m, 4H), 1.71 (s, 3H)。
【0195】
e) 5−(3−ブロモ−フェニル)−5−メチル−モルホリン−3−オン
粗製のN−[1−(3−ブロモ−フェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド(70g, 230mmol)を、tert−ブタノール(1L)に溶解した。少しずつのカリウム tert−ブトキシド(52g, 460mmol)で溶液を処理した。混合物を30分間還流し、冷却後、水でクエンチし、蒸発させた。残渣をEtOAc(500ml)に溶解し、水で、そして塩水で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮し、粗製の表題化合物を得た。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(PE/EtOAc=20:1〜1:1)、灰色固体の形態の表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): 8.66 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.34 (t, 1H), 4.02 (s, 2H), 3.92 (d, 1H), 3.68 (d, 1H), 1.38 (s, 3H)。
【0196】
f) 5−(3−ブロモ−フェニル)−5−メチル−モルホリン−3−チオン
乾燥THF中の5−(3−ブロモ−フェニル)−5−メチル−モルホリン−3−オン(18g, 67mmol)の溶液を、ローソン試薬(27g, 67mmol)で一度に室温で処理した。混合物を2時間還流した。シリカゲルのクロマトグラフィーによって(PE/EtOAc=30:1〜10:1)、表題化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): 11.08 (s, 1H), 7.50 (m, 2H), 7.35 (m, 2H), 4.36 (s, 2H), 4.00 (m, 1H), 3.73 (m, 1H), 1.51 (s, 3H)。
【0197】
g) 5−(3−ブロモ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
MeOH/NH
3(110ml)中の5−(3−ブロモ−フェニル)−5−メチル−モルホリン−3−チオン(5g, 17.5mmol)の溶液に、室温で、t−BuOOH(28ml, 65%)およびNH
4OH(47ml, 25%)を加えた。混合物を一夜撹拌し、Na
2S
2O
3水溶液でクエンチし、真空で濃縮してメタノール溶液を除去し、EtOAc(3×30ml)で抽出した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮し、粗生成物を得た。これを、分取HPLCによって精製し[カラム=Venusil XBP-C18, 250×21.2mm, 10μm;注入体積=10ml/注入;移動相=CH
3CN/H
2O 10〜35%(0.1%蟻酸)の濃度勾配, 15分, 95% CH
3CNで4分間洗浄, 10%バランスに4分間で戻す]、蟻酸塩の形態の表題化合物を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): 9.99 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.39 (t, 1H), 4.46 (s, 2H), 4.05 (d, 1H), 3.85 (d, 1H), 1.55(s, 3H)。
【0198】
h) [5−(3−ブロモ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
5−(3−ブロモ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(4.73g, 15mmol)およびジクロロメタンの混合物を、0℃まで冷却し、(Boc)
2O(4.26g, 19.5mmol)およびDIPEA(2.91g, 22.5mmol)で処理し、17時間室温で撹拌した。300mlの水を滴下し、相を分離し、水相をジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を1M HCl水溶液で、そして水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で蒸発させ、表題化合物を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6): 9.58 (br, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.40 - 7.25 (m, 3H), 4.50 - 4.30 (m, 2H), 3.75 - 3.35 (m, 2H), 1.45 (s, 3H), 1.41 (s, 9H);
MS: 369, 371 [(M+H)
+]。
【0199】
i) [5−(3−アジド−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[5−(3−ブロモ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.03g, 12.67mmol)、アジ化ナトリウム(1.647g, 25.3mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(0.125g, 0.63mmol)、ヨウ化銅(0.241g, 1.27mmol)および(1R,2R)−N,N'−ジメチル−シクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.270g, 1.90mmol)を、エタノール(17.7ml)および水(7.6ml)に溶解した。混合物を、N
2下、90℃で4時間撹拌し、1M KHCO
3水溶液に注いだ。混合物をEtOAcで抽出し、有機相を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/EtOAc=7:3)、表題化合物を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6): 9.57 (br, 1H), 7.38 (m, 1H), 7.24 (d, 1H), 7.18 (br, 1H), 7.0 (br, 1H), 4.50 - 4.30 (m, 2H), 3.75 - 3.35 (m, 2H), 1.41 (s, 9H), 1.36 (s, 3H);
MS: 332 [(M+H)
+]。
【0200】
j) [5−(3−アミノ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
EtOAc(37ml)中の[5−(3−アジド−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(497mg, 1.50mmol)の溶液を、リンドラー触媒(10時間, 室温)を用いて水素化した。混合物をセライトで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させ、表題化合物を無色の固体の形態で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6): 9.57 (br, 1H), 6.97 (br, 1H), 6.55 (s, 1H), 6.52 (d, 1H), 6.45 (br, 1H), 5.08 (br, 2H), 4.40 - 4.30 (m, 2H), 3.75 - 3.45 (m, 2H), 1.47 (s, 3H), 1.39 (s, 9H);
MS: 306 [(M+H)
+]。
【0201】
k) (5−{3−[(フラン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[5−(3−アミノ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(264mg, 0.865mmol)、フラン−2−カルボン酸(107mg, 0.951mmol)およびHOBT(172mg, 1.124mmol)を、N
2下で、0℃で、ジクロロメタンに溶解した。DIPEA(112mg, 0.865mmol)およびEDC(182mg, 0.951mmol)を加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、室温まで温め、室温で17時間撹拌し、1M KHCO
3水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/EtOAc)、表題化合物を無色の固体の形態で得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): 9.86 (br, 1H), 9.27 (br, 1H), 7.83 (d, 1H), 7.69 (m, 2H), 7.30 (m, 2H), 7.15 (dd, 1H), 6.65 (m, 1H), 4.40 - 4.30 (m, 2H), 3.75 - 3.55 (m, 2H), 1.52 (s, 3H), 1.44 (s, 9H);
MS: 400 [(M+H)
+]。
【0202】
l) フラン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−フェニル]−アミド塩酸塩
ジクロロメタン中の(5−{3−[(フラン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(39.9mg, 0.1mmol)の溶液を、ジオキサン中4M HCl(40当量)で処理した。混合物を40℃で10時間温め、減圧下で蒸発させ、表題化合物(塩酸塩)を無色の固体の形態で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6): 10.65 (1H, NH
+), 10.31 (s, 1H), 9.14 (br, 1H), 8.52 (br, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.40 (m, 2H), 7.18 (d, 1H), 6.72 (m, 1H), 4.59 (s, 2H), 3.87 (dd, 2H), 1.64 (s, 3H);
MS: 300 [(M+H)
+]。
【0203】
実施例2: 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−フェニル]−アミド塩酸塩
【化11】
【0204】
a) (5−{3−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[5−(3−アミノ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(264mg, 0.865mmol)、5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸(192mg, 0.951mmol)およびHOBT(172mg, 1.124mmol)を、N
2下、0℃で、ジクロロメタンに溶解した。DIPEA(112mg, 0.865mmol)およびEDC(182mg, 0.951mmol)を加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、室温まで温め、室温で17時間撹拌し、1M KHCO
3水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/EtOAc)、表題化合物を無色の固体の形態で得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6, 81℃): 10.32 (1H, NH), 9.30 (br, 1H), 8.81 (s, 1H), 8.29 (dd, 1H), 8.08 (d, 1H), 7.81 (m, 2H), 7.33 (m, 1H), 7.19 (d, 1H), 4.40 - 4.30 (m, 2H), 3.75 - 3.55 (m, 2H), 1.53 (s, 3H), 1.45 (s, 9H);
MS: 489 [(M+H)
+]。
【0205】
b) 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−フェニル]−アミド塩酸塩
ジクロロメタン中の(5−{3−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(44.4mg, 0.1mmol)の溶液を、ジオキサン中4M HCl(40当量)で処理した。混合物を40℃で10時間温め、減圧下で蒸発させ、表題化合物(塩酸塩)を無色の固体の形態で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6): 10.70 (s, 1H), 10.62 (s, 1H), 9.14 (s, 1H), 8.87 (d, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.34 (dd, 1H), 8.11 (d, 1H), 7.96 (m, 2H), 7.43 (t, 1H), 7.21 (d, 1H), 4.59 (s, 2H), 3.88 (m, 2H), 1.65 (s, 3H);
MS: 389 [(M+H)
+]。
【0206】
実施例3〜30: 表1に記載された化合物を、実施例1および2で用いられた方法と類似の方法によって製造した。
表1
【表14】
【0207】
【表15】
【0208】
【表16】
【0209】
【表17】
【0210】
【表18】
【0211】
【表19】
【0212】
【表20】
【0213】
【表21】
【0214】
ラセミの(5−{3−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを、分取キラルHPLC(カラム=CHIRACEL OD-PREP;溶媒=ヘプタン/エタノール/メタノール=90:5:5;流速=1ml/分;210nmで検出)によって、純粋なエナンチオマーに分離した。これらのエナンチオマーを、ジオキサン中4M HClで処理し、エナンチオマーとして純粋な化合物3および4を得た。
実施例3: [α]
D = -50.0°, c = 0.519 % (MeOH)。
実施例4: [α]
D = +58.1°, c = 0.498 % (MeOH)。
実施例29および30は、同様の方法によって得られる。
【0215】
実施例31: 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−フェニル]−アミド
【化12】
【0216】
a) 2−(3−ブロモ−フェニル)−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール
1−ブロモ−3−ニトロメチル−ベンゼン(6.82g, 31.6mmol)、ホルマリン(35%, 5.22ml, 66.3mmol)およびEt
3N(2.2ml, 15.78mmol)の混合物を、50℃で1時間加熱し、水で希釈し、TBMEで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をTBME/ヘキサンから結晶化し、表題化合物を無色の固体の形態で得た。
TLC (ヘキサン/EtOAc=2:1): R
f = 0.2;
HPLC: Rt
H2 = 3.117分;
1H-NMR (400 MHz, CD
3OD): 7.61 - 7.54 (m, 2H), 7.39 - 7.34 (m, 2H), 4.40 (d, 2H), 4.35 (d, 2H);
MS: 298, 300 [(M+Na)
+]。
【0217】
b) 2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロパン−1,3−ジオール
100mlのEtOH中の2−(3−ブロモ−フェニル)−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール(6.79g, 24.59mmol)の溶液を、5gのラネイニッケルの存在下で水素化した。水素の取り込みが止まったとき、混合物をセライトで濾過し、濾液についてシリカゲルのクロマトグラフィーを行い(EtOAc/MeOH/25%水性NH
3, 5%)、表題化合物を無色の固体の形態で得た。
TLC (EtOAc/MeOH/25%水性NH
3, 5%): R
f = 0.24;
HPLC: Rt
H2 = 2.354分;
1H-NMR (400 MHz, CD
3OD): 7.73 (s, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.29 (t, 1H), 3.79 (d, 2H), 3.72 (d, 2H);
MS: 246, 248 [(M+H)
+]。
【0218】
c) N−[1−(3−ブロモ−フェニル)−2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド
2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロパン−1,3−ジオール(3.5g, 14.22mmol)、30mlのTHFおよび30mlの10% Na
2CO
3水溶液の懸濁液に、撹拌しながら、塩化クロロアセチル(1.472ml, 18.5mmol)を、0℃で、10分間かけて滴下した。混合物を1時間撹拌し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機相を、1N NaOH水溶液、10% Na
2CO
3水溶液で、そして塩水で洗浄した。シリカゲルのクロマトグラフィーを行い(EtOAc/ヘキサン 50〜30%)、表題化合物を無色の固体の形態で得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc=1:1): R
f = 0.21;
HPLC: Rt
H2 = 2.926分;
1H-NMR (400 MHz, CD
3OD): 7.58 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.37 (d, 1H), 7.29 (t, 1H), 4.91 (s, 2H), 4.07 (d, 2H), 4.00 (d, 2H);
MS: 322, 324, 326 [(M+H)
+]。
【0219】
d) 5−(3−ブロモ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−モルホリン−3−オン
N−[1−(3−ブロモ−フェニル)−2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド(3.24g, 10.04mmol)および35mlのt−BuOHの懸濁液を、カリウム tert−ブトキシド(1.127g, 10.04mmol)で処理した。混合物を1時間還流し、10mlの1N HClで中和した。水およびTBMEを加え、沈殿物を濾過して除去した。濾液の有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカゲルのクロマトグラフィーを行い(EtOAc/MeOH 1〜2%)、表題化合物を無色の固体の形態で得た。
TLC(EtOAc/MeOH 1%): R
f = 0.23;
HPLC: Rt
H2 = 2.839分;
1H-NMR (400 MHz, CD
3OD): 7.70 (s, 1H), 7.53 - 7.47 (m, 2H), 7.35 (t, 1H), 4.17 (s, 2H), 4.08 (d,1H), 3.98 (d, 1H), 3.91 (d, 1H), 3.87 (d,1H);
MS: 287, 289 [(M+H)
+]。
【0220】
e) 5−(3−ブロモ−フェニル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−オン
5−(3−ブロモ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−モルホリン−3−オン(2.6g, 9.09mmol)および120mlのジクロロメタンの懸濁液を0℃まで冷却した。DAST(1.26ml)を滴下した。混合物を一夜撹拌し、50mlの10% Na
2CO
3水溶液および氷に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。シリカゲルのクロマトグラフィーを行い(EtOAc/ヘキサン=1:1)、表題化合物を無色の固体の形態で得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc=1:1): R
f = 0.31;
HPLC: Rt
H2 = 3.13分;
1H-NMR (400 MHz, CD
3OD): 7.71 (s, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.38 (t, 1H), 4.77 (d, 2H), 4.20 (s, 2H), 4.11 (d, 1H), 3.95 (d,1H);
MS: 289, 291 [(M+H)
+]。
【0221】
f) 5−(3−ブロモ−フェニル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−チオン
21mlのTHF中の、5−(3−ブロモ−フェニル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−オン(1.52g, 5.28mmol)およびローソン試薬(2.14g, 5.28mmol)の混合物を、50℃で1時間加熱し、蒸発させた。残渣についてシリカゲルのクロマトグラフィーを行い(シクロヘキサン/EtOAc=15:1)、表題化合物を無色の泡状物質の形態で得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc=3:1): R
f = 0.21;
HPLC: Rt
H2 = 3.49分;
1H-NMR (400 MHz, CD
3OD): 7.65 (s, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.39 (t, 1H), 4.87 (s, 2H), 4.63 (d, 1H), 4.50 (s, 2H), 4.02 (d,1H);
MS: 304, 306 [(M+H)
+]。
【0222】
g) [5−(3−ブロモ−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
5mlの7M NH
3/MeOH中の、5−(3−ブロモ−フェニル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−チオン(200mg, 0.658mmol)の溶液に、t−ブチルヒドロペルオキシド (80%, 0.818ml, 6.58mmol)を、次いで1.7mlの25% 水性NH
4OHを加えた。2時間後、混合物をNa
2S
2O
3の飽和水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗製の5−(3−ブロモ−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(189mg, 0.658mmol)を、4mlのジクロロメタンに溶解した。溶液をDIPEA(0.172ml, 0.987mmol)およびBoc
2O(187mg, 0.855mmol)で処理した。14時間後、混合物をジクロロメタンで希釈し、水で、1N HClで、そして塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣についてシリカゲルのクロマトグラフィーを行い(シクロヘキサン/EtOAc=6:1)、表題化合物を得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc=6:1): R
f = 0.20;
HPLC: Rt
H1 = 2.380分;
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.56 - 6.98 (m, 4H; 回転異性体によりブロードなシグナル), 4.80 - 3.60 (m, 6H), 1.42 (br, 9H);
MS: 387, 389 [(M+H)
+]。
【0223】
h) [5−(3−アジド−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[5−(3−ブロモ−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(114mg, 0.295mmol)、NaN
3(77mg, 1.18mmol)、CuI(11mg, 0.059mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(12mg, 0.059mmol)、N,N'−ジメチル−シクロヘキサン−1,2−ジアミン(13mg, 0.089mmol)、1.5mlのEtOHおよび0.6mlの水の懸濁液を、N
2下、90℃で1時間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、濾液についてシリカゲルのクロマトグラフィーを行い(シクロヘキサン/EtOAc=6:1)、表題化合物を無色の泡状物質の形態で得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc=3:1): R
f = 0.33;
HPLC: Rt
H1 = 2.258分;
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.40 - 6.88 (m, 4H; 回転異性体によりブロードなシグナル), 4.75 - 3.60 (m, 6H), 1.42 (br, 9H);
MS: 350 [(M+H)
+]。
【0224】
i) (5−{3−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
2mlのEtOAc中の[5−(3−アジド−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(56mg, 0.161mmol)の溶液を、リンドラー触媒(11mg)の存在下で、3時間水素化した。混合物をセライトで濾過し、濾液を蒸発させた。粗製の[5−(3−アミノ−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(50mg, 0.155mmol)を、2mlのジクロロメタンに溶かした。2mlのジクロロメタン中の、5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸(34.4mg, 0.170mmol)、HOBT(30.9mg, 0.17mmol)およびEDC(32.6mg, 0.17mmol)の混合物を加え、トリエチルアミン(0.054ml)を添加した。混合物を4時間撹拌し、5% NaHCO
3水溶液で処理し、ジクロロメタンで2回抽出した。有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発させた。残渣についてシリカゲルのクロマトグラフィーを行い(EtOAc/シクロヘキサン=1:4)、表題化合物を得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc=3:1): R
f = 0.16;
HPLC: Rt
H1 = 2.763分;
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 9.80 (br, 1H), 8.60 (d, 1H), 8.11 (d, 1H), 7.98 (d, 1H), 7.77 (br, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.33 (br, 1H), 7.15 (d, 1H), 4.75 - 3.65 (m, 6H), 1.60 (br; 副回転異性体tBu), 1.42 (br; 主回転異性体tBu);
MS: 507, 509 [(M+H)
+]。
【0225】
j) 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−フェニル]−アミド
MeOH中2mlの3N HCl中の、(5−{3−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(48mg, 0.095mmol)の溶液を、40℃で2時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残渣を、シリカゲルのクロマトグラフィーによって、ジクロロメタンおよび2〜10% MeOH/NH
4OH(0.5%)の濃度勾配で精製し、表題化合物を無色の泡状物質の形態で得た。
TLC(ジクロロメタン/MeOH/25%水性NH
4OH=90:9:1): R
f = 0.28;
HPLC: Rt
H1 = 2.755分;
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): 8.58 (d, 1H), 8.10 (d, 1H), 7.96 (dd, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.71 (d, 1H), 7.31 (t, 1H), 7.21 (d, 1H), 4.55 - 4.33 (m, 2H), 4.13 - 3.95 (m, 3H), 3.65 (d, 1H), 4.0 - 3.3 (br, NH
2);
MS: 407, 409 [(M+H)
+]。
【0226】
実施例32: 表2に記載された化合物を、1−ブロモ−3−クロロ−5−ニトロメチル−ベンゼンから出発して、実施例31で用いられた方法と類似の方法によって製造した。
表2
【表22】
【0227】
実施例33: 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((R)−5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−フェニル]−アミド
【化13】
【0228】
a) (R)−[5−(3−アミノ−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
5mlのTHFおよび5mlのEtOH中の、740mg(2.118mmol)の[5−(3−アジド−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例31h)の溶液を、35mgの10%Pd−Cの存在下、水素下で撹拌した。3時間後、混合物をセライトで濾過し、濃縮し、EtOAc/ヘキサンから結晶化し、ベージュ色の固体を得た。ラセミの生成物を、分取HPLCにより、Chiralpak AD-H 250×4.6mmカラムで、ヘプタン/EtOH 1:1を溶出液として用いて分離した。望ましい化合物は、より遅く溶出した(R)−エナンチオマーであった。
TLC(ヘキサン/EtOAc 2:1): Rf = 0.15;
HPLC: Rt
H4 = 1.764分;
ESIMS [M+H]
+ = 324;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz, 妨害された回転によりブロードなシグナル): 10.5 (br, 1H), 7.12 (br, 1H), 6.69 (d, 1H), 6.59 (br d, 1H), 4.8-4.0 (m, 8H), 1.48 (br s, 9H).
【0229】
b) ((R)−5−{3−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
0℃で、3mlのDCM中の、105mg(0.325mmol)の(R)−[5−(3−アミノ−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル、72mg(0.357mmol)の5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸、57mg(0.422mmol)のHOAtおよび82mg(0.812mmol)のEt
3Nの溶液に、撹拌しながら、81mg(0.422mmol)のEDC・HClを加えた。18時間後、混合物をEtOAcで希釈し、水で、5% 水性NaHCO
3で、そして塩水で洗浄した。シリカゲルのクロマトグラフィーを行い(ヘキサン/EtOAc 3:1)、望ましい生成物を無色の固体として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 2:1): Rf = 0.31;
HPLC: Rt
H4= 2.481分;
ESIMS [M+H]
+ = 507/509(1Br);
1H-NMR (360 MHz, CDCl
3, 主回転異性体のみ): 9.80 (br s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.13 (d, 1H), 7.87 (dd, 1H), 7.77 (br s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.35 (br, 1H), 7.15 (t, 1H), 4.90-4.20 (m, 5H), 4.15 (d, 1H), 3.75 (br, 1H), 1.45 (br s, 9H)。
【0230】
c) 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((R)−5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−フェニル]−アミド
2mlのジオキサン中4N HCl中の、117mg(0.231mmol)の((R)−5−{3−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの溶液を、45℃で一夜撹拌した。混合物を濃縮し、EtOAc/ヘキサンから結晶化し、表題化合物を無色の結晶として得た。
Rf (DCM/MeOH/25%水性NH
3=9:1:0.1) = 0.15;
HPLC: Rt
H3= 2.786分;
ESIMS [M+H]
+ = 407/409(1Br);
1H -NMR (600 MHz, DMSO-d
6): δ 10.81 (s, 1H), 10.78 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.36 (d, 1H), 8.10 (d, 1H), 8.00 (d, 1H), 7.48 (t, 1H), 7.28 (d, 1H), 4.89 (d, 2H, CH
2F), 4.62 (s, 2H), 4.10 (d, 1H), 4.01 (d, 1H)。
【0231】
実施例34: 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−フェニル]−アミド塩酸塩
【化14】
【0232】
a) 1−(3−ブロモ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−エタノン
1−ブロモ−3−ヨード−ベンゼン(22.5g, 90mmol, Aldrich)をTHFに溶解し、−78℃まで冷却した。n−BuLi(69.8ml, 90mmol)を15分かけて加え、反応物を−78℃で30分間撹拌した。ジフルオロ酢酸エチルエステル(16.59ml, 153mmol, Aldrich)を滴下し、3時間撹拌を続けた。完了後、329mlの2M HCl溶液を添加することによって、反応物をクエンチし、反応物を室温まで温めた。相を分離し、水相をEt
2Oで抽出した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を自動化カラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル)、表題化合物を黄色の油状物として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 8.18 (s, 1H), 8.02 (m, 2H), 7.61 (t, 1H), 7.21 (t, 1H, CHF
2);
GC/MS: 234 [(M+H)
+]。
【0233】
b) [1−(3−ブロモ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−エチリデン]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
1−(3−ブロモ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−エタノン(15.36g, 65.4mmol)およびN−boc−イミノ(トリフェニル)ホスホラン(27.1g, 71.9mmol)を、トルエン中、N
2下で75時間加熱した。完了後、揮発成分を減圧下で除去し、457mlのヘキサンを加えた。反応物を還流し、冷却し、形成した沈殿物を濾過して除去した。濾液を蒸発させ、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィーによって精製した(シクロヘキサン/TBME)。黄色の油状物を生成物として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 8.02 (m, 1H), 7.85 (m, 1H), 7.55 (m, 2H), 7.20 (t, 1H, CHF
2);
MS: 234 [(M+H-Boc)
+]。
【0234】
c) [1−(3−ブロモ−フェニル)−1−ジフルオロメチル−アリル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[1−(3−ブロモ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−エチリデン]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(9.09g, 27.2mmol)をトルエンに溶解し、N
2下で−20℃に冷却した。シリンジポンプを用いて臭化ビニルマグネシウム(42.5ml, 34.0mmol)を加えた(1時間当たり1当量)。1.25時間後、出発物質は残らなかった。218mlのNH
4Clの半飽和溶液を反応物に加えた。生成物をTBMEで抽出した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を自動化カラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/TBME)、表題化合物を帯黄色の油状物として得た。
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d
6): 7.81 (br, 1H, NH), 7.52 (m, 2H), 7.35 (m, 2H), 6.48 (t, 1H, CHF
2), 5.45 (d, 1H), 5.15 (d, 1H), 1.32 (s, 9H);
MS: 362 [(M+H)
+]。
【0235】
d) [1−(3−ブロモ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[1−(3−ブロモ−フェニル)−1−ジフルオロメチル−アリル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(7.88g, 21.76mmol)を、218mlのジクロロメタンおよび73mlのメタノールに溶解した。NaHCO
3(2.74g, 32.6mmol)を加え、反応混合物を−78℃まで冷却した。溶液をO
3で30分間(反応混合物が青色に変わるまで)処理した。ガスを止め、15分間撹拌を続けた。色が無くなるまで反応物に酸素および窒素を吹き付けた。NaBH
4(2.47g, 65.3mmol)を3回に分けて加え、−78℃で30分間撹拌を続けた。反応物を0℃まで温め、435mlの1M HCl溶液に注いだ。生成物をTBMEで抽出した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、表題化合物を帯緑色の油状物として得た。
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d
6): 7.49 (m, 2H), 7.38 (br, 1H, NH), 7.32 (m, 2H), 6.37 (t, 1H, CHF
2), 5.20 (br, 1H), 3.95 (m, 1H), 3.86 (br, 1H), 1.32 (s, 9H);
MS: 366 [(M+H)
+]。
【0236】
e) 2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−3,3−ジフルオロ−プロパン−1−オール塩酸塩
[1−(3−ブロモ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(8.408g, 22.96mmol)を、105mlのジオキサン中4N HClに溶解した。反応物を45分間撹拌した。完了後、揮発成分を減圧下で除去し、白色の固体を得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 9.30 (br, 3H, NH
3+), 7.85 (s, 1H), 7.70 (d, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.49 (t, 1H), 6.63 (t, 1H, CHF
2), 6.03 (br, 1H), 4.05 (m, 2H);
MS: 266 [(M+H)
+]。
【0237】
f) N−[1−(3−ブロモ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド
2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−3,3−ジフルオロ−プロパン−1−オール塩酸塩(6.5g, 24.43mmol)を、60mlの2M Na
2CO
3水溶液および60mlのジクロロメタンの層間に入れ、強く撹拌しながら0℃まで冷却した。次いで8mlのジクロロメタン中に希釈した塩化クロロアセチル(2.94ml, 36.6mmol)を、二相溶液に滴下した。添加完了後、反応物を室温で30分間撹拌した。完了後、10mlのMeOHを加え、10分間撹拌を続けた。次いでTBMEおよび水を加えた。相を分離し、水相をTBMEで抽出した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、表題化合物を灰白色の固体として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 8.72 (s, 1H), 7.53 (m, 2H), 7.35 (m, 2H), 6.48 (t, 1H, CHF
2), 5.39 (t, 1H), 4.18 (m, 2H), 3.10 (s, 2H);
MS: 342 [(M+H)
+]。
【0238】
g) 5−(3−ブロモ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−オン
N−[1−(3−ブロモ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド(8.10g, 23.65mmol)およびカリウム tert−ブトキシド(5.31g, 47.3mmol)を、118mlのtert−ブタノール中で、95℃で30分間加熱した。完了後、水を加え、反応物を蒸発させた。残渣を酢酸エチルおよび水の層間に分配した。相を分離し、水相を酢酸エチルで2回抽出した。有機相を水で、そして塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、表題化合物を灰白色の固体として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 9.13 (s, 1H, NH), 7.78 (s, 1H), 7.59 (m, 2H), 7.42 (t, 1H), 6.48 (t, 1H, CHF
2), 4.28 (d, 1H), 4.10 (m, 2H), 3.92 (m, 1H);
MS: 306 [(M+H)
+]。
【0239】
h) 5−(3−ブロモ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−チオン
5−(3−ブロモ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−オン(6.10g, 19.93mmol)を、63mlの乾燥ピリジンに溶解し、P
2S
5(5.32g, 23.91mmol)を加えた。混合物を80℃で2時間加熱した。完了後、混合物を、酢酸エチルおよび1N HCl溶液の層間に分配した。相を分離し、有機相を、1N HClで、飽和NaHCO
3溶液で、そして塩水で洗浄した。有機相を合わせて、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、表題化合物を灰白色の固体として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 8.60 (s, 1H, NH), 7.80-7.35 (m, 4H), 6.54 (t, 1H, CHF
2), 4.45 (m, 2H), 4.28 (d, 1H), 4.12 (d, 1H);
MS: 322 [(M+H)
+]。
【0240】
i) 5−(3−ブロモ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
5−(3−ブロモ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−チオン(7.49g, 23.25mmol)を、36mlのメタノール中7N NH
3に溶解し、室温で18時間撹拌した。完了後、揮発成分を減圧下で除去し、表題化合物を得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 7.80 (s, 1H), 7.52 (m, 2H), 7.33 (m, 1H), 6.25 (br, 2H, NH
2), 6.04 (t, 1H, CHF
2), 4.15-3.90 (m, 2H), 3.72 (d, 1H), 3.45 (d, 1H);
MS: 305 [(M+H)
+]。
【0241】
j) [5−(3−ブロモ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
5−(3−ブロモ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(6.12g, 20.06mmol)を、N
2下、0℃で、100mlのACNに溶解した。Boc
2O(5.69g, 26.1mmol)、DIPEA(5.25ml, 30.1mmol)およびDMAP(0.25g, 2.01mmol)を加え、氷浴を除いた。反応物を室温で90分間撹拌した。完了後、反応物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を、1N HClで、飽和NaHCO
3溶液で、水で、そして塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を自動化カラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/TBME)、表題化合物を帯褐色の固体として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 9.97 (s, 1H, NH), 7.80 (s, 1H), 7.55 (m, 2H), 7.35 (m, 1H), 6.17 (t, 1H, CHF
2), 4.62 (d, 1H), 4.41 (d, 1H), 4.22 (d, 1H), 3.75 (d, 1H), 1.45 (s, 9H);
MS: 405 [(M+H)
+]。
【0242】
k) [5−(3−アジド−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[5−(3−ブロモ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.25, 5.55mmol)、アジ化ナトリウム(2.89g, 44.4mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(0.440g, 2.22mmol)、ヨウ化銅(0.423g, 2.22mmol)およびrac−trans−N,N'−ジメチル−シクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.790g, 5.55mmol)を、エタノール(76.6ml)および水(33.0ml)に溶解した。混合物を、N
2下、70℃で30分間撹拌した。完了後、ヘキサン/酢酸エチル 1/1を加え、反応混合物をシリカゲルで濾過した。濾液を蒸発させ、残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/TBME 9/1でアジドを、その後ヘキサン/酢酸エチル 2/1〜1/1でアニリンを副生成物として得た)、表題化合物を得た。
1H-NMR (360 MHz, CDCl
3): 7.42 (m, 1H), 7.25 (m, 2H), 7.07 (m, 1H), 5.97 (t, 1H, CHF
2), 4.80 (d, 1H), 4.65 (d, 1H), 4.25 (d, 1H), 3.80 (d, 1H), 1.55 (s, 9H);
MS: 368 [(M+H)
+]。
【0243】
l) [5−(3−アミノ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
22mlのエタノールおよび12mlのTHF中の、[5−(3−アジド−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.71g, 4.65mmol)の溶液を、Pd/C(10%)で水素化した(3時間, 室温)。混合物をセライトで濾過し、濾液を蒸発させ、残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル)、表題化合物を無色の固体として得た。
1H-NMR (360 MHz, CDCl
3): 7.22 (m, 1H), 6.92 (m, 1H), 6.84 (m, 1H), 6.70 (m, 1H), 5.95 (t, 1H, CHF
2), 4.92 (m, 1H), 4.73 (m, 1H), 4.32 (m, 1H), 3.95 (m, 1H), 1.53 (s, 9H);
MS: 342 [(M+H)
+]。
【0244】
m) (5−{3−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[5−(3−アミノ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル、および、5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸を、実施例51m)に記載された手順に従ってカップリングした。
1H-NMR (360 MHz, CDCl
3): 9.92 (s, 1H, NH), 8.73 (s, 1H), 8.24 (d, 1H), 8.10 (d, 1H), 7.88 (m, 2H), 7.45 (m, 1H), 7.31 (m, 1H), 5.92 (t, 1H, CHF
2), 4.84 (d, 1H), 4.65 (d, 1H), 4.31 (d, 1H), 3.96 (d, 1H), 1.52 (s, 9H);
MS: 525 [(M+H)
+]。
【0245】
n) 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−フェニル]−アミド塩酸塩
(5−{3−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを、実施例51に記載された手順に従って脱保護した。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6): 10.85 (s, 1H), 10.25 (s, 1H), 9.65 (br, 1H), 8.90 (s, 1H), 8.67 (br, 1H), 8.35 (m, 1H), 8.09 (d, 1H), 7.99 (m, 2H), 7.50 (t, 1H), 7.30 (d, 1H), 6.70 (t, 1H, CHF
2), 4.63 (m, 2H), 4.38 (m, 1H), 4.05 (m, 1H);
MS: 425 [(M+H)
+]。
【0246】
実施例35〜41: 表3に記載された化合物を、実施例34で用いられた方法と類似の方法によって製造した。
表3
【表23】
【0247】
【表24】
【0248】
実施例42: 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
【化15】
【0249】
a) 1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−エタノン
375mlのTHF中の17.78ml(126mmol)のジイソプロピルアミンの溶液を、−78℃に冷却した。ヘキサン中1.6MのBuLi溶液(79ml, 126mmol)を滴下した。15分後、温度を−60℃未満に保ちながら、20gの4−ブロモ−1−フルオロベンゼン(114mmol)を滴下した。−70℃で2.5時間撹拌した後、13.22mlのジフルオロ酢酸エチルを加えた。混合物を−40℃まで温め、混合物を1M HClに注ぐことによってクエンチする。混合物をリグロインで抽出し、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル;ヘキサン/5〜15% TBME)、望ましい生成物を黄色の液体として得た。
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 8.09 (dd, 1H), 7.82-7.77 (m, 1H), 7.17 (t, 1H), 6.45 (t, 1H, CHF
2)。
【0250】
b) 1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−1−ジフルオロメチル−アリル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
16g(63.2mmol)の1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−エタノン、および、26.3g(69.6mmol)のN−tert−ブチルオキシカルボニル−トリフェニルイミノホスホランの混合物を、トルエン中、90℃で18時間加熱した。混合物をヘキサンで磨砕し、濾過して、トリフェニルホスフィン オキシドを除去した。濾液をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン/1〜5% TBME)、11.37g(32.3mmol)の望ましい生成物を、僅かに不純な黄色の油状物として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 6:1): Rf = 0.65。
【0251】
生成物を100mlのTHFに溶解し、−78℃に冷却した。反応物の温度が−60℃を越えないようにしながら、臭化 ビニルマグネシウム(48mlのTHF中1M溶液)を滴下した。混合物を−70℃で1時間撹拌した後、それを0℃まで温めた。反応物を10% 水性塩化アンモニウムでクエンチし、TBMEで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、活性炭およびMgSO
4・H
2Oで処理し、セライトで濾過した。濾液を濃縮し、ヘキサンから結晶化し、望ましい生成物を無色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H1= 3.575分;
ESIMS [M+Na]
+ = 402/404(1Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.57 (dd, 1H), 7.51-7.45 (m, 1H), 7.00 (dd, 1H), 6.49 (t, 1H, CHF
2), 6.21 (dd, 1H), 5.59 (d, 1H), 5.40 (dd, 1H), 5.25 (br, 1H), 1.40 (br s, 9H)。
【0252】
c) [1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
200mlのDCMおよび80mlのMeOH中の、10.99g(28.9mmol)の1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−1−ジフルオロメチル−アリル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル、および、3.84g(43.4mmol)の炭酸水素ナトリウムの懸濁液を−78℃まで冷却した。酸素ガス中のO
3混合物を、青色が残るまで導入した。酸素ガスを10分間通気することによって、過剰なオゾンを除去した。NaBH
4(2.187g, 57.8mmol)を固体として3回に分けて加えた。混合物を−78℃で10分間撹拌し、0℃に温めた。30分後、混合物を、氷冷した1N HClに注ぎ、TBMEで抽出した。有機相を、1N HClで、そして塩水で洗浄し、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をヘキサンから結晶化し、望ましい生成物を無色の結晶として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 4:1): Rf = 0.29;
HPLC: Rt
H1= 3.000分;
ESIMS [M+Na]
+ = 406/408(1Br);
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 7.60-7.49 (m, 2H), 7.42 (br s, 1H), 7.180 (dd, 1H), 6.49 (t, 1H, CHF
2), 5.27 (br s, 1H), 3.90 (br s, 2H), 1.35 (br s, 9H)。
【0253】
d) N−[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド
133mlのジオキサン中4N HCl中の、10.22g(26.6mmol)の[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルの懸濁液を、室温で2時間撹拌した。混合物を蒸発させ、2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3,3−ジフルオロ−プロパン−1−オールの塩酸塩を得た。
HPLC: Rt
H3= 2.550分;
ESIMS [M+H]
+ = 284, 286(1Br)。
【0254】
粗生成物を、63mlのDCMおよび63mlの10% 水性ソーダに溶かし、氷冷しながら激しく撹拌した。10mlのDCM中の3.34ml(42mmol)の塩化 クロロアセチルの溶液を滴下した。氷浴を除き、1時間撹拌を続けた。混合物をTBMEおよび水で希釈した。有機相をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン/25〜33% EtOAc)、望ましい生成物を、僅かに不純な樹脂状物質として得た。
HPLC: Rt
H3= 3.336分;
ESIMS [M+H]
+ = 360/362/364 (1Br, 1Cl);
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 8.78 (s, 1H), 7.62-7.53 (m, 2H), 7.19 (dd, 1H), 6.53 (t, 1H, CHF
2), 5.43 (t, 1H), 4.27-4.02 (m, 4H)。
【0255】
e) 5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−オン
134mlのt−ブタノール中の、9.59g(26.2mmol)のN−[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミドの溶液を、3.58gのKOtBuで処理した。混合物を3時間還流した。冷却後、混合物を、EtOAcおよび1N HClで希釈した。有機相を塩水で洗浄し、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。生成物を無色の結晶として得た(TBME/ヘキサン)。
TLC(ヘキサン/EtOAc 2:1): Rf = 0.29;
HPLC: Rt
H3= 2.950分;
ESIMS [M+H]
+ = 324/326(1Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.61-7.55 (m, 2H), 7.09 (dd, 1H), 6.80 (br, 1H), 6.35 (t, 1H, CHF
2), 4.37-4.17 (m, 4H)。
【0256】
f) 5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−チオン
73mlのTHF中の、7.34g(22.65mmol)の5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−オン、および、5.19g(12.46mmol)のローソン試薬の混合物を、1時間還流した。混合物を濃縮し、DCM/ヘキサンから結晶化し、EtOHから再結晶し、望ましい生成物を無色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H3= 3.370分;
ESIMS [M+H]
+ = 340/342(1Br);
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 11.40 (s, 1H), 7.77-7.70 (m, 1H), 7.63 (dd, 1H), 7.37 (dd, 1H), 6.35 (t, 1H, CHF
2), 4.50 (d, 1H), 4.44 (d, 1H), 4.29 (d, 1H), 4.10 (d, 1H)。
【0257】
g) 5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
77mlの7M NH
3/MeOH中の、6.14g(18.05mmol)の5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−チオンの溶液を、室温で6時間撹拌した。混合物を蒸発させ、シリカゲルのクロマトグラフィーを行い(DCM/1〜5% MeOH、DCM/MeOH/水性NH
3 95:4.5:0.5)、望ましい生成物を帯黄色の樹脂状物質として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.477分;
ESIMS [M+H]
+ = 323/325(1Br);
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 7.99 (dd, 1H), 7.62-7.56 (m, 1H), 7.22 (dd, 1H), 6.31 (br, 2H), 6.12 (t, 1H, CHF
2), 4.25 (d, 1H), 4.05 (d, 1H), 3.94 (d, 1H), 3.75 (d, 1H)。
【0258】
h) [5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
100mlのTHF中の、6.38g(19.75mmol)の5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミンの氷冷した溶液に、5.60g(25.67mmol)のBoc
2O、および、5.17ml(29.6mmol)のDIPEAを加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物をTBMEで希釈し、5% 水性NaHCO
3で洗浄した。有機相をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン/5〜20% EtOAc)、望ましい生成物を無色の固体として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 9:1): Rf = 0.27;
HPLC: Rt
H1= 3.299分;
ESIMS [M+H]
+ = 423/425(1Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.81 (dd, 1H), 7.50-7.44 (m, 1H), 7.00 (dd, 1H), 6.12 (t, 1H, CHF
2), 4.83 (d, 1H), 4.60 (d, 1H), 4.37 (dd, 1H), 3.94 (d, 1H), 1.52 (s, 9H)。
【0259】
i) [5−(5−アジド−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
237mlのEtOH中の、7.27g(17.18mmol)の[5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル、および、2.443g(17.18mmol)のtrans−N,N'−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミンの溶液に、102mlの水中、8.93g(137mmol)のアジ化ナトリウム、および、1.361g(6.87mmol)のアスコルビン酸ナトリウムの溶液を加えた。混合物を脱気し、窒素雰囲気下とした。CuI(1.309g, 6.87mmol)を加え、混合物を70℃で加熱した。当初形成された懸濁液は、均一な青色の溶液に変わった。混合物を室温まで冷却し、水およびTBMEで希釈した。有機相を塩水で洗浄し、MgSO
4・H
2Oで乾燥させた。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン/5〜8% TBME)、望ましい生成物を無色の固体として得た。
HPLC: Rt
H1= 3.173分;
ESIMS [M+H]
+ = 386;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz, 回転異性体によりブロードになったシグナル): 7.39-7.44 (m, 1H), 7.15-7.06 (m, 1H), 7.05-6.98 (m, 1H), 6.14 (t, 1H, CHF
2), 4.80 (d, 1H), 4.60 (d, 1H), 4.39 (d, 1H), 3.97 (d, 1H), 1.52 (s, 9H)。
【0260】
j) [5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
64mlのEtOHおよび17mlのTHF中の、4.89g(12.69mmol)の[5−(5−アジド−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルの溶液を、1.1gの10% Pd−Cで処理し、出発物質が消費されるまで水素雰囲気下で撹拌した。混合物をDCMで希釈し、セライトで濾過した。生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン/25〜50% EtOAc)、望ましい生成物を無色の泡状物質として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.778分;
ESIMS [M+H]
+ = 360;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz, 回転異性体によりスペクトルが解析できない): 7.1-6.1 (m, 〜4H), 5.0-4.9 (m, 〜4H), 1.52 (br s, 9H)。
【0261】
k) (5−{5−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
5mlのDCM中の、325mg(0.952mmol)の[5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル、212mg(1.047mmol)の5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸、168mg(1.238mmol)のHOAt、および、0.34ml(2.38mmol)のEt
3Nの溶液に、237mg(1.24mmol)のEDC・HClを加えた。混合物を一夜撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、水で、1N HClで、塩水で、そして5% 水性NaHCO
3で洗浄した。有機相をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、濾過し、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン/14〜18% EtOAc)、望ましい生成物を、無色の泡状物質として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1): Rf = 0.35;
HPLC: Rt
H1= 3.127分;
ESIMS [M+H]
+ = 525/527(1Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 9.90 (br s, 1H), 8.72 (d, 1H), 8.23 (d, 1H), 8.09 (dd, 1H), 7.94-7.86 (m, 2H), 7.47 (t, 1H), 7.38-7.28 (m, 3H), 5.92 (t, 1H, CHF2), 4.87 (d, 1H), 4.67 (d, 1H), 4.6-4.45 (br, 1H), 4.34 (d, 1H), 4.00 (d, 1H), 1.56 (br s, 9H)。
【0262】
l) 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
1.4mlのジオキサン中4N HCl中の、100mg(0.184mmol)の(5−{5−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの溶液を50℃で撹拌した。15分後、0.3mlのMeOH中3N HClを加え、均一な溶液を3時間撹拌した。混合物を濃縮し、EtOH/TBMEから結晶化し、表題化合物を得た。
HPLC: Rt
H3= 2.857分;
ESIMS [M+H]
+ = 443/445;
1H -NMR (600 MHz, DMSO-d
6): δ 10.93 (s, 1H), 9.78 (s, 1H), 8.89 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.35 (d, 1H), 8.11-8.06 (m, 3H), 7.39 (t, 1H), 6.79 (t, 1H, CHF
2), 4.70 (d, 1H), 4.64 (d, 1H), 4.34 (d, 1H), 4.17 (d, 1H)。
【0263】
実施例43〜49: 表4に記載された化合物を、実施例42に用いられた方法と類似の方法によって製造した。
エナンチオマーとして純粋な化合物について、ラセミの前駆体[5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例42j))を、分取HPLCにより、Chiralpak AD-H 250×4.6mmカラムで、超臨界CO
2/EtOH 9:1を溶出液として用いて分離した。望ましい化合物は、より遅く溶出した(R)−エナンチオマーであった。
エナンチオマー過剰率 = 99.7 %; [α]
D = -109.7°(c=1, CHCl
3)。
【0264】
表4
【表25】
【0265】
【表26】
【表27】
【0266】
実施例50: 5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
【化16】
【0267】
a) 2−(3−ブロモ−フェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3,3,3−トリフルオロ−プロピオン酸エチルエステル
25mlのTHF中の5.66g(20mmol)の1−ブロモ−3−ヨード−ベンゼンの溶液を−20℃で撹拌した。THF中1.82Mの塩化 イソプロピルマグネシウム溶液(12.1ml, 22.0mmol)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を−78℃まで冷却し、50mlのTHF中の5.38g(20mmol)の2−[(E)−tert−ブトキシカルボニルイミノ]−3,3,3−トリフルオロ−プロピオン酸エチルエステルを、2時間かけて加えた。20分後、混合物を5% 水性NH
4Clでクエンチした。混合物をTBMEで抽出した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(c−ヘキサン/0〜14% EtOAc)、望ましい生成物を無色の樹脂状物質として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 6:1): Rf = 0.37;
HPLC: Rt
H1= 3.704分;
ESIMS [M+Na]
+ = 448/450(1Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.69 (s, 1H), 7.57(d, 1H), 7.49 (d, 1H), 7.31 (t, 1H), 5.70 (br s, 1H), 4.37 (q, 2H), 1.42 (br s, 9H), 1.30 (t, 3H).
【0268】
b) [1−(3−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
−7℃で、50mlのトルエン中の5g(11.73mmol)の2−(3−ブロモ−フェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3,3,3−トリフルオロ−プロピオン酸エチルエステルの溶液に、撹拌しながら、58.7mlのトルエン中1.7M DibalH溶液を加えた。混合物を室温で一夜撹拌し、酒石酸水溶液でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、有機相を塩水で洗浄し、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(c−ヘキサン/15〜50% TBME)、望ましい生成物を無色の樹脂状物質として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1): Rf = 0.35;
HPLC: Rt
H1= 3.155分;
ESIMS [M+Na]
+ = 406/408(1Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.54 (s, 1H), 7.45(d, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.23 (t, 1H), 5.38 (s, 1H), 4.28-4.12 (m, 3H), 1.38 (br s, 9H)。
【0269】
c) [2−(3−ブロモ−フェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ]−酢酸エチルエステル
シリンジポンプの使用により、8mlのDCM中の1.87ml(15.17mmol)のジアゾ酢酸エチルの溶液を、34mlのDCM中の2.01g(5.23mmol)の[1−(3−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび46mg(0.105mmol)のRh
2(OAc)
2の溶液に、撹拌しながら、3.5時間かけて加えた。30分後、混合物を蒸発させ、シリカゲルのクロマトグラフィーを行い(c−ヘキサン/0〜20% TBME)、ジアゾエステルオリゴマーが混入した望ましい生成物を得た。
HPLC: Rt
H1= 3.752分;
ESIMS [M+Na]
+ = 492/494(1Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.67 (s, 1H), 7.51(d, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.28 (t, 1H), 6.28 (s, 不純物), 6.05 (br s, 1H), 4.35-4.10 (m, 5H), 3.85 (br, 1H), 1.40 (br s, 9H), 1.35 (t, 3H).
【0270】
d) [2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ]−酢酸エチルエステル
5mlのDCM中の、1.4g(2.47mmol)の[2−(3−ブロモ−フェニル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ]−酢酸エチルエステルの溶液を、3.74mlの4N HCl/ジオキサンで処理した。一夜放置した後、混合物を蒸発させ、EtOAcに溶かし、10% 水性NaHCO
3で洗浄した。有機相を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(c−ヘキサン/10〜15% EtOAc)、望ましい生成物を無色の樹脂状物質として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1): Rf = 0.30;
HPLC: Rt
H1= 2.316分;
ESIMS [M+H]
+ = 370/372(1Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.77 (s, 1H), 7.51(d, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.19 (t, 1H), 4.16 (q, 2H), 4.05 (s, 2H), 3.98 (d, 1H), 3.79 (d, 1H), 1.21 (t, 3H)。
【0271】
e) 5−(3−ブロモ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−モルホリン−3−オン
5.4mlのトルエンおよび2.7mlのTFA中の、598mg(1.616mmol)の[2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−3,3,3−トリフルオロ−プロポキシ]−酢酸エチルエステルの溶液を、還流温度で5時間加熱した。冷却した混合物を蒸発させ、EtOAcに溶かし、5% 水性NaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させ、本質的に純粋な表題化合物を無色の固体として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1): Rf = 0.13;
HPLC: Rt
H1= 2.099分;
ESIMS [M+H]
+ = 324/326(1Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.68 (s, 1H), 7.63(d, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.39 (t, 1H), 6.70 (br s, 1H), 4.41 (d, 1H), 4.38 (d, 1H), 4.25 (d, 1H), 3.95 (d, 1H).
【0272】
f) [5−(3−アミノ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
表題化合物を、42e)から42j)の変換について記載された方法によって得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1): Rf = 0.16;
HPLC: Rt
H4= 2.214分;
ESIMS [M+H]
+ = 360;
1H-NMR (CD
3OD, 360 MHz): 7.00 (t, 1H), 6.86 (s, 1H), 6.78 (d, 1H), 6.60 (d, 1H), 4.52 (d, 1H), 4.40 (d, 1H), 4.03 (d, 1H), 3.88 (d, 1H)。
【0273】
g) (5−{5−[(5−クロロ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
1mlのDCM中の、56mg(0.156mmol)の[5−(3−アミノ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル、27mg(0.171mmol)の5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸、27.6mg(0.203mmol)のHOAt、および、0.054ml(0.39mmol)のEt
3Nの溶液に、33mg(0.171mmol)のEDC・HClを加えた。18時間後、混合物をEtOAcで希釈し、水で、1N HClで、塩水で、そして5% 水性NaHCO
3で洗浄した。有機相をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、濾過し、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン/14〜18% EtOAc)、望ましい生成物を無色の泡状物質として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1): Rf = 0.34;
HPLC: Rt
H4= 2.871分;
ESIMS [M+Na]
+ = 521/523(1Cl);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 8.51 (d, 1H), 8.19 (d, 1H), 7.85-7.80 (m, 3H), 7.36 (t, 1H), 7.25 (d, 1H), 4.68 (d, 1H), 4.57 (d, 1H), 4.15 (d, 1H), 4.03 (d, 1H), 1.50 (br s, 9H)。
【0274】
h) 5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
2mlのジオキサン中4N HCl中の、68mg(0.136mmol)の(5−{5−[(5−クロロ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの溶液を、40℃で一夜撹拌した。混合物を濃縮し、EtOAc/ヘキサンから結晶化し、表題化合物を無色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.927分;
ESIMS [M+H]
+ = 399/401(1Cl);
1H -NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.60 (s, 1H), 8.19 (dd, 1H), 8.14 (d, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.87 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.33 (d, 1H), 6.27 (br s, 1H), 4.12 (d, 1H), 4.04 (d, 1H), 3.94 (d, 1H), 3.93 (d, 1H)。
【0275】
実施例51: 5−ブロモ−ピリミジン−2−カルボン酸 [3−((R)−5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−ブロモ−フェニル]−アミド塩酸塩
【化17】
【0276】
a) 1−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−エタノール
3−ブロモ−5−ニトロ−ベンズアルデヒド(9.20g, 40mmol)を固体として添加したとき、THF(400ml)中のTiCl
4(9.48g, 50mmol)および臭化 メチルマグネシウム(20.80ml, 52mmol, THF中2.5M溶液)の溶液を−30℃で撹拌した。混合物を−30℃で1時間撹拌した。反応が完了しないとき、反応物を−78℃まで冷却し、0.65当量の臭化 メチルマグネシウムおよび0.625当量のTiCl
4を加え、−30℃で撹拌を続けた。この手順を繰り返して、再度、0.325当量の臭化 メチルマグネシウムおよび0.313当量のTiCl
4を添加した。変換完了後、反応物を−78℃まで冷却し、500mlの冷水を添加することによってクエンチした。500mlのジクロロメタンを加え、反応物を室温まで温めた。相を分離し、水相をジクロロメタンで2回抽出した。有機相を水で、そして塩水で洗浄し、合わせて、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発成分を減圧下で除去した。粗生成物を自動化カラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル)、表題化合物を帯黄色の油状物として得た。
1H-NMR (360 MHz, CDCl
3): 8.20 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 4.95 (q, 1H), 1.45 (d, 3H)。
【0277】
b) 1−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−エタノン
1−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−エタノール(12.84g, 52.2mmol)をジオキサン(245ml)に溶解し、二酸化マンガン(31.8g, 365mmol)を加えた。反応物を17時間還流した。反応物を濾過し、溶媒を減圧下で除去し、表題化合物を黄色の固体として得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6): 8.64 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 2.70 (s, 3H);
GC/MS: 243 [(M)
+]。
【0278】
c) 2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸 [1−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−エタ−(E)−イリデン]−アミド
1−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−エタノン(11.6g, 47.5mmol)、(R)−(+)−tert−ブタンスルフィンアミド(6.34g, 52.3mmol)およびTi(OEt)
4(24.64ml, 119mmol)を、62mlのTHF中で混合し、2.5時間還流した。反応物を冷却し、氷水を添加することによって注意深くクエンチした。白色の沈殿物を濾過して除き、水性混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、合わせて、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発成分を減圧下で除去した。粗生成物を自動化カラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル)、表題化合物を黄色の油状物として得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6): 8.58 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 2.79 (s, 3H), 1.24 (s, 9H);
MS: 347 [(M+H)
+];
[α]
D = +54.5°(c = クロロホルム中0.481%)。
【0279】
d) 2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸 [(R)−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−シアノ−メチル−メチル]−アミド
前の工程から得たスルホキシイミン(12.48g, 35.9mmol)およびCsF(6.01g, 39.5mmol)を、ヘキサン(287ml)およびTHF(72ml)に溶解し、−50℃まで冷却した。TMSCN(3.92g, 39.5mmol)を滴下し、反応物を0℃で4時間撹拌した。反応物を−78℃に冷却し、720mlの飽和NH
4Cl溶液を添加することによってクエンチした。生成物を酢酸エチルで抽出した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、合わせて、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発成分を減圧下で除去した。粗生成物を自動化カラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル)、表題化合物を黄褐色の固体として得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3): 8.43 (s, 2H), 8.13 (s, 1H), 4.19 (s, NH, 1H), 2.05 (s, 3H), 1.30 (s, 9H);
MS: 374 [(M+H)
+];
[α]
D = +3.2°(c = クロロホルム中0.497%)。
【0280】
e) (R)−2−アミノ−2−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−プロピオン酸塩酸塩
2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸 [(R)−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−シアノ−メチル−メチル]−アミド(4.87g, 13.0mmol)を、濃塩酸(12.1M)に懸濁し、4時間還流した。トルエンを2回加え、揮発成分を減圧下で除去し、灰白色の固体を得た。
1H-NMR (360 MHz, MeOD): 8.60 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 2.05 (s, 3H);
MS: 289 [(M+H)
+]。
【0281】
f) (R)−2−アミノ−2−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−プロパン−1−オール
(R)−2−アミノ−2−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−プロピオン酸(8.41g, 25.8mmol)を、無水THF(39ml)に懸濁し、0℃に冷却した。THF中のBH
3(103ml, 103mmol, THF中1M)を加え、反応物を室温で1時間撹拌した。反応物を、NaHCO
3(固体, 26g, 12当量)、78gの氷および155mlの酢酸エチルに注ぎ、室温で20分間撹拌した。相を分離した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、合わせて、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発成分を減圧下で除去し、表題化合物を褐色の油状物として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 8.40 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 4.95 (t, 1H), 3.55 (m, 1H), 3.38 (m, 1H), 1.33 (s, 3H);
MS: 275 [(M+H)
+]。
【0282】
g) N−[(R)−1−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド
(R)−2−アミノ−2−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−プロパン−1−オール(6.27g, 22.79mmol)を、N
2下で、DMF(230ml)に溶解し、K
2CO
3(7.87g, 57mmol)およびDIPEA(3.98ml, 22.79mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、塩化 クロロアセチル(2.83g, 25.07mmol)を滴下した。反応物を0℃で19時間撹拌した。完了後、反応物を、水(2.3L)およびトルエン(2.3L)の層間に分配した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、合わせて、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発成分を減圧下で除去した。粗生成物を自動化カラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル)、表題化合物を無色の油状物として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 8.51 (1H, NH), 8.28 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 5.25 (t, 1H), 4.15 (d, 2H), 3.62 (m, 2H), 1.62 (s, 3H);
MS: 351 [(M+H)
+]。
【0283】
h) (R)−5−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−5−メチル−モルホリン−3−オン
N−[(R)−1−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド(4.45g, 10.76mmol)およびKOtBu(2.414g, 21.52g)を、N
2下で、55mlのtert−ブタノールに懸濁し、100℃で30分間加熱した。完了後、水を反応物に加え、tert−ブタノールを減圧下で除去した。生成物を残った水相から酢酸エチルで抽出した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、合わせて、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発成分を減圧下で除去した。粗生成物を自動化カラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル)、表題化合物を黄褐色の固体として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 8.88 (1H, NH), 8.35 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 4.16 (m, 1H), 4.06 (s, 2H), 3.74 (m, 1H), 1.50 (s, 3H);
MS: 316 [(M+H)
+]。
【0284】
i) (R)−5−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−5−メチル−モルホリン−3−チオン
(R)−5−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−5−メチル−モルホリン−3−オン(2.60g, 7.84mmol)およびローソン試薬(2.54g, 6.27mmol)を、80℃で2時間撹拌した。揮発成分を減圧下で除去し、粗生成物混合物を、自動化カラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル)、表題化合物を黄色の泡状物質として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 11.28 (1H, NH), 8.38 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 4.44 (m, 1H), 4.22 (d, 1H), 3.81 (m, 1H), 1.60 (s, 3H);
MS: 331 [(M+H)
+]。
【0285】
j) (R)−5−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
(R)−5−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−5−メチル−モルホリン−3−チオン(2.86g, 7.77mmol)を、メタノール中7M NH
3(50ml)に溶解した。tert−ブチルヒドロペルオキシド(9.41ml, 78mmol)および水酸化アンモニウム(25%溶液, 21.2ml, 136mmol)を加え、反応物を室温で2時間撹拌した。完了後、50mlの半飽和Na
2S
2O
3溶液を反応物に加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、合わせて、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発成分を減圧下で除去し、表題化合物を帯黄色の固体として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 8.34 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 5.85 (br, 2H), 4.01 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 1.38 (s, 3H);
MS: 314 [(M+H)
+]。
【0286】
k) [(R)−5−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(R)−5−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(1.74g, 5.10mmol)を、N
2下で、40mlのジクロロメタンに溶解し、0℃に冷却した。Boc
2O(1.45g, 6.63mmol)およびDIPEA(1.34ml, 7.65mmol)を加え、反応物を室温で18時間撹拌した。100mlの水を反応物に加えた。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、合わせて、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発成分を減圧下で除去した。粗生成物を、自動化カラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル)、表題化合物を白色の泡状物質として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 9.76 (s, 1H, NH), 8.32 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 4.60 (d, 1H), 4.38 (d, 1H), 3.94 (d, 1H), 3.48 (d, 1), 1.44 (s, 9H), 1.38 (s, 3H);
MS: 414 [(M+H)
+]。
【0287】
l) [(R)−5−(3−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(R)−5−(3−ブロモ−5−ニトロ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(930mg, 2.13mmol)を、5mlのメタノールに溶解した。ラネイニッケルを加え、反応物を室温で1.5時間水素化した。反応物をセライトで濾過し、ジクロロメタン/メタノール(9/1)で洗浄した。揮発成分を減圧下で除去し、表題化合物を白色の固体として得た。
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 9.60 (br, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.64 (s, 1H), 6.55 (s, 1H), 5.40 (br, 2H), 4.38 (m, 2H), 3.65 (m, 2H), 1.44 (s, 12H);
MS: 384 [(M+H)
+];
[α]
D= -172.9°(c = メタノール中0.441%)。
【0288】
m) ((R)−5−{3−ブロモ−5−[(5−ブロモ−ピリミジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(R)−5−(3−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(33mg, 0.082mmol)、5−ブロモ−ピリミジン−2−カルボン酸(18mg, 0.090mmol)およびHOBT(16mg, 0.106mmol)を、N
2下、0℃で、ジクロロメタンに溶解した。DIPEA(10.54mg, 0.082mmol)およびEDC(17mg, 0.090mmol)を加えた。混合物を、0℃で10分間撹拌し、室温まで温め、室温で17時間撹拌し、1M KHCO
3水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機相を、水で、そして塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を自動化カラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル)、表題化合物を黄褐色の泡状物質として得た。
MS: 569 [(M+H)
+]。
【0289】
n) 5−ブロモ−ピリミジン−2−カルボン酸 [3−((R)−5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−ブロモ−フェニル]−アミド塩酸塩
ジオキサン中4M HCl(0.8ml, 80当量)中の、((R)−5−{3−ブロモ−5−[(5−ブロモ−ピリミジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(22mg, 0.039mmol)の溶液を、密封反応バイアル中、40℃で24時間温めた。完了後、揮発成分を減圧下で除去し、表題化合物(塩酸塩)を無色の固体の形態で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6): 11.05 (s, 1H), 10.61 (s, 1H, NH
+), 9.25 (s, 2H), 9.19 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.44 (s, 1H),4.59 (m, 2H), 3.91 (m, 2H), 1.63 (s, 3H);
MS: 470 [(M+H)
+]。
【0290】
実施例52〜59: 表5に記載された化合物を、実施例51で用いられた方法と類似の方法によって製造した。
表5
【表28】
【0291】
【表29】
【0292】
【表30】
【0293】
実施例60〜65: 表6に記載された化合物を、実施例51(工程a)およびb))および実施例1(工程c)からl))で用いられた方法と類似の方法によって製造した。3−ブロモ−5−ニトロ−ベンズアルデヒドの代わりに、5−ブロモ−2−フルオロ−ベンズアルデヒドを用いた。
表6
【表31】
【0294】
【表32】
【0295】
実施例66: 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R*,6R*)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−フェニル]−アミド塩酸塩
【化18】
【0296】
a) 2−[2−(3−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エトキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
CH
2Cl
2(400ml)中の3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(22.94g, 133mmol)の溶液に、ロジウム(II)トリフルオロアセテート二量体(0.439g, 0.667mmol)を加えた。0℃に冷却した後、CH
2Cl
2(100ml)に溶解した1−(3−ブロモ−フェニル)−2−ジアゾ−エタノン(15.0g, 66.7mmol)の溶液を2時間かけて加えた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行った後(トルエン)、表題化合物を黄色の油状物として得た。
TLC(トルエン/EtOAc 10:1): Rf = 0.45;
HPLC Rt
H5= 1.352分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 8.15 (s, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.40 (t, 1H), 4.87 (s, 2H), 3.89 (s, 3H), 1.72 (s, 3H);
ESIMS: 386, 388 [(M + NH
4)
+]。
【0297】
b) 2−[2−(3−ブロモ−フェニル)−2−ヒドロキシ−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
トルエン(120ml)中の2−[2−(3−ブロモ−フェニル)−2−オキソ−エトキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(6.6g, 17mmol)の溶液に、アルゴン下、−78℃で、ヘプタン中2MのAlMe
3溶液(17ml, 34mmol)を加え、−78℃で0.5時間撹拌した後、Et
2O中1.6MのMeLiの溶液(21.3ml, 34mmol)を40分間かけて加えた。−78℃で0.5時間撹拌した後、反応混合物を冷NaH
2PO
4水溶液に加え、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(トルエン〜トルエン/EtOAc 10:1)、表題化合物のジアステレオマー混合物を黄色の油状物として得た。
TLC(トルエン/EtOAc 10:1): Rf = 0.34 および 0.37;
HPLC Rt
H5= 1.359分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.69 (m, 1H), 7.43 (m, 2H), 7.25 (t, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.68 (m, 2H), 3.43 and 3.33 (s, 1H), 1.63 and 1.61 (s, 3H), 1.58 (s, 3H);
ESIMS: 402, 404 [(M + NH
4)
+]。
【0298】
c) 2−[2−アジド−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
トルエン(50ml)中の2−[2−(3−ブロモ−フェニル)−2−ヒドロキシ−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(5.1g, 11.92mmol)の溶液に、トリメチルシリル アジド(3.95ml, 29.8mmol)を加え、0℃でBF
3−Et
2O(4.53ml, 35.8mmol)を加えた。反応混合物を、25℃で2日間、40℃でさらに1日間撹拌した。反応混合物を冷NH
4OH水溶液にゆっくりと添加することによって、反応物を注意深くクエンチした。生成物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(トルエン〜トルエン/EtOAc 10:1)、表題化合物のジアステレオマー混合物を明黄色の油状物として得た。
TLC(トルエン/EtOAc 10:1): Rf = 0.69;
HPLC Rt
H5= 1.560分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.65 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.27 (t, 1H), 3.87 and 3.85 (s, 3H), 3.76 (m, 2H), 1.78 and 1.75 (s, 3H), 1.65 and 1.61 (s, 3H);
ESIMS: 427, 429 [(M+NH
4)
+]。
【0299】
d) 2−[2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
THF−H
2O 3:1(48ml)中の、2−[2−アジド−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(4.2g, 9.22mmol)の溶液に、インジウム(2.116g, 18.43mmol)を加え、4N 水性HClを20分間かけて加え、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を10% K
2CO
3水溶液に加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、NEt
3不活性化シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン/EtOAc 2:1〜EtOAc)、表題化合物のジアステレオマー混合物を黄色の油状物として得た。
TLC(EtOAc): Rf = 0.46;
HPLC Rt
H5= 0.999分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.73 (s, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.24 (t, 1H), 3.84 and 3.83 (s, 3H), 3.59 (s, 2H), 1.61 and 1.59 (s, 3H), 1.52 and 1.51 (s, 3H);
ESIMS: 384, 386 [(M+H)
+]。
【0300】
e) (2R*,5R*)−5−(3−ブロモ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−モルホリン−3−オンおよび(2S*,5R*)−5−(3−ブロモ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−モルホリン−3−オン
CH
2Cl
2(40ml)中の2−[2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(2.7g, 6.89mmol)の溶液に、アルゴン下、0〜5℃で、ヘプタン中2MのAlMe
3溶液(10.33ml, 20.66mmol)を加えた。25℃で1時間撹拌した後、反応混合物を、冷1N 水性HClにカニューレで加えた。生成物をCH
2Cl
2で抽出し、合わせた有機層を、5% NaHCO
3水溶液で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン/EtOAc 4:1〜1:1)、(2R*,5R*)−ジアステレオマーを白色の結晶として、そして(2S*,5R*)−ジアステレオマーを白色の結晶として得た。
(2R*,5R*)−ジアステレオマー
TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1): Rf = 0.34;
HPLC Rt
H5= 1.262分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.55 (s, 1H), 7.52 (m, 1H), 7.32 (m, 2H), 6.61 (s, 1H), 4.04 (s, 2H), 1.67 (s, 3H), 1.58 (s, 3H);
ESIMS: 352, 354 [(M+H)
+]。
(2S*,5R*)−ジアステレオマー
TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1): Rf = 0.16;
HPLC Rt
H5= 1.230分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.57 (s, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.37 (d, 1H), 7.32 (t, 1H), 6.45 (s, 1H), 4.11 (dd, 1H), 3.83 (dd, 1H), 1.7 (s, 3H), 1.72 (s, 3H);
ESIMS: 352, 354 [(M+H)
+]。
【0301】
f) (2S*,5R*)−5−(3−ブロモ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−モルホリン−3−チオン
トルエン(25ml)中の(2R*,5R*)−5−(3−ブロモ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−モルホリン−3−オン(2.48g, 7.0mmol)の溶液に、ヘキサメチルジシロキサン(2.7ml, 12.7mmol)および五硫化二リン(1.878g, 4.23mmol)を加え、反応混合物を16時間還流した。冷却した反応混合物に、アセトン(10ml)および20% K
2CO
3水溶液を加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。生成物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をジイソプロピルエーテルから結晶化して、精製された表題化合物を白色の結晶として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1): Rf = 0.55;
HPLC Rt
H5= 1.408分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 8.51 (s, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.34 (t, 1H), 7.28 (d, 1H), 4.07 (m, 2H), 1.79 (s, 3H), 1.71 (s, 3H);
ESIMS: 368, 370 [(M+H)
+]。
【0302】
g) (2R*,5R*)−5−(3−ブロモ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
THF(25ml)中の(2S*,5R*)−5−(3−ブロモ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−モルホリン−3−チオン(2.5g, 6.79mmol)の溶液に、濃水性NH
4OH(10.7ml, 170mmol)およびH
2O中80% tert−ブチルヒドロペルオキシド(4.25ml, 33.9mmol)を加え、反応混合物を25℃で3時間撹拌した。さらに4.25mlのH
2O中80% tert−ブチルヒドロペルオキシドを添加した後、反応混合物を25℃で一夜撹拌した。反応混合物を、0〜10℃で、濃メタ重亜硫酸ナトリウム溶液にゆっくりと加え、20% K
2CO
3水溶液を添加した後、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の表題生成物をそのまま次の変換に用いた。少量をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、Et
2O中1N HClで塩酸塩に変換し、表題化合物を白色の固体として得た。
TLC(EtOAc/MeOH 9:1): Rf = 0.60;
HPLC Rt
H5= 1.024分;
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6): δ 11.55 (s, 1H), 9.54 (d, 2H), 7.74 (s, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.51 (d, 1H), 7.42 (t, 1H), 4.15 (d, 1H), 4.06 (d, 1H), 1.75 (s, 3H), 1.66 (s, 3H);
ESIMS: 351, 353 [(M+H)
+]。
【0303】
h) [(2R*,5R*)−5−(3−ブロモ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
アセトニトリル(30ml)中の(2R*,5R*)−5−(3−ブロモ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(1.5g, 4.27mmol)の溶液に、Boc
2O(1.86g, 8.54mmol)およびNEt
3(1.79ml, 12.8mmol)を加え、反応混合物を25℃で4時間撹拌した。反応混合物をNaH
3PO
4水溶液に加え、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン〜ヘキサン/EtOAc 1:1)、表題化合物を明黄色の油状物として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1): Rf = 0.57;
HPLC Rt
H5= 1.549分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.50 (m, 2H), 7.30 (m, 2H), 4.04 (s, 2H), 1.69 (s, 3H), 1.64 (s, 3H), 1.57 (s, 9H);
ESIMS: 451, 453 [(M+H)
+]。
【0304】
i) [(2R*,5R*)−5−(3−アジド−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
EtOH−H
2O 2:1(15ml)中の、[(2R*,5R*)−5−(3−ブロモ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.1g, 2.39mmol)の溶液に、アルゴン下、NaN
3(0.62g, 9.5mmol)、trans−N,N−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.075ml, 0.48mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(0.084g, 0.48mmol)およびCuI(0.091g, 0.48mmol)を加え、得られた反応混合物を70℃で45分間加熱した。反応混合物を、飽和NH
4Cl水溶液に加え、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、5% NaHCO
3水溶液で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の表題生成物を黄色の油状物として得た。これをそのまま次の変換に用いた。
TLC(トルエン/EtOAc 10:1): Rf = 0.53;
HPLC Rt
H5= 1.532分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.44 (t, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.06 (d, 1H), 6.98 (s, 1H), 4.04 (m, 2H), 1.69 (s, 3H), 1.63 (s, 3H), 1.57 (s, 9H);
ESIMS: 412, 414 [(M+H)
+]。
【0305】
j) [(2R*,5R*)−5−(3−アミノ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
EtOH(10ml)中の[(2R*,5R*)−5−(3−アジド−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.82g, 1.92mmol)の溶液を、10% Pd−C(0.1g)の存在下、水素雰囲気下で、25℃で1.5時間撹拌した。触媒をセライトで濾過して除き、蒸発させ、残渣油状物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン/EtOAc 10:1〜1:2)、表題化合物を無色の泡状物質として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1): Rf = 0.43;
HPLC Rt
H5= 1.082分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 10.94 (s, 1H), 7.21 (t, 1H), 6.74 (d, 1H), 6.67 (d, 1H), 6.66 (s, 1H), 4.01 (s, 2H), 3.78 (broad s, 2H), 1.68 (s, 3H), 1.65 (s, 3H), 1.57 (s, 9H);
ESIMS: 386, 388 [(M+H)
+]。
【0306】
k) ((2R*,5R*)−5−{3−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
DMF(2.5ml)中の[(2R*,5R*)−5−(3−アミノ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.1g, 0.253mmol)の溶液に、5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸(78mg, 0.379mmol)、EDC(0.074g, 0.379mmol)、HOAt(0.053g, 0.379mmol)およびDIPEA(0.083g, 0.632mmol)を加え、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。DMFを蒸発させた後、残渣をNaH
2PO
4溶液に溶かし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、5% NaHCO
3溶液で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をジイソプロピルエーテルから結晶化し、表題化合物を白色の結晶性固体として得た。
TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1): Rf = 0.61;
HPLC Rt
H5= 1.565分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 11.01 (s, 1H), 9.92 (s, 1H), 8.71 (dd, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.10 (dd, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.46 (t, 1H), 7.18 (d, 1H), 4.10 (m, 2H), 1.75 (s, 3H), 1.67 (s, 3H), 1.58 (s, 9H);
ESIMS: 571, 573 [(M+H)
+]。
【0307】
l) 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R*,6R*)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−フェニル]−アミド塩酸塩
((2R*,5R*)−5−{3−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.113g, 0.194mmol)を、THF(1ml)および4N HCl(5ml)に溶解し、反応混合物を、25℃で2時間、40℃で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣をEt
2Oで磨砕し、表題化合物を白色の非晶質の固体として得た。
TLC(EtOAc/MeOH 9:1): Rf = 0.56;
HPLC Rt
H5= 1.147分;
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6): δ 11.45 (s, 1H), 10.81 (s, 1H), 9.74 (d, 2H), 8.88 (dd, 1H), 8.34 (dd, 1H), 8.10 (d, 1H), 8.01 (d, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.46 (t, 1H), 7.27 (d, 1H), 4.13 (d, 1H), 4.05 (d, 1H), 1.81 (s, 3H), 1.69 (s, 3H);
ESIMS: 471, 473 [(M+H)
+]。
【0308】
実施例67: 表7の化合物は、実施例66で用いられた方法と類似の方法によって製造され得る。
表7
【表33】
【0309】
実施例68〜70: 表8に記載された化合物は、実施例66で用いられた方法と類似の方法によって、塩化 5−ブロモ−2−フルオロ−ベンゾイルから出発して、製造され得る。
表8
【表34】
【0310】
実施例71: 5−ブロモ−ピリミジン−2−カルボン酸 [3−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
【化19】
【0311】
a) 2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−2−オール
THF(500ml)中のジイソプロピルアミン(57.3ml, 402mmol)の溶液に、アルゴン下、ヘキサン中1.6Mのn−BuLi溶液(260ml, 416mmol)を−50℃未満で加えた。−75℃で30分間撹拌した後、温度を−70℃未満に保ちながら、4−ブロモ−1−フルオロベンゼン(31.1ml, 277mmol)を加えた。−75℃で2時間撹拌した後、アセトン(41.2ml, 554mmol)を−65℃未満で加え、反応混合物を−75℃で1時間撹拌し、−50℃まで温め、10% NH
4Cl水溶液に注いだ。混合物を、TBMEで抽出し、有機相を、KHSO
4水溶液で、飽和NaHCO
3溶液で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、ヘキサンから結晶化し、表題化合物を白色の結晶として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 3:1): Rf = 0.45;
HPLC Rt
H5= 1.045分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.74 (dd, 1H), 7.36 (m, 1H), 6.93 (dd, 1H), 2.04 (d, 1H), 1.63 (s, 6H)。
【0312】
b) 4−ブロモ−1−フルオロ−2−イソプロペニル−ベンゼン
CH
2Cl
2(50ml)中の2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−2−オール(119.7g, 498mmol)の溶液に、ヒドロキノン(2.74g, 24.9mmol)および250mlの85% H
3PO
4を加えた。得られた反応混合物を50℃で3.5時間撹拌した。混合物を氷水に注ぎ、CH
2Cl
2で抽出した。有機相を、2N 水性NaOHで、そして水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をヘキサンに溶解し、シリカゲルのプラグで濾過し、600mbarで濃縮し、表題化合物を無色の油状物として得た。
TLC(ヘキサン): Rf = 0.52;
HPLC Rt
H5= 1.416分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.43 (dd, 1H), 7.37 (m, 1H), 6.94 (dd, 1H), 5.27 (d, 2H), 2.13 (s, 3H)。
【0313】
c) (S)−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−1,2−ジオール
t−BuOH−H
2O 1:1(1600ml)中の、K
3Fe(CN)
6(186g, 561mmol)、K
2CO
3(78g, 561mmol)、(DHQ)
2−PHAL(1.311g, 1.674mmol)およびK
2OsO
2(OH)
4(0.378g, 1mmol)の懸濁液に、4−ブロモ−1−フルオロ−2−イソプロペニル−ベンゼン(36g, 167mmol)を0℃で加え、反応混合物を0℃で14時間撹拌した。Na
2S
2O
5(100g)を0〜5℃で注意深く添加した後、反応混合物を1時間撹拌した後、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を、5% NaS
3O
3溶液で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物を白色の固体として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1): Rf = 0.46;
HPLC Rt
H5= 0.767分;
ESIMS: 266, 268 [(M+NH
4)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.71 (dd, 1H), 7.27 (m, 1H), 6.83 (dd, 1H), 3.85 (d, 1H), 3.62 (d, 1H), 2.94 (s, 3H), 2.01 (s, 1H), 1.43 (s, 3H)。
【0314】
d) (S)−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−メチル−オキシラン
CH
2Cl
2(400ml)中の、(S)−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−1,2−ジオール(37.35g, 150mmol)の溶液に、アルゴン下でNEt
3(41.8ml, 300mmol)を加え、塩化メシル(12.8ml, 165mmol)を0〜5℃で滴下した。0〜5℃で0.5時間撹拌した後、反応混合物を冷1N HClに加え、CH
2Cl
2で抽出した。合わせた抽出物を、1N HClで、H
2Oで、そして飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製のメシレートを、TBME(500ml)および200mlの2N 水性NaOHに溶解し、25℃で2時間撹拌した後、混合物をTBMEで抽出した。合わせた抽出物を、NaH
2PO
4溶液で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、(S)−エナンチオマーを無色の油状物として得た。
78% ee (Chiralpak AS-H 1218, ヘキサン−EtOH 97:3, 0.4mL/分);
TLC(ヘキサン−EtOAc 3:1): Rf = 0.69;
HPLC Rt
H5= 1.186分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.46 (dd, 1H), 7.30 (m, 1H), 6.83 (dd, 1H), 2.88 (d, 1H), 2.72 (d, 1H), 1.59 (s, 3H)。
【0315】
e) (S)−1−アジド−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−2−オール
EtOH(800ml)中の、(S)−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−メチル−オキシラン(51.85g, 224mmol)の溶液に、NaN
3(36.8g, 531mmol)、NH
4Cl(60.6g, 1122mmol)および18−クラウン−6(59.8g, 224mmol)を加え、反応混合物を6時間還流した。反応混合物を濾過し、その体積が半量になるまで濃縮した。残渣油状物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を、飽和NaHCO
3溶液で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物を明黄色の油状物として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1): Rf = 0.70;
HPLC Rt
H3= 1.115分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.72 (dd, 1H), 7.32 (m, 1H), 6.85 (dd, 1H), 3.73 (d, 1H), 3.51 (d, 1H), 2.44 (s, 1H), 1.50 (s, 3H)。
【0316】
f) (S)−1−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−2−オール
THF(250ml)中のLiAlH
4(4.65g, 122mmol)の懸濁液に、アルゴン下、0〜5℃で、THF(150ml)に溶解した(S)−1−アジド−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−2−オール(33.4g, 122mmol)の溶液を、30分間かけて加えた。0〜5℃で1時間撹拌した後、水(4.7ml)、4N NaOH(4.7ml)および水(14.1ml)を注意深く添加することによって反応物をクエンチし、再度25℃で3時間撹拌した。白色の懸濁液をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。固化した生成物をTBME−ヘキサンから再結晶し、表題化合物をベージュ色の結晶として得た。
98% ee (Chiralpak AD-H ヘキサン-EtOH 75-25 + 0.05% NEt
3);
TLC(CH
2Cl
2−MeOH 10:1) Rf = 0.10;
HPLC Rt
H5= 0.558分;
ESIMS: 248, 250 [(M+H)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.76 (dd, 1H), 7.25 (m, 1H), 6.82 (dd, 1H), 4.16 (br s, 1H), 3.19 (d, 1H), 2.72 (d, 1H), 1.44 (s, 3H), 0.95 (br s, 2H)。
【0317】
g) N−[(S)−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−ヒドロキシ−プロピル]−2−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド
THF(400ml)中の(S)−1−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−2−オール(34.7g, 140mmol)の溶液に、塩化 2−ニトロ−ベンゼンスルホニル(34.9g, 154mmol)を、0〜5℃で加え、その後、1N 水性NaOHを0.5時間かけて加えた。反応混合物を20℃で2時間撹拌した。反応混合物をTBMEで希釈し、水で、NaH
2PO
4溶液で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、TBME−ヘキサンから結晶化した後、表題化合物をベージュ色の結晶として得た。
TLC(トルエン−EtOAc 3:1): Rf = 0.51;
HPLC Rt
H5= 1.118分;
ESIMS: 450, 452 [(M+NH
4)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.98 (m, 1H), 7.81 (m, 1H), 7.65 (m, 2H), 7.59 (dd, 1H), 7.24 (m, 1H), 6.79 (dd, 1H), 5.60 (t, 1H), 4.16 (br s, 1H), 3.55 (dd, 1H), 3.44 (dd, 1H), 2.51 (s, 1H), 1.51 (s, 3H)。
【0318】
h) (R)−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−メチル−1−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン
CH
2Cl
2(400ml)中の、N−[(S)−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−ヒドロキシ−プロピル]−2−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(20.8g, 48mmol)の溶液に、0〜5℃で、PPh
3 (19.2g, 72.4mmol)およびアゾジカルボン酸ジエチル(11.6ml, 72.4mmol)を加えた。反応混合物を25℃で24時間撹拌し、濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィーで精製(ヘキサン−EtOAc 20:1〜2:1)した後、表題化合物を黄色の結晶として得た。
TLC(トルエン−EtOAc 3:1): Rf = 0.69;
HPLC Rt
H5= 1.308分;
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 8.31 (m, 1H), 7.28 (m, 3H), 7.60 (dd, 1H), 7.42 (m, 1H), 6.91 (dd, 1H), 3.24 (s, 1H), 2.81 (s, 1H), 2.06 (s, 3H)。
【0319】
i) (R)−2−[(R)−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル
DMF(160ml)中のNaH(2.53g, 鉱物油中60%, 63mmol)の懸濁液に、アルゴン下、(R)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(11.99g, 63mmol)を滴下し、20℃で0.5時間撹拌した後、(R)−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−メチル−1−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン(21.85g, 52.6mmol)を加えた。反応物を25℃で16時間保った。混合物を、冷2N 水性HClに加え、生成物をTBMEで抽出した。合わせた有機層を、飽和NaHCO
3溶液で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣固体をTBME−ヘキサンから再結晶し、表題化合物を黄色の結晶として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1): Rf = 0.59;
HPLC Rt
H5= 1.444分;
ESIMS: 618, 620 [(M+NH
4)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.83 (dd, 1H), 7.61 (m, 3H), 7.48 (dd, 1H), 7.27 (m, 1H), 6.73 (s, 1H), 6.60 (dd, 1H), 4.33 (m, 2H), 3.84 (s, 2H), 1.84 (s, 3H), 1.57 (s, 3H), 1.33 (t, 3H)。
【0320】
j) (R)−2−[(R)−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオンアミド
MeOH中7N NH
3(75ml)中の、(R)−2−[(R)−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(26.6g, 44.2mmol)の溶液を、50℃で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣固体をEt
2Oから再結晶し、表題化合物を黄色の結晶として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1): Rf = 0.35;
HPLC Rt
H5= 1.184分;
ESIMS: 589, 591 [(M+NH
4)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.85 (d, 1H), 7.64 (m, 3H), 7.44 (d, 1H), 7.41 (dd, 1H), 7.26 (m, 1H), 6.68 (br s, 1H), 6.57 (dd, 1H), 6.19 (s, 1H), 5.54 (br s, 1H), 4.24 (d, 1H), 3.93 (d, 1H), 1.79 (s, 3H), 1.67 (s, 3H)。
【0321】
k) N−[(R)−1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−((R)−1−シアノ−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エチル]−2−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド
CH
2Cl
2(300ml)中の、(R)−2−[(R)−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオンアミド(20.83g, 35.6mmol)の溶液に、0〜5℃で、アルゴン下、NEt
3(12.5ml, 89mmol)および無水トリフルオロ酢酸(6.15ml, 42.7mmol)を加えた。25℃で4時間撹拌した後、反応混合物を冷NaHCO
3溶液に加え、生成物をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた抽出物を、冷0.1N 水性HClで、水で、そして飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物を黄色の油状物として得た。これをそのまま次の工程に用いた。
TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1): Rf = 0.73;
HPLC Rt
H5= 1.364分;
ESIMS: 571, 573 [(M+NH
4)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.89 (d, 1H), 7.62 (ddd, 1H), 7.57 (ddd, 1H), 7.52 (m, 2H), 7.29 (m, 1H), 6.58 (dd, 1H), 6.19 (s, 1H), 4.17 (s, 2H), 1.81 (s, 3H), 1.72 (s, 3H)。
【0322】
l) (2R,5R)−5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
MeOH(80ml)中の、N−[(R)−1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−((R)−1−シアノ−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エチル]−2−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(6.54g, 11.8mmol)およびN−アセチル−システイン(2.4g, 26.0mmol)の溶液に、K
2CO
3(3.62g, 26.0mmol)を加え、反応混合物を80℃で16時間加熱した。溶媒を除去した後、残渣を水に溶解し、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を、飽和NaHCO
3溶液で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルのクロマトグラフィーで精製(ヘキサン−EtOAc 10:1〜1:2, 0.03% NEt
3含有)した後、表題化合物を黄色の油状物として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1): Rf = 0.58;
HPLC Rt
H5= 0.843分;
ESIMS: 369, 371 [(M+H)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.66 (dd, 1H), 7.35 (m, 1H), 6.91 (dd, 1H), 3.97 (m, 2H), 1.53 (s, 3H), 1.49 (s, 3H)。
【0323】
m) (2R,5R)−5−(2−フルオロ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
MeOH(50ml)中の、(2R,5R)−5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(1.66g, 4.5mmol)および酢酸ナトリウム(0.369g, 4.5mmol)の溶液を、10% Pd−Cで、50℃で6時間水素化した。触媒をセライトで濾過し、濾液を濃縮した。残渣を飽和NaHCO
3溶液に溶解し、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を、塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物を無色の油状物として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1): Rf = 0.19;
HPLC Rt
H5= 0.777分;
ESIMS: 291 [(M+H)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 7.41 (dt, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.11 (t, 1H), 7.05 (dd, 1H), 4.11 (dd, 1H), 3.94 (dd, 1H), 1.54 (s, 3H), 1.49 (s, 3H)。
【0324】
n) (2R,5R)−5−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
H
2SO
4(6ml)中の、(2R,5R)−5−(2−フルオロ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(1.035g, 3.57mmol)の溶液に、氷水で冷却しながら、KNO
3(0.379g, 3.74mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を25℃で2時間撹拌し、水で希釈し、冷却しながらK
2CO
3で塩基性にした。生成物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を、飽和NaHCO
3溶液で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン−EtOAc 4:1〜1:1, 0.05% NEt
3含有)、表題化合物を明黄色の油状物として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1): Rf = 0.50;
HPLC Rt
H5= 0.749分;
ESIMS: 336 [(M+H)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 8.48 (dd, 1H), 8.14 (m, 1H), 7.15 (dd, 1H), 4.20 (br s, 2H), 4.04 (dd, 1H), 3.91 (dd, 1H), 1.54 (s, 3H), 1.49 (s, 3H)。
【0325】
o) [(2R,5R)−5−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
ACN(20ml)中の(2R,5R)−5−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(1.14g, 3.4mmol)の溶液に、Boc
2O(0.891g, 4.08mmol)およびNEt
3(0.72ml, 5.1mmol)を加え、混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣油状物を、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン−EtOAc 20:1〜7:3)、Et
2O−ヘキサンから結晶化した後、表題化合物をベージュ色の結晶として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 3:1): Rf = 0.37;
HPLC Rt
H5= 1.355分;
ESIMS: 436 [(M+H)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 11.04 (br s, 1H), 8.24 (m, 2H), 7.30 (dd, 1H), 4.41 (dd, 1H), 4.11 (dd, 1H), 1.68 (s, 3H), 1.51 (s, 9H), 1.49 (s, 3H)。
【0326】
p) [(2R,5R)−5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
イソプロパノール−THF 2:1(24ml)中の、[(2R,5R)−5−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.98g, 2.25mmol)の溶液を、5% Pd−Cで、50℃で4時間水素化した。触媒をセライトで濾過し、濾液を濃縮し、TBME−ヘキサンから結晶化した後、表題化合物をベージュ色の結晶として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1): Rf = 0.42;
HPLC Rt
H5= 0.955分;
ESIMS: 406 [(M+H)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 6.82 (dd, 1H), 6.52 (m, 2H), 4.30 (dd, 1H), 3.97 (dd, 1H), 3.06 (br s, 2H), 1.58 (s, 3H), 1.48 (s, 3H), 1.46 (s, 9H)。
【0327】
q) ((2R,5R)−5−{5−[(5−ブロモ−ピリミジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
DMF(2ml)中の[(2R,5R)−5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(76mg, 0.187mmol)の溶液に、5−ブロモピリジン−2−カルボン酸(47mg, 0.225mmol)、EDC・HCl(48mg, 0.244mmol)、HOAt(29mg, 0.206mmol)およびDIPEA(0.08ml, 0.469mmol)を加え、反応混合物を25℃で16時間保った。混合物を濃縮し、残渣をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO
3溶液で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン−EtOAc 20:1〜1:1)、表題化合物を明黄色の泡状物質として得た。
HPLC Rt
H5= 1.297分;
ESIMS: 590, 592 [(M+H)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 10.98 (br s, 1H), 9.71 (br s, 1H), 8.94 (s, 2H), 7.89 (m, 1H), 7.49 (dd, 1H), 7.12 (dd, 1H), 4.38 (d, 1H), 4.04 (d, 1H), 1.66 (s, 3H), 1.56 (s, 3H), 1.52 (s, 9H)。
【0328】
r) 5−ブロモ−ピリミジン−2−カルボン酸 [3−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
ジオキサン中4N HCl(1ml)中の、((2R,5R)−5−{5−[(5−ブロモ−ピリミジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(90mg, 0.153mmol)の溶液を、40〜45℃で6時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をEt
2Oから結晶化し、表題化合物をベージュ色の固体として得た。
HPLC Rt
H5= 0.837分;
ESIMS: 490,492 [(M+H)
+];
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6): 11.61 (br s, 1H), 11.14 (br s, 1H), 9.61 (br s, 2H), 9,26 (s, 2H), 7.98 (d, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.32 (dd, 1H), 4.31 (d, 1H), 4.10 (d, 1H), 1.72 (s, 3H), 1.62 (s, 3H)。
【0329】
実施例72〜74: 表9に記載された化合物は、実施例71および72で用いられた方法と類似の方法によって製造され得る。
表9
【表35】
【0330】
実施例72の製造のより詳細な説明: 5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
a) ((2R,5R)−5−{5−[(5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
DMF(2ml)中の、[(2R,5R)−5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(82mg, 0.20mmol)の溶液に、5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[酸(3)](42mg, 0.26mmol)、EDC・HCl(51mg, 0.26mmol)、HOAt(31mg, 0.22mmol)およびDIPEA(0.09ml, 0.52mmol)を加え、反応混合物を25℃で16時間保った。混合物を濃縮し、残渣をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO
3溶液で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン−EtOAc 20:1〜1:1)、表題化合物を明黄色の泡状物質として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1): Rf = 0.81;
HPLC Rt
H5= 1.437分;
ESIMS: 550 [(M+H)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): δ 10.96 (br s, 1H), 9.95 (br s, 1H), 8.63 (s, 2H), 7.88 (m, 1H), 7.71 (m, 1H), 7.54 (dd, 1H), 7.08 (dd, 1H), 4.34 (d, 1H), 4.02 (d, 1H), 2.77 (s, 3H), 1.63 (s, 3H), 1.47 (m, 12H)。
【0331】
b) 5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
CH
2Cl
2(0.3ml)中の、((2R,5R)−5−{5−[(5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの溶液に、TFA(0.6ml)を加え、反応混合物を25℃で2時間保った。反応物を、冷10% K
2CO
3水溶液に加え、生成物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミドを無色の泡状物質として得た。CH
2Cl
2中の遊離塩基を溶解し、1当量のEt
2O中2N HClを添加し、乾固するまで蒸発させ、CH
2Cl
2−Et
2Oから結晶化することによって、該化合物をその塩酸塩に変換し、表題化合物を白色の固体として得た。
HPLC Rt
H5= 0.957分;
ESIMS: 450 [(M+H)
+];
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6): 11.0 (s, 1H), 9.60 (d, 2H), 9.04 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.96 (m, 1H), 7.83 (dd, 1H), 7.33 (dd, 1H), 4.37 (d, 1H), 4.11 (d, 1H), 2.56 (s, 3H), 1.73 (s, 3H), 1.70 (s, 3H)。
【0332】
実施例75: 5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R*,6R*)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−6−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
【化20】
【0333】
a) N−[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−プロピオンアミド
[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル[実施例42の工程c)](2.21g, 5.75mmol)を、20mlのジオキサン中4mol/L HCl溶液に溶解し、室温で60分間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、白色の固体を得た。これを直接15mlのジクロロメタンに溶かした。20mlのNa
2CO
3水溶液(10%(w/w))を加え、エマルジョンを0〜5℃まで冷却した。ラセミの塩化 2−クロロ−プロピオニル(787mg, 6.20mmol)を滴下し、反応混合物を室温までゆっくりと温めた。30分後、層を分離し、ジクロロメタンで洗浄した。有機層を合わせて、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルカラムで、ヘプタン/EtOAc 3/1から2/1で溶出することによって精製し、632mgの1番目に溶出するジアステレオマー、および、619mgの2番目に溶出するジアステレオマーを得た。
【0334】
1番目に溶出するジアステレオマーの分析データ:
HPLC Rt
H1= 2.403分;
ESIMS [M+H]
+ = 374, 376 (1 Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.56 - 7.46 (m, 2H), 7.39 (dd, 1H), 7.06 (dd, 1H), 6.35 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.64 - 4.56 (dd, 1H), 4.40 - 4.29 (m, 1H), 4.21 - 4.14 (m, 1H), 4.07 - 4.00 (dd, 1H), 1.86 (d, 3H)。
【0335】
2番目に溶出するジアステレオマーの分析データ:
HPLC Rt
H1= 2.409分;
ESIMS [M+H]
+ = 374, 376 (1 Br)
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.46 - 7.38 (m, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.31 (dd, 1H), 6.95 (dd, 1H), 6.23 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.53 - 4.44 (dd, 1H), 4.30 - 4.20 (m, 1H), 4.11 - 4.03 (m, 1H), 4.01 - 3.95 (dd, 1H), 1.77 (d, 3H)。
【0336】
b) 5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2−メチル−モルホリン−3−オン
4.4mlのアセトニトリル中のN−[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−プロピオンアミド(1番目に溶出したジアステレオマー)(442mg, 1.180mmol)の溶液を、水酸化カリウム(86mg, 1.298mmol)で処理し、一夜撹拌した。さらに水酸化カリウム(26mg, 0.472mmol)を加え、反応混合物をさらに一夜撹拌した。最後に、反応混合物を、1N HClとEtOAcの層間に分配した。層を分離し、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をTBMEから結晶化し、251mgの表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H1= 2.221分;
ESIMS [M+H]
+ = 338, 340 (1 Br);
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 8.96 (s, 1H), 7.82 (m, 1H), 7.73 - 7.65 (m, 1H), 7.30 (dd, 1H), 6.59 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.46 (d, 1H), 4.23 - 4.15 (dd, 1H), 3.89 - 3.80 (m, 1H), 1.33 (d, 3H)。
【0337】
c) 5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2−メチル−モルホリン−3−チオン
6.6mlのピリジン中の、5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2−メチル−モルホリン−3−オン(659mg, 1.949mmol)の溶液に、五硫化二リン(433mg, 1.949mmol)を加え、混合物を80℃で120分間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、0.1N NaOHとEtOAcの層間に分配した。層を分離し、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層を、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させ、704mgの表題化合物をジアステレオマー混合物として得た。
HPLC: Rt
H1= 2.961分;
ESIMS [M+H]
+ = 354, 356 (1 Br);
Rt
H1= 3.007分;
ESIMS [M+H]
+ = 354, 356 (1 Br);
ジアステレオマー混合物の
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 11.32 and 11.26 (s, 1H), 7.82 - 7.71 and 7.59 (m, 2H), 7.45 - 7.33 (m, 1H), 6.72 and 6.63 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.62 - 4.41 and 4.04 - 3.95 (m, 3H), 1.62 and 1.51 (d, 3H)。
【0338】
d) [5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
この化合物を、5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2−メチル−モルホリン−3−チオンから、実施例42の工程g)からj)に記載された方法と同様の方法によって、ジアステレオマー混合物として得た(白色の泡状物質)。
HPLC: Rt
H3= 2.793分;
ESIMS [M+H]
+ = 374;
Rf (ヘキサン/EtOAc 1/1): 0.40 (異性体1, より多いスポット), 0.47 (異性体2, より少ないスポット);
ジアステレオマー混合物の
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz, 回転異性体によりブロードなシグナル): 11.00 and 11.96 (s, 1H), 7.01 - 7.89 (m, 1H), 6.76 - 6.62 (m, 2H), 6.32 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.66 - 3.92 (m, 3H), 3.70 (s, 2H), 1.59 - 1.56 (s, 12H).
【0339】
e) (5−{5−[(5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−ジフルオロメチル−2−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
2mlのDMF中の、[5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(140mg, 0.375mmol)、5−シアノ−2−ピリジンカルボン酸(83mg, 0.562mmol)およびHOAT(92mg, 0.675mmol)の溶液を、0〜5℃まで冷却した。EDC(108mg, 0.562mmol)を加え、DIPEA(97mg, 0.750mmol)を加えた。反応混合物を室温まで温めた。135分後、混合物を飽和NaHCO
3水溶液とEtOAcの層間に分配した。層を分離し、飽和NaHCO
3水溶液で、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、ヘキサン/EtOAc 3/1から2/1で溶出することによって精製し、表題化合物をジアステレオマー混合物として得た(白色の泡状物質)。
Rf (ヘキサン/EtOAc 2/1): 0.36 (異性体1), 0.30 (異性体2);
HPLC: Rt
H3 = 2.870分;
ESIMS [M+H]
+ = 504;
ジアステレオマー混合物の
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz, 回転異性体によりブロードなシグナル): 11.14 and 11.07 (s, 1H), 9.93 (s, 1H), 8.95 and 8.92 (s, 1H), 8.50 - 8.42 (m, 1H), 8.26 and 8.24 (d, 1H), 8.16 - 7.97 (m, 1H), 7.79 - 7.74 (m, 1H), 7.28 - 7.12 (m, 1H), 6.36 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.72 - 3.94 (m, 3H), 1.67 - 1.43 (m, 12 H)。
【0340】
f) 5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R*,6R*)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−6−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
1.95mlのジクロロメタン中の(5−{5−[(5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−ジフルオロメチル−2−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(170mg, 0.338mmol)の溶液に、0.65mlのTFAを加えた。溶液を45分間撹拌した後、それを室温で蒸発させた。残渣をEtOAcに溶かし、飽和NaHCO
3水溶液で抽出した。層を分離し、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層を蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、CH
2Cl
2/0.5〜3% EtOH:NH
3 9:1で溶出することによって精製し、1番目に溶出する異性体および2番目に溶出する異性体を得た。異性体をそれぞれ個別にTHFに溶解し、0.1mlのジエチルエーテル中1N HClを加えた。混合物を蒸発させ、35.8mgの1番目に溶出する異性体および43.5mgの2番目に溶出する異性体を、その対応する塩酸塩として得た。
1番目に溶出する異性体である5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R*,6R*)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−6−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩の分析データ:
HPLC: Rt
H3= 2.774分;
ESIMS [M+H]
+ = 404;
1H-NMR (DMSO, 600 MHz): 11.06 (s, 1H), 10.90 (s, 1H), 9.57 (s, 1H), 9.22 (s, 1H), 8.85 (s, 1H), 8.61 (d, 1H), 8.30 (d, 1H), 8.17 - 8.13 (m, 1H), 8.09 - 8.04 (m, 1H), 7.41 (t, 1H), 6.81 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.81 (d, 1H), 4.46 (d, 1H), 4.04 (d, 1H), 1.57 (d, 3H)。
【0341】
実施例76: 5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R*,6S*)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−6−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
【化21】
【0342】
1.95mlのジクロロメタン中の、(5−{5−[(5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−ジフルオロメチル−2−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル[実施例75の工程e)](170mg, 0.338mmol)の溶液に、0.65mlのTFAを加えた。溶液を45分間撹拌した後、それを室温で蒸発させた。残渣をEtOAcに溶かし、飽和NaHCO
3水溶液で抽出した。層を分離し、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層を蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、CH
2Cl
2/0.5〜3% EtOH:NH
3 9:1で溶出することによって精製し、1番目に溶出する異性体および2番目に溶出する異性体を得た。異性体をそれぞれ個別にTHFに溶解し、0.1mlのジエチルエーテル中1N HClを加えた。混合物を蒸発させ、35.8mgの1番目に溶出する異性体および43.5mgの2番目に溶出する異性体を、対応する塩酸塩として得た。
2番目に溶出する異性体である5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R*,6S*)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−6−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩の分析データ:
HPLC: Rt
H3= 2.746分;
ESIMS [M+H]
+ = 404;
1H-NMR (DMSO, 600 MHz): 11.17 (s, 1H), 11.05 (s, 1H), 9.71 (s, 1H), 9.22 (s, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.60 (d, 1H), 8.31 (d, 1H), 8.16 - 8.10 (m, 1H), 8.08 - 8.02 (m, 1H), 7.40 (t, 1H), 6.77 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.86 (d, 1H), 4.34 (d, 1H), 4.13 (d, 1H), 1.50 (d, 3H)。
【0343】
実施例77: 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R*,6R*)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−6−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
【化22】
【0344】
a) (5−{5−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−ジフルオロメチル−2−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
この化合物を、5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル[実施例75の工程d)]から、実施例75の工程e)に記載された方法と類似の方法で製造した。
Rf (ヘキサン/EtOAc 3/1): 0.26 (異性体1), 0.22 (異性体2);
HPLC: Rt
H3 = 3.137分;
ESIMS [M+H]
+ = 557 / 559;
ジアステレオマー混合物の
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz, 回転異性体によりブロードなシグナル): 11.04 and 10.97 (s, 1H), 9.79 (s, 1H), 8.63 - 8.57 (m, 1H), 8.13 - 8.06 (m, 1H), 8.03 - 7.45 (m, 3H), 7.16 - 7.00 (m, 1H), 6.24 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.62 - 3.86 (m, 3H), 1.56 - 1.34 (m, 12H)。
【0345】
b) 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R*,6R*)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−6−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
(5−{5−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−ジフルオロメチル−2−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(179mg, 0.321mmol)を、ジオキサン中4mol/LのHCl溶液(2.4ml, 9.63mmol)に溶解し、0.1mlのメタノール中3mol/LのHCl溶液を、共溶媒として加えた。密封した反応容器を50℃で120分間加熱した。混合物を蒸発させ、その残渣をEtOAcに溶かし、飽和NaHCO
3水溶液で抽出した。層を分離し、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層を蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、CH
2Cl
2/0.5〜2% EtOH:NH
3 9:1で溶出することによって精製し、1番目に溶出する異性体および2番目に溶出する異性体を得た。異性体をそれぞれ個別にTHFに溶解し、0.1mlのジエチルエーテル中1N HClを加えた。混合物を蒸発させ、37.0mgの1番目に溶出する異性体および54.3mgの2番目に溶出する異性体を、対応する塩酸塩として得た。
1番目に溶出する異性体である5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R*,6R*)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−6−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩の分析データ:
HPLC: Rt
H3= 2.910分;
ESIMS [M+H]
+ = 457/459;
1H-NMR (DMSO, 600 MHz): 10.93 (s, 1H), 10.91 (s, 1H), 9.63 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.35 (d, 1H), 8.15 - 8.04 (m, 3H), 7.39 (dd, 1H), 6.81 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.81 (d, 1H), 4.48 (d, 1H), 4.05 (d, 1H), 1.58 (d, 3H)。
【0346】
実施例78: 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R*,6S*)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−6−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
【化23】
【0347】
(5−{5−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−ジフルオロメチル−2−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル[実施例77の工程a)](179mg, 0.321mmol)を、ジオキサン中4mol/LのHCl溶液(2.4ml, 9.63mmol)に溶解し、0.1mlのメタノール中3mol/LのHCl溶液を共溶媒として加えた。密封した反応容器を50℃で120分間加熱した。混合物を蒸発させ、その残渣をEtOAcに溶かし、飽和NaHCO
3水溶液で抽出した。層を分離し、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層を蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、CH
2Cl
2/0.5〜2% EtOH:NH
3 9:1で溶出することによって精製し、1番目に溶出する異性体および2番目に溶出する異性体を得た。異性体をそれぞれ個別にTHFに溶解し、0.1mlのジエチルエーテル中1N HClを加えた。混合物を蒸発させ、37.0mgの1番目に溶出する異性体および54.3mgの2番目に溶出する異性体を、対応する塩酸塩として得た。
2番目に溶出する異性体である5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((3R*,6S*)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−6−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩の分析データ:
HPLC: Rt
H3= 2.916分;
ESIMS [M+H]
+ = 457/459;
1H-NMR (DMSO, 600 MHz): 11.03 (s, 2H), 9.70 (s, 1H), 8.91 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.34 (d, 1H), 8.13 - 8.08 (m, 2H), 8.04 - 8.00 (m, 1H), 7.38 (dd, 1H), 6.77 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.86 (d, 1H), 4.34 (d, 1H), 4.13 (d, 1H), 1.50 (d, 3H)。
【0348】
実施例79: 5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−ジフルオロメチル−6,6−ジメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
【化24】
【0349】
a) 2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−ジフルオロメチル−1−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン
2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3,3−ジフルオロ−プロパン−1−オール(13.04g, 45.9mmol)[実施例42の工程d)]を、261mlのアセトニトリルに溶解し、塩化 2−ニトロベンゼンスルホニル(22.38g, 101mmol)および炭酸水素カリウム(13.79g, 138mmol)を加えた。混合物を80℃に加熱し、一夜撹拌した。この後、反応混合物を冷却し、飽和NaHCO
3水溶液とTBMEの層間に分配した。層を分離し、塩水で、そしてTBMEで洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、ヘキサン/ジクロロメタン 2/1から1/2で溶出することによって精製し、7.71gの表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H1= 3.309分;
ESIMS [M+Na]
+ = 473, 475 (1 Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 8.33 - 8.26 (m, 1H), 7.87 - 7.78 (m, 3H), 7.76 (dd, 1H), 7.60 - 7.53 (m, 1H), 7.05 (t, 1H), 6.22 (t, J = 54 Hz, 1H), 3.42 (s, 1H), 3.28 (s, 1H)。
【0350】
b) 2−[2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3,3−ジフルオロ−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−2−メチル−プロピオン酸tert−ブチルエステル
4.5mlのDMFおよび0.75mlのTHF中の、α−ヒドロキシイソ酪酸tert−ブチル(533mg, 3.32mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(133mg, 3.32mmol)を室温で少しずつ加えた。反応混合物を15分間撹拌した後、2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−ジフルオロメチル−1−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン(1g, 2.22mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温で150分間撹拌し、NH
4Cl水溶液でクエンチした。TBMEを加え、層を分離し、塩水で、そしてTBMEで洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、ヘキサン/EtOAc 6/1から5/1で溶出することによって精製し、1.10gの表題化合物を薄黄色の樹脂状物質として得た。
HPLC: Rt
H7 = 3.471分;
ESIMS [M+Na]
+ = 633, 635 (1 Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.94 (dd, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.68 (t, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.49 (t, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.37 - 7.32 (m, 1H), 6.90 (dd, 1H), 6.72 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.02 (d, 1H), 3.94 (d, 1H), 1.58 (s, 9H), 1.47 (s, 3H), 1.45 (s, 3H)。
【0351】
c) 5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2,2−ジメチル−4−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−モルホリン−3−オン
8mlのジクロロメタン中の、2−[2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3,3−ジフルオロ−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−2−メチル−プロピオン酸tert−ブチルエステル(1.10g, 1.80mmol)の溶液に、4mlのトリフルオロ酢酸を加えた。反応混合物を室温で60分間撹拌した後、それを蒸発させ、1.10gの白色の固体を得た。この固体を、10mlのジクロロメタンおよびN−メチルモルホリン(546mg, 5.40mmol)の混合物に直接溶解し、クロロ蟻酸エチル(293mg, 2.70mmol)を滴下した。反応混合物を室温で150分間撹拌した後、反応混合物をTBMEと飽和水性NaHCO
3の層間に分配した。層を分離し、1N HClで、塩水で、そしてTBMEで洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をTBME/ヘキサンから結晶化し、822mgの表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H6 = 3.087分;
ESIMS [M+H]
+ = 537, 539 (1 Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 8.15 (d, 1H), 7.82 - 7.70 (m, 2H), 7.65 (dd, 1H), 7.61 - 7.53 (m, 2H), 7.18 (t, J = 54 Hz, 1H), 7.09 (dd, 1H), 4.49 (d, 1H), 4.25 (d, 1H), 1.56 (s, 3H), 1.40 (s, 3H)。
【0352】
d) 5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2,2−ジメチル−モルホリン−3−オン
63mlのDMF中の、5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2,2−ジメチル−4−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−モルホリン−3−オン(6.29g, 11.71mmol)およびチオグリコール酸(1.83g, 19.90mmol)の溶液に、炭酸カリウム(6.47g, 46.8mmol)を加えた。反応混合物を60℃に加熱した。120分後、さらにチオグリコール酸(324mg, 3.51mmol)を加えた。30分後、反応混合物を室温まで冷却し、EtOAcと水の層間に分配した。層を分離し、飽和水性NaHCO
3で、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をTBME/ヘキサンから結晶化し、3.14gの表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H1 = 2.476分;
ESIMS [M+H]
+ = 352, 354 (1 Br);
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 8.94 (s, 1H), 7.76 - 7.65 (m, 2H), 7.32 (dd, 1H), 6.55 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.20 (d, 1H), 4.08 (d, 1H), 1.37 (s, 3H), 1.28 (s, 3H)。
【0353】
e) 5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジメチル−モルホリン−3−オン
5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2,2−ジメチル−モルホリン−3−オン(3.14g, 8.92mmol)および酢酸ナトリウム(1.46g, 17.83mmol)を、100mlのメタノールおよび10mlのTHFに懸濁した。最後に、10% Pd/炭(315mg)を加え、反応混合物を、水素(バルーン)で、室温で処理した。60分後、反応混合物をセライトで濾過し、蒸発させた。残渣を、Na
2CO
3水溶液とEtOAcの層間に分配した。層を分離し、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させ、2.42gの表題化合物を白色の固体として得た。
HPLC: Rt
H3 = 3.008分;
ESIMS [M+H]
+ = 274;
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 8.87 (s, 1H), 7.56 (t, 1H), 7.53 - 7.45 (m, 1H), 7.36 - 7.24 (m, 2H), 6.54 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.19 (d, 1H), 4.09 (d, 1H), 1.37 (s, 3H), 1.27 (s, 1H)。
【0354】
f) 5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジメチル−モルホリン−3−チオン
トルエン中の、5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジメチル−モルホリン−3−オン(2.41g, 8.82mmol)およびヘキサメチルジシロキサン(2.58g, 15.88mmol)の溶液に、五硫化二リン(2.35g, 10.58mmol)を加えた。反応混合物を100℃に加熱し、一夜撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、23mlのアセトンおよび33mlのK
2CO
3水溶液(10%(w/w))を加えた。この混合物を90分間撹拌し、水とEtOAcの層間に分配した。層を分離し、0.1N NaOHで、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。有機層を合わせて、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をTBME/ヘキサンから結晶化し、2.28gの表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H3 = 3.503分;
ESIMS [M+H]
+ = 290;
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 11.13 (s, 1H), 7.55 - 7.42 (m, 2H), 7.37 - 7.28 (m, 2H), 6.61 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.19 (dd, 2H), 1.60 (s, 3H), 1.48 (s, 3H)。
【0355】
g) 5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジメチル−モルホリン−3−チオン(2.50g, 8.64mmol)を、メタノール中7mol/LのNH
3溶液(40.7ml, 285mmol)に溶解した。密封した反応容器を80℃で7時間加熱し、70℃まで温度を低下させ、反応混合物を一夜撹拌した。反応混合物を蒸発させ、シリカゲルのカラムで、CH
2Cl
2/1〜4% EtOH:NH
3 9:1で溶出することによって精製し、2.09gの表題化合物を灰白色の固体として得た。
HPLC: Rt
H3 = 2.575分;
ESIMS [M+H]
+ = 273;
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 7.78 (t, 1H), 7.41 - 7.32 (m, 1H), 7.26 - 7.11 (m, 2H), 6.14 (s, 2H), 6.11 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.11 (dd, 1H), 3.87 (d, 1H), 1.39 (s, 3H), 1.24 (s, 3H)。
【0356】
h) 5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(5−アミノ−3−ジフルオロメチル−6,6−ジメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
この化合物を、5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミンから、実施例98の工程h)からl)に記載された方法と同様の方法によって得た。例外は、抽出した後、塩基を塩酸塩に変換しなかったことである。代わって、2−プロパノールから遊離塩基を結晶化して、表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.818分;
ESIMS [M+H]
+ = 418;
1H-NMR (DMSO, 600 MHz): 10.84 (s, 1H), 9.20 (s, 1H) 8.58 (d, 1H), 8.28 (d, 1H), 8.14 - 8.10 (m, 1H), 7.85 - 7.80 (m, 1H), 7.18 (t, 1H), 6.13 (s, 2H), 6.13 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.04 (d, 1H), 3.87 (d, 1H), 1.38 (s, 3H), 1.26 (s, 3H)。
【0357】
実施例80: 表10に記載された化合物は、実施例79で用いられた方法と類似の方法によって、最終工程でジオキサン中4N HClを用いて製造され得る。
表10
【表36】
【0358】
実施例81〜84: 表11に記載された化合物は、実施例34に記載された方法と類似の方法によって、1,5−ジブロモ−2,4−ジフルオロ−ベンゼンから出発して製造され得る。
表11
【表37】
【表38】
【0359】
実施例85: 5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((R)−5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
【化25】
【0360】
a) 4−ブロモ−1−フルオロ−2−ニトロメチル−ベンゼン
4−ブロモ−1−フルオロ−2−ブロモメチル−ベンゼン(5g, 18.66mmol)およびAgNO
2(3.45g, 22.39mmol)の混合物を、62mlのTBME中で、7時間撹拌した。暗色の混合物をセライトで濾過し、TBMEで洗浄し、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン/EtOAc 20/1)、表題化合物を黄色の油状物として得た。
TLC(Hex:EE 9:1) Rf = 0.3;
HPLC: Rt
H4= 2.449分;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.64-7.58 (m, 2H), 7.12 (t, 1H), 5.50 (s, 2H)。
【0361】
b) 2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール
66mlのジオキサン中の、4−ブロモ−1−フルオロ−2−ニトロメチル−ベンゼン(7.75g, 33.1mmol)、ホルムアルデヒド(35%, 水性)(5.47ml, 69.5mmol)およびEt
3N(2.3ml, 16.56mmol)の溶液を、3時間撹拌した。溶液を塩水で希釈し、TBMEで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン/EtOAc 3/1)、表題化合物を白色の固体として得た。
TLC(Hex:EE 2:1) Rf = 0.24;
HPLC: Rt
H4= 2.070分;
ESIMS [M+Na]
+ = 316, 318 (1 Br);
1H-NMR (DMSO, 360 MHz): 7.65-7.60 (m, 1H), 7.55 (dd, 1H), 7.75 (dd, 1H), 5.50 (s, 2 H), 4.20 (br t, 4 H)。
【0362】
c) 2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−1,3−ジオール
35mlのAcOH中の、2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール(7g, 23.8mmol)の溶液を、40℃より高い温度まで温度を上げないようにしながら、35mlのAcOH中の亜鉛(9.34g, 143mmol)の混合物に滴下した。混合物を1時間撹拌し、セライトで濾過し、MeOHで洗浄した。濾液を蒸発させ、水で希釈し、TBMEで洗浄した。水層を2N NaOHおよびNH
3(25%, 水性)で塩基性にして、NaClで飽和させ、EtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させ、表題化合物を灰白色の固体として得た。
TLC(EE:MeOH 19:1+1% NH
3(25%, 水性)) Rf = 0.38;
HPLC: Rt
H2= 2.332分;
ESIMS [M+H]
+ = 246, 266 (1 Br);
1H-NMR (DMSO, 360 MHz): 7.82 (dd, 1H), 7.50-7.42 (m, 1H), 7.09 (dd, 1H), 4.71 (br s, 2 H), 3.36 (dd, 4 H), 2.20 (br s, 2 H)。
【0363】
d) N−[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド
10mlのACN中の塩化クロロアセチル(6.39ml, 80mmol)の溶液を、35℃より高い温度まで温度を上げないようにしながら、90mlのACN中の2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−1,3−ジオール(5.3g, 20mmol)およびK
2CO
3(11.1g, 80mmol)の混合物に滴下した。混合物を2時間撹拌した。MeOH(40ml, 99mmol)を加え、5分間撹拌した後、混合物をセライトで濾過し、MeOHで洗浄した。濾液を、クエン酸溶液(10%, 水性)(pH 4〜5)で酸性にして、一部蒸発させた。残った水相をEtOAcで抽出した。有機層をNaHCO
3溶液(10%, 水性)で、そして塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させ、表題化合物を灰白色の固体として得た。
TLC(Hex:EE 1:1) Rf = 0.23;
HPLC: Rt
H4= 1.966分;
ESIMS [M+H]
+ = 340, 342 (1 Br);
1H-NMR (DMSO, 360 MHz): 8.19 (s, 1H), 7.47 (dd, 1H), 7.10 (dd, 1H), 5.00 (t, 2H), 4.19 (s, 2 H), 3.98-3.81 (m, 4H)。
【0364】
e) 5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−モルホリン−3−オン
62mlのt−BuOH中の、N−[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド(6.34g, 18.62mmol)およびカリウム tert−ブトキシド(2.09g, 18.62mmol)の混合物を30分間還流した。19mlの1N HClおよび水を加え、水層をEtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をHex/EtOAcで再結晶し、表題化合物を灰白色の固体として得た。
TLC(Hex:EE 1:2) Rf = 0.25;
HPLC: Rt
H4= 1.885分;
ESIMS [M+H]
+ = 304, 306 (1 Br);
1H-NMR (DMSO, 360 MHz): 8.49 (s, 1H), 7.62-7.56 (m, 2H), 7.21 (dd, 1H), 5.25 (t, 1H), 4.15 (d, 1H), 4.02 (s, 2H), 3.91 (d, 1H), 3.79-3.62 (m, 2 H)。
【0365】
f) 5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−オン
30mlのTHF中の5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ヒドロキシメチル−モルホリン−3−オン(1.6g, 5.26mmol)の溶液に、三フッ化 ジエチルアミノ硫黄(0.97ml, 7.34mmol)を滴下し、2時間撹拌した。無色の溶液を、氷冷したNa
2CO
3溶液(10%, 水性)にゆっくりと加え、TBMEで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン/EtOAc 3/1)、表題化合物を僅かに黄色の固体として得た。
TLC(Hex:EE 1:1) Rf = 0.43;
HPLC: Rt
H4= 2.136分;
ESIMS [M+H]
+ = 306, 308 (1 Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.50-7.40 (m, 2H), 6.95 (dd, 1H), 6.55 (s, 1H), 4.86-4.58 (m, 2 H), 4.22-4.11 (m, 2H), 4.07-3.98 (m, 2H)。
【0366】
g) [5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
この化合物を、5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−オンから、実施例42の工程g)からj)に記載された方法と同様の方法によって得た。
TLC(Hex:EE 1:1) Rf = 0.38;
HPLC: Rt
H2= 2.778分;
ESIMS [M+H]
+ = 342;
1H-NMR (DMSO, 360 MHz, 回転異性体によりブロードなシグナル): 9.79 (s, 1H), 6.82 (br t, 1H), 6.70-6.62 (m, 1H), 6.51-6.43 (m, 1H), 4.92 (s, 2H), 4.70-4.38 (m, 4H), 3.95-3.81 (m, 2H), 1.43 (s, 9H)。
【0367】
h) [(R)−5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
ラセミの生成物である[5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを、分取HPLCにより、Chiralpak AD 20μm 5×50×100mm(5×SMBカラム)(流速=65ml/分;検出 UV=220nm)で分離した。望ましい化合物は、より遅く溶出した(R)−エナンチオマーであった。
純度:99.0 % ee;
[α]
D = -140°(c = 1, CHCl
3)。
【0368】
i) ((R)−5−{5−[(5−クロロ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(R)−5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(75mg, 0.22mmol)、5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸(38.1mg, 0.242mmol)、HOAt(38.9mg, 0.286mmol)、EDC(63.2mg, 0.33mmol)およびEt
3N(77μl, 0.549mmol)を、CH
2Cl
2に溶解し、14時間撹拌した。溶液を蒸発させ、粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(ヘプタン/EtOAc 6/1)、表題化合物を白色の固体として得た。
TLC(Hex:EE 2:1) Rf = 0.46;
HPLC: Rt
H1= 2.668分;
ESIMS [M+H]
+ = 481, 483 (1 Cl);
1H-NMR (DMSO, 360 MHz, 回転異性体によりブロードなシグナル): 9.79 (br s, 1H), 8.50 (s, 1H), 8.29 (d, 1H), 7.90-7.85 (m, 1H), 7.81 (dd, 1H), 7.65-7.55 (br m, 1H), 7.10-7.00 (m, 1H), 4.75-4.45 (br m, 4 H), 4.19 (d, 1 H), 3.91-3.81 (1H ), 1.46 (br s, 9H)。
【0369】
j) 5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((R)−5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
CH
2Cl
2中の、((R)−5−{5−[(5−クロロ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(106mg, 0.22mmol)、4N HCl/ジオキサン(1.1ml, 4.41mmol)および3N HCl/MeOHの溶液を、室温で15時間、そして40℃で2時間撹拌し、変換を完了させた。黄色の溶液を蒸発させ、MeOHに溶かした。TBMEを加え、白色の沈殿物を濾過して取り、表題化合物を得た。
HPLC: Rt
H2= 3.033分;
ESIMS [M+H]
+ = 381, 383 (1 Cl);
1H-NMR (DMSO, 360 MHz): 11.90 (s, 1H), 11.85 (br s, 1H), 9.50 (br s, 1H), 8.83-8.80 (m, 1H), 8.25-8.15 (m, 2H), 8.10-8.01 (m, 2H), 7.40-7.32 (m, 2H), 5.08-4.97 (m, 1 H), 4.95-4.82 (m, 1H), 4.71-4.60 (m, 1H), 4.20-4.10 (m, 1H)。
【0370】
実施例86〜95: 表12に記載された化合物は、実施例85で用いられた方法と類似の方法によって、ラセミの[5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル[実施例85の工程g)]または[(R)−5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル[実施例85の工程g)]を用いて製造され得る。
表12
【表39】
【0371】
【表40】
【0372】
【表41】
【表42】
【0373】
実施例96: 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((S)−3−アミノ−5−ジフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−5−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
【化26】
【0374】
a) 1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−エタノン
320mlのTHF中のジイソプロピルアミン(17.77ml, 126mmol)の溶液を、−75℃まで冷却し、N
2雰囲気下とした。ヘキサン中1.6MのBuLi溶液(79ml, 126mmol)を加えた。LDA溶液を再度冷却したとき、1−フルオロ−4−ブロモベンゼンを加えた。反応温度を−60℃未満に保った。2.5時間後、ジフルオロ酢酸エチル(15.60g, 126mmol)を素早く加え、15分後、反応混合物を−40℃まで温めた。15分後、氷冷した1N HClに注ぐことによって、混合物をクエンチした。混合物を石油エーテル(沸点40〜60℃)で抽出し、抽出物をMgSO
4・H
2Oで乾燥させた。ヘキサン/TBME 9/1から6/1で、シリカゲルのクロマトグラフィーを行い、22.1gの黄色の液体を得た。
Rf (ヘキサン/EtOAc 6/1) = 0.28;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 8.09 (dd, 1H), 7.79 (ddd, 1H), 7.17 (t, 1H), 6.44 (t, J = 45 Hz, 1H)。
【0375】
b) [1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−エタ−(Z)−イリデン]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
12mlのトルエン中の、1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−エタノン(16.0g, 63.2mmol)およびN−(トリフェニルホスホラニリデン)−カルバミン酸 1,1−ジメチルエチルエステル(CAS 68014-21-1)(26.3g, 69.6mmol)の懸濁液を、100℃で2日間撹拌した。懸濁液が透明になった。幾らか冷却した後、トリフェニルホスフィン オキシドの結晶化が始まるまでヘキサンを加えた。混合物を濾過し、濾液を、シリカゲルのクロマトグラフィーによって、ヘキサン/TBME 1〜5%で精製し、11.37gの表題化合物を黄色の液体として得た。
Rf (ヘキサン/EtOAc 6/1) = 0.65
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 7.88 (dd, 1H), 7.71 (br, 1H), 7.47 (t, 1H), 6.88 (br t, J = 54 Hz, 1H), 1.29 (br s, 9H)。
【0376】
c) [1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−1−ジフルオロメチル−ブタ−3−エニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
114mlのTHF中の、[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−2,2−ジフルオロ−エタ−(Z)−イリデン]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(9.61g, 27.3mmol)の溶液に、−75℃で、THF中2mol/Lの塩化 アリルマグネシウム溶液(15.0ml, 30mmol)を滴下した。反応物の温度が−60℃を越えないようにした。10分後、反応物を10% 水性NH
4Clでクエンチし、TBMEで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物に、1〜5% TBME/ヘキサンで、シリカゲルのクロマトグラフィーを行い、10.39gの表題化合物を得た。
HPLC: Rt
H3= 3.449分;
ESIMS [M+Na]
+ = 416, 418 (1 Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.45 (dd, 1H), 7.35 (ddd, 1H), 6.88 (dd, 1H), 6.28 (t, J = 54 Hz, 1H), 5.72-5.60 (m, 1H), 5.13 (d, 1H), 5.12 (d, 1H), 5.00 (br s, 1H), 3.00-2.80 (m, 2H), 1.32 (br s, 9H)。
【0377】
d) [1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−1−ジフルオロメチル−3−ヒドロキシ−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
90mlのDCMおよび30mlのMeOH中の、[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−1−ジフルオロメチル−ブタ−3−エニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.11g, 12.96mmol)およびNaHCO
3(1.63g, 19.44mmol)の懸濁液を、−75℃まで冷却した。酸素ガス中のO
3の混合物を、青色が残るまで導入した。酸素ガスを10分間通気することによって、過剰のオゾンを除去した。NaBH
4(0.981g, 25.9mmol)を固体として3回に分けて加えた。混合物を、−75℃で10分間撹拌し、0℃まで温めた。30分後、混合物を、氷冷した1N HClに注ぎ、TBMEで抽出した。有機相を、1N HClで、そして塩水で洗浄し、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。シリカゲルのクロマトグラフィーを行い(ヘキサン/15〜35% EtOAc)、4.75gの表題化合物を無色の樹脂状物質として得た。
HPLC: Rt
H6= 2.359分;
ESIMS [M+Na]
+ = 420, 422 (1 Br);
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 7.68 (br, 1H), 7.60-7.54 (m, 1H), 7.47 (dd, 1H), 7.20 (dd, 1H), 6.57 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.77 (t, 1H), 3.52-3.34 (m, 2H), 2.29 (br s, 2H), 1.36 (br, s, 9H)。
【0378】
e) N−[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−1−ジフルオロメチル−3−ヒドロキシ−プロピル]−2−クロロ−アセトアミド
[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−1−ジフルオロメチル−3−ヒドロキシ−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.75g, 11.93mmol)を、89mlのジオキサン中4N HClに溶解した。混合物を1時間撹拌し、蒸発させ、4.2gの白色の固体を得た。固体を60mlのACNに懸濁し、K
2CO
3(6.59g, 7.7mmol)を加えた。撹拌しながら、懸濁液を0℃まで冷却し、塩化 クロロアセチル(4.04g, 35.8mmol)を滴下した。混合物を25℃で一夜撹拌した。混合物をTBMEで希釈し、水で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させ、5.25gの粗製のジアシル化生成物を得た。この粗製の中間体を60mlのMeOHに溶解し、K
2CO
3(330mg, 2.39mmol)を加えた。30分後、反応混合物を水とTBMEの層間に分配した。層を分離し、塩水で、そしてTBMEで洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、ヘキサン/EtOAc 4/1〜3/1〜2/1で溶出することによって精製した。純粋なフラクションを合わせて、蒸発させ、3.81gの表題化合物を無色の樹脂状物質として得た。
HPLC: Rt
H3= 3.097分;
ESIMS [M+Na]
+ = 374, 376 (1 Br);
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 8.56 (br, s, 1H), 7.53 (dd, 1H), 7.49 - 7.43 (m, 1H), 6.99 (dd, 1H), 6.79 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.14 - 4.02 (m, 3H), 3.88 - 3.79 (m, 1H), 2.45 (t, 2H), 1.19 (d, 1H)。
【0379】
f) 5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−[1,4]オキサゼパン−3−オン
555mlのt−BuOH中の、カリウム tert−ブチレート(1.63g, 14.52mmol)の溶液に、還流しながら、45mlのTHF中の、N−[1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−1−ジフルオロメチル−3−ヒドロキシ−プロピル]−2−クロロ−アセトアミド(2.72g, 7.26mmol)の溶液を40分かけて滴下した。反応混合物を冷却し、1N HClでクエンチした。EtOAcを加え、有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をDCM/TBMEから結晶化し、表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.989分;
ESIMS [M+H]
+ = 338, 340 (1 Br);
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 8.38 (s, 1H), 7.70-7.63 (m, 2H), 7.29 (dd, 1H), 6.20 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.17 (d, 1H), 4.04 (d, 1H), 3.80-3.73 (m, 1H), 3.45-3.34 (m, 1H), 2.73-2.56 (m, 2H)。
【0380】
g) [5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
この化合物を、5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−[1,4]オキサゼパン−3−オンから、実施例75の工程c)および実施例42の工程g)からj)に記載された方法と同様の方法によって、無色の泡状物質として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.410分;
ESIMS [MH+H
2O]
+ = 392,
Rt
H3= 2.595分;
ESIMS [MH]
+ = 374;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz, 回転異性体によりブロードなシグナル): 11.09 (s, 1H), 6.96 - 6.88 (dd, 1H), 6.71 - 6.62 (m, 2H), 6.11 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.47 - 4.25 (m, 2H), 3.89 - 3.80 (m, 1H), 3.74 - 3.55 (m, 3H), 2.79 - 2.69 (m, 1H), 2.65 - 2.50 (m, 1H), 1.58 (s, 9H)。
【0381】
h) [(S)−5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
ラセミの[5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.62g, 4.04mmol)を、Chiralpak AD 20μm 4×50×100(4x SMBカラム)カラム;溶出液=ヘプタン/エタノール 70/30;流速=65ml/分;UV検出 220nmのVWR prep HPLC Systemにより分離した。結果として、754mgの望ましい表題化合物((S)−異性体)を、始めに溶出する異性体として得た。
純度 >99.5 %ee;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz, 回転異性体によりブロードなシグナル): 11.08 (s, 1H), 6.96 - 6.88 (dd, 1H), 6.71 - 6.63 (m, 2H), 6.11 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.47 - 4.26 (m, 2H), 3.89 - 3.81 (m, 1H), 3.80 - 3.56 (m, 3H), 2.78 - 2.70 (m, 1H), 2.64 - 2.51 (m, 1H), 1.58 (s, 9H);
α
D = -166.5°(c = 1, 溶媒 = CHCl
3)。
【0382】
i) ((S)−5−{5−[(5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−ジフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
0.6mlのDMF中の、[(S)−5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(51.2mg, 0.137mmol)、5−シアノ−2−ピリジンカルボン酸(30.5mg, 0.206mmol)およびHOAT(33.6mg, 0.247mmol)の溶液を、0〜5℃まで冷却した。EDC(39.4mg, 0.206mmol)およびDIPEA(35.4mg, 0.274mmol)を加えた。得られた溶液を一夜かけて室温まで温めた。次いで、反応混合物を、飽和NaHCO
3水溶液とEtOAcの層間に分配した。層を分離し、飽和NaHCO
3水溶液で、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層を、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、ヘキサン/EtOAc 3/1から1.5/1で溶出することによって精製し、67.7mgの表題化合物を無色の樹脂状物質として得た。
HPLC: Rt
H1 = 2.492分;
ESIMS = [M+H]+ 504;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz, 回転異性体によりブロードなシグナル): 11.10 (s, 1H), 9.85 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.35 (d, 1H), 8.28 - 8.19 (m, 1H), 8.14 (dd, 1H), 7.32 - 7.25 (m, 1H), 7.10 (t, 1H), 6.08 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.43 - 4.15 (m, 2H), 3.80 - 3.71 (m, 1H), 3.59 - 3.42 (m, 1H), 2.74 - 2.65 (m, 1H), 2.62 - 2.47 (m, 1H), 1.49 (s, 9H)。
【0383】
j) 5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((S)−3−アミノ−5−ジフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−5−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
((S)−5−{5−[(5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−ジフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル (67.7mg, 0.134mmol)を、0.75mlのジクロロメタンおよび0.25mlのトリフルオロ酢酸に溶解した。溶液を45分間撹拌し、室温で蒸発させた。残渣をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO
3水溶液で抽出した。層を、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をTHFに溶解し、0.2mlのジエチルエーテル中1mol/LのHCl溶液を加え、混合物を蒸発させた。残渣をエタノールおよびTBMEから結晶化し、48mgの表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.629分;
ESIMS [M+H]
+ = 404.0;
1H-NMR (DMSO, 600 MHz): 11.11 (s, 1H), 10.20 (s, 1H) 9.75 (s, 1H), 9.22 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.60 (d, 1H), 8.30 (d, 1H), 8.12 - 8.07 (m, 1H), 8.01 - 7.97 (m, 1H), 7.35 (dd, 1H), 6.55 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.77 (d, 1H), 4.52 (d, 1H), 3.89 - 3.83 (m, 1H), 3.50 - 3.39 (m, 1H), 2.79 - 2.68 (m, 2H)。
【0384】
実施例97: 表13に記載された化合物は、実施例96で用いられた方法と類似の方法によって、工程j)においてジオキサン中4N HClを用いて製造され得る。
表13
【表43】
【0385】
実施例98: 5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(3−アミノ−5−トリフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−5−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
【化27】
【0386】
a) [2,2,2−トリフルオロ−1−(2−フルオロ−フェニル)−エタ−(Z)−イリデン]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
17mlのトルエン中の、1−(2−フルオロ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(CAS 124004-75-7)(17.0g, 88mmol)、および、N−(トリフェニルホスホラニリデン)−カルバミン酸 1,1−ジメチルエチルエステル(CAS 68014-21-1)(36.7g, 97mmol)の懸濁液を、120℃で18時間撹拌した。懸濁液は透明になった。冷却後、トリフェニルホスフィンオキシドの結晶化が始まるまでヘキサンを加えた。混合物を濾過し、濾液を、シリカゲルのクロマトグラフィーによって、1〜5% TBME/ヘキサンで精製し、11.37gの黄色の液体を得た。
Rf (Hex/TBME 95/5) = 0.18;
HPLC: Rt
H6= 3.168分;
ESIMS [M+Na]
+ = 314;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.59-7.52 (m, 1H), 7.42-7.35 (m, 1H), 7.30-7.18 (m, 2H), 1.31 (s, 9H)。
【0387】
b) [1−(2−フルオロ−フェニル)−1−トリフルオロメチル−ブタ−3−エニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
170mlのTHF中の[2,2,2−トリフルオロ−1−(2−フルオロ−フェニル)−エタ−(Z)−イリデン]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(16.63g, 57.1mmol)の溶液に、−75℃で、THF中2mol/Lの塩化 アリルマグネシウム溶液(31.4ml, 62.8mmol)を滴下した。反応温度が−60℃を越えないようにした。30分後、反応物を10% 水性NH
4Clでクエンチし、TBMEで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物についてヘキサン/TBME 95/5でシリカゲルのクロマトグラフィーを行い、18.52gの表題化合物を得た。
HPLC: Rt
H3= 3.296分;
ESIMS [M+Na]
+ = 356;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.49 (t, 1H), 7.41 - 7.33 (m, 1H), 7.19 (t, 1H), 7.14 - 7.06 (dd, 1H), 5.92 - 5.78 (m, 2H), 5.30 - 5.19 (m, 2H), 3.37 - 3.18 (br, m, 2H), 1.40 (br, s, 9H)。
【0388】
c) [1−(2−フルオロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−1−トリフルオロメチル−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
168mlのDCMおよび56mlのMeOH中の、[[1−(2−フルオロ−フェニル)−1−トリフルオロメチル−ブタ−3−エニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(9.27g, 27.8mmol)、および、NaHCO
3(3.50g, 41.7mmol)の懸濁液を、−75℃に冷却した。酸素ガス中のO
3の混合物を、青色が残るまで導入した。酸素ガスを10分間通気することによって、過剰のオゾンを除去した。固体のNaBH
4(2.10g, 55.6mmol)を2回に分けて加えた。混合物を−75℃で10分間撹拌し、0℃まで温めた。30分後、混合物を氷冷した1N HClに注ぎ、TBMEで抽出した。有機相を、1N HClで、そして塩水で洗浄し、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。ヘキサンから結晶化し、7.83gの表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H1= 2.738分;
ESIMS [M+Na]
+ = 360;
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 7.82 (br, s, 1H), 7.46-7.35 (m, 2H), 7.27 - 7.17 (m, 2H), 4.79 (t, 1H), 3.51-3.36 (m, 2H), 2.48 - 2.31 (m, 2H), 1.32 (br, s, 9H)。
【0389】
d) 2−クロロ−N−[1−(2−フルオロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−1−トリフルオロメチル−プロピル]−アセトアミド
[1−(2−フルオロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−1−トリフルオロメチル−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(7.83g, 23.21mmol)を、116mlのジオキサン中4N HClに溶解した。混合物を1時間撹拌し、蒸発させ、6.42gの白色の固体を得た。固体を65mlのジクロロメタンおよびピリジン(11.3ml, 139mmol)に溶解した。溶液を−15℃まで冷却し、塩化 クロロアセチル(5.50g, 48.7mmol)を滴下した。温度を−5℃未満に保った。この後、混合物を室温まで温めた。40分後、反応混合物を、1N HClとTBMEの層間に分配した。層を分離し、塩水で、そしてTBMEで洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルで、ヘキサン/EtOAc 3/1から2/1で溶出することによって精製し、5.46gのジアシル化生成物およびO−アシル化生成物の混合物を得た。この混合物を、80mlのジクロロメタンに溶解した。DIPEA(15.8ml, 90.70mmol)を加え、反応混合物を−75℃に冷却し、塩化 クロロアセチル(9.89g, 87.57mmol)を滴下した。その後、冷却浴なしで、混合物を15分間撹拌した。反応混合物を1N HClとTBMEの層間に分配した。層を分離し、塩水で、そしてTBMEで洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、ヘキサン/EtOAc 3/1で溶出することによって精製し、3.71gのジアシル化化合物を得た。表題化合物を得るために、ジアシル化化合物を50mlのMeOHに溶解し、K
2CO
3(657mg, 4.76mmol)を加えた。45分後、反応混合物を、水とTBMEの層間に分配した。層を分離し、塩水で、そしてTBMEで洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、ヘキサン/EtOAc 3/1〜2/1〜1.5/1で溶出することによって精製し、1.77gの表題化合物を黄色の樹脂状物質として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.889分;
ESIMS [M+H]
+ = 314;
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 9.10 (br, s, 1H), 7.48 - 7.39 (m, 2H), 7.27 - 7.17 (m, 2H), 4.77 (br, t, 1H), 4.25 (dd, 2H), 3.54 - 3.40 (m, 2H), 2.72 - 2.61 (m, 1H), 2.58 - 2.48 (m, 1H)。
【0390】
e) 5−(2−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4]オキサゼパン−3−オン
43mlのt−BuOH中のカリウム tert−ブチレート(1.31g, 11.29mmol)の溶液に、還流しながら、35mlのTHF中の2−クロロ−N−[1−(2−フルオロ−フェニル)−3−ヒドロキシ−1−トリフルオロメチル−プロピル]−アセトアミド(1.77g, 5.64mmol)の溶液を、60分かけて滴下した。反応混合物を冷却し、1N HClでクエンチした。EtOAcを加え、有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、ヘキサン/EtOAc 3/1から2.5/1で溶出することによって精製し、1.19gの表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.943分;
ESIMS [M+H]
+ = 278;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.58 (t, 1H), 7.51 - 7.44 (m, 1H), 7.33 - 7.27 (m, 1H), 7.18 (dd, 1H), 6.47 (br, s, 1H), 4.16 (dd, 2H), 4.00 - 3.91 (m, 1H), 3.82 - 3.72 (m, 1H), 3.19 - 3.11 (m, 1H), 2.81 - 2.68 (m, 1H)。
【0391】
f) 5−(2−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4]オキサゼパン−3−チオン
15mlのTHF中の5−(2−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4]オキサゼパン−3−オン(1.19g, 4.29mmol)の溶液に、ローソン試薬(955mg, 2.36mmol)を加えた。反応混合物を室温で一夜撹拌した。次いで、混合物を、Na
2CO
3水溶液(2mol/L)とTBMEの層間に分配した。層を分離し、Na
2CO
3水溶液(2mol/L)で、塩水で、そしてTBMEで洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、ヘキサン/EtOAc 95/5から90/10で溶出することによって精製し、1.25gの表題化合物を黄色の樹脂状物質として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.620分;
ESIMS [M+H]
+ = 294;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 8.42 (br, s, 1H), 7.54 - 7.45 (m, 2H), 7.35 - 7.27 (m, 1H), 7.20 (dd, 1H), 4.54 (dd, 2H), 4.05 - 3.97 (m, 1H), 3.84 - 3.74 (m, 1H), 3.17 - 3.08 (m, 1H), 2.85 - 2.73 (m, 1H)。
【0392】
g) 5−(2−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イルアミン
5−(2−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−[1,4]オキサゼパン−3−チオン(1.25g, 4.26mmol)を、メタノール中7mol/LのNH
3の溶液(27ml, 128mmol)に溶解した。密封した反応溶液を室温で一夜撹拌した。反応混合物を蒸発させ、TBMEに溶解し、1N HClで抽出した。層を分離し、水で、そしてTBMEで洗浄した。水層を合わせて、固体のK
2CO
3を添加することによって塩基性にし、ジクロロメタンで4回抽出した。合わせたCH
2Cl
2層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させ、1.12gの表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.475分;
ESIMS [M+H]
+ = 277;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.50 (t, 1H), 7.32 - 7.23 (m, 1H), 7.09 (t, 1H), 7.04 - 6.96 (m, 1H), 4.62 (br, s, 2H), 3.95 (m, 2H), 3.76 (d, 1H), 3.73 - 3.63 (m, 1H), 2.92 - 2.84 (m, 1H), 2.46 - 2.34 (m, 1H)。
【0393】
h) 5−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イルアミン
12mlの濃硫酸(95%)中の、5−(2−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イルアミン(1.12g, 4.05mmol)の溶液に、硝酸カリウム(533mg, 5.27mmol)を2回に分けて加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、それを氷水に注ぎ、TBMEを加えた。層を分離し、水で、そしてTBMEで洗浄した。合わせた水層を固体のNa
2CO
3で塩基性にし、EtOAcで抽出した。EtOAc層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させ、1.29gの表題化合物を白色の固体として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.433分;
ESIMS [M+H]
+ = 322;
1H-NMR (DMSO-d
6, 360 MHz): 8.47 (dd, 1H), 8.39 - 8.31 (m, 1H), 7.58 (dd, 1H), 6.48 (br, s, 2H), 4.23 (d, 1H), 3.96 (d, 1H), 3.93 - 3.85 (m, 1H), 3.55 - 3.45 (m, 1H), 2.85 - 2.76 (m, 1H), 2.61 - 2.53 (m, 1H)。
【0394】
i) [5−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
10mlのジクロロメタンおよび15mlのTHF中の、5−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イルアミン(1.29g, 4.02mmol)の懸濁液に、DIPEA(779mg, 6.02mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(1.14g, 5.22mmol)を加えた。反応混合物を一夜撹拌し、40℃で24時間加熱した。さらにDIPEA(104mg, 0.8mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(175mg, 0.8mmol)を加えた。混合物を40℃でさらに8時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、シリカゲルのカラムで、ヘキサン/TBME 9/1から7/1で溶出することによって精製し、1.69gの表題化合物を白色の泡状物質として得た。
HPLC: Rt
H1= 3.445分;
ESIMS = [M-tBu]
+ 366;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 8.41 - 8.34 (m, 1H), 8.30 - 8.24 (m, 1H), 7.39 (br, s, 1H), 7.28 (t, 1H), 5.12 (d, 1H), 4.52 (d, 1H), 3.90 - 3.78, (m, 2H), 3.05 - 2.97 (m, 1H), 2.71 - 2.59 (m, 1H), 1.53 (s, 9H)。
【0395】
j) [5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
10mlのエタノールおよび10mlのTHF中の、[5−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.69g, 4.01mmol)の溶液を、窒素雰囲気下に置き、500mgの5% Pd/炭を加えた。反応混合物を、水素雰囲気下(バルーン)、6時間撹拌した。次いで、それをセライトで濾過し、蒸発させた。粗生成物をヘキサン/TBMEから結晶化し、1.38gの表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H3 = 3.006分;
ESIMS = [M+H]
+ 392;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz, 回転異性体によりブロードなシグナル): 7.01 - 6.86 (m, 1H), 6.76 - 6.62 (m, 2H), 4.96 (d, 1H), 4.58 (d, 1H), 4.31 - 4.18 (dd, 1H), 4.03 - 3.73 (m, 2H), 3.69 (s, 1H), 3.57 (s, 1H), 3.13 - 2.90 (dd, 1H), 2.70 - 2.46 (m, 1H), 1.58 (s, 9H)。
【0396】
k) (5−{5−[(5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−トリフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
0.5mlのDMF中の、[5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(50mg, 0.128mmol)、5−シアノ−2−ピリジンカルボン酸(28.4mg, 0.192mmol)、および、HOAT(31.3mg, 0.230mmmol)の溶液を、0〜5℃に冷却した。EDC(36.7mg, 0.192mmol)およびDIPEA(33mg, 0.256mmol)を加えた。得られた溶液を室温まで一夜かけて温めた。次いで、反応混合物を、飽和NaHCO
3水溶液とEtOAcの層間に分配した。層を、飽和NaHCO
3水溶液で、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層を、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのカラムで、ヘキサン/EtOAc 4/1から3/1で溶出することによって精製し、63.3mgの表題化合物を白色の固体として得た。
HPLC: Rt
H1 = 2.426分;
ESIMS = [M+H
2O]
+ 540;
Rt
H1 = 3.177分;
ESIMS = [M+H]
+ 522;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz, 回転異性体によりブロードなシグナル): 9.75 (s, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.35 (d, 1H), 8.14 (dd, 1H), 8.03 - 7.95 (m, 1H), 7.48 - 7.39 (m, 1H), 7.06 (t, 1H), 4.94 (d, 1H), 4.46 (d, 1H), 4.19 (s, 1H), 3.92 - 3.63 (m, 2H), 3.08 - 2.85 (m, 1H), 2.69 - 2.43 (m, 1H), 1.42 (s, 9H)。
【0397】
l) 5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−(3−アミノ−5−トリフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−5−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
(5−{5−[(5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−トリフルオロメチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−[1,4]オキサゼピン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(63.3, 0.121mmol)を、0.68mlのジクロロメタンおよび0.23mlのトリフルオロ酢酸に溶解した。溶液を45分間撹拌し、室温で蒸発させた。残渣をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO
3水溶液で抽出した。層を、塩水で、そしてEtOAcで洗浄した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をTHFに溶解し、0.3mlのジエチルエーテル中1mol/LのHCl溶液を加え、混合物を蒸発させた。残渣を、含水エタノールおよびTBMEから結晶化し、52.4mgの表題化合物を白色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H3= 2.814分;
ESIMS [M+H]
+ = 422;
1H-NMR (DMSO, 600 MHz): 11.15 (s, 1H), 10.73 (s, 1H) 9.95 (s, 1H), 9.22 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.60 (d, 1H), 8.29 (d, 1H), 8.12 - 8.06 (m, 2H), 7.40 (dd, 1H), 4.76 (d, 1H), 4.49 (d, 1H), 3.98 - 3.93 (m, 1H), 3.69 - 3.62 (m, 1H), 2.99 - 2.92 (s, broad, 2H)。
【0398】
実施例99: 表14に記載された化合物は、実施例98で用いられた方法と類似の方法によって、工程l)のジオキサン中4N HClを使用して製造され得る。
表14
【表44】
【0399】
実施例100: N−(3−(3−アミノ−6,6−ジフルオロ−5−メチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−1,4−オキサゼピン−5−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミド
【化28】
【0400】
a) 3−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロパン酸エチル
乾燥DMF(14ml)中の5−ブロモ−2−フルオロベンズアルデヒド(10.0g, 49.2mmol)の氷冷した溶液に、インジウム粉末(8.48g, 73.7mmol)を加え、15分間撹拌した。乾燥DMF(10ml)中のエチルブロモジフルオロアセテート(9.48ml[14.98g], 73.7mmol)を、得られた反応混合物に加え、反応混合物の温度を室温(30℃)まで温めた。24時間撹拌を続けた。反応混合物のTLC分析により、生成物の形成が示された。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液で処理し、粗生成物を酢酸エチル(500ml)で抽出し、水で、そして塩水で洗浄し、有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させた。有機層を濃縮し、粗生成物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ヘキサン中4% 酢酸エチルを用いて精製し、表題化合物を無色の濃厚液体として得た。収量=12.0g(75%)。
TLC(ヘキサン中5%酢酸エチル): Rf = 0.2;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.75-7.68 (m, 1H), 7.52-7.45 (m, 1H), 6.98 (t, 1H, J = 7 Hz), 5.52 (dt, 1H, J = 10 Hz, 4 Hz), 4.37 (q, 2H, J = 5 Hz), 2.9 (d, 1H), 1.35 (t, 3H).
【0401】
b) 1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2−ジフルオロプロパン−1,3−ジオール
MeOH(160ml)中の3−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロパン酸エチル(20.0g, 61.3mmol)の溶液に、NaBH
4(7.0g, 184.2mmol)を、0℃で、30分間かけて少しずつ加えた。0℃で1時間撹拌を続け、TLCにより反応をモニターした。出発物質が完全に消費された後、反応物を減圧下で濃縮し、飽和塩化アンモニウム溶液で処理した。粗製の反応物を酢酸エチルに溶解し、有機層を塩水(15ml)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。有機層を減圧下で濃縮し、十分な純度で表題化合物を得た。収量=17g(97%)。
TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル): Rf = 0.32;
LCMS: Rt
H8 = 0.665, [M - H]
+ = 283.0, 283.9;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.76-7.70 (m, 1H), 7.51-7.42 (m, 1H), 6.90 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 5.42 (dd, 1H J = 8.2 Hz, 4.0 Hz), 4.15-3.81 (m, 2H), 3.0 (s, 1H), 2.26 (s, 1H)。
【0402】
c) 1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,2−ジフルオロプロパン−1−オール
乾燥DCM(200ml)中の、1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2−ジフルオロプロパン−1,3−ジオール(17.0g, 59.8mmol)の氷冷した溶液に、イミダゾール(12.2g, 179.2mmol)を0℃で加え、15分間撹拌した。塩化 tert−ブチルジメチルシリル(13.5g, 89.5mmol)を、得られた反応混合物に、30分間かけて少しずつ加え、2時間撹拌を続けた。TLC分析によって、反応をモニターした。反応混合物中で形成された固体を、濾過によって分離し、濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。これを、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ヘキサン中2% 酢酸エチルを溶出液として精製し、表題化合物を無色の液体として得た。収量=19g(80%)。
TLC(ヘキサン中20%酢酸エチル): Rf = 0.75;
LCMS: Rt
H8 = 2.09, [M + H]
+ = 399.0;
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.77-7.69 (m, 1H), 7.48-7.39 (m, 1H), 6.96 (t, 1H, J = 9 Hz), 5.41 (dt, 1H, J = 14 Hz, 3.4 Hz), 4.1-3.8 (m, 2H), 3.22 (d, 1H, J = 5.2 Hz), 0.93 (s, 9.1 H), 0.16 (s, 6H)。
【0403】
d) 1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,2−ジフルオロプロパン−1−オン
ジクロロメタン(200ml)中の、1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,2−ジフルオロプロパン−1−オール(19.0g, mmol)および重クロム酸ピリジニウム(90.0g, 239.2mmol)の混合物を、一定した撹拌下に、16時間還流した。触媒をセライトのパッドで濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、褐色の濃厚な塊を得た。粗生成物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ヘキサン中1% 酢酸エチルで精製し、表題化合物を無色の油状物として得た。収量=17.0g(90%)。
TLC(ヘキサン中10%酢酸エチル): Rf = 0.56;
LCMS: Rt
H8 = 1.917, [M + H]
+ = 396.7, 398.6;
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.91-7.85 (m, 2H), 7.71-7.62 (m, 1H), 7.08 (t, 1H, J = 8.5 Hz), 4.12 (t, 1H, J=11.5 Hz), 0.83 (s, 9H), 0.4 (6 H)。
【0404】
e) N−(1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,2−ジフルオロプロピリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
乾燥THF(350ml)中の1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,2−ジフルオロプロパン−1−オン(16.0g, 40.4mmol)の溶液に、Ti(OEt)
4(16.7ml, 80.4mmol)および2−メチル−2−プロパンスルホンアミド(5.8g, 48.4mmol)を加え、16時間還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗製の残渣を、直接、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ヘキサン中3% 酢酸エチルで精製し、表題化合物を無色の液体として得た。収量=13.1g(65.5%)。
TLC(ヘキサン中10%酢酸エチル): Rf = 0.2;
LCMS Rt
H8 = 2.29 [M + H]
+ = 499.9, 501.8;
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.48-7.29 (m, 2H), 6.98 (m, 1H), 4.10 (t, 1H), 1.23 (d, 9H), 0.96 (d, 9H), 0.5 (d, 6H)。
【0405】
f) N−(2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3,3−ジフルオロブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
ジエチルエーテル(120ml)中の、N−(1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,2−ジフルオロ−プロピリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(12g, 24.04mmol)の溶液に、CH
3MgBr(ジエチルエーテル中3M)(41ml, 120mmol)を、−25℃で加えた。反応混合物を0℃とし、30分間維持した。反応混合物を、再度−35℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液を滴下することによってクエンチした。有機層を分離し、塩水で洗浄し、無水の硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗製の化合物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ヘキサン中8%酢酸エチルで精製し、表題化合物を無色の液体として得た。収量=8.8g(71%)。
TLC(ヘキサン中20%酢酸エチル): Rf = 0.33;
LCMS: Rt
H8 = 2.161 [M + H]
+ = 516.1, 519.0;
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.71-7.62 (m, 1H), 7.44-7.38 (m, 1H), 7.0-6.84 (m, 1H), 4.82 (d, 1H), 4.05-3.9 (m, 2H), 2.06 (s, 3H), 1.25 (s, 9H), 0.9 (s, 9H), 0.11 (s, 6H)。
【0406】
g) 3−アミノ−3−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2−ジフルオロブタン−1−オール
乾燥MeOH(60ml)中の、N−(2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3,3−ジフルオロブタン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(8.8g, 17.08mmol)の溶液に、乾燥HClガスを−22℃で30分間パージした。反応混合物を減圧下で濃縮し、冷却しながらNH
4OH溶液で塩基性にした。生成物をジクロロメタンで抽出し、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、表題化合物を無色の濃厚な液体として得た。収量=4.4g(88%)。
TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル): Rf = 0.35;
LCMS: Rt
H8 = 0.118 [M + H]
+ = 298.0, 299.9;
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.68-7.59 (m, 1H), 7.48-7.39 (m, 1H), 6.99 (dd, 1H, J = 9 Hz, 4.5 Hz), 4.1-3.69 (m, 3H), 1.8 (s, 3H)。
【0407】
h) N−(2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシブタン−2−イル)−2−クロロアセトアミド
DCM(60ml)中の、3−アミノ−3−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2−ジフルオロブタン−1−オール(3.1g, 10.4mmol)の氷冷した溶液に、水性Na
2CO
3(2.74g, 25.8mmol, 7.0mlのH
2O中)を加え、10分間撹拌した。次いで、塩化 クロロアセチル(0.986ml, 11.4mmol)を、得られた反応混合物に加え、0℃で30分間撹拌を続けた。TLC分析によって新規生成物の形成が示された後、MeOH(17ml)中のK
2CO
3(1.5g, 10.4mmol)を、反応混合物に加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、有機層を分離し、水で、そして塩水溶液で連続して洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、表題化合物を無色のゴム状物質として得た。収量=3.3g(78.5%)。
TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル): Rf = 0.55;
LCMS: Rt
H9 = 1.287 [M + H]
+ = 374.0, 375.9;
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.28 (s, 1H), 7.53-7.38 (m, 2H), 6.92 (dd, 1H, J = 11 Hz, 7.5 Hz), 4.11-3.78 (m, 2H), 2.49 (t, 1H, J = 7.4 Hz), 2.08 (d, 3H)。
【0408】
i) 5−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6,6−ジフルオロ−5−メチル−1,4−オキサゼパン−3−オン
t−BuOH(10ml)中のt−BuOK(0.36g, 3.2mmol)の溶液に、t−BuOH(10ml)中のN−(2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシブタン−2−イル)−2−クロロアセトアミド(1.0g, 2.6mmol)を室温で加え、還流温度で1時間30分加熱した。TLC分析によって、反応混合物をモニターした。反応混合物を減圧下で濃縮し、2N HClを用いてpHを〜2に調節した。酢酸エチルを加えて、生成物を抽出し、有機層を、水で、そして塩水溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の化合物(0.9g)を精製することなく次の工程を行った。
LCMS: Rt
H8 = 1.616 [M + H]
+ = 337.8, 339.9 (56 %); 1.482 [M + H]
+ = 675.1, 676.8 (34 %)。
【0409】
j) 5−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6,6−ジフルオロ−5−メチル−1,4−オキサゼパン−3−チオン
THF(25ml)中の5−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6,6−ジフルオロ−5−メチル−1,4−オキサゼパン−3−オン(2.0g, 5.93mmol)の溶液に、ローソン試薬(2.87g, 7.1mmol)を室温で加え、還流温度で16時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、直接、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ヘキサン中4%酢酸エチルを用いて精製し、表題化合物を無色のゴム状物質として得た。収量=1.0g(50%)。
LCMS: Rt
H8 = 1.75 [M + H]
+ = 354.8, 355.7;
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.86 (s, 1H), 7.59-7.41 (m, 2H), 7.02 (m, 1H), 4.81 (dt, J = 3 Hz, 16 Hz), 4.55 (d, 1H), 4.1-3.95 (m, 2H), 1.92 (s, 3H)。
【0410】
k) 5−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6,6−ジフルオロ−5−メチル−1,4−オキサゼパン−3−イミン
5−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6,6−ジフルオロ−5−メチル−1,4−オキサゼパン−3−チオン(1.0g, 2.83mmol)および10% NH
3/MeOH(25ml)の混合物を、密封管中、室温で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、クロロホルム中5% MeOH、2% NH
3で精製し、表題化合物を薄褐色のゴム状物質として得た。収量=1.1g()。
LCMS: Rt
H8 = 0.146 [M + H]
+ = 337.0, 339.0;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 7.87 (dd, 1H, J = 2.5 Hz, 6.4 Hz), 7.53-7.45 (m, 1H), 7.09 (dd, 1H, J = 5.1 Hz, 9.2 Hz), 6.08 (s, 2H), 4.32-4.11 (m, 3H), 3.97-3.83 (m, 1H), 1.88 (d, 3 H)。
【0411】
l) 5−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6,6−ジフルオロ−5−メチル−1,4−オキサゼパン−3−イリデンカルバミン酸tert−ブチル
乾燥THF(15ml)中の5−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6,6−ジフルオロ−5−メチル−1,4−オキサゼパン−3−イミン(1.1g, 3.2mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.84ml, 4.8当量)を0℃で加え、15分間撹拌した。ピロ炭酸ジ−tert−ブチル(0.98ml, 4.2当量)を、反応混合物に加え、2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、粗生成物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ヘキサン中8%酢酸エチルで精製した。収量=950mg(67%)。
TLC(ヘキサン中20%酢酸エチル): Rf = 0.75;
LCMS: Rt
H8 = 1.781 [M + H-Boc]
+ = 337.0, 339.0;
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 10.9 (s, 1H), 7.61-7.39 (m, 2H), 7.03-6.95 (m, 1H), 4.42-4.21 (m, 2H), 4.03-3.81 (m, 2H), 1.93 (s, 3H), 1.51 (s, 9H)。
【0412】
m) 5−(5−アジド−2−フルオロフェニル)−6,6−ジフルオロ−5−メチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−1,4−オキサゼピン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル
エタノール(60ml)中の、5−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6,6−ジフルオロ−5−メチル−1,4−オキサゼパン−3−イリデンカルバミン酸tert−ブチル(1.72g, 3.94mmol)、および、trans−N,N'−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.62ml, 3.94mmol)の溶液に、水(16ml)中の、NaN
3(2.05g, 31.5mmol)、(+)−ナトリウム−L−アスコルベート(0.312g, 1.57mmol)の溶液を加えた。反応混合物をアルゴンで15分間脱気した。Cu(I)(0.3g, 1.57mmol)を反応混合物に加え、70℃で5分間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルで希釈し、塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の反応物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ヘキサン中8%〜40% 酢酸エチルで精製し、対応するアミンと共に、表題化合物を得た。収量=アミン(0.62g, 36%);アジド(0.32g, 22%)。
TLC(アジドについてヘキサン中10%酢酸エチル): Rf = 0.5; (アミンについてヘキサン中50%酢酸エチル); Rf = 0.4。
アジド(620mg, 1.5mmol)を、H
2ガスで、バルーン圧力下、酢酸エチル(10ml)中10% Pd/C(50mg)の存在下で、室温で1時間水素化した。セライトの短いベッドを用いて触媒を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、アミン生成物を無色のゴム状物質として得た。収量=575mg(99%)。
アジド:
LCMS: Rt
H8 = 1.683 [M + H]
+ = 399.9;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 10.89 (s, 1H), 7.21-6.95 (m, 3H), 4.41-4.22 (m, 2H), 4.05-3.80 (m, 2H), 1.98 (s, 3H), 1.25 (s, 9H)。
アミン:
LCMS: Rt
H8 = 0.38 [M + H-Boc]
+ = 374.2, 274.2;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 10.62 (s, 1H), 6.91-6.83 (m, 1H), 6.72-6.67 (m, 1H), 6.64-6.59 (m, 1H), 4.41-4.15 (m, 2H), 4.03-3.85 (m, 4H), 1.90 (s, 3H), 1.49 (s, 9H)。
【0413】
n) 5−(5−(5−クロロピコリンアミド)−2−フルオロフェニル)−6,6−ジフルオロ−5−メチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−1,4−オキサゼピン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル
乾燥DMF(3.0ml)中の5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸(0.085g, 0.54mmol)の溶液に、Et
3N(0.22ml, 1.6mmol)、EDCI(0.128mg, 0.81mmol)、HOAt(0.11g, 0.81mmol)および5−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6,6−ジフルオロ−5−メチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−1,4−オキサゼピン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(0.201g, 0.54mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。反応が完了した後、速く撹拌しながら、反応混合物を氷水に注ぎ、沈殿物を得た。収量=220mg(80%)。
TLC(ヘキサン中30%酢酸エチル): Rf = 0.4;
LCMS: Rt
H8 = 1.78 [M + H-Boc]
+ = 413.0, 414.8;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 10.89 (s, 1H), 9.91 (s, 1H), 8.6 (s, 1H), 8.22 (d, 1H, J = 9.3 Hz), 7.90 (dd, 2H, J = 10.2 Hz, 3.1 Hz), 7.69 (d, 1H), 7.11 (t, 1H), 4.44-4.21 (m, 2H), 3.93-4.18 (m, 2H), 1.98 (s, 3H), 1.49 (s, 9H)。
【0414】
o) N−(3−(3−アミノ−6,6−ジフルオロ−5−メチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−1,4−オキサゼピン−5−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミド
ジオキサン中10% HCl中の、5−(5−(5−クロロピコリンアミド)−2−フルオロフェニル)−6,6−ジフルオロ−5−メチル−2,5,6,7−テトラヒドロ−1,4−オキサゼピン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(0.210g, 0.41mmol)の溶液を、密封管中、55℃で5時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、2% メタノール性アンモニアで塩基性にして、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、MeOH/DCM(3:97)で精製し、表題化合物を灰白色の固体として得た。収量=0.08g(50%)。
TLC(クロロホルム中20%メタノール): Rf = 0.35;
融点 = 190〜193℃;
LCMS: Rt
H8 = 0.39 [M + H]
+ = 412.8, 415.0;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.79 (d, 1H), 8.23-8.12 (m, 2H), 8.07-8.02 (dd, 1H, J = 9.6 Hz, 3.4 Hz), 7.85 (dt, 1H, J = 8.5 Hz, 2.6 Hz), 7.10 (dd, 1H, J = 12.2 Hz, 7.6 Hz), 5.98 (s, 2H), 4.29-4.08 (m, 3H), 3.98-3.85 (m, 1H), 1.76 (s, 3H)。
【0415】
実施例101: 表15に記載された化合物は、実施例100で用いられた方法と類似の方法によって製造され得る。
表15
【表45】
【0416】
実施例102〜110: 表16に記載された化合物を、実施例34で用いられた方法と類似の方法によって製造した。
表16
【表46】
【0417】
【表47】
【表48】
【0418】
実施例111〜151: 表17に記載された化合物を、実施例42または112で用いられた方法と類似の方法によって製造した。
【0419】
エナンチオマーとして純粋な化合物について、ラセミの前駆体[5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例42j))を、分取HPLCにより、Chiralpak AD-H 250×4.6mmカラムで、超臨界CO
2/EtOH 9:1を溶出液として分離した。望ましい化合物は、より遅く溶出した(R)−エナンチオマーであった。
エナンチオマー過剰率 = 99.7 %; [α]
D = -109.7°(c=1, CHCl
3)。
【0420】
表17
【表49】
【0421】
【表50】
【0422】
【表51】
【0423】
【表52】
【0424】
【表53】
【0425】
【表54】
【0426】
【表55】
【0427】
【表56】
【0428】
【表57】
【0429】
【表58】
【0430】
【表59】
【0431】
【表60】
【0432】
【表61】
【0433】
【表62】
【0434】
実施例112の製造のより詳細な説明: 5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
a) 5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−フェニル)−モルホリン−3−オン
5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−オン(190g, 586mmol)[実施例42の工程e)]および酢酸ナトリウム(57.7g, 703mmol)を、1850mlのメタノールに懸濁した。10% Pd/炭(18.7g)を加え、水素雰囲気において、室温で、パール装置中で、反応混合物を振盪した。60分後、反応混合物をセライトで濾過し、蒸発させた。残渣を2LのTBMEに溶解し、水性NaHCO
3で、そして塩水で洗浄した。有機層をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させ、143.2gの表題化合物を白色の固体として得た。
HPLC: Rt
H1 = 0.792分;
ESIMS [M+H]
+ = 246;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.50-7.43 (m, 2H), 7.32-7.27 (m, 1H), 7.19 (dd, 1H), 6.62 (br, 1H), 6.37 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.34 (d, 1H), 4.31 (d, 1H), 4.22 (d, 1H), 4.20 (d, 1H)。
【0435】
b) 5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−フェニル)−モルホリン−3−チオン
1400mlのTHF中の、5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−フェニル)−モルホリン−3−オン(141g, 575mmol)およびローソン試薬(132g, 316mmol)の混合物を、68℃で1時間加熱し、冷却し、蒸発させた。残渣を1LのDCMに溶解し、10LのDCMを用いて2kgのシリカゲルで濾過し、161gの表題化合物を、帯緑色の樹脂状物質の形態で得た。これはゆっくりと結晶化した。この化合物をさらに精製することなく用いた。
HPLC: Rt
H1 = 1.799分;
ESIMS [M+H]
+ = 262;
1H-NMR (360 MHz, CDCl
3): 7.42-7.35 (m, 1H), 7.28 (t, 1H), 7.19 (t, 1H), 7.11 (dd, 1H), 6.29 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.57 (d, 1H), 4.47 (d, 1H), 4.21 (d, 1H), 4.18 (d,1H)。
【0436】
c) 5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−フェニル)−モルホリン−3−チオン(160g, 570mmol)を、2.4Lのメタノール中7mol/L NH
3溶液に6.5時間溶解し、その後、一夜放置した。反応混合物を蒸発させ、2Lの1N 水性HClおよび2LのTBMEに溶かした。水相をTBMEで洗浄し、300mlの30%水性NaOHおよび幾らかの氷を添加することによって塩基性にした。混合物をDCMで3回抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮した。DCM/ヘプタンから結晶化することによって、表題化合物を得た(128.45g)。
HPLC: Rt
H3 = 2.059分;
ESIMS [M+H]
+ = 245;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 7.77 (t, 1H), 7.38 - 7.30 (m, 1H), 7.21 (t, 1H), 7.09 (dd, 1H), 6.19 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.51 (br, 2H), 4.32 (d, 1H), 4.18 (d, 1H), 4.05 (d, 1H), 3.96 (d, 1H), 1.39 (s, 3H), 1.24 (s, 3H)。
【0437】
d) 5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
硝酸カリウム(60.3g, 596mmol)を、600mlの硫酸(温度<20℃)に少しずつ加えた。この溶液を、氷浴で反応物の温度を<22℃に保ちながら、600mlの硫酸中の5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(112g, 459mmol)の溶液に滴下した。1時間撹拌した後、混合物を10kgの氷に注いだ。TBME(6L)を加え、約5Lの30% 水性NaOHを添加することによって、pHを12〜14に調節した。相を分離し、水相をTBMEで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させ、130gの黄色の固体を得た。これをさらに精製することなく用いた。
HPLC: Rt
H3 = 2.063分;
ESIMS [M+H]
+ = 290;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 8.71 (dd, 1H), 8.13 (dt, 1H), 7.13 (dd, 1H), 5.99 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.55 (br, 2H), 4.33 (dd, 1H), 4.10 (d, 1H), 3.97 (d, 1H), 3.82 (dt, 1H)。
【0438】
e) [5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
2500mlのTHF中の、5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(144.5g, 500mmol)、Boc無水物(142g, 650mmol)およびDIPEA(131ml, 749mmol)の溶液を、室温で3日間撹拌した。その後、未だ出発物質が残っていた。Boc無水物(56g, 325mmol)を加え、混合物を60℃に加熱し、反応が完了するまで10時間撹拌した。混合物を蒸発させ、TBMEに溶解し、氷冷した1N 水性HClで、水で、10% 水性NaHCO
3で、そして塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。生成物をDCM/ヘプタンから結晶化することによって精製した。収量182.8g。白色の結晶。
HPLC: Rt
H1 = 3.259分;
ESIMS [M+Na]
+ = 412;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 8.70 (dd, 1H), 8.27 (dt, 1H), 7.34 (br, 1H), 7.25 (dd, 1H), 6.09 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.85 (d, 1H), 4.58 (d, 1H), 4.49 (dd, 1H), 3.94 (dt, 1H)。
【0439】
f) [5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[5−ジフルオロメチル−5−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(180g, 462mmol)および17.61gのPd−C 10%を、1760mlのTHFに懸濁した。混合物を、パール装置中で、水素雰囲気において、室温で振盪した。6時間後、反応混合物をセライトで濾過し、蒸発させた。残渣をDCM/ヘプタンから結晶化し、157.6gの表題化合物をベージュ色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H3 = 2.748分;
ESIMS [M+H]
+ = 360;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 回転異性体の複雑な混合物の存在により、スペクトルが解析不能。
【0440】
g) [(R)−5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
ラセミの生成物((rac)[5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル)を、分取HPLCにより、Chiralpak AD-H 20μm (8×100×48mm HPLCカラム)で、Bayer SMB CC50装置で、SMB法を用いて、ヘプタン/EtOH/MeOH 70:20:10を溶出液として分離した。望ましい化合物は、より遅く溶出した(R)−エナンチオマーであった。72.29gの表題化合物を無色の泡状物質として得た。
ee = 99.3 %;
旋光度: [α]
D -97.5°(c=1, CHCl
3)
HPLC: Rt
H3 = 2.748分;
ESIMS [M+H]
+ = 360;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz): 回転異性体の複雑な混合物の存在により、スペクトルが解析不能。
【0441】
h) ((R)−5−{5−[(5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(R)−5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(35g, 97.4mmol)、5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸(15.87g, 107.14mmol)およびHOBt水和物(22.35g, 146.1mmol)を185mlのDMFに溶解し、氷冷しながら撹拌した。温度が0〜5℃に至ったら、EDC(22.33ml, 126.62mmol)を滴下した。混合物を2時間撹拌した。氷浴を除き、2時間撹拌を続けた。混合物をEtOAcおよび水に溶かした。相を分離し、有機相を、5% 水性NaHCO
3で、そして塩水で洗浄した。有機相をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させ、ベージュ色の固体を得た。EtOAc/ヘキサンから結晶化し、表題化合物を無色の結晶として得た。収量44.47g。
HPLC: Rt
H1= 2.888分;
ESIMS [M+Na]
+ = 512;
1H-NMR (CDCl
3, 360 MHz, 回転異性体によりブロードなシグナル): 8.95 (s, 1H), 8.48 (d, 1H), 8.25 (d, 1H), 8.08-8.03 (m, 1H), 7.84-7.80 (m, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.17 (t, 1H), 6.18 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.83 (d, 1H), 4.60 (d, 1H), 4.42 (d, 1H), 4.4-4.3 (br, 1H), 3.97 (d, 1H), 1.53 (s, 9H)。
【0442】
i) 5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
((R)−5−{5−[(5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(44.47g, 91.0mmol)を450mlのDCMに溶解し、室温の水浴で穏やかに冷却した。TFA(150ml)を加えた。反応は僅かに発熱反応であった。混合物を室温で1.5時間撹拌した。揮発成分を真空で室温で除去した。残渣をDCMに溶かし、2回手順を繰り返した。残渣を3LのEtOAcに溶かし、10% 水性Na
2CO
3で、そして塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、一部蒸発させた。iPrOHを加え、混合物を冷却した。表題化合物を純白の結晶として集めた。収量30.56g。
HPLC: Rt
H3= 2.605分;
ESIMS [M+H]
+ = 390;
1H-NMR (dmso-d
6, 600 MHz): 10.85 (s, 1H), 9.22 (s, 1H), 8.58 (d, 1H), 8.27 (d, 1H), 8.18-8.14 (m, 1H), 7.85-7.80 (m, 1H), 7.19 (t, 1H), 6.16 (br s, 2H), 6.14 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.12 (d, 1H), 4.01 (d, 1H), 3.92 (d, 1H), 3.88 (d, 1H)。
【0443】
j) 5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロ−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド塩酸塩
5mlのTHF中の、5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロ−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(277mg, 0.71mmol)の溶液を、0.9mlのEt
2O中1M HClで磨砕した。混合物を一部蒸発させ、TBMEで希釈し、一部蒸発させ(3×)、最後に乾固するまで蒸発させた。塩酸塩は、かなりの量のTHFを含んだ。それをEtOHに溶かし、2回乾固するまで蒸発させた。生成物を、最後に15mlの水と共に凍結乾燥させた。261mgの白色の凍結乾燥させた物質を得た。
1H-NMR (dmso-d
6, 600 MHz): 11.05 (s, 1H), 11.01 (s, 1H), 9.75 (s, 1H), 9.25 (s, 1H), 8.73 (br s, 1H), 8.61 (d, 1H), 8.10 (d, 1H), 8.12-8.07 (m, 2H), 7.41 (dd, 1H), 6.79 (t, J = 54 Hz, 1H), 4.70 (d, 1H), 4.65 (d, 1H), 4.36 (d, 1H), 4.18 (d, 1H)。
【0444】
実施例152: 結晶性5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸 [3−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミドを、EtOAcに溶解し、イソプロパノールを加え、得られた溶液を減圧で濃縮した。大部分の生成物が結晶化するまで、この方法を繰り返した。
【0445】
得られた結晶性物質を、XRPDによって分析し、10個の最も特徴的なピークを表18で示した(
図1も参照のこと。)。
【0446】
表18
【表63】
【0447】
X線粉末回折(XRPD)分析を、Brucker D8 Advance x-ray diffractometerを用いて行った。約30kVおよび40mAで、下記の条件下で測定を行った。
【表64】
【0448】
X線回折パターンを、全パターンの同定のためにCuKα放射と共に、2°および40°(2θ)の間で記録した。
【0449】
また、結晶性物質を、PerkinElmer DSC7を用いて、示差走査熱量測定によって分析し、約227℃(227.46℃)で融解の開始が見られた。
【0450】
実施例153: 表19に記載された化合物は、実施例71および72で用いられた方法と類似の方法によって製造され得る。
表19
【表65】
【0451】
実施例154〜156: 表20に記載された化合物を、実施例100で用いられた方法と類似の方法によって製造した。
表20
【表66】
(注:実施例156において、Boc基の脱保護は、HCl/ジオキサンの代わりに、TFA/DCM(実施例112についての方法と類似の方法で)を用いて行った。
【0452】
実施例157〜185: 表21に記載された化合物を、実施例42または実施例112で用いられた方法と類似の方法によって製造した。
エナンチオマーとして純粋な化合物について、ラセミの前駆体[5−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例42j))を、分取HPLCにより、Chiralpak AD-H 250×4.6mmカラムで、超臨界CO
2/EtOH 9:1を溶出液として用いて分離した。望ましい化合物は、より遅く溶出した(R)−エナンチオマーであった。
エナンチオマー過剰率 = 99.7 %; [α]
D = -109.7°(c=1, CHCl
3)。
【0453】
表21
【表67】
【0454】
【表68】
【0455】
【表69】
【0456】
【表70】
【0457】
【表71】
【0458】
【表72】
【0459】
【表73】
【0460】
【表74】
【表75】
【0461】
中間体の製造
置換された酸構成成分は、市販されているか、あるいは、例えば国際公開第2005/063738号、国際公開第2009/091016号、国際公開第2010/047372号、Bioorg. Med. Chem. 2001, 9, 2061-2071に記載された通りに、またはそれらに記載された方法と類似の方法で製造され得るか、あるいは、下に記載された通りにまたは下に記載された方法と類似の方法で製造され得るかの何れかであった。
【0462】
酸(1): 5−シアノ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸
a) 5−ブロモ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸
36mlのD
2O(99.96% D)中の、2.16g(0.00mmol)の5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸の懸濁液を、4mlのD
2O中40%のNaOD溶液で処理した。均一な溶液を、100mlのテフロン容器中でSynthos 3000 マイクロ波装置で加熱した。混合物を160℃で5時間加熱し、冷却した。生成物の
1H−NMRおよびMS分析により、ジューテリウム化がかなり進んだことが示された。少量のテトラジューテロ誘導体のみが存在した。反応混合物を2N HClでpH 3まで酸性にして、EtOAcで抽出した。有機相をMgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させ、表題化合物を白色の固体として得た。これはさらなる変換に十分な程純粋であった。
HPLC: Rt
H2= 2.829分;
ESIMS [M+H]
+ = 221, 223 (1 Br, 5D);
【0463】
b) 5−ブロモ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
1.65g(7.46mmol)の5−ブロモ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸および2滴のDMFを、17mlのDCMに溶解した。塩化オキサリル(1.3ml, 14.9mmol)を滴下した。ガスの発生がすぐに始まった。25℃で2時間撹拌した後、混合物を蒸発させ、トルエンに溶かし、再度蒸発させた。残渣の帯褐色の樹脂状物質を3mlのTHFに溶解し、撹拌しながら、24mlのt−BuOH中の14ml(22.39mmol)のBuLi(ヘキサン中1.6M)の溶液に加えた。1時間後、混合得物を10% 水性NH
4Clに注ぎ、TBMEで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4・H
2Oで乾燥させ、蒸発させた。シリカゲルのクロマトグラフィーを行い(ヘキサン/EtOAc 9:1)、表題化合物を無色の液体として得た。
HPLC: Rt
H1= 3.002分;
ESIMS [M+H]
+ = 277, 279 (1 Br, 5D);
1H-NMR (360 MHz, CDCl
3): 1.65 (s, 9H)。
【0464】
c) 5−シアノ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
1.41g(5.09mmol)の5−ブロモ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル、0.418g(3.56mmol)のZn(CN)
2、0.033gのZn粉末(0.509mmol)および0.265g(0.254mmol)のPd
2(dba)
3・CHCl
3の混合物を、窒素雰囲気下で、14mlのDMFに懸濁した。ジオキサン中0.25MのtBu
3Pの溶液(4.0ml, 1.02mmol)を加え、混合物を60℃で16時間撹拌した。冷却した後、混合物をTBMEで希釈し、セライトで濾過し、塩水で3回洗浄した。粗生成物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ヘキサン/EtOAc 5〜15%)、表題化合物を灰白色の固体として得た。
HPLC: Rt
H3= 3.275分;
ESIMS [M+Na]
+ = 246 (5D);
1H-NMR (360 MHz, CDCl
3): 1.68 (s, 9H);
Ft-IR: 2231 cm
-1 (CN)。
【0465】
d) 5−シアノ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸
5.1g(37mmol)の1,3−ジメトキシベンゼン中の、825mg(3.69mmol)の5−シアノ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液に、8.3mlのTFAを加え、6.5時間撹拌した。反応混合物をトルエンで希釈して蒸発させた。残渣をトルエンに溶かして蒸発させた(2×)。生成物をTBME/ヘキサンから結晶化して、表題化合物を白色の粉末として得た。
HPLC: Rt
H2= 2.397分;
ESIMS [M+H]
+ = 168 (5D);
1H-NMR (360 MHz, CDCl
3): ジューテリウム化されていない不純物。
【0466】
酸(2): 5−クロロ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸
表題化合物を、酸(1)の工程a)からb)の方法と類似の方法によって製造した。
HPLC: Rt
H2= 2.820分;
ESIMS [M+H]
+ = 177 (5D);
1H-NMR (360 MHz, D
2O): ジューテリウム化されていない不純物。
【0467】
酸(3): 5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸
表題化合物を、酸(1)の方法と類似の方法によって、ジューテリウム化誘導体[酸(1)の工程a)]の代わりに5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸で出発して製造した。
Rf (ヘキサン/EtOAc 6:1) = 0.28;
1H-NMR (360 MHz, CDCl
3): 8.09 (dd, 1H), 7.79 (ddd, 1H), 7.17 (t, 1H), 6.44 (t, J = 45 Hz, 1H)。
【0468】
酸(4): 3,5−ジメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸
45mlのMeOHおよび65mlの30% 水性NaOH中の、3,5−ジメトキシ−ピリジン−2−カルボニトリル(CAS:36057-45-1, 2.71g, 16.51mmol)の懸濁液を6時間還流した。MeOHを蒸発させることによって除去し、残渣をTBMEで洗浄した。濃塩酸でpHが3になるまで水相を酸性にした。混合物をEtOAcおよびTHFで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。褐色の固体をEtOHから結晶化し、表題化合物を薄褐色の結晶として得た。
HPLC: Rt
H2= 2.183分;
ESIMS [M+H]
+ = 184;
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 12.61 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.88 (s, 3H)。
【0469】
酸(5): 5−ジフルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸
a) 5−ジフルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル
DMF(7ml)中の、5−ヒドロキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル(CAS登録番号 228867-86-5)(228mg, 1.70mmol)、クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(CAS登録番号 1895-39-2)(518mg, 3.40mmol)およびK
2CO
3(705mg, 5.10mmol)の溶液を、100℃で0.5時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NH
4Cl水溶液で、そして塩水で洗浄した。水層をEtOAcで再度抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した後(シクロヘキサン/EtOAc 濃度勾配95:5を0〜3分, 95:5から60:40を3〜35分)、表題化合物を無色の油状物として得た。
HPLC Rt
H10 = 0.87分; ESIMS: 185 [(M+H)
+];
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 8.40 (d, 1H), 7.45 (d, 1H), 6.64 (t, 1H), 2.61 (s, 3H)。
【0470】
b) 5−ジフルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸
EtOH(5ml)中の5−ジフルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル(145mg, 0.787mmol)の溶液に、1M NaOH水溶液(2.5ml)を加えた。反応混合物を70℃で7時間撹拌し、室温で9時間撹拌した。それをEt
2Oで希釈し、水で2回抽出した。合わせた水層をEt
2Oで再度抽出し、1M 水性HClでpH 2まで酸性にして、TBMEで2回抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮し、表題化合物を白色の固体として得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
HPLC Rt
H10 = 0.61分;
ESIMS: 204 [(M+H)
+];
1H NMR (400 MHz, MeOD): 8.32 (d, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.06 (t, 1H), 2.64 (s, 3H)。
【0471】
酸(6): 5−フルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸
a) 5−フルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル
DMF(10ml)中の、5−ヒドロキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル(CAS登録番号 228867-86-5)(228mg, 1.70mmol)の溶液に、DMF(4ml)中の、トルエン−4−スルホン酸フルオロメチルエステル(CAS登録番号 114435-86-8)(521mg, 2.55mmol)およびCs
2CO
3(1.386g, 4.26mmol)の溶液を加えた。反応混合物を、100℃で1時間、次いで70℃で1時間撹拌し、EtOAcで希釈し、飽和NH
4Cl水溶液で、そして塩水で洗浄した。水層をEtOAcで再度抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行った後(シクロヘキサン/EtOAc 濃度勾配95:5を0〜3分, 95:5から65:35を3〜30分)、表題化合物を白色の固体として得た。
HPLC Rt
H10 = 0.77分;
ESIMS: 167 [(M+H)
+];
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 8.36 (d, 1H), 7.34 (d, 1H), 5.79 (d, 2H), 2.59 (s, 3H)。
【0472】
b) 5−フルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸
EtOH(4ml)中の、5−フルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル(118mg, 0.71mmol)の溶液に、1M NaOH水溶液(2ml)を加えた。反応混合物を、70℃で7時間、次いで室温で9時間撹拌した。それをTBMEで希釈し、水で2回洗浄した。合わせた水層をTBMEで再度抽出し、1M 水性HClでpH 2まで酸性にして、TBMEで2回抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮し、表題化合物を白色の固体として得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
HPLC Rt
H10 = 0.50分;
ESIMS: 186 [(M+H)
+];
1H NMR (400 MHz, MeOD): 8.28 (d, 1H), 7.55 (d, 1H), 5.88 (d, 2H), 2.66 (s, 3H)。
【0473】
酸(7): 5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸
a) 5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
THF(10ml)中の、5−ヒドロキシ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(CAS登録番号 30766-12-2)(150mg, 0.980mmol)および2−メトキシエタノール(82mg, 0.085ml, 1.077mmol)の予め冷却した溶液に、0℃で、トリフェニルホスフィン(397mg, 1.469mmol)を加え、反応混合物を0℃で10分間撹拌した。THF(5ml)中のDIAD(316mg, 1.469mmol)の溶液を加え、混合物を室温で19.5時間撹拌した。EtOAcで希釈した後、粗製の混合物を、水で、そして塩水で抽出し、水層をEtOAcで再度抽出し、合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮し、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行った後(DCM/EtOAc 濃度勾配60:40を0〜3分、60:40〜25:75を3〜35分)、表題化合物を得た。
HPLC Rt
H10 = 0.63分;
ESIMS: 212 [(M+H)
+];
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 8.47 (d, 1H), 8.14 (d, 1H), 7.35 (dd, 1H), 4.27-4.24 (m, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.82-3.79 (m, 2H), 3.47 (s, 3H)。
【0474】
b) 5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸
THF(3ml)中の5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(390mg, 0.489mmol)の溶液に、1M 水性NaOH(0.538ml)を加えた。反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、濃縮し、残渣をEtOAcに溶解し、水で2回洗浄した。水層を1M 水性HCl(0.538ml)で酸性にして、表題化合物を凍結乾燥によって単離した。
HPLC Rt
H10 = 0.42分;
ESIMS: 198 [(M+H)
+];
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): 8.37 (d, 1H), 8.01 (d, 1H), 7.52 (dd, 1H), 4.28-4.24 (m, 2H), 3.71-3.67 (m, 2H), 3.31 (s, 3H)。
【0475】
酸(8): 3−フルオロ−5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸
a) 2−クロロ−3−フルオロ−5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン
THF(40ml)中の、6−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−オール(CAS登録番号 870062-76-3)(800mg, 5.42mmol)、2−メトキシ−エタノール(454mg, 0.471ml, 5.96mmol)およびトリフェニルホスフィン(2.199g, 8.13mmol)の溶液に、温度を0〜5℃に保ちながら、THF(20ml)中のDIAD(1.731g, 8.13mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を室温で20時間撹拌し、水および塩水を加え、混合物をEtOAcで希釈した。水層をEtOAcで2回抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮し、Et
2Oで磨砕して濾過した後、表題化合物を白色の固体として得た。濾液から、分取NP−HPLCによって、Alltech Grom Saphir 65 Si 10μm 250×50mm カラムを用いて精製した後(ヘプタン/EtOAc, 濃度勾配15% EtOAcを0〜1.7分, 15〜100% EtOAcを1.7〜17分, 100% EtOAcを17〜24.3分, 0% EtOAcを24.3〜27.8分)、他のバッチの生成物を得た。
HPLC Rt
H10= 0.86分;
ESIMS: 206 [(M+H)
+];
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.97 (d, 1H), 7.12 (dd, 1H), 4.25-4.08 (m, 2H), 3.83-3.68 (m, 2H), 3.46 (s, 3H)。
【0476】
b) 3−フルオロ−5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボニトリル
2−クロロ−3−フルオロ−5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン(806mg, 3.92mmol)およびZn(CN)
2(486mg, 4.12mmol)の溶液に、N
2雰囲気下、Pd(PPh
3)
4(362mg, 0.314mmol)を加えた。反応混合物を、120℃で20分間、マイクロ波中で撹拌し、水およびTBMEで希釈した。不溶物を濾過し、相を分離し、水層をTBMEで2回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去し、分取NP−HPLCによって、Alltech Grom Saphir 65 Si 10μm 250×50mmカラムを用いて精製し(ヘプタン/EtOAc, 濃度勾配25% EtOAcを0〜1.7分, 25〜100% EtOAcを1.7〜17分, 100% EtOAcを17〜24.3分, 0% EtOAcを24.3〜27.8分)、表題化合物を薄褐色の油状物として得た。
HPLC Rt
H10 = 0.78分;
ESIMS: 197 [(M+H)
+];
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 8.27 (dd, 1H), 7.10 (dd, 1H), 4.34-4.17 (m, 2H), 3.87-3.71 (m, 2H), 3.45 (s, 3H)。
【0477】
c) 3−フルオロ−5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸
5mlの2M 水性NaOH中の3−フルオロ−5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボニトリルの溶液を、マイクロ波中で、120℃で20分間撹拌した。反応混合物をH
2Oで希釈し、pHを1〜1.5に調節した。混合物をDCMで3回抽出し、合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去して、粗製の表題化合物を得た。これを、分取RP−HPLCによって、Waters SunFire C18 OBD 5μm 19×150mmカラムを用いて精製し(A/B:水/ACN+0.1% TFA, 濃度勾配5% Bを0〜1分, 5〜90% Bを1〜7分, 90% Bを7〜7.5分, 90〜5% Bを7.5〜8分, 5% Bを8〜10分)、そのTFA塩を得た。
HPLC Rt
H10 = 0.50分;
ESIMS: 216 [(M+H)
+];
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): 8.22 (br s, 1H), 7.15 (dd, 1H), 6.29 (br s, 2H), 4.38-4.19 (m, 2H), 3.89-3.74 (m, 2H), 3.47 (s, 3H)。
【0478】
TFA塩を、HCl/ジオキサンで磨砕し、蒸発させることによって、対応する塩酸塩に変換した。
【0479】
酸(9): 5−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−カルボン酸
a) 3−メチル−4−オキシ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル
40mlのCHCl
3中の、2.0g(13.14mmol)の3−メチル−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステルの溶液に、3.24g(13.14mmol)のメタクロロペルオキシ安息香酸を加え、得られた混合物を1.5時間還流した。反応混合物を飽和水性NaHCO
3で塩基性にして、CHCl
3で抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(DCM〜DCM/MeOH 9:1)、表題化合物を無色の固体として得た。
HPLC: Rt
H11= 0.40分;
ESIMS [M+H]
+ = 169;
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6): 8.56 (d, 1 H), 8.48 (d, 1 H), 3.33 (s, 3 H)。
【0480】
b) 5−クロロ−3−メチル−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル
6.8mlのDMF中の、575mg(3.4mmol)の3−メチル−4−オキシ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステルの溶液に、1.141ml(1.88g, 12.24mmol)の三塩化ホスホリルを加え、得られた混合物を120℃で15分間加熱した。室温まで冷却した後、氷を加え、混合物をトルエンで抽出した。合わせた有機層を、半飽和水性NaClで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させ、表題化合物を、望ましくない6−クロロ−3−メチル−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステルとの〜3:2混合物で、帯褐色の固体として得た。混合物をさらに精製することなく次の工程に用いた。
HPLC: Rt
H10= 0.70分;
ESIMS [M+H]
+ = 187.1;
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6, 5-Cl 異性体): 8.74 (s, 1 H), 3.90 (s, 3 H), 2.71 (s, 3 H)。
【0481】
c) 5−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル
0℃で、58mg(1.458mmol)の油中60% 水素化ナトリウムを、少しずつ7.3mlのMeOHに加え、混合物を室温で30分間撹拌した。再度0℃に冷却した後、272mg(1.458mmol)の前の工程の粗生成物を、1.7mlのMeOH中の懸濁液として加え、混合物を50℃で1時間加熱した。0℃で、半飽和水性NH
4Clを加え、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を半飽和水性NaClで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサンからシクロヘキサン/EtOAc 4:1)、表題化合物を帯褐色の固体として得た。
HPLC: Rt
H10= 0.69分;
ESIMS [M+H]
+ = 183.1;
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6): 8.21 (s, 1 H), 3.97 (s, 3 H), 3.84 (s, 3 H), 2.67 (s, 3 H)。
【0482】
d) 5−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−カルボン酸
2.6mlのTHF中の、105mg(0.577mmol)の5−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステルの溶液を、0℃に冷却し、0.635ml(0.635mmol)の1N 水酸化ナトリウムを滴下し、混合物を室温で1.5時間撹拌した。再度0℃まで冷却した後、0.635ml(0.635mmol)の1N HClおよび1.2mlのトルエンを加え、溶媒を蒸発させ、表題化合物を、塩化ナトリウムと共に、帯褐色の固体として得た。混合物を、さらに精製することなく、カップリング反応に用いた。
HPLC: Rt
H10= 0.50分;
ESIMS [M+H]
+ = 169.1;
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6): 13.04 (br s, 1 H), 8.19 (s, 1 H), 3.96 (s, 3 H), 2.67 (s, 3 H)。
【0483】
酸(10): 5−(2−メトキシ−エトキシ)−3−メチル−ピラジン−2−カルボン酸
表題化合物を、酸(9)の方法と類似の方法によって、メタノールの代わりに2−メトキシ−エタノール[酸(9)の工程c)]を用いて、製造した。
HPLC: Rt
H10= 0.54分;
ESIMS [M+H]
+ = 213.1;
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6): 13.04 (br. s., 1 H), 8.20 (s, 1 H), 4.54 - 4.40 (m, 2 H), 3.80 - 3.61 (m, 2 H), 3.30 (s, 3 H), 2.66 (s, 3 H)。
【0484】
酸(11): 5−ブタ−2−イニルオキシ−3−メチル−ピラジン−2−カルボン酸
表題化合物を、酸(9)の方法と類似の方法によって、メタノールの代わりにブタ−2−イン−1−オール[酸(9)の工程c)]を用いて製造した。
HPLC: Rt
H10= 0.78分;
ESIMS [M+H]
+ = 207.0;
1H NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 8.23 (s, 1 H), 5.06 (d, 2 H), 2.68 (s, 3 H), 1.87 (t, 3 H)。
【0485】
酸(12): 3−アミノ−5−メトキシ−ピラジン−2−カルボン酸
a) 3−アミノ−5−メトキシ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル
0℃で、75mg(1.866mmol)の油中60% 水素化ナトリウムを、5mlのMeOHに少しずつ加え、混合物を室温で30分間撹拌した。再度0℃まで冷却した後、350mg(1.866mmol)の3−アミノ−5−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(イギリス特許第1248146号)を加え、混合物を室温まで温め、一夜撹拌した。飽和水性NH
4Clを加え、混合物をDCMおよびEtOAcで抽出し、合わせた有機層を飽和水性塩化ナトリウムで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。残渣を、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン〜EtOAc)、表題化合物を無色の固体として得た。
HPLC: Rt
H10= 0.61分;
ESIMS [M+H]
+ = 184.2;
1H-NMR (360 MHz, DMSO-d
6): 7.52 (s, 1 H), 7.49 (br s, 2 H), 3.91 (s, 3 H), 3.81 (s, 3 H)。
【0486】
b) 3−アミノ−5−メトキシ−ピラジン−2−カルボン酸
4mlのTHF中の、200mg(1.092mmol)の3−アミノ−5−メトキシ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステルの溶液に、1.20ml(1.20mmol)の1N 水酸化ナトリウムを加え、混合物を室温で29時間撹拌した。混合物に1.09ml(1.09mmol)の1N HClを加え、5分間撹拌した後、トルエンを加え、溶媒を蒸発させ、表題化合物を塩化ナトリウムと共に無色の固体として得た。混合物を、さらに精製することなく、カップリング反応に用いた。
HPLC: Rt
H11= 0.52分;
ESIMS [M+H]
+ = 170.0;
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6): 12.48 (br s, 1 H), 7.57 (br s, 2 H), 7.48 (s, 1 H), 3.88 (s, 3 H)。
【0487】
酸(13): 5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸
a) 5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル
6.5mlのアセトニトリル中の、221mg(1.3mmol)の5−アミノ−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸エチルエステルの溶液に、0℃で、0.795ml(4.55mmol)のDIPEA、31.8mg(0.26mmol)のDMAPおよび709mg(3.25mmol)のBoc
2Oを加え、混合物を45℃で2日間撹拌した。室温まで冷却した後、水を加え、混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層を、1N HClで、そして半飽和水性NaClで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc 1:1)、表題化合物を帯桃色の固体として得た。
HPLC: Rt
H10= 1.21分;
ESIMS [M+H]
+ = 271.1。
【0488】
b) 5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸
1.16mlのTHF中の、314mg(1.163mmol)の5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−オキサゾール−4−カルボン酸エチルエステルの溶液に、0℃で、5.82ml(5.82mmol)の1N 水酸化ナトリウムを加え、混合物を室温まで温め、6日間撹拌を続けた。0℃で、5.82ml(5.82mmol)の1N HClを加え、溶媒を蒸発させた。残渣をDCMに懸濁し、濾過し、溶媒を蒸発させ、表題化合物を無色の固体として得た。
HPLC: Rt
H10= 0.62分;
ESIMS [M-H]
- = 241.0;
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6): 12.80 (br s, 1 H), 9.56 (br s, 1 H), 2.35 (s, 3 H), 1.42 (s, 9 H)。
【0489】
酸(14): 3−クロロ−5−フルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸
a) 3−クロロ−5−ヒドロキシ−ピリジン−2−カルボニトリル
無水DMF(45ml)中の、酢酸 5,6−ジクロロ−ピリジン−3−イルエステル(CA 110861-18-2, Synthesis, 1990, 499)(4.88g, 23.6mmol)の溶液に、アルゴンで脱気した後、Zn粉末(70mg, 1.07mmol)、Zn(CN)
2(1.28g, 10.9mmol)およびDPPF−PdCl
2(966mg, 1.18mmol)を加え、反応混合物を、130℃で6時間、そして150℃で18時間加熱した。反応混合物をTBMEおよびH
2Oで希釈し、セライトで濾過し、生成物をTBMEで抽出した。合わせた抽出物を、水で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。EtOAc−ヘキサンから結晶化した後、表題化合物をベージュ色の固体として得た。
TLC(CH
2Cl
2−MeOH 19:1): Rf = 0.22;
HPLC Rt
H5= 0.677分;
ESIMS: 153 and 155 [(M-H)
-];
1H NMR (360 MHz, CD
3OD): 8.19 (d, 1H), 7.41 (d, 1H)。
【0490】
b) 3−クロロ−5−フルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボニトリル
DMF(16ml)中の、3−クロロ−5−ヒドロキシ−ピリジン−2−カルボニトリル(315mg, 2.03mmol)の溶液に、Cs
2CO
3(1.652g, 5.07mmol)およびトルエン−4−スルホン酸フルオロメチルエステル(CAS登録番号 114435-86-8)(621mg, 3.04mmol)を加え、反応混合物を80℃で24時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をTBMEに溶かし、水で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。表題化合物を黄色の油状物として得て、シリカゲルのクロマトグラフィーを行った後(ヘキサン−EtOAc 10:1〜2:1)、表題化合物を明黄色の油状物として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1): Rf = 0.62;
HPLC Rt
H5= 0.872分;
ESIMS: 185 and 187 [(M-H)
-];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): 8.35 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 5.72 (d, 2H)。
【0491】
c) 3−クロロ−5−フルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸
ジオキサン(3ml)中の、3−クロロ−5−フルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボニトリル(76mg, 0.4mmol)の溶液に、1N NaOH(1.4ml)を加え、反応混合物を70℃で30時間加熱した。反応混合物を4N HClでpH 3まで酸性にして、乾固するまで蒸発させた。残渣をCH
2Cl
2−MeOH 8:1に懸濁し、セライトで濾過し、濃縮し、表題化合物を黄色の油状物として得た。
HPLC Rt
H5= 0.549分;
ESIMS: 204 and 206 [(M-H)
-];
1H NMR (360 MHz, CD
3OD): 8.39 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 5.90 (d, 2H)。
【0492】
酸(15): 3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸
a) 3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボニトリル
DMF(10ml)中の、3−クロロ−5−ヒドロキシ−ピリジン−2−カルボニトリル(314mg, 2.03mmol)の溶液に、K
2CO
3(841mg, 6.09mmol)およびクロロジフルオロ酢酸ナトリウム(1.29g, 8.11mmol)を加え、反応混合物を100℃で10分間加熱した。反応混合物をH
2Oで希釈し、TBMEで抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。表題化合物を黄色の油状物として得て、シリカゲルのクロマトグラフィーを行った後(ヘキサン−EtOAc 20:1〜1:1)、表題化合物を明黄色の油状物として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 2:1): Rf = 0.54;
HPLC Rt
H5= 0.968分;
ESIMS: 203 and 205 [(M-H)
-];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): 8.41 (d, 1H), 7.59 (d, 1H), 6.61 (t, 1H)。
【0493】
b) 3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸
ジオキサン(2ml)中の、3−クロロ−5−ヒドロキシ−ピリジン−2−カルボニトリル(90mg, 0.44mmol)の溶液に、1N NaOH(1.5ml)を加え、反応混合物を70℃で14時間加熱した。反応混合物をEtOAcで抽出し、水層を4N HClでpH 3まで酸性にして、乾固するまで蒸発させた。残渣をCH
2Cl
2−MeOH 10:1に懸濁し、セライトで濾過し、濃縮し、表題化合物をベージュ色の固体として得た。
HPLC Rt
H5= 0.667分;
ESIMS: 222 and 224 [(M-H)
-];
1H NMR (360 MHz, CD
3OD): 8.46 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.12 (t, 1H)。
【0494】
酸(16): 3−クロロ−5−メトキシメチル−ピリジン−2−カルボン酸
a) 3−クロロ−5−メトキシメチル−ピリジン−2−カルボニトリル
DMF(100ml)中の2,3−ジクロロ−5−メトキシメチル−ピリジン(CA登録番号202395-72-0)(7.5g, 38mmol)の溶液に、アルゴンで脱気した後、Zn粉末(126mg, 1.91mmol)、Zn(CN)
2(2.27g, 19.1mmol)およびDPPF−PdCl
2(0.997g, 1.15mmol)を加え、反応混合物を145℃で2時間加熱した。反応混合物を濃縮し、残渣を、TBMEおよび5% NaHCO
3水溶液に再度溶解し、TBMEで抽出した。合わせた抽出物を、水で、そして塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィーを行った後(ヘキサン−EtOAc 20:1〜EtOAc)、表題化合物をベージュ色の結晶として得た。
TLC(ヘキサン−EtOAc 1:1): Rf = 0.47;
HPLC Rt
H5= 0.854分;
ESIMS: 183 and 185 [(M+H)
+];
1H NMR (360 MHz, CDCl
3): 8.46 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 4.49 (s, 2H), 3.41 (s, 3H)。
【0495】
b) 3−クロロ−5−メトキシメチル−ピリジン−2−カルボン酸
ジオキサン(30ml)中の3−クロロ−5−メトキシメチル−ピリジン−2−カルボニトリル(2.75g, 15mmol)の溶液に、2N NaOH(30ml)を加え、反応混合物を75℃で8時間加熱した。反応混合物を4N HClでpH 3まで酸性にして、乾固するまで蒸発させた。残渣を、EtOH−THF 1:1に懸濁し、濾過し、濃縮した。EtOH−TBMEから再結晶した後、表題化合物をベージュ色の結晶として得た。
HPLC Rt
H5= 0.480分;
ESIMS: 169 and 170 [(M-CH
3OH)
+];
1H NMR (360 MHz, CD
3OD): 8.37 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 4.48 (s, 2H), 3.39 (s, 3H)。
【0496】
実施例186: 式(I)の化合物の生物活性
前記の実施例の化合物は、前記の試験1において、下記のIC
50値を示す。
表22
【表76】
【0497】
【表77】
【0498】
【表78】
【0499】
【表79】
【0500】
前記の実施例の特定の化合物は、前記の試験4において、下記のIC
50値を示す。
表20
【表80】
【表81】